説明

ピンホールが無く、自由に気泡サイズを自由にコントロール可能なポリウレタンフォームの製造方法。

【課題】ピンホールが無く、しかも自由に気泡サイズをコントロール可能なポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】ポリウレタンフォーム製造に於いて(a)ミキシングチャンバー内圧を0.1〜0.7Mpaに保つと共に(b)ミキシングチャンバー内圧よりも0.2〜12Mpa高い圧力下の原料輸送手段の間に全原料に対して3〜40体積パーセントの不活性気体を注入すると共に(c)ノズルを有する撹拌機を備えたミキシングチャンバーで撹拌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピンホールが無く、しかも気泡サイズを自由にコントロール可能なポリウレタンフォームの連続製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは大きく分けて、大型で連続的に生産するポリウレタンスラブフォーム、金型等に注入するモールドウレタンフォーム、更に主に硬質ウレタンフォームで行われる現場発泡を主とするスプレー発泡フォーム等がある。
【0003】
これらの内、主にポリウレタンスラブフォームは幅、高さが共に2m以上に及ぶものもありしかも大型で連続生産のためスラブフォーム中にピンホールが発生すると全製品を廃棄せざるを得ない。
このピンホールの発生原因について業界でいくつかの原因が指摘され、対策が取られてきたが、完全に発生を抑えるに至っていない。ピンホールは通常直径が1.0〜数mmに及ぶフォーム中の大きな気泡を呼ぶが、フォームを薄く1〜2mmにスライスすると完全に穴が開いてしまうこともあり廃棄せざるを得ないこともある。
【0004】
業界で指摘されている主な発生原因は下記のように伝えられ対策が取られてきた。
(1)ミキシングチャンバー並びにチャンバー出口からノズルまでの内部にポリウレタン樹脂等が付着し、この汚染物がキャピラリーとなって気泡を発生させ、ピンホールに成長する。
(2)気泡サイズを小さくするためにミキシングチャンバー内あるいはミキシングチャンバーに流入する原料ラインのミキシングチャンバーに近い位置にあるプレミキサー内に不活性気体を注入させるが、注入気体の一部が十分に溶解、分散せずピンホールに成長する。
上記対策としてミキシングチャンバー冶具を完全に清浄すること、注入する不活性気体を極力少なくあるいはゼロにするなど行ってきたが完全にピンホールをなくすことはできなかった。
【0005】
通常ミキシングチャンバー内の圧力は微細気泡をつくるため0.02〜0.06Mpaに設定し生産され、微細気泡化の為にプレミキサー、あるいはミキシングチャンバー内に注入する不活性気体の量も通常ピンホールの発生を抑えるため全原料に対して0〜1.5体積パーセント以下、できる限り0に近づけて注入される。
【0006】
不活性気体を注入せずミキシングチャンバー内圧力を0.02〜0.03Mpa程度に設定して、不活性気体を添加せず生産するポリウレタンスラブフォームの例もあるが、これは通常気泡サイズのポリウレタンフォームを製造するのではなく、気泡サイズが1.0〜4.0mmに達するフィルターフォームと呼ばれる粗大セルフォームを製造するためである。
【0007】
通常生産ロット単位のピンホールの発生率はフォーム製造各社によって、また処方によって異なるが数パーセント以下ではあるが完全に発生を抑えられていないのが現実である。ミキシングチャンバーおよびノズルの清浄はピンホールに対して効果があることは確かではあるが完璧ではない。
ミキシングチャンバーへの不活性気体の注入をゼロに抑えたとしても完璧にピンホールの発生をゼロとすることはできない。しかもミキシングチャンバーへの不活性気体の注入ゼロは気泡サイズを大きくすると云う弊害を引き起こし、微細気泡の製造が困難になる。
【0008】
特許公表2005−538241にはピンホールのないポリウレタンスラブフォームの製造方法が提案されている。本特許によるとピンホールの発生原因はミキシングチャンバー内で撹拌する羽根が原料の混合と共に気泡核を発生させ、回転シャフト半径によって大きく異なる周速度の為に不均一なバブルスペクトルを生じさせるとしている。しかも撹拌シャフトに於いて気相分離が発生する可能性があり、遠心力によって気相がシャフト中心に向かいピンホールが発生するのではと推理している。即ちミキシングチャンバーで原料の撹拌混合と同時に気泡核を発生させる現在の発泡方法はピンホールが発生するとしている。
従ってピンホールのないポリウレタンフォームを製造するためにはミキシングチャンバー圧力を高く設定して、回転シャフトを有するミキサーは原料の混合のみに限定し、下流域に別に設けた排出部に絞り機構を有する減圧機構で撹拌なしに気泡核を発生させる方法を提案している。
【0009】
しかしながら、前述のピンホールの発生理論が正しいと仮定すると、ピンホールの発生量に多少の差があろうがロット単位で100%割合で常にピンホールが発生していなければならないことになる。しかるに通常スラブフォームのピンホール発生はロット単位で2〜3%以下、通常は1%程度であり本理論には疑問を生ずる。
【0010】
そこでピンホールの発生原因を究明すべく、ピンホールの発生時に、製品条件の確認並びに対策を行い、下記の因果関係を得た。
1)原料のタンクローリー受入日の翌日はピンホールが発生しやすい。
2)発泡直前にワーキングタンクに原料をポンピングした場合ピンホールが発生しやすい。
3)同一原料において原料粘度が通常よりも低いロットの場合にはピンフォールが発生しやすい。
4)原料温度が通常よりも高い場合にはピンホールが発生しやすい。
5)室温が通常よりも高い場合にはピンホールが発生しやすい。
またこれらのピンホール発生時の対策として発泡機の吐出ノズル径をやや小さくすること、あるいは絞り付き吐出ノズルの絞りをやや強くすることによってピンホールが解消できること並びにその発泡時発泡機ミキシングチャンバーの内圧はほとんど上昇しないことを確認した。
【0011】
発泡機吐出ノズル径を少々小さくすることあるいは吐出ノズルの絞りをやや強くすることによるピンホール発生の解消は、前述の特許に見られるミキシングチャンバーでの撹拌による原料の混合並びに気泡核同時発生を解消させるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前述の事項に鑑みてなされたものであって、本発明の第一の目的はピンホールの無いポリウレタンフォームを提供することである。
本発明の他の目的はロットが変わっても常に一定形状の気泡を提供することである。
本発明の他の目的は気泡サイズを自由にコントロールすることができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明はポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、触媒、その他必要に応じて他の添加剤等を使用してポリウレタンフォームを製造する方法に於いて
(a)少なくとも全原料成分を混合するミキシングチャンバーの内部圧量を0.1〜0.7Mpaの範囲に保つと共に
(b)、ミキシングチャンバー内圧に対して少なくとも0.2〜12Mpa高い圧力を持つポリオール成分または及びポリイソシアネート成分の原料輸送ポンプからミキシングチャンバーまでの輸送手段の間に、全原料の3〜40体積パーセントの不活性気体を注入させると共に
(c)ノズルを有する撹拌機を備えたミキシングチャンバーで全原料を撹拌、混合、吐出することにより本目的を達成することが出来る。
【0014】
本発明に於いては少なくても全原料を混合するミキシングチャンバー内圧を0.1〜0.7Mpaの範囲に保つ必要がある。更に好ましくは0.2〜0.5Mpaの範囲が良い。0.1以下では後述する原料粘度や原料温度等の各種ピンホール因子の作用を抑えることができず、ピンホールの無いポリウレタンフォームを安定して製造することはできない。また0.7Mpa以上となると注入不活性気体量が多くなってシェービングクレーム状で吐出されることも有り塗布の点で好ましくない。
【0015】
本発明に於いてはポリオール成分または及びポリイソシアネート成分の原料輸送ポンプとミキシングチャンバーまでの間に注入部の圧力をミキシングチャンバー圧力に対して少なくとも0.2〜12Mpa高く保持した状態で不活性気体を注入することが必須事項である。好ましくはミキシングチャンバー圧力よりも0.4〜10Mpa高い方が良い。また12Mpa以上高いと注入するガスの圧力を高く設定せざるを得ないため商業的に高価につき好ましくない。
輸送配管中の圧力が低いと不活性気体の溶解性が低く機械的撹拌あるいはスタテックミキサーによる強制的な気体の微分散化を強要される。
注入に当たっては単に配管等の輸送手段の途中に注入するだけではなく、注入点あるいは注入下流域に機械的回転撹拌あるいはスタテックミキサーを導入して、より不活性気体を溶解し易くするのが好ましい。具体的には不活性気体を注入、撹拌、溶解させる不活性気体溶解装置としてライン配管途中に設置するのが良い。
【0016】
不活性気体の注入に当り、注入部の圧力が高いほど不活性気体の溶解は容易である。原料ポンプが高圧ポンプである場合には注入部のライン配管内圧力が6〜12Mpaに達するため特に溶解は容易である。この場合原料系にもよるが不活性気体の溶解のための機械的回転撹拌あるいはスタテックミキサーによる液体/気体溶解促進は必要ない場合もある。特にポリオールに比較してポリイソシアネートは低粘度であるので高圧ポンプの使用が容易である。高圧ポンプでイソシアネート成分をミキシングチャンバーまで定量輸送する間に不活性気体を注入することは容易に不活性気体が溶解することを意味する。
【0017】
原料輸送配管途上で注入された不活性気体は好ましくは完全に原料成分に溶解されるのが好ましいが、機械的撹拌あるいはスタテックミキサーを使用している場合には一部完全に溶解されていなくても、微粒子になっていればピンホールの発生には結びつかない。
【0018】
本発明に於いてはポリオール成分または及びポリイソシアネート成分の原料輸送ポンプからミキシングチャンバーまでの輸送手段の間に不活性気体の注入部の圧力をミキシングチャンバー圧力より0.2〜12Mpa高く設定された条件下で全原料体積に対して3〜40体積パーセントの不活性気体を注入する必要がある。更に好ましくは5〜30体積パーセントの不活性気体を注入するのが良い。3パーセント以下では微細な気泡を有するポリウレタンフォームを作る事は困難であると共にピンホールを完全に無くすことはできない。また40パーセントを越えるとシェービングクリーム状となって混合原料が吐出する場合も有り、好ましくない。
【0019】
不活性気体の注入量が増えるにつれて気泡は細かくなるが、過多になりすぎるとピンホールを発生することがある。ピンホールなしに更に細かな気泡を得たい場合には不活性気体溶解装置の回転数を大きくするのもピンホールを無くすのに効果的である。またミキシングチャンバー内圧を高めて注入不活性気体量を増やすことにより原料温度や原料粘度等に無関係に安定してフォームを製造することができる。
不活性気体の注入量が一定の場合にはミキシングチャンバー圧力が上昇するにつれて気泡サイズは大きくなる。
【0020】
また一定セル数のフォームを製造するには、ミキシングチャンバー圧力が高くなるにつれて、注入する不活性気体の量を増す必要がある。
ミキシングチャンバー圧力を低くして注入する不活性気体の量を少なくして、ポリウレタンフォームを製造するよりもミキシングチャンバー圧力を高く設定して、注入する不活性気体の量を多く設定する方がよりピンホールの無いフォームを製造するのには好ましい。
【0021】
ミキシングチャンバー圧力を高く設定すると微細気泡化するためにはより多くの不活性気体を必要とする。従って本発明の高圧のミキシングチャンバー内圧下でのポリウレタンフォーム発泡に於いては前もって原料中に溶解している空気及び溶解していない混入空気量の和は注入する不活性気体量対してその割合はきわめて小さくなる。
従って原料中に溶解している空気量及び溶解していない混入空気量が変化しても全不活性気体量はほとんど変わらないことから安定して一定の気泡を製造することができるものと考えられる。
【0022】
またこれまでのミキシングチャンバー内圧を0.06Mpa以下に設定する通常のポリウレタンフォームの製造においては、追加注入する不活性気体の量を全原料に対して1.5〜2体積パーセント程度注入するだけで容易にピンホールが発生する。
これに対して驚くことに本発明のミキシングチャンバー内圧を0.1Mpa以上にすると不活性気体の添加幅が非常に広くなり、ミキシングチャンバーノズルの形状にもよるが不活性気体の注入量を適正注入量に対して30体積パーセントを超える量的変化を与えてもピンホールの無い良好な気泡を製造することができる。
【0023】
これまでのポリウレタンフォームの製造ではピンホールが発生した場合、再現テストを行ってもほとんど再現が取れなかった。従って商業的にポリウレタンフォームの製造を開始してから40年経っても有効な対策が取られないまま現在に至っている。
またポリウレタンフォームの製造に於いてピンホールが発生しても原因が十分に究明されていないため、直ちにピンホールを無くすことができなかった。
本発明は100%再現性があることから例えピンホールが発生しても添加する不活性気体の量を一定量減らすことによって容易にピンホールの無いポリウレタンフォームを製造することができる。
【0024】
従来の気泡ザイズを変える方法としてはミキシングチャンバー下部に位置するノズルを絞り調整するのが一般的であるが、この絞り量と気泡サイズとの関係は非常に狭いため、ほとんど活用されていない。
本発明に於いては不活性気体の量と気泡ザイズとが比例関係にあり、しかも調整幅も広いことから気泡サイズのコントロールは不活性気体の量でコントロールすることが好ましい。
【0025】
本発明によるピンホールの無いポリウレタンフォーム製造技術は従来技術である低圧のミキシングチャンバー発泡と較べて確実に再現性が高い。自由にピンホールを有するポリウレタンフォームあるいはピンホールの無いポリウレタンフォームを製造することも可能である。本発明技術に基づけば何時でも自由に不活性気体の量を変えることによってピンホールの無いポリウレタンフォームあるいはピンホールを有するポリウレタンフォームを自由に製造することができる。
本発明に基づいてピンホールが無く、また自由にセルサイズを変えてポリウレタンフォームを製造するためには発泡機ミキシングチャンバー下部に位置する絞りを調整することなくあるいは下部に位置するノズル径を変えることなく、単に注入する不活性気体の量を増減することで容易に目的を達成することができる。
【0026】
従って目標とする気泡サイズのポリウレタンフォームを製造するためには、それぞれの原料配合系について、最初に本発明のミキシングチャンバー内圧範囲内の2つ以上の異なるミキシングチャンバー内圧についてそれぞれ不活性気体の量を段階的に増やして、注入不活性気体量と気泡サイズの関係を調べ注入すべき目的とする気泡を得るためのミキシングチャンバー圧力と不活性気体量を適宜決定すれば良い。
不活性気体量をあまりに多く増やしすぎてピンホールが発生した場合には注入不活性気体量の量を一段下げればよい。
【0027】
本発明に於いては全原料の3〜40体積パーセントの不活性気体を混入させる必要がある。注入する不活性気体量はミキシングチャンバー内圧、ミキシングチャンバー下部に位置するノズル形状原料粘度等によって大きく変化する。
ミキシングチャンバー内圧が高くなると適正注入不活性気体量も大幅に増加する。
ミキシングチャンバー下部に位置するノズル径が小さくなるにつれて適正不活性気体量は多くなる。
原料粘度については粘度が高いほどミキシングチャンバー内圧は高くなり、従って注入適正不活性気体量は多く必要とするが、ミキシングチャンバー内圧あるいはノズル形状に較べればその影響は小さい。
【0028】
ミキシングチャンバー内圧を0.06Mpa以下の低い設定にするこれまでのウレタンフォーム発泡方式では、ミキシングチャンバーあるいはミキシングチャンバー上流に位置する原料混合プレミキサーに不活性気体を注入すると、注入しない場合と較べて確実にピンホールの発生が増加する。また不活性気体の注入を停止すると確実に気泡サイズが大きくなる。そこでピンホールの発生を極力さけ、しかも気泡を細かくするため不活性気体の注入を停止した上で、できる限りミキシングチャンバー内圧を下げて、より発泡核の発生を促し、通常気泡ザイズのポリウレタンフォームを確保してきた。この状態では外部より不活性気体の注入は不要に近く原料中の溶解空気、不溶解の混入空気でほぼ気泡核発生は十分な状態である。
この状態での発泡には必要とする不活性気体の絶対量が少ない為不活性気体量のごく僅かな変化、即ち原料粘度あるいは温度の変化からくるミキシングチャンバー内圧変化で気泡サイズが変わったり、僅か溶解あるいは混合気体量が多くなるだけでピンホールが発生したりする。
このミキシングチャンバー内圧が低い状態はピンホール発生に対して非常に危険領域にあり、更にミキシングチャンバー内圧が下がると容易にピンホールが発生する状態にある。
【0029】
しかるに原料に溶解している空気並びに不溶解の混入空気は工場までの輸送条件あるいはタンクへの導入条件により毎回変化する、また原料の粘度もロットにより変化し、ミキシングチャンバー内圧も微妙に変化する。
ミキシングチャンバー圧力を低く設定する従来方式では空気核発生に必要な溶解並びに不溶解の混入空気は数体積パーセント以下と非常に少ないため前述の溶解空気及び混入空気の変化で容易に気泡核が必要以上に多くなって、ピンホールを発生させてしまうものと考えられる。
【0030】
本発明は従来取られてきたピンホールを発生しやすい外部からの不活性気体の注入を極力下げ、気泡核の発生量の低下からくる気泡の粗大化をミキシングチャンバー内圧をできる限り低く設定することによって、ピンホールの無い良好な気泡セルのポリウレタンフォームを製造しようとするこれまでの常識を覆すものである。
また本発明は先に述べた高圧特許公表2005−538241に示された高圧ミキシングチャンバーと下流域に別に設けた排出部に絞り機構を有する減圧機構を設けることなくピンホールの無い良好な気泡セルのポリウレタンフォームを製造するものである。
即ち本発明はミキシングチャンバー内圧を高く設定することによって多量の不活性気体を注入させようとするものである。
本発明は毎回変化する、溶解空気量、混入空気量、原料粘度、原料温度並びに発泡室温度等の気泡核発生因子の働きをできる限りゼロにし、主に注入する不活性気体のみで微細気泡を作ることを考え、本発明を完成した。
本発泡は発泡機ミキシングチャンバー内圧を高く設定することによって前述の毎回変化する気泡核生成因子の効果をゼロに近づけたものである。即ち本発明は気泡形成に大きく関与する外部因子を排除し、注入した不活性気体量で気泡を作るため一定量の注入不活性気体では常に一定気泡サイズのポリウレタンフォームを製造することができる。このことは本発明に於いて不活性気体の注入量をゼロに設定すると気泡核の発生が少なくなり驚くほど粗大な気泡になることからも理解することができる。
【0031】
即ち本発明はピンホールの生成に対して影響を及ぼす前述の混入空気等の因子作用をゼロに近づけて発泡することが出来れば、安定してピンホールの無いポリウレタンフォームを製造できると云う考えに基づき鋭意検討した結果、発泡機のミキシングチャンバー圧力を0.1〜0.7Mpaに設定し、原料輸送ポンプからミキシングチャンバーまでの原料輸送手段の間に於いてミキシングチャンバー圧力よりも少なくとも0.2〜12Mpa高い条件で3〜40体積パーセントの不活性気体を注入することにより本目的を達成できることを確認し、本発明を完成した。
【0032】
本発明に使用する不活性気体としてはイソシアネートと反応しない空気、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガス、ヘリウムガス等が使用可能であるが、特に好ましくは気泡が細かになる点で空気または窒素ガスが好ましい。
【0033】
本発明におけるミキシングチャンバー内圧とはポリウレタンフォームを製造するための全ての原料が混合されるミキシングチャンバーの内部圧力即ち少なくともポリオール、イソシアネートが混合されるミキシングチャンバー内部圧力を指し、通常業界で使われるミキシングチャンバーに流入する直前の主としてポリオールの配管の圧力ではない。
従って本発明のミキシングチャンバー圧力は従来のポリオール配管で測定するミキシングチャンバー圧力ではなく、従来のミキシングチャンバー圧力よりも0.05〜0.075Mpa程度低い。
【0034】
本発明のミキシングチャンバー圧力の測定はチャンバー内に直接圧力センサーを設けて測定するのが良いが、ポリイソシアネート等によってセンサーが固化することもある。
又別の測定方法としてはブルドン管方式の圧力計があるがこれらに限定されるものではなく、要は真のミキシングチャンバー内部圧力が測定できれば良い。
【0035】
本発明を実施するに当たり、原料輸送配管への不活性気体の混入、溶解は具体的には原料配管途中にミキシングチャンバーと同一形状の撹拌機あるいはメカニカルフロスに使用されるオークスミキサー等の撹拌機を設け、これを不活性気体溶解装置として使用するのが良い。
また本発明を実施するに当たり、ミキシングチャンバーには発泡に必要な全ての原料成分を単独成分として送り込んでも良く、あるいは水、触媒等の全てあるいは一部を不活性気体溶解装置に不活性気体と共に混入させて事前撹拌してからミキシングチャンバーに送り込んでも良い。
【0036】
本発明の適用に当たってポリウレタンフォームを製造する発泡設備方式としては、ポリウレタンスラブフォームに限定されず、モールド成形ポリウレタンフォーム等いかなる発泡設備方式でも適用可能であり、製品物性からの区分である軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム及び連続気泡並びに独立気泡の硬質ポリウレタンフォーム等にも適用可能である。
また発泡原料区分から来る、ワンショット法あるいはプレポリマー法によるポリウレタンフォーム、イソシアヌレート結合を含むポリウレタンフォームにも適用可能である。
【0037】
本発明のポリウレタンフォーム製造方法に於いて、原料面での特別の限定は無く、ポリオール原料としては例えば各種分子量のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポレオレフィンポリオール等の使用が可能であるがこれに限定されない。
ポリインシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、粗製メチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の一般に使用可能なポリイソシアネートであれば使用することができるがこれに限定されない。
また充填剤としては炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、石油樹脂、アスファルト、ポリブテン等の使用が可能であるがこれに限定されない。
またその他の紫外線防止剤、顔料、酸化防止剤等も使用可能である。触媒としては三級アミンや有機金属化合物等があるがこれに限定されない。
【発明の効果】
【0038】
本発明はこれまで解決できなかったポリウレタンフォームに発生するピンホールを無くすと共に超微細気泡まで自由に気泡サイズを容易にコントロールすることができる。
またこのことによって可能となる超微細気泡フォームは超吸水性が発揮されインク吸水材や汚泥処理媒体への展開、また常に同一セルサイズの均一気泡サイズのフォームが可能となる為CMP分野への展開が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の不活性気体を溶解する方法については大きく三通りの方式があるが、本方法に限定されるものではない。
第一の方式は、ポリオールポンプ並びにポリイソシアネート両ポンプが低圧ポンプ使用のケースである。
この場合ポリオールポンプからミキシングチャンバーまでの間あるいは及びポリイソシアネートポンプからミキシングチャンバーまでの配管ライン間に撹拌機を有する不活性気体溶解装置を設けて不活性気体を注入溶解させるのが良い。
低圧ポンプの場合にはスタテックミキサーによって十分に不活性気体を溶解させるのは困難である。
【0040】
ここで低圧ポンプとは5.0Mpa程度以下の吐出圧力ポンプを指し、通常ギヤポンプが使用されるが、これに限定されるものではない。
高圧ポンプとは6〜25Mpa程度の吐出圧力ポンプを指し、通常プランジャーポンプが使用されるがこれに限定されるものではない。
【0041】
第二の方式とはポリオールポンプが低圧ポンプ、ポリイソシアネートポンプが高圧ポンプの場合である。
この場合ポリイソシアネート配管ラインには撹拌機を有する不活性気体溶解装置あるいはスタテックミキサーを有する不活性気体溶解装置を設けて不活性気体を溶解させる。但しポリオール配管ラインの低圧ポンプ配管ラインに取り付ける不活性気体溶解装置については機械的撹拌により混合溶解させるタイプの不活性気体溶解装置を使用するのが好ましい。またポリイソシアネート配管ラインあるいはポリオール配管ライン単独に不活性気体を注入するのも良く、両者を併用しても良い。
不活性気体溶解装置をポリオール配管ラインに設置する場合にはポリイソシアネートポンプの圧力は12Mpa以下ではなく、なるべく高く例えば25Mpa程度まで高めるのが好ましい。
【0042】
第三の方式はポリオールポンプならびにポリイソシアネートポンプが高圧ポンプの場合である。
この場合ポリオール配管ラインまたは及びポリイソシアネート配管ラインに撹拌機を有する不活性気体溶解装置あるいはスタテックミキサーを有する不活性気体溶解装置を設けて不活性気体を溶解する。特に原料粘度が低いポリイソシアネート配管ラインに不活性気体溶解装置を取り付ける場合にはスタテックミキサー使用の不活性基体溶解装置で十分な場合が多い。本方式に於いて不活性気体溶解装置を使用しない高圧ポンプラインに於いては12Mpa以下ではなく、25Mpaまでポンプ圧力を高めた方がより微細な気泡のポリウレタンフォームを得ることが出来る。
しかしながら一般的にピンホールの無いポリウレタンフォームを製造する上では機械的撹拌機を装備した不活性ガス溶解装置を使用する方がより信頼性は高い。
【0043】
撹拌機を有する不活性気体溶解装置としては通常のポリウレタンフォームを製造するのに使用するミキシングチャンバーを使用しても良く、またオークスミキサーを使用しても良いがこれらに限定されるものではない。但し本撹拌機を有する不活性気体溶解装置に於いては回転数を変えられるものが好もしい。回転数を変えることにより溶解速度が変えられることから原料粘度、原料吐出量並びに溶解気体量によって適正回転数を決めるのがよい。
【0044】
本発明によりピンホールの無いポリウレタンフォームを製造する代表的例を説明する。図1は本発明を実施するポリウレタンフォーム製造装置の概略構成図である。
ポリオールタンク1からポンプ6にてポリオールを不活性気体溶解装置18に定量輸送する。タンク2は水成分タンクであり、発泡剤である水以外にシリコーン整泡剤並びに発泡系触媒が均一混合されている。水成分タンク2からポンプ7にて水成分が不活性気体溶解装置18に定量輸送される。また窒素ガスは窒素ボンベ5から流量計10を経て不活性気体溶解装置18に定量注入される。
【0045】
不活性気体溶解装置18の内部には混合撹拌の羽根21が装備されており、モーター20にて回転されている。
この不活性気体溶解装置18にてポリオール並びに水成分が均一に溶解されると共に窒素ガスが原料に溶解される。窒素ガスを溶解したポリオールと水成分の混合成分は発泡機であるミキシングチャンバー19に送られる。
【0046】
有機金属系のゲル化触媒は、ゲル化触媒タンク3からポンプ8にて発泡機であるミキシングチャンバー19に直接送られる。
またポリイソシアネートはポリイソシアネートタンク4から高圧ポンプ9を用いて定量的に発泡機であるミキシングチャンバー19に直接送られる。
ミキシングチャンバー19には撹拌羽根22とモーター20が装置され、流入するポリオールと水成分の混合原料成分及びゲル化触媒成分及びポリイソシアネート原料成分が均一混合され、ミキシングチャンバー出口23から吐出されポリウレタンフォームが生成される。
【0047】
不活性気体溶解装置18には圧力計16が装備され、ミキシングチャンバー19には圧力計17が装置されている。
不活性気体溶解装置の圧力は少なくともミキシングチャンバー圧力よりも0.2〜12Mpa高く設定され、発泡機ミキシングチャンバー内圧は0.1〜0.7Mpaの範囲に設定される。
【0048】
図2は本発明の別の代表的例を説明するポリウレタンフォーム製造装置の概略構成図である。
ポリオールはポリオールタンク1から定量ポンプ6を用いて発泡機ミキシングチャンバー19に定量輸送する。
発泡剤である水及びシリコーン界面活性剤並びに発泡系触媒は均一に混合されて水成分タンク2に充填され、ポンプ7を用いては発泡機であるミキシングチャンバー19に定量輸送される。
有機金属系のゲル化触媒を充填した触媒タンク3からポンプ8を用いて発泡機であるミキシングチャンバー19にゲル化触媒が定量輸送される。
【0049】
またポリイソシアネートタンク4から高圧ポンプ9を用いてポリイソシアネートがスタテックミキサー25が装備されている不活性気体溶解装置24に定量輸送され、同時に窒素が窒素ボンベ5から流量計10を経てスタテックミキサー25が装備されている不活性気体溶解装置24に定量輸送されスタテックミキサー25にて混合溶解され、ミキシングチャンバー19に注入される。不活性気体溶解装置には圧力計27並びにミキシングチャンバー19には圧力計17が装置されている。
ミキシングチャンバー19には撹拌羽根22とモーター20が装備され、流入するポリオール成分、水成分、ゲル化触媒成分、及びポリイソシアネート成分が均一混合されミキシングチャンバー出口23から吐出され、ポリウレタンフォームが生成される。
【0050】
本発泡装置に於いても不活性気体の圧力は少なくともミキシングチャンバー圧力よりも0.2〜12Mpa高く設定され、好ましくは0.4〜10Mpa高く設定され、ミキシングチャンバー内圧は0.1〜0.7Mpaの範囲に設定される。
【0051】
図3は本発明に使用されるミキシングチャンバー出口23下部に取り付けるノズルの中央縦断面図であり、図4は図3のP1P2横断面図である。
図に示されるようにノズルはミキシングチャンバー出口から吐出口に向かってa、b位置まで急激に口径が釣鐘形状で大きくなり、その後は吐出口に向かって均一口径となっている。
【0052】
図5は本発明に使用されるミキシングチャンバー出口23下部に取り付けるノズルの中央縦断面図であり、図6は図5のP1P2横断面図である。
図に示されるようにノズルはミキシングチャンバー出口から吐出口に向かってc、d位置まで急激に釣鐘形状的に口径が大きくなり、その後は吐出口に向かって口径が小さくなっているがe、fの距離からなる口径はノズルを取り付けるミキシングチャンバー出口の口径よりは大きい。
【0053】
図7は本発明に使用されるミキシングチャンバー出口23下部に取り付けるノズルの中央縦断面図であり、図8は図7のP1P2横断面図である。
図に示されるようにノズルは吐出口に向かうにつれて口径が大きくなっているが特にミキシングチャンバー出口から釣鐘状に口径が大きくなっている。
【0054】
図9は本発明に使用されるミキシングチャンバー出口23下部に取り付けるノズルの中央縦断面図であり、図10は図9のP1P2横断面図である。
図に示されるようにミキシングチャンバー出口から吐出出口に向かって均一口径を保つ通常形状のものである。
本発明の前述の釣鐘形状のノズルは図9に通常形状のノズルに較べてより細かな気泡をつくるのに優れている。
【実施例】
【0055】
以下説明するピンホールの無いポリウレタンフォームの実施例は図1に示したポリウレタン発泡装置を用い、ミキシングチャンバー出口23には図9、図10に示した形状のノズルを使用した。ミキシングチャンバー内圧はノズルの口径を変えて調節し、不活性気体溶解装置の内圧は可変バルブ26を用いて調節した。
(使用原料の説明)
【0056】
DABCO 33LV:
エアープロダクト社製。トリエチレンジアミンの33%、ジプロピレングリコール溶液
SH 190 :
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製。シリコーン系整泡剤
ポリオール :
グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合させた分子量3000のトリオール。
シリコーン/DABCO水溶液の作成 :
水 : SH−190 : DABCO33LVを4:1.5:0.2の重量割合で撹拌混合して、シリコーン/DABCO水溶液を得た。
スタナスジオクトエート水溶液の作成 :
スタナスジオクトエートをグリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合させた分子量3000のポリオールで希釈してスタナスジオクトエート10%溶液を作成した。
【実施例1】
【0057】
ポリオールタンク1にポリオール、水成分タンク2にシリコーン/DABCO水溶液、ゲル化触媒タンク3にスタナスジオクトエート希釈溶液、ポリイソシアネートタンク4にトリレンジイソシアネート(T−80)を充填した。
ポリオールをポンプ6を用いて19.21kg/分吐出、シリコーン/DABCO水溶液をポンプ7を用いて1.09kg/分吐出、スタナスジオクトエート希釈溶液をポンプ8を用いて0.67kg/分、トリレンジイソシアネート(T−80)をポンプ9を用いて9.56kg/分吐出した。
不活性気体溶解装置18の撹拌羽根21を1000回転/分、発泡機のミキシングチャンバー内部の撹拌羽根を4000回転/分で撹拌した。
【0058】
不活性気体溶解装置の内部圧力を1.0Mpaになるようにバルブ26を調整し、次いでミキシングチャンバー内部圧を0.15Mpaになるように発泡機のミキシングチャンバーノズル径を選択した。
窒素ガスを窒素ボンベより流量計10を通して圧力1.02Mpa圧力で4.2l/分の割合で不活性気体溶解装置に送ってピンホールの無い軟質ポリウレタンフォームを得た。
物性を表−1に示す。
【実施例2】
【0059】
不活性気体溶解装置の内部圧力を1.1Mpa、ミキシングチャンバー内部圧力を0.27Mpa、窒素ガスが7.2l/分に変えた以外は実施例1とほぼ同一条件でポリウレタンフォームを得た。得られたフォームはピンホールの無い微細気泡のポリウレタンフォームであった。物性を表−1に示す。
【実施例3】
【0060】
不活性気体溶解装置の内部圧力を1.3Mpa、ミキシングチャンバー内部圧力を0.46Mpaに設定し、窒素ガスを8.1l/分に変えた以外は実施例1とほぼ同一条件でポリウレタンフォームを得た。得られたフォームはピンホールの無い少々大きめなポリウレタンフォームを得た。物性を表−1に示す。
【実施例4〜6】
【0061】
各種ミキシングチャンバーノズルを用いて実施例2に近似してポリウレタンフォームを製造した。
使用ノズルと発泡条件並びにフォーム状態について表1に表す。
【比較例1】
【0062】
実施例1の条件に於いて窒素ガスの量を5.7l/分に増加させたところ直径1.5〜2.6mmサイズのピンホールが多数混入したポリウレタンフォームを得た。
結果を表−2に示す。
【比較例2】
【0063】
実施例2の条件にて窒素ガスを8.1l/分に増加させたところ直径1.5〜2.0mmサイズのピンホールのやや多いポリウレタンフォームを得た。結果を表−2に示す。
【比較例3】
【0064】
実施例3の条件にて窒素ガスを12.1l/分の割合で注入したところシェービングクリーム状の発泡体を得た。結果を表−2に示す。
【表−1】

【表−2】

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明はピンホールの無いポリウレタンフォームを製造すると共にポリウレタンフォームの気泡サイズを細かくすることが可能である。しかも通常製造ロット毎に変化する気泡サイズを常に一定気泡サイズの製品を製造することができる。
従って微細化によって超親水性ポリウレタンフォーム、あるいは超疎水性ウレタンフォームの製造が可能になります。
また一定サイズ気泡を常に製造できることからCMP研磨材としても有望である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明を実施するためのポリウレタンフォーム製造装置の概略構成図
【図2】本発明を実施するための別のポリウレタンフォーム製造装置の概略構成図
【図3】図1及び図2のミキシングチャンバー出口に取り付けるノズルの中央縦断面図
【図4】図3のP1P2横断面図
【図5】図1及び図2のミキシングチャンバー下部に取り付ける別のミキシングノズルの中央縦断面図
【図6】図5のP1P2横断面図
【図7】図1及び図2のミキシングチャンバー下部に取り付ける別のミキシングノズルの中央縦断面図
【図8】図7のP1P2横断面図
【図9】図1及び図2のミキシングチャンバー下部に取り付ける別のミキシングノズルの中央横断面図
【図10】図9のP1P2横断図
【符号の説明】
【0067】
11 ポリオール配管圧力計
12 シリコーン/DABCO水溶液配管圧力計
13 ゲル化触媒配管圧力計
14 ポリイソシアネート配管圧力計
15 窒素ガス配管圧力計
27 タテックミキサー内蔵不活性気体溶解装置の圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール、ポリイソシアネート、整泡剤、発泡剤、触媒、その他必要に応じて他の添加剤等使用してポリウレタンフォームを製造する方法に於いて
(a)少なくとも全原料成分を混合するミキシングチャンバー内圧を0.1〜0.7Mpaに保つと共に
(b)、ミキシングチャンバー内圧に対して少なくとも0.2〜12Mpa高い圧力を持つポリオール成分または及びポリイソシアネート成分の原料輸送ポンプからミキシングチャンバーまでの輸送手段の間に、全原料に対して3〜40体積パーセントの不活性気体を注入させると共に
(c)ノズルを有する撹拌機を備えたミキシングチャンバーで全原料を撹拌する
ことを特徴とするピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項2】
ミキシングチャンバー内圧を0.2〜0.5Mpaに設定する請求項1記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項3】
不活性気体の注入に於いて不活性気体の注入部の圧力をミキシングチャンバー圧力に対して0.4〜10Mpa高い圧力に保つ特許請求項1記載のポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
不活性気体の注入量が5〜30体積パーセントである請求項1記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項5】
不活性気体が窒素または空気である請求項1記載のピンホールが無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項6】
不活性気体の注入にあたり、不活性気体の注入部ならびに注入部下流域に於いて機械的撹拌あるいはスタテック撹拌を行う請求項1乃至5記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項7】
不活性気体の注入量を増減することによって気泡サイズを調節する請求項1〜6記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項8】
ポリウレタンフォームがスラブフォームである請求項1乃至7記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項9】
釣鐘形状のノズルを使用する請求項1乃至8記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項10】
ミキシングチャンバー出口から吐出出口に向かって釣鐘形状で急激に口径が大きくなり、その後ほぼ同一口径である図3、図4に示した釣鐘形状のノズルを用いる請求項9記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項11】
ミキシングチャンバー出口から吐出出口に向かって釣鐘形状で急激に口径が大きくなり、その後口径が小さくなるがミキシングチャンバー出口の口径よりは大きい図5、図6に示した釣鐘形状のノズルを用いる請求項9記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項12】
ミキシングチャンバー出口から吐出出口に向かって釣鐘形状で急激に口径が大きくなる図7、図8に示した釣鐘形状のノズルを用いる請求項9記載のピンホールの無いポリウレタンフォームの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−184605(P2008−184605A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46148(P2007−46148)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(593174674)有限会社サン・イースト・リサーチ (10)
【Fターム(参考)】