説明

ファイリングセキュリティシステム及び物品セキュリティシステム

【課題】重要書類等のファイルを簡略安価な構成で、且つ、セキュリティ性の高い状態で管理できるファイリングセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】ファイリングセキュリティシステムは、ファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、書類フォルダに取り付けられ、固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグと、RFIDタグを検知するアンテナと、書類フォルダのフォルダ書庫に対する出入を検知する棚センサと、アンテナの検知動作を時分割切り替えるとともに、棚センサの信号に基づき、アンテナの検知動作を書類フォルダの収容エリアに固定し、監視状態とするアンテナコントローラと、アンテナ、棚センサの検知信号に基づき書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイリングセキュリティシステム及び物品セキュリティシステムに関し、詳しくは、重要書類や重要物品等を高度のセキュリティを持って管理するファイリングセキュリティシステム及び物品セキュリティシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種契約書類、不動産関係書類等々の重要書類を書庫等に入れて保管、管理する場合においては、誰が、何時重要書類を取り出し、返却したか等の管理状況を的確に把握することが要請される。
【0003】
特許文献1には、案件毎の必要書類の効率のよい管理を目的として、必要書類をファイルリングしたフォルダをキャビネットに収容し、又はキャビネットから取り出す際に、フォルダに付けたIDカードの識別情報を読み取り、個々のフォルダの収容状況等を管理して、管理情報を画面表示するように構成した融資書類管理装置が開示されている。
【0004】
しかし、この特許文献1の融資書類管理装置の場合、必要書類をファイルリングしたフォルダに関する収容状況等の管理は行えるものの、フォルダを出し入れした作業者までは把握できず、また複数のキャビネット毎にIDカードの識別情報を読み取る手段を必要とし、セキュリティ性の点及び装置構成の複雑化を招く点で問題がある。
【特許文献1】特開2000−38202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、重要書類等のファイルを簡略安価な構成で、且つ、セキュリティ性の高い状態で管理できるファイリングセキュリティシステムが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のファイリングセキュリティシステムは、ファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダのフォルダ収容手段に対する出入を検知する出入検知手段と、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段とを有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1乃至3記載の発明によれば、個々の書類フォルダに、固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体を取り付け、フォルダ収容手段に、非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、書類フォルダの出入を検知する出入検知手段とを取り付け、管理手段により、非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行うことで、重要書類等のファイルをセキュリティ性の高い状態で管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。また、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替える監視コントローラを備える構成とすることで、簡略安価な構成からなり、セキュリティ性の高い状態で重要書類等のファイルを管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。更に、部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯する個人識別媒体に記録した個人識別情報に関連付けて検知する部屋出入検知手段を付加した構成とすることで、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で重要書類等のファイルを管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。
【0008】
請求項4記載の発明によれば、扉付の部屋内に配置したファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容する棚を備えるフォルダ書庫と、個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグとを備え、更に前記RFIDタグ、棚センサの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、管理手段による管理情報を可視的に出力可能な出力手段とを備える構成で、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で重要書類等のファイルを管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。
【0009】
請求項5乃至7記載の発明によれば、個々の物品に、固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体を取り付け、物品収容手段に、非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、物品の出入を検知する出入検知手段とを取り付け、管理手段により、非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づき物品収容手段に対する物品の出入監視、物品の在庫管理を行うことで、物品等をセキュリティ性の高い状態で管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。また、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替える監視コントローラを備える構成とすることで、簡略安価な構成からなり、セキュリティ性の高い状態で物品等を管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。更に、部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯する個人識別媒体に記録した個人識別情報に関連付けて検知する部屋出入検知手段を付加した構成とすることで、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で物品を管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。
【0010】
請求項8記載の発明によれば、扉付の保管庫内に配置した物品を収容する棚を備える保管棚と、個々の物品に取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグとを備え、更に前記RFIDタグ、棚センサの検知信号に基づき物品に対する保管棚の出入監視、物品の在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、管理手段による管理情報を可視的に出力可能な出力手段とを備える構成で、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で物品等のファイルを管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、重要書類等のファイルを簡略安価な構成で、且つ、セキュリティ性の高い状態で管理するという目的を、ファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダのフォルダ書庫に対する出入を検知する出入検知手段と、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記出入検知手段の前記書類フォルダのフォルダ書庫からの取り出しを示す信号に基づき、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を前記書類フォルダの収容エリアに固定し、監視状態とする監視コントローラと、前記非接触型記録媒体検知手段、監視コントローラ、出入検知手段を制御するとともに、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段の検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段とを有する構成により実現した。
【実施例】
【0012】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1及び図2は、本実施例のファイリングセキュリティシステムの全体構成を示すものであり、このファイリングセキュリティシステムは、図1に示すように、例えばオフィス等の特定の扉2を有する部屋1内に配置した紙葉、封筒等の書類(以下「ファイルF」という)を収容する書類フォルダ30を列設収容可能な例えば4段の棚51を備えるフォルダ書庫50と、このファイリングセキュリティシステム全体の管理を行う管理コンピュータ10と、詳細は後述するコントローラ箱60と、前記扉2の近傍の壁に設置され、前記扉2の開閉を行う作業者が携帯するIDカード70に記録した個人識別情報を検知する扉センサ5とを含んで構成している。
【0013】
前記書類フォルダ30、棚51を備えるフォルダ書庫50について図3、図4をも参照して詳述する。前記書類フォルダ30は、ファイルFを挿脱可能な開口を有する箱型状に形成され、その底部に公知のRFID(Radio Frequency Identification Systm)タグ3を貼り付けている。
【0014】
前記フォルダ書庫50は、底板52、3枚の棚板53及び一対の側板54を具備し、4段の棚51を有する構成で、各棚51に各々書類フォルダ30を列設収容するようになっている。
【0015】
前記底板52、3枚の棚板53の各上面には、図4に示すように、前記フォルダ書庫50に収容した個々の書類フォルダ30に取り付けたRFIDタグ3を検知するアンテナ58を取り付けている。
【0016】
また、4段の棚51を構成する一対の側板54間には、前記フォルダ書庫50の棚51に設置した個々の書類フォルダ30のフォルダ書庫50に対する出入を検知する光学式で合計4組構成から棚センサ55を取り付けている。
【0017】
前記各棚センサ55は、図2に示すように、一方の側板54に配置した光を発光する発光素子56と、他方の側板54に対向配置した発光素子56からの光を受光する受光素子57との組み合わせにより構成され、発光素子56から受光素子57への光の遮断の有無により前記フォルダ書庫50の棚51に対する個々の書類フォルダ30の出入を検知するようになっている。なお、図3において、57aは受光素子57の引き出しリード線、58aはアンテナ58の引き出しリード線である。
【0018】
前記RFIDタグ3は、図5に示すように、例えば矩形状に形成したフィルム状で電磁誘導方式により信号の送受信を行うコイル7と、このコイル7を接続した各種情報を書き込み、読み取り可能に記録する機能を搭載するとともに固有の識別情報(タグコード)を予め記録したICチップ8とを、合成樹脂製のタグ本体6に収容することにより構成している。そして、このRFIDタグ3を前記書類フォルダ30の底部に貼り付けている。
【0019】
次に、図6を参照して、本実施例のファイリングセキュリティシステムの制御系について説明する。
このファイリングセキュリティシステムは、前記管理コンピュータ10に搭載した予めファイリングセキュリティシステムを動作させるための動作プログラムを格納しているプログラムメモリ11と、動作プログラムに基づいて全体の制御を行う制御部12と、書類フォルダ30の出入管理、在庫管理を行い、管理情報を作成する管理手段13と、管理情報等各種情報を記憶する記憶部14と、日時情報を計時する計時部15と、管理情報等各種情報をプリント出力するプリンタ16と、管理情報等各種情報を表示する表示部17と、各種文字情報等を入力するためのキーボード18と、前記RFIDタグ3から識別情報を読み取り可能なタグリーダライタ19と、外部装置(例えば本社のコンピュータシステム)との間で情報伝送を行う通信インターフェース20とを有している。
【0020】
また、前記制御部12により、前記アンテナ58を時分割切り替え方式(ポーリング方式)で制御するアンテナコントローラ21、前記棚センサ55を制御する棚センサコントローラ22の動作制御を行うようになっている。更に、前記制御部12により、前記扉センサ5を制御する扉センサコントローラ23の動作制御を行うようになっている。
【0021】
前記アンテナコントローラ21、棚センサコントローラ22、扉センサコントローラ23は、前記コントローラ箱60に収容されている。
【0022】
前記アンテナコントローラ21、棚センサコントローラ22、扉センサコントローラ23と、前記管理コンピュータ10との間の通信方式としては、有線式、無線式、赤外線通信方式等の各種の通信形態を選定することができる。また、前記管理コンピュータ10の設置位置も図1に示す位置に限定されず、部屋1以外の場所とすることも勿論可能である。
【0023】
前記アンテナコントローラ21は、各棚51のアンテナ58を10秒毎に切り替える時分割切り替え方式で監視する。すなわち、1番目、2番目、3番目、4番目の各棚を10秒毎に切り替えて順次監視する。これにより、アンテナコントローラ21は最小限一台で済み、アンテナコントローラ21を各アンテナ58毎に合計4台設置する場合に比べ、設備構成の簡略化、設備価格の低減化を図ることができるように構成している。
【0024】
次に、本実施例のファイリングセキュリティシステムの動作について説明する。
前記フォルダ書庫50の各棚51には、例えばいくつかの書類フォルダ30が予め収容され、このとき、各書類フォルダ30に取り付けたRFIDタグ3に記録した識別情報(例えば「0001」等)は、棚51に配置した各アンテナ58により自動的に検知され、アンテナコントローラを21介して管理コンピュータ10に送信されて、管理部13により把握され、管理されているものとする(在庫管理状態)。
【0025】
また、前記アンテナコントローラ21は、時分割切り替え方式で各棚51に配置したアンテナ58の動作制御を行っている。
【0026】
今、前記各棚51の書類フォルダ31のうち、いずれかの棚51の書類フォルダ30が取り出されたとすると、当該棚51に配置した前記棚センサ55が検知信号を発信する。棚センサ55のが検知信号は、棚センサコントローラ22を介して前記制御部12に送信され、これにより、前記制御部12の制御の基に前記アンテナコントローラ21は当該棚センサ55が属する棚の51アンテナ58による監視動作に固定する。
【0027】
そして、所定の時間(例えば30分等)内に前記棚センサ55が検知信号を発信した場合、すなわち、書類フォルダ30が前記棚51に戻された場合には、当該棚センサ55が属する棚の51アンテナ58により書類フォルダ30に付した前記RFIDタグ3の識別情報が認識され、既述した場合と同様にして前記管理部13により把握され、管理される。
このような場合の前記管理部13による管理情報の出力例を図7に示す。すなわち、前記管理部13は、上述した在庫管理状態から書類フォルダ30が取り出され、返却されるまでの一連の情報を前記計時部15による計時情報に関連付けて管理し、年月日及び書類フォルダ30の取り出し、返却の時分の情報とからなる管理情報を作成し、前記記憶部15記憶する。この管理情報は必要に応じて前記表示部17に表示し、又は前記プリンタ16により図7に示すようにプリント出力することで視覚的に把握可能としている。
【0028】
一方、書類フォルダ30が取り出された後、所定の時間(例えば30分等)内に前記棚センサ55が検知信号を発信しない場合、すなわち、書類フォルダ30が前記棚51に戻されない場合には、異常事態として前記管理コンピュータ10によりフラグを立てたり、警報を発生する等の処置を取ることができる。
このような異常事態の場合の前記管理部13による管理情報の出力例を図8に示す。
【0029】
更に、本実施例において、IDカード70、扉センサ5との組み合わせによるファイリングセキュリティシステムの動作について以下に説明する。
【0030】
前記扉2の近傍の壁に設置された扉センサ5は、前記扉2の開閉を行い、部屋1に入り、書類フォルダ30の取り出し、返却を行い、退室する作業者が携帯するIDカード70に記録した個人識別情報を検知する。
【0031】
この扉センサ5が検知したIDカード70の個人識別情報は、前記扉センサコントローラ33を介して制御部12に送られ、これにより、前記管理部13は、上述した在庫管理状態から書類フォルダ30が取り出され、返却されるまでの一連の情報を前記計時部15による計時情報に関連付けて管理し、年月日及び書類フォルダ30の取り出し、返却の時分の情報と、前記作業者の入室、退室及びれらの時分の情報を組み合わせたらなる管理情報を作成し、前記記憶部15記憶する。この場合の管理情報は必要に応じて前記表示部17に表示し、又は前記プリンタ16により図9に示すようにプリント出力することで視覚的に把握可能となる。
【0032】
この結果、簡略、且つ、安価な構成にて、誰が何時どの書類フォルダ30を取り出し、何時戻したか、又は、誰が何時どの書類フォルダを取り出し、戻さなかったか等の書類フォルダ30の管理を高セキュリティ性を持って実現できる。
なお、上述した場合において、企業業等の組織において、上司による前記部屋1への入室許可、入室不許可の情報と組み合わせることで、よりセキュリティ性を高めることも可能である。
【0033】
次に、図10を参照して本実施例のファイリングセキュリティシステムの応用例である物品セキュリティシステムについて説明する。
【0034】
図10に示す物品セキュリティシステムは、例えば工場等の保管庫100における管理対象物品である複数の測定器110の管理に適用したものである。
【0035】
図10に示す物品セキュリティシステムにおいて、既述したファイリングセキュリティシステムの場合と同一な要素には同一の符号を付して示す。
【0036】
この物品セキュリティシステムは、工場等の保管庫100に出入するための扉103に、既述した場合と同様、扉センサ5を設置して作業者が携帯するIDカード70の検知を行うとともに、保管庫100内に測定器110を収容する例えば2段の棚102を備える保管棚101を配置し、更に、物品セキュリティシステム全体の管理を行う既述した場合と同様な管理コンピュータ10と、コントローラ箱60とを設置することにより構成している。
【0037】
また、前記保管棚101の各棚103には、既述したフォルダ書庫50の場合と同様な構成のアンテナ58、発光素子56、受光素子57からなる棚センサ55を設置し、前記ファイリングセキュリティシステムの場合と同様な制御系により前記扉センサ5、棚センサ55及びアンテナ58の制御を行うように構成している。
【0038】
このような構成の物品セキュリティシステムによっても、既述したファイリングセキュリティシステムの場合と同様な動作の基に前記測定器110の保管棚101に対する取り出し、返却、作業者のIDカード70に記録した個人識別情報と関連づけた前記測定器110の保管棚101に対する取り出し、返却の管理、更には持ち出し等の異常事態発生等を管理できる。
【0039】
すなわち、簡略、且つ、安価な構成にて、誰が何時どの測定器110を取り出し、何時戻したか、又は、誰が何時どの測定器110を取り出し、戻さなかったか等の測定器110の管理を高セキュリティ性を持って実現できる。
なお、この場合においても、工場等の組織において、上司による前記保管庫100への入室許可、入室不許可の情報と組み合わせることで、よりセキュリティ性を高めることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、上述したファイルFや、測定器110等の管理に適用する場合の他、セキュリティ性を要求される倉庫等における出荷製品等各種管理物品に関しても幅広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例のファイリングセキュリティシステムの全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】本実施例のファイリングセキュリティシステムの構成を示す概略正面図である。
【図3】本実施例のファイリングセキュリティシステムの書庫フォルダを示す斜視図である。
【図4】本実施例のファイリングセキュリティシステムの書庫フォルダの棚板を示す斜視図である。
【図5】本実施例におけるRFIDタグの概略平面図である。
【図6】本実施例のファイリングセキュリティシステムのブロック図である。
【図7】本実施例のファイリングセキュリティシステムの管理情報の出力例を示す図である。
【図8】本実施例のファイリングセキュリティシステムの異常事態の管理情報の出力例を示す図である。
【図9】本実施例のファイリングセキュリティシステムの個人識別情報と組み合わせた場合の管理情報の出力例を示す図である。
【図10】本発明の応用例の物品セキュリティシステムの全体構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 部屋
2 扉
3 RFIDタグ
5 扉センサ
6 タグ本体
7 コイル
8 ICチップ
10 管理コンピュータ
11 プログラムメモリ
12 制御部
13 管理手段
14 記憶部
15 計時部
16 プリンタ
17 表示部
18 キーボード
19 タグリーダライタ
20 通信インターフェース
21 アンテナコントローラ
22 棚センサコントローラ
23 扉センサコントローラ
30 書類フォルダ
50 フォルダ書庫
51 棚
52 底板
53 棚板
54 側板
55 棚センサ
56 発光素子
57 受光素子
58 アンテナ
60 コントローラ箱
70 IDカード
100 保管庫
101 保管棚
102 棚
103 扉
110 測定器
F ファイル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイリングセキュリティシステム及び物品セキュリティシステムに関し、詳しくは、重要書類や重要物品等を高度のセキュリティをもって管理するファイリングセキュリティシステム及び物品セキュリティシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種契約書類、不動産関係書類等々の重要書類を書庫等に入れて保管、管理する場合においては、誰が、何時重要書類を取り出し、返却したか等の管理状況を的確に把握することが要請される。
【0003】
特許文献1には、案件毎の必要書類の効率のよい管理を目的として、必要書類をファイルリングしたフォルダをキャビネットに収容し、又はキャビネットから取り出す際に、フォルダに付けたIDカードの識別情報を読み取り、個々のフォルダの収容状況等を管理して、管理情報を画面表示するように構成した融資書類管理装置が開示されている。
【0004】
しかし、この特許文献1の融資書類管理装置の場合、必要書類をファイリングしたフォルダに関する収容状況等の管理は行えるものの、フォルダを出し入れした作業者までは把握できず、また複数のキャビネット毎にIDカードの識別情報を読み取る手段を必要とし、セキュリティ性の点及び装置構成の複雑化を招く点で問題がある。
【特許文献1】特開2000−38202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、重要書類等のファイルを簡略安価な構成で、且つ、セキュリティ性の高い状態で管理できるファイリングセキュリティシステムが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のファイリングセキュリティシステムは、ファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダのフォルダ収容手段に対する出入を検知する出入検知手段と、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段とを有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1乃至3記載の発明によれば、個々の書類フォルダに、固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体を取り付け、フォルダ収容手段に、非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、書類フォルダの出入を検知する出入検知手段とを取り付け、管理手段により、非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行うことで、重要書類等のファイルをセキュリティ性の高い状態で管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。また、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替える監視コントローラを備える構成とすることで、簡略安価な構成からなり、セキュリティ性の高い状態で重要書類等のファイルを管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。更に、部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯する個人識別媒体に記録した個人識別情報に関連付けて検知する部屋出入検知手段を付加した構成とすることで、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で重要書類等のファイルを管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。
【0008】
請求項4記載の発明によれば、扉付の部屋内に配置したファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容する棚を備えるフォルダ書庫と、個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグとを備え、更に前記RFIDタグ、棚センサの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、管理手段による管理情報を可視的に出力可能な出力手段とを備える構成で、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で重要書類等のファイルを管理できるファイリングセキュリティシステムを提供することができる。
【0009】
請求項5乃至7記載の発明によれば、個々の物品に、固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体を取り付け、物品収容手段に、非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、物品の出入を検知する出入検知手段とを取り付け、管理手段により、非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づき物品収容手段に対する物品の出入監視、物品の在庫管理を行うことで、物品等をセキュリティ性の高い状態で管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。また、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替える監視コントローラを備える構成とすることで、簡略安価な構成からなり、セキュリティ性の高い状態で物品等を管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。更に、部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯する個人識別媒体に記録した個人識別情報に関連付けて検知する部屋出入検知手段を付加した構成とすることで、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で物品を管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。
【0010】
請求項8記載の発明によれば、扉付の保管庫内に配置した物品を収容する棚を備える保管棚と、個々の物品に取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグとを備え、更に前記RFIDタグ、棚センサの検知信号に基づき物品に対する保管棚の出入監視、物品の在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、管理手段による管理情報を可視的に出力可能な出力手段とを備える構成で、簡略安価な構成からなり、作業者の管理をも含むよりセキュリティ性の高い状態で物品等のファイルを管理できる物品セキュリティシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、重要書類等のファイルを簡略安価な構成で、且つ、セキュリティ性の高い状態で管理するという目的を、ファイルを収容する書類フォルダと、書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダのフォルダ書庫に対する出入を検知する出入検知手段と、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記出入検知手段の前記書類フォルダのフォルダ書庫からの取り出しを示す信号に基づき、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を前記書類フォルダの収容エリアに固定し、監視状態とする監視コントローラと、前記非接触型記録媒体検知手段、監視コントローラ、出入検知手段を制御するとともに、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段の検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段とを有する構成により実現した。
【実施例】
【0012】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1及び図2は、本実施例のファイリングセキュリティシステムの全体構成を示すものであり、このファイリングセキュリティシステムは、図1に示すように、例えばオフィス等の特定の扉2を有する部屋1内に配置した紙葉、封筒等の書類(以下「ファイルF」という)を収容する書類フォルダ30を列設収容可能な例えば4段の棚51を備えるフォルダ書庫50と、このファイリングセキュリティシステム全体の管理を行う管理コンピュータ10と、詳細は後述するコントローラ箱60と、前記扉2の近傍の壁に設置され、前記扉2の開閉を行う作業者が携帯するIDカード70に記録した個人識別情報を検知する扉センサ5とを含んで構成している。
【0013】
前記書類フォルダ30、棚51を備えるフォルダ書庫50について図3、図4をも参照して詳述する。前記書類フォルダ30は、ファイルFを挿脱可能な開口を有する箱型状に形成され、その底部に公知のRFID(Radio Frequency Identification Systm)タグ3を貼り付けている。
【0014】
前記フォルダ書庫50は、底板52、3枚の棚板53及び一対の側板54を具備し、4段の棚51を有する構成で、各棚51に各々書類フォルダ30を列設収容するようになっている。
【0015】
前記底板52、3枚の棚板53の各上面には、図4に示すように、前記フォルダ書庫50に収容した個々の書類フォルダ30に取り付けたRFIDタグ3を検知するアンテナ58を取り付けている。
【0016】
また、4段の棚51を構成する一対の側板54間には、前記フォルダ書庫50の棚51に設置した個々の書類フォルダ30のフォルダ書庫50に対する出入を検知する光学式で合計4組構成からなる棚センサ55を取り付けている。
【0017】
前記各棚センサ55は、図2に示すように、一方の側板54に配置した光を発光する発光素子56と、他方の側板54に対向配置した発光素子56からの光を受光する受光素子57との組み合わせにより構成され、発光素子56から受光素子57への光の遮断の有無により前記フォルダ書庫50の棚51に対する個々の書類フォルダ30の出入を検知するようになっている。なお、図3において、57aは受光素子57の引き出しリード線、58aはアンテナ58の引き出しリード線である。
【0018】
前記RFIDタグ3は、図5に示すように、例えば矩形状に形成したフィルム状で電磁誘導方式により信号の送受信を行うコイル7と、このコイル7を接続した各種情報を書き込み、読み取り可能に記録する機能を搭載するとともに固有の識別情報(タグコード)を予め記録したICチップ8とを、合成樹脂製のタグ本体6に収容することにより構成している。そして、このRFIDタグ3を前記書類フォルダ30の底部に貼り付けている。
【0019】
次に、図6を参照して、本実施例のファイリングセキュリティシステムの制御系について説明する。
このファイリングセキュリティシステムは、前記管理コンピュータ10に搭載した予めファイリングセキュリティシステムを動作させるための動作プログラムを格納しているプログラムメモリ11と、動作プログラムに基づいて全体の制御を行う制御部12と、書類フォルダ30の出入管理、在庫管理を行い、管理情報を作成する管理手段13と、管理情報等各種情報を記憶する記憶部14と、日時情報を計時する計時部15と、管理情報等各種情報をプリント出力するプリンタ16と、管理情報等各種情報を表示する表示部17と、各種文字情報等を入力するためのキーボード18と、前記RFIDタグ3から識別情報を読み取り可能なタグリーダライタ19と、外部装置(例えば本社のコンピュータシステム)との間で情報伝送を行う通信インターフェース20とを有している。
【0020】
また、前記制御部12により、前記アンテナ58を時分割切り替え方式(ポーリング方式)で制御するアンテナコントローラ21、前記棚センサ55を制御する棚センサコントローラ22の動作制御を行うようになっている。更に、前記制御部12により、前記扉センサ5を制御する扉センサコントローラ23の動作制御を行うようになっている。
【0021】
前記アンテナコントローラ21、棚センサコントローラ22、扉センサコントローラ23は、前記コントローラ箱60に収容されている。
【0022】
前記アンテナコントローラ21、棚センサコントローラ22、扉センサコントローラ23と、前記管理コンピュータ10との間の通信方式としては、有線式、無線式、赤外線通信方式等の各種の通信形態を選定することができる。また、前記管理コンピュータ10の設置位置も図1に示す位置に限定されず、部屋1以外の場所とすることも勿論可能である。
【0023】
前記アンテナコントローラ21は、各棚51のアンテナ58を10秒毎に切り替える時分割切り替え方式で監視する。すなわち、1番目、2番目、3番目、4番目の各棚を10秒毎に切り替えて順次監視する。これにより、アンテナコントローラ21は最小限一台で済み、アンテナコントローラ21を各アンテナ58毎に合計4台設置する場合に比べ、設備構成の簡略化、設備価格の低減化を図ることができるように構成している。
【0024】
次に、本実施例のファイリングセキュリティシステムの動作について説明する。
前記フォルダ書庫50の各棚51には、例えばいくつかの書類フォルダ30が予め収容され、このとき、各書類フォルダ30に取り付けたRFIDタグ3に記録した識別情報(例えば「0001」等)は、棚51に配置した各アンテナ58により自動的に検知され、アンテナコントローラを21介して管理コンピュータ10に送信されて、管理部13により把握され、管理されているものとする(在庫管理状態)。
【0025】
また、前記アンテナコントローラ21は、時分割切り替え方式で各棚51に配置したアンテナ58の動作制御を行っている。
【0026】
今、前記各棚51の書類フォルダ31のうち、いずれかの棚51の書類フォルダ30が取り出されたとすると、当該棚51に配置した前記棚センサ55が検知信号を発信する。棚センサ55の検知信号は、棚センサコントローラ22を介して前記制御部12に送信され、これにより、前記制御部12の制御の基に前記アンテナコントローラ21は当該棚センサ55が属する棚51のアンテナ58による監視動作に固定する。
【0027】
そして、所定の時間(例えば30分等)内に前記棚センサ55が検知信号を発信した場合、すなわち、書類フォルダ30が前記棚51に戻された場合には、当該棚センサ55が属する棚51のアンテナ58により書類フォルダ30に付した前記RFIDタグ3の識別情報が認識され、既述した場合と同様にして前記管理部13により把握され、管理される。
このような場合の前記管理部13による管理情報の出力例を図7に示す。すなわち、前記管理部13は、上述した在庫管理状態から書類フォルダ30が取り出され、返却されるまでの一連の情報を前記計時部15による計時情報に関連付けて管理し、年月日及び書類フォルダ30の取り出し、返却の時分の情報とからなる管理情報を作成し、前記記憶部14に記憶する。この管理情報は必要に応じて前記表示部17に表示し、又は前記プリンタ16により図7に示すようにプリント出力することで視覚的に把握可能としている。
【0028】
一方、書類フォルダ30が取り出された後、所定の時間(例えば30分等)内に前記棚センサ55が検知信号を発信しない場合、すなわち、書類フォルダ30が前記棚51に戻されない場合には、異常事態として前記管理コンピュータ10によりフラグを立てたり、警報を発生する等の処置を取ることができる。
このような異常事態の場合の前記管理部13による管理情報の出力例を図8に示す。
【0029】
更に、本実施例において、IDカード70、扉センサ5との組み合わせによるファイリングセキュリティシステムの動作について以下に説明する。
【0030】
前記扉2の近傍の壁に設置された扉センサ5は、前記扉2の開閉を行い、部屋1に入り、書類フォルダ30の取り出し、返却を行い、退室する作業者が携帯するIDカード70に記録した個人識別情報を検知する。
【0031】
この扉センサ5が検知したIDカード70の個人識別情報は、前記扉センサコントローラ33を介して制御部12に送られ、これにより、前記管理部13は、上述した在庫管理状態から書類フォルダ30が取り出され、返却されるまでの一連の情報を前記計時部15による計時情報に関連付けて管理し、年月日及び書類フォルダ30の取り出し、返却の時分の情報と、前記作業者の入室、退室及びれらの時分の情報を組み合わせたらなる管理情報を作成し、前記記憶部14に記憶する。この場合の管理情報は必要に応じて前記表示部17に表示し、又は前記プリンタ16により図9に示すようにプリント出力することで視覚的に把握可能となる。
【0032】
この結果、簡略、且つ、安価な構成にて、誰が何時どの書類フォルダ30を取り出し、何時戻したか、又は、誰が何時どの書類フォルダを取り出し、戻さなかったか等の書類フォルダ30の管理を高セキュリティ性をもって実現できる。
なお、上述した場合において、企業等の組織において、上司による前記部屋1への入室許可、入室不許可の情報と組み合わせることで、よりセキュリティ性を高めることも可能である。
【0033】
次に、図10を参照して本実施例のファイリングセキュリティシステムの応用例である物品セキュリティシステムについて説明する。
【0034】
図10に示す物品セキュリティシステムは、例えば工場等の保管庫100における管理対象物品である複数の測定器110の管理に適用したものである。
【0035】
図10に示す物品セキュリティシステムにおいて、既述したファイリングセキュリティシステムの場合と同一な要素には同一の符号を付して示す。
【0036】
この物品セキュリティシステムは、工場等の保管庫100に出入するための扉103に、既述した場合と同様、扉センサ5を設置して作業者が携帯するIDカード70の検知を行うとともに、保管庫100内に測定器110を収容する例えば2段の棚102を備える保管棚101を配置し、更に、物品セキュリティシステム全体の管理を行う既述した場合と同様な管理コンピュータ10と、コントローラ箱60とを設置することにより構成している。
【0037】
また、前記保管棚101の各棚103には、既述したフォルダ書庫50の場合と同様な構成のアンテナ58、発光素子56、受光素子57からなる棚センサ55を設置し、前記ファイリングセキュリティシステムの場合と同様な制御系により前記扉センサ5、棚センサ55及びアンテナ58の制御を行うように構成している。
【0038】
このような構成の物品セキュリティシステムによっても、既述したファイリングセキュリティシステムの場合と同様な動作の基に前記測定器110の保管棚101に対する取り出し、返却、作業者のIDカード70に記録した個人識別情報と関連づけた前記測定器110の保管棚101に対する取り出し、返却の管理、更には持ち出し等の異常事態発生等を管理できる。
【0039】
すなわち、簡略、且つ、安価な構成にて、誰が何時どの測定器110を取り出し、何時戻したか、又は、誰が何時どの測定器110を取り出し、戻さなかったか等の測定器110の管理を高セキュリティ性をもって実現できる。
なお、この場合においても、工場等の組織において、上司による前記保管庫100への入室許可、入室不許可の情報と組み合わせることで、よりセキュリティ性を高めることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、上述したファイルFや、測定器110等の管理に適用する場合の他、セキュリティ性を要求される倉庫等における出荷製品等各種管理物品に関しても幅広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例のファイリングセキュリティシステムの全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】本実施例のファイリングセキュリティシステムの構成を示す概略正面図である。
【図3】本実施例のファイリングセキュリティシステムの書庫フォルダを示す斜視図である。
【図4】本実施例のファイリングセキュリティシステムの書庫フォルダの棚板を示す斜視図である。
【図5】本実施例におけるRFIDタグの概略平面図である。
【図6】本実施例のファイリングセキュリティシステムのブロック図である。
【図7】本実施例のファイリングセキュリティシステムの管理情報の出力例を示す図である。
【図8】本実施例のファイリングセキュリティシステムの異常事態の管理情報の出力例を示す図である。
【図9】本実施例のファイリングセキュリティシステムの個人識別情報と組み合わせた場合の管理情報の出力例を示す図である。
【図10】本発明の応用例の物品セキュリティシステムの全体構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 部屋
2 扉
3 RFIDタグ
5 扉センサ
6 タグ本体
7 コイル
8 ICチップ
10 管理コンピュータ
11 プログラムメモリ
12 制御部
13 管理手段
14 記憶部
15 計時部
16 プリンタ
17 表示部
18 キーボード
19 タグリーダライタ
20 通信インターフェース
21 アンテナコントローラ
22 棚センサコントローラ
23 扉センサコントローラ
30 書類フォルダ
50 フォルダ書庫
51 棚
52 底板
53 棚板
54 側板
55 棚センサ
56 発光素子
57 受光素子
58 アンテナ
60 コントローラ箱
70 IDカード
100 保管庫
101 保管棚
102 棚
103 扉
110 測定器
F ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルを収容する書類フォルダと、
書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、
個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、
前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、
前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダのフォルダ収容手段に対する出入を検知する出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段と、
を有することを特徴とするファイリングセキュリティシステム。
【請求項2】
ファイルを収容する書類フォルダと、
書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、
個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、
前記フォルダ収容手段に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、
前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダのフォルダ書庫に対する出入を検知する出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記出入検知手段の前記書類フォルダのフォルダ書庫からの取り出しを示す信号に基づき、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を前記書類フォルダの収容エリアに固定し、監視状態とする監視コントローラと、
前記非接触型記録媒体検知手段、監視コントローラ、出入検知手段を制御するとともに、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段の検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を行う管理手段と、
を有することを特徴とするファイリングセキュリティシステム。
【請求項3】
扉付の部屋内に配置したファイルを収容する書類フォルダと、
書類フォルダを収容するフォルダ書庫と、
個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、
前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダに取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、
前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダのフォルダ書庫に対する出入を検知する出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記出入検知手段の前記書類フォルダのフォルダ書類からの取り出しを示す信号に基づき、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を前記書類フォルダの収容エリアに固定し、監視状態とする監視コントローラと、
前記部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯する個人識別媒体に記録した個人識別情報に関連付けて検知する部屋出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段、監視コントローラ、出入検知手段及び部屋出入検知手段を制御するとともに、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段の検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、
を有することを特徴とするファイリングセキュリティシステム。
【請求項4】
扉付の部屋内に配置したファイルを収容する書類フォルダと、
書類フォルダを収容する棚を備えるフォルダ書庫と、
個々の書類フォルダに取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグと、
前記フォルダ書庫に設置した個々の書類フォルダに取り付けたRFIDタグを検知するアンテナと、
前記フォルダ書庫の棚に設置した個々の書類フォルダのフォルダ書庫に対する出入を検知する光学式の棚センサと、
前記アンテナの検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記棚センサの前記書類フォルダのフォルダ書類からの取り出しを示す信号に基づき、前記RFIDタグの検知動作を前記書類フォルダの収容エリアに固定し、監視状態とするアンテナコントローラと、
前記部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯するIDカードに記録した個人識別情報に関連付けて検知する扉センサと、
前記RFIDタグ、アンテナコントローラ、棚センサ及び扉センサを制御するとともに、前記RFIDタグ、棚センサの検知信号に基づきフォルダ書庫に対する書類フォルダの出入監視、書類フォルダの在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、
管理手段による管理情報を可視的に出力可能な出力手段と、
を有することを特徴とするファイリングセキュリティシステム。
【請求項5】
管理物品を収容する物品収容手段と、
個々の管理物品に取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、
前記物品収容手段に設置した個々の管理物品に取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、
前記物品収容手段に設置した個々の管理物品の物品収容手段に対する出入を検知する出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段を制御し、これらの検知信号に基づき物品収容手段に対する管理物品の出入監視、管理物品の在庫管理を行う管理手段と、
を有することを特徴とする物品セキュリティシステム。
【請求項6】
管理物品を収容する物品収容手段と、
個々の管理物品に取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、
前記物品収容手段に設置した個々の管理物品に取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、
前記物品収容手段に設置した個々の管理物品の物品収容手段に対する出入を検知する出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記出入検知手段の前記管理物品の物品収容手段からの取り出しを示す信号に基づき、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を前記管理物品の収容エリアに固定し、監視状態とする監視コントローラと、
前記非接触型記録媒体検知手段、監視コントローラ、出入検知手段を制御するとともに、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段の検知信号に基づき物品収容手段に対する管理物品の出入監視、管理物品の在庫管理を行う管理手段と、
を有することを特徴とする物品セキュリティシステム。
【請求項7】
扉付の部屋内に配置した管理物品を収容する物品収容手段と、
個々の管理物品に取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能な非接触型記録媒体と、
前記物品収容手段に設置した個々の管理物品に取り付けた非接触型記録媒体を検知する非接触型記録媒体検知手段と、
前記物品収容手段に設置した個々の管理物品の物品収容手段に対する出入を検知する出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記出入検知手段の前記管理物品の物品収容手段からの取り出しを示す信号に基づき、前記非接触型記録媒体検知手段の検知動作を前記管理物品の収容エリアに固定し、監視状態とする監視コントローラと、
前記部屋の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯する個人識別媒体に記録した個人識別情報に関連付けて検知する部屋出入検知手段と、
前記非接触型記録媒体検知手段、監視コントローラ、出入検知手段及び部屋出入検知手段を制御するとともに、前記非接触型記録媒体検知手段、出入検知手段の検知信号に基づき物品収容手段に対する管理物品の出入監視、管理物品の在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、
を有することを特徴とする物品セキュリティシステム。
【請求項8】
扉付の保管庫内に配置した物品を収容する棚を備える保管棚と、
個々の物品に取り付けた固有の媒体識別情報が記録され、情報の記録、読み取りが可能なRFIDタグと、
前記保管棚に設置した個々の物品に取り付けたRFIDタグを検知するアンテナと、
前記保管棚の棚に設置した個々の物品の保管庫に対する出入を検知する光学式の棚センサと、
前記アンテナの検知動作を時分割切り替え方式で切り替えるとともに、前記棚センサの前記物品の保管棚からの取り出しを示す信号に基づき、前記RFIDタグの検知動作を前記物品の収容エリアに固定し、監視状態とするアンテナコントローラと、
前記保管庫の扉の開閉を行う作業者を、当該作業者が携帯するIDカードに記録した個人識別情報に関連付けて検知する扉センサと、
前記RFIDタグ、アンテナコントローラ、棚センサ及び扉センサを制御するとともに、前記RFIDタグ、棚センサの検知信号に基づき保管棚に対する書類フォルダの出入監視、保管棚の在庫管理を前記個人識別情報に関連付けて行う管理手段と、
管理手段による管理情報を可視的に出力可能な出力手段と、
を有することを特徴とするフ物品セキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−124123(P2006−124123A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316646(P2004−316646)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(500375877)
【出願人】(504404722)
【出願人】(502295445)ユニコンサル株式会社 (2)
【出願人】(504127898)日興通信株式会社 (4)
【Fターム(参考)】