説明

ファクシミリ装置及びメール送受信装置

【課題】登録されているFAX番号が実際のFAX番号と異なっている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能なファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】MFP1は、宛先表に登録された宛先名称を表示部18へ出力する出力部24と、表示された宛先名称の中からユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたFAX番号宛てのFAXの送信、及び、相手先から送信されたFAXの受信を行うFAX制御部14と、宛先表に登録されたFAX番号毎に、送受信の合計回数をカウントするカウント部22と、宛先表に登録されたFAX番号毎に、カウント数が規定回数未満か否かを判定する判定部23とを備え、出力部24は、カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を表示部18へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宛先表を記憶しているファクシミリ装置及びメール送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、宛先表(電話帳、アドレス帳)に登録された宛先を表示し、ユーザによって選択された宛先へ送信を行うファクシミリ装置及びメール送受信装置が知られている。下記特許文献1には、ファクシミリ装置及びメール送受信装置が搭載された画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、ユーザが、FAX番号及びメールアドレス等の新規の情報を宛先表(アドレスブック)に設定することができる。画像形成装置は、宛先表を表示する際に、ユーザが入力した新規の情報を既に登録済みの情報と区別するため、新規の情報に「=」マークを付けて表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−313745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、宛先表に新規のFAX番号又はメールアドレスを登録する際に、番号又は文字を誤って登録してしまう場合がある。この場合、登録されている番号が実際の番号と異なっているため、ユーザが宛先表を利用して送信しようとすれば、送信エラーになるか、又は、誤った宛先に送信される。新規の登録だけでなく、以前から登録されている宛先であっても、利用されていない宛先は、頻繁に利用されている宛先と比較して、登録されている番号が実際の番号と異なっている可能性が高い。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、登録されているFAX番号又はメールアドレスが実際と異なっている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能なファクシミリ装置及びメール送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るファクシミリ装置は、FAX番号と宛先名称とが関連付けて登録された宛先表を記憶する記憶部と、宛先表に登録された宛先名称を表示部へ出力する出力部と、表示部に表示された宛先名称の中からユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたFAX番号宛てのFAXの送信、及び、相手先から送信されたFAXの受信を行う送受信部と、宛先表に登録されたFAX番号毎に、送受信部による送信回数、受信回数、及び送受信の合計回数のうち少なくとも一つの回数をカウントするカウント部と、宛先表に登録されたFAX番号毎に、カウント部によるカウント数が規定回数未満か否かを判定する判定部とを備え、出力部は、カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を表示部へ出力することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るファクシミリ装置によれば、宛先表に登録された宛先名称が表示され、ユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたFAX番号宛てに、FAXの送信が行われる。また、宛先表に登録されたFAX番号毎に、送信回数、受信回数、及び送受信の合計回数のうち少なくとも一つの回数がカウントされる。そして、FAX番号毎にカウント数が規定回数未満か否かが判定され、規定回数未満のFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が、強調して表示される。一般的に、送信回数又は受信回数が多い宛先は、実際にFAX番号が何度か利用されているので、登録されたFAX番号が実際のFAX番号と一致している可能性が高い。これに対して、送信回数又は受信回数がゼロ又は少ないFAX番号は、実際のFAX番号と異なっている可能性が有る。従って、カウント数が規定回数未満の宛先名称を強調して表示することにより、登録されているFAX番号が実際のFAX番号と異なっている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0008】
本発明に係るファクシミリ装置では、カウント部が、直近の所定期間における回数をカウントすることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、直近の所定期間における送信回数、受信回数、及び、それらの合計回数のうち少なくとも一つの回数が、FAX番号毎にカウントされる。そして、直近の所定期間におけるカウント数が規定回数未満である宛先名称が、強調して表示される。例えば、以前に規定回数以上の送受信を行い、登録されたFAX番号と実際のFAX番号とが一致していたが、その後、FAX番号の変更等があり、登録されたFAX番号と実際のFAX番号が一致しなくなった宛先を強調して表示することができる。すなわち、登録されているFAX番号が、過去には実際のFAX番号と一致していたが、後に一致しなくなった可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0010】
本発明に係るファクシミリ装置では、出力部が、カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称の一覧を表示部へ出力することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、カウント数が規定回数未満の宛先名称の一覧が表示される。このため、登録されているFAX番号が実際のFAX番号と異なっている可能性の有る宛先名称をまとめた一覧が表示される。従って、ユーザが、実際の番号と異なっている可能性の有るFAX番号をまとめて確認することができる。
【0012】
本発明に係るファクシミリ装置では、カウント部が、宛先表に登録されたFAX番号毎に送信回数と受信回数とをカウントし、判定部は、宛先表に登録されたFAX番号毎に、カウント部によりカウントされた送信回数が第1の規定回数未満であるか否か、及び、カウントされた受信回数が第1の規定回数より小さい第2の規定回数未満であるか否かを判定し、出力部は、判定部の判定結果に基づいて特定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を表示部へ出力することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、FAX番号毎に送信回数と受信回数とがそれぞれカウントされる。そして、送信回数が第1の規定回数未満であるか否か、及び、受信回数が第2の規定回数未満であるか否かが判定される。ここで、第2の規定回数は、第1の規定回数より小さい値に設定されている。FAXの送信については、登録されているFAX番号宛てにFAXが送信されても、誤った宛先に送信され、ユーザが気付かない場合がある。このため、送信が行われても、その回数が少ないと、実際のFAX番号と一致していない可能性が有る。これに対して、FAXの受信については、送信元が登録されているFAX番号であった場合、登録されたFAX番号が実際のFAX番号と一致している可能性が高い。このため、受信回数の判断基準となる第2の規定回数が、送信回数の判断基準となる第1の規定回数より小さい値に設定されている。そして、送信回数と受信回数についてそれぞれ判定が行われることにより、登録されているFAX番号が実際のFAX番号と異なる可能性の有る宛先名称をより精度よく抽出し、ユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0014】
本発明に係るファクシミリ装置では、カウント部が、記憶部に記憶されたFAX番号が変更された場合、該FAX番号のカウント数を0に設定することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、宛先表に登録されたFAX番号が変更された場合、変更後のFAX番号のカウント数が0となる。このため、変更後のFAX番号についてカウント数が規定回数以上になるまで、宛先名称が強調して表示される。FAX番号を変更する際に番号を誤って登録してしまう可能性があるが、上記の構成により、誤って登録されている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0016】
本発明に係るメール送受信装置は、メールアドレスと宛先名称とが関連付けて登録された宛先表を記憶する記憶部と、宛先表に登録された宛先名称を表示部へ出力する出力部と、表示部に表示された宛先名称の中からユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたメールアドレス宛ての電子メールの送信、及び、相手先から送信された電子メールの受信を行う送受信部と、宛先表に登録されたメールアドレス毎に、送受信部による送信回数、受信回数、及び送受信の合計回数のうち少なくとも一つの回数をカウントするカウント部と、宛先表に登録されたメールアドレス毎に、カウント部によるカウント数が規定回数未満か否かを判定する判定部とを備え、出力部は、カウント数が規定回数未満であると判定されたメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を表示部へ出力することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るメール送受信装置によれば、宛先表に登録された宛先名称が表示され、ユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたメールアドレス宛てに、電子メールの送信が行われる。また、宛先表に登録されたメールアドレス毎に、送信回数、受信回数、及び送受信の合計回数のうち少なくとも一つの回数がカウントされる。そして、メールアドレス毎にカウント数が規定回数未満か否かが判定され、規定回数未満のメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称が、強調して表示される。一般的に、送信回数又は受信回数が多い宛先は、実際にメールアドレスが何度か利用されているので、登録されたメールアドレスが実際のメールアドレスと一致している可能性が高い。これに対して、送信回数又は受信回数がゼロ又は少ないメールアドレスは、実際のメールアドレスと異なっている可能性が有る。従って、カウント数が規定回数未満の宛先名称を強調して表示することにより、登録されているメールアドレスが実際のメールアドレスと異なっている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、登録されているFAX番号又はメールアドレスが実際の番号と異なっている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係るMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】宛先表の一例を示す図である。
【図3】宛先名称を表示した画面の一例を示す図である。
【図4】実際と異なる番号が登録されている可能性の有る宛先名称の一覧を表示した画面の一例を示す図である。
【図5】新規宛先の登録処理を示すフロー図である。
【図6】宛先名称の表示処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。まず、図1を参照して、実施形態に係るファクシミリ装置及びメール送受信装置が搭載されたMFP(Multifunction Peripheral)1の構成について説明する。図1は、MFP1の構成を示すブロック図である。
【0021】
MFP1は、FAX機能及びメール送受信機能の他に、プリント機能及びスキャン機能等を有する複合機である。MFP1は、宛先名称、FAX番号、メールアドレスが登録された宛先表を記憶している。この宛先表は、電話帳、アドレス帳とも呼ばれるものである。この宛先表に登録されたFAX番号及びメールアドレスの中には、実際の番号と異なったFAX番号又はメールアドレスが含まれている虞がある。
【0022】
そこで、MFP1は、FAX番号及びメールアドレス毎に送受信回数をカウントし、そのカウント数に基づいて、実際の番号と異なっている可能性の有る宛先を強調して表示する。また、MFP1は、LAN(Local Area Network)90に接続され、ユーザは、LAN90に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)3のディスプレイによって宛先表の情報を見ることができる。
【0023】
MFP1が、上記の機能を発揮するために備える各構成要素について説明する。MFP1は、スキャナ10、プリンタ11、NCU(Network Control Unit)12、モデム13、FAX制御部14、ネットワークI/F15、メール制御部16、Webサーバ17、表示部18、操作部19、メイン制御部20を備えている。
【0024】
スキャナ10は、CCD等によって構成され、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。このスキャナ10によって生成された画像データは、FAXにより送信することができる。本実施形態のプリンタ11は、電子写真方式により印刷を行うプリンタである。プリンタ11は、PC3から送信されたプリントデータ、FAXにより受信されたFAXデータ等を用紙に印刷する。また、プリンタ11が、スキャナ10によって生成された原稿の画像データをプリントすることにより、原稿のコピーを行うことができる。
【0025】
NCU12は、モデム13と接続され、モデム14と公衆電話回線(PSTN)91との接続を制御する。FAX制御部14が、NCU12及びモデム13を制御することにより、FAXの送受信が行われる。このNCU12、モデム13、及びFAX制御部14が、特許請求の範囲に記載のFAXの送受信部として機能する。
【0026】
ネットワークI/F15は、LAN90を介してパケットの送受信を行うネットワークインターフェースである。メール制御部16は、ネットワークI/F15を介して電子メールの送受信を行う。このメール制御部16及びネットワークI/F15が、特許請求の範囲に記載の電子メールの送受信部として機能する。
【0027】
Webサーバ17は、LAN90を介してPC3からのアクセスを受け付け、PC3からの要求に応じて、MFP1の各種の情報、蓄積している画像データ等をPC3へ提供する。これにより、PC3の表示部31には、MFP1から提供された各種の情報及び画像データが表示される。PC3の表示部31は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。Webサーバ17は、PC3からの要求に応じて、メイン制御部20から取得された宛先表の情報をPC3へ送信する。これにより、PC3の表示部31には、宛先表に登録された宛先名称が表示される。
【0028】
ユーザは、PC3を操作することにより、PC3の表示部31に表示された宛先名称の中から、送信先の宛先名称を選択し、FAX及び電子メールの送信指示を行うことができる。選択された宛先名称は、PC3からMFP1へ送信されると、MFP1のネットワークI/F15によって受信され、Webサーバ17によって受け付けられる。
【0029】
宛先名称が、FAXの送信先としてWebサーバ17によって受け付けられた場合、宛先表に該宛先名称と関連付けて登録されたFAX番号が特定される。そして、特定されたFAX番号宛てに、FAXの送信がFAX制御部14によって行われる。宛先名称が、電子メールの送信先としてWebサーバ17によって受け付けられた場合、宛先表に該宛先名称と関連付けて登録されたメールアドレスが特定される。そして、特定されたメールアドレス宛てに、電子メールの送信がメール制御部16によって行われる。
【0030】
また、Webサーバ17は、宛先表に新規の宛先を登録するための登録画面をPC3へ出力し、登録画面に対するユーザの操作をPC3から受け付ける。このため、ユーザは、PC3を操作して、新規の宛先の登録を行うことができる。
【0031】
表示部18は、例えば、液晶ディスプレイにより構成され、各種の情報を表示する。操作部19は、各種のキーを備えて構成され、ユーザから各種の操作を受け付ける。ユーザの操作に応じて、表示部18は、宛先表に登録された宛先名称を表示し、操作部19は、表示された宛先名称の中からユーザによって選択された宛先名称を受け付ける。
【0032】
宛先名称が、FAXの送信先として操作部19によって受け付けられた場合、宛先表に該宛先名称と関連付けて登録されたFAX番号が特定される。そして、特定されたFAX番号宛てに、FAXの送信がFAX制御部14によって行われる。宛先名称が、電子メールの送信先として操作部19によって受け付けられた場合、宛先表に該宛先名称と関連付けて登録されたメールアドレスが特定される。そして、特定されたメールアドレス宛てに、電子メールの送信がメール制御部16によって行われる。
【0033】
メイン制御部20は、自機を統合的に制御する。また、メイン制御部20は、自機が有する表示部18及びPC3が有する表示部31に表示するための情報を生成し、出力する。このメイン制御部20は、物理的には、CPU、フラッシュROM、SDRAM、及び、電池に接続されたSRAM等を備えている。フラッシュROMには、各種のプログラムが記憶されている。SDRAMは、主記憶メモリとして使用される。電池に接続されたSRAMには、短縮ダイヤル、エラー情報、宛先表、及び各種の設定等が記憶される。
【0034】
メイン制御部20は、機能的な構成要素として、記憶部21、カウント部22、判定部23、及び出力部24を備えている。記憶部21は、宛先表を記憶している。宛先表には、複数のFAX番号と宛先名称とが関連付けて登録され、複数のメールアドレスと宛先名称とが関連付けて登録されている。
【0035】
図2は、宛先表の一例を示す図である。図2に示す例では、識別番号「1」及び宛先名称「田中」と関連付けて、FAX番号「075−111−1111」が登録されている。また、識別番号「2」及び宛先名称「山田」と関連付けて、FAX番号「03−2222−2222」及びメールアドレス「xxx@xx.jp」が登録されている。更に、識別番号「3」及び宛先名称「高橋」に関連付けて、FAX番号「075−333−3333」及びメールアドレス「yyy@yy.jp」が登録されている。なお、識別番号は、宛先名称を識別するための番号であり、例えば、通し番号等が用いられる。
【0036】
なお、ユーザは、操作部19又はPC3を操作することにより、宛先表におけるFAX番号及びメールアドレスの登録を変更することができる。
【0037】
カウント部22は、宛先表に登録されたFAX番号毎に、FAXの送信回数及び受信回数の合計回数をカウントする。カウント部22は、FAXの送信及び受信が行われる毎に、該当するFAX番号のカウント数に1を加算して記憶する。また、カウント部22は、宛先表に登録されたメールアドレス毎に、メールの送信回数及び受信回数の合計回数をカウントする。カウント部22は、電子メールの送信及び受信が行われる毎に、該当するメールアドレスのカウント数に1を加算して記憶する。
【0038】
カウント部22は、記憶部21に記憶されたFAX番号が変更された場合、該FAX番号のカウント数を0にして記憶する。また、カウント部22は、記憶部21に記憶されたメールアドレスが変更された場合、該メールアドレスのカウント数を0にして記憶する。このため、宛先表におけるFAX番号又はメールアドレスの変更が受け付けられると、メイン制御部20によって変更後のFAX番号又はメールアドレスが宛先表に登録され、該FAX番号又はメールアドレスのカウント数が0に設定される。
【0039】
判定部23は、Webサーバ17又は操作部19によって、宛先表の表示を要求する操作が、FAXの送信のために受け付けられた場合、宛先表に登録されたFAX番号毎に、カウント数が規定回数未満か否かを判定する。判定部23は、Webサーバ17又は操作部19によって、宛先表の表示を要求する操作が、電子メールの送信のために受け付けられた場合、宛先表に登録されたメールアドレス毎に、カウント数が規定回数未満か否かを判定する。規定回数は、1以上の値に設定され、例えば、3〜5回程度に設定される。
【0040】
出力部24は、操作部19によって宛先表の表示要求が受け付けられた場合、表示部18に宛先名称が表示されるように、宛先名称を表示部18へ出力する。また、出力部24は、Webサーバ17によって宛先表の表示要求が受け付けられた場合、PC3の表示部31に宛先名称が表示されるように、ネットワークI/F15へ出力する。これにより、出力部24によって出力された宛先名称が、MFP1からPC3へ送信され、PC3の表示部31へ出力される。
【0041】
出力部24は、FAXの宛先表が要求された場合、カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように出力する。出力部24は、カウント数が規定回数以上であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称については、強調せず、通常通りに表示されるように出力する。
【0042】
出力部24は、メールの宛先表が要求された場合、カウント数が規定回数未満であると判定されたメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように出力する。出力部24は、カウント数が規定回数以上であると判定されたメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称については、強調せず、通常通りに表示されるように出力する。
【0043】
図3は、宛先名称を表示した画面の一例を示す図である。図3に示す宛先名称の表示画面は、MFP1の表示部18又はPC3の表示部31に表示される。図3に示す例では、識別番号順に宛先名称が表示されている。また、表示画面では、FAXの宛先表が要求された場合には、FAXのカウント数が規定回数未満の宛先名称が強調して表示される。一方、メールの宛先表が要求された場合には、メールのカウント数が規定回数未満の宛先名称が強調して表示される。
【0044】
図3の例では、宛先名称「田中」及び「山田」が、「New!!」の文字により強調して表示されている。宛先名称「高橋」については、強調せずに通常通りに表示されている。強調する方法は、目立つように表示されればよく、「New!!」の文字に限らず、他の文字やマークを宛先名称の近くに表示してもよいし、宛先名称の文字の色を変えて表示してもよいし、文字の大きさを大きくしてもよい。図3の例では、「New!!」の文字を付加しているが、必ずしも新規に登録された宛先名称だけが強調されているわけではなく、以前から登録されているが、送受信の合計回数の少ない宛先名称も強調して表示されている。
【0045】
表示された宛先名称についてFAX番号又はメールアドレスの表示要求の操作が受け付けられた場合、出力部24は、選択された宛先名称のFAX番号又はメールアドレスを表示する。これにより、ユーザは、登録された番号が実際の番号と異なっている可能性が有るFAX番号及びメールアドレスを確認することができる。また、表示された宛先名称の中から、送信先の宛先名称がユーザから受け付けられると、関連付けられたFAX番号又はメールアドレス宛てに、FAX又は電子メールが送信される。
【0046】
また、ユーザは、登録された番号が実際の番号と異なっている可能性の有る宛先名称の一覧を要求することもできる。操作部19又はWebサーバ17が、ユーザからFAX番号についての上記一覧の要求を受け付けた場合、出力部24は、カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称の一覧を出力する。
【0047】
メールアドレスについても同様に、操作部19又はWebサーバ17が、メールアドレスの上記一覧の要求を受け付けた場合、出力部24は、カウント数が規定回数未満であると判定されたメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称の一覧を出力する。これにより、実際と異なるFAX番号又はメールアドレスが登録されている可能性の有る宛先名称をまとめた一覧が表示部18又はPC3の表示部31に表示される。
【0048】
図4は、実際と異なる番号が登録されている可能性の有る宛先名称の一覧を表示した画面の一例を示す図である。図4の例では、一覧が「New!!一覧」として表示されている。図4に示すように、カウント数が規定回数未満の宛先名称が、識別番号順に表示される。FAXの一覧であれば、FAXのカウント数が規定回数未満の宛先名称が表示される。メールの一覧であれば、メールのカウント数が規定回数未満の宛先名称が表示される。
【0049】
図4の例では、カウント数が規定回数未満の宛先名称「田中」「山田」「鈴木」が一覧に含まれている。識別番号が3及び4の宛先名称については、カウント数が規定回数以上であるため、一覧に含まれていない。ユーザは、この一覧上のFAX番号又はメールアドレスをまとめて確認することにより、実際と異なる番号が登録されている可能性の有るFAX番号又はメールアドレスを効率良く確認することができる。
【0050】
引き続いて、MFP1の動作について説明する。まず、図5を参照して、新規宛先の登録処理について説明する。図5は、新規宛先の登録処理を示すフロー図である。本処理は、ユーザから新規宛先の登録要求があった場合に行われる。
【0051】
まず、ステップS101では、ユーザの要求に応じて、新規宛先の登録画面が、MFP1の表示部18又はPC3の表示部31に表示される。そして、新規の宛先名称と共に、FAX番号又はメールアドレスの入力が、操作部19又はWebサーバ17によって受け付けられる。ステップS102では、受け付けられた宛先名称と関連付けて、FAX番号又はメールアドレスが宛先表に登録される。
【0052】
そして、ステップS103では、新たに登録されたFAX番号又はメールアドレスのカウント数が、カウント部22によって0にリセットされる。以上により、新規の宛先についての登録処理が完了する。
【0053】
次に、図6を参照して、FAXの宛先を設定するために宛先名称の表示が要求された場合の表示処理について説明する。図6は、宛先名称の表示処理を示すフロー図である。本処理は、ユーザからFAXの送信のために宛先名称の表示が要求された場合に、宛先名称の識別番号順に行われる。
【0054】
まず、最も小さい識別番号が付与された宛先名称について、ステップS111では、FAXのカウント数が、規定回数未満か否かが判断される。FAXのカウント数が規定回数以上である場合には、ステップS112へ処理が進む。ステップS112では、宛先名称が、強調せずに表示される。一方、FAXのカウント数が規定回数未満である場合には、ステップS113へ処理が進む。
【0055】
ステップS113では、宛先名称が強調して表示される。本実施形態では、「New!!」のマークと共に、宛先名称が表示される。そして、全ての宛先名称について表示処理が終了するまで、ステップS111〜ステップS113の処理が繰り返し実行される。これにより、全ての宛先名称が表示されると共に、カウント数が規定回数未満の宛先名称が強調して表示される。
【0056】
ユーザからメールの送信のために宛先表が要求された場合は、ステップS111において、メールのカウント数が規定回数未満か否かが判断される。そして、メールのカウント数が規定回数以上であれば、宛先名称が通常通り強調せずに表示され、メールのカウント数が規定回数未満であれば、宛先名称が強調して表示される。これにより、全ての宛先名
称が表示されると共に、カウント数が規定回数未満の宛先名称が強調して表示される。
【0057】
以上説明した本実施形態に係るMFP1によれば、FAX番号及びメールアドレスについて、カウント数が規定回数未満の宛先名称が強調して表示される。一般的に、送受信の合計回数が多い宛先は、実際に何度か利用されているので、登録された番号が実際の番号と一致している可能性が高い。これに対して、送信回数又は受信回数がゼロ又は少ない番号は、実際の番号と異なっている可能性が有る。従って、カウント数が規定回数未満の宛先名称を強調して表示することにより、登録されているFAX番号又はメールアドレスが実際の番号と異なっている可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0058】
このため、ユーザは、送信先の宛先名称が強調して表示されている場合、実際の番号と異なっている可能性が有ると認識し、FAX番号又はメールアドレスを確認することができる。また、強調して表示されていないFAX番号又はメールアドレスについては、ユーザは、安心して利用することができる。
【0059】
複数のユーザが1つの宛先表を利用している場合、他人が登録した番号が、実際の番号と異なっているか否かを個々のユーザが自ら把握するのは、一般的に困難である。これに対して、本発明にかかるMFP1によれば、他人が登録した宛先であっても、実際の番号と異なっている可能性の有る宛先を認識することが可能となる。また、ユーザ自身が、送受信を行っていなくでも、他人が送受信を行うことにより、実際の番号と一致する可能性の高いことが分かれば、安心して利用することが可能となる。
【0060】
また、MFP1によれば、カウント数が規定回数未満の宛先名称の一覧が表示される。このため、登録されているFAX番号又はメールアドレスが実際の番号と異なっている可能性の有る宛先名称をまとめた一覧が表示される。従って、ユーザが、実際の番号と異なっている可能性の有るFAX番号又はメールアドレスをまとめて確認することができる。
【0061】
更に、MFP1によれば、宛先表に登録されたFAX番号又はメールアドレスが変更された場合、変更後のFAX番号又はメールアドレスのカウント数が0となる。このため、変更後のFAX番号又はメールアドレスのカウント数が規定回数以上になるまで、宛先名称が強調して表示される。FAX番号又はメールアドレスの登録を変更する際には、番号等を誤って登録してしまう可能性があるが、上記の構成により、誤って登録した可能性のある宛先をユーザが認識できるように表示することができる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、カウント部22が、直近の所定期間における送受信の合計回数をカウントしてもよい。所定期間は、例えば、3カ月、半年、1年等の期間に設定される。直近の所定期間におけるカウントは、任意の方法で行うことが可能であるが、例えば、1日毎のカウント数を日付と関連付けて記憶し、表示要求があった際に、所定期間内の日付と関連付けて記憶されたカウント数を加算してもよい。
【0063】
この場合、FAXの送信時であれば、判定部23が、FAX番号毎に直近の所定期間のカウント数が規定回数未満か否かを判定する。また、電子メールの送信時であれば、メールアドレス毎に直近の所定期間のカウント数が規定回数未満か否かを判定する。そして、直近の所定期間におけるカウント数が規定回数未満である宛先名称が、強調して表示される。これにより、以前に規定回数以上の送受信を行い、登録された番号と実際の番号とが一致していたが、その後、変更等があり、登録された番号と実際の番号が一致しなくなった宛先を強調して表示することができる。すなわち、登録されているFAX番号又はメールアドレスが、過去には実際の番号と一致していたが、後に一致しなくなった可能性の有る宛先をユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0064】
また、上記実施形態では、カウント部22は、送受信の合計回数をカウントしたが、これに限られない。送信回数と受信回数とのいずれか一方であってもよい。また、カウント部22が、FAX番号又はメールアドレス毎に、送信回数と受信回数とをそれぞれカウントすることとしてもよい。
【0065】
送信回数と受信回数とがそれぞれカウントされた場合、判定部23は、送信回数が第1の規定回数未満であるか否か、及び、受信回数が第2の規定回数未満であるか否かについて判定する。FAXの送信については、登録されているFAX番号宛てにFAXが送信されても、誤った宛先に送信され、ユーザが気付かない場合がある。このため、送信が行われても、その回数が少ないと、実際のFAX番号と一致していない可能性が有る。これに対して、FAXの受信については、送信元が登録されているFAX番号であった場合、登録されたFAX番号が実際のFAX番号と一致している可能性が高い。そこで、第2の規定回数は、第1の規定回数より小さい値に設定される。例えば、第1の規定回数が3回に設定され、第2の規定回数が2回に設定される。
【0066】
出力部24は、判定部23の判定結果に基づいて特定されたFAX番号又はメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、自機の表示部18又はPC3の表示部31に宛先名称を出力する。例えば、出力部24は、送信回数が第1の規定回数未満であり、且つ、受信回数が第2の規定回数未満であるFAX番号又はメールアドレスを特定する。そして、出力部24は、特定したFAX番号又はメールアドレスの宛先名称が強調して表示されるように出力する。これにより、FAX又はメールアドレスの送信回数が第1の規定回数未満であり、且つ、受信回数が第2の規定回数未満である宛先名称が、強調して表示される。
【0067】
また、出力部24は、送信回数が第1の規定回数未満であるか、又は、受信回数が第2の規定回数未満であるFAX番号又はメールアドレスを特定する。そして、出力部24は、特定したFAX番号又はメールアドレスの宛先名称が強調して表示されるように出力する。これにより、FAX又はメールアドレスの送信回数が第1の規定回数未満である宛先名称、又は、受信回数が第2の規定回数未満である宛先名称が、強調して表示される。
【0068】
このように、送信回数の判断基準となる第1の規定回数より、受信回数の判断基準となる第2の規定回数が小さい値に設定され、それぞれの判断が行われる。従って、登録されているFAX番号が実際のFAX番号と異なる可能性の有る宛先名称をより精度よく抽出し、ユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0069】
また、上記MFP1は、更に、IFAX機能を有していてもよい。この場合、メール制御部16が、IFAXの送信時に、送信対象となる画像データを添付した電子メールを生成し、宛先表から選択されたFAX番号を宛先として、インターネットを介して所定のサーバへ電子メールを送信する。これにより、所定のサーバからPSTN91を介して画像データがFAXにより送信される。IFAXの受信時には、メール制御部16が、受信した電子メールに添付された画像データを取得する。また、IFAXの受信時には、送信元のFAX番号も取得される。
【0070】
このようなIFAX機能を有する場合、カウント部22は、宛先表に登録されたFAX番号を利用してIFAXの送信が行われた場合に、カウントを行う。また、カウント部22は、受信したIFAXの送信元のFAX番号が宛先表に登録されていた場合、カウントを行う。これにより、IFAXによる送受信を考慮して、送受信回数をカウントすることができる。従って、実際のFAX番号と異なる可能性の有る宛先をより精度よく抽出し、ユーザが認識できるように表示することが可能となる。
【0071】
また、上記実施形態では、本発明に係るメール送受信装置が、MFPに搭載された場合について説明したが、MFPに限られない。本発明に係るメール送受信装置は、携帯電話又はパーソナルコンピュータ等に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 MFP
10 スキャナ
11 プリンタ
12 NCU
13 モデム
14 FAX制御部
15 ネットワークI/F
16 メール制御部
17 Webサーバ
18 表示部
19 操作部
20 メイン制御部
21 記憶部
22 カウント部
23 判定部
24 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAX番号と宛先名称とが関連付けて登録された宛先表を記憶する記憶部と、
前記宛先表に登録された前記宛先名称を表示部へ出力する出力部と、
前記表示部に表示された宛先名称の中からユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたFAX番号宛てのFAXの送信、及び、相手先から送信されたFAXの受信を行う送受信部と、
前記宛先表に登録されたFAX番号毎に、前記送受信部による送信回数、受信回数、及び送受信の合計回数のうち少なくとも一つの回数をカウントするカウント部と、
前記宛先表に登録されたFAX番号毎に、前記カウント部によるカウント数が規定回数未満か否かを判定する判定部と、
を備え、
前記出力部は、前記カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を前記表示部へ出力することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記カウント部は、直近の所定期間における前記回数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記カウント数が規定回数未満であると判定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称の一覧を前記表示部へ出力することを特徴とする請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記カウント部は、前記宛先表に登録されたFAX番号毎に送信回数と受信回数とをカウントし、
前記判定部は、前記宛先表に登録されたFAX番号毎に、前記カウント部によりカウントされた送信回数が第1の規定回数未満であるか否か、及び、カウントされた受信回数が前記第1の規定回数より小さい第2の規定回数未満であるか否かを判定し、
前記出力部は、前記判定部の判定結果に基づいて特定されたFAX番号と関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を前記表示部へ出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記カウント部は、前記記憶部に記憶されたFAX番号が変更された場合、該FAX番号の前記カウント数を0に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
メールアドレスと宛先名称とが関連付けて登録された宛先表を記憶する記憶部と、
前記宛先表に登録された前記宛先名称を表示部へ出力する出力部と、
前記表示部に表示された宛先名称の中からユーザによって選択された宛先名称と関連付けられたメールアドレス宛ての電子メールの送信、及び、相手先から送信された電子メールの受信を行う送受信部と、
前記宛先表に登録されたメールアドレス毎に、前記送受信部による送信回数、受信回数、及び送受信の合計回数のうち少なくとも一つの回数をカウントするカウント部と、
前記宛先表に登録されたメールアドレス毎に、前記カウント部によるカウント数が規定回数未満か否かを判定する判定部と、
を備え、
前記出力部は、前記カウント数が規定回数未満であると判定されたメールアドレスと関連付けて登録された宛先名称が強調して表示されるように、該宛先名称を前記表示部へ出力することを特徴とするメール送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−239082(P2012−239082A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107615(P2011−107615)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】