説明

ファスナーと共に用いられるアラート装置

ファスナー備品、ファスナー、ファスナーを含む着用品および携帯品(例えば、衣料品および鞄)と共に用いられるアラート装置を提供する。そのアラート装置は、使用者にファスナーの閉め忘れや嵌め忘れを気付かせるのに役立つ信号源(例えば、軟鉄で作られるベルを備えるつまみ)と、その信号源に結合可能な信号変更器(例えば、磁石を備えるつまみ)とを有する。それら信号源と信号変更器の各々は、ファスナー部品(例えば、スライド・ファスナーのスライダー)や、衣料品または鞄の開口周囲の布地等に取り付けられる。その開口がファスナーによって閉じられて、信号源と信号変更器とが相互に結合するとき、信号源の作動状態が変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファスナー装置やファスナーと共に用いられるアラート装置に関し、より詳しくは、着用品や携帯品のファスナーと共に用いられるアラート装置であって、ファスナーの閉め忘れやファスナー部品の嵌め忘れを使用者に気付かせるのに役立つ前記装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品や鞄は年々新しいデザインが発表されている。そういった衣料品や鞄の至る所にファスナーが用いられている。近年の生活においては、財布、身分証明書入れ、鍵、携帯電話、ノートパソコン、電子器具、手帳、種々のサービスに対応するカード等、外出時に持ち歩く小物の数は減ることが無く、衣料品や鞄等に付けられるポケットの数も増大している。
【0003】
加えて、持ち歩く小物の紛失や落下を防ぐために、キーホルダー、首掛けストラップ、リスト・ストラップ等の各種ホルダーやストラップも広く普及している。このような着用品にも色々な形でファスナーが用いられており、衣料品、着用品、鞄、その他の携帯品に用いられるファスナーは、膨大な数に上る。もちろん、ファスナーの種類も多様なものとなっている。その結果、ファスナーを閉め忘れたり、ファスナー部品を嵌め忘れたりすることが多々発生している。
【0004】
ファスナーを閉め忘れているか、嵌め忘れていると、だらしのない印象を他人に与えたり、スリを誘発したり、ポケットや鞄の中の物品を紛失したり、着用すべき物品を置き忘れる原因となったりする。特に、多数のファスナーがついているにもかかわらず、それらが持ち主の目に届き難いバックパック等では、こういった問題が顕著に起こり得る。しかしながら、着用品(例えば、衣料品)を身に付け、あるいは携帯品(例えば、鞄)を持ち運んでいる人に、ファスナーが開いていたり、外れていたりすることを気付かせる器具は存在していなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ファスナーの閉め忘れやファスナー部品の嵌め忘れを使用者に気付かせるのに役立つ、ファスナー備品と共に用いられるアラート装置を提供することである。
【0006】
ここで、本明細書において、「ファスナー」は、ジッパー等のスライド・ファスナー、面ファスナー、バックル、ボタン、フック、留め金(catch)、ベルトまたはストラップを用いたファスナー等を包括する。更には、開口の開け閉めに係わりをもつ蝶番等の部品の働きによって、閉められた状態が安定している開口を有する着用品および携帯品(特に、衣料品および鞄)は、本明細書においては、ファスナーで閉じられる着用品および携帯品とみなす。
【0007】
「ファスナー」は、例えば、キーホルダーや服飾品を構成する場合のように、それ自体で着用品または携帯品として使用可能なものもあるが、多くは、他の構成要素を有する着用品や携帯品に組み込まれて使用される。そういった着用品や携帯品においては、「ファスナー」の開け閉めや、ファスナー部品の分離および結合に係わって、ファスナーと連動する部分が存在する。あるいは、ファスナー部品の取り付けに必要とされる部分も存在する。本明細書では、このような部分とファスナーとを一括して「ファスナーを含む系」と称する。
【0008】
ここで、「ファスナーを含む系」に組み込まれる「ファスナー」の各々は、「ファスナーを含む系」への取り付け具を除いて、相互に結合可能な2つ以下の部品で構成されている。すなわち、各部品が更に2つ以上の部品で構成されていても、それらは有機的に組み立てられた上で「ファスナーを含む系」に組み込まれる。そうすると、スライド・ファスナーは、スライダーの数に関係なく1つの部品とみなされる。
【0009】
本明細書においては、「ファスナー備品」が「ファスナー」または「ファスナーを含む系」に組み込まれても、「ファスナー」1つ当たりの「ファスナー」と「ファスナー備品」の部品数の合計が4を超えることはない。典型的には、この最大数4は、ファスナー部品の数2とファスナー備品の部品数2の合計である。ただし、各部品は、前述のように有機的に1つに組み立てられているものを言う。
【0010】
本発明によると、好ましくは、「ファスナー備品」は、少なくとも部分的に「ファスナー」と一体化されるので、部品数の合計は3以内である。例えば、「ファスナー備品」および「ファスナー」が多数の部品からなる電子装置等を備える場合も、筐体等を用いて4つ以内(好ましくは、3つ以内)の部品に一体化した上で、「ファスナーを含む系」に取り付けなければならない。部品数の合計が4を超えるものは、本明細書に言う「ファスナー備品」の概念を逸脱している。もちろん、前述のとおり、「ファスナー」の最大部品数は2である。
【0011】
「着用品」は、あらゆる種類の衣料品、服飾品に加え、キーホルダー、首掛けストラップ、リスト・ストラップ等、文字通り身に着けることが可能な全ての品目を含む。更に、「携帯品」は、文字通り携帯が可能な全ての品目であり、「鞄」を含む。何らかの携帯品が、ファスナーやホルダーによって「着用品」や「鞄」等の他の携帯品に取り付けられるならば、そのような携帯品は、本明細書で言う「ファスナーを備える携帯品」である。更に、「着用品」や「携帯品」は、動物に着用させ、あるいは、自転車や荷車等に取り付けるものも含む。
【0012】
また、「鞄」は、ハンドバッグ、財布、ショルダーバッグ、クラッチバッグ、セカンドバッグ、トートバッグ、通学用鞄(スクールバッグ)、スーツケース、ポーチ、ポシェット、トランク、サック、バックパック、デイパック、リュックサック、ダッフルバッグ、サッチェル、ポートフォリオ、ブリーフケース、アタッシュケース等、中に物を入れる携帯用具の総称である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一つの観点によって提供されるのは、使用者に対してアラート指示(alert indication)を出すアラート装置であって、該装置は、物品を結び付ける(閉じる)ファスナー備品に組み込まれているか取り付けられており、前記装置は、合わさったり離れたりすることの可能な、第1および第2の構成要素を備えており、該第1および第2の構成要素が合わさっているときに、該物品が結び付いた(閉じた)位置にあり、該構成要素の少なくとも一方が、使用者に対してアラート指示を出すものとされ、該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記アラート指示が抑制されるアラート装置である。
【0014】
ここで、「アラート指示」とは、本発明に係わるファスナーまたはファスナー備品を有する着用品または携帯品の使用者に、ファスナーが開いていたり、外れていたりするという注意を喚起(アラート)するか、指示(表示)を行うかする信号である。
【0015】
この指示または信号によって、着用品を身にまとっているか携帯品を持ち運んでいる使用者は、ファスナーが開いているか、ファスナー部品を嵌め忘れていることに気が付く。しかし、この指示または信号は、使用者を苛立たせる性質のものではなく、直ぐにでも信号を切りたくなるような通常の警告(アラーム)とは区別される。すなわち、この指示または信号が長時間発せられ続けても、使用者が不快な思いをすることはない。この指示または信号は、はっきりと注意を引くものではあるが、使用者や信号源の近くに居合わせた人に迷惑をかけるものではない。
【0016】
好ましくは、前記構成要素の少なくとも一方が、前記アラート指示を出すのに、舌または玉を有するベルを含む。こうすると、アラート指示は、使用者が動くか、携帯品を動かすかするときにしか発せられない。ここで、「ベル(bell)」は、鐘(chime)やゴング(gong)等、複数の部材が打ち合って音を発するあらゆる器具を含む。また、動かすだけで音が出る装置は、本明細書におけるベルに含まれるものとする。逆に、電源を備えて音を発する電子装置は、本明細書におけるベルから除外する。
【0017】
一つの目安として、アラート指示の音は、20dBから60dBの範囲内になければならない。例えば、継続して60dBを超えるような音は、電話の呼び出し音として使用可能な域に達しており、本発明のアラート指示には該当しない。ちなみに、各種防犯アラームは最低レベルでもおよそ80dBの音を発するが、そのようなものは、言うまでもなく本発明の信号と全く性質を異にする。
【0018】
好ましくは、第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記舌または玉の動きが抑制される。こうすると、第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、舌または玉の動作状態が異なって、それらはベルを打ってアラート指示を出さなくなる。
【0019】
好ましくは、ファスナー備品は、閉じている物品において開口を結び付ける(閉じる)ためのもので、前記第1および第2の構成要素は、該開口を閉じるために合わさることが可能で、かつ該開口を開けるために離れることが可能である。こうすると、開口が閉じていれば、第1および第2の構成要素は相互に隣接するか近隣にある。反対に、開口が開いていれば、第1および第2の構成要素は互に離れている。したがって、開口が開いているときにしか、例えば、鞄や衣料品のポケットが開いたままになっているときにしか、アラート指示は出されない。
【0020】
あるいは、ファスナー備品は、第1および第2の部材を結合させる(閉じ合わせる)ためのもので、前記第1および第2の構成要素は、前記第1および第2の部材を結び付けるために合わさることが可能で、かつ前記第1および第2の部材を外すために離れることが可能である。こうすると、第1および第2の部材が結び付いていれば、第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にある。反対に、第1および第2の部材が離れていれば、第1および第2の構成要素も互に離れている。したがって、第1および第2の部材が離れているときにしか、例えば、鍵がキーリングから外されていたり、犬の首輪が引き紐(leash)から外されていたりするときにしか、アラート指示は出されない。
【0021】
好ましくは、前記構成要素の少なくとも一方が、磁力によって前記アラート指示を抑制する磁気手段を有する。例えば、構成要素の一方が、磁石に引き付けられる材料を含んでいて、他方が、磁石であるか磁石を含んでいてもよく、あるいは、第1および第2の構成要素の双方が、各々磁石を含んでいてもよい。こうすると、構成要素を、物的に相互に接続しなくとも、アラート指示が抑制される。実際、構成要素を、相互に近接させるか近付ければ、磁力を作用させられる。利点として、これによって、構成要素は、例えば、鞄の側面のような材料の何れの側にでも配置できるものとなる。加えて、使用者は、構成要素を接続し合わせるために力を加える必要がなく、また、磁力は全方向に作用するので、第1および第2の構成要素を正確に位置合わせする必要もない。
【0022】
あるいは、前記構成要素の少なくとも一方は、機械的な作用によって前記アラート指示を抑制する機械手段を有する。こうすると、第1および第2の構成要素を合わせるという単純な機械作用を用いて、アラート指示が抑制される。
【0023】
あるいは、前記構成要素の一方が、前記アラート指示を出すのに、光、音、振動又はそれらの組み合わせのいずれかを発するように動作可能な電子装置を含む。この場合、そのような電子装置には、モーション・センサーを備えて、前述のベルのように動かされるときにしか信号を発しないようにするのが好ましい。
【0024】
好ましくは、前記構成要素の双方が、アラート指示を出すものとされる。この場合、第1および第2の構成要素が合わさるとき、相互にアラート指示を抑制するように作用する。したがって、その2つの構成要素が相互に隣接するか近隣にあれば、何れの構成要素もアラート指示を発しない。その2つの構成要素が互に離れていれば、双方ともアラート指示を発する。こうすると、より大きなアラート指示を作り出すのに、第1および第2の構成要素のサイズを大きく増やすことが必要でなくなる。
【0025】
好ましくは、前記構成要素は、磁力によって接続し合える。こうすると、構成要素が接続し合うのと、アラート指示を発するのが抑制されるのと、双方に磁力が用いられる。したがって、アラート装置は、簡素なデザインを有し、そうして安価に製造することができる。
【0026】
好ましくは、前記構成要素は、面ファスナーまたはバックルによって接続し合える。こうすると、構成要素は、相互にしっかりと接続でき、例えば、機械クリップ、バックル、ベルクロ(Velcro)ファスナー(登録商標)(マジックテープ(登録商標))等においてファスナー装置と一体化できる。
【0027】
好ましくは、前記構成要素の少なくとも一方が、着用品または携帯品に組み込まれているスライド・ファスナーのスライダーに接続される。
【0028】
好ましくは、前記第1の構成要素が第1のスライダーに接続され、かつ前記第2の構成要素が第2のスライダーに接続される。そうして、第1および第2の構成要素は、双方のスライド・ファスナーが閉められているときにしか、相互に隣接したり近隣したりしない。
【0029】
あるいは、前記第1の構成要素が、着用品または携帯品に組み込まれているスライド・ファスナーのスライダーに接続され、かつ前記第2の構成要素が、前記着用品または携帯品において、(前記着用品または携帯品に対して固)定(される)位置に配置される。例えば、本発明によるアラート装置は、着用品または携帯品の一つ以上のスライド・ファスナーに組み込むことができる。この場合、例えば、スライド・ファスナーのスライダーの各々に、第1の構成要素が接続され、かつ少なくとも一つの第2の構成要素が、その着用品または携帯品の定位置に備えられる。したがって、それらスライド・ファスナーの何れのものを閉じても、それぞれの第1の構成要素が、第2の構成要素まで、またはその近隣まで動かされるように、着用品または携帯品を構成することができる。
【0030】
好ましくは、前記スライド・ファスナーはジッパーである。
【0031】
好ましくは、前記物品は、携帯品または着用品である。こうすると、アラート装置は、衣料品、鞄、ブリーフケースその他の携帯品に組み込むことができ、それらの物品が閉め忘れられているとき、例えば、鞄や衣料品のポケットが誤って開いたままになっているならば、アラート指示を出すことができる。
【0032】
本発明の更なる観点によって提供されるのは、使用者に対してアラート指示を出すアラート装置であって、該装置は、物品の開口を閉じるファスナー備品に組み込まれているか取り付けられており、前記装置は、前記開口を閉じるために合わさり、前記開口を開けるために離れることが可能な、第1および第2の構成要素を備えており、該構成要素の少なくとも一方が、使用者に対してアラート指示を出すものとされ、該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記アラート指示が抑制されるアラート装置である。
【0033】
本発明の更なる観点によって提供されるのは、物品を結び付ける(閉じる)ファスナー備品に組み込まれるか取り付けられるかするための、使用者に対してアラート指示を出すアラート装置であって、前記装置は、合わさったり離れたりすることの可能な、第1および第2の構成要素を備えており、該ファスナー備品に組み込まれるか取り付けられるかして、該第1および第2の構成要素が合わさっているときに、該物品が結び付いた(閉じた)位置にあり、該構成要素の少なくとも一方が、使用者に対してアラート指示を出すものとされ、該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記アラート指示が抑制されるアラート装置である。
【0034】
少なくとも構成要素の一方は、着用品または携帯品における既製のファスナーに取り付け可能であってもよい。そのような場合、構成要素の一方は、ファスナー部品または布地への取り付けを可能とするループまたは取り付け具を備えるか、布地に縫い付けるか貼り付けるかするための縫い代または糊代を有していてもよい。
【0035】
ここで、ループとは、糸や細紐で構成される輪に加えて、金属、プラスチック、木材その他の材料からなる環状の部品を指す。更に、ループは、スナップフックや、可動部分が弾性体によって支持されるリング等、輪の一部が開いたり閉じたりするような機構を備えていてもよい。
【0036】
「布地」は、織布、不織布、皮革、合成皮革、その他のシート状のものを含む。
【0037】
ファスナー部品または布地への取り付け具とは、安全ピン、バッジ用のピン、ねじ、リベット、クリップ等を含む。更には、布地への取り付けを可能とする縫い代または糊代は、衣料品や鞄の一部となる帯やストラップであってもよい。第1および第2の構成要素は、例えば、物品において相互に向き合う、開口の第1および第2の側にそれぞれ取り付けられてもよい。そうすると、それらを離すことと隣接させるまたは近付ける動きが、ファスナーの開け閉めと同じになる。
【0038】
ファスナー付き布地が、開口のカバーまたは開口を横切る帯(またはストラップ)を更に備えていて、そのカバーまたは帯の第1端が、開口の第1の側に取り付けられているかもしれない。そうすると、構成要素の一方が、開口の第2の側に取り付けられ、かつ構成要素の他方が、カバーまたは帯の第2端に取り付けられておればよい。
【0039】
あるいは、ファスナー付き布地において、ファスナーが、開口を囲む布地の縁に取り付けられているスライド・ファスナーであってもよい。典型的には、構成要素の一方が、このスライド・ファスナーのスライダーに取り付けられており、構成要素の他方が、開口を囲む布地に取り付けられている。
【発明の効果】
【0040】
本発明によるアラート装置は、既製のファスナー、着用品または携帯品に取り付けられるか、ファスナー、着用品または携帯品を製造する際の構成部品として用いられる。ファスナーの開閉状態または分離結合状態が、前述のようなアラート指示の有無または相違によって区別される。したがって、本発明によれば、身にまとっている着用品(例えば、衣料品)または持ち運んでいる携帯品(例えば、鞄)のファスナーの開閉状態または結合分離状態を、使用者が容易に認識することが可能となる。
【0041】
特に、ファスナーが開いているか外れているときに注意が喚起(アラート)されるので、ファスナーが閉め忘れられたり、嵌め忘れられたりするのを防止するのに役立つ。また、閉じられた状態または結合された状態にあるファスナーが開けられると、その瞬間にアラート指示が発せられるので、スリの防止にも役立つ。更に、本発明によるファスナー備品やファスナーは、アラート指示を発する服飾品としても役立つ。以上のような、本発明によって得られる作用効果は、双方の構成要素が同時にアラート指示を発するように機能する場合に、より顕著になる。
【0042】
また、本発明において、構成要素の一方が磁力によって構成要素の他方と結合可能であるときは、アラート指示源の構造を簡素化すること、例えばベルとすることが容易である。これは、第1および第2の構成要素に、磁石(および鉄)が備えられさえすればよいからである。更にこのとき、構成要素を接続し合わせるために、使用者が、力を加える必要もないし、精密な位置合わせをする必要もない。加えて、使用者は、第1および第2の構成要素を分離するには、それらを互に引き離しさえすればよい。
【0043】
一方、第1および第2の構成要素によって、着用品または携帯品のファスナーが構成されているときは、ファスナーの開閉またはファスナー部品の分離結合と、第1および第2の構成要素の分離結合が確実に同時に行われるという効果がある。もちろん、第1および第2の構成要素を接続し合うまたは結合可能とする手段が、ファスナーとは別の部材から構成されている場合と比べて、全体の構造が簡略化されるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、添付の図面を参照し、あくまでも例示として発明を説明する。
【実施例1】
【0045】
図1Aおよび図1Bは、本発明の第1の実施例によるファスナー備品の構成部品をそれぞれ示す。図1Aを参照すると、ベル101が、底部にスリット105を有する本体102と玉103とから構成されている。ベル101を動かすと、玉103が、本体102内を自由に転がってベル101が音を立てる。スリット105の幅は、玉103の大きさに比べて充分に小さく、玉103の動きがスリット105によって大きく妨げられることは無い。もちろん、スリット105を通して玉103が外に出ることも無い。また、本体102と玉103は、いずれも軟鉄で作られている。
【0046】
本体102の上部には穴があけられていて、ループ状の細紐104が通されている。これによって、ベル101は、ファスナーを含む系(例えば、スライド・ファスナーのスライダー)に取り付け可能である。
【0047】
図1Bを参照すると、ベル101に結合可能なサイレンサー201が、本体202とフェライト磁石203とから構成されている。このサイレンサー201の本体202は、プラスチックで作られているが、ベル101の本体102と形状が類似している。本体202に収められている円柱形状のフェライト磁石203によって、サイレンサー201は、図1Aのベル101と結合可能となる。ここで、フェライト磁石203は、側面および底面がキャップ形状の鉄製ヨーク205で覆われており、頂面に強い磁力を有する。この頂面が、本体202の一方の側の、極めて表面に近い位置に配置されている。
【0048】
サイレンサー201がベル101に結合するとき、本体102と玉103が双方とも磁石203に吸引されて、動かされてもベル101はほとんど音を立てなくなる。前述の本体102と同様、本体202には穴が開けられていて、ループ状の細紐204が通されている。これによって、前述のベル101と同様、サイレンサー201は、ファスナーを含む系(例えば、スライド・ファスナーのスライダー)に取り付け可能である。
【0049】
以上のように構成されるベル101とサイレンサー201は、ファスナーを含む系に適宜取り付けて使用される。この系においては、ファスナーが開いているか、ファスナー部品が分離しているとき、ベル101は音を立てことができる。逆に、ファスナーが閉じられるか、ファスナー部品が結合しておれば、ベル101とサイレンサー201が結合して音を立てない。このような系の一例が、以下に記述される第2の実施例によるスライド・ファスナーである。
【0050】
ベル101の本体102およびサイレンサー201の本体202の形状について特に限定はなく、好みのデザインに従って構成されてよい。本体102および本体202が、類似の形状である必要も全く無い。
【0051】
ベル101の本体102には、音を放出するためのスリット105が設けられているが、その形や、それが設けられる位置にも特に制限は無い。もちろん、複数のスリットが設けられていてもよく、またはスリット以外の形やパターンを有する穴が設けられていてもよい。すなわち、スリット105は、ベル101が好みの音を発するよう設計されてよい。スリット105を通すと玉103がサイレンサー201に強く吸引されるので、スリット105を本体102の側面に設けてもよい。
【0052】
ベル101の玉103は、ほぼ球形であるが、形状が特に限定されるものではない。円筒形でもさいころ状その他の形状でもよい。ただし、本体102内を転がり易いという点で、玉103は、球形に近い形が好ましい。また、玉103は、糸で吊り下げられてもよく、あるいは、舌として、振り子のように動くように本体102内に取り付けられてもよい。
【0053】
磁石203についても、永久磁石であればフェライト磁石に限られるものではない。フェライト磁石よりも強い磁力を有する、サマリウム磁石やネオジム磁石等の希土類磁石も、好適に用いることができる。サイレンサー201がベル101をある程度以上の力で吸引する限り、磁石203やヨーク205の大きさや形状は設計事項である。もちろん、ヨーク205が必須のものでもない。
【0054】
例えば、ネオジム磁石をヨーク無しで用いれば、サイレンサー201の構造が簡素化され、製造が容易となる。更には、ネオジム磁石を使用することで、磁界を小さな領域に集中させ、不必要な磁界の広がりを抑制するのも容易となる。このような磁石を用いると、本体202のいずれの側にもベル101を吸引するサイレンサーを構成することも容易となる。もちろん、一つの磁石203ではなく複数の磁石が、サイレンサー201に備えられてもよい。
【0055】
ベル101の本体102と玉103は、磁石に吸引される他の材料で作られてもよい。この第1の実施例において軟鉄が用いられているのは、長期の使用によって本体102と玉103が磁化されるのを防ぐためである。いうまでもなく、本体102と玉103が磁化されると、ベル101が機能を果たさなくなってしまう。
【0056】
あるいは、本体102と玉103のいずれか一方のみが磁石に吸引される材料で作られてもよい。例えば、玉103がサイレンサー201に吸引されず、本体102のみが磁石に吸引されるものでもよい。ベル101の本体102がサイレンサー201と結合するだけで、ベル101の音は消えないまでも相当に異質なものとなるからである。
【0057】
更に、ベル101の本体102と玉103のいずれか一方を、磁石を用いて構成し、サイレンサー201を、軟鉄または磁石で作ることも可能である。ただし、もちろん、本体102と玉103の双方がサイレンサー201の磁石に吸引される方が、サイレンサー201がベル101に結合したときの音の違いが大きいため、より好ましいといえる。
【0058】
細紐104と204は、金属リングや両端にループを有するストラップ等と置き換えられてもよい。また、ベル101とサイレンサー201の一方が、衣料品や鞄のスライド・ファスナーのスライダー以外の部分、すなわち布地に取り付け可能であってもよい。特に、スライド・ファスナー以外のファスナーの開閉に対応して用いることができるように、ベル101とサイレンサー201の双方がそのようなファスナーの部品または布地に取り付け可能であってもよい。
【0059】
そのために、細紐104および204の少なくとも一方は、安全ピン、バッジ用のピン、ねじ、リベット、クリップ等を備える部材と置き換えられてもよい。あるいは、細紐104および204の少なくとも一方は、衣料品や鞄等の布地に縫い付け可能または貼り付け可能となる、縫い代または糊代を備える部材と置き換えられてもよい。
【実施例2】
【0060】
図2Aおよび図2Bは、本発明の第2の実施例によるスライド・ファスナー301を示す。このスライド・ファスナー301には、前述の、図1Aおよび図1Bにそれぞれ示されるようなファスナー備品の構成部品が取り付けられている。
【0061】
スライド・ファスナー301には、2つのスライダー302および303が備えられている。これら2つのスライダー302および303が離れているときは、図2Aに示されているように、スライド・ファスナー301は開けられていて、開口304を有する。反対に、これら2つのスライダー302および303が近づいているときは、図2Bに示されているように、スライド・ファスナー301は閉じられている。
【0062】
このようなスライド・ファスナー301において、スライダー302には、細紐104によってベル101が取り付けられており、スライダー303には、細紐204によってサイレンサー201が取り付けられている。ここで、ベル101とサイレンサー201とは、それぞれスライド・ファスナー301のつまみ(pull-tab)として使用可能に設計されていることに注意する。あるいは、スライド・ファスナー301のスライダー302および303の一方または双方に、ベル101とサイレンサー201とに加えて、別途スライド・ファスナー301の開閉のためのつまみが備えられていてもよい。
【0063】
図2Aに示されているように、スライド・ファスナー301が開いているときには、ベル101は動かされるといつでも音を発する状態にある。しかし、図2Bに示されているように、スライド・ファスナー301が閉じているときには、磁石203の働きにより、ベル101は、サイレンサー201と結合していて、動かされても音を立てない。
【0064】
以上のような構成のスライド・ファスナー301は、衣料品や鞄等の開口に取り付けられる。そうして、スライド・ファスナー301を閉め忘れていると、体を動かすときまたは鞄が運ばれるときにベル101が動かされて音を発し、その衣料品を身に付けている人、あるいは鞄の持ち主がその閉め忘れに気付くことになる。この第2の実施例においては、前述の第1の実施例のファスナー備品の変形例が適宜応用できる。
【実施例3】
【0065】
図3は、本発明の第3の実施例による、ファスナー備品を複数個備えたバックパック401を示す。バックパック401には、収容部402が備えられているが、更に、バックパック401を背中に負うためのストラップが備わる側と反対の側に、2つのポケット403および404を有する。収容部402、ポケット403および404には、それぞれ、スライド・ファスナー301、311および321が取り付けられている。
【0066】
スライド・ファスナー301は、図2Aおよび図2Bを参照して前述したとおり、2つのスライダー302および303によって開閉可能である。そうして、スライダー302には、図1Aに示されるようなベル101が取り付けられており、スライダー303には、図1Bに示されるようなサイレンサー201が取り付けられている。図3において、スライド・ファスナー301は閉められていて、ベル101とサイレンサー201とが結合している。
【0067】
一方、スライド・ファスナー311および321には、スライダーが各々1つずつ取り付けられている。すなわち、スライダー312がスライド・ファスナー311に取り付けられており、スライダー322がスライド・ファスナー321に取り付けられている。ここで、スライダー312には、図1Aに示されるようなベル101が取り付けられており、スライダー322には、図1Bに示されるようなサイレンサー201が取り付けられている。
【0068】
スライド・ファスナー311および321を各々閉じるとき、スライダー312および322はいずれも、ポケット403および404が備えられるバックパック401の側面の中央に向けて動かされる。したがって、スライド・ファスナー311および321が双方とも閉じられるとベル101とサイレンサー201とが相互に結合する。図3には、そのように、スライド・ファスナー311のベル101と、スライド・ファスナー321のサイレンサー201とが相互に結合した状態が示されている。しかし、スライド・ファスナー311および321がいずれか一方でも開いた状態にあると、ベル101とサイレンサー201とは相互に分離されてしまう。
【0069】
このように構成されるバックパック401を持ち運ぼうとするとき、収容部402、ポケット403および404のいずれかに閉め忘れがあると、2つのベル101のうち一つが音を立てることとなる。これにより、スライド・ファスナー301、311および321の閉め忘れが防止される。もちろん、この第3の実施例においても、適宜、前述の第1の実施例のファスナー備品の変形例が適用可能である。
【実施例4】
【0070】
図4は、本発明の第4の実施例による、ファスナー備品を複数個備えるブリーフケース411を示す。ブリーフケース411には、4つの収容部が設けられており、それぞれにスライド・ファスナー331、341、351および361が取り付けられている。これらのスライド・ファスナーは、全てスライダーを一つだけ有するタイプのもので、各スライダーには、図1Aを参照して前述されたベル101と全く同じ構成のベル101が取り付けられている。
【0071】
このブリーフケース411は、スライド・ファスナー331、341、351および361が全て閉じられて、4つのベル101が磁石シート211に吸引されるとき、これらのベル101が隣同士に配列し、ブリーフケース411の底からほぼ同じ高さに位置するように構成されている。ここで、磁石シート211は、ブリーフケース411の表地と裏地との間に縫い付けられている。
【0072】
スライド・ファスナー331、341、351および361の各々が閉じられると(図4においては、スライド・ファスナー331、351および361が閉じられている)、それに取り付けられているベル101は、磁石シート211に吸引されて音を立てなくなる。
【0073】
逆に、スライド・ファスナー331、341、351および361のいずれかが開いている状態で(図4においては、スライド・ファスナー341が開いている状態にある)ブリーフケース411を持ち運ぼうとすると、その開いているスライド・ファスナーに取り付けられているベル101が音を発する。それによって、スライド・ファスナー331、341、351および361の閉め忘れが防止される。
【0074】
この磁石シート211としては、商業的に利用されているものをいずれも利用できるが、薄くとも磁力の強力なものが好ましい。また、本実施例においては、製作が容易であるという点から、一枚の磁石シート211が、4つベル101全てに結合可能とされている。しかしながら、ブリーフケース411のデザインによっては、何枚でも、どの箇所にでも、必要なだけ磁石シートが備えられていてもよい。
【0075】
この第4の実施例においても、ベル101の構造は、前述の第1の実施例のベル101の変形例が殆ど応用できる。例えば、ベル101の本体102を磁石に吸引されない材料から構成し、玉103を磁石とすることも可能である。その場合には、磁石シート211を鉄材シートと置き換えることもできる。また、全てのベル101が、同じ大きさで、同じ形を有する必要もない。
【0076】
さて、本発明の第1乃至第4の実施例はいずれも、構成部品としてベル101を有している。ベル101の上部の本体102の穴を通る細紐104によってループが形成されており、それによってベル101は、スライド・ファスナーのスライダーに取り付け可能となっている。次に、これとは異なるループを備えるベルの例を示す。
【実施例5】
【0077】
図5Aは、本発明の第5の実施例によるファスナー備品の構成部品であるベル111を示す。ベル111の本体112は、穴が開けられている上部の形状が、前述の第1乃至第4の実施例におけるベル101の本体102と異なっている。しかし、材質や機能については、ベル111の本体112は、ベル101の本体102と実質的に同じものである。また、ベル111の玉113も、ベル101の玉103と全く同じ機能を有する。
【0078】
ベル111の本体112には、金属リング114を介して、ループを形成する金属製のフック115が取り付けられている。このフック115のループは、その一部が可動であり、この可動部分116は、フック115の外部に突き出たノブ117と連動している。すなわち、ノブ117を押し下げると、図5Bに示されるように、可動部分116がループの内側に引き込まれてループが一部開かれる。続いて、そのノブ117を押し下げる力を取り除くと、フック115に内蔵される弾性体の働きで、可動部分116が元の位置に戻り、フック115は再度ループを形成する。
【0079】
なおも図5Bを参照すると、既製のスライド・ファスナー371のスライダー372には、一端に穴374が開けられている金属製のつまみ(pull-tab)373が取り付けられている。前述のように、ノブ117を押し下げてフック115のループを開放すると、フック115を穴374に通すことができる。そして、そのままの状態でノブ117を押し下げる力を取り除けば、ベル111がつまみ373に取り付けられる。
【0080】
また、図5Cおよび図5Dを参照すると、既製のスライド・ファスナー381のスライダー382には、細紐383を介してプラスチック製のつまみ384が取り付けられている。このようなスライド・ファスナー381のスライダー382にベル111を取り付けるために、内周がこのつまみ384の外周よりも小さいゴムリング118を用意する。
【0081】
まず、ゴムリング118の弾性を利用してそれを拡張し、つまみ384をゴムリング118に通す。このようにしてゴムリング118がスライダー382に取り付けられている状態が、図5Cに示されている。続いて、そのゴムリング118を中央部で束ね、図5Bの場合と同様にフック115を操作すれば、図5Dに示されるように、ベル111がスライダー382に取り付けられる。
【0082】
もちろん、スライド・ファスナー381において、スライダー382の細紐383に、フック115を直接取り付けることも可能である。しかし、ベル111が細紐383の片側に取り付けられることになり、見た目がよくない。また、そのように取り付けられたフック115は、すぐにつまみ384に接触する位置に移動してしまい、スライド・ファスナー381の開閉のためにつまみ384を操作するとき邪魔になり易い。図5Dに示されるように、ベル111をスライダー382に取り付けると、このような問題が起こり難いことに注意する。
【0083】
以上のとおり、この第5の実施例によるベル111は、ファスナーを含む系一般に取り付け可能である。典型的には、ベル111は、既製のスライド・ファスナーの金属製のつまみに容易に取り付け可能であり、また紐とプラスチックの組み合わせからなるつまみにも取り付けることができる。しかも、このようにして取り付けられるベル111は、既製のスライド・ファスナーが備えるつまみの機能を損ねることがない。
【0084】
このようなベル111と同じフックを備えるサイレンサーを用意すれば、前述の第1乃至第3の実施例と同様に、ベルとサイレンサーのペアからなる、本発明によるファスナー備品が構成される。また、この第5の実施例のベル111は、前述の第1の実施例のベル101と全く同様に変形し、または変更することが可能である。
【実施例6】
【0085】
図6Aおよび図6Bは、本発明の第6の実施例によるファスナー備品の構成部品であるベル501を示す。図6Aは、ベル501の斜視図であり、図6Bは、そのベル501の全部品を示す分解図である。図6Aおよび図6Bに示されているベル501と同じベル501を2つ組み合わせることで、第6の実施例によるファスナー備品が構成される。
【0086】
図6Aおよび図6Bを参照すると、ベル501が、底部にスリット505を有する本体502と玉503とから構成されている。ベル501を動かすと、玉503が本体502内を自由に転がって音を立てる。本体502は、磁石に吸引されない銀と銅と亜鉛の合金で鋳造されており、玉503は、円柱形状のネオジム磁石である。本体502の頂部には、本体502の内部に通じる穴507が開けられていて、その穴507の直径は、玉503の直径よりもわずかに大きい。すなわち、穴507を通して、玉503を、本体502内に入れたり、本体502から出したりできる。
【0087】
本体502の上部には、相互に向い合う2つの穴508が開けられていて、二重リング504が通されている。この状態では、玉503は穴507を通り抜けることができない。更に、この二重リング504は、フック506にも通されていて、本体502とフック506とを結び付けている。ここで、二重リング504とフック506とは、燐青銅で構成されているため、弾性を有し、磁石に吸引されない。
【0088】
フック506の非連続部分509は、2つの部分が重なり合っていて、通常は、フック506が全体としてループを形成するように閉じている。しかし、弾性を有するフック506に適度の力を加えると、非連続部分509が開いて、フック506が他のループに結合可能となる。これにより、ベル501は、ファスナーを含む系に取り付け可能となる。典型的には、ベル501は、前述の第5の実施例によるベル111と全く同じように、既製のスライド・ファスナーのつまみに取り付け可能となる。
【0089】
以上のように構成されるベル501と同じベル501を2つ組み合わせて、第6の実施例によるファスナー備品が構成される。このファスナー備品は、前記第1の実施例によるファスナー備品と同様に、ファスナーを含む系に適宜取り付けて使用される。この系においては、ファスナーが開いているか、ファスナー部品が分離しているとき、2つのベル501は双方とも音を立てことができる。逆に、ファスナーが閉じられるか、ファスナー部品が結合しておれば、2つのベル501が相互に結合して音を立てない。このような系の一例が、以下に記述される第7の実施例によるスライド・ファスナーである。
【0090】
第6の実施例によるファスナー備品では、2つのベル501の各々が、信号源であると同時に、相手方のベル501のサイレンサーとしても機能する。ベル501同士が結合している状態では玉503は全く転がらず、アラート信号は発せられない。逆に、ベル501が相互に離れていると、アラート信号が2つのベル501から発せられるので、アラート信号を鮮明に聞き取ることができるという利点がある。
【0091】
前記第6の実施例によるファスナー備品を使用している最中に、磁石であるベル501の玉503が、砂鉄や小さい鉄片を誤って吸着してしまう恐れがある。そのような、玉503に吸着された異物を取り除くために、二重リング504を本体502から取り外して、玉503を本体502から取り出すことができる。
【0092】
本体502およびスリット505の形状やデザインは、前述の第1の実施例によるベル101の本体102およびスリット105と同様に、変更可能である。本体502は、磁石に吸引されず、かつベルを構成できる材料であれば何で作られていてもよく、銀、銅、真鍮、青銅その他の金属や合金が、本体502の好適な材料として挙げられる。
【0093】
玉503は、ネオジム磁石以外の永久磁石でもよく、磁石とそれ以外の材料とで作られていてもよい。玉503の形状についても、前述の第1の実施例によるベル101の玉103と同様の変更が可能である。また、2つのベル501の各構成部品が、必ずしも、同じ形状、デザイン、大きさを有し、同じ材料で作られている必要はない。2つのベル501の玉503についても、一方を磁石で作り、他方を軟鉄等の磁石に吸引される材料で作ることも可能である。ただし、双方の玉503が磁石であるほうが、磁力が強くなるため、ベル同士の結合が確実に行われるファスナー備品を得易くなる。
【0094】
また、この第6の実施例によるベル501において、二重リング504およびフック506は適宜変更でき、任意の取り付け具を用いることができる。ただし、少なくとも、二重リング504のように、直接本体502と接触する取り付け具は、磁石に吸引されない材料で構成されなければならない。フック506は、本体502と接触する可能性は低いが、誤作動を防ぐために、磁石に吸引されない材料で作ることが好ましい。
【0095】
取り付け具を自由に選択すると、前述の第2乃至第4の実施例において、ベル101の各々をベル501と置き換えることが可能である。加えて、第2および第3の実施例においては、ベル101とサイレンサー201を全てベル501と置き換えることも可能である。
【実施例7】
【0096】
図7Aおよび図7Bは、本発明の第7の実施例によるスライド・ファスナー701を示す。このスライド・ファスナー701は、2つのスライダー702および704を有しており、前述の第2の実施例によるスライド・ファスナー301と同様に、2つのスライダー702および704を相互に遠ざけたり近づけたりして開閉することができる。スライド・ファスナー701を開閉し易くするために、スライダー702および704にはそれぞれ、つまみ703および705が取り付けられている。
【0097】
スライド・ファスナー701には、前述の第6の実施例によるファスナー備品の構成部品が取り付けられている。すなわち、スライド・ファスナー701のスライダー702および704のつまみ703および705の各々に、ベル501が、フック506によって取り付けられている。
【0098】
そうすると、図7Aに示されているように、スライド・ファスナー701が開いて、開口706を有しているときは、2つのベル501は、つまみ703および705を介して、スライダー702および704から吊り下げられている。この、スライド・ファスナー701が開いている状態において、スライド・ファスナー701が取り付けられている物品を動かすと、2つのベル501の玉503はそれぞれのベルの内部を転がって、双方のベル501とも音を立てる。
【0099】
図7Bに示されているように、スライド・ファスナー701が閉じているときは、2つのベル501の玉503が、磁力によって相互に吸引し合い、2つのベル501が相互に接触している。この状態では、2つの玉503は転がらず、相互に向き合って動かないので、スライド・ファスナー701が取り付けられている物品を動かしても2つのベル501はいずれも音を立てることがない。
【0100】
以上のような構成のスライド・ファスナー701は、前述の第2の実施例によるスライド・ファスナー301と同様に、衣料品や鞄等の開口に取り付けて使用される。この第7の実施例においては、前述の第6の実施例のファスナー備品の変形例が適宜応用できる。
【実施例8】
【0101】
図8Aおよび図8Bは、本発明の第8の実施例による、ファスナー備品を備えたショルダーバッグ421を示す。図8Aは、ショルダーバッグ421の斜視図であり、図8Bは、そのショルダーバッグ421の、図8Aの線8B−8Bに沿った断面図である。
【0102】
バッグ本体422の後側には、ストラップ(帯)423の一端が取り付けられており、このストラップ423の他端には、金属リング124を介してベル121が取り付けられている。ここで、ベル121は、動きに対する感度が高いことに注意する。そうして、バッグ本体422の上部の開口が開いている状態において、ベル121が動かされると、ベル本体122の中を玉123が自由に転がってベル121が音を立てる。また、バッグ本体422の前側にはネオジム磁石221が取り付けられているが、ベル本体122と玉123は、ベル121が磁石221に吸引されるように軟鉄で作られている。
【0103】
バッグ本体422の開口を閉じて、ベル121を磁石221に充分近づけると、ベル121が磁石221に保持されるように、ショルダーバッグ421が構成されている。図8Aおよび図8Bに示されているショルダーバッグ421は、このようにして閉じられた状態にある。また、図8Bに示されているとおり、ベル本体122に突起が備えられ、磁石221には凹部があって、それらが互いにかみ合うことで、ベル121と磁石221とが定位置に保持される。
【0104】
使用者が上部の開口を閉じないで、すなわち、ベル121を磁石221に吸引させないで、ショルダーバッグ421を持ち運ぼうとすると、ベル121が揺れて音を立てる。反対に、開口を閉じてベル121を磁石221に吸引させると、ショルダーバッグ421を持ち運んでも、ベル121は音を立てない。それによって、ショルダーバッグ421の閉め忘れが防止される。
【0105】
この第8の実施例のファスナー備品についても、前述の第1の実施例と同様の変形が可能である。また、第8の実施例においては、ベル121がストラップ423の先端に取り付けられているが、この構成は必ずしも本発明に必須のものではなく、ベル121がバッグ本体422に取り付けられ、磁石221がストラップ423の先端に取り付けられていてもよい。ここで、磁石221は、凹部を有する一体構造の磁石である必要はなく、磁石と他の部材との組み合わせで凹部が構成されてもよい。あるいは、磁石221が突起を備え、ベル121の本体122に凹部が設けられてもよい。
【0106】
更に、第8の実施例においては、ショルダーバッグ421を閉じるためのファスナーと、閉め忘れ防止のためのファスナー備品とが相互に一体化されているが、ショルダーバッグ421が、ベル121および磁石221とは別個のファスナーを有し、なおもベル121と磁石221とがそのファスナーと一緒に作動するようにすることも可能である。
【0107】
加えて、前述の第6の実施例をこの第8の実施例に適用することもできる。例えば、ベル本体122を磁石に吸引されない金属で構成し、玉123を磁石で構成してもよい。その場合、更に、磁石221に代えて、磁石に吸引されない金属で本体が形成され、玉が磁石で作られる前記のようなベルを備えることも可能である。もちろん、この第8の実施例におけるファスナー備品は、ショルダーバッグ以外の衣料品や鞄等にも適用可能である。
【実施例9】
【0108】
図9A乃至図9Cは、本発明の第9の実施例による、ファスナー備品を備えたデイパック431を示す。図9Aは、カバー433が開けられている状態のデイパック431の斜視図である。図9Bは、デイパック431の、図9Aの線9B−9Bに沿った断面図であり、図9Cは、デイパック431の同じ断面を、カバー433が閉じられている状態で示す。
【0109】
図9A乃至図9Cを参照すると、デイパック431は、開口434を介して収容部432の内部に物品を収容し、あるいは収容部432から物品を取り出せるように構成されている。その開口434は、留具435を滑らせて紐436を緩めたり絞ったりすることによって開け閉めが可能となる。ここで、図9A乃至図9Cにおいては、デイパック431の収容部432に相当量の物品が収容されている状態で紐436が絞られているため、収容部432が膨らんでいることに注意する。ただし、これら物品の詳細は、図9A乃至図9Cにおいて省略されている。
【0110】
金属製のベル132が金属リング134に可動に取り付けられ、次にそれは、カバー433に縫い付けられているストラップ135に可動に取り付けられている。更に、カバー433には、金属製の鋲133が取り付けられている。ベル132は、底部に開口を有して中空である。したがって、図9Aおよび図9Bに示されるような、カバー433が開いた状態では、ベル132は容易に揺すられて、鋲133と打ち合って音を立てる。
【0111】
収容部432には、ストラップ234を介して、ベル132と結合可能なサイレンサー231が取り付けられている。このサイレンサー231は、金属またはプラスチック等の弾性材から作られており、その両側に備えられる突起233が内側にしなるように構成されている。
【0112】
ここで、ストラップ234とサイレンサー231とは、収容部432とサイレンサー231の間のストラップ234の長さが調整可能となるように組み合わされている。すなわち、使用者は、デイパック431を用いる際、収容部432に物品をたくさん入れるときは、ストラップ234を長くし、反対に、収容部432に物品をあまり入れないときは、ストラップ234を短くする。
【0113】
以上のように構成されるデイパック431の開口434のカバー433を閉めるには、使用者が、カバー433を収容部432に押さえ付けたままサイレンサー231をベル132の下側から差し込めばよい。このとき、サイレンサー231の両側の突起233が内側にしなってサイレンサー231がベル132の中に滑り込む。そして、突起233がベル132の両側に開けられた穴136に到達すると、突起233が元の形状に戻ってサイレンサー231とベル132とが結合する。
【0114】
反対に、カバー433を開けるためには、2つの突起233を両側からつまんだまま、サイレンサー231とベル132とを引き離せばよい。すなわち、サイレンサー231とベル132とでバックルが構成されている。
【0115】
サイレンサー231とベル132とが結合してカバー433の閉められている状態が、図9Cに示されている。注目すべきは、この状態では、ベル132は、その上下のストラップ135、234で引っ張られて、収容部432に押し付けられている。更に、鋲133は、ベル132と収容部432との間に挟まれていて、ベル132と接触したまま固定されている。したがって、このような、カバー433が閉められている状態では、ベル132が音を立てることはない。
【0116】
以上のような構成によって、デイパック431のカバー433の閉め忘れを防止することができる。もちろん、この第9の実施例におけるファスナー備品は、デイパック以外の衣料品や鞄等にも適用可能である。
【実施例10】
【0117】
図10A乃至図10Cは、本発明の第10の実施例による、ファスナー備品を備えた旅行用鞄441を示す。図10Aは、この旅行用鞄441の斜視図であり、ここで、スライド・ファスナー391は閉まりつつある状態にある。図10Bは、この旅行用鞄441の、図10Aの線10B−10Bに沿った部分断面図である。更に、図10Cは、スライド・ファスナー391が閉まっている状態にある旅行用鞄441の部分断面図である。
【0118】
この旅行用鞄441の収容部442は、その上部に取り付けられたスライド・ファスナー391により開け閉めが可能となっている。スライド・ファスナー391のスライダー392には、細紐244を介してつまみ242が取り付けられている。このつまみ242の一方の側には、面ファスナー343の一方(フックを有する布)243が貼り付けられていることに注意する。また、鞄441の開閉を容易にするために、スライド・ファスナー391の両端において、鞄441にもつまみ443および444が取り付けられている。
【0119】
スライド・ファスナー391が閉じられるときにスライド392が近づく側のつまみ443に、細紐144を介して2つの金属パイプ142からなるチャイム141が取り付けられている。図10Aおよび図10Bに示されているように、スライド・ファスナー391が開いている状態で、鞄441が動かされると、チャイム141が揺れて、2つのパイプ142が相互に打ち合って音を立てる。パイプ142の上部の周囲には、面ファスナー343のもう一方(ループを備える布)143が巻き付けられていることに注意する。
【0120】
鞄441を閉じるために、使用者は、つまみ242を引っ張ってスライダー392をつまみ443の傍まで移動させる。その後、つまみ242から手を離すと、つまみ242は、鞄441の横側に落ちてチャイム141に接触する。そうすると、図10Cに示されているように、つまみ242の一方の側に貼り付けられている面ファスナー343の一方243と、パイプ142の上部に巻き付けられている面ファスナー343のもう一方143とがくっ付き合う。この状態でチャイム141が揺らされても、2つのパイプ142が相互に打ち合うことはなく、チャイム141は音を立てない。
【0121】
以上のような構成によって、鞄441のスライド・ファスナー391の閉め忘れを防止することができる。
【0122】
ここで、面ファスナー343として、一般に市販されているような、多数のプラスチック繊維の輪(ループ)で表面層が形成される布と、多数のプラスチックの鉤(フック)で表面層が形成される布との組み合わせを用いればよい。このような面ファスナーとしては、ベルクロ(velcro)(登録商標)またはマジックテープ(登録商標)と称されているものが、最もよく知られている。
【0123】
また、この第10の実施例においては、スライダー392につまみ242が取り付けられ、つまみ443にチャイム141が取り付けられているが、これらの構成部品の位置関係については、容易に変更が可能である。例えば、面ファスナー343の一方143が巻き付けられているチャイム141を、スライダー392に取り付けて、チャイム141をそのままつまみとして用いることができるようにし、一方、つまみ443を大きくして、その表面に面ファスナー343の他方243を取り付けてもよい。
【0124】
また、第10の実施例で示されているように面ファスナーを用いて、様々な構造の信号源を、信号変更器と結合可能にすることができる。更には、第10の実施例によるファスナー備品は、スライド・ファスナー以外のファスナーならびに旅行用鞄以外の衣料品および鞄にも適用可能である。
【実施例11】
【0125】
図11A乃至図11Cは、本発明の第11の実施例によるバックル721を示す。このバックル721は、ベル521とサイレンサー621とから構成されており、それらは、相互に結合または分離可能である。図11Aは、バックル721の斜視図であり、この図において、ベル521とサイレンサー621は相互に分離している。図11Bは、図11Aの線11B−11Bに沿った断面図である。更に、図11Cは、ベル521とサイレンサー621が相互に結合しているときの、バックル721の断面図である。
【0126】
図11A乃至図11Cを参照すると、バックル721は、構成部品全てがステンレス鋼等の金属で作られている。ベル521は釣鐘型であり、その本体522は中空で、底部に開口527を有する。開口527の縁は円形であり、それに連なる本体522下部の側壁は円筒形である。本体522下部には、相互に向い合う2つの穴528が開けられている。本体522内部には、舌(clapper)523が備えられている。
【0127】
本体522の上部には、相互に向い合う2つの穴525が開けられていて、二重リング524が通されている。舌523の上部にも、縦長の穴526が開けられていて、二重リング524が通されている。そうすると、図11Aおよび図11Bに示されるように、サイレンサー621がベル521と結合していないときに、二重リング524を保持すると、ベル521の本体522も舌523も、二重リング524から吊り下げられる。この状態でベル521を動かすと、舌523は本体522の内部で揺れ動き、両者が打ち合って音を立てる。ここで、舌523は下部が膨れて重くなっており、揺れを強くするのに役立っていることに注意する。
【0128】
サイレンサー621の本体622には、鍔627が設けられている。本体622は、鍔627よりも上の部分が円柱形であって、開口527からベル521の本体522内に挿入可能である。すなわち、鍔627が、開口527の縁で受け止められるまで、本体522の内面と、本体622の側壁の外面とが相互に滑り合う。ここで、本体622の側面には、丸い突起623が2つ設けられていることに注意する。これらの突起623は、本体622の中心軸に対して相互に反対側に位置する。各突起623は、可動であるが、その後部は本体622内に収められていて、そこから抜け出ない構造を有する。
【0129】
図11Bおよび図11Cに示されるように、本体622内において、2つの突起623の間には、コイルばね628が収容されている。2つの突起623とコイルばね628は一列に配置されていて、コイルばね628の両端が、それぞれの突起623を常に後ろから押圧している。そうすると、これらの突起623は、外部から力が加わると、本体622の中心軸に垂直に本体622内に滑り込むが、このような力が加わらない限り、本体622の側方に突出している。
【0130】
サイレンサー621の本体622が、ベル521の本体522内に挿入されているとき、所定位置で、2つの突起623と2つの穴528が全て一列に並ぶ。この位置で、これらの突起623は、それぞれ側方に突き出して、これらの穴528と嵌合する。このとき、開口527の縁は、鍔627で受け止められている。これが、ベル521とサイレンサー621とが相互に結合している状態である。
【0131】
図11Cに示されるとおり、ベル521とサイレンサー621とが相互に結合している状態では、舌523は、本体622の上面626で支えられているので、揺れ動いてベル521を叩くことはない。更に、ベル521の開口527もサイレンサー621で塞がれてしまっているので、バックル721をどう動かしても、ベル521が音を立てることはない。また、本体622の、鍔627よりも下の部分には、相互に向い合う2つの穴625が開けられていて、二重リング624が通されている。
【0132】
サイレンサー621をベル521と結合させるには、一方の手で、2つの突起623を押さえながらサイレンサー621を保持し、この状態で、サイレンサー621に、他方の手でベル521を被せればよい。こうすれば、2つの突起623が、ベル521の本体522の内面で押さえられて、本体622内に入り込んだままとなる。そうして、突起623と穴528とが嵌合する位置となるまで、ベル521とサイレンサー621とを相互に滑らせればよい。
【0133】
逆に、結合しているベル521とサイレンサー621を分離させるときも、まず、一方の手で、2つの突起623を押さえながらサイレンサー621を保持して、他方の手で、ベル521をサイレンサー621から引き離せばよい。
【0134】
以上のようなバックル721は、第8および第9の実施例におけるハンドバッグやデイパックに使われているファスナー備品またはバックルと置き換えることが可能である。もちろん、それらに加えて、バックル721は、あらゆる種類の衣料品や鞄のファスナーまたはファスナー備品としても使用可能である。
【0135】
バックル721は、例えば、キーホルダーとしても利用可能である。二重リング524をズボンのベルト通し等、着衣に取り付け、二重リング624に鍵を取り付ける。鍵を使用するときに、サイレンサー621をベル521から分離するが、その状態で使用者が体を動かすとベル521が音を立てる。したがって、使用後の鍵をバックル721に戻し忘れることを防止できる。バックル721の別の使用例を、第12の実施例として以下に説明する。
【0136】
バックル721は、以上のとおり構成されるが、言うまでもなく種々の変更が可能である。まず、バックル721の形状は、前述のように円柱を基本としたものに限定される必要はない。次に、二重リングの双方または一方が、他の取り付け手段と置き換えられてもよい。更に、突起と穴の嵌合機構は、他の周知のバックル機構と置き換えることが可能である。
【0137】
また、サイレンサー621がベル521と結合したときの、舌523の振動を更に少なくするために、サイレンサー621の上面626に、ゴム等の弾性材またはブラシを貼り付けてもよい。あるいは、舌523が、磁力によってサイレンサー621に吸引されるようにすることも可能である。例えば、舌523を軟鉄で作り、上面626にシート状の磁石を貼り付けてもよい。
【実施例12】
【0138】
図12は、本発明の第12の実施例による首掛ストラップ720を示す。この首掛ストラップ720は、前記第11の実施例によるバックル721と、革製の帯722と、ストラップ724と、ループ紐726とから構成されている。帯722は、3つに折り曲げられて中央をリベット723で綴じられ、これによって、リベット723の両側にループが作られている。一方のループに、ストラップ724が通され、他方のループに、バックル721を吊り下げる二重リング524が通されている。バックル721の二重リング624には、小さな二重リング725を介して、ループ紐726が取り付けられている。
【0139】
以上のように構成される首掛ストラップ720には、ループ紐726を使って、携帯電話821が取り付けられるとよい。あるいは、首掛ストラップ720には、二重リング725を介して、鍵822が取り付けられてもよい。
【0140】
使用者は、首掛ストラップ720を首に掛けることによって、携帯電話821または鍵822を持ち運ぶことができる。そして、携帯電話821または鍵822を使用するとき、バックル721を外すことが可能である。そうすると、ベル521とサイレンサー621が分離されるため、ベル521は、帯722と二重リング524とを介して、ストラップ724で首から吊り下げられる。この状態で使用者が体を動かすと、ベル521が音を立てるため、携帯電話821または鍵822を使い終えた後、使用者が、バックル721を嵌め忘れることがなくなる。
【0141】
首掛ストラップ720に取り付けるものは、携帯電話821または鍵822に限らず、財布、小銭入れ、パスポート入れ、カメラ、双眼鏡、筆記用具、電子辞書、時計、音楽再生装置、ピルケース、水筒、羅針盤(コンパス)、灰皿、キャンピングナイフ、虫除け器具等、用途に応じて種々の品目が可能である。また、ストラップ724は、リスト・ストラップ、ウェストストラップ等の他の種類のストラップと置き換えることも可能である。
【0142】
バックル721の更に別の応用例として、ペットや子供をつなぐ鎖や革紐(引き紐)への取り付けが可能である。一例として、犬をつなぐ革紐にバックル721を取り付けたものを以下に説明する。犬の首輪に、直接的または間接的にベル521の二重リング524を取り付け、革紐の先端にサイレンサー621の二重リング624を取り付ける。例えば、図12に示される首掛ストラップ720において、ストラップ724を犬の首輪と置き換え、携帯電話821と鍵822を革紐に置き換えるとそのようなものが得られる。
【0143】
以上のように、犬の首輪と革紐をバックル721で結び付けた場合、バックル721を嵌めた状態では、犬は革紐につながれている。バックル721を外すと、犬は革紐から解き放たれるが、ベル521が首輪から吊り下げられることとなり、犬が動くとベル521が音を立てる。そうすると、使用者は、ベル521の音が聞こえる度に、犬が革紐から解き放たれていることを思い起こす。あるいは、ベル521の音によって、解き放たれている犬の位置を確認し易くなる。結果として、使用者が犬をつなぎ忘れることが防止できる。
【実施例13】
【0144】
図13A乃至図13Dは、本発明の第13の実施例によるバックル731を示す。このバックル731は、ベル531とサイレンサー631とから構成されており、それらは、相互に結合または分離可能である。図13Aは、バックル731の斜視図であり、この図において、ベル531とサイレンサー631は相互に分離している。図13Bは、バックル731の分解図であり、ベル531とサイレンサー631の構成部品をそれぞれ全て示している。図13Cは、図13Aの線13C−13Cに沿った断面図である。更に、図13Dは、ベル531とサイレンサー631が相互に結合しているときの、バックル731の断面図である。
【0145】
図13A乃至図13Dを参照すると、バックル731は、ベル531の舌(clapper)5
33の錘538である円柱形の磁石と、ベル631の玉633である球形の磁石を除いて、全ての構成部品が、磁石に吸着しない金属で作られている。
【0146】
ベル531は釣鐘型であり、その本体532は中空で、底部に開口537を有する。開口537の縁は円形であり、それに連なる本体532下部の側壁は円筒形である。本体532内部には、舌533が備えられている。舌533を構成する金属部は、棒の一端に蓋の付いた円筒が連なるような形状を有する。更に、舌533は、その金属部の円筒の中に、円柱形のネオジム磁石で作られている錘538を備えている。
【0147】
本体532の上部には、相互に向い合う2つの穴535が開けられていて、二重リング534が通されている。舌533の上部にも、縦長の穴536が開けられていて、二重リング534が通されている。そうすると、図13Aおよび図13Cに示されるように、ベル531がベル631から分離しているとき、二重リング534を保持すると、ベル531の本体532も舌533も二重リング534から吊り下げられる。この状態でベル531を動かすと、舌533は本体532の内部で揺れ動き、両者が打ち合って音を立てる。このとき、錘538が、舌533の揺れを強くするのに役立っていることに注意する。
【0148】
ベル631の本体は、2つの部分、上部632と下部637とで構成されている。本体上部632は中空で、側壁が円筒形状であるが、その下部外面にネジ溝が掘られている。また、本体上部632の頂部は円形の平板で覆われているが、この平板は、スリット636で2つに分けられている。スリット636は、本体上部632の側壁上部にも延びている。
【0149】
本体下部637は、円筒形の足が底に付いた椀のような形状であるが、開口の周囲に連なる頂部は、短い円筒形をなす。この短い円筒形の壁の内面にもネジ溝が掘られている。そうして、本体上部632の下部外壁と、本体下部633の上部内壁とが、ネジ合わさってベル631の本体が構成される。中空のベル631の本体には、球形のネオジム磁石で作られている玉633が収容される。このとき、本体下部637の頂部は、ベル631の側面を取り囲む鍔となる。また、本体下部637の円筒形の足には、相互に向い合う2つの穴635が開けられていて、二重リング634が通されている。
【0150】
二重リング634を保持すると、ベル631の本体は二重リング634から吊り下げられる。その状態でベル631を動かすと、磁石633が転がって本体の内壁と打ち合い、音を立てる。
【0151】
ベル631の本体下部637の頂部が、ベル531の開口537の縁で受け止められるまで、ベル631の本体上部632は、開口537からベル531の本体532内に挿入可能である。すなわち、本体532の内面と、本体上部632の外面とが相互に滑り合って、ベル531とベル631とが結合する。
【0152】
このとき、図13Dに示されるように、磁石で作られている錘538と玉633とが相互に吸引し合っている。この状態では、ベル531の舌533もベル631の玉633も位置が固定されてしまい、双方のベルとも全く音を立てることができない。すなわち、これらのベル531および631は、互いに相手方のサイレンサーとして働くことに注意する。
【0153】
結合しているベル531および631を分離させるには、錘538と玉633との間の磁力に逆らう力で、両者を引き離せばよい。2つのベル531および631が分離されている状態では、いずれのベルも動かせば音を立てる。
【0154】
以上のようなバックル731は、前述のバックル721と同様に使用でき、第8および第9の実施例によるハンドバッグやデイパックに使われているファスナー備品またはバックルと置き換えることが可能である。もちろん、それらに加えて、バックル731は、あらゆる種類の衣料品や鞄のファスナーまたはファスナー備品としても使用可能である。
【0155】
更に、バックル731は、キーホルダーとしても利用可能であるし、第12の実施例による首掛ストラップ720において、バックル721と置き換えて使用することも可能である。加えて、バックル731は、周知のバックルに代えて、使用することが可能である。
【0156】
バックル731を使用している最中に、磁石であるベル631の玉633が、砂鉄や小さい鉄片を誤って吸着してしまう恐れがある。そのような、玉633に吸着された異物を取り除くために、本体上部632と本体下部637と相互に回して外し、玉633をベル631から取り出すことができる。
【0157】
バックル731は、以上のとおり構成されるが、言うまでもなく種々の変更が可能である。まず、バックル731の形状は、前述のように円柱を基本としたものに限定される必要はない。次に、二重リングの双方または一方が、他の取り付け手段と置き換えられてもよい。
【0158】
また、錘538と玉633は、双方がネオジム磁石である必要はなく、一方または双方が、サマリウム、フェライト等の、他の種類の磁石と置き換えられてもよい。錘538と玉633の一方のみ、軟鉄で構成されていてもよい。すなわち、錘538と玉633は、磁力によって相互に吸引される材料の組み合わせで構成されればよい。更に、舌533の、蓋の付いた円筒の部分を軟鉄で構成し、錘538との間に若干の隙間を設けてもよい。そうすると、錘538を構成する磁石にヨークを備えることができ、錘538の下面において、磁力を高めることができる。
【0159】
第13の実施例によると、2つのベル531および631は、一方が舌を有し、他方が玉を有するベルであるが、双方ともが舌を有するベルであっても、双方ともが玉を有するベルであってもよい。舌や玉の形状についても、もちろん種々の変更が可能である。
【実施例14】
【0160】
図14A乃至図14Dは、本発明の第14の実施例によるファスナー備品の構成部品を示す。図14Aおよび図14Bは、電子装置151を表側および裏側から見た斜視図である。図14Cは、信号変更器251の斜視図である。また、図14Dは、電子装置151と信号変更器251とが背中合わせにくっ付いた状態の側面図である。
【0161】
図14Aおよび図14Bを参照すると、電子装置151は、プラスチックからなる筺体152と、中央に穴155の空けられている軟鉄板153とが貼り合わされて構成されている。電子装置151の一方の側には、筺体152の窪み157の中にLED(発光ダイオード)158が設けられている。電子装置151の他方の側には、穴155を通る突起156が備えられている。
【0162】
この突起156は、軟鉄板153の表面に対して垂直方向に動くよう構成されている。そうして、少なくとも突起156の頂部が軟鉄板153の表面と同一平面上に位置するまで、突起156を筺体152の中に押し込めることが可能である。ただし、突起156に何の力も働いていなければ、この突起156の頂部は、軟鉄板153よりも外に突出している。
【0163】
筺体152の内部には、この突起156と連動するスイッチ、LED158を搭載する回路基板および電池が収容されている。そうして、突起156が押されていなければスイッチがオンとなっていてLED158は点灯または点滅しており、突起156が押されるとスイッチがオフとなってLED158が消灯する。なお、この電子装置151は、ファスナーを含む系(例えば、スライド・ファスナーのスライダー)に取り付け可能なように細紐154が備えられている。
【0164】
図14Cを参照すると、電子装置151に結合可能な信号変更器251が、プラスチックからなる筺体252と、その筺体252の中に収容されるフェライト磁石253とから構成されている。このフェライト磁石253の側面および裏面は、キャップ形のヨーク255で囲まれていて、フェライト磁石253の表面に、特に強い磁力が発生している。
【0165】
このような信号変更器251が、電子装置151と近づくと、磁力によって両者が吸引し合い、図14Dに示されるように、電子装置151と信号変更器251とが背中合わせにくっ付き合う。この状態では、突起156が押されていてLED158が消灯している。なお、信号変更器251にも、ファスナーを含む系(例えば、スライド・ファスナーのスライダー)に取り付け可能なように細紐254が備えられている。
【0166】
以上のように構成される電子装置151と信号変更器251とは、ファスナー備品として、図1Aおよび図1Bのベル101およびサイレンサー201と同様に使用可能である。例えば、図2Aおよび図2Bに示されるスライド・ファスナー301において、ベル101およびサイレンサー201の代わりに電子装置151と信号変更器251とが取り付けられているとする。スライド・ファスナー301が閉じられている限りLED158は消灯しているが、スライド・ファスナー301が開けられるとLED158が点灯または点滅する。そうして、スライド・ファスナー301の閉め忘れが防止される。
【0167】
ただし、本発明のファスナー備品のベル101は動かされたときのみに音を発するのに対し、前述の構成の電子装置151では、動かされ無くともLED158が点灯または点滅し続けてしまう。このように、使用者がファスナーの状態を気に掛ける必要のないところでは、LED158がOFF状態を保つように、電子装置151に、動きを検知するセンサーが更に備えられてもよい。
【0168】
あるいは、LED158が一定時間だけ点灯または点滅するように、電子装置151にタイマーを備えることも可能である。また、電子装置151は、LED158に代えて、音を発するブザーまたは振動を送り出すバイブレーターを備えてもよい。あるいは、電子装置151は、モーション・センサー、タイマー、LED、ブザー、バイブレーターの2つ以上からなるいかなる組み合わせを備えてもよい。
【0169】
更には、電子装置151と信号変更器251とにそれぞれ備えられている細紐154および254についても、図1Aおよび図1Bのベル101とサイレンサー201の細紐104および204と同様に他の取り付け手段との置き換えが可能である。すなわち、電子装置151と信号変更器251の少なくとも一方がファスナーまたは布地に取り付け可能となるように、細紐154と254の少なくとも一方は、安全ピン、バッジ用のピン、ねじ、リベット、クリップまたは縫い代か糊代等を備える材料と置き換えられてもよい。
【0170】
また、前述の第6の実施例によるベル501と同様に、信号源である電子装置を2つ組み合わせることも可能である。この場合、各電子装置が、相手方の信号変更器として機能する。2つの電子装置が、相互に異なる信号を発するものとしてもよい。
【0171】
なお、前述のとおり、電子装置151のスイッチは、突起156が押されていなければオンとなり、突起156が押されていればオフとなるように構成されている。しかし、市販されているスイッチは、突起が押されているときに内部に接続が形成され、突起が押されていないときにそのような接続が形成されない構造を持つものが多い。そのようなスイッチをそのまま用いるためには、LEDを点灯または点滅させるための回路とスイッチとの間に、反転回路を挿入すればよい。そうすると、スイッチがオンのときにLEDをオフとし、スイッチがオフのときにLEDをオンとすることができる。
【0172】
あるいは、機械的にオン、オフされるスイッチに代えて、磁力の有無によってオン、オフされるリードスイッチを用いることも可能である。すなわち、突起156およびそれと連結するスイッチならびに軟鉄板153を取り除く。そうして、筐体152の、軟鉄板153があった側の内側に、その取り除かれたスイッチに変えてリードスイッチを設ける。更に、前述のような反転回路を設けて、リードスイッチがオフのときにLEDがオンとなり、リードスイッチがオンのときにLEDがオフとなるように回路を構成する。
【0173】
そうすると、電子装置151と信号変更器251とが離れた状態では、リードスイッチがオフとなって、LEDが点灯または点滅する。電子装置151と信号変更器251とが相互に接触すると、リードスイッチがフェライト磁石253の磁力線に作用されてオンとなり、LEDが消灯する。このとき、電子装置151と信号変更器251とは、相互に結合しないまま、リードスイッチをオンとしている。したがって、LEDがオフのまま安定し難いので、電子装置151と信号変更器251とに面ファスナー等の結合手段を設けてもよい。
【実施例15】
【0174】
図15Aおよび図15Bは、リードスイッチとマグネットキャッチを用いる構造を利用した、本発明の第15の実施例によるファスナー備品の構成部品を示す。このように、リードスイッチとマグネットキャッチを用いる構造は、例えば、高電圧を扱う電気機器の扉等に備えられる安全装置において周知である。図15Aおよび図15Bは、電子装置551と信号変換器651との模式断面図であり、一部を回路図として表している。図15Aでは、電子装置551と信号変換器651とは、相互に離れた状態にあり、図15Bでは、電子装置551と信号変換器651とは、相互にくっ付き合った状態にある。
【0175】
図15Aおよび図15Bを参照すると、電子装置551は、プラスチックからなる筐体552の内部に、フェライト磁石553およびリードスイッチ556を収容して構成されている。フェライト磁石553のN極側にはヨーク554が、S極側にはヨーク555がそれぞれ設けられている。また、リードスイッチ556は、不活性ガスを封じ込めているガラス管751と、そのガラス管751の内部に接点をもち、磁性材料で作られている舌片(contact blades)752および753とから構成されている。
【0176】
リードスイッチ556は、電池557およびLED558と共に、図示のとおり回路を構成している。ここで、電池557およびLED558は、筐体552の内部に収容されているが、簡略化のために、図15Aおよび図15Bにおいては、回路記号で示されていることに注意する。なお、この電子装置551には、前述の本発明の第14の実施例による電子装置151と同様、ファスナーを含む系に取り付け可能なように細紐559が備えられている。
【0177】
一方、信号変換器651は、プラスチックからなる筐体652と軟鉄板653とを貼り合わせて構成されている。また、この信号変換器651にも、前述の本発明の第14の実施例による信号変換器251と同様、ファスナーを含む系に取り付け可能なように細紐654が備えられている。
【0178】
以上のように構成される電子装置551と信号変換器651とが、図15Aに示されるように離れた状態にあるときは、フェライト磁石553のN極側のヨーク554からS極側のヨーク555に向かう磁束がリードスイッチ556の内部にも流れる。これによって、舌片752および753が相互に接触し、すなわち、リードスイッチ556がオンとなり、LED558が点灯する。
【0179】
一方、電子装置551と信号変換器651とが、図15Bに示されているようにくっ付き合った状態にあるときは、ヨーク554とヨーク555とが軟鉄板653で連結されるため、フェライト磁石553の磁束は、N極に始まって、ヨーク554、軟鉄板653およびヨーク555を経て、S極に還流する。そうすると、リードスイッチ556には磁束が流れず、舌片752および753が相互に離れた位置を保つ。それによって、リードスイッチ556はオフとなり、LED558は消灯する。
【0180】
このような、電子装置551と信号変換器651とからなる本発明の第15の実施例によるファスナー備品は、前述の第1、第6および第14の実施例によるファスナー備品と同様に使用可能である。また、細紐559および654に代えて適宜取り付け構造を採用すれば、前述のその他の実施例によるファスナー備品ならびにその変形例とも同様に使用可能である。
【0181】
特に、第15の実施例によるファスナー備品は、マグネットキャッチ構造を有しており、ファスナーとして用いるのに充分な強い吸引力が容易に得られる。したがって、第15の実施例によるファスナー備品を応用すれば、第8および第13の実施例に示されるように、信号源を有するファスナー備品を、容易に磁力を利用するファスナーと一体化することができる。
【0182】
前述の、本発明の第14の実施例による電子装置151と同様に、電子装置551は、LED558に代えて、音を出すブザーまたはバイブレーターが備えられてもよい。また、前述の電子装置151と同様、電子装置551は、動かされたときのみに信号を発するように、モーション・センサーを備えることが好ましい。あるいは、電子装置551は、モーション・センサー、タイマー、LED、ブザーおよびバイブレーターのいずれの組み合わせを備えてもよい。
【実施例16】
【0183】
図16Aおよび図16Bは、本発明の第16の実施例による、ファスナー備品を備えたハンドバッグ861を示す。図16Aおよび図16Bは、いずれもハンドバッグ861の斜視図であるが、図16Aでは、ハンドバッグ861のカバー862は閉められた状態にあり、図16Bでは、ハンドバッグ861のカバー862が開いた状態にある。
【0184】
図16Aおよび図16Bを参照すると、ハンドバッグ861のカバー862に電子装置561が取り付けられている。この電子装置561の筐体562の内部に、フェライト磁石とリードスイッチとが備えられていて、前述の第15の実施例における電子装置551と同様のスイッチング機構および電気回路を構成している。
【0185】
筐体562は、プラスチックで作られており、LED568の露呈する窓や電池収容部のカバー567が備えられている。また、電子装置551のフェライト磁石553のヨーク554および555に該当する、電子装置561のフェライト磁石のヨーク564および565が、カバー862の裏面から露呈している。一方、ハンドバッグ861の本体863には、表面に錆止め加工の施された軟鉄板661が取り付けられている。
【0186】
以上のように構成されるハンドバッグ861が、図16Aに示されているように、閉じられた状態にあるとき、ヨーク564および565は、磁力によって軟鉄板661に吸着している。このとき、前述の図15Bの場合と同様に、電子装置561内のリードスイッチがオフとなっているため、LED568は消灯している。反対に、図16Bに示されているように、ハンドバッグ861が開いている状態にあるとき、前述の図15Aの場合と同様にリードスイッチがオンとなっていてLED568は点灯している。これによって、ハンドバッグ861のカバー862の閉め忘れが防止される。
【0187】
前述の、本発明の第14および第15の実施例による電子装置151および551と同様に、電子装置561は、LED568に代えて、音を出すブザーまたはバイブレーターが備えられてもよい。また、前述の電子装置151および551と同様、電子装置561は、動かされたときのみに信号を発するように、モーション・センサーを備えることが好ましい。あるいは、電子装置561は、モーション・センサー、タイマー、LED、ブザーおよびバイブレーターのいずれの組み合わせを備えてもよい。
【実施例17】
【0188】
図17は、本発明の第17の実施例によるファスナー備品のベル161を示す。図17に示されるベル161の本体162と玉163は、図1Aのベル101の本体102と玉103と全く同じである。ベル161には、金属リング164を介して安全ピン165が備えられている。これによってベル161は、布地への取り付けが極めて容易となる。
【実施例18】
【0189】
一方、図18は、本発明の第18の実施例によるファスナー備品のベル171を示す。図18に示されるベル171の本体172と玉173もまた、図1Aのベル101の本体102と玉103と全く同じである。ベル171には、金属リング174を介して縫い代175が取り付けられている。縫い代175を布地に縫い付けるかまたは接着剤で貼り付ければ、ベル171は容易に布地に取り付けることができる。
【0190】
以上の第17および第18の実施例によるベル161および171は、もちろん、図1Bに示されているサイレンサー201と同様の働きをするサイレンサーと共に用いることができる。また、これらのベルは、ファスナーに磁石を用いている衣料品や鞄に単独で取り付けて使用することも可能であり、その一例が以下の第19の実施例に示されている。
【実施例19】
【0191】
図19は、本発明の第19の実施例による手提げ鞄451を示す。この手提げ鞄451には、前記第17の実施例によるベル161が取り付けられている。手提げ鞄451は、収容部452の上部に開口を有し、その開口を挟んで相互に向い合う側に、磁石シート453と鉄材シート454がそれぞれ取り付けられている。この開口は、磁石シート453と鉄材シート454とが相互に吸引することで閉じられる。ここで、磁石シート453と鉄材シート454とは、手提げ鞄451の表地と裏地との間に挟まれていて表面上に見えるものではない。
【0192】
このような手提げ鞄451の鉄材シート454と重なる位置に、安全ピン165を使ってベル161を取り付ける。そうすると、手提げ鞄451の開口を閉じたときに、磁石シート453がベル161を吸引してベル161が音を立てなくなる。これにより手提げ鞄451の開口の閉め忘れが防止できる。なお、図19では、ベル161が手提げ鞄451の内側に取り付けられているが、磁石シート453の磁力が充分に強ければ、ベル161を手提げ鞄451の外側に取り付けても同様の効果がある。更に、ベル161に代えて、前述の第18の実施例によるベル171を、手提げ鞄451に取り付けることも可能である。
【実施例20】
【0193】
図20Aおよび図20Bは、本発明の第20の実施例によるファスナー備品の電子装置181を示す。図20Aおよび図20Bは、電子装置181を一方の側およびそれとは違う側から見た斜視図である。
【0194】
電子装置181は、比較的柔軟性に富んだプラスチックからなる筺体182と、弾性に富んだ金属板183とが貼り合わされて構成されている。金属板183は、断面がR字型で、クリップとして間にシート状のものを挟むことができる。これによって、電子装置181を、鞄の開口の縁やカバーの縁等に取り付けることが可能となる。電子装置181の一方の側において、筺体182の窪み187の中にLED188が設けられている。電子装置181の他方の側には、穴185を通る突起186が備えられている。
【0195】
この突起186は、少なくとも突起186の頂部が筺体182の表面と同一平面上に位置するまで、筺体182の中に押し込めることが可能である。ただし、突起186に何の力も働いていなければ、この突起186の頂部は、筺体182よりも外に突出している。
【0196】
筺体182の内部には、この突起186と連動するスイッチ、LED188を搭載する回路基板および電池が収容されている。そうして、突起186が押されていなければスイッチがオンとなっていてLED188は点灯または点滅しており、突起186が押されるとスイッチがオフとなってLED188が消灯する。以上のように構成される電子装置181は、ファスナー備品として、衣料品や鞄に取り付けられる。ここでは、電子装置181を、手提げ鞄461に取り付けている例を以下に実施例21として示す。
【0197】
第20の実施例による電子装置181は、前記第14乃至第16の実施例の電子装置151、551および561と同様、更に、動きを検知するセンサー、タイマーまたはその双方が備えられてもよく、また、LED188に代えて、音を発するブザー、振動を送り出すバイブレーターまたはLED、ブザーおよびバイブレーターの2つ以上の組み合わせを備えてもよい。
【実施例21】
【0198】
図21は、本発明の第21の実施例による手提げ鞄461を示す。手提げ鞄461は、収容部462の上部に開口を有し、その開口を挟んで相互に向い合う側に、面ファスナー465の一方の布463と他方の布464がそれぞれ取り付けられている。それによって、この開口は、面ファスナー465で開閉されるものとなっている。ここで、面ファスナー465は、多数のプラスチック繊維の輪(ループ)で表面層が形成される布463と、多数のプラスチックの鉤(フック)で表面層が形成される布464との組み合わせによって構成されている。
【0199】
このような手提げ鞄461において、面ファスナー465の布464の近隣に電子装置181を取り付ける。電子装置181は、開口の縁を金属板183の間に差し込んで鞄461に取り付けられるが、突起186が開口内に位置している。そうすると、手提げ鞄461の開口を閉じたときに、電子装置181と向い合う側の開口の縁によって突起186が押し下げられ、LED188が消灯する。一方、開口が開いていれば、突起186が押されないので、LED188は点灯または点滅している。これによって、手提げ鞄461の開口の閉め忘れが防止できる。
【0200】
なお、図21では、手提げ鞄461の開口を開け閉めするために、面ファスナー465が用いられているが、第13の実施例の電子装置181は、図13Cの手提げ鞄451のような、磁石シートを利用した面ファスナーを有する衣料品や鞄にも同様に取り付けて使用することが可能である。
【0201】
以上のとおり、本発明は、第1乃至第21の実施例およびそれらに関していくつかの変形例を挙げて説明されているが、本発明は、それらの実施例または変形例に限定されるものではない。本明細書の記述に基づいて、第1乃至第21の実施例またはそれらの変形例を更に変形し、あるいは適宜組み合わせて別の実施例を作り出すことは、当業者であれば任意に行い得ることは明らかである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定義されており、特許請求の範囲の記載と意味が均等である発明および発明の範囲内に含まれる実施例および変形例を全て含むことを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1A】本発明の第1の実施例による、ファスナー備品のベルを示す。
【図1B】本発明の第1の実施例による、ファスナー備品のサイレンサーを示す。
【図2A】本発明の第2の実施例による、ファスナー備品を備えたスライド・ファスナーが開いている状態を示す。
【図2B】本発明の第2の実施例による、ファスナー備品を備えたスライド・ファスナーが閉じられている状態を示す。
【図3】本発明の第3の実施例による、ファスナー備品を複数個備えたバックパックを示す。
【図4】本発明の第4の実施例による、ファスナー備品を複数個備えたブリーフケースを示す。
【図5A】本発明の第5の実施例による、ファスナー備品のベルを示す。
【図5B】本発明の第5の実施例による、ファスナー備品のベルを既製のファスナーの金属製スライダーに取り付けるときの様子を示す。
【図5C】本発明の第5の実施例による、ファスナー備品を取り付けるためのゴムリングを既製のファスナーのスライダーに通した状態を示す。
【図5D】本発明の第5の実施例による、ファスナー備品のベルを既製のファスナーのスライダーに取り付けた状態を示す。
【図6A】本発明の第6の実施例による、ファスナー備品のベルを示す斜視図である。
【図6B】本発明の第6の実施例による、ファスナー備品のベルの全部品を示す分解図である。
【図7A】本発明の第7の実施例による、ファスナー備品を備えたスライド・ファスナーが開いている状態を示す。
【図7B】本発明の第7の実施例による、ファスナー備品を備えたスライド・ファスナーが閉じられている状態を示す。
【図8A】本発明の第8の実施例による、ファスナー備品を備えたハンドバッグを示す斜視図である。
【図8B】本発明の第8の実施例による、ファスナー備品を備えたハンドバッグの図8Aの線8B−8Bに沿った断面図である。
【図9A】本発明の第9の実施例による、ファスナー備品を備えたデイパックのカバーが開いている状態を示す斜視図である。
【図9B】本発明の第9の実施例による、ファスナー備品を備えたデイパックの図9Aの線9B−9Bに沿った断面図である。
【図9C】本発明の第9の実施例による、ファスナー備品を備えたデイパックのカバーが閉じられている状態を示す断面図である。
【図10A】本発明の第10の実施例による、ファスナー備品を備えた旅行用鞄のスライド・ファスナーを閉めつつある状態を示す斜視図である。
【図10B】本発明の第10の実施例による、ファスナー備品を備えた旅行用鞄の図10Aの線10B−10Bに沿った部分断面図である。
【図10C】本発明の第10の実施例による、ファスナー備品を備えた旅行用鞄のスライド・ファスナーが閉じられている状態を示す部分断面図である。
【図11A】本発明の第11の実施例による、バックルを構成するベルとサイレンサーが相互に分離している状態を示す斜視図である。
【図11B】本発明の第11の実施例による、バックルの、図11Aの線11B−11Bに沿った断面図である。
【図11C】本発明の第11の実施例による、バックルを構成するベルとサイレンサーが相互に結合している状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第12の実施例による、首掛ストラップを示す。
【図13A】本発明の第13の実施例による、バックルを構成するベルとサイレンサーが相互に分離している状態を示す斜視図である。
【図13B】本発明の第13の実施例による、バックルを構成するベルとサイレンサーの各構成部品を示す分解図である。
【図13C】本発明の第13の実施例による、バックルの、図13Aの線13C−13Cに沿った断面図である。
【図13D】本発明の第13の実施例による、バックルを構成するベルとサイレンサーが相互に結合している状態を示す断面図である。
【図14A】本発明の第14の実施例による、ファスナー備品の電子装置を一方の側から見た斜視図である。
【図14B】本発明の第14の実施例による、ファスナー備品の電子装置を図14Aとは反対の側から見た斜視図である。
【図14C】本発明の第14の実施例による、ファスナー備品の信号変更器の斜視図である。
【図14D】本発明の第14の実施例による、ファスナー備品の電子装置と信号変更器とがくっ付き合った状態を示す側面図である。
【図15A】本発明の第15の実施例による、ファスナー備品の電子装置と信号変更器の模式断面図であり、電子装置と信号変換器とが相互に分離している状態を示す。
【図15B】本発明の第15の実施例による、ファスナー備品の電子装置と信号変更器の模式断面図であり、電子装置と信号変換器とが相互に結合している状態を示す。
【図16A】本発明の第16の実施例による、ファスナー備品を備えたハンドバッグのカバーが閉められている状態を示す。
【図16B】本発明の第16の実施例による、ファスナー備品を備えたハンドバッグのカバーが開いている状態を示す。
【図17】本発明の第17の実施例による、ファスナー備品のベルを示す。
【図18】本発明の第18の実施例による、ファスナー備品のベルを示す。
【図19】本発明の第19の実施例による、ファスナー備品のベルを備えた手提げ鞄を示す。
【図20A】本発明の第20の実施例による、ファスナー備品の電子装置を一方の側から見た斜視図である。
【図20B】本発明の第20の実施例による、ファスナー備品の電子装置を図20Aとは異なる側から見た斜視図である。
【図21】本発明の第21の実施例による、ファスナー備品の電子装置を備えた手提げ鞄を示す。
【符号の説明】
【0203】
101,111,121,132,161,171,501,521,531,631
ベル
102,112,122,162,172,502,522,532 ベルの本体
103,113,123,163,173,503,633 玉
104,144,154,204,244,254,383,559,654 細紐
105,505,636 スリット
114,124,134,164,174 金属リング
115,506 フック
118 ゴムリング
133 鋲
135,234,423,724 ストラップ
136,155,185,374,507,508,525,526,528,535,536,625,635 穴
141 チャイム
142 金属パイプ
151,181,551,561 電子装置
152,182,252,552,562,652 筺体
153,661,653 軟鉄板
156,186,233,623 突起
157,187 窪み
158,188,558,568 LED
165 安全ピン
175 縫い代
201,231,621 サイレンサー
202,622 サイレンサーの本体
203,253,553 フェライト磁石
205,255,554,555,564,565 ヨーク
211,453 磁石シート
221 ネオジム磁石
242,373,384,443,444,703,705 つまみ
251,651 信号変更器
301,311,321,331,341,351,361,371,381,391,701 スライド・ファスナー
302,303,312,322,372,382,392,702,704 スライダー
304,434,527,537,706 開口
343,465 面ファスナー
401 バックパック
402,432,442,452,462 収容部
403,404 ポケット
411 ブリーフケース
421 ショルダーバッグ
422,863 バッグ本体
431 デイパック
433,862 カバー
441 旅行用鞄
451,461 手提げ鞄
454 鉄材シート
504,524,534,624,634,725 二重リング
523,533 舌
556 リードスイッチ
751 ガラス管
752,753 舌片
821 携帯電話
822 鍵
861 ハンドバッグ





【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に対してアラート指示を出すアラート装置であって、該装置は、物品を結び付ける(閉じる)ファスナー備品に組み込まれているか取り付けられており、
前記装置は、合わさったり離れたりすることの可能な、第1および第2の構成要素を備えており、該第1および第2の構成要素が合わさっているときに、該物品が結び付いた(閉じた)位置にあり、
該構成要素の少なくとも一方が、使用者に対してアラート指示を出すものとされ、該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記アラート指示が抑制される
アラート装置。
【請求項2】
前記構成要素の少なくとも一方が、前記アラート指示を出すのに、舌または玉を有するベルを含む請求項1に記載のアラート装置。
【請求項3】
該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記舌または玉の動きが抑制される請求項2に記載のアラート装置。
【請求項4】
該ファスナー備品が、閉じている物品において開口を結び付ける(閉じる)ためのもので、前記第1および第2の構成要素が、該開口を閉じるために合わさることが可能で、かつ該開口を開けるために離れることが可能である前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項5】
該ファスナー備品が、第1および第2の部材を結合させる(閉じ合わせる)ためのもので、前記第1および第2の構成要素が、前記第1および第2の部材を結び付けるために合わさることが可能で、かつ前記第1および第2の部材を外すために離れることが可能である請求項1、2または3に記載のアラート装置。
【請求項6】
前記構成要素の少なくとも一方が、磁力によって前記アラート指示を抑制する磁気手段を有する前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項7】
前記構成要素の少なくとも一方が、機械的な作用によって前記アラート指示を抑制する機械手段を有する請求項1乃至5のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項8】
前記構成要素の一方が、前記アラート指示を出すのに、光、音、振動又はそれらの組み合わせのいずれかを発するように動作可能な電子装置を含む請求項1および4乃至7のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項9】
前記構成要素の双方が、アラート指示を出すものされる前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項10】
前記構成要素は、磁力によって接続し合える前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項11】
前記構成要素は、面ファスナーまたはバックルによって接続し合える前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項12】
前記構成要素の少なくとも一方が、着用品または携帯品に組み込まれているスライド・ファスナーのスライダーに接続される前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項13】
前記第1の構成要素が第1のスライダーに接続され、かつ前記第2の構成要素が第2のスライダーに接続される請求項12に記載のアラート装置。
【請求項14】
前記第1の構成要素が、着用品または携帯品に組み込まれているスライド・ファスナーのスライダーに接続され、かつ前記第2の構成要素が、前記着用品または携帯品において、前記着用品または携帯品に対して固定される位置に配置される請求項1乃至12のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項15】
前記スライド・ファスナーがジッパーである請求項12、13または14に記載のアラート装置。
【請求項16】
前記物品が、携帯品または着用品である前記請求項のいずれかに記載のアラート装置。
【請求項17】
使用者に対してアラート指示を出すアラート装置であって、該装置は、物品の開口を閉じるファスナー備品に組み込まれているか取り付けられており、
前記装置は、前記開口を閉じるために合わさり、前記開口を開けるために離れることが可能な、第1および第2の構成要素を備えており、
該構成要素の少なくとも一方が、使用者に対してアラート指示を出すものとされ、該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記アラート指示が抑制される
アラート装置。
【請求項18】
物品を結び付ける(閉じる)ファスナー備品に組み込まれるか取り付けられるかするための、使用者に対してアラート指示を出すアラート装置であって、
前記装置は、合わさったり離れたりすることの可能な、第1および第2の構成要素を備えており、該ファスナー備品に組み込まれるか取り付けられるかして、該第1および第2の構成要素が合わさっているときに、該物品が結び付いた(閉じた)位置にあり、
該構成要素の少なくとも一方が、使用者に対してアラート指示を出すものとされ、該第1および第2の構成要素が相互に隣接するか近隣にあるとき、前記アラート指示が抑制される
アラート装置。

【図3】
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【図4】
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【図12】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【公表番号】特表2007−535336(P2007−535336A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520040(P2006−520040)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002309
【国際公開番号】WO2005/006913
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(503255888)
【Fターム(参考)】