ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を使用するタンパク症の治療
タンパク症の治療において有用な低投与量のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を含んでなる方法及び医薬組成物が提供される。これらの低投与量は、これらの化合物が最初にそのために設計された腫瘍学的治療において使用される投与量より低い。治療は、それを必要とする患者に、治療的に有効な量のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を投与することを含み、ここにおいて、この量は、Ras又は他の腫瘍学に関係する基質のファルネシル化に実質的に影響することなく、自食作用経路に関係する非RasのFTアーゼ基質のファルネシル化を阻害するために有効である。本発明による治療は、更にアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経栄養受容体活性化剤、NMDAアンタゴニスト、アミロイド沈積阻害剤、統合失調症治療剤、抗鬱剤、抗不安症剤、又は抗酸化剤を含むことができる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式:
【化1】
の化合物又は医薬的に受容可能なその塩を、一日当たり約0.1mgないし一日当たり約50mgの範囲の量で患者に投与することを含んでなる、患者のタンパク症を治療する方法において使用するための、化合物又は医薬的に受容可能なその塩。
【請求項2】
以下の式:
【化2】
から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなり、そして一日当たり約0.1mgないし一日当たり約50mgの範囲の量の化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与する、タンパク症の患者を治療するための医薬の製造における、化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用。
【請求項3】
方法が、一日当たり約0.5mgないし一日当たり約30mgの範囲の量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記方法が、一日当たり約4mgないし一日当たり約20mgの範囲の量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1又は3のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項5】
前記方法が、脳中のRasのファルネシル化を約50%より多く阻害するために十分ではない量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1、3又は4のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項6】
前記方法が、UCH−L1のファルネシル化を阻害するために十分な量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1又は3−5のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項7】
前記方法が、以下の式:
【化3】
の医薬的に受容可能なD−酒石酸塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1又は3−6のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項8】
前記タンパク症の患者が、神経変性疾患、認知障害、リソソーム蓄積症、眼疾患、炎症性疾患、心血管性疾患、又は増殖性疾患に罹っている、請求項1又は3−7のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項9】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病、多系統萎縮症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、及びアルツハイマー病から選択される、請求項1又は3−8のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項10】
前記治療方法が、以下の式:
【化4】
から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩、及び治療的に有効な量の非ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を患者に投与することを更に含んでなる、請求項1又は3−9のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項11】
以下の式:
【化5】
又は医薬的に受容可能なその塩から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩、及び治療的に有効な量の非ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を含んでなる、タンパク症の患者を治療するための医薬の製造における、化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用。
【請求項12】
前記非ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、ドーパミンアゴニスト、DOPAデカルボキシラーゼ阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミンオキシダーゼ遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経栄養受容体の活性化剤、ガンマ−セクレターゼ阻害剤、PDE10阻害剤、及びNMDAアンタゴニストからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記患者がヒトである、請求項1、3−10、又は12に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2又は12に記載の使用。
【請求項14】
約0.1mgないし約50mgの以下の式:
【化6】
から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩、及び医薬的に受容可能な賦形剤を含んでなる、タンパク症の患者を治療するための医薬組成物。
【請求項15】
約0.5ないし約30mgの前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約4ないし約20mgの前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬的に受容可能な塩が、以下の式:
【化7】
のD−酒石酸塩である、請求項12−16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記タンパク症の患者が、神経変性疾患、認知障害、リソソーム蓄積症、眼疾患、炎症性疾患、心血管性疾患、及び増殖性疾患に罹っている、請求項12−17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病、多系統萎縮症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、及びアルツハイマー病から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項1】
以下の式:
【化1】
の化合物又は医薬的に受容可能なその塩を、一日当たり約0.1mgないし一日当たり約50mgの範囲の量で患者に投与することを含んでなる、患者のタンパク症を治療する方法において使用するための、化合物又は医薬的に受容可能なその塩。
【請求項2】
以下の式:
【化2】
から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなり、そして一日当たり約0.1mgないし一日当たり約50mgの範囲の量の化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与する、タンパク症の患者を治療するための医薬の製造における、化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用。
【請求項3】
方法が、一日当たり約0.5mgないし一日当たり約30mgの範囲の量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記方法が、一日当たり約4mgないし一日当たり約20mgの範囲の量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1又は3のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項5】
前記方法が、脳中のRasのファルネシル化を約50%より多く阻害するために十分ではない量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1、3又は4のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項6】
前記方法が、UCH−L1のファルネシル化を阻害するために十分な量の前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1又は3−5のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項7】
前記方法が、以下の式:
【化3】
の医薬的に受容可能なD−酒石酸塩を患者に投与することを含んでなる、請求項1又は3−6のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項8】
前記タンパク症の患者が、神経変性疾患、認知障害、リソソーム蓄積症、眼疾患、炎症性疾患、心血管性疾患、又は増殖性疾患に罹っている、請求項1又は3−7のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項9】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病、多系統萎縮症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、及びアルツハイマー病から選択される、請求項1又は3−8のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項10】
前記治療方法が、以下の式:
【化4】
から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩、及び治療的に有効な量の非ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を患者に投与することを更に含んでなる、請求項1又は3−9のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2に記載の使用。
【請求項11】
以下の式:
【化5】
又は医薬的に受容可能なその塩から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩、及び治療的に有効な量の非ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を含んでなる、タンパク症の患者を治療するための医薬の製造における、化合物又は医薬的に受容可能なその塩の使用。
【請求項12】
前記非ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、ドーパミンアゴニスト、DOPAデカルボキシラーゼ阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミンオキシダーゼ遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、神経栄養受容体の活性化剤、ガンマ−セクレターゼ阻害剤、PDE10阻害剤、及びNMDAアンタゴニストからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記患者がヒトである、請求項1、3−10、又は12に記載の化合物又は医薬的に受容可能なその塩、或いは請求項2又は12に記載の使用。
【請求項14】
約0.1mgないし約50mgの以下の式:
【化6】
から選択される化合物又は医薬的に受容可能なその塩、及び医薬的に受容可能な賦形剤を含んでなる、タンパク症の患者を治療するための医薬組成物。
【請求項15】
約0.5ないし約30mgの前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約4ないし約20mgの前記化合物又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬的に受容可能な塩が、以下の式:
【化7】
のD−酒石酸塩である、請求項12−16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記タンパク症の患者が、神経変性疾患、認知障害、リソソーム蓄積症、眼疾患、炎症性疾患、心血管性疾患、及び増殖性疾患に罹っている、請求項12−17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病、多系統萎縮症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、及びアルツハイマー病から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9−1】
【図9−2】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9−1】
【図9−2】
【公表番号】特表2012−508765(P2012−508765A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536511(P2011−536511)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064375
【国際公開番号】WO2010/056985
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(511116063)リンク・メディスン・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064375
【国際公開番号】WO2010/056985
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(511116063)リンク・メディスン・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
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