説明

フィブリノーゲン除去用フィルタ、フィブリノーゲン除去用フィルタデバイス、及び、それらを用いるフィブリノーゲン除去方法

血液検査の結果に影響を与えることのない血清試料を血漿から迅速に調製できるフィブリノーゲン除去用フィルタ、フィブリノーゲン除去用フィルタデバイス、及び、それらを用いるフィブリノーゲン除去方法を提供する。血漿からフィブリノーゲンを除去するためのフィルタであって、フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーからなり、表面積が0.5m/g以上であり、空隙率が85%以下であるフィブリノーゲン除去用フィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、血清又は血漿に含まれるフィブリノーゲンを除去する方法及びそのための部材に関する。
【背景技術】
臨床検査では病気を診断するために、血液検査が広く用いられている。血液検査の多くは血清検査であり、検査に要する血清は、通常、血液検査容器に採取した血液を、凝固させた後、遠心分離することによって、比重の異なる血餅、即ち、フィブリンと血球成分が混合したゲル様塊状物から分離されたものである。血液検査容器には、血液を凝固させるために凝固促進成分が添加されており、それらは従来吸着性無機物等が用いられていたが、又は、最近ではトロンビン、蛇毒といった酵素が用いられることによって、凝固時間が短縮され、検査結果が得られるまでの時間を短縮することにより、利便性が向上している。
一方、年々増加してきている透析患者の血液は、抗凝固剤が投与されているために凝固時間が異常に長くなり、検体が得られるまでに相当な時間が必要であった。このような課題から抗凝固剤であるヘパリンを中和する成分と凝固促進成分を併用した血液凝固促進剤が開発され、凝固時間の短縮に貢献している(特開昭62−240617号公報、特開昭63−275953号公報参照)。
しかしながら、これらを用い、血液の流動性がなくなり凝固が完了しているようであっても、遠心分離した後に徐々に血清中にフィブリンが析出してくることがあり、このフィブリンによって、検査装置のノズルがつまったりすることが頻繁に起こっている。
そこで、特開2000−309539号公報に記載されているように、親水化された高分子繊維集合体等を用いて、血漿中に含まれるフィブリノーゲンを除去して血清を得る方法が開発されている。
しかしながら、特開2000−309539号公報に記載の方法では、血漿中に含まれるアルブミン等の蛋白質も同時に吸着除去してしまうため、この方法により得られた試料は、かかる物質を測定対象とする血液検査に供することができないという問題があった。
【発明の開示】
本発明は、上記現状に鑑み、血液検査の結果に影響を与えることのない血清試料を血漿から迅速に調製できるフィブリノーゲン除去用フィルタ、フィブリノーゲン除去用フィルタデバイス、及び、それらを用いるフィブリノーゲン除去方法を提供することを目的とする。
本発明1は、血漿からフィブリノーゲンを除去するためのフィルタであって、フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーからなり、表面積が0.5m/g以上であり、空隙率が85%以下であるフィブリノーゲン除去用フィルタである。
本発明2は、血漿からフィブリノーゲンを除去するためのフィルタデバイスであって、円筒状の容器にフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーが充填されているフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスである。
以下に本発明を詳述する。
本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタは、血漿からフィブリノーゲンを除去するためのものである。
上記血漿は、通常、抗凝固剤を加えた血液を遠心して血球を沈殿させ、透明な淡黄色である上清を回収することにより得られる。
なお、本発明においては、上記血漿にはフィブリノーゲンが混入している血清も含まれる。
本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタは、フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーからなるものである。
上記フィブリノーゲン吸着性の繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーとしては、フィブリノーゲン吸着性があれば特に限定されず、どのような素材からなるものであっても良い。ただし、本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタは、血液検査に用いるものであるので、検査に影響するほどの鉄、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム等の金属塩、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオン等を含有するものであってはならない。また、有機物等にあっても同様である。
このようなフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子及び多孔性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合樹脂、ポリエチレンと酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸(エステル)等の共重合樹脂等からなるものが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。中でもポリエステル系樹脂からなるものはフィブリノーゲン吸着性能と、処理後試料の検査値に対する影響のバランスの観点から好適に用いられる。
フィブリノーゲン吸着性の材料は、一般的に他の疎水性蛋白質も吸着しやすい特徴がある。このため、上記フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーは、場合によっては表面特性をコントロールするためにフィルタ表面を親水化処理することが必要となる場合がある。親水化処理剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性の合成高分子や天然の水溶性高分子、ポリエーテル変性シリコーン等の高分子界面活性剤等が挙げられる。
本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタは、表面積が0.5m/g以上であり、空隙率が85%以下である。
フィルタの表面積が大きいほどフィブリノーゲンの除去効率は向上し、表面積が0.5m/g未満であると、フィブリノーゲンを除去するためにより多くのフィルタを必要とするため、コストが高くなる。空隙率が85%を超えると、血漿の回収率が低下する。好ましくは表面積が0.7m/g以上であり、空隙率が80%以下である。
なお、フィブリノーゲン除去用フィルタの表面積は、平均繊維径、繊維重量、密度から以下の計算式(1)により求められる。
表面積=(4×繊維重量)/(素材密度×平均繊維径)…(1)
空隙率は、フィルタ素材の密度、重量、圧縮後の体積から以下の計算式(2)により求められる。
空隙率={1−重量/(素材密度×圧縮後体積)}×100…(2)
本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタは、フィルタ1g当たり1mg以上のフィブリノーゲンを吸着するものであることが好ましい。1g当たりのフィブリノーゲン吸着量が1mg未満であると、必要なフィブリノーゲン吸着性能を得るためにより多くのフィルタを必要とし、それによって、血漿の回収量が低下することがある。
本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタを用いて、血漿からフィブリノーゲンを除去することができる。このような本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタを用いるフィブリノーゲン除去方法もまた、本発明の1つである。
本発明2のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスは、血漿からフィブリノーゲンを除去するためのものである。
本発明2のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスは、筒状の容器にフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーが充填されている構造を有する。上記筒状の容器には、上部と下部に開口部があり、その中にフィブリノーゲン吸着性の繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーが充填され固定されている。
なお、筒状の容器は、好ましくは、円筒状の形状を有するが、角筒状等の他の筒状の形状を有していてもよい。上記フィブリノーゲン吸着性の繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーを固定するために、容器下部の開口部の孔径は小さく絞られていても良く、容器内に固定用のしきり板や補助材等が挿入されていても良い。
上記フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子及び多孔性ポリマーは、本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタに用いられるものと同様のものである。
本発明2のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスを用いて血漿からフィブリノーゲンを除去するには、まず、本発明2のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスの筒状容器内に血漿を注入し、次いで、血漿注入側から加圧するか又はろ過血漿出口側から吸引することによって、血漿をフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーを通過させることによる。
加圧方法として特に限定されず、例えば、図1に示すようなピストンを用いる方法等が挙げられる。吸引方法としては特に限定されず、例えば、図2に示すような内部が減圧された管にデバイスのろ過血漿出口側を挿入する方法が挙げられる。
なお、図1に示すフィルタデバイスでは、円筒状の容器1内にフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーからなるフィブリノーゲン吸着材2が収納されている。フィブリノーゲン吸着材2は、好ましくは、本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタで構成されている。また、円筒状の容器1には、円筒状の容器1の内壁に液密的に接触しつつ移動するピストン3が収納される。ピストン3は、ピストンロッド3aに連結されている。
また、図2に示すフィルタデバイスでは、同様に構成された円筒状の容器1内にフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーからなるフィブリノーゲン吸着材2が収納されている。フィブリノーゲン吸着材2は、好ましくは、本発明1のフィブリノーゲン除去用フィルタで構成されている。そして、円筒状の容器1の先端には注射針5が取り付けられている。注射針5が真空採血管4の本体を刺通し、真空採血管4内に至らされる。そのため、円筒状の容器1内に注がれた血漿は、上記フィブリノーゲン吸着材2を通過して真空採血管4内に導かれる。
また、本発明2のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスを用いて血漿からフィブリノーゲンを除去する方法の他の例としては、筒状、好ましくは円筒状の容器にフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーからなるフィブリノーゲン吸着材が充填されている構造において、筒状容器の内周面に液密的に接触されて移動され得るピストンがさらに備えられており、フィブリノーゲン吸着材の前記ピストンとは反対側において前記筒状の容器に血漿吸引口が設けられており、ピストンを該血漿吸引口から遠ざかるように移動させて血漿を筒状容器内に吸引することにより、血漿が前記繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーを通過し、それによってフィブリノーゲンが除去される。この方法では、採収された血漿中に泡が生じ難い。
上記のように泡が生じ難いフィブリノーゲン除去方法に用いられるフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスの構造例を図3に示す。図3に示す構造では、円筒状部材1内に、フィブリノーゲン吸着材2が収納されている。フィブリノーゲン吸着材2は、繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーからなり、好ましくは、本発明1に従って構成されている。そして、フィブリノーゲン吸着材2の上方にはピストン3が配置されている。ピストン3の外周面は円筒状部材1の内周面に液密的に接触されている。このピストン3は、ピストン3の上方に連結されたピストンロッド39を操作することにより円筒状部材1内において、円筒状部材1の長さ方向に移動され得る。他方、フィブリノーゲン吸着材2の下方には、すなわちフィブリノーゲン吸着材2のピストン3が配置されている側とは反対側には、血漿吸引口1aが設けられている。このフィルタデバイスでは、血漿吸引口1aを血漿に浸した状態で、ピストン3を上方に移動させることにより、すなわち血漿吸引口1aから遠ざかる方法に移動させることにより、血漿が吸引され、円筒状部材1内に導かれる。この場合に、血漿がフィブリノーゲン吸着材2を通過することにより濾過され、フィブリノーゲンが除去される。
上記のように、本発明2のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスを用いて血漿からフィブリノーゲンを除去する方法もまた、本発明の1つである。
【図面の簡単な説明】
図1は、ピストンを用いてフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスを血漿注入側から加圧する方法を示す図である。
図2は、内部が減圧された管を用いてフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスをろ過血漿出口側から吸引する方法を示す図である。
図3は、ピストンが円筒状部材内に配置されており、該円筒状部材内にフィブリノーゲン吸着材が収納されており、吸引により血漿をろ過する方法を説明するための略図的正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【実施例1】
平均直径1.8μmのポリエチレンテレフタレート製不織布(目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して4mLの体積になるように圧縮した。
【実施例2】
平均直径1.8μmのポリエチレンテレフタレート製不織布(目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して3.2mLの体積になるように圧縮した。
【実施例3】
平均直径1.8μmのポリエチレンテレフタレート製不織布(目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して2.4mLの体積になるように圧縮した。
【実施例4】
平均直径3.5μmのポリエチレンテレフタレート製不織布(目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して4mLの体積になるように圧縮した。
【実施例5】
平均直径3.5μmのアクリル/ポリエステル製不織布(商品名シャレリアC1040(旭化成社製)、70%/30%、目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して2mLの体積になるようにした。
【実施例6】
平均直径3.5μmのアクリル/レーヨン製不織布(商品名シャレリアCR040(旭化成社製)、65%/35%、目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して2mLの体積になるようにした。
比較例1
平均直径1.8μmのポリエチレンテレフタレート製不織布(目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して7mLの体積になるように圧縮した。
比較例2
平均直径6.5μmのポリエチレンテレフタレート製不織布(目付40g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して4mLの体積になるように圧縮した。
比較例3
平均直径3.5μmのポリプロピレン製不織布(商品名エルタスガード(旭化成社製)、目付17g/m)を直径15mmに打ち抜いたものを複数枚重ね、1.0g量り取った。これをJMS社製10mLシリンジに充填し、加圧して2mLの体積になるようにした。
実験例1
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスのシリンジ内部の不織布上に、フィブリノーゲン濃度が100mg/dLであるヒト血漿を注入し、ピストンで加圧することによってろ過を行った。ろ過後に回収できた血漿の割合及び残存するフィブリノーゲン量をトロンビン時間法に従って求めた。なお、実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスのフィルタの表面積は上記の計算式(1)に従って算出し、空隙率は上記の計算式(2)に従って算出した。結果を表1に示した。

実験例2
実施例1〜6及び比較例1〜3で用いた不織布をそれぞれ1.0g量り取り、フィブリンノーゲン濃度235mg/dLのヒト血漿に浸漬した後、不織布のみを除去し、残った血漿中のフィブリノーゲン濃度を実験例1と同様の方法にて測定することによってそれぞれ不織布1g当たりの吸着量を求めた。結果を表2に示した。

実験1、2の結果より表面積0.5m/g以上かつ空隙率85%以下のフィルタを用いた場合、100mg/mLの血漿を流通したときにフィブリノーゲンが測定限界以下まで除去されていた。表面積が0.5m/g未満である場合(比較例2)は、フィブリノーゲンが除去しきれず、また、空隙率85%以上のとき(比較例1)は血漿の回収率が20%と非常に低かった。また材質によっては、フィブリノーゲン吸着量が低く、ポリプロピレンを用いた比較例3の場合もフィブリノーゲンを除去しきれなかった。
また、実施例1、4、5で得られたフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスによるフィブリノーゲンの除去処理の検査値への影響は表3に示した通りほとんどなかった。

【産業上の利用可能性】
本発明によれば、血漿中に含まれるフィブリノーゲン以外のタンパク質を吸着除去せずにフィブリノーゲンのみを吸着除去できるので、処理後試料を対象とする検査結果に影響が及ばず、ヘパリン投与患者の血清中からたびたびフィブリンが析出してくるという問題を完全に解決できる。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
血漿からフィブリノーゲンを除去するためのフィルタであって、フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーからなり、表面積が0.5m/g以上であり、空隙率が85%以下であることを特徴とするフィブリノーゲン除去用フィルタ。
【請求項2】
フィルタ1g当たり1mg以上のフィブリノーゲンを吸着することを特徴とする請求項1に記載のフィブリノーゲン除去用フィルタ。
【請求項3】
フィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーは、ポリエステル系樹脂からなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィブリノーゲン除去用フィルタ。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のフィブリノーゲン除去用フィルタを用いて、血漿からフィブリノーゲンを除去することを特徴とするフィブリノーゲン除去方法。
【請求項5】
血漿からフィブリノーゲンを除去するためのフィルタデバイスであって、筒状の容器にフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーが充填されていることを特徴とするフィブリノーゲン除去用フィルタデバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスの容器内に血漿を注入し、血漿注入側から加圧するか又はろ過血漿出口側から吸引することによって、血漿をフィブリノーゲン吸着性を有する繊維集合体、微粒子又は多孔性ポリマーを通過させることを特徴とするフィブリノーゲン除去方法。
【請求項7】
請求項5に記載のフィブリノーゲン除去用フィルタデバイスの筒状の容器内に、該筒状の容器の内周壁に液密的に接触し、かつ筒状の容器の長さ方向に移動し得るピストンが備えられており、前記繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーの前記ピストンが配置されている側とは反対側において筒状の容器に血漿吸引口が備えられており、
前記血漿吸引口を血漿に浸した状態でピストンを該血漿吸引口から遠ざかる方向に移動させることにより、筒状の容器内に血漿を吸引し、かつ前記繊維集合体、微粒子または多孔性ポリマーを通過させることを特徴とするフィブリノーゲン除去方法。

【国際公開番号】WO2004/065958
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【発行日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507683(P2005−507683)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000480
【国際出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】