説明

フィルタ洗浄装置

【課題】フィルタ濾材に損傷を与えず効率的に粉塵を除去し、加えて経済的なフィルタ洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】フィルタ洗浄装置41に加振手段9aを設け、フィルタに振動を与えて粉塵を除去する。フィルタ洗浄装置41やフィルタ前洗浄装置45の廃水を沈殿凝集槽44や前洗浄用沈殿凝集槽42に貯留し廃水を再利用し、ランニングコスト、環境負荷に優れたフィルタの洗浄を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ガスタービンシステムや空調システムに用いられて好適なフィルタの洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの吸気部において大気空気を吸引する際、大気中の粉塵が流入してガスタービンの翼に付着すると出力低下を引き起こすために、吸気ダクト部に大気粉塵の除去用にフィルタが設置されている。フィルタは粉塵が捕集されるに従い、経時的に圧力損失が上昇するため、交換圧力損失に到達すると新品と取り替え、廃棄物として処理される。
【0003】
廃棄物の低減やランニングコストの低減を目的として、交換圧力損失に達したフィルタを洗浄再生し、再び使用するという洗浄再生フィルタが知られている。図12には、そのような洗浄再生フィルタの斜視図が示されている。洗浄再生フィルタは、フィルタ濾材7が山と谷を形成するように折り曲げられ、流入流体に対してジグザグ状のフィルタ面を形成し、その周囲をフィルタ枠51により囲まれている。
洗浄方法として、主に超音波洗浄が行われている。(特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開平2000−317230号公報(段落[0005],及び図3、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、超音波洗浄では、超音波力を上昇させると、フィルタの不織布の表面が荒れてフィルタが損傷して粉塵を捕集する性能が低下してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィルタに損傷を与えない洗浄方法及びフィルタの洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のフィルタ洗浄装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる第1形態は、粉塵が付着したフィルタを搬送する搬送手段と、前記フィルタの片面から流体を噴出して前記フィルタの気体流入側の粉塵を除去する一次スプレイノズルと、前記一次スプレイノズルに対向して配置され、流体を噴出して前記フィルタの気体流出側の粉塵を除去する二次スプレイノズルとを備えたフィルタ粉塵除去装置である。
【0008】
フィルタを搬送手段に乗せ移動させ、フィルタの片面からスプレイノズルで高圧水を噴出させ洗浄する。粉塵の大部分が付着するフィルタ一次側(流入側)に対し、一次スプレイノズルが高圧水を噴出することによりフィルタ粉塵が離脱され、洗浄効果を高めることができる。より好ましくは、フィルタ一次側を下に向け、搬送手段を覆う様にフィルタを置き、搬送手段の下方から一次スプレイノズルの高圧水で洗浄すると重力方向に向かってフィルタ粉塵が離脱されるので、効果的に洗浄できる。また、スプレイノズルを複数設置すれば、よりいっそうフィルタ粉塵を除去することができる。
ここで、フィルタ粉塵除去装置とは、フィルタの粉塵を除去する装置であり、例えば、フィルタの予備洗浄装置、洗浄装置、すすぎ装置である。搬送手段は、例えば、ローラコンベアを用いることができる。
【0009】
本形態のフィルタ粉塵除去装置をフィルタ洗浄の予備洗浄として用いて粉塵を予め除去すれば、粉塵付着の多いフィルタであっても、後の洗浄工程において洗浄液の汚染を抑えながら洗浄することができる。
【0010】
本発明にかかる第2形態は、前記一次スプレイノズルおよび前記二次スプレイノズルのノズル角度が可変である第1形態に記載のフィルタ粉塵除去装置である。
【0011】
ノズル角度を可変な構造とすることにより、フィルタ全域をムラ無く洗浄することができる。また、搬送手段が移動し、ノズルに対しフィルタがどの向きに来ても各ノズルが各々好適な角度を保つので、広いエリア、奥行きの洗浄が可能となる。
また、フィルタの移動を停止して洗浄する際は、ノズル角度に応じて水圧を変化させる機構を追加することもできる。
【0012】
本発明にかかる第3形態は、前記一次スプレイノズル及び/又は前記二次スプレイノズルは、フィルタ濾材との距離が近い場合には、流体の噴出圧力を低下させ、フィルタ濾材との距離が遠い場合には、流体の噴出圧力を高める第2形態に記載のフィルタ粉塵除去装置である。
【0013】
距離検出手段によりノズルとフィルタ濾材との距離を算出し、ノズルとフィルタ濾材との距離に応じて噴出圧力を調整する圧力調整手段とを用い、フィルタ濾材とノズルの距離が遠い場合は、噴出圧力を大きくし、フィルタ濾材とノズルの距離が小さい場合には、噴出圧力を小さくすることができる。
【0014】
粉塵が多く付着している一次側の奥を洗浄する場合は圧力を高くし、フィルタ前面を洗浄する場合は圧力を低くすることで、フィルタに加わる洗浄圧力が略一定となり、フィルタ濾材の洗浄によるダメージを防止することが出来る。特に洗浄困難なフィルタ一次側の奥部分の粉塵を容易に除去することができる。
【0015】
本発明にかかる第4形態は、前記一次スプレイノズルまたは前記二次スプレイノズルのいずれか一方が、もう一方よりも流体噴出圧力が高く設定されている第1形態乃至第3形態のいずれかに記載のフィルタ粉塵除去装置である。
【0016】
前記一次スプレイノズルの流体噴出圧力が前記二次スプレイノズルの流体噴出圧力よりも高く設定されているフィルタ粉塵除去装置とすることができる。フィルタの一次側(流体の流入側)の濾材の繊維強度は強く、フィルタの二次側(流体の流出側)の濾材の繊維強度は小さいので、一次スプレイノズルの流体噴出圧力を二次スプレイノズルの流体噴出圧力より高く設定して噴出すれば、濾材を損傷することなく、一次側から粉塵を強い圧力で洗い飛ばしつつ、二次側に付着した粉塵を二次側から洗い落とすことができる。
【0017】
本発明にかかる第5形態は、粉塵が付着したフィルタを把持する把持手段と、前記把持手段を介して前記フィルタに振動を加える加振機と、前記フィルタを洗浄液に浸漬させる洗浄槽と、を備えたフィルタ洗浄装置であって、前記洗浄槽内で前記フィルタ把持手段を介して前記加振機から振動を加えることによって前記フィルタから粉塵を除去するフィルタ洗浄装置である。
【0018】
フィルタを加振して粉塵を除去することで、従来行われていた超音波洗浄における定常波の疎密の影響が無く、フィルタ濾材が損傷する恐れが無く、フィルタを満遍なく洗浄することが出来る。
【0019】
本発明にかかる第6形態は、前記洗浄槽に設けられた洗浄液取り出し口と、前記洗浄液取り出し口から取り出した洗浄液を前記洗浄槽に循環させる循環配管とを備え、前記循環配管には、前記洗浄液中の離脱粉塵を除去するストレーナが設けられている第5形態に記載のフィルタ洗浄装置である。
【0020】
洗浄液に含まれる粉塵を除去しつつ洗浄液を循環させることにより、洗浄液を連続的に浄化し、再利用することができる。また、洗浄液に時に発生・混入した粉塵を除去する事で、粉塵の再付着を抑制し、洗浄効率を向上させることができる。
【0021】
本発明にかかる第7形態は、前記循環配管に清浄水供給口を備え、前記清浄水供給口から導入された清浄水を用いて前記フィルタを前記洗浄槽ですすぎ洗いする第6形態に記載のフィルタ洗浄装置である。
【0022】
フィルタの洗浄とすすぎを同じ洗浄槽で行うことができ、その操作は循環配管に設けられた清浄水供給口のバルブ開閉で対応できる。
【0023】
本発明にかかる第8形態は、前記循環配管に洗浄液中の前記ストレーナで除去されない粉塵を分離する濾過手段と、洗浄液中の洗剤濃度の監視を行う洗剤濃度監視手段とを備えた第6または第7形態に記載のフィルタ洗浄装置である。
【0024】
濾過手段を設置することで、前記ストレーナで除去されない粉塵を洗浄液と分離して、コスト高な洗剤を回収し、洗浄液を再利用することができる。配管途中に洗剤濃度センサを設けることで、オンタイムで洗剤濃度を監理することができる。また、洗剤投入手段を循環配管に設ければ、自動的に洗剤を投入するシステムを構築することができる。洗剤濃度センサによりコスト高となる洗剤を無駄なく追加できる。
【0025】
本発明にかかる第9形態は、粉塵が付着したフィルタを把持する把持手段と、前記把持手段を介して前記フィルタに振動を加える加振機と、前記フィルタに流体を噴出して粉塵を除去する洗浄ノズルとを備えた洗浄槽と、予備洗浄で用いた予備洗浄液の廃水を貯留する予備洗浄用凝集沈殿槽と、洗浄で用いた洗浄液の廃水又はすすぎで用いた清浄水の廃水を貯留する沈殿槽と、前記沈殿槽の廃水を濾過する膜分離装置とを備えたフィルタ洗浄システムであって、前記洗浄槽において前記フィルタを加振して予備洗浄を行い粉塵を除去し、離脱した粉塵を含有する予備洗浄廃水を前記予備洗浄用凝集沈殿槽に貯留し、前記予備洗浄廃水に凝集沈殿剤を加えて粉塵を沈殿させて上澄み液を洗浄液として再利用し、又は、前記洗浄槽において前記フィルタに加振して洗浄又はすすぎを行い粉塵を除去し、離脱した粉塵を含有する前記洗浄槽の廃液を前記沈殿槽に貯留し、貯留した前記廃液を前記膜分離手段により濾過して洗浄液として再利用し、予備洗浄、洗浄およびすすぎを一の洗浄槽で行うフィルタ洗浄システムである。
【0026】
加振機によりフィルタに振動を与え、洗浄ノズルからフィルタに向け流体を噴出するフィルタ洗浄システムとすることで、洗浄効率を高めることができる。予備洗浄用凝集沈殿槽、凝集沈殿槽を設けることにより、予備洗浄、洗浄、すすぎで発生した廃水から粉塵を除去して、再度洗浄に用いることができる。また、フィルタの予備洗浄、洗浄、すすぎを一つの洗浄槽で行うことができる。一つの洗浄槽を用いて予備洗浄からすすぎまで行うことにより、システムへの初期投資が低減することができ、廃水を再利用することにより、ランニングコストを低減し、環境への負荷を小さくすることができる。本洗浄槽は、予備洗浄、洗浄およびすすぎを一槽にて行うため、フィルタを移動する必要がなく、また、それほど広い面積を要しない洗浄システムである。前記洗浄槽の配管途中に洗剤濃度センサを設けてもよい。
【0027】
本発明にかかる第10形態は、粉塵が付着したフィルタを搬送する搬送手段と、前記フィルタの片面から前記フィルタの気体流入側の粉塵を流体を噴出して除去する一次スプレイノズルと、前記一次スプレイノズルに対向して配置され、流体を噴出して前記フィルタの気体流出側の粉塵を除去する二次スプレイノズルとを備えたフィルタ予備洗浄手段と、前記フィルタ予備洗浄手段で予備洗浄されたフィルタを洗浄及びすすぎを行うフィルタ洗浄装置と、前記フィルタ予備洗浄手段から発生する廃水を貯留する予備洗浄用凝集沈殿槽と、前記フィルタ洗浄装置から発生する廃水を貯留する沈殿槽と、前記沈殿槽の廃水を濾過する膜分離装置とを備えたフィルタ洗浄システムであって、前記予備洗浄手段で離脱した粉塵を含有する予備洗浄廃水を前記予備洗浄用凝集沈殿槽に貯留し、前記予備洗浄廃水に凝集沈殿剤を加えて粉塵を沈殿させて上澄み液を洗浄液として再利用し、及び/又は、前記洗浄槽において粉塵を除去して離脱した粉塵を含有する洗浄廃液を前記沈殿槽に貯留し、貯留した前記洗浄廃液を前記膜分離手段により濾過して洗浄液として再利用し、予備洗浄、洗浄およびすすぎを行うフィルタ洗浄システム。
【0028】
予備前洗浄手段と、洗浄及びすすぎを行うフィルタ洗浄装置とを独立して設けることにより、粉塵が多量に付着したフィルタであっても、予備洗浄手段により粉塵を前もってフィルタから除去することができ、後の洗浄工程において洗浄液の汚染を抑えながら洗浄することができる。また予備洗浄手段で発生する予備洗浄液の廃水を凝集沈殿剤により再生して利用することができる。また、予備洗浄手段と洗浄及びすすぎを行うフィルタ洗浄装置を独立して設けることにより、フィルタを流れ作業により洗浄可能となり、大量のフィルタを効率よく洗浄可能となる。
【0029】
フィルタの粉塵を加振して洗浄、すすぎを行うことで、超音波による洗浄よりも均一でフィルタに損傷を与えず粉塵を除去することができる。また、凝集沈殿槽を設けることにより洗浄、すすぎで発生した廃水から粉塵を除去して、再度洗浄に用いることができる。なお、搬送手段は、例えば、ローラコンベアを用いることができる。また、前記フィルタ洗浄装置の配管途中に洗剤濃度センサを設けてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
フィルタ一次側と二次側にそれぞれ適切な圧力により洗浄することができ、フィルタが損傷することを防止することができる。フィルタの不織布の表面が荒れることなく、粉塵を捕集する性能を低下させず洗浄して、フィルタを再生することができる。その結果、使用により圧力損失が上昇したフィルタであっても、交換圧力損失に到達した後は、フィルタを洗浄して再生することができ、廃棄物を減らすことができる。
また、フィルタ洗浄システムで発生する廃水を沈殿槽、膜分離手段で廃水から比較的粗大な粉塵から細かい粉塵を除去することが可能となり、水や洗剤の有効利用を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図9を用いて説明する。図9には、フィルタ洗浄システム40が示されている。このフィルタ洗浄システム40は、フィルタの予備洗浄・洗浄・すすぎ工程を備える装置である。
【0032】
フィルタ洗浄システム40は、フィルタ洗浄装置41と、予備洗浄用凝集沈殿槽42と、膜分離装置43と、沈殿槽44とを備えている。
フィルタ洗浄装置41は、洗浄槽8に洗浄液10を貯め、フィルタ1を洗浄する。フィルタ1は、その両端を把持手段9により把持され、把持手段9を介して加振動機9aにより振動が与えられる。フィルタ洗浄装置41には、フィルタ1を洗浄する洗浄ノズル21a,21bが備えられており、フィルタ1のフィルタ濾材7を洗浄する。
【0033】
洗浄ノズル21a,21bは、ライン22から供給される洗浄液・水道水・清浄水のいずれかをフィルタ濾材7に吹き付け、フィルタを浄化する。洗浄ノズル21aによって、フィルタ一次側5に洗浄液等が吹き付けられる。また、洗浄ノズル21bによって、フィルタ二次側に洗浄液等が吹き付けられる。
【0034】
図13には、フィルタ濾材7の断面図が一例として示されている。フィルタ一次側5は、粉塵混合気体が流入する側、フィルタ二次側6は、粉塵除去後の気体が流出する側をいう。
フィルタ一次側5のフィルタ材料は、互いに有効開口径の異なる複数の層が積層されたポリプロピレン繊維よりなる不織布であり、フィルタ二次側6のフィルタ材料は、ポリオレフィン系樹脂で表面が被覆されたポリエステル繊維よりなる不織布、又はポリオレフィン系樹脂の繊維よりなる不織布である。
図において矢印で示された空気の流れの上流側から順にフィルタ一次側5およびフィルタ二次側6が積層され、フィルタ一次側5のフィルタ濾材の各層の有効開口径が空気の流れに対して下流側にいくほど小さくなっている。フィルタ一次側は、比較的太い繊維が用いられたフィルタ材料で構成されているため、フィルタ一次側5の強度はフィルタ二次側6のそれに比べて高くなっている。
【0035】
従って、洗浄ノズル21aは、他方の洗浄ノズル21bよりも強い圧力でフィルタ1を洗浄することができる。ここで、図11を用いて、ノズルから噴出される洗浄液等の水圧と、洗浄効率と、フィルタの健全性の関係について説明する。
フィルタの洗浄効率は、グラフの一点破線の如く、水圧が高いほど粉塵を除去できる量が多くなるので、水圧が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向にある。一方、フィルタの健全性、即ち、水圧によるフィルタ濾材の損傷しない確率は、グラフの二点破線の如く、水圧がある値までは一定に保たれるが、水圧がある値を超えるとフィルタ濾材の濾布が受傷するため、水圧が高まるほど健全性が低くなる傾向にある。フィルタの健全性が失われると、フィルタによって捕集できる粉塵の量が低下するため、粉塵捕集率、つまりフィルタ性能が低下する。
従って、フィルタ性能が低下しない範囲において、一番強い水圧を用いてフィルタを洗浄することが、フィルタ性能の高い洗浄水圧ということができる。すなわちグラフの曲線を描く実線の頂点付近の噴出圧力を用いることが好ましい。
【0036】
本発明の第一実施形態のフィルタ洗浄装置は、次の工程からなる。
予備洗浄工程:フィルタ1の粉塵を予め大方除去するためにフィルタ1の予備洗浄を行う。尚、予備洗浄において、砂、金属粒など比較的粒径の大きな塵埃を除去する。この際、洗剤があると凝集剤の効果が低減するので、洗剤は用いない。
洗浄工程:フィルタ1のフィルタ濾材7に詰まったカーボンなどの予備洗浄で除去困難な粉塵を除去する。
すすぎ工程:洗浄工程で洗われたフィルタ1に付着した洗剤成分及び粉塵を除去する。
以下、これらの工程について、再び図9を用いて説明する。
【0037】
[予備洗浄工程]
洗浄槽8に入れられたフィルタ1に対して、洗浄ノズル21a,21bから予備洗浄液が噴出され、粉塵を前もって除去する。このとき、フィルタ1は、加振機9aにより振動を与えられる。予備洗浄液はライン23から供給される水道水を利用することができる。また、予備洗浄液として、予備洗浄用凝集沈殿槽42に貯留された洗浄廃水に凝集剤を投入して粉塵等を除去した再生水を利用することもできる。再生水は、ライン30からポンプ34によってライン22に供給される。
【0038】
[洗浄工程]
洗浄液は、ライン23またはライン24により洗浄槽8に供給される。洗浄液が貯まった洗浄槽8において、フィルタ1に対し洗浄ノズル21a,21bから洗浄液が噴出され粉塵を除去する。洗浄液には、洗剤成分が含まれ、例えばリン系の洗剤とすることができる。このときフィルタ1は、加振機9aにより振動を与えられる。
【0039】
洗浄液は、洗浄槽8底部からから引き抜かれ、ライン28に設けられたストレーナ12において洗浄液中の粉塵が除去され、ライン22を介して再び洗浄ノズル21a,21bから噴出させる構成とすることができる。また、洗浄液は、沈殿槽44に貯留し、膜分離装置43を通して再生し、ライン25を通して再び洗浄ノズル21a,21bから噴出させる構成としてもよい。この膜分離装置は、洗浄液に含まれる粉塵を完全除去し、水とコスト高となる洗剤を回収、再利用するものである。
【0040】
[すすぎ工程]
すすぎ用の清浄水はライン24から供給される。洗浄槽8の洗浄液をライン29から一度排出して、沈殿槽44に貯留する。その後、洗浄槽8のフィルタ1を清浄水によりすすぎ洗いする。すすぎ洗いにおいて使用した水は、洗浄工程や予備洗浄工程で再利用することができ、水の有効利用ができる。
【0041】
フィルタ洗浄システム40のライン22には、ライン23から供給される予備洗浄液またはライン24から供給される清浄水を送出するポンプ31と、ライン28から供給される洗浄液を送出するポンプ32とが備えられている。ライン25には、膜分離装置43を経た洗浄液を送出するポンプ33が備えられている。ライン30には、予備洗浄用凝集沈殿槽42の予備洗浄液を送出するポンプ34が備えられている。
【0042】
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態について、図10を用いて説明する。図10には、フィルタ洗浄システム40が示されている。このフィルタ洗浄システム40は、フィルタの予備洗浄工程と、洗浄・すすぎ工程とを独立して備えた装置である。
【0043】
本実施形態に係るフィルタ洗浄システム40は、フィルタ予備洗浄装置45と、フィルタ洗浄装置41と、予備洗浄用凝集沈殿槽42と、膜分離装置43と、沈殿槽44と、ローラコンベア2とを備えている。
【0044】
フィルタ予備洗浄装置45は、フィルタ1に付着した粉塵を洗浄工程に先立って粉塵を除去する装置である。フィルタ予備洗浄装置45は、予備洗浄液をフィルタ1に向かって噴出する一次スプレイノズル3と、二次スプレイノズル4と、予備洗浄後の予備洗浄液を回収する廃水トレイ36と、回収した予備洗浄液を貯留する予備洗浄用凝集沈殿槽42とを備えている。
【0045】
一次スプレイノズル3,二次スプレイノズル4は、ライン38から供給される予備洗浄液をフィルタ濾材に吹き付け、フィルタを前もって浄化する。一次スプレイノズル3はフィルタ一次側5に予備洗浄液を吹き付ける。二次スプレイノズル4はフィルタ二次側6に予備洗浄液を吹き付ける。
【0046】
フィルタ洗浄装置41は、洗浄槽8に洗浄液10を貯め、フィルタ1を洗浄する。フィルタ1は、その両端を把持手段9により把持され、把持手段9を介して加振機9aにより振動が与えられる。フィルタ洗浄装置41には、フィルタ1を洗浄する洗浄ノズル21a,21bが備えられており、フィルタ1のフィルタ濾材7を洗浄する。
【0047】
洗浄ノズル21a,21bは、ライン24から供給される洗浄液、清浄水のいずれかをフィルタ濾材に吹き付け、フィルタを浄化する。洗浄ノズル21aはフィルタ1の一次側に洗浄液等を吹き付ける。洗浄ノズル21bはフィルタ二次側に洗浄液等を吹き付ける。
【0048】
上記構成のフィルタ洗浄システム40は、次の工程からなる。
予備洗浄工程:フィルタ1の粉塵を予め大方除去するためにフィルタ1の予備洗浄を行う。
洗浄工程:フィルタ1のフィルタ濾材に詰まった粉塵を除去する。
すすぎ工程:洗浄工程で洗われたフィルタ1に付着した洗剤成分及び粉塵を除去する。
【0049】
[予備洗浄工程]
粉塵が付着したフィルタ1がローラコンベア2によりフィルタ予備洗浄装置45に送り込まれ、フィルタ1に対して、一次スプレイノズル3及び二次スプレイノズル4から予備洗浄液が噴出され粉塵を前もって除去する。予備洗浄液は、例えば、予備洗浄用凝集沈殿槽42に貯留された洗浄廃水に凝集剤を投入して粉塵等を除去した再生水を利用することもできる。
予備洗浄工程のフィルタ予備洗浄装置45を洗浄工程のフィルタ洗浄装置41から独立して設けることにより、予備洗浄工程における粉塵除去効率を高めるとともに、洗浄工程におけるフィルタ1から離脱した粉塵の再付着を防止することができる。
【0050】
[洗浄工程]
予備洗浄されたフィルタ1がフィルタ洗浄装置41に運ばれ、把持手段9により固定される。フィルタ1は、洗浄槽8の洗浄液の中に浸漬される。洗浄液は、洗浄ノズル21a,21bから噴出され、フィルタ1に付着している粉塵を除去する。洗浄液には、洗剤成分が含まれ、例えばリン系の洗剤とすることができる。このときフィルタ1には、加振機9aにより振動が与えられる。
【0051】
洗浄液は洗浄槽8底部から引き抜かれ、ライン28に設けられたストレーナ12において洗浄液中の粉塵が除去され、再び洗浄ノズル21a,21bから噴出される。また、洗浄液は沈殿槽44に貯留し、膜分離装置43を通して再生した洗浄液とし、ライン25から再び洗浄ノズル21a,21bから噴出することもできる。この膜分離装置は、洗浄液に含まれた粉塵を完全除去し、水とコスト高となる洗剤を回収、再利用するものである。
【0052】
[すすぎ工程]
すすぎ用の清浄水はライン24から供給される。洗浄槽8の洗浄液は、洗浄槽底部から排出される。洗浄液の排出の終わった洗浄槽8において、フィルタ1に清浄水が洗浄ノズル21a,21bから噴出され、すすぎ洗いされる。すすぎ洗いにおいて使用した水は、沈殿槽44に貯留して、膜分離装置を経由し、次のフィルタの洗浄工程で再利用することができる。
【0053】
フィルタ洗浄システム40のライン22には、ライン24から供給される清浄水を送出するポンプ31、ライン28から供給される洗浄液を送出するポンプ32が備えられている。ライン25には膜分離装置43を経た洗浄液を送出するポンプ33が備えられている。ライン38には、予備洗浄用凝集沈殿槽42の予備洗浄液を送出するポンプ35が備えられている。
【0054】
以下、上記各実施形態の構成装置について、さらに詳しく説明する。
第二実施形態に示されたフィルタ予備洗浄装置45について説明する。図8には、フィルタ予備洗浄装置45のノズル部が示されている。
【0055】
フィルタ予備洗浄装置45には、被洗浄物であるフィルタ1を搬送するローラコンベア2と、そのローラコンベア2の下方に一次スプレイノズル3と、ロールコンベア2の上方に二次スプレイノズル4とが設置されている。ローラコンベア2は、ローラコンベアベルト2aとローラ2bとでフィルタ1を洗浄部に送り、洗浄部におけるローラコンベアは下方の一次スプレイノズル3から噴出された高圧水を通す隙間構造を有している。
【0056】
一次スプレイノズル3と二次スプレイノズル4は、ローラコンベア2及びフィルタ1を挟む状態で配置されている。一次スプレイノズル3の各ノズル(噴射位置)3aと、二次スプレイノズル4の各ノズル(噴射位置)4aは、鉛直方向における同一直線上に配置されておらず、互い違いに位置ずれして配置されていることが好ましい。これにより、フィルタがプリーツ状とされた場合やフィルタを静止した状態で洗浄する場合であっても、一次スプレイノズル3及び二次スプレイノズル4の各ノズル3a,4aがプリーツの谷近傍に対向できるようになり、プリーツの奥行きまで効果的に洗浄できるからである。
または、一次スプレイノズル3及び二次スプレイノズル4のうち、両端に位置するノズルが内側を向いている構成(例えば図1(b)参照)とすれば、洗浄水を無駄なく用いることができる。また、フィルターがプリーツ状の場合、各ノズルの噴射水流波形は、平面的な扇形であることが、プリーツの奥行きまで効果的に洗浄でき、好ましい。
【0057】
一次スプレイノズル3は約0.5〜1.0MPaの高圧水を噴出し、フィルタ一次側5に付着した粉塵を除去する。二次スプレイノズル4は約0.2〜0.5MPaの高圧水を噴出し、フィルタ二次側6に付着した粉塵を除去する。ここで、フィルタ一次側5とはフィルタへの流体の流入側、フィルタ二次側6とはフィルタへの流体の流出側をいう。
【0058】
一次スプレイノズル3の高圧水を相対的に強くし、二次スプレイノズル4の高圧水を相対的に弱くすることで、2次側の弱い濾材繊維を保護しつつ、フィルタの1次側に多く付着している粉塵を効率的に除去できる。
【0059】
図8に示したように、スプレイノズル3,4のノズル角を固定することとすれば、装置構成が簡便となり安価に提供することができる。
一方、図1のように、一次スプレイノズル3及び二次スプレイノズル4の各ノズルの角度を可変としてもよい。ここで、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。このようにノズル角度を可変とすることにより、ローラコンベア2の移動が低速で行われる場合であっても、あるいは、ローラコンベア2を静止させた状態であっても、フィルタ濾材7の各所を満遍なく洗浄することができる。
ノズルの向きとノズルの噴出強さは、例えば次のように制御することができる。図1(b)に示すように、一次スプレイノズル3及び二次スプレイノズル4は、それぞれ、一のノズル取り付け配管52に固定されている。ノズル取り付け配管52をその軸線周りに回転させることにより、ノズルの向き変更される。ノズル取り付け配管52の角度とともに水供給用弁(図示しない)を調節すれば、可変抵抗器(図示しない)とノズルの角度を連動させることができ、可変抵抗器からの信号を電磁弁の制御に適用し、水流を調節することができる。
【0060】
図2には、上述のようにジグザグ状に折り曲げられたフィルタ濾材7に対する洗浄水の噴射例が示されている。フィルタ一次側の一次スプレイノズル3に近い部分5aを洗浄するときには、一次スプレイノズル3の高圧水の圧力を小さく設定し、フィルタ一次側の奥まった部分5bを洗浄するときには、一次スプレイノズル3の高圧水の圧力を大きく設定することにより、フィルタ濾材7にダメージを与えることなくフィルタ濾材7を洗浄することができる。
【0061】
このような構成・制御により、ノズルの角度に応じて水圧を変化させ、粉塵を除去する効率を高めることができ、フィルタ1の隙間に入った粉塵を漏れなく除去することができる。また予備洗浄装置には、一次スプレイノズル3と二次スプレイノズル4とがそれぞれ複数本設置され、フィルタ全体をもれなく洗浄することができる。
【0062】
フィルタ予備洗浄装置45には、凝集剤供給手段(図示しない)が供えられ、予備洗浄で用いられた水は、PAC(ポリ塩化アルミ)、ミョウバン、塩化鉄などの凝集剤で粉塵を沈殿させた後、再び予備洗浄として使用することができる。
【0063】
以下に第一実施形態、第二実施形態に用いられて好適なフィルタ洗浄装置41について説明する。図3には、フィルタ洗浄装置41が示されている。
【0064】
フィルタ洗浄装置41は、内部に洗浄液10が満たされた洗浄槽8、フィルタ1を把持する把持手段9が備えられている。把持手段9はフィルタ1の両側からフィルタ1を把持して、洗浄槽8の洗浄液10にフィルタ1を浸し、フィルタ1に対して水平方向(図示した矢印の方向)に振動を与える。このときフィルタに与える振動は、フィルタの固有振動数を基準にして定める。フィルタのサイズによって異なるが600(W)×600(H)×300(D)mmのフィルタであれば、把持手段は約10数Hz程度の振動を与えることが好ましい。
【0065】
フィルタ1を洗浄液10中で振動させることにより、付着した粉塵を除去して、フィルタを満遍なく洗浄することができる。洗浄液10は、例えばリン酸系の石鹸とすることができる。超音波による洗浄と比較して、定常波の疎密がなく安定した洗浄性能を有する。またフィルタの損傷を減少させることができる。
【0066】
図4には、洗浄液を再利用するフィルタ洗浄装置41が示されている。
フィルタ洗浄装置41は、内部に洗浄液10が満たされた洗浄槽8、フィルタ1を把持する把持手段9が備えられている。洗浄槽8の下部から循環配管11を引き出し、循環配管11には、ポンプ13と、洗浄液10に混入した粉塵を除去するストレーナ12が設けられている。
【0067】
フィルタ洗浄時にフィルタから離脱した粉塵が洗浄液10に混入し、粉塵が混入した洗浄液10は、循環配管11からストレーナ12に引き抜かれ、ストレーナ12により粉塵が除去され、ポンプ13により洗浄槽8に循環配管端14から再び戻される。
【0068】
洗浄液10に混入した粉塵を除去することにより、フィルタ1へ粉塵の再付着を抑制することができ、洗浄効率を高めることができる。また、洗浄液10を連続的に浄化することで、洗浄液10を再利用し洗浄液の消費量を低減することができる。
【0069】
図5には、洗浄液を再利用するフィルタ洗浄装置41が示されている。
フィルタ洗浄装置41は、内部に洗浄液10が満たされた洗浄槽8、フィルタ1を把持する把持手段9が備えられ、洗浄槽8の下部から循環配管11を引き出し、循環配管11には、ポンプ13と、洗浄液10に混入した粉塵を除去するストレーナ12が設けられている。浄化された洗浄液10は、フィルタ1のフィルタ濾材7近傍に設けられた循環配管端14aから、洗浄槽8に戻される。
【0070】
循環配管端14aは、ミニプリーツ状に加工されたフィルタ濾材7の近傍で洗浄液10aを噴出するので、フィルタ濾材7の周辺の洗浄液10を動かすことができ、フィルタ濾材7に付着している粉塵を除去し、洗浄効率を高めることができる。
【0071】
循環配管端14aを複数本設けてフィルタ濾材7を洗浄してもよく、また一本の循環配管端14aを可動式としてフィルタ濾材7を洗浄してもよい。循環配管端14aの先端を複数のノズルを備えた形状とすることで、更に洗浄効率を高めることができる。洗浄後の付着粉塵除去率は、予備洗浄なしの場合、70%であり、予備洗浄を行った場合、92%となった。但し、付着粉塵除去率は、粉塵付着フィルタの重量から未使用のフィルタ重量を差し引いたものがトータルの付着粉塵量であり、トータルの付着粉塵量が全て除去された場合を100%の付着粉塵除去率とする。
【0072】
図6には、すすぎ機能付き洗浄液再利用型とされたフィルタ洗浄装置41が示されている。
フィルタ洗浄装置は、内部に洗浄液10が満たされた洗浄槽8、フィルタ1を把持する把持手段9が備えられ、洗浄槽8の下部から循環配管11を引き出し、循環配管11には、ポンプ13と、洗浄液10に混入した粉塵を除去するストレーナ12が設けられている。洗浄槽8上部には洗浄槽8に浄化された洗浄液10を戻す循環配管端14が設けられている。
【0073】
循環配管11の途中には、清浄水ライン15が設けられている。清浄水ライン15にはバルブ16が設けられていて、投入する清浄水量を調節する。洗浄槽8には洗浄液排出口(図示せず。)が設けられている。
【0074】
清浄水ライン15及び洗浄液排出口を設けることにより、洗浄時にも洗浄液10を交換することができる。また、洗浄液排出口から洗浄液10を排出し、清浄水ラインから水を供給することにより、洗浄槽8の中でフィルタ1をすすぎ洗いすることができる。
【0075】
図7には、洗剤再利用型フィルタ洗浄装置41が示されている。
フィルタ洗浄装置は、内部に洗浄液10が満たされた洗浄槽8と、フィルタ1を把持する把持手段9と、洗浄槽8の下部から引き出された循環配管11と、洗浄槽8上部に浄化された洗浄液10を戻す循環配管端14とが設けられている。循環配管11には、ポンプ13と、洗浄液10に混入した粉塵を除去するストレーナ12と、濾過膜17と、バイパスライン18と、洗剤センサ19とが設けられている。
【0076】
濾過膜17により、循環配管11の洗浄液10に含まれるコスト高となる洗剤成分を回収して再利用することができる。また、洗剤センサ19により粉塵の影響を受けずに循環配管11の洗剤濃度を監視することできる。さらに、洗浄液10の濃度を所望の値に設定すべく、バイパスライン18から洗剤を無駄なく供給して、洗浄液10の洗剤濃度を調整することができる。なお、洗剤センサは、循環配管11に設ける他に洗浄槽8に設けてもよい。また、洗浄槽8の洗剤濃度を調整することができる。
【0077】
すすぎ装置46は、図8に示すように、フィルタ予備洗浄装置45と同様の構成とすることができる。すなわち、すすぎ装置46は、シャワー20及びローラコンベア21を備えている。シャワー20は、フィルタ1の上方に設けられ、フィルタ二次側6からフィルタ濾材7に向かって水を吹きかける。洗浄が終わったフィルタ1に対して、一方向から水を吹き付ける流水とする。係る構成によりフィルタ狭隘部に残留しやすい洗剤もすすぐことができる。また、フィルタ1の下方にもシャワー20を設けることができる。すすぎ排水は、洗浄液10として利用することができる。洗浄されたフィルタ1は、乾燥機に送られる。
なお、すすぎ装置は、洗浄槽8においてすすぎが行われる場合は、フィルタ洗浄システムに別装置として配置しなくてもよく、この場合には、ローラコンベアはなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係るフィルタ予備洗浄装置のノズル部を示す図である。
【図2】本発明に係るフィルタ予備洗浄装置の一次スプレイノズルの拡大図である。
【図3】本発明に係るフィルタ洗浄装置を示す図である。
【図4】本発明に係る洗浄液を再利用するフィルタ洗浄装置を示す図である。
【図5】本発明に係る洗浄液を再利用するフィルタ洗浄装置を示す図である。
【図6】本発明に係るすすぎ機能付き洗浄液再利用型洗浄装置を示す図である。
【図7】本発明に係る洗剤再利用型フィルタ洗浄装置を示す図である。
【図8】本発明に係るフィルタ予備洗浄装置またはすすぎ装置を示す図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係るフィルタ洗浄システムを示す図である。
【図10】本発明の第二実施形態に係るフィルタ洗浄システムを示す図である。
【図11】噴出する流体の圧力と、フィルタの性能・洗浄効率・フィルタの健全性を示すグラフである。
【図12】本発明に係るフィルタ洗浄システムにおいて洗浄されるフィルタの示す図である。
【図13】フィルタ濾材の断面構造を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 フィルタ
2 ローラコンベア
2a ローラコンベアベルト
2b ローラ
3 一次スプレイノズル
4 二次スプレイノズル
5 フィルタ一次側
5a フィルタ一次側のノズルに近い部分
5b フィルタ一次側の奥まった部分
6 フィルタ二次側
7 フィルタ濾材
8 洗浄槽
9 把持手段
9a 加振機
10 洗浄液
11 循環配管
12 ストレーナ
13 ポンプ
14 循環配管端
14a 循環配管端
15 清浄水ライン
16 バルブ
17 濾過膜
18 バイパスライン
19 洗剤センサ
20 シャワー
21 洗浄ノズル
21a 洗浄ノズル
21b 洗浄ノズル
36 廃水トレイ
40 フィルタ洗浄システム
41 フィルタ洗浄装置
42 予備洗浄用凝集沈殿槽
43 膜分離装置
44 沈殿槽
45 フィルタ予備洗浄装置
46 すすぎ装置
50 フィルタ素材濾材
51 フィルタ枠
52 ノズル取り付け配管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵が付着したフィルタを搬送する搬送手段と、前記フィルタの片面から流体を噴出して前記フィルタの気体流入側の粉塵を除去する一次スプレイノズルと、前記一次スプレイノズルに対向して配置され、流体を噴出して前記フィルタの気体流出側の粉塵を除去する二次スプレイノズルとを備えたフィルタ粉塵除去装置。
【請求項2】
前記一次スプレイノズルおよび前記二次スプレイノズルのノズル角度が可変である請求項1に記載のフィルタ粉塵除去装置。
【請求項3】
前記一次スプレイノズル及び/又は前記二次スプレイノズルはフィルタ濾材との距離が近い場合には、流体の噴出圧力を低下させ、フィルタ濾材との距離が遠い場合には、流体の噴出圧力を高める請求項2に記載のフィルタ粉塵除去装置。
【請求項4】
前記一次スプレイノズルまたは前記二次スプレイノズルのいずれか一方が、もう一方よりも流体噴出圧力が高く設定されている請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のフィルタ粉塵除去装置。
【請求項5】
粉塵が付着したフィルタを把持する把持手段と、
前記把持手段を介して前記フィルタに振動を加える加振機と、
前記フィルタを洗浄液に浸漬させる洗浄槽と、
を備えたフィルタ洗浄装置であって、
前記洗浄槽内で前記フィルタ把持手段を介して前記加振機から振動を加えることによって前記フィルタから粉塵を除去するフィルタ洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄槽に設けられた洗浄液取り出し口と、前記洗浄液取り出し口から取り出した洗浄液を前記洗浄槽に循環させる循環配管とを備え、
前記循環配管には、前記洗浄液中の離脱粉塵を除去するストレーナが設けられている請求項5に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項7】
前記循環配管に清浄水供給口を備え、前記清浄水供給口から導入された清浄水を用いて前記フィルタを前記洗浄槽ですすぎ洗いする請求項6に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項8】
前記循環配管に洗浄液中の前記ストレーナで除去されない粉塵を分離する濾過手段と、洗浄液中の洗剤濃度の監視を行う洗剤濃度監視手段とを備えた請求項6又は7に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項9】
粉塵が付着したフィルタを把持する把持手段と、前記把持手段を介して前記フィルタに振動を加える加振機と、前記フィルタに流体を噴出して粉塵を除去する洗浄ノズルとを備えた洗浄槽と、
予備洗浄で用いた予備洗浄液の廃水を貯留する予備洗浄用凝集沈殿槽と、
洗浄で用いた洗浄液の廃水又はすすぎで用いた清浄水の廃水を貯留する沈殿槽と、
前記沈殿槽の廃水を濾過する膜分離装置とを備えたフィルタ洗浄システムであって、
前記洗浄槽において予備洗浄を行い粉塵を除去し、離脱した粉塵を含有する予備洗浄廃水を前記予備洗浄用凝集沈殿槽に貯留し、前記予備洗浄廃水に凝集沈殿剤を加えて粉塵を沈殿させて上澄み液を洗浄液として再利用し、
又は、前記洗浄槽において洗浄又はすすぎを行い粉塵を除去し、離脱した粉塵を含有する前記洗浄槽の廃液を前記沈殿槽に貯留し、貯留した前記廃液を前記膜分離手段により濾過して洗浄液として再利用し、
予備洗浄、洗浄およびすすぎを一の洗浄槽で行うフィルタ洗浄システム。
【請求項10】
粉塵が付着したフィルタを搬送する搬送手段と、前記フィルタの片面から前記フィルタの気体流入側の粉塵を流体を噴出して除去する一次スプレイノズルと、前記一次スプレイノズルに対向して配置され、流体を噴出して前記フィルタの気体流出側の粉塵を除去する二次スプレイノズルとを備えたフィルタ予備洗浄手段と、
前記フィルタ予備洗浄手段で予備洗浄されたフィルタを洗浄及びすすぎを行うフィルタ洗浄装置と、
前記フィルタ予備洗浄手段から発生する廃水を貯留する予備洗浄用凝集沈殿槽と、
前記フィルタ洗浄装置から発生する廃水を貯留する沈殿槽と、
前記沈殿槽の廃水を濾過する膜分離装置とを備えたフィルタ洗浄システムであって、
前記予備洗浄手段で離脱した粉塵を含有する予備洗浄廃水を前記予備洗浄用凝集沈殿槽に貯留し、前記予備洗浄廃水に凝集沈殿剤を加えて粉塵を沈殿させて上澄み液を洗浄液として再利用し、
及び/又は、前記洗浄槽において粉塵を除去して離脱した粉塵を含有する洗浄廃液を前記沈殿槽に貯留し、貯留した前記洗浄廃液を前記膜分離手段により濾過して洗浄液として再利用し、予備洗浄、洗浄およびすすぎを行うフィルタ洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−307492(P2007−307492A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139840(P2006−139840)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】