説明

フィルタ装置

【課題】接続部材と溶着されるベース部から交差する方向に間隔形成用骨部を設けたときに、溶着作業がしやすいフィルタ装置を得る。
【解決手段】フィルタ材30の内部に配置される間隔形成部材32は、燃料Lが通過する円形状の孔部36Aが形成されたベース部36と、このベース部36に対して傾斜する方向に延びた間隔形成用骨部38と、を備えている。ベース部36の孔部36Aの周囲には、超音波溶着用のホーン50が当接される平面部36Bが形成されており、ベース部36はコネクタ34と溶着により接合される。間隔形成用骨部38は、ベース部36に沿った断面が略U字状に形成されており、間隔形成用骨部38の長さ方向に沿って開口39が形成されている。ホーン50が平面部36Bに当接されたときに、間隔形成用骨部38の開口39にホーン50が挿通され、ホーン50と間隔形成用骨部38が干渉しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や二輪自動車などの燃料タンク内にある燃料の吸込み口に取り付けられるフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や二輪自動車などの燃料タンク内の燃料は、燃料ポンプによって、エンジンルームへ送出されるようになっているが、該燃料ポンプの吸込み口には燃料タンク内の燃料をろ過するフィルタ装置が設けられている。
【0003】
下記特許文献1に記載の燃料用フィルタ装置には、フィルタ体の内部に配置される間隔形成部材に、間隔形成部材の長手方向に沿って間隔形成部材とコネクタとをフィルタ体の貫通孔を通じて接合させる接合部が設けられており、間隔形成部材には、接合部の下部に間隔形成用突起が設けられている。この構成では、間隔形成用突起の先端部に溶着用の治工具を当接させて、間隔形成部材とコネクタとを間隔形成用突起の略直上位置で溶着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−62912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1では、間隔形成部材とコネクタとをフィルタ体の貫通孔を通じて接合させる接合部の下部に溶着用の治工具が当接される間隔形成用突起を設けるため、接合部の位置や間隔形成部材の形状が制限されてしまい、改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記問題を考慮して、接続部材と溶着されるベース部から交差する方向に間隔形成用骨部を設けたときに、溶着作業がしやすいフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係るフィルタ装置は、袋状のろ材で形成されたフィルタ材と、前記フィルタ材の内部に設けられ、前記フィルタ材の内部に空間を形成する間隔形成部材と、前記フィルタ材の内部と外部とを連通する流路部を備え、燃料の吸込み口に取り付けられる接続部材と、を有し、前記間隔形成部材は、前記流路部と連通する孔部が形成され、前記フィルタ材を間に挟んで前記接続部材に溶着されるベース部と、前記ベース部の平面部から前記平面部と交差する方向に延びると共に、前記平面部に溶着用の治工具が当接されたときに干渉しない間隔形成用骨部と、を有するものである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、間隔形成部材は、接続部材の流路部と連通する孔部が形成されたベース部を備えており、ベース部の平面部から当該平面部と交差する方向に間隔形成用骨部が延びている。隔形成用骨部は、ベース部の平面部に溶着用の治工具が当接されたときに、治工具と干渉しない。このため、ベース部と接続部材とをフィルタ材を間に挟んで溶着する際に間隔形成用骨部が邪魔にならず、溶着作業がしやすい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフィルタ装置において、前記間隔形成用骨部は、前記ベース部から長手方向に延びる縦骨部と、前記縦骨部と交差して前記縦骨部を繋ぐ横骨部と、を備え、前記治工具は前記横骨部のない縦骨部の間から挿入されるものである。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、溶着用の治工具は、間隔形成用骨部の横骨部のない縦骨部の間から挿入されるため、ベース部の平面部に溶着用の治工具が当接されたときに、溶着用の治工具が間隔形成用骨部と干渉しない。このため、ベース部と接続部材とをフィルタ材を間に挟んで溶着する際に溶着作業がしやすい。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフィルタ装置において、前記間隔形成用骨部は、前記ベース部に対して前記孔部の上方側を避ける方向に傾斜しているものである。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、間隔形成用骨部がベース部に対して孔部の上方側を避ける方向に傾斜しており、ベース部の平面部に溶着用の治工具が当接されたときに、溶着用の治工具が間隔形成用骨部と干渉することが阻止される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のフィルタ装置において、前記間隔形成用骨部は、平面視したとき、前記ベース部から離れるに従って巾が狭くなっているものである。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、間隔形成用骨部は、平面視したとき、ベース部から離れるに従って巾が狭くなっていても、ベース部の平面部に溶着用の治工具が当接されたときに、溶着用の治工具が間隔形成用骨部と干渉することが阻止される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のフィルタ装置において、前記間隔形成用骨部は、前記平面部に沿った断面が略U字状に形成されているものである。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、間隔形成用骨部は、平面部に沿った断面が略U字状に形成されており、略U字状の間隔形成用骨部の間から溶着用の治工具を挿入することで、ベース部の平面部に治工具が当接されたときに、治工具が間隔形成用骨部と干渉することが阻止される。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のフィルタ装置において、前記接続部材と前記ベース部は袋状の前記フィルタ材の側部を挟んで溶着されているものである。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、接続部材とベース部が袋状のフィルタ材の側部を挟んで溶着されている構成でも、溶着用の治工具が間隔形成用骨部と干渉することが阻止され、ベース部と接続部材を溶着するときの作業性が良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記構成としたので、接続部材と溶着されるベース部から交差する方向に間隔形成用骨部を設けたときに、溶着用の治工具が間隔形成用骨部と干渉せず、溶着作業がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置を備えた燃料タンクを示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置を別の方向から見た斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置に用いられる間隔形成部材を示す構成図であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置に用いられるコネクタを示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の間隔形成部材とコネクタとを溶着した状態を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の間隔形成部材とコネクタとを溶着する工程を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置の間隔形成部材とコネクタとを溶着する工程を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るフィルタ装置のフィルタ材を袋状に形成する工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の一実施形態に係るフィルタ装置について説明する。
【0022】
図1には、フィルタ装置10が用いられる燃料タンク12が断面図にて示されている。この図に示されるように、車両などに備えられる燃料タンク12内には、チャンバー14が配設されており、このチャンバー14の上部に設けられた支持プレート16には、燃料ポンプ18が傾斜した状態で固定されている。燃料ポンプ18の吐出口20には、供給パイプ22が接続され、図示しないエンジンルームへ燃料を供給するようになっている。また、供給パイプ22の上部は、燃料タンク12の上面に形成された取付部材24に固定されている。
【0023】
燃料ポンプ18の吸込み口26には、フィルタ装置10の後述するコネクタ34が接続されている。これによって、燃料ポンプ18が駆動されると、燃料タンク12内の燃料Lが吸引されてフィルタ装置10でろ過された後、コネクタ34から燃料ポンプ18、供給パイプ22を介して、エンジンルームへ送出されるようになっている。
【0024】
図2及び図3に示されるように、フィルタ装置10は、ろ材からなり袋状とされたフィルタ材30と、このフィルタ材30の内部に設けられた樹脂製の間隔形成部材32と、フィルタ材30の外側に取り付けられてフィルタ材30の内部と外部とを連通する接続部材としてのコネクタ34と、を備えている。
【0025】
間隔形成部材32は、袋状のフィルタ材30の内部に空間を形成するために配設されるものである。図4(A)〜(C)に示されるように、間隔形成部材32は、燃料Lが通過する円形状の孔部36Aが形成されたベース部36と、このベース部36に対して傾斜する方向(矢印Aに示す長さ方向)に延びた間隔形成用骨部38と、を備えている。
【0026】
ベース部36の孔部36Aの周囲には、平面部36Bが形成されており、この平面部36Bに孔部36Aから一定間隔を空けて間隔形成用骨部38が立設されている。この平面部36Bは、ベース部36とコネクタ34とを溶着するための溶着用の治工具の一例としての超音波溶着用のホーン50が当接される当接面となっている(図7参照)。
【0027】
間隔形成用骨部38は、ベース部36の孔部36Aを囲むようにベース部36(平面部36B)に沿った方向の断面が略U字状に形成されており、間隔形成用骨部38の長さ方向に沿って開口39が形成されている。また、間隔形成用骨部38には、ベース部36(平面部36B)に対して孔部36Aの上方側を避ける方向に傾斜している。言い換えると、間隔形成用骨部38は、ベース部36に対して傾斜する長さ方向(矢印A方向)に延びると共に、平面部36Bに沿った方向(矢印B方向)に延びており、間隔形成用骨部38におけるベース部36の孔部36A側に開口39が形成されている。間隔形成用骨部38の開口39は、平面部36Bに略円柱状のホーン50の先端部50Aが当接されたときに、ホーン50が開口39を挿通可能な位置に形成されている。これによって、ホーン50の長手方向の側面部50Bが間隔形成用骨部38と干渉しないようになっている。なお、ホーン50は細い部分が長い低振幅のホーンが用いられている。
【0028】
図2〜図4に示されるように、間隔形成用骨部38は、より具体的には、ベース部36に対して傾斜する長さ方向(矢印A方向)に配置された複数(本実施形態では4本)の縦骨部38Aと、縦骨部38Aと直交する方向に所定の間隔で配置されて縦骨部38Aを繋ぐ複数(本実施形態では5本)の横骨部38Bと、を備えており、縦骨部38Aと横骨部38Bとで囲まれた位置に開口部38Cが形成されている。これによって、フィルタ材30でろ過された燃料が、間隔形成用骨部38の複数の開口部38Cを通過可能となっている。また、間隔形成用骨部38の横骨部38Bがない縦骨部38Aの間が、間隔形成用骨部38の長さ方向に沿った開口39となっている。また、間隔形成用骨部38は、ベース部36から離れるに従って巾が狭くなる(間隔形成用骨部38の長さ方向の先端にいくに従って細くなる)ように形成されている。
【0029】
図6に示されるように、ベース部36の平面部36Bと反対側は、コネクタ34と接合される接合部36Cとなっており、この接合部36Cには、孔部36Aの周囲に環状の凹部40、42が形成されている。
【0030】
図5及び図6に示されるように、コネクタ34は、燃料Lが通過する流路部34Aを備えた管状体からなり、長手方向に沿った断面が略L字状に形成されている。コネクタ34の一端部にはフランジ34Bが設けられており、フランジ34Bの上面部がベース部36の接合部36Cに接合される接合部34Cとなっている。流路部34Aの内径は、ベース部36の孔部36Aの内径とほぼ同じに形成されている。コネクタ34の他端部には、燃料ポンプ18の吸込み口26に接続される接続部34Dが設けられている。接続部34Dには、流路部34Aと連通する円形状の接続口34Eが形成されている。
【0031】
コネクタ34の接合部34Cにおける流路部34Aの周囲には、ベース部36の接合部36Cに形成された凹部40、42とそれぞれ嵌合する環状の突起44、46が設けられている。なお、ベース部36の凹部42とコネクタ34の突起44とはフィルタ材30を介在した状態で嵌合している。ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとは、後述するホーン50を用いた超音波溶着により溶着されている。
【0032】
図6に示されるように、フィルタ材30は、ベース部36の孔部36A及びコネクタ34の流路部34Aと連通する貫通孔30Cを備えている。すなわち、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとは、半径方向の一部にフィルタ材30の貫通孔30Cの周縁部を挟んで溶着により一体化されている。図2及び図3に示されるように、フィルタ材30は、ベース部36の両側で2つに折り曲げられて、間隔形成用骨部38の周囲でフィルタ材30の上面部30Aと下面部30B(図9参照)が重ねられている。そして、間隔形成用骨部38の周囲におけるフィルタ材30の上面部30Aと下面部30Bの3方の外縁部が溶着されることで、フィルタ材30が袋状に形成されている。フィルタ材30は、平面視にて間隔形成用骨部38の先端側が先細りとされた略台形状に形成されている。
【0033】
なお、フィルタ材30を構成するろ材としては、例えば、合成樹脂製のメッシュ、織物、編物、不織布のシート状のものが用いられる。また、これらのシート状のろ材の一種以上を二枚以上重ね合わせたものなどが用いられる。
【0034】
本実施形態のフィルタ装置10では、間隔形成用骨部38の長さ方向(矢印A方向)の端部側であって、平面視にて間隔形成用骨部38の周囲に配置された袋状のフィルタ材30の長手方向の側部(フィルタ材30の上面部30Aに対して側方)にコネクタ34が取り付けられている。
【0035】
図6に示されるように、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとが溶着によって一体化された状態では、フィルタ材30の貫通孔30Cを介してベース部36の孔部36Aとコネクタ34の流路部34Aが連通し、孔部36A内及び流路部34A内を燃料が通過可能となる。そして、フィルタ材30によってろ過された燃料が孔部36A及び流路部34Aを通じて吸込み口26から燃料ポンプ18へ吸い込まれるようになっている(図1参照)。
【0036】
次に、本実施形態のフィルタ装置10の作用について説明する。
【0037】
図7に示されるように、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとを溶着によって接合する際には、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとの間に略長方形状のフィルム状のフィルタ材30を介在させると共に、ベース部36の孔部36Aとフィルタ材30の貫通孔30Cとコネクタ34の流路部34Aの位置を合わせる(図6参照)。そして、ベース部36の凹部40、42とコネクタ34の突起44、46とをそれぞれ嵌合させてベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cの位置がずれないようにする。このとき、ベース部36の凹部42とコネクタ34の突起46との間には、フィルタ材30が介在されている。
【0038】
この状態で、図7及び図8に示されるように、略円柱状のホーン50の先端部50Aをベース部36の平面部36Bに当接させる。このとき、ホーン50の側面部50B側は、間隔形成用骨部38の開口39に挿通され、ホーン50の側面部50Bと間隔形成用骨部38とが干渉することがない。さらに、コネクタ34のフランジ34Bの下方側には、アンビル52に設けられた二股状の先端部52Aが差し込まれ、フランジ34Bの下面部に当接される。この状態で、図6に示されるように、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cが超音波溶着により溶着され、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとが一体化される。
【0039】
その後、図9に示されるように、長方形状のフィルタ材30は、ベース部36の両側で折り曲げられ、フィルタ材30の一端部側の上面部30Aと、フィルタ材30の他端部側の下面部30Bとが重ねられる。さらに、間隔形成用骨部38の周囲でフィルタ材30の上面部30Aと下面部30Bとが平面視にて先端が先細りとなる略U字状に溶着され、フィルタ材30が溶着された外縁部でカッティングされて形が整えられることで、フィルタ装置10が完成する。
【0040】
このフィルタ装置10では、ベース部36の孔部36Aとコネクタ34の流路部34Aがフィルタ材30の貫通孔30Cを介して連通しており、フィルタ材30でろ過された燃料は、間隔形成用骨部38の複数の開口部38Cを通過してベース部36の孔部36A及びコネクタ34の流路部34Aを通過する。そして、コネクタ34の流路部34Aから吸込み口26を通じて燃料ポンプ18へ吸い込まれる(図1参照)。
【0041】
このようなフィルタ装置10では、ホーン50の先端部50Aをベース部36の平面部36Bに当接させたときに、ホーン50の側面部50B側が間隔形成用骨部38の開口39に挿通され、ホーン50の側面部50Bと間隔形成用骨部38とが干渉することがない。このため、ベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cとを溶着する溶着作業時に間隔形成用骨部38が邪魔にならず、作業性が良い。
【0042】
また、間隔形成用骨部38がベース部36から離れるに従って巾が狭くなるような形状でも、間隔形成用骨部38に長さ方向に沿って横骨部38Bがない開口39を設けることで、ホーン50と間隔形成用骨部38とが干渉することをより効果的に阻止することができる。
【0043】
また、このフィルタ装置10では、間隔形成部材32とコネクタ34をインサート成形で形成しないため、不織布を金型上に強く押す押し切り部がなくなり、有効ろ過面積のロスが少なくなり、同じ投影面積なら小型化が可能になる。また、クリーンルームでフィルタ装置10を組み立てることが可能になり、異物の付着などが低減され、クリーン度が高くなる。
【0044】
なお、本実施形態では、間隔形成用骨部38は、平面部36Bに沿った方向(矢印B方向)の断面が略U字状に形成されているが、これに限定されず、間隔形成用骨部38は他の形状に変更してもよい。例えば、間隔形成用骨部は、平面部36Bに沿った方向(矢印B方向)の断面が略「コ」字状、略V字状でもよく、また、二つの板状部材をほぼ平行又は略「ハ」の字状に配置した構成でもよい。すなわち、間隔形成用骨部は、ベース部36と交差する長さ方向に沿って、溶着用の治工具を挿入する挿入部を設け、溶着用の治工具との干渉を阻止する構成であればよい。
【0045】
また、本実施形態では、間隔形成用骨部38は、ベース部36に対して孔部36Aの上方側を避ける方向に傾斜するように形成されているが、これに限定されず、ベース部36に対して他の方向に交差するように間隔形成用骨部に設けてもよい。また、ベース部36に対して直交する方向に間隔形成用骨部を設けてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、間隔形成用骨部38は、ベース部36から離れるに従って巾が狭くなる(先端が細くなる)ように形成されているが、これに限定されず、間隔形成用骨部の長さ方向(矢印A方向)の外形がほぼ同じ大きさに形成された構成や、先端側が太くなるように形成された構成でもよい。
【0047】
なお、本実施形態では、平面部36Bに超音波溶着用のホーン50を当接してベース部36の接合部36Cとコネクタ34の接合部34Cを溶着したが、超音波溶着に限定されず、例えば、高周波溶着、振動溶着、レーザ溶着、スピン溶着などの治工具を平面部36Bに当接させて溶着してもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 フィルタ装置
12 燃料タンク
18 燃料ポンプ
26 吸込み口
30 フィルタ材
30C 貫通孔
32 間隔形成部材
34 コネクタ(接続部材)
34C 接合部
36 ベース部
36A 孔部
36B 平面部
36C 接合部
38 間隔形成用骨部
39 開口
50 ホーン(溶着用の治工具)
52 アンビル(溶着用の治工具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状のろ材で形成されたフィルタ材と、
前記フィルタ材の内部に設けられ、前記フィルタ材の内部に空間を形成する間隔形成部材と、
前記フィルタ材の内部と外部とを連通する流路部を備え、燃料の吸込み口に取り付けられる接続部材と、を有し、
前記間隔形成部材は、
前記流路部と連通する孔部が形成され、前記フィルタ材を間に挟んで前記接続部材に溶着されるベース部と、
前記ベース部の平面部から前記平面部と交差する方向に延びると共に、前記平面部に溶着用の治工具が当接されたときに干渉しない間隔形成用骨部と、を有するフィルタ装置。
【請求項2】
前記間隔形成用骨部は、前記ベース部から長手方向に延びる縦骨部と、前記縦骨部と交差して前記縦骨部を繋ぐ横骨部と、を備え、
前記治工具は前記横骨部のない縦骨部の間から挿入される請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記間隔形成用骨部は、前記ベース部に対して前記孔部の上方側を避ける方向に傾斜している請求項1又は請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記間隔形成用骨部は、平面視したとき、前記ベース部から離れるに従って巾が狭くなっている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記間隔形成用骨部は、前記平面部に沿った断面が略U字状に形成されている請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記接続部材と前記ベース部は袋状の前記フィルタ材の側部を挟んで溶着されている請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のフィルタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−140905(P2011−140905A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2003(P2010−2003)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】