説明

フィルタ装置

本発明は、フィルタ表面を横断する媒体流から汚染物質を吸収するのに適している少なくとも1つの有効フィルタ表面23を有する少なくとも1つのフィルタエレメント3を含む、詳細には作動油、潤滑媒体、プロセス水、表面水又は海水などの流体用のフィルタ装置において、有効フィルタ表面が、フィルタエレメント3の支持体13に被せることのできる可撓性フィルタソックス23として設計されているフィルタ装置であって、フィルタソックスの有効フィルタ表面を拡大することによって、フィルタソックス23は、フィルタエレメント3の軸方向で見た場合により長くなるように設計されており、こうして、フィルタソックス23を支持体13に被せた場合に有効フィルタ表面が折り重なって存在するようになっていることを特徴とするフィルタ装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ表面を横断する媒体流から汚染物質を吸収するのに適している少なくとも1つの有効フィルタ表面を有する少なくとも1つのフィルタエレメントを含む、詳細には作動油、潤滑媒体、プロセス水、表面水又は海水などの流体用のフィルタ装置において、有効フィルタ表面が、フィルタエレメントの支持体に被せることのできるフィルタソックスの形で具備されているフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作動媒体として流動性媒体を使用するシステム及び機械設備においては、作動信頼性は、関与する媒体の品質の完璧さによって大きく左右される。したがって、特に高性能システムにおいてそして同様に費用有効性に関係する理由からも、正常な作動条件下で発生し得るあらゆる汚染物質を除去するために、(それが気体媒体か液体であるかに関わらず)関与する媒体に適したフィルタ装置を具備することが必要である。関与する作動液に、固体粒子を含む汚染物質又はコロイド汚染物質が取込まれている場合、フィルタ装置の効率は非常に厳しい要件を満たさなくてはならない。したがって、このような利用分野向けの従来のフィルタ装置は設計が複雑である。その結果、このようなフィルタを使用するシステムは全体としてはるかに複雑になり、ひいては製造コスト及び運転コストが高くなる。
【0003】
導入部分で記述したタイプのフィルタ装置が、特許文献1から公知である。濾過すべき汚染した流体でバックフラッシュ可能なこの先行技術のバックフラッシュ装置は、フィルタカートリッジを有し、このフィルタカートリッジは、長手方向に流れが横断し得るものであり、かつ互いに対し円を形成する形でフィルタハウジング内に配置されている。これらのフィルタカートリッジは、フィルタ入口に連結されているか又は連結可能である。フラッシングを目的として、個別に又はグループの形で連結可能なこれらのフィルタカートリッジの片端部は、スラリー出口に連結されているフラッシング要素に連結され得る。各フィルタカートリッジは、星形横断面と、ファブリックホースから成る濾過手段用の支持縁部を形成する自由端部を有する6個の星形先端部とを有する支持体で構成されている。濾過手段を形成するファブリックホースは、両側が開放したソックスのように支持体の上に被せられる。濾過モードの間、フィルタカートリッジの両端部は、フィルタ入口に連結されている。
【0004】
フィルタ装置用に多少の差こそあれ円筒形の支持体を含むフィルタカートリッジが、特許文献2から公知である。さらに、支持体をとり囲むフィルタファブリック、濾液出口用にフィルタカートリッジの1つの前方端部に配置されているポート、及びもう一方の前方端部上に配置されフィルタカートリッジを封止するカバーが存在する。フィルタファブリックは、プレハブソックスとして支持体に被せられる。可能なかぎりシワの無い状態で支持体にフィルタファブリックを被せることができるように、支持体のロッドをわずかに円錐形に配置し、フィルタファブリックソックスを適切に円錐形に構成することが好都合である。らせんネジとして作用しロッドのまわりに巻回されるワイヤは、フィルタファブリックソックスとの関係において長手方向軸を中心にして支持体を回転させた場合に、円錐形ソックスが繊細に感応して拡張できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0656223号
【特許文献2】独国実用新案第7509253号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の先行技術に基づいて取組み、本発明の目的は、非常に単純な設計と高い濾過性能により極立って優れ、かつそれとは無関係にフィルタ装置に対する要件を満たしている、導入部分で記述されたタイプのフィルタ装置を提供することにある。
【0007】
この目的は、その全体的特徴が請求項1に規定されているフィルタ装置によって達成される。
【0008】
請求項1の特徴部分によると、フィルタソックスは、フィルタソックスの有効フィルタ表面を拡大することによって、フィルタエレメントの軸方向で見た場合により長くなるように設計されており、こうして、フィルタソックスをフィルタエレメントに被せた場合に有効フィルタ表面が折り重なって存在するようになっているという点において、非常にコンパクトな設計で最小限の技術的努力で高効率のフィルタ装置を実現することが可能である。有効フィルタ表面を形成し、関与する支持体に被せることができるフィルタソックスを使用することにより、同様に、生産ステップ及び組立てステップも非常に単純なものとなり、こうしてこのようなフィルタエレメントの効率の良い安価な生産が可能になる。その上、フィルタ媒体の交換に関与するステップは便利で簡単である。フィルタ表面の拡大に加えて、フィルタソックスのひだである外観は、支持体との関係におけるギャップの形成にも寄与する。
【0009】
これに関連して、支持体が、追加の濾過ステップとして追加のフィルタ表面を有すること、及び各フィルタ表面が異なるフィルタ細密度を示すことを特に有利な形で規定することができる。これらの特徴により、フィルタ組合わせの形に組合わされた同一フィルタエレメント内での2つの濾過ステップを特に有利な形で達成することが可能となり、こうして、1つのフィルタエレメント内で予備濾過と精密濾過の両方が実施できることになる。
【0010】
フィルタソックスが支持体の外部上に配置されている場合及び、このような補完されたフィルタエレメントの外側から内側へ流れが横断する場合、フィルタソックスは、粗濾過ステップを目的として支持体の追加のフィルタ表面に比べて低いフィルタ細密度を示すことができ、一方フィルタエレメントの内側から外側へ流れが横断する場合には、支持体のフィルタ表面がこのような粗濾過ステップを形成する。
【0011】
予備濾過ステップが、特に固体粒子の形をした汚染物質を捕捉するような形でフィルタ表面の細密度を適応させることができれば特に有利であり、この特徴は、予備濾過ステップにおけるフィルタ細密度がより低いものであるために流動抵抗の有意な増加という結果をもたらさず、同時に、固体粒子の直前除去のため精密濾過ステップの早尚な目詰まりの危険性も無くなる。
【0012】
好ましくは、フィルタソックスの追加のフィルタ表面は、特に濾過モード中の方向とは逆の流れ方向に媒体流が流れるバックフラッシュモード中に汚染物質がフィルタ表面からふるい落とされるような形でフィルタエレメントの支持体の外部面から予め規定可能な距離のところに配置されている。フィルタソックスは、支持体上にぴったりとはめこまれていないゆるいカバーを形成することから、バックフラッシュ作業の流れはフラッピング運動の形でのフィルタソックスの動作を生成することができ、こうしてフィルタソックスのフィルタ表面に到達した汚染物質は振り落とされることになる。この動作挙動は、少なくともバックフラッシュモード中フィルタ表面から適切な距離のところにソックスが位置設定されるような形でフィルタソックスの幅寸法が選択されるという事実により支援される。
【0013】
フィルタソックスは、フィルタエレメントの専ら末端領域において少なくともその2つの相対する端部(5,15)で、特に有利な形でシームレスフィルタファブリックとしてしっかりと固定され得る。この場合、フィルタファブリックは単層又は多重層の形で構築されており、少なくとも部分的にサテン、ツイル又はリネンファブリックとして製造されている。
【0014】
これに関連して、フィルタソックスは、ポリプロピレン、ポリエステル又は親油性材料、例えばポリオレフィンポリエステル又はコポリエステル、あるいはコーティングとしてフィルタソックス上に塗布することもできる他の非極性材料で製造され得る。その上、この場合、親水性及び/又は極性媒体もフィルタソックス構造用に使用可能である。
【0015】
フィルタエレメントは、特に有利な形で、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメントを有することができ、これは支持体とその有効フィルタ表面を形成し、かつプルオン式フィルタソックスに適合する輪郭を有する円錐形シェルの形をしている
金属又はプラスチック製の巻回形成体として形成され得るこのようなスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメントは、追加の構成要素が一切無しでフィルタソックスが被せられる1種のフィルタカートリッジの構造を形成することができる。
【0016】
配置は、支持体の有効フィルタ表面(すなわち例えばスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント)が100〜3000μmのフィルタ細密度を示し、フィルタソックスの有効フィルタ表面が10〜150μmの適切に適合されたフィルタ細密度を示すような有利な形で構成され得る。
【0017】
濾過モードの間、流れがフィルタエレメントを内部から外部へ横断する例示的実施形態の代わりに、例示的変形実施形態における配置は、フィルタエレメントが、濾過モードの間、フィルタエレメントの外部から内部のフィルタキャビティへと流れが横断し得るような形で、フィルタハウジング内に配置されているように構成され得る。
【0018】
このような例示的実施形態において、予備濾過ステップは、フィルタハウジングが渦流室を有し、かつ濾過すべき媒体流が旋回流の状態でフィルタエレメントの周囲を流れ、こうしてこの媒体流が少なくとも部分的にサイクロンを形成するような形で実施可能である。この特徴により、媒体がフィルタソックスのフィルタ表面を通過して流れる前にサイクロン作用により粒子を除去することが容易になる。
【0019】
フィルタソックスを伴うフィルタエレメントを含む発明力ある装置は、複数のフィルタエレメント配置を伴うバックフラッシュフィルタ装置内でも特に有利に使用され得、複数のフィルタエレメント配置のうちの少なくとも1つは、例えば国際公開第98/42426号に記載されている通り、バックフラッシュされ得、その間他のフィルタエレメント配置は媒体流を濾過するのに使用される。
【0020】
本発明は、図面中に描かれている例示的実施形態を用いて以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】以下で記述するフィルタ装置の例示的実施形態のためのフィルタソックスのきわめて単純化した縦断面図を概略的な形で示す。
【図2】フィルタ表面を形成し上に図1に由来するフィルタソックスが被せられたスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメントによって形成されている、支持体を伴う単一の独立したフィルタエレメントのきわめて単純化した縦断面図を概略的な形で示す。
【図3】図1及び2の場合よりも小さい縮尺で描かれたフィルタエレメントの斜視図である。
【図4】図2及び3に由来するフィルタエレメントが中に挿入された状態の、長さ方向に一部切取られたフィルタ装置の第1の例示的実施形態のきわめて単純化された斜視図を概略的な形で示す。
【図5】例示的実施形態のスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメントの壁区分の断片を示し、ここでこの断片は原寸に比例して描かれておらず、第1の例示的実施形態の動作原理を明らかにするためにむしろ拡大されている。
【図6】図5の実施形態に類似する例示的な一変形実施形態の断片を示すが、この実施形態は、その動作原理を明らかにするために概略図の形できわめて単純化されたものである。
【図7】フィルタ装置及びその中に挿入されたフィルタエレメントの第2の例示的実施形態の斜視図であるが、このフィルタエレメントには濾過モードの間外部から内部へ流れが横断でき、このフィルタエレメントは図2及び3に描かれている。この場合フィルタ装置の第2の実施形態は図4中のものと類似しているが、概略的な形できわめて単純化されており、長さ方向に一部切り取られている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず最初に、図1〜5を参照し、フィルタ装置の一実施例を用いて本発明について以下で説明するが、これらの図中、図4で参照番号1として呼称されているフィルタハウジングは、全体として参照番号3と呼称されているフィルタエレメントを含んでいる。フィルタエレメントは、いわゆるフィルタカートリッジの要領で設計されており、装置の作動時には2つの濾過ステップを形成する。この実施例では、フィルタエレメント3は、閉鎖端部5に向かってわずかに円錐形にテーパーのついた形状を示す。しかしながら、本発明は、円筒形状を示すフィルタエレメントを伴って実施することも充分可能である。図4は、フィルタハウジング1の軸方向端部にあり濾過モード中流入開口部を形成するハウジング開口部9と内部フィルタキャビティ7とが境を接するような形で、ハウジング1内に配置されているフィルタエレメント3の概略的形でのきわめて単純化された図である。側方ハウジングポート11は、濾過モード中、清浄された媒体用の出口を形成する。本明細書中に記載されているフィルタエレメント3の例示的実施形態についてのさらなる詳細は、特に図1〜3及び5の中で見られるかもしれない。フィルタキャビティ7が上端部15で閉鎖されるように円錐形支持体の形で内部フィルタキャビティ7をスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13が取り囲んでいることは明白である(図2)。スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13は、濾過モード中、図5に示された流れ方向で流れがエレメント3を横断する場合に1つの有効フィルタ表面を形成するギャップ19が巻回17の間に存在するように、図5で17として呼称されステンレス鋼又はプラスチックのストランドにより形成されている巻回を伴う巻回形成体の形で先行技術から公知の要領で構築される。この場合、ギャップ19の幅は、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の有効フィルタ表面が、100〜3000μmの範囲内に存在し得るフィルタ細密度で、予備濾過ステップを形成するフィルタ細密度に対応するような形で選択される。図2及び3は、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の開放端部が環状フランジ21を有し、このフランジが、ハウジング開口部9にしたがってフィルタハウジング1内へのインサートを形成することを、非常に明確に示している。
【0023】
図3に別個にその完成した状態で示されているフィルタエレメント3を補完するために、精密濾過ステップを形成する目的で、図1に別個に示されているフィルタソックス23が提供される。フィルタソックス23は、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13にそのカバーとして被せられ、こうして、端部シールリング27がスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の環状フランジに支えられそれに対し例えば接着剤接合により締結されるようになっている。このようにして、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13は、フィルタエレメント3全体の支持体を形成する。図面は、フィルタソックス23の上端部29において、フィルタソックス23を閉鎖するエンドキャップ31がネジ33を用いてスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の対応する端部に連結されていることを示している。
【0024】
図3ではフィルタエレメント3は平滑な表面を形成するフィルタソックス23を伴って示されているが、一方図1、2及び4では、フィルタソックス23の長さが好ましくはスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の軸方向長さよりも大きく選択されていることを示している。したがって、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13に被せられるフィルタソックス23の場合、ソックス23は、図面に示されているように折り重なって存在し、こうして図示される通り、折り目がひだのような形で形成され得るようになっている。したがって、ソックス23の表面の平滑な輪郭とは対照的に、折り目は表面積を著しく増大させる。すなわち、折り目は、フィルタソックス23で形成され、後濾過つまり精密濾過ステップとして役立つ有効フィルタ表面の極めて大きく有効なフィルタ表面を作り出す。さらに、折り目の形成又は襞のおかげで、フィルタソックス23はスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の外部上で平坦に存在せず(すなわち空間又はギャップを形成せずには存在しない)、これは、以下で記述する動作挙動にとって重要な要因となる特徴である。
【0025】
後濾過つまり精密濾過ステップとして動作するために、フィルタソックス23は好ましくは2つの端部25及び29でのみしっかり固定されているシームレスフィルタファブリックにより形成される。この点に関して、このフィルタファブリックは、単層又は多重層で構成され得、これはサテンファブリック、ツイルファブリック又はリネンファブリックであり得る。スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13のものよりも著しく高いフィルタ細密度(すなわち例えば10〜80μmの範囲内)のためには、ファブリックの縦糸のための適切な直径は50μmの範囲内にあり、横糸のための適切な直径は400μmの範囲内にある。ポリプロピレン又はポリエチレンなどのフィルタファブリックのための従来の材料に加えて、フィルタソックス親油性材料例えばポリオレフィン、ポリエステル又はコポリエステル、ならびに他の非極性材料を提供することが可能である。このような材料は同様に、フィルタソックス23のファブリック上にコーティングの形で追加の材料として塗布することもできる。
【0026】
媒体流がフィルタハウジング1の開口部9を通って流れフィルタエレメント3の内部フィルタキャビティ7内に進入する濾過モードの間、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13は、上述の通り、巻回17の間のギャプにより有効フィルタ表面を形成する(図5参照)。巻回17間の距離により形成されるフィルタ細密度にしたがって、スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13は前置フィルタとして役立ち、これは、図5に示され一部の部域のみで参照番号35としてマークされている固体粒子を特に保持する。その後、フィルタソックス23により形成された有効フィルタ表面のより高いフィルタ細密度にしたがって、精密濾過が後続する。これに関連して、汚染物質がスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13とフィルタソックス23の折り目の間の隙間に保持され、清浄された媒体はポート11を通ってフィルタハウジング1の外へと退出する。
【0027】
本発明に係るフィルタ装置は、特に、フィルタエレメント3のバックフラッシングに適している。バックフラッシング作業を目的として、媒体流の流れ方向は逆転され、こうしてフラッシング流がポート11を介して進入して、フィルタエレメント3内を外部から内部へ流れる。スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の内部に付着した固体粒子は、洗い落とされ、ハウジング開口部9を通して流出する。上述の通り、フィルタソックス23の折り目により形成された距離あるいは寸法の選択の結果としてスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13とフィルタソックス23の間に得られる追加の距離は、特にバックフラッシング作業に関して、重要な1つの要因である。フィルタソックス23はスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント13の上にゆるく載っていることから、バックフラッシング作業中、結果として、フィルタソックス23の動作(より簡潔に言うとひだ付き折り目のフラッピング動作)を導く流動効果が得られる。そのため、フィルタソックス23上の汚染物質は振り落とされ、同時にフィルタソックスは清浄されることになる。
【0028】
図6及び7は、図6に示されているように、媒体流の方向が濾過モードの間外部から内部へと向けられている代替的実施例を説明している。図6に示されている通り、支持体13はそれ自体、巻回17を伴うスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメントとして設計されている。スロット付きスクリーンチューブフィルタエレメントは、精密濾過ステップを形成し、一方この流れ方向で、プルオン式フィルタソックス23(図6には見えず)は、上流側予備濾過ステップを形成し、粗濾過を行う。
【0029】
図7は、流れ入口の領域内のフィルタハウジング1がポート11を介してサイクロンを形成するという点において、この例示的実施形態がフィルタエレメント3の最適化されたバイパスを実施していることを示している。この目的で、フィルタハウジング1は、媒体が内部をハウジング壁まで接線方向に流れ込むポート11において円錐形に拡張され、こうして、渦流室が形成される。この渦流室内で、濾過すべき媒体は、旋回流の状態でフィルタエレメント3の周囲を流れて、サイクロンを形成する。このような解決法も同様に、流体方向を逆転させることで再びバックフラッシュされ得る。詳細には、フィルタソックス23をバックフラッシングする場合、フィルタソックスの折り目及び/又は相応して弾性をもつ材料の構造がフィルタソックスの拡張をひき起こしてよく、こうして、前記フィルタソックスに付着した粉塵は振り落とされる。こうして清浄可能な表面フィルタを実現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ表面を横断する媒体流から汚染物質を吸収するのに適している少なくとも1つの有効フィルタ表面(23)を有する少なくとも1つのフィルタエレメント(3)を含む、詳細には作動油、潤滑媒体、プロセス水、表面水又は海水などの流体用のフィルタ装置であって、有効フィルタ表面が、フィルタエレメント(3)の支持体(13)に被せることのできる可撓性フィルタソックス(23)として設計されているフィルタ装置において、
フィルタソックスの有効フィルタ表面を拡大することによって、フィルタソックス(23)は、フィルタエレメント(3)の軸方向で見た場合により長くなるように設計されており、フィルタソックス(23)を支持体(13)に被せた場合に有効フィルタ表面が折り重なって存在するようになっていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
支持体(13)が、追加の濾過ステップとして追加のフィルタ表面(17,19)を有し、各フィルタ表面(23;17,19)が異なるフィルタ細密度を示すことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
フィルタソックス(23)が支持体(13)の外部上に配置されており、このような補完されたフィルタエレメント(3)の外側から内側へ流れが横断する場合、フィルタソックス(23)は、粗濾過ステップを目的として支持体(13)の追加のフィルタ表面に比べて低いフィルタ細密度を示し、フィルタエレメント(13)の内側から外側へ流れが横断する場合には、支持体(13)のフィルタ表面がこのような粗濾過ステップを形成することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
フィルタソックス(23)のフィルタ表面は、フィルタエレメント(3)の外側から内側に流れが横断する場合に汚染物質がフィルタ表面からふるい落とされるような形でフィルタエレメント(3)の支持体(13)の外部面から予め規定可能な距離のところに配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
フィルタソックス(23)が、フィルタエレメントの支持体(13)の専ら末端領域において少なくともその2つの相対する端部(5,15)で、シームレスフィルタファブリックとしてしっかりと固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
フィルタファブリックが単層又は多重層の形で構築されており、少なくとも部分的にサテンファブリック、ツイルファブリック又はリネンファブリックとして製造されていることを特徴とする請求項5に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
フィルタソックス(23)が、ポリプロピレン、ポリエステル又は親油性材料、例えばポリオレフィンポリエステル又はコポリエステル、あるいはコーティングとしてフィルタソックス(23)上に塗布することもできる他の非極性材料で製造されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
フィルタエレメント(3)がスロット付きスクリーンチューブフィルタエレメント(13)を有し、これが支持体とその有効フィルタ表面(17,19)を形成し、かつプルオン式フィルタソックス(23)に適合する輪郭を有する円錐形シェルの形をしていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
フィルタエレメント(3)の支持体(13)の有効フィルタ表面(17,19)が100〜3,000μmのフィルタ細密度を示し、フィルタソックス(23)の有効フィルタ表面が10〜150μmの適切に適合されたフィルタ細密度を示すことを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
フィルタエレメント(3)は、濾過モードの間、フィルタエレメント(3)の外部から内部のフィルタキャビティ(7)へと流れが横断し得るような形で、フィルタハウジング(1)内に配置されていること、を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
フィルタハウジング(1)が渦流室(41)を有し、濾過すべき媒体流は旋回流の状態でフィルタエレメント(3)の周囲を流れ、この媒体流が少なくとも部分的にサイクロンを形成するようになっていることを特徴とする請求項10に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
フィルタソックス(23)を伴うフィルタエレメント(3)を含むフィルタエレメント配置が、複数のフィルタエレメント配置を伴うバックフラッシュフィルタ装置内で使用され、複数のフィルタエレメント配置のうちの少なくとも1つ(3,23)がバックフラッシュされ得、その間他のフィルタエレメント配置(3,23)は媒体流を濾過するのに役立つことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のフィルタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−508124(P2013−508124A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533500(P2012−533500)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005631
【国際公開番号】WO2011/044977
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(500563201)ハイダック プロセス テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】