説明

フィルムおよびフィルムの製造方法

【課題】凹凸形状を有するフィルムを安価で製造することができると共に、フィルム表面に形成される凹凸構造の高さや周期を容易に変更することができるフィルムの製造方法等を提供する。
【解決手段】表面に凹凸構造4を有するフィルム1の製造方法であって、光重合性組成物を薄膜状に配置する工程と、薄膜状に配置された光重合性組成物に、酸素を含む雰囲気下で光照射を行い、表面に凹凸構造4を形成させながら前記光重合性組成物を重合硬化させる工程とを、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムおよびフィルムの製造方法に関し、詳細には、表面に凹凸構造を有するフィルムおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムの表面に、高さが数十ナノメートルから数ミリメートルのオーダの凹凸構造を形成することにより、意匠性や、防眩、反射防止などの光学的特性、あるいは撥水性など物理的特性をフィルムに付与できることが知られている。なお、本願明細書において、厚さ0.1mm程度から10mm程度の範囲のフィルムあるいはシートを「フィルム」と称する。
【0003】
上述したような凹凸構造を有するフィルムの形成方法としては、基材フィルムに凹凸構造と相補的な形状を有する型を押しつける方法(エンボス加工)、エッチング、凹凸構造と相補的な形状を有する型に紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂を充填し基材上で硬化させる方法などが知られている。
【0004】
また、反応拡散を利用して、熱ラジカル重合によりハイドロゲルの表面に周期的な凹凸構造を形成させる方法も知られている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H. Katsuragi, Europhysics Letters, 73, 793-799 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、エンボス加工ではエンボスロールが、エッチングではマスクが、そして樹脂を用いる方法では金型が必要である。また、異なった高さ或いは周期の凹凸構造を製造する場合には、製造する凹凸構造の高さ或いは周期に対応した専用のロール、マスクあるいは金型を用いることが必要となる。このため、これらの方法には、非効率であり高コストとなるという問題があった。
【0007】
さらに、非特許文献1に記載の製造方法は上記のような型等は不要であるが、ハイドロゲル表面に凹凸構造が形成された膜の製造方法を開示している。具体的には、アクリルアミドモノマー水溶液に、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド、開始剤として過硫酸アンモニウム、重合促進剤としてテトラメチレンジアミンを加えた混合物水溶液を一定温度(5〜60℃)で20時間かけて重合させるものである。重合温度や重合雰囲気によって表面に凹凸構造が形成される場合があると記載されている。しかし、形成される膜は固形分10%程度のゲルであり、フィルム等表面の凹凸構造として利用することは困難であった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、凹凸形状を有するフィルムを安価で製造することができると共に、フィルム表面に形成される凹凸構造の高さや周期を容易に変更することができるフィルムの製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の発明者は、光重合性組成物を光ラジカル重合により硬化させる際の雰囲気に、光重合反応を抑制するので排除すべきであると考えられていた酸素を敢えて含ませることによって、硬化した光重合性組成物の表面に凹凸構造が形成され、更に光重合条件を変えることによって凹凸構造の高さや周期を容易に変更することができることを新たに知見し、この知見に基づいて本願発明をなしたものである。
【0010】
本発明によれば
表面に凹凸構造を有するフィルムの製造方法であって、
光重合性組成物を薄膜状に配置する工程と、
薄膜状に配置された光重合性組成物に、酸素を含む雰囲気下で光照射を行い、表面に凹凸構造を形成させながら前記光重合性組成物を重合硬化させる工程と、備える、
ことを特徴とするフィルムの製造方法が提供される。
【0011】
このような構成によれば、型等を用いることなく表面に凹凸構造を有するフィルムを製造することができるので、このようなフィルムの製造コストが低減される。また、光照射の条件、光重合性組成物の組成等を変更することにより、凹凸構造の大きさ(高さ、周期)を変更することができるので、種々の大きさの凹凸構造を表面に有するフィルムを容易に製造できる。
【0012】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記酸素を含む雰囲気の酸素濃度が、0.1%以上である。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記光照射が、0.01mW/cm2以上1000mW/cm2以下の強度である。
【0013】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記重合硬化後、さらに不活性雰囲気下で重合を完了させるステップを備えている。
【0014】
本発明の他の態様によれば、
薄膜状に配置された光重合性組成物に、酸素を含む雰囲気下で光照射を行い、塗膜表面に凹凸構造を形成させながら前記光重合性組成物を重合硬化させることによって製造されるフィルムであって、
前記凹凸構造を構成する凸部の高さが10nm以上5mm以下であり、該凸部の周期が100nm以上5mm以下である、
ことを特徴とするフィルムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、凹凸形状を有するフィルムを安価で製造することができると共に、フィルム表面に形成される凹凸構造の高さや周期を容易に変更することができるフィルムの製造方法等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好ましい実施形態のフィルムの構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態のフィルムの写真である。
【図3】光照射強度と凹凸構造周期の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態のフィルムについて詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態のフィルム1の構造を示す模式的な断面図である。
【0018】
フィルム1は、酸素を含む雰囲気下で、光重合性組成物を光ラジカル重合により硬化させることによって製造されたフィルムである。図1に示すように、フィルム1は、本体部2と、本体部2の表面に形成された凹凸構造部4とを備えている。凹凸構造部4は、凸部6と凹部8を備えている。凹凸構造の形状は、例えば、不規則な構造、具体的にはクレーター状の構造である。
【0019】
本実施形態では、フィルム1の凹凸構造部4における凸部6の高さ即ち凹部8の深さ(凹凸の高低差)は、10nmないし5mmの範囲が好ましく、凸部(または凹部)の周期すなわち隣接する凸部同士(又は凹部同士)の距離は、100nmないし5mmの範囲が好ましい。
【0020】
このような凹凸構造は、酸素を含む雰囲気下で、光重合性組成物を光ラジカル重合により硬化させる際、硬化した光重合性組成物の表面に自然発生的に形成されるものである。この凹凸構造は、酸素による重合阻害と、光ラジカル重合過程での反応拡散により表面が不安定化して形成されると考えられる。本実施形態のフィルムの写真を図2に示す。
【0021】
光重合性組成物に添加する光開始剤の量、重合の際に照射される光の強度などの条件を変更することにより、この凹凸構造の高さや周期を変更可能である。特に、光照射強度により凹凸構造を変更ことができるので、同じ光重合性組成物を用いて、異なる高さ、異なる周期の凹凸構造を形成することが可能であり、実用上、非常に有用である。
【0022】
所望する凹凸構造を形成するために、使用する光重合性組成物について光開始剤量、光照射強度と凹凸構造の高さまたは周期の関係をプロットし、そこから目標とする凹凸構造の高さ及び周期を与える光開始剤量、光照射強度を読み取れば良い。例として、後述の実施例1で使用した光重合性組成物を用いて、光照射強度と凹凸構造の周期の関係をプロットしたグラフを図3に示す。
【0023】
次に、上記フィルム1を製造する本発明の好ましい実施形態のフィルムの製造方法について、説明する。
このフィルムの製造方法では、先ず、アクリル樹脂等の基板上に、光重合性組成物を所定の厚さで塗布する。厚さとしては、0.1mm〜10mmが好ましい。
【0024】
本実施形態では、光重合性組成物として、ラジカル重合し得る、モノマーあるいはオリゴマーに、光重合開始剤を混合したものが使用される。
光重合性組成物に含まれる光開始剤量は、0.01重量部以上30重量部以下であることが好ましい。
【0025】
モノマーとしては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有するものであれば特に限定されるものではないが、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
【0026】
単官能モノマーの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;スチレン、p−クロロスチレン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ビニルナフタレン等のビニル化合物;エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート等のアリル化合物等が挙げられる。
【0027】
2官能以上の多官能モノマーの具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート等が挙げられる。
【0028】
また、前記モノマーあるいはオリゴマーとともに、重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物を用いることもできる。重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランのような低分子化合物、有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤のような添加剤等が挙げられる。
【0029】
本実施形態において使用する光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を行う通常の光ラジカル重合で用いられるものであれば、特に限定されるものではない。
【0030】
例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾスベロン等が挙げられる。これら光重合開始剤の使用量は、その他の光重合性組成物の100重量部に対して0.001ないし50重量部の範囲とする事が好ましく、0.01ないし30重量部の範囲とする事が更に好ましい。
【0031】
次いで、酸素を含む雰囲気下で、光重合性組成物に光照射を行い、光重合性組成物を光ラジカル重合させる。
【0032】
光照射の光源としては、光重合開始剤が吸収し、ラジカルを発生させることができる波長を発するものが好ましい。例としては、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LEDランプや、紫外域のレーザ等を用いることができる。
【0033】
また、凹凸構造の高さや周期には光照射強度が影響するため、照射面内の強度分布が略一定であるものが好ましく、照射エリア内の照射強度の最大値と最低値の差は10%以内が好ましく、5%以内が更に好ましい。光照射強度は、0.01mW/cm2以上1000mW/cm2以下の範囲が好ましい。
【0034】
光ラジカル重合を行う雰囲気については、酸素が含まれていることが必須であり、酸素濃度は、0.1%以上が好ましく、10%以上が更に好ましい。
酸素濃度が0.1%以下であると、酸素による重合阻害が起こらず、凹凸構造を形成させることができない。本発明の凹凸構造は雰囲気中の酸素濃度の影響を受けるため、厳密には密閉系で酸素濃度を管理した状態で作製する必要があるが、密閉系でなくとも、外部と自由に出入り可能である開放系で、空気下(酸素濃度約21%)で作製することによっても安定的に生産することができる。
【0035】
また、上述したように、凹凸構造は、光ラジカル重合の際に、酸素による重合阻害により形成されるため、酸素を含む雰囲気下での光ラジカル重合では、フィルム表面の硬化が不充分である場合が多い。このため、凹凸構造形成後、窒素不活性雰囲気等の酸素を含まない雰囲気下で光ラジカル重合を行うことにより表面の硬化を完了させ、表面に凹凸構造を有するフィルムを完成させることが好ましい。
【0036】
凹凸構造の形成は、重合条件により変化するため、予め最適な重合条件を決定し、決定した条件で重合反応を実施する。また、重合反応中に重合状態を顕微鏡等で観察しながら、所望の凹凸構造が形成されるまで重合反応を実施することも可能である。
【0037】
上記実施形態本発明における、表面に凹凸構造を有するフィルムは、基材フィルム表面に光重合性組成物を塗布し、酸素を含む雰囲気下で光ラジカル重合することにより作製する方法が一般的であるが、基材フィルムを用いずに作製しても良い。その場合は、光ラジカル重合により、表面に凹凸を形成させながらフィルムを硬化させることになる。
【0038】
本発明の前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
【実施例】
【0039】
以下、本願発明の実施例について説明する。
(実施例1)
NKエステル14G(新中村化学工業製)50質量部、NKオリゴU−2PPA(新中村化学工業製)25質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート10質量部、フェノキシエチルアクリレート15質量部からなる混合物に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン20質量部を溶解させ光重合性組成物を得た。
【0040】
上記光重合性組成物をアクリル樹脂板(厚み1mm)上に200μmの厚みで塗膜し、空気雰囲気下、水銀キセノンランプを用いて紫外線を10mW/cm2の光照射強度で5min照射して凹凸構造を形成させた。続いて、窒素雰囲気下で更に紫外線を10mW/cm2の光照射強度で5min照射して重合を完了させた。
【0041】
硬化物の表面をZYGO社製の走査型干渉顕微鏡(NewView)を用いて観察した結果、凹凸構造の平均高さが18μmであり、平均周期は0.5mmであった。
【0042】
(実施例2)
実施例2は、光照射強度が実施例1と異なるものである。
実施例1で用いたものと同じ光重合性組成物をアクリル樹脂板(厚み1mm)上に200μmの厚みで塗膜し、空気雰囲気下、水銀キセノンランプを用いて紫外線を2mW/cm2の光照射強度で5min照射して凹凸構造を形成させた。続いて、窒素雰囲気下で更に紫外線を10mW/cm2の光照射強度で5min照射して重合を完了させた。
【0043】
硬化物の表面をZYGO社製の走査型干渉顕微鏡(NewView)を用いて観察した結果、凹凸構造の平均高さが50μmであり、平均周期は1.0mmであった。
【0044】
(実施例3)
実施例2は、光開始剤量が実施例1と異なるものである。
NKエステル14G(新中村化学工業製)50質量部、NKオリゴU−2PPA(新中村化学工業製)25質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート10質量部、フェノキシエチルアクリレート15質量部からなる混合物に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン10質量部を溶解させ光重合性組成物を得た。
【0045】
上記光重合性組成物をアクリル樹脂板(厚み1mm)上に200μmの厚みで塗膜し、空気雰囲気下、水銀キセノンランプを用いて紫外線を10mW/cm2の光照射強度で5min照射して凹凸構造を形成させた。続いて、窒素雰囲気下で更に紫外線を10mW/cm2の光照射強度で5min照射して重合を完了させた。
【0046】
硬化物の表面をZYGO社製の走査型干渉顕微鏡(NewView)を用いて観察した結果、凹凸構造の平均高さが45μmであり、平均周期は0.8mmであった。
【0047】
(比較例1)
比較例は、第1段階の光重合も窒素雰囲気下で行ったものである。
実施例1で用いたものと同じ光重合性組成物をアクリル樹脂板(厚み1mm)上に200μmの厚みで塗膜し、窒素雰囲気下、水銀キセノンランプを用いて紫外線を10mW/cm2の光照射強度で5min照射したが、凹凸構造は形成されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸構造を有するフィルムの製造方法であって、
光重合性組成物を薄膜状に配置する工程と、
薄膜状に配置された光重合性組成物に、酸素を含む雰囲気下で光照射を行い、表面に凹凸構造を形成させながら前記光重合性組成物を重合硬化させる工程とを、備える、
ことを特徴とするフィルムの製造方法。
【請求項2】
前記酸素を含む雰囲気の酸素濃度が、0.1%以上である、
請求項1に記載のフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記光照射が、0.01mW/cm2以上1000mW/cm2以下の強度である、
請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記重合硬化後、さらに不活性雰囲気下で重合を完了させる工程を備える、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
【請求項5】
薄膜状に配置された光重合性組成物に、酸素を含む雰囲気下で光照射を行い、塗膜表面に凹凸構造を形成させながら前記光重合性組成物を重合硬化させることによって製造されるフィルムであって、
前記凹凸構造を構成する凸部の高さが10nm以上5mm以下であり、該凸部の周期が100nm以上5mm以下である、
ことを特徴とするフィルム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−140190(P2011−140190A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2943(P2010−2943)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】