フィルム接合方法およびフィルム接合装置
【課題】 フィルム接合装置の生産性およびメンテナンス性の向上。
【解決手段】 先行フィルムFaと後続フィルムFbとの重ね合わせ部分の両端部分にそれぞれレーザ光を照射し、その透過光を受光することによりレーザ光の受光幅αn,βnを検出し、この検出幅αn,βnの合計値(総受光幅)が、一のフィルムの両端部分にレーザ光を照射して同様にその透過光を受光したときの総受光幅である基準値と等しくなるようにフィルムFa,Fbを相対的に幅方向に移動させてフィルムFa,Fbを幅方向に位置合わせし、その後、両フィルムFa,Fbを接合するようにした。
【解決手段】 先行フィルムFaと後続フィルムFbとの重ね合わせ部分の両端部分にそれぞれレーザ光を照射し、その透過光を受光することによりレーザ光の受光幅αn,βnを検出し、この検出幅αn,βnの合計値(総受光幅)が、一のフィルムの両端部分にレーザ光を照射して同様にその透過光を受光したときの総受光幅である基準値と等しくなるようにフィルムFa,Fbを相対的に幅方向に移動させてフィルムFa,Fbを幅方向に位置合わせし、その後、両フィルムFa,Fbを接合するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
リール状に巻回された帯状フィルムを引出しながら包装等に使用し、その残存量が減少した際に別途待機しているフィルムを現在引出し中のフィルムに接合するフィルム接合装置におけるフィルム接合方法およびフィルム接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、帯状フィルムを巻回したリールを支持し、このリールからフィルムを引出しなが包装機等に給送しながら、当該リールの残存量が減少すると、別途待機しているリールから引出したフィルムの先端を先行フィルムに重ね合わせて加熱融着することにより連続的にフィルムを供給できるようにしたフィルム接合装置が一般に知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
この種のフィルム接合装置では、先行フィルムと後続フィルムとが互いに幅方向(長手方向と直交する方向)にずれた状態で接合されると、包装機等における包装不良やフィルムの給送トラブルの原因となる。そのため、従来では、オペレータがマニュアル操作で先行フィルムと後続フィルムの幅合わせ(位置決め)を行ってから両フィルムを接合することが行われてきたが、近年ではこの作業を自動化すべく、例えば基準位置に対する先行フィルムと後続フィルムの幅方向のずれを個別にセンサで検出し、つまり各フィルムの絶対位置をセンサで検出し、誤差がある場合には後続フィルムを幅方向に自動的に移動させて先行フィルムに正しく重ね合わせてから接合することが行われている。
【特許文献1】特開平6−42616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように基準位置に対するフィルムのずれをフィルム毎に個別のセンサで検出してずれ補正を行う従来の装置(方法)では、基準位置に対してセンサの組付け誤差があるとフィルム同士の正確なずれを検知することが困難となる。
【0005】
そのため、現実には、センサを精密に組付けた上で、使用前(稼働前)にフィルムの接合テストを繰り返し実施してセンサの検出誤差を事前に調べることにより補正値を設定し、使用中(稼働中)は、この補正値に基づいてセンサの検出値を補正するようにしているが、給送中、フィルムは幅方向に振れるためその位置が安定し難く、信頼性の高い補正値を設定するには生産段階で接合テストを何度も繰り返す必要がある。そのため、生産工程でのデータ収集に時間を要するという問題があった。しかも、故障や破損により上記センサを交換した場合には、包装工場等の現場で上記のような接合テストを再度繰り返し実施して補正値を設定する必要がありメンテナンス性も良いものとは言えなかった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、フィルムの接合を適正に行う一方で、生産性およびメンテナンス性に優れたフィルム接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のフィルム接合方法は、先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合方法において、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出し、この検出幅が一のフィルムのみに光を照射したときの上記検出幅である基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させた後、両フィルムを互いに接合するようにしたものである(請求項1)。
【0008】
また、本発明に係るフィルム接合装置は、先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合装置において、先行フィルムに対して後続フィルムを相対的にフィルムの重ね合わせ方向およびフィルムの幅方向に移動させるフィルム移動手段と、光の照射部とその受光部とを備え、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射してその光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出する検出手段と、一のフィルムのみに光を照射したときの前記検出手段による検出幅を基準値として記憶する記憶手段と、両フィルムの重ね合わせ部分を接合するフィルム接合手段と、前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、先行フィルムに対して後続フィルムを重ね合わせた後、前記検出手段による検出幅に基づき当該検出幅が前記記憶手段に記憶されている基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させる位置合わせ動作を実行してからフィルム同士を接合するように前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御するように構成されているものである(請求項3)。
【0009】
このフィルム接合装置(方法)によると、両フィルムの重ね合わせ部分おける光の受光幅、又は遮光幅を検出し、その検出幅が、事前に検出した一のフィルムの検出幅(基準値)と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させて位置合わせを行うため、従来のように両フィルムの相対的な位置関係を厳密に検出する必要がない。そのため、両フィルムの重ね合わせ部分における透過光又は反射光を検出できれば光の照射部や受光部(センサ部分)の取付けに然程の度が要求されない。また、事前に必要なデータは、一のフィルムに光を照射したときの光の受光幅、又は遮光幅(上記基準値)だけであるため、事前データの取得作業も極めて簡単なものとなる。その上、故障や破損により光の照射部や受光部(センサ部分)を交換する場合でも、上記のように取付け精度が要求されることがないため交換が容易で、また、事前データの再取得も上記基準値だけで済むため極めて速やかに行うことが可能となる。
【0010】
上記のようなフィルム接合方法においては、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その透過光を受光するのが望ましい(請求項2)。
【0011】
勿論、光の反射光を受光するようにしてもよいが、この場合には、光の照射部からフィルムの反射面までの距離が先行フィルムと後続フィルムとで相違するため、両フィルムの間隔によっては検出幅の信頼性が低下する。そのため、両フィルムの間隔による影響を受けない透過光を受光するのが好ましい。
【0012】
一方、上記のようなフィルム接合装置において、前記検出手段は、両フィルムの重ね合わせ部分のうち幅方向一方側の端部位において前記光を照射しつつその光を受光する第1検出手段と、他方側の端部分において前記光を照射しつつその光を受光する第2検出手段とからなり、前記記憶手段は、一のフィルムのみに光を照射してその光を受光したときの前記各検出手段による受光幅の合計値を基準値として記憶し、前記制御手段は、前記各検出手段による光の受光幅の合計値を前記検出幅として、この検出幅が前記基準値に等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させるように構成されているのが好ましい(請求項4)。
【0013】
例えば、フィルムの幅よりも十分に広幅の光の照射部、及び受光部をもつ単一の検出手段を使って両フィルムの重ね合わせ部分の受光幅、又は遮光幅を検出するようにしてもよいが、この構成ではフィルム幅が広くなると、いきおい検出手段が大型化してしまう。これに対して上記のように一対の検出手段を設けてフィルムの端部位においてそれぞれ光を照射しつつ受光する構成によると、各検出手段はフィルムサイズに拘らずコンパクトなものを使用できる。そのため、トータル的に見ると装置の大型化等を抑える上で有利となる。
【0014】
なお、上記のフィルム接合装置においては、位置合わせを行うための予め設定された時間を計時する計時手段をさらに備え、前記制御手段が、前記位置合わせ動作の開始後、上記計時手段により計時される時間内に位置合わせが完了しない場合には当該時間の経過時に前記位置合わせ動作を一旦終了した後、再度位置合わせ動作を開始すべくフィルム移動手段を駆動制御するものであるのが好ましい(請求項5)。
【0015】
すなわち、最終的にフィルムの位置合わせが完了するまで連続的にフィルム移動手段を駆動させてもよいが、この場合には、例えばフィルム移動手段が停止するまでのタイムラグによりフィルムが反対側にずれるいわゆるオーバーシュートを招くことが考えられる。これに対して上記のような構成によれば、例えば微小時間を設定すれば、フィルム移動手段を小刻みに駆動させながら位置合わせを行うことによりオーバーシュートを有効に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のフィルム接合装置(方法)によると、両フィルムの重ね合わせ部分における光の受光幅、又は遮光幅を検出し、この検出幅が、事前に検出した一のフィルムの検出幅(基準値)と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させて位置合わせを行うため、両フィルムの重ね合わせ部分の透過光又は反射光を検出できさえすれば光の照射部や受光部(センサ部分)の取付けに然程精度が要求されない。また、事前に必要なデータは、一のフィルムに光を照射したときの光の受光幅、又は遮光幅(上記基準値)だけであるため、事前データの取得作業も極めて簡単なものとなる。その上、故障や破損により光の照射部や受光部(センサ部分)を交換する場合でも、上記のように特別高い取付け精度が要求されることがないため交換が容易で、また、事前データの再取得も上記基準値だけで済むため極めて速やかに行うことができる。従って、先行フィルムに対する後続フィルムの接合信頼性を保つ一方で、フィルム接合装置の生産性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るフィルム接合装置(本発明のフィルム接合方法が適用されるフィルム接合装置)について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、上記のフィルム接合装置が適用されるフィルム貼付装置の全体構成を模式的に示している。この図に示すフィルム貼付装置は、アルコール飲料や清涼飲料用のアルミ缶に商品名称等の表示が印刷されたフィルムをラミネート加工する装置であって、大別するとラミネート装置1とラミネートフィルム供給装置2とから構成されている。
【0019】
ラミネート装置1は、ラミネートフィルム供給装置2から給送される帯状のラミネートフィルムF(以下、フィルムFと略す)、具体的には、商品名称等の表示が連続して印刷され、かつ裏面に熱可塑性の接着面が形成されたフィルムFを缶に巻付けて貼付けるものである。すなわち、このラミネート装置1は、具体的には図示していないが、フィルムFを一缶分毎に定寸切断する切断機構、貼付け機構、およびワークである缶の加熱機構等を有しており、切断されたフィルムと缶とを同期させて前記貼付け機構に供給することにより缶の表面にフィルムを貼付けるように構成されている。
【0020】
前記ラミネートフィルム供給装置2は、フィルムFが巻回されたリールRを支持し、このリールRからフィルムFを引出しながら前記ラミネート装置1に供給するものである。
【0021】
このラミネートフィルム供給装置2には、本発明に係るフィルム接合装置に相当するフィルム接合ユニット10が組込まれており、フィルム貼付装置の稼動中は、同図に示すように同ユニット10に2つのリールRを支持し、一方側のリールRからフィルムFを引出しながラミネート装置1に給送し、当該リールRの残存量が減少すると、待機している他方側のリールRからフィルムFを引出して先行フィルムFに接合することにより、ラミネート装置1に対してフィルムFを連続的に給送し得るように構成されている。
【0022】
以下、このフィルム接合ユニット10の構成について詳細に説明する。
【0023】
図2および図3は、前記フィルム接合ユニット10の構成を示す概略図で、図2は正面図、図3は平面図でそれぞれフィルム接合ユニット10を示している。なお、図2,3には、方向性を明確にするためにX軸、Y軸を表示している。このX軸は、図1に示すようにラミネート装置1とラミネートフィルム供給装置2の並び方向で、Y軸は、水平面上でX軸と直交する方向(図1,2では紙面に直交する方向)である。
【0024】
フィルム接合ユニット10は、その基台上に櫓状に設けられる図外のフレーム本体を有しており、このフレーム本体に、リールRを支持するフィルムカートリッジ12(図2にのみ図示)と、フィルムFを接合するための第1〜第3の単位ユニット11A〜11C(第1ユニット11A,第2ユニット11B,第3ユニット11Cという)とを備えている。
【0025】
フィルムカートリッジ12は、図4に示すように略正方形のベース20を有し、このベース20上に立設される支持板21に、水平に延びるY軸方向のフィルムリールシャフト22(以下、シャフト22と略す)を有している。そして、このシャフト22によりリールRを回転自在に、かつ着脱可能に支持するようになっている。
【0026】
支持板21には、リールRから引出されたフィルムFを案内するための3つのガイドローラ23a〜23cが前記シャフト22の上方に設けられている。これらのガイドローラ23a〜23cのうち、下側2つのガイドローラ23a,23bは僅かの段差を持ってX軸方向に並べて設けられており、残りのガイドローラ23cは、それらの上方に離間して設けられている。そして、下側のガイドローラ23a,23bと上側のガイドローラ23cとの間にフィルム押えユニット24が設けられている。
【0027】
フィルム押えユニット24は、リールRから引出したフィルムFの先端を保持するものである。このフィルム押えユニット24は、前記支持板21に略水平に固定されるテーブル25と、その一端(図4では右端)に設けられる押え部材26とを備えている。そして、リールRから引出されたフィルムFの先端を上記テーブル25上に載せた状態で押え部材26によりクランプすることによってフィルムFの先端を保持するように構成されている。なお、押え部材26によるフィルムFの保持(クランプ)力は、フィルム接合時、後記フィルム引出し装置15の作動によりフィルムFの先端を容易に引き抜くことができる程度に設定されている。
【0028】
フィルムカートリッジ12は、図2に示すように、フィルム接合ユニット10に設けられる供給位置P1と待機位置P2、つまりフィルムFを給送する際にリールRをセットする位置(供給位置P1)と次のリールRを待機させる位置(待機位置P2)とにそれぞれ配置されている。そして、供給位置P1にセットされたリールRによるフィルムFの供給が終了すると、カートリッジスライド装置131(図5参照)により供給位置P1のフィルムカートリッジ12を所定の搬出位置に移動させるとともに、待機位置P2の次のフィルムカートリッジ12を供給位置P1へ移動させるように構成されている。
【0029】
なお、このフィルム貼付装置には、フィルムカートリッジ12をフィルム接合ユニット10から図外のリールストッカに搬送するカートリッジ搬送装置132(図5参照)が設けられており、このカートリッジ搬送装置132の作動により、フィルムFの供給を終えたフィルムカートリッジ12をフィルム接合ユニット10からリールストッカに搬送し、ここでリールRの交換を行った後、再びフィルム接合ユニット10に搬送して前記待機位置P2にセットするように構成されている。
【0030】
一方、前記第1ユニット11Aは、待機位置P2の上方に設けられている。
【0031】
この第1ユニット11Aは、供給位置P1のフィルムカートリッジ12から給送されているフィルムF(以下、先行フィルムFaという)に対して待機位置P2にあるフィルムカートリッジ12のリールRから引出されたフィルムF(以下、後続フィルムFbという)を接合すべく、当該後続フィルムFbをフィルムカートリッジ12から引出すとともに、後述する第2ユニット11Bと協働して先行フィルムと後続フィルムFbの幅方向の位置合わせ、およびフィルムFa,Fbの接合を行うものである。
【0032】
具体的に説明すると、この第1ユニット11Aは、フィルム接合ユニット10のフレーム本体に対してX軸方向およびY軸方向に移動可能に支持され、かつ第1ユニット駆動装置111A(図5参照)により駆動される第1可動フレーム30を有しており、この第1可動フレーム30に、フィルム吸着・加圧装置14およびフィルム引出し装置15を備えた構成となっている。
【0033】
フィルム引出し装置15は、待機位置P2にあるフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbを引出すもので、図2及び図3に示すように、Y軸方向に延びる一対の平行爪47を備えた昇降可能なエアチャック46を有し、このエアチャック46より後続フィルムFbの先端部分を保持して(摘んで)、所定の接合高さ位置まで引上げる(引出す)ようになっている。
【0034】
すなわち、第1可動フレーム30には、サーボモータ44により回転駆動される上下方向に延びるボールねじ42と、これと平行なガイドレール(図示省略)が設けられ、前記エアチャック46がこのガイドレールにスライド可能に装着されるとともに、エアチャック46の図外のナット部分が前記ボールねじ42に螺合装着されている。そして、前記サーボモータ44によるボールねじ42の回転に伴いエアチャック46が前記ガイドに沿って昇降し、例えば下降端位置において後続フィルムFbを前記平行爪47により保持した後、その状態でエアチャック46が上昇することによりフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbを引出すようになっている。
【0035】
フィルム吸着・加圧装置14は、フィルム引出し装置15により所定の接合高さ位置まで引出した後続フィルムFbの先端を吸着保持して先行フィルムFaに押付けるもので、移動可能なヘッド31を有している。
【0036】
このヘッド31は、垂直な加圧面をもつ加圧テーブル32とその上下両側に設けられる一対のバキュームボックス33とを有し、バキュームボックス33により後続フィルムFbを負圧吸着して保持するとともに、フィルム接合時には、加圧テーブル32により後続フィルムFbを先行フィルムFaに対して押圧するように構成されている。
【0037】
このヘッド31は、第1可動フレーム30に対してX軸方向に二段階に移動可能に支持されている。すなわち、第1可動フレーム30には、X軸方向のレール34が設けられ、このレール34に可動テーブル35が移動可能に支持され、第1可動フレーム30に固定されたエアシリンダ39のロッドがこの可動テーブル35に接続されている。また、可動テーブル35に、X軸方向に延びるとともにその軸方向に移動可能に支持される軸状のラック36が設けられ、このラック36の先端(図2では左端)に前記ヘッド30が設けられるとともに、このラック36に、サーボモータ37により回転駆動されるピニオン38が噛合している。そして、前記サーボモータ37によりピニオン38が回転駆動されると、これに伴いヘッド31がラック36と一体に可動テーブル35に対してX軸方向に移動し、他方、エアシリンダ39が作動すると、これに伴い第1可動フレーム30に対して可動テーブル35がX軸方向に移動し、その結果、ヘッド31がX軸方向に二段階に移動するようになっている。
【0038】
前記ヘッド31には、さらにフィルム接合時に先行フィルムFaと後続フィルムFbの幅方向(Y軸方向)のずれを検出するための一対のセンサ40a,40bが設けられている。これらのセンサ40a,40bは、レーザ光(X軸方向に幅をもつ平行光)の照射部と受光部とを一体に備えたラインセンサで、前記照射部から後述する第2ユニット11Bに向ってレーザ光を照射し、第2ユニット11Bの後記ミラー54で反射したレーザ光を受光することにより、その検出信号を後記制御装置65に出力するようになっている。
【0039】
これらのセンサ40a,40bは、それぞれ先行フィルムFaと後続フィルムFbとの重ね合わせ部分の端部を含む一定の領域にレーザ光を照射し得るように間隔設定されており(図11参照)、ヘッド31の下側のバキュームボックス33の斜め下後方に配置されている。なお、センサ40a,40bは、例えばフィルムFの幅に基づき、そのエッジが蛇行しても検出が可能となるように間隔設定されている。
【0040】
第2ユニット11Bは、前記フレーム本体に固定的に設けられ、供給位置P1の上方であって第1ユニット11Aに対してX軸方向に対向する箇所に配置されている。
【0041】
この第1ユニット11Aには、フィルム接合時に、供給位置P1のフィルムカートリッジ12から供給されているフィルムFを、その表面側(図2では左側)から支えながら加熱するためのフィルム加熱装置16と、前記センサ40a,40bから照射されるレーザ光の反射用ミラー54とが搭載されている。
【0042】
前記フィルム加熱装置16は、前記ヘッド31の加圧テーブル32に対向し、かつその加圧面と平行な加熱面をもつ加熱テーブル50と、この加熱テーブル50をフィルム接合ユニット10のフレーム本体に対してX軸方向に進退駆動するエアシリンダ52とを有している。加熱テーブル50の前記加熱面にはヒーターが内蔵されており、フィルム接合時には、加熱テーブル50と前記ヘッド31の加圧テーブル32とによりフィルムFa,Fbを挟持した状態で前記加熱面がヒーター加熱されることにより、フィルムFa,Fbを加熱接着(融着)するように構成されている。
【0043】
第3ユニット11Cは、上記第2ユニット11Bの下側に設けられている。
【0044】
この第3ユニット11Cは、フィルム接合ユニット10の本体フレームに対してY軸方向に移動可能に支持され、かつ第3ユニット駆動装置111C(図5参照)により駆動される第2可動フレーム55を有しており、このフレーム55に、フィルム切断装置17とブレーキ装置18とを搭載した構成となっている。
【0045】
フィルム切断装置17は、フィルム接合後、不要な先行フィルムFaを切断するためので、詳しく図示していないが、カッターとこれを進退駆動するエアシリンダとを有し、フィルム切断時には、カッターを前進させてその刃先を先行フィルムFaに押し当てることにより先行フィルムFaを切断するように構成されている。
【0046】
ブレーキ装置18は、先行フィルムFaの切断時に該フィルムFaの不要な引出しを阻止してフィルムFaにテンションを与えるもので、先行フィルムFaを挟んで互いに反対側に配置される従動ローラ57aおよび固定ローラ57bからなるブレーキローラ対57と、このブレーキローラ対57のうち固定ローラ57bを従動ローラ57aに対して進退駆動するエアシリンダ58とを備えており、従動ローラ57aに対して固定ローラ57bを進退駆動することにより、両ローラ57a,57bが離間するブレーキ停止状態と、両ローラ57a,57bが密着するブレーキ作動状態とに切換えられるように構成されている。すなわち、フィルム切断時以外は、ブレーキ装置18がブレーキ停止状態とされることにより両ローラ57a,57bの間を通じて先行フィルムFaの給送が可能となる一方、フィルム切断時には、ブレーキ装置18がブレーキ作動状態に切換えられることにより先行フィルムFaが両ローラ57a,57bに挟持され、その結果、先行フィルムFaの不要な引出しが阻止されるとともに、フィルム貼付けおよび切断に必要な適切なテンションを先行フィルムFaに与えるようになっている。
【0047】
図5は、上記のように構成されたフィルム貼付装置の制御系のうち、主にラミネートフィルム供給装置2における前記フィルム接合ユニット10を制御する部分の構成をブロック図で示している。
【0048】
この図に示すように、前記フィルム貼付装置は、ラミネート装置1およびラミネートフィルム供給装置2等の動作を制御する制御装置65を有している。
【0049】
この制御装置65は、制御装置本体66、CRT72およびキーボード73等を備えており、必要に応じてハードディスクや光磁気ディスク等の外部記憶装置が設けられる。
【0050】
前記制御装置本体66は、論理演算を実行する周知のCPU67、そのCPU67を制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM68、装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM69、フィルム貼付処理や、後述するフィルム接合処理等を含む種々のプログラムやOSその他のプログラム、さらにフィルム接合処理等に必要な各種データを記憶するHDD70およびI/Oコントローラ(IOC)71等を備え、これらCPU67等が互いに内部バス72により接続された構成となっている。
【0051】
IOC71には、第1〜第3の各ユニット11A〜11Cに搭載される各装置14〜18、第1および第3のユニット駆動装置111A,111C、カートリッジスライド装置131およびカートリッジ搬送装置132等が接続されており、CPU67からの指令に従い、各装置14〜18と制御装置本体66との間の各種制御信号および各種データ(センサ40a,40bによる検出信号等)の入力がこのIOC71により制御されることにより、前記装置14〜18等の動作が制御装置本体66により制御されるようになっている。
【0052】
図6は、制御装置本体66に含まれる各種機能構成のうち、主に、先行フィルムFaと後続フィルムFbとを接合する接合処理制御を担う部分の構成をブロック図で示している。
【0053】
この図に示すように、制御装置本体66は、フィルム接合処理を行うための機能構成として主制御部75、誤差演算部76、受光幅検出部77および記憶部78を含んでいる。
【0054】
主制御部75は、予め記憶されたプログラムに従ってフィルム接合処理を実行すべく前記第1〜第3の各ユニット11A〜11Cに搭載される各装置14〜18等を統括的に制御するものである。特に、フィルム接合に先立ち、受光幅検出部77で求められるレーザ光の受光幅、および誤差演算部76で求められる受光幅の誤差に基づき、先行フィルムFaに対する後続フィルムFbのずれ(幅方向のずれ)の有無の判別、およびずれがある場合にはその方向、ずれ量を判別してずれを解消すべく前記フィルム吸着・加圧装置14を駆動制御する。
【0055】
受光幅検出部77は、前記センサ40a,40bからの検出信号に基づきそれぞれレーザ光の受光幅を求めるものである。
【0056】
誤差演算部76は、各センサ40a,40bによるレーザ光の受光幅の合計値(総受光幅)を求めるとともに、この総受光幅と記憶部78に予め記憶されている当該総受光幅の基準値Nとを比較してその誤差を演算するものである。ここで、基準値Nとは、一枚のフィルムFの両端部位を前記センサ40a,40bにより実際に検出した場合の各センサ40a,40bによるレーザ光の受光幅の合計値(総受光幅)であり、例えばフィルム貼付装置の稼働前テスト、あるいは稼動中、一定期間毎に実測されて記憶される。
【0057】
次に、上記制御装置65(主制御部75)によるフィルム接合の動作制御について、図8〜図11を参照しながら図7のフローチャートに従って説明する。
【0058】
前提としてフィルム接合ユニット10の各装置14〜18およびフィルムカートリッジ12等は以下のような状態に制御されているものとする。
【0059】
(1)供給位置P1のフィルムカートリッジ12から先行フィルムFaが引出されつつラミネート装置1に給送されている。
【0060】
(2)待機位置P2のフィルムカートリッジ12については、リールRから後続フィルムFbが引出されてその先端がフィルム押えユニット24により保持されている。
【0061】
(3)第1ユニット11A
・ フィルム引出し装置15は、所定の高さ位置であって、かつ平行爪47により後続フィルムFbの先端部分をチャック可能な位置、すなわち平行爪47の間に後続フィルムFbが介在するような位置にエアチャック46がセットされている。
【0062】
・ フィルム吸着・加圧装置14は、ヘッド31が進退ストロークの最も後端(図2では右方端)に引き下がった位置にセットされている。
【0063】
(4)第2ユニット11B
・ フィルム加熱装置16は、加熱テーブル50が進退ストロークの最も後端(図2では左方端)に引き下がった位置にセットされている。
【0064】
(5)第3ユニット11C
・ フィルム切断装置17は、給送中の先行フィルムFaに対してカッターが後方(図2では左方)に退避した状態にある。
【0065】
・ ブレーキ装置18は、ブレーキ停止状態とされ、かつフィルムカートリッジ12から引出される先行フィルムFaが両ローラ57a,57bの間を走行し得る位置にセットされている。
【0066】
図7に戻って、以上のような状態においてまず供給位置P1のフィルムカートリッジ12の残量が予め設定されたリール交換残量に達すると、待機位置P2にセットされている待機中のフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbが引出され、上方に持上げられて長手方向に位置決めされる(ステップS1,S2)。
【0067】
具体的には、図8(a)に示すように、エアチャック46が作動することにより後続フィルムFbの先端が保持され(つまり、後続フィルムFbが平行爪47により摘まれ)、その後、ボールねじ42の駆動に伴いエアチャック46が上昇し、これにより後続フィルムFbがリールRから引出されつつその先端がフィルム吸着・加圧装置14の前記ヘッド31よりも上方の高さ位置まで引上げられる。この際、エアチャック46によるフィルム保持後、第1ユニット駆動装置111Aの作動により第1ユニット11A全体が待機位置P2からX軸方向(図8(a)では右方)に移動し、この状態でエアチャック46がフィルムカートリッジ12の所定高さまで上昇する。そして、第1ユニット11AがX軸方向の元の位置にリセットされた後、エアチャック46が最終地点まで上昇する。つまり、このようにエアチャック46(平行爪47)をフィルム押えユニット24に対して迂回させながら上昇させることにより、フィルム押えユニット24と平行爪47との干渉を回避しつつ後続フィルムFbをフィルムカートリッジ12から引出すようになっている。
【0068】
なお、後続フィルムFbにはその縁部に一定間隔でカットマークが記されており、例えばフィルム先端部分の最初のカットマークが図外のセンサに検出される高さ位置までエアチャック46が上昇することにより後続フィルムFbの長手方向の位置決めが行われる。
【0069】
図7に戻って、後続フィルムFbの引出しが完了すると、先行フィルムFaの給送が停止されるとともに、第3ユニット11Cのブレーキ装置18がブレーキ停止状態からブレーキ作動状態に切換えられ、先行フィルムFaの長手方向の位置決めが行われる(ステップS3)。この位置決めは、後続フィルムFbの場合と同様に、上記カットマークを図外のセンサにより検出することにより行われる。
【0070】
次いで、センサ40a,40bによる受光幅検出のカウンタ値nに初期値「0」がセットされた後、フィルム吸着・加圧装置14が作動することにより先行フィルムFaに対して後続フィルムFbが重ね合わされ、前記センサ40a,40bにより両フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分の検出が行われる(ステップS4,S5)。
【0071】
詳しくは、前記サーボモータ37が作動してラック36が前進駆動されることによりヘッド31が可動テーブル35に対して前進し、図8(b)に示すようにバキュームボックス33によりフィルムFが負圧吸着される。吸着後、エアチャック46からフィルム先端が開放され、さらにヘッド31が前進する。これにより図9(a)に示すように、後続フィルムFbの先端部分が先行フィルムFaに重ね合わされる所定の接合待機位置にセットされる。そして、この状態で、図11に模式的に示すように、各センサ40a,40bの照射部から照射されているレーザ光のうち、両フィルムFa,Fbを透過してミラー54で反射した光が受光部で受光されることにより、両フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分両端部位におけるレーザ光の受光幅(αn=0,βn=0)が検出され、その合計値(総受光幅N0=α0+β0)が求められて記憶される。
【0072】
総受光幅N0が求まると、次にこの総受光幅N0が、予め記憶されている前記基準値Nと等しいか否かが判断され(ステップS6)、ここで等しいと判断された場合、要するに両フィルムFa,Fbに幅方向のずれがない場合には、ステップS14に移行され、後述するフィルム接合動作が実行される。つまり、上記の通り基準値Nは一枚のフィルムFの総受光幅であるため、フィルムFa,Fbを重ね合わせた状態での総受光幅N0が基準値Nに等しい場合には、両フィルムFa,Fbにずれが無い状態であり、従ってこの場合には直ちにフィルム接合動作に移行される。
【0073】
これに対して総受光幅N0が基準値Nと等しくないと判断された場合、すなわち、両フィルムFa,Fbに幅方向のずれがあると判断された場合には、以下のような位置合わせ動作が実行される。
【0074】
まず、第1ユニット11Aが微小時間だけY軸方向に移動し、これに伴い後続フィルムFbがヘッド31に吸着保持された状態で先行フィルムFaに対して相対的に幅方向(Y軸方向)に移動する(ステップS7)。なお、このときの後続フィルムFb(フィルム吸着・加圧装置14)の移動方向は予め定められており、例えば図11の例では右方(矢印方向)に移動する。
【0075】
そして、上記カウンタ値が「1」だけインクリメントされ後、再度、両フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分における各センサ40a,40bによる受光幅(α1,β1)が求められるとともにその総受光幅N1(N1=α1+β1)が求められて記憶され、さらに今回の総受光幅N1と前回の総受光幅N0とに基づいて、フィルムFa,Fbのずれを修正するための後続フィルムFbの移動方向の判別が行われる(ステップS8〜S10)。具体的には、N1>N0(Nn>Nn+1)の場合には、両フィルムFa,Fbのずれが拡大している場合であるため、ステップS7での移動方向とは反対の方向がずれを修正するための後続フィルムFbの移動方向と判別される。これに対して、N1<N0(Nn<Nn+1)場合いは、両フィルムFa,Fbのずれが縮小している場合であるため、ステップS7での移動方向がずれを修正するための後続フィルムFbの移動方向と判別される。例えば図11の例では、矢印方向に後続フィルムFbを移動させるとN1>N0となるので、この場合には、矢印とは反対の方向が後続フィルムFbの移動方向と判別される。
【0076】
こうして移動方向が判別されると、第1ユニット11Aが駆動され、これにより後続フィルムFbがステップS10で判別された方向に移動するとともに、この移動開始と同時にタイマが作動して予め設定された駆動時間の計時が開始される(ステップS11)。なお、この駆動時間は、第1ユニット11Aを駆動するサーボモータ(第1ユニット駆動装置111Aに組込まれるサーボモータ)が停止状態から定速走行速度に達するまでの加速時間よりも短く設定されている。
【0077】
そして、ステップS12においてタイマ時間が経過したか否かが判断され、ここでNOと判断されると、さらに検出された総受光幅N1(Nn)が基準値Nに等しいか否かが判断される。つまり、両フィルムFa,Fbのずれが解消されたか否かが判断される。ここで、NOと判断された場合には、ステップS12に移行されて引き続き後続フィルムFbの移動が行われる。一方、ステップS13でYESと判断された場合には、ステップS14に移行されて後述するフィルム接合動作が実行される。
【0078】
これに対してステップS12でYESと判断された場合、つまり両フィルムFa,Fbのずれが解消される前にタイマ時間が経過した場合には、第1ユニット11Aの駆動が停止され(ステップS16)、その後、ステップS8に移行されて上記カウンタ値が「1」だけインクリメントされ、その位置でのセンサ40a,40bによる総受光幅N2(Nn)が記憶される。
【0079】
なお、上記のように所定のタイマ時間内、つまり第1ユニット11A(サーボモータ)が定速走行に達するまでに両フィルムFa,Fbのずれが解消した場合にのみフィルム接合動作に移行し、タイマ時間内に両フィルムFa,Fbのずれが解消しない場合には第1ユニット11Aを停止させている理由は、先行フィルムFaに対して後続フィルムFbが逆方向にずれるいわゆるオーバーシュートを防止するためである。すなわち、両フィルムFa,Fbのずれが解消されるまで連続的に第1ユニット11Aを駆動してもよいが、両フィルムFa,Fbのずれが解消された後、モータが停止するまでの時間が長いと、先行フィルムFaに対して後続フィルムFbが逆方向にオーバーシュートするため、上記のように、第1ユニット11A(サーボモータ)が定速走行に達するまで(上記のタイマ時間内)に両フィルムFa,Fbのずれが解消された場合にのみフィルム接合動作に移行することにより、ずれの解消後、モータが停止するまでの時間を短縮してオーバーシュートの発生を防止するようにしている。
【0080】
こうして最終的にステップS13でYESと判断されると、第1ユニット11Aの駆動が停止された後、フィルム接合動作が実行されるとともに、これに次いで先行フィルムFaの切断動作が実行される(ステップS14,S15)。
【0081】
具体的には、まず、フィルム加熱装置16において加熱テーブル50が前進駆動されることにより、先行フィルムFaに対して加熱テーブル50が押付けられる一方、第1ユニット11Aのフィルム吸着・加圧装置14において、可動テーブル35が前進駆動されることにより加圧テーブル32が後続フィルムFbに押付けられる。これにより図9(b)に示すように両フィルムFa,Fbがテーブル32,50により挟持されるとともに、この状態で加熱テーブル50が加熱され、その結果、後続フィルムFbに形成された接着層により両フィルムFa,Fbが互いに加熱接着される。そして、フィルム切断装置17が作動することにより、同図に示すように、両フィルムFa,Fbの接合部分の若干下側で先行フィルムFaが切断される。
【0082】
こうして先行フィルムFaに対する後続フィルムFbの接合が完了すると、カートリッジスライド装置131の作動により供給位置P1のフィルムカートリッジ12が所定の搬出位置に移動させられるとともに、図10に示すように待機位置P2のフィルムカートリッジ12が供給位置P1へと移動させられる。この際、第3ユニット駆動装置111Cの作動により第3ユニット11CがY軸方向(図10では紙面奥側)に一旦退避し、その後、フィルムカートリッジ12が待機位置P2から供給位置P1に移動し、この移動が完了した後、第3ユニット11Cが元の位置にリセットされることにより、新たな先行フィルムFaがブレーキ装置18のブレーキローラ対57の間に挿入される。
【0083】
そして、図示を省略するが、カートリッジ搬送装置132により次のフィルムカートリッジ12が待機位置P2に搬入され、これにより本フローチャートが終了する。
【0084】
以上のように、本発明に係る上記のフィルム接合ユニット10では、センサ40a,40bにより一のフィルムの両端部分にレーザ光を照射してその透過光の総受光幅を検出し、この総受光幅を基準値Nとして予め記憶しておき、フィルム接合時には、先行フィルムFaと後続フィルムFbとを重ね合わせて同様に総受光幅Nnを検出し、この受光幅Nnが上記基準値と等しくなるように後続フィルムFbを移動させることにより両フィルムFa,Fbの位置合わせを行うようにしているので、両フィルムFa,Fbの位置合わせに際して、従来のように各フィルムの相対的な位置関係を厳密に調べる必要がない。
【0085】
そのため、前記センサ40a,40bやミラー54の取付けに際しては、フィルムF(フィルムFa,Fb)の両端部分にレーザ光を照射してその透過光を検出することができさえすればよく、従来のようにフィルム検知用のセンサの取付けに然程精度は要求されない。その上、事前に必要なデータは、一のフィルムにレーザ光を照射したときの総受光幅(基準値N)だけであるため、事前データの取得作業も極めて簡単なものとなる。従って、センサの取付けに高精度が要求され、さらに多くのデータを事前に収集する必要がある従来のこの種の装置と比較すると、フィルム接合ユニット10の生産性が非常に良いものとなる。
【0086】
また、故障や破損によりセンサ40a,40bを交換する場合でも、上記のように然程精度は要求されないため作業が容易であり、しかも、センサ40a,40bの交換に伴う事前データの再取得も上記基準値Nだけで済むため極めて簡単に、かつ速やかに行うことができる。従って、メンテナンス性も非常によいものとなる。
【0087】
ところで、以上説明したフィルム貼付装置に適用されているフィルム接合ユニット10は、本発明に係るフィルム接合装置(本発明に係るフィルム接合方法が適用されるフィルム接合装置)の一の実施形態であって、その具体的な構成、制御方法は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0088】
例えば、上記のフィルム接合ユニット10では、ヘッド31に二つのセンサ40a,40bをY軸方向に並べて設け、フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分の両端にそれぞれレーザ光を照射してその受光幅αn,βnを検出し、その総検出幅Nnが基準値Nと一致するように後続フィルムFbを移動させて幅方向の位置合わせを行うようにしているが、例えばフィルムFa,Fbの重ね合わせ部分よりも十分にY軸方向に広いレーザ光の照射部と受光部とをもつ一のセンサを用いて当該重ね合わせ部分の透過光を受光することにより当該重ね合わせ部分の幅、つまり遮光幅(投影幅)を検出し、この検出幅が基準値、つまり一のフィルムの遮光幅(投影幅)と等しくなるように後続フィルムFbを移動させて幅方向の位置合わせを行うようにしてもよい。この構成によると、一つのセンサで対応でき、また、基準値としてフィルムFの幅(設計値)を用いることが可能となるため、基準値を実測する必要がなくなる(事前データの取得が不要になる)という利点がある。但し、この構成の場合には、フィルムFが広幅のものであるとセンサが大型化するとともに高価になる。これに対して、上記の実施形態のように2つのセンサ40a,40bをそれぞれ使ってフィルムFa,Fbの重ね合わせ部分の両端における透過光の受光幅を検出する構成によれば、フィルムFの幅に拘わらずセンサ自体は小型で安価なものを使用できるため、装置のコンパクト化、低廉化を図る上では上記実施形態の構成を採用するのが好ましい。
【0089】
また、上記の実施形態では、フィルム吸着・加圧装置14のヘッド31にセンサ40a,40bを設けているが、可能な場合には第1可動フレーム30に固定的にセンサ40a,40bを設けるようにしてもよい。
【0090】
また、上記の実施形態では、本発明の検出手段として、レーザ光の照射部と受光部とを一体に具備するセンサ40a,40bと反射用ミラー54とを設けているが、勿論、フィルムFを挟んでレーザ光の照射部と受光部とを配設したセンサを使用することにより、ミラーを使用することなくレーザ光の受光幅を検出し得るように構成してもよい。
【0091】
また、上記の実施形態では、先行フィルムFaと後続フィルムFbとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側にレーザ光を照射し、その透過光の受光幅に基づいて後続フィルムFbの位置合わせを行うようにしているが、勿論、フィルムFa,Fbで反射する反射光を受光することにより、その受光幅に基づいて後続フィルムFbの位置合わせを行うようにしてもよい。但し、この場合には、レーザ光の照射部からフィルムFの反射面までの距離が先行フィルムFaと後続フィルムFbとで相違するため、両フィルムFa,Fbの間隔によっては受光幅の検出信頼性が低下することが考えられる。そのため、位置合わせの信頼性を確保する上では、実施形態のように両フィルムFa,Fbの間隔による影響を受けない透過光を受光するようにするのが好ましい。
【0092】
また、上記の実施形態では、供給位置P1のフィルムカートリッジ12の残量が予め設定されたリール交換残量に達した後に、待機中のフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbが引出されるようにしているが、勿論、待機中のフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbを予め引出した状態(図9(a)の状態;但し、ブレーキ装置18はブレーキ停止状態)で待機させておき、先行フィルムFaの残量が予め設定されたリール交換残量に達することにより、直ちに図7のステップS3以降の処理を実行するようにしてもよい。このようにすれば、先行フィルムFaの残量が交換残量に達したことが検知されてから後続フィルムFbの接合が完了するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係るフィルム接合装置(本発明に係るフィルム接合方法が適用されるフィルム接合装置)が適用されるフィルム貼付装置を示す模式図である。
【図2】ラミネートフィルム供給装置のフィルム接合ユニット(本発明に係るフィルム接合装置)を示す正面概略図である。
【図3】フィルム接合ユニットを示す平面概略図である。
【図4】フィルムカートリッジを示す斜視図である。
【図5】フィルム貼付装置の制御系(主にラミネートフィルム供給装置のフィルム接合ユニットを制御する部分)の構成を示すブロック図である。
【図6】制御装置に含まれる各種機能構成のうち、主に先行フィルムと後続フィルムとを接合する接合処理制御を担う部分の構成を示すブロック図である。
【図7】制御装置によるフィルム接合動作の制御を示すフローチャートである。
【図8】フィルム接合ユニットにおけるフィルム接合動作を示す概略図である((a)はフィルムカートリッジから後続フィルムが引出された状態、(b)はヘッド(バキュームボックス)によりフィルム先端部分が負圧吸着され保持された状態をそれぞれ示す)。
【図9】フィルム接合ユニットにおけるフィルム接合動作を示す概略図である((a)は先行フィルムに後続フィルムが重ね合わされた状態、(b)は両フィルムを加熱接着し、先行フィルムを切断した状態をそれぞれ示す)。
【図10】フィルム接合後、待機位置のフィルムカートリッジが供給位置に移された状態を示すフィルム接合ユニットの概略図である。
【図11】先行フィルムと後続フィルムとを接合する際の両フィルムの幅方向の位置合わせ動作(方法)を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ラミネート装置
2 ラミネートフィルム供給装置
10 フィルム接合ユニット
12 フィルムカートリッジ
14 フィルム吸着・加圧装置
15 フィルム引出し装置
16 フィルム加熱装置
17 フィルム切断装置
18 ブレーキ装置
R リール
F フィルム
Fa 先行フィルム
Fb 後続フィルム
【技術分野】
【0001】
リール状に巻回された帯状フィルムを引出しながら包装等に使用し、その残存量が減少した際に別途待機しているフィルムを現在引出し中のフィルムに接合するフィルム接合装置におけるフィルム接合方法およびフィルム接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、帯状フィルムを巻回したリールを支持し、このリールからフィルムを引出しなが包装機等に給送しながら、当該リールの残存量が減少すると、別途待機しているリールから引出したフィルムの先端を先行フィルムに重ね合わせて加熱融着することにより連続的にフィルムを供給できるようにしたフィルム接合装置が一般に知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
この種のフィルム接合装置では、先行フィルムと後続フィルムとが互いに幅方向(長手方向と直交する方向)にずれた状態で接合されると、包装機等における包装不良やフィルムの給送トラブルの原因となる。そのため、従来では、オペレータがマニュアル操作で先行フィルムと後続フィルムの幅合わせ(位置決め)を行ってから両フィルムを接合することが行われてきたが、近年ではこの作業を自動化すべく、例えば基準位置に対する先行フィルムと後続フィルムの幅方向のずれを個別にセンサで検出し、つまり各フィルムの絶対位置をセンサで検出し、誤差がある場合には後続フィルムを幅方向に自動的に移動させて先行フィルムに正しく重ね合わせてから接合することが行われている。
【特許文献1】特開平6−42616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように基準位置に対するフィルムのずれをフィルム毎に個別のセンサで検出してずれ補正を行う従来の装置(方法)では、基準位置に対してセンサの組付け誤差があるとフィルム同士の正確なずれを検知することが困難となる。
【0005】
そのため、現実には、センサを精密に組付けた上で、使用前(稼働前)にフィルムの接合テストを繰り返し実施してセンサの検出誤差を事前に調べることにより補正値を設定し、使用中(稼働中)は、この補正値に基づいてセンサの検出値を補正するようにしているが、給送中、フィルムは幅方向に振れるためその位置が安定し難く、信頼性の高い補正値を設定するには生産段階で接合テストを何度も繰り返す必要がある。そのため、生産工程でのデータ収集に時間を要するという問題があった。しかも、故障や破損により上記センサを交換した場合には、包装工場等の現場で上記のような接合テストを再度繰り返し実施して補正値を設定する必要がありメンテナンス性も良いものとは言えなかった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、フィルムの接合を適正に行う一方で、生産性およびメンテナンス性に優れたフィルム接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のフィルム接合方法は、先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合方法において、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出し、この検出幅が一のフィルムのみに光を照射したときの上記検出幅である基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させた後、両フィルムを互いに接合するようにしたものである(請求項1)。
【0008】
また、本発明に係るフィルム接合装置は、先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合装置において、先行フィルムに対して後続フィルムを相対的にフィルムの重ね合わせ方向およびフィルムの幅方向に移動させるフィルム移動手段と、光の照射部とその受光部とを備え、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射してその光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出する検出手段と、一のフィルムのみに光を照射したときの前記検出手段による検出幅を基準値として記憶する記憶手段と、両フィルムの重ね合わせ部分を接合するフィルム接合手段と、前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、先行フィルムに対して後続フィルムを重ね合わせた後、前記検出手段による検出幅に基づき当該検出幅が前記記憶手段に記憶されている基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させる位置合わせ動作を実行してからフィルム同士を接合するように前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御するように構成されているものである(請求項3)。
【0009】
このフィルム接合装置(方法)によると、両フィルムの重ね合わせ部分おける光の受光幅、又は遮光幅を検出し、その検出幅が、事前に検出した一のフィルムの検出幅(基準値)と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させて位置合わせを行うため、従来のように両フィルムの相対的な位置関係を厳密に検出する必要がない。そのため、両フィルムの重ね合わせ部分における透過光又は反射光を検出できれば光の照射部や受光部(センサ部分)の取付けに然程の度が要求されない。また、事前に必要なデータは、一のフィルムに光を照射したときの光の受光幅、又は遮光幅(上記基準値)だけであるため、事前データの取得作業も極めて簡単なものとなる。その上、故障や破損により光の照射部や受光部(センサ部分)を交換する場合でも、上記のように取付け精度が要求されることがないため交換が容易で、また、事前データの再取得も上記基準値だけで済むため極めて速やかに行うことが可能となる。
【0010】
上記のようなフィルム接合方法においては、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その透過光を受光するのが望ましい(請求項2)。
【0011】
勿論、光の反射光を受光するようにしてもよいが、この場合には、光の照射部からフィルムの反射面までの距離が先行フィルムと後続フィルムとで相違するため、両フィルムの間隔によっては検出幅の信頼性が低下する。そのため、両フィルムの間隔による影響を受けない透過光を受光するのが好ましい。
【0012】
一方、上記のようなフィルム接合装置において、前記検出手段は、両フィルムの重ね合わせ部分のうち幅方向一方側の端部位において前記光を照射しつつその光を受光する第1検出手段と、他方側の端部分において前記光を照射しつつその光を受光する第2検出手段とからなり、前記記憶手段は、一のフィルムのみに光を照射してその光を受光したときの前記各検出手段による受光幅の合計値を基準値として記憶し、前記制御手段は、前記各検出手段による光の受光幅の合計値を前記検出幅として、この検出幅が前記基準値に等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させるように構成されているのが好ましい(請求項4)。
【0013】
例えば、フィルムの幅よりも十分に広幅の光の照射部、及び受光部をもつ単一の検出手段を使って両フィルムの重ね合わせ部分の受光幅、又は遮光幅を検出するようにしてもよいが、この構成ではフィルム幅が広くなると、いきおい検出手段が大型化してしまう。これに対して上記のように一対の検出手段を設けてフィルムの端部位においてそれぞれ光を照射しつつ受光する構成によると、各検出手段はフィルムサイズに拘らずコンパクトなものを使用できる。そのため、トータル的に見ると装置の大型化等を抑える上で有利となる。
【0014】
なお、上記のフィルム接合装置においては、位置合わせを行うための予め設定された時間を計時する計時手段をさらに備え、前記制御手段が、前記位置合わせ動作の開始後、上記計時手段により計時される時間内に位置合わせが完了しない場合には当該時間の経過時に前記位置合わせ動作を一旦終了した後、再度位置合わせ動作を開始すべくフィルム移動手段を駆動制御するものであるのが好ましい(請求項5)。
【0015】
すなわち、最終的にフィルムの位置合わせが完了するまで連続的にフィルム移動手段を駆動させてもよいが、この場合には、例えばフィルム移動手段が停止するまでのタイムラグによりフィルムが反対側にずれるいわゆるオーバーシュートを招くことが考えられる。これに対して上記のような構成によれば、例えば微小時間を設定すれば、フィルム移動手段を小刻みに駆動させながら位置合わせを行うことによりオーバーシュートを有効に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のフィルム接合装置(方法)によると、両フィルムの重ね合わせ部分における光の受光幅、又は遮光幅を検出し、この検出幅が、事前に検出した一のフィルムの検出幅(基準値)と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させて位置合わせを行うため、両フィルムの重ね合わせ部分の透過光又は反射光を検出できさえすれば光の照射部や受光部(センサ部分)の取付けに然程精度が要求されない。また、事前に必要なデータは、一のフィルムに光を照射したときの光の受光幅、又は遮光幅(上記基準値)だけであるため、事前データの取得作業も極めて簡単なものとなる。その上、故障や破損により光の照射部や受光部(センサ部分)を交換する場合でも、上記のように特別高い取付け精度が要求されることがないため交換が容易で、また、事前データの再取得も上記基準値だけで済むため極めて速やかに行うことができる。従って、先行フィルムに対する後続フィルムの接合信頼性を保つ一方で、フィルム接合装置の生産性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るフィルム接合装置(本発明のフィルム接合方法が適用されるフィルム接合装置)について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、上記のフィルム接合装置が適用されるフィルム貼付装置の全体構成を模式的に示している。この図に示すフィルム貼付装置は、アルコール飲料や清涼飲料用のアルミ缶に商品名称等の表示が印刷されたフィルムをラミネート加工する装置であって、大別するとラミネート装置1とラミネートフィルム供給装置2とから構成されている。
【0019】
ラミネート装置1は、ラミネートフィルム供給装置2から給送される帯状のラミネートフィルムF(以下、フィルムFと略す)、具体的には、商品名称等の表示が連続して印刷され、かつ裏面に熱可塑性の接着面が形成されたフィルムFを缶に巻付けて貼付けるものである。すなわち、このラミネート装置1は、具体的には図示していないが、フィルムFを一缶分毎に定寸切断する切断機構、貼付け機構、およびワークである缶の加熱機構等を有しており、切断されたフィルムと缶とを同期させて前記貼付け機構に供給することにより缶の表面にフィルムを貼付けるように構成されている。
【0020】
前記ラミネートフィルム供給装置2は、フィルムFが巻回されたリールRを支持し、このリールRからフィルムFを引出しながら前記ラミネート装置1に供給するものである。
【0021】
このラミネートフィルム供給装置2には、本発明に係るフィルム接合装置に相当するフィルム接合ユニット10が組込まれており、フィルム貼付装置の稼動中は、同図に示すように同ユニット10に2つのリールRを支持し、一方側のリールRからフィルムFを引出しながラミネート装置1に給送し、当該リールRの残存量が減少すると、待機している他方側のリールRからフィルムFを引出して先行フィルムFに接合することにより、ラミネート装置1に対してフィルムFを連続的に給送し得るように構成されている。
【0022】
以下、このフィルム接合ユニット10の構成について詳細に説明する。
【0023】
図2および図3は、前記フィルム接合ユニット10の構成を示す概略図で、図2は正面図、図3は平面図でそれぞれフィルム接合ユニット10を示している。なお、図2,3には、方向性を明確にするためにX軸、Y軸を表示している。このX軸は、図1に示すようにラミネート装置1とラミネートフィルム供給装置2の並び方向で、Y軸は、水平面上でX軸と直交する方向(図1,2では紙面に直交する方向)である。
【0024】
フィルム接合ユニット10は、その基台上に櫓状に設けられる図外のフレーム本体を有しており、このフレーム本体に、リールRを支持するフィルムカートリッジ12(図2にのみ図示)と、フィルムFを接合するための第1〜第3の単位ユニット11A〜11C(第1ユニット11A,第2ユニット11B,第3ユニット11Cという)とを備えている。
【0025】
フィルムカートリッジ12は、図4に示すように略正方形のベース20を有し、このベース20上に立設される支持板21に、水平に延びるY軸方向のフィルムリールシャフト22(以下、シャフト22と略す)を有している。そして、このシャフト22によりリールRを回転自在に、かつ着脱可能に支持するようになっている。
【0026】
支持板21には、リールRから引出されたフィルムFを案内するための3つのガイドローラ23a〜23cが前記シャフト22の上方に設けられている。これらのガイドローラ23a〜23cのうち、下側2つのガイドローラ23a,23bは僅かの段差を持ってX軸方向に並べて設けられており、残りのガイドローラ23cは、それらの上方に離間して設けられている。そして、下側のガイドローラ23a,23bと上側のガイドローラ23cとの間にフィルム押えユニット24が設けられている。
【0027】
フィルム押えユニット24は、リールRから引出したフィルムFの先端を保持するものである。このフィルム押えユニット24は、前記支持板21に略水平に固定されるテーブル25と、その一端(図4では右端)に設けられる押え部材26とを備えている。そして、リールRから引出されたフィルムFの先端を上記テーブル25上に載せた状態で押え部材26によりクランプすることによってフィルムFの先端を保持するように構成されている。なお、押え部材26によるフィルムFの保持(クランプ)力は、フィルム接合時、後記フィルム引出し装置15の作動によりフィルムFの先端を容易に引き抜くことができる程度に設定されている。
【0028】
フィルムカートリッジ12は、図2に示すように、フィルム接合ユニット10に設けられる供給位置P1と待機位置P2、つまりフィルムFを給送する際にリールRをセットする位置(供給位置P1)と次のリールRを待機させる位置(待機位置P2)とにそれぞれ配置されている。そして、供給位置P1にセットされたリールRによるフィルムFの供給が終了すると、カートリッジスライド装置131(図5参照)により供給位置P1のフィルムカートリッジ12を所定の搬出位置に移動させるとともに、待機位置P2の次のフィルムカートリッジ12を供給位置P1へ移動させるように構成されている。
【0029】
なお、このフィルム貼付装置には、フィルムカートリッジ12をフィルム接合ユニット10から図外のリールストッカに搬送するカートリッジ搬送装置132(図5参照)が設けられており、このカートリッジ搬送装置132の作動により、フィルムFの供給を終えたフィルムカートリッジ12をフィルム接合ユニット10からリールストッカに搬送し、ここでリールRの交換を行った後、再びフィルム接合ユニット10に搬送して前記待機位置P2にセットするように構成されている。
【0030】
一方、前記第1ユニット11Aは、待機位置P2の上方に設けられている。
【0031】
この第1ユニット11Aは、供給位置P1のフィルムカートリッジ12から給送されているフィルムF(以下、先行フィルムFaという)に対して待機位置P2にあるフィルムカートリッジ12のリールRから引出されたフィルムF(以下、後続フィルムFbという)を接合すべく、当該後続フィルムFbをフィルムカートリッジ12から引出すとともに、後述する第2ユニット11Bと協働して先行フィルムと後続フィルムFbの幅方向の位置合わせ、およびフィルムFa,Fbの接合を行うものである。
【0032】
具体的に説明すると、この第1ユニット11Aは、フィルム接合ユニット10のフレーム本体に対してX軸方向およびY軸方向に移動可能に支持され、かつ第1ユニット駆動装置111A(図5参照)により駆動される第1可動フレーム30を有しており、この第1可動フレーム30に、フィルム吸着・加圧装置14およびフィルム引出し装置15を備えた構成となっている。
【0033】
フィルム引出し装置15は、待機位置P2にあるフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbを引出すもので、図2及び図3に示すように、Y軸方向に延びる一対の平行爪47を備えた昇降可能なエアチャック46を有し、このエアチャック46より後続フィルムFbの先端部分を保持して(摘んで)、所定の接合高さ位置まで引上げる(引出す)ようになっている。
【0034】
すなわち、第1可動フレーム30には、サーボモータ44により回転駆動される上下方向に延びるボールねじ42と、これと平行なガイドレール(図示省略)が設けられ、前記エアチャック46がこのガイドレールにスライド可能に装着されるとともに、エアチャック46の図外のナット部分が前記ボールねじ42に螺合装着されている。そして、前記サーボモータ44によるボールねじ42の回転に伴いエアチャック46が前記ガイドに沿って昇降し、例えば下降端位置において後続フィルムFbを前記平行爪47により保持した後、その状態でエアチャック46が上昇することによりフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbを引出すようになっている。
【0035】
フィルム吸着・加圧装置14は、フィルム引出し装置15により所定の接合高さ位置まで引出した後続フィルムFbの先端を吸着保持して先行フィルムFaに押付けるもので、移動可能なヘッド31を有している。
【0036】
このヘッド31は、垂直な加圧面をもつ加圧テーブル32とその上下両側に設けられる一対のバキュームボックス33とを有し、バキュームボックス33により後続フィルムFbを負圧吸着して保持するとともに、フィルム接合時には、加圧テーブル32により後続フィルムFbを先行フィルムFaに対して押圧するように構成されている。
【0037】
このヘッド31は、第1可動フレーム30に対してX軸方向に二段階に移動可能に支持されている。すなわち、第1可動フレーム30には、X軸方向のレール34が設けられ、このレール34に可動テーブル35が移動可能に支持され、第1可動フレーム30に固定されたエアシリンダ39のロッドがこの可動テーブル35に接続されている。また、可動テーブル35に、X軸方向に延びるとともにその軸方向に移動可能に支持される軸状のラック36が設けられ、このラック36の先端(図2では左端)に前記ヘッド30が設けられるとともに、このラック36に、サーボモータ37により回転駆動されるピニオン38が噛合している。そして、前記サーボモータ37によりピニオン38が回転駆動されると、これに伴いヘッド31がラック36と一体に可動テーブル35に対してX軸方向に移動し、他方、エアシリンダ39が作動すると、これに伴い第1可動フレーム30に対して可動テーブル35がX軸方向に移動し、その結果、ヘッド31がX軸方向に二段階に移動するようになっている。
【0038】
前記ヘッド31には、さらにフィルム接合時に先行フィルムFaと後続フィルムFbの幅方向(Y軸方向)のずれを検出するための一対のセンサ40a,40bが設けられている。これらのセンサ40a,40bは、レーザ光(X軸方向に幅をもつ平行光)の照射部と受光部とを一体に備えたラインセンサで、前記照射部から後述する第2ユニット11Bに向ってレーザ光を照射し、第2ユニット11Bの後記ミラー54で反射したレーザ光を受光することにより、その検出信号を後記制御装置65に出力するようになっている。
【0039】
これらのセンサ40a,40bは、それぞれ先行フィルムFaと後続フィルムFbとの重ね合わせ部分の端部を含む一定の領域にレーザ光を照射し得るように間隔設定されており(図11参照)、ヘッド31の下側のバキュームボックス33の斜め下後方に配置されている。なお、センサ40a,40bは、例えばフィルムFの幅に基づき、そのエッジが蛇行しても検出が可能となるように間隔設定されている。
【0040】
第2ユニット11Bは、前記フレーム本体に固定的に設けられ、供給位置P1の上方であって第1ユニット11Aに対してX軸方向に対向する箇所に配置されている。
【0041】
この第1ユニット11Aには、フィルム接合時に、供給位置P1のフィルムカートリッジ12から供給されているフィルムFを、その表面側(図2では左側)から支えながら加熱するためのフィルム加熱装置16と、前記センサ40a,40bから照射されるレーザ光の反射用ミラー54とが搭載されている。
【0042】
前記フィルム加熱装置16は、前記ヘッド31の加圧テーブル32に対向し、かつその加圧面と平行な加熱面をもつ加熱テーブル50と、この加熱テーブル50をフィルム接合ユニット10のフレーム本体に対してX軸方向に進退駆動するエアシリンダ52とを有している。加熱テーブル50の前記加熱面にはヒーターが内蔵されており、フィルム接合時には、加熱テーブル50と前記ヘッド31の加圧テーブル32とによりフィルムFa,Fbを挟持した状態で前記加熱面がヒーター加熱されることにより、フィルムFa,Fbを加熱接着(融着)するように構成されている。
【0043】
第3ユニット11Cは、上記第2ユニット11Bの下側に設けられている。
【0044】
この第3ユニット11Cは、フィルム接合ユニット10の本体フレームに対してY軸方向に移動可能に支持され、かつ第3ユニット駆動装置111C(図5参照)により駆動される第2可動フレーム55を有しており、このフレーム55に、フィルム切断装置17とブレーキ装置18とを搭載した構成となっている。
【0045】
フィルム切断装置17は、フィルム接合後、不要な先行フィルムFaを切断するためので、詳しく図示していないが、カッターとこれを進退駆動するエアシリンダとを有し、フィルム切断時には、カッターを前進させてその刃先を先行フィルムFaに押し当てることにより先行フィルムFaを切断するように構成されている。
【0046】
ブレーキ装置18は、先行フィルムFaの切断時に該フィルムFaの不要な引出しを阻止してフィルムFaにテンションを与えるもので、先行フィルムFaを挟んで互いに反対側に配置される従動ローラ57aおよび固定ローラ57bからなるブレーキローラ対57と、このブレーキローラ対57のうち固定ローラ57bを従動ローラ57aに対して進退駆動するエアシリンダ58とを備えており、従動ローラ57aに対して固定ローラ57bを進退駆動することにより、両ローラ57a,57bが離間するブレーキ停止状態と、両ローラ57a,57bが密着するブレーキ作動状態とに切換えられるように構成されている。すなわち、フィルム切断時以外は、ブレーキ装置18がブレーキ停止状態とされることにより両ローラ57a,57bの間を通じて先行フィルムFaの給送が可能となる一方、フィルム切断時には、ブレーキ装置18がブレーキ作動状態に切換えられることにより先行フィルムFaが両ローラ57a,57bに挟持され、その結果、先行フィルムFaの不要な引出しが阻止されるとともに、フィルム貼付けおよび切断に必要な適切なテンションを先行フィルムFaに与えるようになっている。
【0047】
図5は、上記のように構成されたフィルム貼付装置の制御系のうち、主にラミネートフィルム供給装置2における前記フィルム接合ユニット10を制御する部分の構成をブロック図で示している。
【0048】
この図に示すように、前記フィルム貼付装置は、ラミネート装置1およびラミネートフィルム供給装置2等の動作を制御する制御装置65を有している。
【0049】
この制御装置65は、制御装置本体66、CRT72およびキーボード73等を備えており、必要に応じてハードディスクや光磁気ディスク等の外部記憶装置が設けられる。
【0050】
前記制御装置本体66は、論理演算を実行する周知のCPU67、そのCPU67を制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM68、装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM69、フィルム貼付処理や、後述するフィルム接合処理等を含む種々のプログラムやOSその他のプログラム、さらにフィルム接合処理等に必要な各種データを記憶するHDD70およびI/Oコントローラ(IOC)71等を備え、これらCPU67等が互いに内部バス72により接続された構成となっている。
【0051】
IOC71には、第1〜第3の各ユニット11A〜11Cに搭載される各装置14〜18、第1および第3のユニット駆動装置111A,111C、カートリッジスライド装置131およびカートリッジ搬送装置132等が接続されており、CPU67からの指令に従い、各装置14〜18と制御装置本体66との間の各種制御信号および各種データ(センサ40a,40bによる検出信号等)の入力がこのIOC71により制御されることにより、前記装置14〜18等の動作が制御装置本体66により制御されるようになっている。
【0052】
図6は、制御装置本体66に含まれる各種機能構成のうち、主に、先行フィルムFaと後続フィルムFbとを接合する接合処理制御を担う部分の構成をブロック図で示している。
【0053】
この図に示すように、制御装置本体66は、フィルム接合処理を行うための機能構成として主制御部75、誤差演算部76、受光幅検出部77および記憶部78を含んでいる。
【0054】
主制御部75は、予め記憶されたプログラムに従ってフィルム接合処理を実行すべく前記第1〜第3の各ユニット11A〜11Cに搭載される各装置14〜18等を統括的に制御するものである。特に、フィルム接合に先立ち、受光幅検出部77で求められるレーザ光の受光幅、および誤差演算部76で求められる受光幅の誤差に基づき、先行フィルムFaに対する後続フィルムFbのずれ(幅方向のずれ)の有無の判別、およびずれがある場合にはその方向、ずれ量を判別してずれを解消すべく前記フィルム吸着・加圧装置14を駆動制御する。
【0055】
受光幅検出部77は、前記センサ40a,40bからの検出信号に基づきそれぞれレーザ光の受光幅を求めるものである。
【0056】
誤差演算部76は、各センサ40a,40bによるレーザ光の受光幅の合計値(総受光幅)を求めるとともに、この総受光幅と記憶部78に予め記憶されている当該総受光幅の基準値Nとを比較してその誤差を演算するものである。ここで、基準値Nとは、一枚のフィルムFの両端部位を前記センサ40a,40bにより実際に検出した場合の各センサ40a,40bによるレーザ光の受光幅の合計値(総受光幅)であり、例えばフィルム貼付装置の稼働前テスト、あるいは稼動中、一定期間毎に実測されて記憶される。
【0057】
次に、上記制御装置65(主制御部75)によるフィルム接合の動作制御について、図8〜図11を参照しながら図7のフローチャートに従って説明する。
【0058】
前提としてフィルム接合ユニット10の各装置14〜18およびフィルムカートリッジ12等は以下のような状態に制御されているものとする。
【0059】
(1)供給位置P1のフィルムカートリッジ12から先行フィルムFaが引出されつつラミネート装置1に給送されている。
【0060】
(2)待機位置P2のフィルムカートリッジ12については、リールRから後続フィルムFbが引出されてその先端がフィルム押えユニット24により保持されている。
【0061】
(3)第1ユニット11A
・ フィルム引出し装置15は、所定の高さ位置であって、かつ平行爪47により後続フィルムFbの先端部分をチャック可能な位置、すなわち平行爪47の間に後続フィルムFbが介在するような位置にエアチャック46がセットされている。
【0062】
・ フィルム吸着・加圧装置14は、ヘッド31が進退ストロークの最も後端(図2では右方端)に引き下がった位置にセットされている。
【0063】
(4)第2ユニット11B
・ フィルム加熱装置16は、加熱テーブル50が進退ストロークの最も後端(図2では左方端)に引き下がった位置にセットされている。
【0064】
(5)第3ユニット11C
・ フィルム切断装置17は、給送中の先行フィルムFaに対してカッターが後方(図2では左方)に退避した状態にある。
【0065】
・ ブレーキ装置18は、ブレーキ停止状態とされ、かつフィルムカートリッジ12から引出される先行フィルムFaが両ローラ57a,57bの間を走行し得る位置にセットされている。
【0066】
図7に戻って、以上のような状態においてまず供給位置P1のフィルムカートリッジ12の残量が予め設定されたリール交換残量に達すると、待機位置P2にセットされている待機中のフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbが引出され、上方に持上げられて長手方向に位置決めされる(ステップS1,S2)。
【0067】
具体的には、図8(a)に示すように、エアチャック46が作動することにより後続フィルムFbの先端が保持され(つまり、後続フィルムFbが平行爪47により摘まれ)、その後、ボールねじ42の駆動に伴いエアチャック46が上昇し、これにより後続フィルムFbがリールRから引出されつつその先端がフィルム吸着・加圧装置14の前記ヘッド31よりも上方の高さ位置まで引上げられる。この際、エアチャック46によるフィルム保持後、第1ユニット駆動装置111Aの作動により第1ユニット11A全体が待機位置P2からX軸方向(図8(a)では右方)に移動し、この状態でエアチャック46がフィルムカートリッジ12の所定高さまで上昇する。そして、第1ユニット11AがX軸方向の元の位置にリセットされた後、エアチャック46が最終地点まで上昇する。つまり、このようにエアチャック46(平行爪47)をフィルム押えユニット24に対して迂回させながら上昇させることにより、フィルム押えユニット24と平行爪47との干渉を回避しつつ後続フィルムFbをフィルムカートリッジ12から引出すようになっている。
【0068】
なお、後続フィルムFbにはその縁部に一定間隔でカットマークが記されており、例えばフィルム先端部分の最初のカットマークが図外のセンサに検出される高さ位置までエアチャック46が上昇することにより後続フィルムFbの長手方向の位置決めが行われる。
【0069】
図7に戻って、後続フィルムFbの引出しが完了すると、先行フィルムFaの給送が停止されるとともに、第3ユニット11Cのブレーキ装置18がブレーキ停止状態からブレーキ作動状態に切換えられ、先行フィルムFaの長手方向の位置決めが行われる(ステップS3)。この位置決めは、後続フィルムFbの場合と同様に、上記カットマークを図外のセンサにより検出することにより行われる。
【0070】
次いで、センサ40a,40bによる受光幅検出のカウンタ値nに初期値「0」がセットされた後、フィルム吸着・加圧装置14が作動することにより先行フィルムFaに対して後続フィルムFbが重ね合わされ、前記センサ40a,40bにより両フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分の検出が行われる(ステップS4,S5)。
【0071】
詳しくは、前記サーボモータ37が作動してラック36が前進駆動されることによりヘッド31が可動テーブル35に対して前進し、図8(b)に示すようにバキュームボックス33によりフィルムFが負圧吸着される。吸着後、エアチャック46からフィルム先端が開放され、さらにヘッド31が前進する。これにより図9(a)に示すように、後続フィルムFbの先端部分が先行フィルムFaに重ね合わされる所定の接合待機位置にセットされる。そして、この状態で、図11に模式的に示すように、各センサ40a,40bの照射部から照射されているレーザ光のうち、両フィルムFa,Fbを透過してミラー54で反射した光が受光部で受光されることにより、両フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分両端部位におけるレーザ光の受光幅(αn=0,βn=0)が検出され、その合計値(総受光幅N0=α0+β0)が求められて記憶される。
【0072】
総受光幅N0が求まると、次にこの総受光幅N0が、予め記憶されている前記基準値Nと等しいか否かが判断され(ステップS6)、ここで等しいと判断された場合、要するに両フィルムFa,Fbに幅方向のずれがない場合には、ステップS14に移行され、後述するフィルム接合動作が実行される。つまり、上記の通り基準値Nは一枚のフィルムFの総受光幅であるため、フィルムFa,Fbを重ね合わせた状態での総受光幅N0が基準値Nに等しい場合には、両フィルムFa,Fbにずれが無い状態であり、従ってこの場合には直ちにフィルム接合動作に移行される。
【0073】
これに対して総受光幅N0が基準値Nと等しくないと判断された場合、すなわち、両フィルムFa,Fbに幅方向のずれがあると判断された場合には、以下のような位置合わせ動作が実行される。
【0074】
まず、第1ユニット11Aが微小時間だけY軸方向に移動し、これに伴い後続フィルムFbがヘッド31に吸着保持された状態で先行フィルムFaに対して相対的に幅方向(Y軸方向)に移動する(ステップS7)。なお、このときの後続フィルムFb(フィルム吸着・加圧装置14)の移動方向は予め定められており、例えば図11の例では右方(矢印方向)に移動する。
【0075】
そして、上記カウンタ値が「1」だけインクリメントされ後、再度、両フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分における各センサ40a,40bによる受光幅(α1,β1)が求められるとともにその総受光幅N1(N1=α1+β1)が求められて記憶され、さらに今回の総受光幅N1と前回の総受光幅N0とに基づいて、フィルムFa,Fbのずれを修正するための後続フィルムFbの移動方向の判別が行われる(ステップS8〜S10)。具体的には、N1>N0(Nn>Nn+1)の場合には、両フィルムFa,Fbのずれが拡大している場合であるため、ステップS7での移動方向とは反対の方向がずれを修正するための後続フィルムFbの移動方向と判別される。これに対して、N1<N0(Nn<Nn+1)場合いは、両フィルムFa,Fbのずれが縮小している場合であるため、ステップS7での移動方向がずれを修正するための後続フィルムFbの移動方向と判別される。例えば図11の例では、矢印方向に後続フィルムFbを移動させるとN1>N0となるので、この場合には、矢印とは反対の方向が後続フィルムFbの移動方向と判別される。
【0076】
こうして移動方向が判別されると、第1ユニット11Aが駆動され、これにより後続フィルムFbがステップS10で判別された方向に移動するとともに、この移動開始と同時にタイマが作動して予め設定された駆動時間の計時が開始される(ステップS11)。なお、この駆動時間は、第1ユニット11Aを駆動するサーボモータ(第1ユニット駆動装置111Aに組込まれるサーボモータ)が停止状態から定速走行速度に達するまでの加速時間よりも短く設定されている。
【0077】
そして、ステップS12においてタイマ時間が経過したか否かが判断され、ここでNOと判断されると、さらに検出された総受光幅N1(Nn)が基準値Nに等しいか否かが判断される。つまり、両フィルムFa,Fbのずれが解消されたか否かが判断される。ここで、NOと判断された場合には、ステップS12に移行されて引き続き後続フィルムFbの移動が行われる。一方、ステップS13でYESと判断された場合には、ステップS14に移行されて後述するフィルム接合動作が実行される。
【0078】
これに対してステップS12でYESと判断された場合、つまり両フィルムFa,Fbのずれが解消される前にタイマ時間が経過した場合には、第1ユニット11Aの駆動が停止され(ステップS16)、その後、ステップS8に移行されて上記カウンタ値が「1」だけインクリメントされ、その位置でのセンサ40a,40bによる総受光幅N2(Nn)が記憶される。
【0079】
なお、上記のように所定のタイマ時間内、つまり第1ユニット11A(サーボモータ)が定速走行に達するまでに両フィルムFa,Fbのずれが解消した場合にのみフィルム接合動作に移行し、タイマ時間内に両フィルムFa,Fbのずれが解消しない場合には第1ユニット11Aを停止させている理由は、先行フィルムFaに対して後続フィルムFbが逆方向にずれるいわゆるオーバーシュートを防止するためである。すなわち、両フィルムFa,Fbのずれが解消されるまで連続的に第1ユニット11Aを駆動してもよいが、両フィルムFa,Fbのずれが解消された後、モータが停止するまでの時間が長いと、先行フィルムFaに対して後続フィルムFbが逆方向にオーバーシュートするため、上記のように、第1ユニット11A(サーボモータ)が定速走行に達するまで(上記のタイマ時間内)に両フィルムFa,Fbのずれが解消された場合にのみフィルム接合動作に移行することにより、ずれの解消後、モータが停止するまでの時間を短縮してオーバーシュートの発生を防止するようにしている。
【0080】
こうして最終的にステップS13でYESと判断されると、第1ユニット11Aの駆動が停止された後、フィルム接合動作が実行されるとともに、これに次いで先行フィルムFaの切断動作が実行される(ステップS14,S15)。
【0081】
具体的には、まず、フィルム加熱装置16において加熱テーブル50が前進駆動されることにより、先行フィルムFaに対して加熱テーブル50が押付けられる一方、第1ユニット11Aのフィルム吸着・加圧装置14において、可動テーブル35が前進駆動されることにより加圧テーブル32が後続フィルムFbに押付けられる。これにより図9(b)に示すように両フィルムFa,Fbがテーブル32,50により挟持されるとともに、この状態で加熱テーブル50が加熱され、その結果、後続フィルムFbに形成された接着層により両フィルムFa,Fbが互いに加熱接着される。そして、フィルム切断装置17が作動することにより、同図に示すように、両フィルムFa,Fbの接合部分の若干下側で先行フィルムFaが切断される。
【0082】
こうして先行フィルムFaに対する後続フィルムFbの接合が完了すると、カートリッジスライド装置131の作動により供給位置P1のフィルムカートリッジ12が所定の搬出位置に移動させられるとともに、図10に示すように待機位置P2のフィルムカートリッジ12が供給位置P1へと移動させられる。この際、第3ユニット駆動装置111Cの作動により第3ユニット11CがY軸方向(図10では紙面奥側)に一旦退避し、その後、フィルムカートリッジ12が待機位置P2から供給位置P1に移動し、この移動が完了した後、第3ユニット11Cが元の位置にリセットされることにより、新たな先行フィルムFaがブレーキ装置18のブレーキローラ対57の間に挿入される。
【0083】
そして、図示を省略するが、カートリッジ搬送装置132により次のフィルムカートリッジ12が待機位置P2に搬入され、これにより本フローチャートが終了する。
【0084】
以上のように、本発明に係る上記のフィルム接合ユニット10では、センサ40a,40bにより一のフィルムの両端部分にレーザ光を照射してその透過光の総受光幅を検出し、この総受光幅を基準値Nとして予め記憶しておき、フィルム接合時には、先行フィルムFaと後続フィルムFbとを重ね合わせて同様に総受光幅Nnを検出し、この受光幅Nnが上記基準値と等しくなるように後続フィルムFbを移動させることにより両フィルムFa,Fbの位置合わせを行うようにしているので、両フィルムFa,Fbの位置合わせに際して、従来のように各フィルムの相対的な位置関係を厳密に調べる必要がない。
【0085】
そのため、前記センサ40a,40bやミラー54の取付けに際しては、フィルムF(フィルムFa,Fb)の両端部分にレーザ光を照射してその透過光を検出することができさえすればよく、従来のようにフィルム検知用のセンサの取付けに然程精度は要求されない。その上、事前に必要なデータは、一のフィルムにレーザ光を照射したときの総受光幅(基準値N)だけであるため、事前データの取得作業も極めて簡単なものとなる。従って、センサの取付けに高精度が要求され、さらに多くのデータを事前に収集する必要がある従来のこの種の装置と比較すると、フィルム接合ユニット10の生産性が非常に良いものとなる。
【0086】
また、故障や破損によりセンサ40a,40bを交換する場合でも、上記のように然程精度は要求されないため作業が容易であり、しかも、センサ40a,40bの交換に伴う事前データの再取得も上記基準値Nだけで済むため極めて簡単に、かつ速やかに行うことができる。従って、メンテナンス性も非常によいものとなる。
【0087】
ところで、以上説明したフィルム貼付装置に適用されているフィルム接合ユニット10は、本発明に係るフィルム接合装置(本発明に係るフィルム接合方法が適用されるフィルム接合装置)の一の実施形態であって、その具体的な構成、制御方法は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0088】
例えば、上記のフィルム接合ユニット10では、ヘッド31に二つのセンサ40a,40bをY軸方向に並べて設け、フィルムFa,Fbの重ね合わせ部分の両端にそれぞれレーザ光を照射してその受光幅αn,βnを検出し、その総検出幅Nnが基準値Nと一致するように後続フィルムFbを移動させて幅方向の位置合わせを行うようにしているが、例えばフィルムFa,Fbの重ね合わせ部分よりも十分にY軸方向に広いレーザ光の照射部と受光部とをもつ一のセンサを用いて当該重ね合わせ部分の透過光を受光することにより当該重ね合わせ部分の幅、つまり遮光幅(投影幅)を検出し、この検出幅が基準値、つまり一のフィルムの遮光幅(投影幅)と等しくなるように後続フィルムFbを移動させて幅方向の位置合わせを行うようにしてもよい。この構成によると、一つのセンサで対応でき、また、基準値としてフィルムFの幅(設計値)を用いることが可能となるため、基準値を実測する必要がなくなる(事前データの取得が不要になる)という利点がある。但し、この構成の場合には、フィルムFが広幅のものであるとセンサが大型化するとともに高価になる。これに対して、上記の実施形態のように2つのセンサ40a,40bをそれぞれ使ってフィルムFa,Fbの重ね合わせ部分の両端における透過光の受光幅を検出する構成によれば、フィルムFの幅に拘わらずセンサ自体は小型で安価なものを使用できるため、装置のコンパクト化、低廉化を図る上では上記実施形態の構成を採用するのが好ましい。
【0089】
また、上記の実施形態では、フィルム吸着・加圧装置14のヘッド31にセンサ40a,40bを設けているが、可能な場合には第1可動フレーム30に固定的にセンサ40a,40bを設けるようにしてもよい。
【0090】
また、上記の実施形態では、本発明の検出手段として、レーザ光の照射部と受光部とを一体に具備するセンサ40a,40bと反射用ミラー54とを設けているが、勿論、フィルムFを挟んでレーザ光の照射部と受光部とを配設したセンサを使用することにより、ミラーを使用することなくレーザ光の受光幅を検出し得るように構成してもよい。
【0091】
また、上記の実施形態では、先行フィルムFaと後続フィルムFbとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側にレーザ光を照射し、その透過光の受光幅に基づいて後続フィルムFbの位置合わせを行うようにしているが、勿論、フィルムFa,Fbで反射する反射光を受光することにより、その受光幅に基づいて後続フィルムFbの位置合わせを行うようにしてもよい。但し、この場合には、レーザ光の照射部からフィルムFの反射面までの距離が先行フィルムFaと後続フィルムFbとで相違するため、両フィルムFa,Fbの間隔によっては受光幅の検出信頼性が低下することが考えられる。そのため、位置合わせの信頼性を確保する上では、実施形態のように両フィルムFa,Fbの間隔による影響を受けない透過光を受光するようにするのが好ましい。
【0092】
また、上記の実施形態では、供給位置P1のフィルムカートリッジ12の残量が予め設定されたリール交換残量に達した後に、待機中のフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbが引出されるようにしているが、勿論、待機中のフィルムカートリッジ12から後続フィルムFbを予め引出した状態(図9(a)の状態;但し、ブレーキ装置18はブレーキ停止状態)で待機させておき、先行フィルムFaの残量が予め設定されたリール交換残量に達することにより、直ちに図7のステップS3以降の処理を実行するようにしてもよい。このようにすれば、先行フィルムFaの残量が交換残量に達したことが検知されてから後続フィルムFbの接合が完了するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係るフィルム接合装置(本発明に係るフィルム接合方法が適用されるフィルム接合装置)が適用されるフィルム貼付装置を示す模式図である。
【図2】ラミネートフィルム供給装置のフィルム接合ユニット(本発明に係るフィルム接合装置)を示す正面概略図である。
【図3】フィルム接合ユニットを示す平面概略図である。
【図4】フィルムカートリッジを示す斜視図である。
【図5】フィルム貼付装置の制御系(主にラミネートフィルム供給装置のフィルム接合ユニットを制御する部分)の構成を示すブロック図である。
【図6】制御装置に含まれる各種機能構成のうち、主に先行フィルムと後続フィルムとを接合する接合処理制御を担う部分の構成を示すブロック図である。
【図7】制御装置によるフィルム接合動作の制御を示すフローチャートである。
【図8】フィルム接合ユニットにおけるフィルム接合動作を示す概略図である((a)はフィルムカートリッジから後続フィルムが引出された状態、(b)はヘッド(バキュームボックス)によりフィルム先端部分が負圧吸着され保持された状態をそれぞれ示す)。
【図9】フィルム接合ユニットにおけるフィルム接合動作を示す概略図である((a)は先行フィルムに後続フィルムが重ね合わされた状態、(b)は両フィルムを加熱接着し、先行フィルムを切断した状態をそれぞれ示す)。
【図10】フィルム接合後、待機位置のフィルムカートリッジが供給位置に移された状態を示すフィルム接合ユニットの概略図である。
【図11】先行フィルムと後続フィルムとを接合する際の両フィルムの幅方向の位置合わせ動作(方法)を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ラミネート装置
2 ラミネートフィルム供給装置
10 フィルム接合ユニット
12 フィルムカートリッジ
14 フィルム吸着・加圧装置
15 フィルム引出し装置
16 フィルム加熱装置
17 フィルム切断装置
18 ブレーキ装置
R リール
F フィルム
Fa 先行フィルム
Fb 後続フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合方法において、
先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出し、この検出幅が一のフィルムのみに光を照射したときの上記検出幅である基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させた後、両フィルムを互いに接合することを特徴とするフィルム接合方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルム接合方法において、
先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その透過光を受光することを特徴とするフィルム接合方法。
【請求項3】
先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合装置において、
先行フィルムに対して後続フィルムを相対的にフィルムの重ね合わせ方向およびフィルムの幅方向に移動させるフィルム移動手段と、
光の照射部とその受光部とを備え、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射してその光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出する検出手段と、
一のフィルムのみに光を照射したときの前記検出手段による検出幅を基準値として記憶する記憶手段と、
両フィルムの重ね合わせ部分を接合するフィルム接合手段と、
前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御する制御手段とを備え、
この制御手段は、先行フィルムに対して後続フィルムを重ね合わせた後、前記検出手段による検出幅に基づき当該検出幅が前記記憶手段に記憶されている基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させる位置合わせ動作を実行してからフィルム同士を接合するように前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御することを特徴とするフィルム接合装置。
【請求項4】
請求項3に記載のフィルム接合装置において、
前記検出手段は、両フィルムの重ね合わせ部分のうち幅方向一方側の端部位において前記光を照射しつつその光を受光する第1検出手段と、他方側の端部分において前記光を照射しつつその光を受光する第2検出手段とからなり、
前記記憶手段は、一のフィルムのみに光を照射してその光を受光したときの前記各検出手段による受光幅の合計値を基準値として記憶し、
前記制御手段は、前記各検出手段による光の受光幅の合計値を前記検出幅として、この検出幅が前記基準値に等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させるように構成されていることを特徴とするフィルム接合装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のフィルム接合装置において、
位置合わせを行うための予め設定された時間を計時する計時手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記位置合わせ動作の開始後、上記計時手段により計時される時間内に位置合わせが完了しない場合には当該時間の経過時に前記位置合わせ動作を一旦終了した後、再度位置合わせ動作を開始すべくフィルム移動手段を駆動制御することを特徴とするフィルム接合装置。
【請求項1】
先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合方法において、
先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出し、この検出幅が一のフィルムのみに光を照射したときの上記検出幅である基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させた後、両フィルムを互いに接合することを特徴とするフィルム接合方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルム接合方法において、
先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射し、その透過光を受光することを特徴とするフィルム接合方法。
【請求項3】
先行して給送される帯状のフィルムに対して同じ帯状の後続フィルムの先端を重ね合わせて接合するフィルム接合装置において、
先行フィルムに対して後続フィルムを相対的にフィルムの重ね合わせ方向およびフィルムの幅方向に移動させるフィルム移動手段と、
光の照射部とその受光部とを備え、先行フィルムと後続フィルムとの重ね合わせ部分に対してその重ね合わせ方向の一方側から他方側に光を照射してその光を受光することにより両フィルムの重ね合わせ部分における前記光の受光幅、又は遮光幅を検出する検出手段と、
一のフィルムのみに光を照射したときの前記検出手段による検出幅を基準値として記憶する記憶手段と、
両フィルムの重ね合わせ部分を接合するフィルム接合手段と、
前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御する制御手段とを備え、
この制御手段は、先行フィルムに対して後続フィルムを重ね合わせた後、前記検出手段による検出幅に基づき当該検出幅が前記記憶手段に記憶されている基準値と等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させる位置合わせ動作を実行してからフィルム同士を接合するように前記フィルム移動手段およびフィルム接合手段を駆動制御することを特徴とするフィルム接合装置。
【請求項4】
請求項3に記載のフィルム接合装置において、
前記検出手段は、両フィルムの重ね合わせ部分のうち幅方向一方側の端部位において前記光を照射しつつその光を受光する第1検出手段と、他方側の端部分において前記光を照射しつつその光を受光する第2検出手段とからなり、
前記記憶手段は、一のフィルムのみに光を照射してその光を受光したときの前記各検出手段による受光幅の合計値を基準値として記憶し、
前記制御手段は、前記各検出手段による光の受光幅の合計値を前記検出幅として、この検出幅が前記基準値に等しくなるように両フィルムを相対的に幅方向に移動させるように構成されていることを特徴とするフィルム接合装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のフィルム接合装置において、
位置合わせを行うための予め設定された時間を計時する計時手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記位置合わせ動作の開始後、上記計時手段により計時される時間内に位置合わせが完了しない場合には当該時間の経過時に前記位置合わせ動作を一旦終了した後、再度位置合わせ動作を開始すべくフィルム移動手段を駆動制御することを特徴とするフィルム接合装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−103891(P2006−103891A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293297(P2004−293297)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000191180)新日本工機株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000191180)新日本工機株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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