フェイスシール、シールハウジングおよびシール要素
【課題】 従来のカーボンフェイスシールと比較して相対的に緩やかに劣化し、かつ劣化が進んだ場合にメンテナンスの必要性が検知できるシュラウドを備えた改良型のカーボンフェイスシールを提供する。
【解決手段】 タービンエンジンのカーボンリングシール52が、軸方向に延びるノーズ部56をもつとともに、第1の半径方向内側の領域が第2の半径方向外側の領域よりも軸方向に延びるように第1のステップ61と第2のステップ63を画定する階段状の形状をとる。ノーズ部の磨耗が進んだ際にも第2のステップ63が残存するので、流体圧によりシート部24から離れることがなく、流体漏れを生じさせる可能性が低い。さらに磨耗が進んでもシュラウド42先端部がシールシート部24と接触するため高いシール率が維持される。
【解決手段】 タービンエンジンのカーボンリングシール52が、軸方向に延びるノーズ部56をもつとともに、第1の半径方向内側の領域が第2の半径方向外側の領域よりも軸方向に延びるように第1のステップ61と第2のステップ63を画定する階段状の形状をとる。ノーズ部の磨耗が進んだ際にも第2のステップ63が残存するので、流体圧によりシート部24から離れることがなく、流体漏れを生じさせる可能性が低い。さらに磨耗が進んでもシュラウド42先端部がシールシート部24と接触するため高いシール率が維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフェイスシールに関し、特に従来のシールと比較して相対的に緩やかに劣化する特性をもつカーボンフェイスシールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンフェイスシールはタービンエンジンなどの機械装置に用いられ、高流体圧力領域と低流体圧力領域との間の流体シールとして作用する。例えば、カーボンシールは高温、高圧の空気が低圧力で運転するベアリング区画に流入するのを防ぐように用いられる。タービンエンジンにおける一般的なカーボンシールは、環状の回転しない軸方向に移動が可能なシールハウジングに固定された環状カーボンリングを含む。またシールはシールシート部を含み、回転シャフトに取り付けられてカーボンリングに軸方向に隣接するように位置決めされる。カーボンリングは基部(すなわちブランク)およびこの基部から軸方向に延びるノーズ部を含む。ノーズ部はシールハウジングに作用するスプリング力と、シールハウジングおよびカーボンリングに作用する軸方向に対向する流体圧力の正味の合力と、の組み合わせによってシールシート部に接触するように押し付けられる。カーボンリングとシールシート部との間の接触面積はノーズ部の環状領域と等しい。ノーズ部とシールシート部との間の接触部は、シールを半径方向に横切る流体漏れ、すなわちシールシート部の回転軸に向かう方向もしくはこれから離れる方向の流体漏れを阻止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
運転中、ノーズ部は徐々に磨耗する。通常、シールはノーズ部が完全に磨耗する前に交換もしくは改修される。しかしながら、時として加速的なシール磨耗により結果的にノーズ部が完全に磨耗してしまう可能性があり、カーボンリングにおける基部がシールシート部と接触する。その結果、カーボンリングとシールシート部との接触面積は基部の環状領域と等しくなり、これはノーズ部の接触面積よりも大きい。これは軸方向に対向する流体圧力の合力に影響を及ぼし、正味の圧力による力によってカーボンリングとシールシート部との間に信頼性のある確実な接触が維持されるためには好ましくない。悪いことに、ノーズ部がシールシート部と接触する通常の状態から、基部がシールシート部と接触するきわめて劣化した状態への遷移は、めったには発生しないが、ほとんど前触れもなく起こりうる。さらに、カーボンリングの突然の破損や劣化は流体圧力による合力に同様の悪影響を及ぼす。結果としてエンジン運転中に流体がシールを越えて漏れる、不測のエンジン運転期間がある場合がある。
【0004】
メンテナンスの必要性を明確に指摘し、かつ検知が可能な、良好な運転特性を示すように緩やかに劣化するカーボンシールが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載のフェイスシールの一実施例はシールシート部およびシールハウジングにより支持されるシール要素を含む。シール要素はシールシート部と協働してシールを確立する。ハウジングはシール要素支持部およびシュラウドを含む。
【0006】
シールの変形例としては、シールハウジングにおける他の部分と比較して潤滑性や、硬度、もしくは磨耗性の異なる特性をもつ先端部を備えたシュラウドを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を参照すると、タービンエンジンのような、回転機械のシャフト20は中心軸22の周りを回転可能である。環状リング24の形状をとるシールシート部がシャフトの肩部に対してナット26によって固定されている。シールシート部24はシャフト20から半径方向に外側へ延びて中心軸22を取り囲む。シールシート部24はフェイスシールアセンブリの一部品である。
【0008】
またフェイスシールアセンブリは環状の回転しないシールサポート28および一組の環状シールハウジング32を含む。各々のシールハウジング32は基部34およびこの基部の一端に溝付きの二次シールホルダ36を含む。二次シールホルダ36はシールサポート28の円筒穴と接触した状態に二次シール38を支持する。シールハウジング32のもう一端は軸方向に延びるシュラウド42およびシール要素支持部としての役割を果たす軸方向に延びる支持部リップ44を含む。シュラウド42はリップ44から半径方向にオフセットされてシール要素を受ける環状空間46を画定する。またシュラウド42はリップ44に比べて延長されている。周方向に配置されたスロット50をもつ環状フランジ48はリップ44から半径方向外側へ延びる。
【0009】
またフェイスシールアセンブリは、空間46にあってリップ44に締まりばめで固定されたシール要素52を含む。シール要素は基部すなわちブランク54およびブランク54から軸方向に延びるノーズ部56を含む。ブランクは二段ステップ状であり、ブランクにおける第1の半径方向内側の領域58は、このブランクの第2の半径方向外側の領域60を軸方向に上回るように延び、第1すなわち半径方向内側のステップ61と第2すなわち半径方向外側のステップ63を画定する。さらに、内側ステップ61はシュラウド42の先端部を軸方向に上回っているのに対し、外側ステップ63はシュラウド42先端部を軸方向に越えてはいない。言い換えれば、シュラウド42先端部は軸方向にステップ61とステップ63との間にある。シール要素は一般的に黒鉛状炭素材料からつくられ、純炭素からつくられてはいないが、往々にして炭素材料と呼ばれる。図示の応用例では、炭素部品は環状であるためカーボンリングと呼ぶことができる。
【0010】
ピン64として代表して示すような、一連の周方向に配置された支持ピンの各々がシールサポート28から軸方向に延びてフランジ48の対応するスロット50を貫通している。スプリング66(図5〜図8に示す)は各ピン64から周方向にオフセットされている。これらのスプリング66がハウジング32のフランジ48とサポート28との間で圧縮されており、スプリング66がフランジ48に力を加え、カーボンリング52のノーズ部56がシールシート部24と接触するように押し付けている。ノーズ部56とシールシート部24との境界面は、図の左側に見られるように潤滑されていない、すなわち「乾燥」していてもよく、もしくは図の右側に見られるように潤滑されている、すなわち「湿潤」していてもよい。湿潤シールでは、潤滑油はシールシート部内に周方向に配置された潤滑油通路68を通って境界面へと流れる。
【0011】
エンジン運転中、シールの半径方向内側かつシャフト20の半径方向外側の環状キャビティ70内には高温空気が存在する。潤滑油と混合した低圧空気がベアリング区画72を占有しており、この区画72はシールの外側の領域である。シールは高圧空気が低圧ベアリング区画72に漏れるのを阻止する。
【0012】
さらに図2を参照すると、上記のシュラウド付きのシールの運転は、従来のシールをまず考慮することによって最もよく理解できる。図2は通常すなわち実質的に劣化していない状態の従来のシールを示す。図2はシールが通常の劣化した状態、すなわち突起部が単に部分的に磨耗している状態を示すにも十分である。矢印FSはスプリング66によってシールハウジング32に及ぼされた力を表す。力グラフfOおよびfCは、シールハウジング、カーボンリング、および二次シールに対して、キャビティ70および区画72における異なる圧力の結果として作用する、軸方向に対向し半径方向に分布した力FOおよびFCを示す。グラフfOおよびfC内の力ベクトルは全体の空気圧力の比較を容易にするため各々共通の平面で終端をなすように図示されている。しかしながら、力は実際には、シールハウジング、カーボンリング、および二次シールの軸方向に対向する面に作用していることが当業者にとって理解できるであろう。グラフfCは、シールの高圧側に作用する相対的に高い圧力とシールの低圧側に作用する低い圧力を示す。グラフfOは、シールの高圧側に作用する高い圧力、シールの低圧側に作用する低い圧力、およびカーボンリングのノーズ部56にわたる境界領域における半径方向に変化する圧力を示す。明らかなように、ノーズ部は狭い半径方向の領域にわたって高圧力から低圧力に抑える。FSとFCとの和はFOを上回りシールの密閉を保つ。
【0013】
図3はノーズ部が完全に磨耗した、従来のシールがきわめて劣化した状態を示す。FCは図2と同一である。しかしながら、ノーズ部が磨耗しているため、カーボンリングの基部54は図2の境界領域に比べ、相対的に広い半径方向の境界領域にわたって高圧力から低圧力に抑える。その結果、より高い圧力、したがってより大きい力が、図2の場合に比べてより広い半径方向の領域に及ぼされる。したがって、図3のきわめて劣化したシールに作用する合計の力FOは、図2の通常の、すなわち普通に劣化したシールに作用する合計の力FOを上回る。さらに、スプリングの増大した伸び率(圧縮率の低下)や結果として生じるスプリング力の減少のためにFSは図2のFSよりも若干小さい。シールに作用する力の変化のため、FOがFSとFCとの和を上回り結果的にカーボンリング52がシールシート部24から離れてしまう可能性がある。小さい流体流の矢印で示すようにこの分離により、結果として生じる隙間を通して漏れを生じさせる。カーボンリングがこの円周の一部もしくは全体に沿って分離した場合、力グラフや力は図4のようになる。またこれにより図4に示すように結果として漏れが生じる可能性がある。
【0014】
前述のように、ノーズ部56がシールシート部24と接触している通常状態から、きわめて劣化した状態もしくは激しく劣化した状態へと遷移が起こることはごくまれであるが、ほとんど前触れもなく起こりうる。その結果、運転中に流体がシールを越えて漏れる、不測のエンジン運転期間がある場合がある。
【0015】
図5は図2に対応するが、改良型の二段ステップ状のシュラウド付きシールの、劣化していないもしくは普通に劣化した状態を示す。明らかなように、力は図2の力と実質的に同じで、結果的にシールの密閉を促す。
【0016】
図6は改良型の二段ステップ状のシュラウド付きシールの、図3の従来のシールにおける状態と同様のきわめて劣化した状態を示す。図6のカーボンリング52のブランク54は、第2の半径方向領域60および対応したステップ63を軸方向に上回るように軸方向に延びた第1の半径方向領域58および対応するステップ61を含んでなる。さらに、図5のシールはシールハウジング32にシュラウド42を含む。軸方向に延びる第1の領域58は図3の境界領域に比べ、より半径方向に狭い境界領域にわたって高圧力から低圧力に抑える。したがって、図6の合計の力FOは図3の合計の力FOに比べて小さい。結果として、図6のカーボンリング52は図3のカーボンリングに比べてシールシート部24から分離する可能性が低い。
【0017】
図7は改良型のシュラウド付きシールがさらに激しく劣化した状態を示す。図6に比べ、図7はカーボンリング52が磨耗して本質的にシュラウド42まで後退していることを示し、その結果シュラウドによる抑圧効果を示している。シュラウド42およびカーボンリング52の軸方向に延びる第1の領域58は図3の境界領域に比べ、半径方向により狭い境界領域にわたり、高圧力を抑える。したがって、図7の力の大きさFOは図3の力の大きさFOよりも小さい。その結果、図7のカーボンリング52は図3のカーボンリングに比べシールシート部24から離れて漏れを生じさせる可能性は低い。さらにカーボンリング52の磨耗が進むと、シュラウド42先端部が最終的にシールシート部24と接触して結果的により顕著な抑圧効果をもたらす。
【0018】
図8は改良型のシュラウド付きシールの、カーボンリング52がこの円周の全体もしくは一部にわたって離脱している損傷状態を示す。シュラウド42はシールシート部24と接触して半径方向の狭い境界にわたって高圧力を抑え、シールを密閉した状態に維持し漏れを阻止する。
【0019】
明らかなように、改良型のシュラウド付きシールは、従来のシュラウドのないシールよりもゆっくりと劣化する。緩やかな劣化は、その徴候が顕著に現れるがエンジン性能における異常は小さいため望ましい。この小さい異常によりエンジン運転者はシールの交換もしくは修理が必要であることに気づかされる。その後シール劣化がさらに重大な問題を引き起こすほどになる前にこうした交換もしくは修理が実施されうる。
【0020】
ここまで述べてきたシールにおける構造および運転により、特定の変形例がよりよく認識されうる。
【0021】
図9は、図1および図5〜図8と同様のシールを示し、ハウジング32が選択された材料で作られている。シュラウド42はハウジング基部34から離れた軸方向の末端に先端部74をもつ。先端部はハウジングの残りの部分と同様の材料でできている。
【0022】
図10は、ハウジング32が母材からなり、シュラウド42が第2の材料が含浸されたシュラウド領域の先端部74をもつシールを示す。代替例として、シュラウド先端部は第2の材料でつくられ、もしくは含浸されたものをシュラウドの他の部分と接合するようにしてもよく、もしくはコーティングでもよい。第2の材料は先端部74がシールシート部24に接触するときに望ましい特徴をもつ任意の材料でもよい。これは母材よりも潤滑性のある材料、母材よりも硬質の材料、および母材よりも磨耗しやすい材料を含む。
【0023】
図11〜図13は、シュラウドが茎状部76およびこの茎状部76に固定された挿入部(インサート)ないし装着部(アタッチメント)78の形状の先端部を備えたシールを示す。図11では挿入部78が半径方向外側のスナップ82により取り付けられている。図12では挿入部78が半径方向内側のスナップ84により取り付けられている。図13では、挿入部78は、一連の周方向に分布する座ぐりされた穴86を通して茎状部76に固定されたモールド先端部である。先端挿入部78は先端部がシールリング24に接触するときに望ましい特徴をもつ材料でつくられうる。これは母材よりも潤滑性のある材料、母材よりも硬質の材料、および母材よりも磨耗しやすい材料を含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】改良型のカーボンシールを示す側面断面図。
【図2】従来技術のシールの通常の劣化した状態を示す図。
【図3】従来技術のシールのきわめて劣化した状態を示す図。
【図4】従来技術のシールの損傷した、もしくは激しく劣化した状態を示す図。
【図5】本発明のシールの通常状態を示す図。
【図6】本発明のシールのきわめて劣化した状態を示す図。
【図7】本発明のシールの激しく劣化した状態を示す図。
【図8】本発明のシールの損傷した状態を示す図。
【図9】先端部がシールハウジングの他の部分と同じ材料でつくられたシュラウドをもつシールハウジングを示す図。
【図10】母材でつくられるとともに、第2の材料でつくられた先端部が接合もしくは含浸されたシュラウドをもつシールハウジングを示す図。
【図11】挿入もしくは装着される形状の先端部をもつシュラウドを示す図9と同様の図。
【図12】挿入もしくは装着される形状の先端部をもつシュラウドを示す図9と同様の図。
【図13】挿入もしくは装着される形状の先端部をもつシュラウドを示す図9と同様の図。
【符号の説明】
【0025】
24…シールシート部
42…シュラウド
52…カーボンリングシール
56…ノーズ部
61…第1のステップ
63…第2のステップ
【技術分野】
【0001】
本発明はフェイスシールに関し、特に従来のシールと比較して相対的に緩やかに劣化する特性をもつカーボンフェイスシールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンフェイスシールはタービンエンジンなどの機械装置に用いられ、高流体圧力領域と低流体圧力領域との間の流体シールとして作用する。例えば、カーボンシールは高温、高圧の空気が低圧力で運転するベアリング区画に流入するのを防ぐように用いられる。タービンエンジンにおける一般的なカーボンシールは、環状の回転しない軸方向に移動が可能なシールハウジングに固定された環状カーボンリングを含む。またシールはシールシート部を含み、回転シャフトに取り付けられてカーボンリングに軸方向に隣接するように位置決めされる。カーボンリングは基部(すなわちブランク)およびこの基部から軸方向に延びるノーズ部を含む。ノーズ部はシールハウジングに作用するスプリング力と、シールハウジングおよびカーボンリングに作用する軸方向に対向する流体圧力の正味の合力と、の組み合わせによってシールシート部に接触するように押し付けられる。カーボンリングとシールシート部との間の接触面積はノーズ部の環状領域と等しい。ノーズ部とシールシート部との間の接触部は、シールを半径方向に横切る流体漏れ、すなわちシールシート部の回転軸に向かう方向もしくはこれから離れる方向の流体漏れを阻止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
運転中、ノーズ部は徐々に磨耗する。通常、シールはノーズ部が完全に磨耗する前に交換もしくは改修される。しかしながら、時として加速的なシール磨耗により結果的にノーズ部が完全に磨耗してしまう可能性があり、カーボンリングにおける基部がシールシート部と接触する。その結果、カーボンリングとシールシート部との接触面積は基部の環状領域と等しくなり、これはノーズ部の接触面積よりも大きい。これは軸方向に対向する流体圧力の合力に影響を及ぼし、正味の圧力による力によってカーボンリングとシールシート部との間に信頼性のある確実な接触が維持されるためには好ましくない。悪いことに、ノーズ部がシールシート部と接触する通常の状態から、基部がシールシート部と接触するきわめて劣化した状態への遷移は、めったには発生しないが、ほとんど前触れもなく起こりうる。さらに、カーボンリングの突然の破損や劣化は流体圧力による合力に同様の悪影響を及ぼす。結果としてエンジン運転中に流体がシールを越えて漏れる、不測のエンジン運転期間がある場合がある。
【0004】
メンテナンスの必要性を明確に指摘し、かつ検知が可能な、良好な運転特性を示すように緩やかに劣化するカーボンシールが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載のフェイスシールの一実施例はシールシート部およびシールハウジングにより支持されるシール要素を含む。シール要素はシールシート部と協働してシールを確立する。ハウジングはシール要素支持部およびシュラウドを含む。
【0006】
シールの変形例としては、シールハウジングにおける他の部分と比較して潤滑性や、硬度、もしくは磨耗性の異なる特性をもつ先端部を備えたシュラウドを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を参照すると、タービンエンジンのような、回転機械のシャフト20は中心軸22の周りを回転可能である。環状リング24の形状をとるシールシート部がシャフトの肩部に対してナット26によって固定されている。シールシート部24はシャフト20から半径方向に外側へ延びて中心軸22を取り囲む。シールシート部24はフェイスシールアセンブリの一部品である。
【0008】
またフェイスシールアセンブリは環状の回転しないシールサポート28および一組の環状シールハウジング32を含む。各々のシールハウジング32は基部34およびこの基部の一端に溝付きの二次シールホルダ36を含む。二次シールホルダ36はシールサポート28の円筒穴と接触した状態に二次シール38を支持する。シールハウジング32のもう一端は軸方向に延びるシュラウド42およびシール要素支持部としての役割を果たす軸方向に延びる支持部リップ44を含む。シュラウド42はリップ44から半径方向にオフセットされてシール要素を受ける環状空間46を画定する。またシュラウド42はリップ44に比べて延長されている。周方向に配置されたスロット50をもつ環状フランジ48はリップ44から半径方向外側へ延びる。
【0009】
またフェイスシールアセンブリは、空間46にあってリップ44に締まりばめで固定されたシール要素52を含む。シール要素は基部すなわちブランク54およびブランク54から軸方向に延びるノーズ部56を含む。ブランクは二段ステップ状であり、ブランクにおける第1の半径方向内側の領域58は、このブランクの第2の半径方向外側の領域60を軸方向に上回るように延び、第1すなわち半径方向内側のステップ61と第2すなわち半径方向外側のステップ63を画定する。さらに、内側ステップ61はシュラウド42の先端部を軸方向に上回っているのに対し、外側ステップ63はシュラウド42先端部を軸方向に越えてはいない。言い換えれば、シュラウド42先端部は軸方向にステップ61とステップ63との間にある。シール要素は一般的に黒鉛状炭素材料からつくられ、純炭素からつくられてはいないが、往々にして炭素材料と呼ばれる。図示の応用例では、炭素部品は環状であるためカーボンリングと呼ぶことができる。
【0010】
ピン64として代表して示すような、一連の周方向に配置された支持ピンの各々がシールサポート28から軸方向に延びてフランジ48の対応するスロット50を貫通している。スプリング66(図5〜図8に示す)は各ピン64から周方向にオフセットされている。これらのスプリング66がハウジング32のフランジ48とサポート28との間で圧縮されており、スプリング66がフランジ48に力を加え、カーボンリング52のノーズ部56がシールシート部24と接触するように押し付けている。ノーズ部56とシールシート部24との境界面は、図の左側に見られるように潤滑されていない、すなわち「乾燥」していてもよく、もしくは図の右側に見られるように潤滑されている、すなわち「湿潤」していてもよい。湿潤シールでは、潤滑油はシールシート部内に周方向に配置された潤滑油通路68を通って境界面へと流れる。
【0011】
エンジン運転中、シールの半径方向内側かつシャフト20の半径方向外側の環状キャビティ70内には高温空気が存在する。潤滑油と混合した低圧空気がベアリング区画72を占有しており、この区画72はシールの外側の領域である。シールは高圧空気が低圧ベアリング区画72に漏れるのを阻止する。
【0012】
さらに図2を参照すると、上記のシュラウド付きのシールの運転は、従来のシールをまず考慮することによって最もよく理解できる。図2は通常すなわち実質的に劣化していない状態の従来のシールを示す。図2はシールが通常の劣化した状態、すなわち突起部が単に部分的に磨耗している状態を示すにも十分である。矢印FSはスプリング66によってシールハウジング32に及ぼされた力を表す。力グラフfOおよびfCは、シールハウジング、カーボンリング、および二次シールに対して、キャビティ70および区画72における異なる圧力の結果として作用する、軸方向に対向し半径方向に分布した力FOおよびFCを示す。グラフfOおよびfC内の力ベクトルは全体の空気圧力の比較を容易にするため各々共通の平面で終端をなすように図示されている。しかしながら、力は実際には、シールハウジング、カーボンリング、および二次シールの軸方向に対向する面に作用していることが当業者にとって理解できるであろう。グラフfCは、シールの高圧側に作用する相対的に高い圧力とシールの低圧側に作用する低い圧力を示す。グラフfOは、シールの高圧側に作用する高い圧力、シールの低圧側に作用する低い圧力、およびカーボンリングのノーズ部56にわたる境界領域における半径方向に変化する圧力を示す。明らかなように、ノーズ部は狭い半径方向の領域にわたって高圧力から低圧力に抑える。FSとFCとの和はFOを上回りシールの密閉を保つ。
【0013】
図3はノーズ部が完全に磨耗した、従来のシールがきわめて劣化した状態を示す。FCは図2と同一である。しかしながら、ノーズ部が磨耗しているため、カーボンリングの基部54は図2の境界領域に比べ、相対的に広い半径方向の境界領域にわたって高圧力から低圧力に抑える。その結果、より高い圧力、したがってより大きい力が、図2の場合に比べてより広い半径方向の領域に及ぼされる。したがって、図3のきわめて劣化したシールに作用する合計の力FOは、図2の通常の、すなわち普通に劣化したシールに作用する合計の力FOを上回る。さらに、スプリングの増大した伸び率(圧縮率の低下)や結果として生じるスプリング力の減少のためにFSは図2のFSよりも若干小さい。シールに作用する力の変化のため、FOがFSとFCとの和を上回り結果的にカーボンリング52がシールシート部24から離れてしまう可能性がある。小さい流体流の矢印で示すようにこの分離により、結果として生じる隙間を通して漏れを生じさせる。カーボンリングがこの円周の一部もしくは全体に沿って分離した場合、力グラフや力は図4のようになる。またこれにより図4に示すように結果として漏れが生じる可能性がある。
【0014】
前述のように、ノーズ部56がシールシート部24と接触している通常状態から、きわめて劣化した状態もしくは激しく劣化した状態へと遷移が起こることはごくまれであるが、ほとんど前触れもなく起こりうる。その結果、運転中に流体がシールを越えて漏れる、不測のエンジン運転期間がある場合がある。
【0015】
図5は図2に対応するが、改良型の二段ステップ状のシュラウド付きシールの、劣化していないもしくは普通に劣化した状態を示す。明らかなように、力は図2の力と実質的に同じで、結果的にシールの密閉を促す。
【0016】
図6は改良型の二段ステップ状のシュラウド付きシールの、図3の従来のシールにおける状態と同様のきわめて劣化した状態を示す。図6のカーボンリング52のブランク54は、第2の半径方向領域60および対応したステップ63を軸方向に上回るように軸方向に延びた第1の半径方向領域58および対応するステップ61を含んでなる。さらに、図5のシールはシールハウジング32にシュラウド42を含む。軸方向に延びる第1の領域58は図3の境界領域に比べ、より半径方向に狭い境界領域にわたって高圧力から低圧力に抑える。したがって、図6の合計の力FOは図3の合計の力FOに比べて小さい。結果として、図6のカーボンリング52は図3のカーボンリングに比べてシールシート部24から分離する可能性が低い。
【0017】
図7は改良型のシュラウド付きシールがさらに激しく劣化した状態を示す。図6に比べ、図7はカーボンリング52が磨耗して本質的にシュラウド42まで後退していることを示し、その結果シュラウドによる抑圧効果を示している。シュラウド42およびカーボンリング52の軸方向に延びる第1の領域58は図3の境界領域に比べ、半径方向により狭い境界領域にわたり、高圧力を抑える。したがって、図7の力の大きさFOは図3の力の大きさFOよりも小さい。その結果、図7のカーボンリング52は図3のカーボンリングに比べシールシート部24から離れて漏れを生じさせる可能性は低い。さらにカーボンリング52の磨耗が進むと、シュラウド42先端部が最終的にシールシート部24と接触して結果的により顕著な抑圧効果をもたらす。
【0018】
図8は改良型のシュラウド付きシールの、カーボンリング52がこの円周の全体もしくは一部にわたって離脱している損傷状態を示す。シュラウド42はシールシート部24と接触して半径方向の狭い境界にわたって高圧力を抑え、シールを密閉した状態に維持し漏れを阻止する。
【0019】
明らかなように、改良型のシュラウド付きシールは、従来のシュラウドのないシールよりもゆっくりと劣化する。緩やかな劣化は、その徴候が顕著に現れるがエンジン性能における異常は小さいため望ましい。この小さい異常によりエンジン運転者はシールの交換もしくは修理が必要であることに気づかされる。その後シール劣化がさらに重大な問題を引き起こすほどになる前にこうした交換もしくは修理が実施されうる。
【0020】
ここまで述べてきたシールにおける構造および運転により、特定の変形例がよりよく認識されうる。
【0021】
図9は、図1および図5〜図8と同様のシールを示し、ハウジング32が選択された材料で作られている。シュラウド42はハウジング基部34から離れた軸方向の末端に先端部74をもつ。先端部はハウジングの残りの部分と同様の材料でできている。
【0022】
図10は、ハウジング32が母材からなり、シュラウド42が第2の材料が含浸されたシュラウド領域の先端部74をもつシールを示す。代替例として、シュラウド先端部は第2の材料でつくられ、もしくは含浸されたものをシュラウドの他の部分と接合するようにしてもよく、もしくはコーティングでもよい。第2の材料は先端部74がシールシート部24に接触するときに望ましい特徴をもつ任意の材料でもよい。これは母材よりも潤滑性のある材料、母材よりも硬質の材料、および母材よりも磨耗しやすい材料を含む。
【0023】
図11〜図13は、シュラウドが茎状部76およびこの茎状部76に固定された挿入部(インサート)ないし装着部(アタッチメント)78の形状の先端部を備えたシールを示す。図11では挿入部78が半径方向外側のスナップ82により取り付けられている。図12では挿入部78が半径方向内側のスナップ84により取り付けられている。図13では、挿入部78は、一連の周方向に分布する座ぐりされた穴86を通して茎状部76に固定されたモールド先端部である。先端挿入部78は先端部がシールリング24に接触するときに望ましい特徴をもつ材料でつくられうる。これは母材よりも潤滑性のある材料、母材よりも硬質の材料、および母材よりも磨耗しやすい材料を含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】改良型のカーボンシールを示す側面断面図。
【図2】従来技術のシールの通常の劣化した状態を示す図。
【図3】従来技術のシールのきわめて劣化した状態を示す図。
【図4】従来技術のシールの損傷した、もしくは激しく劣化した状態を示す図。
【図5】本発明のシールの通常状態を示す図。
【図6】本発明のシールのきわめて劣化した状態を示す図。
【図7】本発明のシールの激しく劣化した状態を示す図。
【図8】本発明のシールの損傷した状態を示す図。
【図9】先端部がシールハウジングの他の部分と同じ材料でつくられたシュラウドをもつシールハウジングを示す図。
【図10】母材でつくられるとともに、第2の材料でつくられた先端部が接合もしくは含浸されたシュラウドをもつシールハウジングを示す図。
【図11】挿入もしくは装着される形状の先端部をもつシュラウドを示す図9と同様の図。
【図12】挿入もしくは装着される形状の先端部をもつシュラウドを示す図9と同様の図。
【図13】挿入もしくは装着される形状の先端部をもつシュラウドを示す図9と同様の図。
【符号の説明】
【0025】
24…シールシート部
42…シュラウド
52…カーボンリングシール
56…ノーズ部
61…第1のステップ
63…第2のステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールシート部と、シールハウジングによって支持されかつ前記シールシート部と協働してシールを確立するシール要素と、を備えるフェイスシールであって、前記ハウジングがシール要素支持部とシュラウドとを含んでなることを特徴とするフェイスシール。
【請求項2】
前記シュラウドが、前記支持部に比べて軸方向に延長していることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項3】
カーボンリングが軸方向に延びるノーズ部をもつブランクを含むとともに、前記ブランクが、第1の半径方向の領域が第2の半径方向の領域を軸方向に上回るように延びる階段状となることを特徴とする請求項2に記載のフェイスシール。
【請求項4】
前記第1および第2の半径方向の領域が、各々第1および第2のステップを画定するとともに、前記シュラウドが軸方向に前記第1のステップと前記第2のステップとの間にある先端部をもつことを特徴とする請求項3に記載のフェイスシール。
【請求項5】
ちょうど2つのステップを備えてなることを特徴とする請求項3に記載のフェイスシール。
【請求項6】
前記シールシート部がシールリングであり、前記シール要素が前記支持部と前記シュラウドとの間に半径方向に固定されたカーボンリングであることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項7】
前記シュラウドが、前記支持部の半径方向内側にあることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項8】
前記シールハウジングが所定の材料でつくられ、前記シュラウドがこれと同一の材料でつくられた先端部をもつことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項9】
前記シールハウジングが母材でつくられ、前記シュラウドが第2の材料に含浸された先端部をもつことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項10】
前記第2の材料が、
(a)前記母材よりも潤滑性のある材料と、
(b)前記母材よりも硬質の材料と、
(c)前記母材よりも磨耗しやすい材料と、
よりなる材料のグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載のフェイスシール。
【請求項11】
前記シュラウドが、接合された先端部をもち、前記先端部を除く前記シールハウジングが母材でつくられるとともに、前記先端部が第2の材料を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項12】
前記第2の材料が、
(a)前記母材よりも潤滑性のある材料と、
(b)前記母材よりも硬質の材料と、
(c)前記母材よりも磨耗しやすい材料と、
よりなる材料のグループから選択されることを特徴とする請求項11に記載のフェイスシール。
【請求項13】
前記シュラウドが茎状部と先端部とを含むとともに、前記先端部が前記茎状部に固定された挿入部であることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項14】
前記挿入部が、
(a)半径方向に外側にスナップをもつ挿入部と、
(b)半径方向に内側にスナップをもつ挿入部と、
(c)モールド先端部をもつ挿入部と、
よりなるグループから選択されることを特徴とする請求項13に記載のフェイスシール。
【請求項15】
シール要素支持部と、シュラウドと、が基部から共通の方向に延びたフェイスシールのシールハウジングであって、前記シール要素支持部および前記基部がシール要素を受け入れる空間を画定することを特徴とするシールハウジング。
【請求項16】
前記シュラウドが、前記シール要素支持部に比べて同じ方向に延長していることを特徴とする請求項15に記載のシールハウジング。
【請求項17】
ブランクと、このブランクから所定の方向に延びるノーズ部と、を備えてなるフェイスシールのシール要素であって、前記ブランクの第1の領域が前記ブランクの第2の領域を上回るように前記所定の方向に延び、前記ノーズ部が磨耗した場合に前記シール要素がシールシート部から離れるのを防ぐようにステップを画定するシール要素。
【請求項18】
前記部品がシールアセンブリに取り付けられたとき、前記第1の領域およびこれに関連する第1のステップが、前記第2の領域およびこれに関連する第2のステップの、半径方向内側となることを特徴とする請求項17に記載のシール要素。
【請求項19】
ちょうど2つのステップを備えてなることを特徴とする請求項18に記載のシール要素。
【請求項20】
ブランクと、このブランクから所定の方向に延びるノーズ部と、を備えてなるフェイスシールのシール要素であって、前記ブランクの第1の領域が前記ブランクの第2の領域を上回るように前記所定の方向に延びるとともに、前記第1および第2の領域が半径方向に前記ノーズ部の両側にあることを特徴とするシール要素。
【請求項1】
シールシート部と、シールハウジングによって支持されかつ前記シールシート部と協働してシールを確立するシール要素と、を備えるフェイスシールであって、前記ハウジングがシール要素支持部とシュラウドとを含んでなることを特徴とするフェイスシール。
【請求項2】
前記シュラウドが、前記支持部に比べて軸方向に延長していることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項3】
カーボンリングが軸方向に延びるノーズ部をもつブランクを含むとともに、前記ブランクが、第1の半径方向の領域が第2の半径方向の領域を軸方向に上回るように延びる階段状となることを特徴とする請求項2に記載のフェイスシール。
【請求項4】
前記第1および第2の半径方向の領域が、各々第1および第2のステップを画定するとともに、前記シュラウドが軸方向に前記第1のステップと前記第2のステップとの間にある先端部をもつことを特徴とする請求項3に記載のフェイスシール。
【請求項5】
ちょうど2つのステップを備えてなることを特徴とする請求項3に記載のフェイスシール。
【請求項6】
前記シールシート部がシールリングであり、前記シール要素が前記支持部と前記シュラウドとの間に半径方向に固定されたカーボンリングであることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項7】
前記シュラウドが、前記支持部の半径方向内側にあることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項8】
前記シールハウジングが所定の材料でつくられ、前記シュラウドがこれと同一の材料でつくられた先端部をもつことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項9】
前記シールハウジングが母材でつくられ、前記シュラウドが第2の材料に含浸された先端部をもつことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項10】
前記第2の材料が、
(a)前記母材よりも潤滑性のある材料と、
(b)前記母材よりも硬質の材料と、
(c)前記母材よりも磨耗しやすい材料と、
よりなる材料のグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載のフェイスシール。
【請求項11】
前記シュラウドが、接合された先端部をもち、前記先端部を除く前記シールハウジングが母材でつくられるとともに、前記先端部が第2の材料を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項12】
前記第2の材料が、
(a)前記母材よりも潤滑性のある材料と、
(b)前記母材よりも硬質の材料と、
(c)前記母材よりも磨耗しやすい材料と、
よりなる材料のグループから選択されることを特徴とする請求項11に記載のフェイスシール。
【請求項13】
前記シュラウドが茎状部と先端部とを含むとともに、前記先端部が前記茎状部に固定された挿入部であることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシール。
【請求項14】
前記挿入部が、
(a)半径方向に外側にスナップをもつ挿入部と、
(b)半径方向に内側にスナップをもつ挿入部と、
(c)モールド先端部をもつ挿入部と、
よりなるグループから選択されることを特徴とする請求項13に記載のフェイスシール。
【請求項15】
シール要素支持部と、シュラウドと、が基部から共通の方向に延びたフェイスシールのシールハウジングであって、前記シール要素支持部および前記基部がシール要素を受け入れる空間を画定することを特徴とするシールハウジング。
【請求項16】
前記シュラウドが、前記シール要素支持部に比べて同じ方向に延長していることを特徴とする請求項15に記載のシールハウジング。
【請求項17】
ブランクと、このブランクから所定の方向に延びるノーズ部と、を備えてなるフェイスシールのシール要素であって、前記ブランクの第1の領域が前記ブランクの第2の領域を上回るように前記所定の方向に延び、前記ノーズ部が磨耗した場合に前記シール要素がシールシート部から離れるのを防ぐようにステップを画定するシール要素。
【請求項18】
前記部品がシールアセンブリに取り付けられたとき、前記第1の領域およびこれに関連する第1のステップが、前記第2の領域およびこれに関連する第2のステップの、半径方向内側となることを特徴とする請求項17に記載のシール要素。
【請求項19】
ちょうど2つのステップを備えてなることを特徴とする請求項18に記載のシール要素。
【請求項20】
ブランクと、このブランクから所定の方向に延びるノーズ部と、を備えてなるフェイスシールのシール要素であって、前記ブランクの第1の領域が前記ブランクの第2の領域を上回るように前記所定の方向に延びるとともに、前記第1および第2の領域が半径方向に前記ノーズ部の両側にあることを特徴とするシール要素。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−127276(P2007−127276A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291909(P2006−291909)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]