説明

フェニルアルキルカルボン酸誘導体送達剤

本発明は、フェニルアルキルカルボン酸化合物、およびこれらの化合物を含有する組成物であって生物学的活性剤の送達を容易にするものを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルアルキルカルボン酸化合物、および活性剤の送達を容易にする組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
活性剤を送達するための従来の手段は、生物学的、化学的、かつ物理的な障壁によってしばしば厳しく制限される。典型的には、これらの障壁は、それを介して送達が行われる環境、送達のための標的の環境、および/または標的自体によって与えられる。生物学的かつ化学的に活性な薬剤はこうした障害に対して特に脆弱である。
【0003】
生物学的に活性でかつ化学的に活性な薬剤および治療剤の動物への送達において、障壁は身体によって与えられる。物理的障壁の例は、皮膚、脂質二重層、および、特定の活性剤に対して比較的不浸透性であるが、循環系などの標的に到達する前に通過しなければならない様々な器官膜である。化学的障壁としては、これらだけに限定されないが、胃腸(GI)管におけるpHの変動、および分解酵素が挙げられる。
【0004】
これらの障壁は経口送達システムの設計において特に重要である。もし、生物学的、化学的、かつ物理的な障壁がなければ、動物への投与のためには、多くの生物学的または化学的な活性薬の経口送達が、経路として選択されることになろう。典型的に経口投与が有効ではない多くの薬剤には、例えば、生物学的または化学的に活性なペプチド類(例えば、カルシトニンおよびインスリンなど);多糖類、特に、ムコ多糖(これに限定されないが、ヘパリンを含む);ヘパリノイド類;抗生物質、および他の有機物質がある。これらの薬剤は、酸加水分解、酵素等によって、胃腸管の中で急速に効果がなくなるか破壊される可能性がある。加えて、巨大分子薬物のサイズや構造が、吸収を阻害する可能性がある。
【0005】
脆弱な薬理活性剤を経口で投与するための従来の方法は、アジュバント(例えば、レゾルシノール、ならびにポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn-ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン性界面活性剤)を同時投与して腸壁の透過性を人為的に高めることと、酵素阻害剤(例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFF)、およびトラシロール)を同時投与して酵素的分解を阻害することに依存してきた。リポソームも、インスリンおよびヘパリンのための薬物送達システムとして記載されている。しかし、以下の理由からこのような薬物送達システムの広範囲にわたる使用は妨げられている:(1)その送達システムが有害な量のアジュバントまたは阻害剤を必要とする;(2)適切な低分子量積荷(すなわち活性剤)が入手可能ではない;(3)送達システムの安定性が劣り、その有効期間が不十分である;(4)送達システムが製造困難である;(5)送達システムが活性剤(積荷)を保護することができない;(6)送達システムが活性剤を不利に変化させる;あるいは、(7)送達システムが、活性剤の吸収を不可能とする、または促進することができない。
【0006】
プロテイノイドミクロスフィアが医薬の送達に用いられてきた。例えば、米国特許第5401516号、同5443841号;およびRe.35862を参照されたい。さらに、ある種の改変アミノ酸が医薬品の送達に用いられてきた。例えば、米国特許第5629020号、同5643957号、同5766633号、同5776888号、および同5866536号を参照されたい。
より最近では、連結基を介してポリマーを改変アミノ酸またはその誘導体とコンジュゲートさせてポリマー系送達剤が提供されている。改変したポリマーは、任意のポリマーであってよいが、好ましいポリマーには、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、およびその誘導体が含まれる。例えば、国際出願公開第00/40203号を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願第00/40203号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、容易に調製でき、かつ、さまざまな経路によって広範囲な活性剤を送達することができる、簡単で、安価な送達剤系が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、活性剤(例えば、生物学的活性剤)の送達を容易にする、フェニルアルキルカルボン酸化合物および組成物を提供する。本発明の送達剤化合物は、下記式で表される化合物および医薬として許容可能なその塩を包含する:
【化1】

[式中、nは1〜12であり、かつ
〜Rは、独立に、水素、C1〜C6アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルキルオキシ、ヒドロキシ、C6〜C14アリールオキシ、またはC1〜C6アルキルハロ(例えば、C1アルキルハロ)基である]。
【0010】
1つの実施態様では、nは、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、1〜4、2〜4、3〜4、1〜3、2〜3、または1〜2であってよい。
【0011】
別の実施態様では、R〜Rの少なくとも1つはメチル、メトキシ、ヒドロキシ、またはハロゲン基(例えば、ClまたはF)である。
【0012】
これらの送達剤化合物の混合物も用いることができる。
【0013】
本発明は、本発明の少なくとも1種の送達剤化合物と、少なくとも1種の活性剤(例えば、生物学的活性剤)とを含む組成物も提供する。活性剤と共に投与すると、本願の送達剤は、この送達剤化合物なしに活性剤を投与する場合と比較して、活性剤の生物学的利用能を向上させる。
【0014】
本発明はまた、本発明の医薬組成物を含む投与単位形態を提供する。この投与単位形態は、液体であっても固体であってもよく、例えば、錠剤、カプセル、または粒剤(例えば、粉末またはサシェが含まれる)などであってよい。
【0015】
別の実施態様は、活性剤を動物(特に、その薬剤を必要としている動物)に投与する方法であって、本発明の少なくとも1種の送達剤化合物と、少なくとも1種の活性剤とを含む医薬組成物を前記動物に投与することによる方法である。好ましい投与経路には、経口経路および経腸内経路、特に経口経路が含まれる。
【0016】
本発明のさらに別の実施態様は、動物(例えば、ヒト)において、疾患の治療または所望の生理学的効果を達成する方法であって、本発明の医薬組成物をその動物に投与することによる方法である。
【0017】
本発明のさらに別の実施態様は、本発明の医薬組成物の製造方法であって、本発明の少なくとも1種の送達剤化合物と、少なくとも1種の活性剤とを混合することによる方法である。
【0018】
本発明のさらに別の実施態様は、活性剤(例えば、生物学的活性剤)を含む医薬組成物の生物学的利用能(例えば、経口の生物学的利用能)を向上させる方法であって、本発明の少なくとも1種の送達剤化合物を、前記医薬組成物に添加することを含む方法である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[定義]
用語「アルキル」は、二重-または三重炭素-炭素結合を全く含まない、直鎖状、分岐状、または置換された一価の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例には、これらだけに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、および1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)が含まれる。
【0020】
用語「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合を少なくとも1個有する、直鎖状、分岐状、または置換された一価の脂肪族炭化水素基を意味する。アルケニル基の例には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、iso-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、および2-ブテニルが含まれる。
【0021】
用語「アルキレン」は、二重-または三重結合を全く含まない、直鎖状、分岐状、または置換された二価の脂肪族炭化水素基を意味する。
【0022】
用語「アルキルオキシ」は、分子の残りの部分に酸素結合を介して結合しているアルキル基を意味する。アルキルオキシ基の例には、これらだけに限られないが、-OCH3および-OC2H5基が含まれる。
【0023】
用語「アリール」は、一価のC6〜C14芳香族基、すなわち、1個以上の不飽和炭素環を有する一価の基を意味する。アリール基の例には、これらだけに限られないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびビフェニルが含まれる。
【0024】
用語「アルキル(アリーレン)」は、アルキル基をその芳香族基の前および/または後に有する芳香族基を含む二価の基を意味する。
【0025】
用語「アリールオキシ」は、分子の残りの部分に酸素結合を介して結合しているC6〜C14アリール基、例えば-OC6H5を意味する。
【0026】
用語「インスリン」には、ヒトまたは他の動物を起源とするインスリンの標準的な形態に加えて、インスリンの組み換え形態〔インスリンlisproまたはHumalog(登録商標)のの類似体類〕が含まれる。
【0027】
用語「ハパリン」には、組換え、ヒト、または他の動物に由来する、未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリンが含まれる。
【0028】
用語「LHRH」または「黄体形成ホルモン放出ホルモン」は、視床下部で産生されるホルモンであって、脳下垂体前葉に信号を送って、黄体ホルモンおよび卵胞刺激ホルモンの分泌を開始させるホルモンを意味する。
【0029】
用語「rhGH」は、組換えヒト成長ホルモンを意味する。
【0030】
用語「カスポファンギン」および「カスポファンギンアセテート」は、真菌(Glarea lozoyensis)から誘導された水溶性の半合成リポペプチドを意味し、Aspergilllus種およびCandida種に対して活性を有する。カスポファンギンアセテート〔Cancidas(登録商標)〕は、FDAによって推奨されており、他の抗真菌剤に対して難治性であるかまたは不耐性である患者の侵入性アスペルギルス症の治療に適応される。
【0031】
特に指定しない限り、本明細書において用語「置換」は、以下の置換基:ヒドロキシ、C1〜C6アルキル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ノルマル-またはイソ-ブチルを含む);C2〜C4アルケニル、C1〜C4アルコキシ、アリール、ハロ、アルキルハロ、またはアリールオキシ基のいずれか1つまたは任意の組み合わせでの置換を意味する。
【0032】
用語「約」は、一般に、所与の範囲の10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内を意味する。
【0033】
用語「低身長」は、正常と考えられる大きさを顕著に下回る大きさ(例えば、身長)を有する被験者を意味する。成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン)が、低身長の治療に適応される。
【0034】
〔送達剤化合物〕
本発明の送達剤化合物には、下記式Iで表される化合物および医薬として許容可能なその塩が含まれる:
【化2】

[式中、nは1〜12であり、かつ
〜Rは、独立に、水素、C1〜C6アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロゲン、C1〜C4アルキルオキシ、ヒドロキシ、C6〜C14アリールオキシ、またはC1〜C6アルキルハロ(例えば、C1アルキルハロ)基である]。
【0035】
種々の実施態様では、nは、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、1〜4、2〜4、3〜4、1〜3、2〜3、または1〜2であってよい。
【0036】
本発明の別の実施態様では、本発明の送達剤化合物には、上記式Iで表される化合物であって、R〜Rの少なくとも1つが、メチル、メトキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロゲン基である化合物が含まれる。好ましい実施態様では、送達剤化合物には、nが前段落によって定義され、かつ、R〜Rの少なくとも1つが、メチル、メトキシ、アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロゲン基である化合物が含まれる。
【0037】
本発明の1つの実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがメチル基である上記式Iの化合物から選択される。別の実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがメトキシ基である上記式Iの化合物から選択される。別の実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがヒドロキシ基である上記式Iの化合物から選択される。別の実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがアリールオキシ基である上記式Iの化合物から選択される。別の実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがアルキルオキシキシ基である上記式Iの化合物から選択される。別の実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがC1アルキルハロ基である上記式Iの化合物から選択される。別の実施態様では、送達剤化合物は、R〜Rの少なくとも1つがハロゲンである化合物、好ましくはR〜Rの少なくとも1つが塩素原子であるかまたはR〜Rの少なくとも1つがフッ素原子である上記式Iの化合物から選択される。
【0038】
本発明の1つの実施態様では、表1に列挙した化合物が、式Iの送達剤から除外される。しかし、さまざまな態様において、これらの化合物は、活性剤(例えば、生物学的活性剤)をさらに含む組成物中に含まれていてもよい。
【0039】
送達剤化合物は、その遊離塩基の形態であっても、医薬として許容可能な塩の形態であってもよく、例えば、医薬として許容可能な酸付加塩であってもよい。適切な塩には、有機および無機塩、たとえばアンモニウム、酢酸塩、クエン酸塩、ハロゲン化物(好ましくは塩酸塩)、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、アルコキシ、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、カルボン酸塩、メシル酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、およびマレイン酸塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましい塩には、クエン酸塩およびメシル酸塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの塩は、エタノール溶媒和物を含む溶媒和物、および水和物であってもよい。
【0040】
本発明の送達剤化合物の塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。たとえば、クエン酸塩およびメシル酸塩は、エタノール、トルエン、およびクエン酸中で調製することができる。
【0041】
送達剤化合物は、再結晶によって、あるいは単独またはタンデムに連結した1つ以上の固体クロマトグラフィー支持体での分画によって精製することができる。適切な再結晶溶媒系には、エタノール、水、ヘプタン、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、メタノール、およびテトラヒドロフラン(THF)、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。分画は、移動相としてメタノール/n-プロパノール混合物を用いるアルミナなどの適切なクロマトグラフィー支持体;移動相としてトリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物を用いる逆相クロマトグラフィー;および、移動相として水または適切なバッファーを用いるイオン交換クロマトグラフィーで実施することができる。アニオン交換クロマトグラフィーを実施する場合、0〜500 mMの塩化ナトリウムグラジェント条件を採用することが好ましい。
【0042】
送達剤は、NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-NHC(O)、-OOC-、-COO-、-NHC(O)O-、-OC(O)NH-、-CH2NH、-NHCH2-、-CH2NHC(O)O-、-OC(O)NHCH2-、-CH2NHCOCH2O-、-OCH2C(O)NHCH2-、-NHC(O)CH2O-、-OCH2C(O)NH-、-NH-、-O-、および炭素-炭素結合からなる群から選択される連結基によって送達剤に結合したポリマーを含有することができる。ただし、ポリマー送達剤は、ポリペプチドまたはポリアミノ酸でないことを条件とする。このポリマーは、交互コポリマー、ブロックコポリマー、およびランダムコポリマーを含むが、これに限定されるものではなく、哺乳動物での使用に安全な任意のポリマーであってよい。好ましいポリマーには、ポリエチレン;ポリアクリレート類;ポリメタクリレート類;ポリ(オキシエチレン);ポリ(プロピレン);ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール(PEG);およびこれらの誘導体、ならびにこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されるものではない。このポリマーの分子量は、典型的に、約100から約200,000ダルトンの範囲である。ポリマーの分子量は、好ましくは、約200から約10,000ダルトンの範囲である。本発明の1つの実施態様では、ポリマーの分子量は、約200から約600ダルトンの範囲であり、より好ましくは約300から約550ダルトンの範囲である。
【0043】
式Iの送達剤化合物の非限定的な例として、以下に示す化合物および医薬として許容可能なその塩が挙げられる。
【化3A】

【化3B】

【化3C】

【化3D】

化合物22〜74(表1)は、送達剤として利用するために市販の供給元から購入した。
【表1A】

【表1B】

【0044】
〔活性剤〕
本発明での使用に適した活性剤には、生物学的活性剤および化学的活性剤(これらに限定されないが、殺虫剤、薬剤、および治療剤を含む)が含まれる。適切な活性剤には、酸加水分解、酵素などによって胃腸管において有効性が低下する、無効となる、あるいは破壊されるものが含まれる。さらに、適切な活性剤には、経口で投与されたとき、大きさ、構造、または電荷などの生理化学的特性が吸収を妨げるかまたは阻害する巨大分子剤が含まれる。
【0045】
たとえば、本発明での使用に適した生物学的または化学的活性剤には、タンパク質;ポリペプチド;ペプチド;ホルモン;多糖類、および特にムコ多糖類の混合物;炭水化物;脂質;小さな極性有機分子(すなわち、500ダルトン以下の分子量を有する極性有機分子);他の有機化合物;ならびに、特に、それらだけでは胃腸粘膜を通過できず(または投与量のごく一部のみが通過する)、および/または胃腸管において酸および酵素による化学的開裂を受け易い化合物;またはこれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
さらなる例には、以下のものまたはこれらの任意の組合せが、これらの合成、天然、または組換え供給源を含めて含まれるが、これらに限定されるものではない;成長ホルモン(ヒト成長ホルモン(hGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、およびブタ成長ホルモンを含む);成長ホルモン放出ホルモン;成長ホルモン放出因子、インターフェロン〔α-インターフェロン(たとえばインターフェロンアルファコン-1(InterMune社(Brisbane、カルフォルニア州)からInfergen(登録商標)として入手可能)、β-インターフェロン、およびγ-インターフェロンを含む〕;インターロイキン-1;インターロイキン-2;インスリン(ブタ、ウシ、ヒト、およびヒト組換えインスリンを含み、場合により、亜鉛、ナトリウム、カルシウム、およびアンモニウムを含むカウンターイオンを有していてもよいもの);インスリン様成長因子(IGF-1を含む);ヘパリン(未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、および超低分子量ヘパリンを含む);カルシトニン(サケ、ウナギ、ブタ、およびヒトカルシトニンを含む);エリスロポイエチン;心房性ナトリウム利尿因子;抗原;モノクローナル抗体;ソマトスタチン;プロテアーゼインヒビター;アドレノコルチコトロピン;ゴナドトロピン放出ホルモン;オキシトシン;黄体形成ホルモン放出ホルモン;卵胞刺激ホルモン;グルコセレブロシダーゼ;トロンボポイエチン;フィルグラスチム;プロスタグランジン;シクロスポリン;バソプレシン;クロモリンナトリウム(クロモグリク酸ナトリウムまたはクロモグリク酸二ナトリウム);バンコマイシン;デスフェリオキサミン(DFO);ビスホスホネート(アレンドロネート、チルドロネート、エチドロネート、クロドロネート、パミドロネート、オルパドロネート、およびインカドロネートを含む);副甲状腺ホルモン(PTH)(そのフラグメントを含む);抗片頭痛剤(例えば、BIBN-4096BS、および他のカルシトニン遺伝子関連タンパク質アンタゴニストなど);グルカゴン様ペプチド1(GLP-1);アルガトロバン(Argatroban);グルカゴン;抗菌剤(抗生物質、抗細菌、および抗真菌剤を含む);ビタミン;これらの化合物の類似体、フラグメント、擬似体、またはポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体;またはこれらの組合せ。抗生物質の非限定的な例には、グラム陽性作用性、殺菌性、リポペプチド性、および環状ペプチド性の抗生物質(例えば、ダプトマイシンなど)、ならびにこれらの類似体が含まれる。
【0047】
〔送達システム〕
本発明の医薬組成物は、1種以上の本発明の送達剤化合物と、1種以上の活性剤(例えば、生物学的活性剤)とを含む。1つの実施態様において、1種以上の送達剤化合物、またはこれらの化合物の塩を、投与前に活性剤と混合して投与組成物を形成させることによって、送達剤として用いることができる。
【0048】
投与組成物は、液体の形態であってよい。溶液媒体は、水(たとえば、サケカルシトニン、副甲状腺ホルモン、およびエリスロポイエチンの場合)、25%プロピレングリコール水溶液(たとえば、ヘパリンの場合)、およびリン酸バッファー(たとえば、rhGHの場合)にすることができる。他の投与ビヒクルには、これに限定されないが、ポリエチレングリコールが含まれる。投与溶液は、投与直前に、送達剤化合物の溶液を活性剤の溶液と混合することによって調製することができる。あるいは、送達剤化合物(または活性剤)の溶液を固体形態の活性剤(または送達剤化合物)と混合することができる。送達剤化合物および活性剤を、乾燥粉末として混合することもできる。送達剤化合物および活性剤は、製造工程中に混合することもできる。
【0049】
投与溶液は、場合により、リン酸バッファー塩、クエン酸、グリコール類、または他の分散剤などの添加剤を含んでいてよい。安定化添加剤は、好ましくは約0.1から20%(w/v)の範囲の濃度で、溶液中に混合することができる。
【0050】
あるいは、投与組成物は、個体形態(例えば、錠剤、カプセル、または粒剤(例えば、粉剤もしくはサシェ等)等)であってもよい。固体投与量形態は、固体形態の本化合物と、固体形態の活性剤とを混合することによって調製することができる。あるいは、固体は凍結乾燥(凍結乾燥法)、沈殿、結晶化、および固体分散などの当該技術分野で知られている方法によって、化合物と活性剤との溶液から得ることができる。
【0051】
本発明の投与組成物は、1種以上の酵素インヒビターを含むこともできる。このような酵素インヒビターには、アクチノニンまたはエピアクチノニンなどの化合物、およびこれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されるものではない。他の酵素インヒビターには、アプロチニン(Trasylol)およびボーマン-バークインヒビターが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
本発明の投与組成物において用いる活性剤の量は、標的適応症に対する特定の活性剤の目的を達成するのに有効な量である。組成物における活性剤の量は、典型的に、薬理学的、生物学的、治療的、または化学的に有効な量である。しかし、組成物が投与単位形態で用いられる場合は、投与単位形態が複数の送達剤化合物/活性剤組成物を含有する可能性があり、あるいは分割された薬理学的、生物学的、治療的、または化学的有効量を含有する可能性があるため、量は前記有効な量より少ない量であり得る。全有効量を、合計して活性剤の有効量を含有する累積単位で投与することができる。
【0053】
一般に、組成物中の送達剤化合物の量は、活性剤の送達を容易にするために有効な量である。用いられる活性剤および送達剤化合物の合計量は、当業者に知られている方法によって決定することができる。しかし、本発明の組成物は、活性剤だけを含有する組成物より効率的に活性剤を送達する可能性があるので、従来の投与単位形態または送達システムにおいて用いられている量より少量の生物学的または化学的活性剤を患者に投与して、依然として同等の血中濃度および/または治療効果を達成することができる。一般に、送達剤の活性剤に対する重量比は、約1000:1または800:1〜約10:1または1:10の範囲であり、好ましくは約400:1または200:1〜約100:1または25:1の範囲である。特定の活性剤の送達のために、他の範囲(例えば、約100:1または50:1〜約5:1または2.5:1、あるいは約60:1または30:1〜約1:1または0.5:1)が、許容可能な範囲として想定される。このような範囲および比は、当業者が決定することができる。
【0054】
本明細書で開示する送達剤化合物は、特に経口、鼻腔内、舌下、十二指腸内、皮下、口腔内、結腸内、直腸、膣、粘膜、肺、経皮、皮内、非経口、静脈内、筋肉内、および眼系において、ならびに血液-脳関門の通過において、生物学的および化学的活性剤の送達を容易にする。
【0055】
投与単位形態はさらに、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、可塑剤、着色剤、香味剤、風味マスキング剤、糖、甘味料、塩、および投与ビヒクル(水、1,2-プロパンジオール、エタノール、オリーブ油、またはこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されるものではない)のいずれか1種または組合せを含むことができる。
【0056】
本発明の化合物および組成物は、ニワトリなどの鳥類;ネズミ類、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類、特にヒトなどの哺乳動物;および昆虫を含む任意の動物(これに限定されるものではない)に、生物学的または化学的活性剤を投与するのに有用である。
【0057】
このシステムは、送達剤を用いなければ、活性剤が、その標的域(すなわち、送達組成物の活性剤が放出される領域)に到達する前に、投与される動物の体内で遭遇する条件によって、破壊されるか、有効性が低下するであろう化学的または生物学的活性剤を送達するために、特に有利である。特に、本発明の化合物および組成物は、活性剤、特に、通常は経口で送達できない活性剤、または改善された送達が所望される活性剤を経口で投与するのに有用である。
【0058】
本フェニルアルキルカルボン酸化合物と活性剤とを含む組成物は、選択された生体系に活性剤を送達するのに有用であり、かつ、送達剤を含まない活性剤の投与と比較して増大または改善された生物学的利用能を有する。送達は、ある期間にわたってより多くの活性剤送達することによって、あるいは、特定の期間に (より迅速な送達、または遅延送達など)、または特定の時間もしくはある期間にわたって活性剤を送達する(持続送達など)ことにおいて、改善され得る。
【0059】
本発明の別の実施態様は、本発明の組成物を投与することによって、動物において、疾患を治療または予防する方法、あるいは所望の生理的効果を達成する方法であり、例えば、以下の表に列挙した任意の疾患および症状が挙げられる。好ましくは、目的とする疾患を治療または予防するために、あるいは目的とする生理的効果を得るのに有効な量の組成物を投与する。活性剤に対する特定の適応症は、これら全体を参照として本明細書の一部に組み込む、Physicians' Desk Reference(第58版、2004、Medical Economics Company社、Montvale、ニュージャージー州)、およびFauch, ASらのHarrison’s Principles of Internal Medicine (14th Ed., 1998, McGraw-Hill Health Professions Division, New York)に見出すことができる。以下の表の活性剤には、これらの類似体、フラグメント、擬似体、およびポリエチレングリコール修飾誘導体(例えば、Neulasta(登録商標)として販売されている顆粒球コロニー刺激因子のPEG化された誘導体)が含まれる。
【表2A】

【表2B】

【表2C】

【表2D】

【0060】
たとえば、本発明の1つの実施態様は、インスリンおよび少なくとも1種の本発明の送達剤化合物を投与することによって、糖尿病に罹患しているかまたは罹患しやすい患者を治療する方法である。
【0061】
投与に続いて、組成物または投与単位形態中に存在する活性剤は、血液循環に取り込まれる。この薬剤の生物学的利用能は、たとえばヘパリンによって引き起こされる血液凝固時間の増加、またはカルシトニンによって引き起こされる血中カルシウム濃度の減少のような、血液中の既知の薬理活性を測定することによって容易に評価することができる。あるいは、活性剤自体の血中濃度を直接測定することができる。
【0062】
本発明の1つの実施態様は、有効量のインスリンと、有効量の少なくとも1種の本明細書記載の送達剤とを含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明の1つの実施態様は、約50〜800 mg/kg(例えば、200 mg/kg)のインスリンと、約0.1〜2.0 mg/kg(例えば、0.5 mg/kg)の本発明のいずれかの送達剤化合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0063】
さらに別の実施形態は、高血糖症(例えば、糖尿病など)を特徴とする疾患の治療方法であって、本発明の医薬組成物を被験者に投与することによる方法である。
【0064】
本発明の1つの実施態様は、有効量のヘパリンと、有効量の少なくとも1種の本明細書記載の送達剤とを含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明の1つの実施態様は、約5〜125 mg/kg(例えば、25 mg/kgまたは80 mg/kg)のヘパリンと、約5〜500 mg/kg(例えば、50 mg/kgまたは200 mg/kg)の本発明のいずれか1つの送達剤化合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0065】
さらに別の実施形態は、血管内の血栓症を特徴とする疾患の治療方法であって、有効量のヘパリンと、有効量の本発明の送達剤とを被験者に投与することによる方法である。
【0066】
さらに別の実施形態は、罹患しやすい個体の深部静脈血栓症(DVT)を予防する方法であって、有効量のヘパリンと、有効量の本発明の送達剤化合物とを被験者に投与することによる方法である。
【0067】
本発明の1つの実施態様は、rhGHと、有効量の少なくとも1種の本明細書記載の送達剤とを含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明の1つの実施態様は、約0.25〜10 mg/kg(例えば、3 mg/kg)のrhGHと、約50〜500 mg/kg(例えば、200 mg/kg)の本発明のいずれか1つの送達剤化合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0068】
さらに別の実施形態は、低成長を治療または予防する方法であって、有効量のrhGHと、有効量の少なくとも1種の本発明の送達剤化合物(式I)とを被験者に投与することによる方法である。
【0069】
さらに別の実施形態は、有効量の本発明の送達剤化合物を被験者に投与することによって、成長ホルモンの補充を必要とする疾患を治療または予防する方法である。
【0070】
本発明の1つの実施態様は、LHRHと、有効量の少なくとも1種の本明細書記載の送達剤とを含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明の1つの実施態様は、約0.1〜10 mg/kg(例えば、1 mg/kg)のLHRHと、約50〜500 mg/kg(例えば、200 mg/kg)の本発明のいずれかの送達剤化合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0071】
さらに別の実施形態は、LHRHの補充を必要とする男性または女性の不妊を治療または予防する方法であって、有効量のLHRHと、少なくとも1種の本発明の送達剤化合物の有効量とを被験者に投与することによる方法である。
【0072】
さらに別の実施形態は、LHRHの補充を必要とする疾患を治療または予防する方法であって、有効量のLHRHと、本発明の少なくとも1種の送達剤化合物の有効量とを被験者に投与することによる方法である。
【0073】
本発明の1つの実施態様は、有効量のカスポファンギンアセテート〔例えば、Cancidas(登録商標)〕と、有効量の少なくとも1種の本明細書に記載の送達剤化合物とを含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明の1つの実施態様は、約5〜125 mg/kg(例えば、25 mg/kg)のカスポファンギンアセテートと、約50〜500 mg/kg(例えば、200 mg/kg)の本発明のいずれか1つの送達剤化合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0074】
さらに別の実施形態は、カンジダ症、または他の全身性もしくは局在性の真菌感染の治療または予防する方法であって、有効量のカスポファンギンアセテートと、有効量の本発明の送達剤とを被験者に投与することによる方法である。
【実施例】
【0075】
以下の実施例は、限定することなく本発明を例示する。
【0076】
[実施例1]−4-(4-メトキシフェニル)ブタン酸(化合物1)の調製
不活性雰囲気(窒素ガス)下、磁気撹拌棒を装備した500 mLの丸底フラスコに、5.25 mL(48.3 mmol)のアニソール、4.83 g(48.3 mmol)の無水コハク酸、125 mLの1,1,2,2-テトラクロロエタン、および125 mLのニトロベンゼンを入れた。この反応容器を、氷浴で外部から30分間冷却した。この淡黄色溶液に、三塩化アルミニウム(14.2 g、106.4 mmol)を添加すると、赤みがかった暗褐色に変化した。氷浴を取り外し、反応を室温に戻して36時間撹拌した。反応物を、再び氷浴で外部から冷却した。1N塩酸溶液を、氷が一杯に入った100 mLのビーカに注ぐことによって、酸性溶液を調製した。この溶液を、反応混合物に、注意深く、最初に反応物の白色沈殿がなくなるまで滴下によって添加した。この時点で、反応性を試すために注意深く10 mL分を添加した後、残りの氷/酸混合物を添加した。第二の100 mLの氷/酸混合物を添加し、外部氷浴を取り除き、単白色のエマルジョンを2時間撹拌した。このエマルジョンから、吸引濾過によって白色沈殿を集めた。この固体を、300 mLの0.3 M水酸化ナトリウムに溶解し、100 mLの酢酸エチルで洗浄し、1 Mの塩酸で約pH 1に酸性化した。吸引濾過によって集めた白色結晶を、3×100 mLの脱塩水で洗浄し、次の工程に使用するために保存した。
50 mLの丸底フラスコに、4.77 g(86.1 mmol)のカットした亜鉛を入れた。これに、0.22 g(0.81 mmol)の塩化水銀(II)と、4 mLの水中の0.2 M mLの濃塩酸(37%)とを添加した。この混合物を室温で10分間撹拌した。液体を、デカントによって除去し、直ちに、2 mLの水中の10 mLの濃塩酸(37%)の新鮮な溶液に置換した。この亜鉛混合物に、3.00 g(14.4 mmol)の4-(4-メトキシフェニル)オキソブタン酸を添加し、次いで、追加の2 mLの水中の10 mLの濃塩酸(37%)を添加した。この反応物を加熱して、30分ごとに追加の0.4 mLの濃塩酸(37%)を添加しながら、3時間還流させた。この反応物を室温に冷却し、一晩撹拌した。この反応混合物に、10 mLのエチルエーテルを加え、30分間撹拌した。液体を固体からデカンテーションにより除去して125 mLの分液漏斗に移し、固体残渣を20 mLのエーテルで洗浄し、この液体もデカンテーションにより除去して分液漏斗に移した。水相を分離し、さらに30 mLのジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで無水にし、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残った固体を約250 mLの0.3 M水酸化ナトリウム溶液に溶解し、25 mLの酢酸エチルで洗浄した。この水性溶液を、約200 mLの1N塩酸溶液で酸性にし、一晩静置した。生成物(1.42 g、51%)を白色固体として単離した。融点57〜58℃。
燃焼分析:分析値:C 67.87, H 7.33%、理論値(C11H14O3):C: 68.02, H: 7.27 %。
1H NMR (d6-DMSO):δ 12.0, s, 1H (COOH); δ 7.2 d, 2H (アリールH); δ 6.8, d, 2H, (アリールH); δ 3.7, s, 3H (OMeのH); δ 2.5, t, 2H (アリール基に対してα位のCH2); δ 2.2, t, 2H (COOHに対してα位のCH2), δ 1.75, p, 2H (中央のCH2).
【0077】
[実施例2]−5-(2-メトキシフェニル)ペンタン酸(化合物2)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、16.0 mL(18.1 g、72.3 mmol)の4-ホスホクロトン酸トリエチルおよび20 mLのテトラヒドロフラン(THF)を入れた。この透明溶液を、ドライアイス/アセトン浴中で-78℃に冷却し、72.0 mL(72.0 mmol)の1.0 Mリチウムヘキサメチルジシラザン/THF溶液を10分間かけてゆっくりと添加して作用させた。この赤い溶液を、-78℃にて1時間撹拌した。このアニオン溶液の3分の1を、排管(cannula)を通して、3.28 g(24.1 mmol)の2-アニスアルデヒドおよび15 mLのTHFの溶液に移した。添加直後に、反応混合物が45℃に温まり、これをさらに25℃にて20時間撹拌した。2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサンで希釈した後、反応混合物を、水(4 x 40 mL)および塩水(1 x 40 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、シリカゲルで脱色し、濃縮した。このエチル5-(2-メトキシフェニル)ペンタジエノエートをそのまま使用した。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、上で単離したエチル5-(2-メトキシフェニル)ペンタジエノエートおよびエタノールを入れた。この混合物に、0.25 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、45 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。水素ガスがもはや取り込まれなくなった後、水素を放散させた後に反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、粗5-(2-メトキシフェニル)ペンタノエートを得た。
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、上で単離したエチル5-(2-メトキシフェニル)ペンタノエートおよびエタノールを入れた。この溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加熱還流させた。5時間後に、この透明溶液を25℃に冷却し、MTBEで洗浄し、4%塩酸水溶液で酸性にして、赤-橙色の固体を得、これを濾過によって単離して、3.44 gの5-(2-メトキシフェニル)ペンタン酸を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.03, t, 1H, (CH2に対してパラ位のアリールH、); δ 6.99, d, 1H (CH2に対してオルト位のアリールH); δ 6.80, d, 1H, (OMeに対してオルト位のアリールH); δ 6.72, t, 1H (OMeに対してパラ位のアリールH); δ 3.64, s, 3H (OCH3); δ 2.41, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.09, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.38, m, 4H (アリールおよびCOOHに対してβ位のCH2).
13C NMR (d6-DMSO): 174.42, 157.00, 129.77, 129.49, 127.04, 120.15, 110.56, 55.17, 33.53, 29.18, 28.87, 24.30.
【0078】
[実施例3]−5-(3-フルオロフェニル)ペンタン酸(化合物3)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、16.0 mL(18.1 g、72.3 mmol)の4-ホスホクロトン酸トリエチルおよび20 mLのテトラヒドロフラン(THF)を入れた。この透明溶液を、ドライアイス/アセトン浴中で-78℃に冷却し、72.0 mL(72.0 mmol)の1.0 Mリチウムヘキサメチルジシラザン/THF溶液を10分間かけてゆっくりと添加して作用させた。この赤い溶液を、-78℃にて1時間撹拌した。このアニオン溶液の3分の1を、排管(cannula)を通して、3.28 g(24.1 mmol)の3-フルオロベンズアルデヒドおよび15 mLのTHFの溶液に移した。添加直後に、反応混合物が45℃に温まり、これをさらに25℃にて20時間撹拌した。2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサンで希釈した後、反応混合物を、水(4 x 40 mL)および塩水(1 x 40 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、シリカゲルで脱色し、濃縮した。このエチル5-(3-フルオロフェニル)ペンタジエノエートをそのまま使用した。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、上で単離したエチル5-(3-フルオロフェニル)ペンタジエノエートおよびエタノールを入れた。この混合物に、0.25 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、45 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。水素ガスがもはや取り込まれなくなった後、水素を放散させた後に反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、粗5-(3-フルオロフェニル)ペンタノエートを得た。
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、上で単離したエチル5-(3-フルオロフェニル)ペンタノエートおよびエタノールを入れた。この溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加熱還流させた。5時間後に、この透明溶液を25℃に冷却し、MTBEで洗浄し、4%塩酸水溶液で酸性にして、赤-橙色の固体を得、これを濾過によって単離して、3.44 gの5-(3-フルオロフェニル)ペンタン酸を得た。
1H NMR (d6-DMSO):δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.29, q, 1H, (Fに対してメタ位のアリールH); δ 7.0, m, 3H (他のアリールH); δ 2.57, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.22, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.5, m, 4H (アリールおよびCOOHに対してβ位のCH2).
13C NMR (d6-DMSO): 174.35, 162.2 (d), 145.0, 130.0, 124.36, 114.8, 112.4, 34.37, 33.40, 30.02, 23.98.
【0079】
[実施例4]−5-(3-メトキシフェニル)ペンタン酸(化合物4)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、16.0 mL(18.1 g、72.3 mmol)の4-ホスホクロトン酸トリエチルおよび20 mLのテトラヒドロフラン(THF)を入れた。この透明溶液を、ドライアイス/アセトン浴中で-78℃に冷却し、72.0 mL(72.0 mmol)の1.0 Mリチウムヘキサメチルジシラザン/THF溶液を10分間かけてゆっくりと添加して作用させた。この赤い溶液を、-78℃にて1時間撹拌した。このアニオン溶液の3分の1を、排管(cannula)を通して、3.28 g(24.1 mmol)の3-アニスアルデヒドおよび15 mLのTHFの溶液に移した。添加直後に、反応混合物が45℃に温まり、これをさらに25℃にて20時間撹拌した。2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサンで希釈した後、反応混合物を、水(4 x 40 mL)および塩水(1 x 40 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、シリカゲルで脱色し、濃縮した。このエチル5-(3-メトキシフェニル)ペンタジエノエートをそのまま使用した。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、上で単離したエチル5-(3-メトキシフェニル)ペンタジエノエートおよびエタノールを入れた。この混合物に、0.25 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、45 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。水素ガスがもはや取り込まれなくなった後、水素を放散させた後に反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、粗5-(3-メトキシフェニル)ペンタノエートを得た。
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、上で単離したエチル5-(3-メトキシフェニル)ペンタノエートおよびエタノールを入れた。この溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加熱還流させた。5時間後に、この透明溶液を25℃に冷却し、MTBEで洗浄し、4%塩酸水溶液で酸性にして、赤-橙色の固体を得、これを濾過によって単離して、3.44 gの5-(3-メトキシフェニル)ペンタン酸を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.07, t, 1H, (OMeに対してメタ位のアリールH); δ 6.64, m, 3H (アリールH); δ 3.63, s, 3H (OCH3); δ 2.44, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.11, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.4, m, 4H (アリールおよびCOOHに対してβ位のCH2).
13C NMR (d6-DMSO): 174.39, 159.23, 143.58, 129.18, 120.50, 113.89, 111.05, 54.83, 34.81, 33.46, 24.08.
【0080】
[実施例5]−6-(3-フルオロフェニル)ヘキサン酸(化合物5)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、6.02 g(13.6 mmol)の4-カルボキシブチルトリフェニルホスホニウムブロマイドおよび40 mLのテトラヒドロフラン(THF)を入れた。このスラリーを、ドライアイス/アセトン浴中で-40℃に冷却し、28.5 mL(28.5 mmol)の1.0 Mリチウムヘキサメチルジシラザン/THF溶液を作用させた。この橙色溶液を、25℃に戻した。この反応混合物を-20℃に冷却し、1.40 mLの(1.65 g、13.3 mmol)の3-フルオロベンズアルデヒドを作用させ、次いで、25℃に戻した。20時間後、この反応液を、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。相を分離させた。水相を、4%の塩酸水溶液で酸性にしてpH 2にし、MTBE(1 x 40 mL)で抽出した。有機相を塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、濃縮した。この6-(3-フルオロフェニル)ヘキ-5-セン酸をそのまま使用した。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、上で単離した6-(3-フルオロフェニル)ヘキ-5-セン酸、10 mLの酢酸エチル、および30 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.24 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、58 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。水素ガスがもはや取り込まれなくなった後、水素を放散させた後に反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシドが混入した粗6-(3-フルオロフェニル)ヘキセン酸を得た。この生成物をMTBEに溶解して取り出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5 x 30 mL)への抽出によって精製し、4%塩酸水溶液で酸性にしてpH 2にし、再びMTBEに抽出して戻した。残ったホスフィンオキシドは、2部のMTBEに対して1部のヘキサンを加え、シリカゲルのプラグを通過させることによって除去した。濃縮後に、生成物、1,37 gの6-(3-フルオロフェニル)ヘキサン酸が、透明な液体として得られた。
1H NMR (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.19, q, 1H, (Fに対してメタ位のアリールH); δ 6.9, m, 3H (他のアリールH); δ 2.47, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.08, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.44, m, 4H (アリールおよびCOOHに対してβ位のCH2); δ 1.17, p, 2H (鎖の中央のCH2).
13C NMR (d6-DMSO): 174.42, 162.2 (d), 145.2, 130.0, 124.35, 114.9, 112.23, 34.61, 33.56, 30.33, 28.09, 24.25.
【0081】
[実施例6]−3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸(化合物6)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の4-t-ブチルベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの4-t-ブチル桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の4-t-ブチル桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計15 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.2, bs, 1H (COOH); δ 7.16, d, 2H, (アリールH); δ 7.01, d, 2H (アリールH); δ 2.65, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.38, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.13, s, 9H (t-Bu).
13C NMR (d6-DMSO): 174, 148, 137, 127.8, 125.9, 35, 33, 31.2, 29.5.
【0082】
[実施例7]−3-(4-n-ブチルフェニル)プロパン酸(化合物7)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の4-n-ブチルベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの4-n-ブチル桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の4-n-ブチル桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計14 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(4-n-ブチルフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.00, d, 2H, (アリールH); δ 6.96, d, 2H (アリールH); δ 2.65, t, 2H, (COOHに対してβ位のCH2); δ 2.39, m, 4H (COOHに対してα位のCH2およびアリールに対してα位のCH2); δ 1.38, p, 2H (アリールに対してβ位のCH2); δ 1.16, hex, 2H (アリールに対してγ位のCH2); δ 0.77, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.79, 139.8, 137.98, 128.15, 128.03, 35.30, 34.40, 33.18, 29.94, 21.72, 13.74.
【0083】
[実施例8]−3-(4-n-プロピルフェニル)プロパン酸(化合物8)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の4-n-プロピルベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの4-n-プロピル桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の4-n-プロピル桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計14 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(4-n-プロピルフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.1, bs, 1H (COOH); δ 7.09, d, 2H, (アリールH); δ 7.05, d, 2H (アリールH); δ 2.75, t, 2H, (COOHに対してβ位のCH2); δ 2.47, m, 4H (COOHに対してα位のCH2およびアリールに対してα位のCH2); δ 1.52, hex, 2H (アリールに対してβ位のCH2); δ 0.85, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.76, 139.64, 138.01, 128.20, 128.02, 36.86, 35.28, 29.93, 24.11, 13.63.
【0084】
[実施例9]−3-(4-n-プロポキシフェニル)プロパン酸(化合物9)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の4-n-プロポキシベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの4-n-プロポキシ桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の4-n-プロポキシ桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計14 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(4-n-プロポキシフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.00, d, 2H, (Oに対してメタ位のアリールH); δ 6.70, d, 2H (Oに対してオルト位のアリールH); δ 3.76, t, 2H, (OCH2); δ 2.63, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.37, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.59, hex, 2H (Oに対してβ位のCH2); δ 0.85, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.76, 156.97, 132.59, 129.13, 114.22, 68.81, 35.55, 29.48, 22.05, 10.38.
【0085】
[実施例10]−3-(4-イソプロポキシフェニル)プロパン酸(化合物10)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の4-イソプロポキシベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの4-イソプロポキシ桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の4-イソプロポキシ桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計14 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(4-イソプロポキシフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.00, d, 2H, (Oに対してメタ位のアリールH); δ 6.70, d, 2H (Oに対してオルト位のアリールH); δ 4.43, hept, 1H, (OCH); δ 2.63, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.38, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.13, d, 6H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.78, 155.69, 132.50, 129.18, 115.44, 68.98, 35.50, 29.47, 21.85.
【0086】
[実施例11]−3-(4-n-ブトキシフェニル)プロパン酸(化合物11)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の4-n-ブトキシベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの4-n-ブトキシ桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の4-n-ブトキシ桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計14 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(4-n-ブトキシフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.00, d, 2H, (Oに対してメタ位のアリールH); δ 6.70, d, 2H (Oに対してオルト位のアリールH); δ 3.79, t, 2H, (OCH2); δ 2.62, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.35, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.55, p, 2H (Oに対してβ位のCH2); δ 1.30, hex, 2H (COOHに対してβ位のCH2); δ 0.80, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.77, 156.98, 132.58, 129.12, 114.21, 66.98, 35.56, 30.77, 29.48, 18.73, 13.67.
【0087】
[実施例12]−3-(3-フェノキシフェニル)プロパン酸(化合物12)の調製
磁気撹拌棒を備えた125 mLの三角フラスコに、7.76 g(47.8 mmol)の3-フェノキシベンズアルデヒド、5.28 g(50.7 mmol)のマロン酸、および2.2 mL(2.2 g、27.2 mmol)のピリジンを入れた。このスラリーを、80℃に加熱した。この温度で、透明な黄色溶液が形成された。2時間撹拌した後、この反応混合物を25℃に冷却した。得られた固体を濾過により単離し、水(2 x 30 mL)および2:1のメチルt-ブチルエーテル(MTBE)/ヘキサン(2 x 30 mL)で洗浄した。合計3.1 gの3-フェノキシ桂皮酸が単離された。
500 mLのパーシェーカー反応槽に、3.10 g(15.2 mmol)の3-フェノキシ桂皮酸、20 mLの酢酸エチル、および10 mLのエタノールを入れた。この混合物に、0.15 gの10%の炭素担持パラジウムを作用させ、パールシェーカー装置内で、51 psigの水素ガス雰囲気下に置いた。16時間の間に、合計14 psigの水素ガスが取り込まれた。水素を放散させた後でこの反応混合物をパールシェーカー装置から取り出し、セライトパッドを通して濾過して触媒を除去し、濃縮して、白色固体である3-(3-フェノキシフェニル)プロパン酸(3.07 g)を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.1, bs, 1H (COOH); δ 7.37, t, 2H, (非置換フェニル上のOに対してメタ位のアリールH); δ 7.27, t, 1H, (置換フェニル上のOに対してメタ位のアリールH); δ 7.12, t, 1H, (非置換フェニル上のOに対してパラ位のアリールH); δ 6.99, m, 3H (アリールH); δ 6.89, s, 1H (OおよびCH2の両方に対してオルト位のアリールH 、both O and CH2); δ 6.79, dd, 1H (置換フェニル上のOに対してオルト位のアリールH); δ 2.79, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.51, t, 2H (COOHに対してα位のCH2).
13C NMR (d6-DMSO): 173.62, 156.65, 156.49, 143.22, 129.97, 129.80, 123.41, 123.27, 118.61, 118.44, 116.13, 34.98, 30.10.
【0088】
[実施例13]−3-(3-エトキシフェニル)プロパン酸(化合物13)の調製
磁気撹拌棒を備えた75 mLのミニブロックチューブ(mini-block tube)に、6.16 g(50.4 mmol)の3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4.40 mL(8.58 g、55.0 mmol)のヨウ化エチル、30 mLのジメチルホルムアミド、および6.05 g(57.1 mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、50℃に加熱した。
40時間後、反応が50%だけ完結していたため、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化エチルを添加した。さらに60時間の後、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化エチルおよび3 g(28.5 mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。この反応混合物を、25℃に冷却し、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および水で希釈した。有機相をデカンテーションにより除いた。水相を、MTBEで洗浄し、再びデカンテーションにより有機相を除いた。合わせた有機相を2N水酸化ナトリウム(3 x 30 mL)および塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、3-エトキシベンズアルデヒドを得た。これを用いて、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸について上述した手順(実施例6)にしたがって、3-(3-エトキシフェニル)プロパン酸(1.31 g)を灰白色固体として得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.04, t, 1H, (OEtに対してメタ位のアリールH); δ 6.6, m, 3H (他のアリールH); δ 3.85, q, 2H, (OCH2); 2.65, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.39, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.18, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.73, 158.49, 142.41, 129.25, 120.30, 114.40, 111.79, 62.72, 35.12, 30.35, 14.66.
【0089】
[実施例14]−3-(3-イソプロポキシフェニル)プロパン酸(化合物14)の調製
磁気撹拌棒を備えた75 mLのミニブロックチューブ(mini-block tube)に、6.16 g(50.4 mmol)の3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4.40 mL(8.58 g、55.0 mmol)のヨウ化イソプロピル、30 mLのジメチルホルムアミド、および6.05 g(57.1 mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、50℃に加熱した。
40時間後、反応が50%だけ完結していたため、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化イソプロピルを添加した。さらに60時間の後、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化イソプロピルおよび3 g(28.5 mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。この反応混合物を、25℃に冷却し、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および水で希釈した。有機相をデカンテーションにより除いた。水相を、MTBEで洗浄し、再びデカンテーションにより有機相を除いた。合わせた有機相を2N水酸化ナトリウム(3 x 30 mL)および塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、3-イソプロポキシベンズアルデヒドを得た。これを用いて、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸について上述した手順(実施例6)にしたがって、3-(3-イソプロポキシフェニル)プロパン酸(1.31 g)を灰白色固体として得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.03, t, 1H, (O-i-Prに対してメタ位のアリールH); δ 6.6, m, 3H (他のアリールH); δ 4.45, hept, 1H, (OCH); 2.65, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.38, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.12, d, 6H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.70, 157.40, 142.46, 129.26, 120.17, 115.54, 112.93, 68.77, 35.09, 30.31, 21.84.
【0090】
[実施例15]−3-(3-n-ブトキシフェニル)プロパン酸(化合物15)の調製
磁気撹拌棒を備えた75 mLのミニブロックチューブ(mini-block tube)に、6.16 g(50.4 mmol)の3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4.40 mL(8.58 g、55.0 mmol)のヨウ化n-ブチル、30 mLのジメチルホルムアミド、および6.05 g(57.1 mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、50℃に加熱した。
40時間後、反応が50%だけ完結していたため、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化n-ブチルを添加した。さらに60時間の後、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化n-ブチルおよび3 g(28.5 mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。この反応混合物を、25℃に冷却し、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および水で希釈した。有機相をデカンテーションにより除いた。水相を、MTBEで洗浄し、再びデカンテーションにより有機相を除いた。合わせた有機相を2N水酸化ナトリウム(3 x 30 mL)および塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、3-n-ブトキシベンズアルデヒドを得た。これを用いて、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸について上述した手順(実施例6)にしたがって、3-(3-n-ブトキシシフェニル)プロパン酸(1.31 g)を灰白色固体として得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.04, t, 1H, (O-i-Prに対してメタ位のアリールH); δ 6.6, m, 3H (他のアリールH); δ 3.82, t, 2H, (OCH2); 2.65, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.38, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.56, p, 2H (Oに対してβ位のCH2); δ 1.30, hex, 2H (COOH に対してβ位のCH2); δ 0.81, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.75, 158.69, 142.44, 129.23, 120.28, 114.40, 111.84, 66.87, 35.15, 30.78, 30.36, 18.74, 13.68.
【0091】
[実施例16]−3-(3-n-プロポキシフェニル)プロパン酸(化合物16)の調製
磁気撹拌棒を備えた75 mLのミニブロックチューブ(mini-block tube)に、6.16 g(50.4 mmol)の3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4.40 mL(8.58 g、55.0 mmol)のヨウ化n-プロピル、30 mLのジメチルホルムアミド、および6.05 g(57.1 mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、50℃に加熱した。
40時間後、反応が50%だけ完結していたため、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化n-プロピルを添加した。さらに60時間の後、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化n-プロピルおよび3 g(28.5 mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。この反応混合物を、25℃に冷却し、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および水で希釈した。有機相をデカンテーションにより除いた。水相を、MTBEで洗浄し、再びデカンテーションにより有機相を除いた。合わせた有機相を2N水酸化ナトリウム(3 x 30 mL)および塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、3-n-プロポキシベンズアルデヒドを得た。これを用いて、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸について上述した手順(実施例6)にしたがって、3-(3-n-プロポキシフェニル)プロパン酸(1.31 g)を灰白色固体として得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.04, t, 1H, (O-i-Prに対してメタ位のアリールH); δ 6.6, m, 3H (他のアリールH); δ 3.77, t, 2H, (OCH2); 2.66, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.39, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.59, hex, 2H (Oに対してβ位のCH2); δ 0.85, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.74, 158.67, 142.42, 129.25, 120.29, 114.42, 111.85, 68.68, 35.12, 30.34, 22.05, 10.40.
【0092】
[実施例17]−3-(3-イソブトキシフェニル)プロパン酸(化合物17)の調製
磁気撹拌棒を備えた75 mLのミニブロックチューブ(mini-block tube)に、6.16 g(50.4 mmol)の3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4.40 mL(8.58 g、55.0 mmol)のヨウ化イソブチル、30 mLのジメチルホルムアミド、および6.05 g(57.1 mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、50℃に加熱した。
40時間後、反応が50%だけ完結していたため、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化イソブチルを添加した。さらに60時間の後、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化イソブチルおよび3 g(28.5 mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。この反応混合物を、25℃に冷却し、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および水で希釈した。有機相をデカンテーションにより除いた。水相を、MTBEで洗浄し、再びデカンテーションにより有機相を除いた。合わせた有機相を2N水酸化ナトリウム(3 x 30 mL)および塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、3-イソブトキシベンズアルデヒドを得た。これを用いて、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸について上述した手順(実施例6)にしたがって、3-(3-イソブトキシフェニル)プロパン酸(1.31 g)を灰白色固体として得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.03, t, 1H, (O-i-Prに対してメタ位のアリールH); δ 6.6, m, 3H (他のアリールH); δ 3.59, d, 2H, (OCH2); 2.65, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.38, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.86, n, 1H, (CH); δ 0.84, d, 6H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.74, 158.78, 142.43, 129.24, 120.31, 114.42, 111.92, 73.53, 35.13, 30.35, 27.71, 19.06.
【0093】
[実施例18]−3-(4-イソブトキシフェニル)プロパン酸(化合物18)の調製
磁気撹拌棒を備えた75 mLのミニブロックチューブ(mini-block tube)に、6.16 g(50.4 mmol)の4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4.40 mL(8.58 g、55.0 mmol)のヨウ化イソブチル、30 mLのジメチルホルムアミド、および6.05 g(57.1 mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。このスラリーを、50℃に加熱した。
40時間後、反応が50%だけ完結していたため、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化イソブチルを添加した。さらに60時間の後、さらなる3 mL(5.85 g、37.4 mmol)のヨウ化イソブチルおよび3 g(28.5 mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。この反応混合物を、25℃に冷却し、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)および水で希釈した。有機相をデカンテーションにより除いた。水相を、MTBEで洗浄し、再びデカンテーションにより有機相を除いた。合わせた有機相を2N水酸化ナトリウム(3 x 30 mL)および塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、4-イソブトキシベンズアルデヒドを得た。これを用いて、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸について上述した手順(実施例6)にしたがって、3-(4-イソブトキシフェニル)プロパン酸(1.31 g)を灰白色固体として得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 12.0, bs, 1H (COOH); δ 7.00, d, 2H, (Oに対してメタ位のアリールH); δ 6.70, d, 2H (Oに対してオルト位のアリールH); δ 3.60, d, 2H, (OCH2); 2.65, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.38, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.89, n, 1H, (CH); δ 0.87, d, 6H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 173.76, 157.06, 132.61, 129.12, 114.26, 73.67, 35.56, 29.47, 27.68, 19.04.
【0094】
[実施例19]−4-(4-エチルフェニル)ブタン酸(化合物19)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、4.01 g(61.3 mmol)の亜鉛紛および35 mLのジメチルホルムアミド(DMF)を入れた。このスラリーに、0.56 g(2.2 mmol)のヨウ素を作用させた。赤色が、90秒の間に消失した。この反応混合物に、6.00 mL(8.18 g、42.0 mmol)のエチル4-ブロモブチレートを作用させ、80℃にて4時間加熱した。この反応混合物を30℃に冷却し、4.98 g(21.5 mmol)の4-ヨードエチルベンゼンおよび0.48 g(0.9 mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)を作用させた。この反応混合物を45℃にて80時間加熱した。冷却した反応混合物に、4%塩酸水溶液を作用させて過剰の亜鉛をクエンチした。この混合物を、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)(1 x 60 mL)で抽出した。有機相を、塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、濃縮した。この粗エチル4-(4-エチルフェニル)ブチレートをエタノールで溶解して取り出し、20 mLの2N水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加熱して還流させた。4時間後、反応混合物を25℃に冷却し、MTBE(2 x 30 mL)で洗浄した。水相を4%塩酸水溶液で酸性にした。固体を濾過により単離して、1.99 gの4-(4-エチルフェニル)ブタン酸を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 6.98, d, 2H, (アリールH); δ 6.95, d, 2H (アリールH); δ 2.41, m, 4H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.07, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.64, m, 2H (アリールおよびCOOHの両方に対してβ位のCH2); δ 1.03, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 174.23, 141.08, 138.67, 128.20, 127.65, 33.97, 33.03, 27.73, 26.35, 15.65.
【0095】
[実施例20]−4-(4-イソプロピルフェニル)ブタン酸(化合物20)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、4.01 g(61.3 mmol)の亜鉛紛および35 mLのジメチルホルムアミド(DMF)を入れた。このスラリーに、0.56 g(2.2 mmol)のヨウ素を作用させた。赤色が、90秒の間に消失した。この反応混合物に、6.00 mL(8.18 g、42.0 mmol)のエチル4-ブロモブチレートを作用させ、80℃にて4時間加熱した。この反応混合物を30℃に冷却し、4.98 g(21.5 mmol)の4-ヨードイソプロピルベンゼンおよび0.48 g(0.9 mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)を作用させた。この反応混合物を45℃にて80時間加熱した。冷却した反応混合物に、4%塩酸水溶液を作用させて過剰の亜鉛をクエンチした。この混合物を、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)(1 x 60 mL)で抽出した。有機相を、塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、濃縮した。この粗エチル4-(4-イソプロピルフェニル)ブチレートをエタノールで溶解して取り出し、20 mLの2N水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加熱して還流させた。4時間後、反応混合物を25℃に冷却し、MTBE(2 x 30 mL)で洗浄した。水相を4%塩酸水溶液で酸性にした。固体を濾過により単離して、1.99 gの4-(4-イソプロピルフェニル)ブタン酸を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 7.01, d, 2H, (アリールH); δ 6.96, d, 2H (アリールH); δ 2.70, hept, 1H, (CH) δ 2.40, t, 2H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.07, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.63, p, 2H (アリールおよびCOOHの両方に対してβ位のCH2); δ 1.04, d, 6H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 174.23, 145.75, 138.81, 128.18, 126.15, 33.97, 33.07, 32.99, 26.33, 23.93.
【0096】
[実施例21]−5-(4-エチルフェニル)ペンタン酸(化合物21)の調製
温度計と磁気撹拌棒とを備えた250 mLの三ツ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、4.01 g(61.3 mmol)の亜鉛紛および35 mLのジメチルホルムアミド(DMF)を入れた。このスラリーに、0.56 g(2.2 mmol)のヨウ素を作用させた。赤色が、90秒の間に消失した。この反応混合物に、6.00 mL(8.18 g、42.0 mmol)のエチル4-ブロモペンタノエートを作用させ、80℃にて4時間加熱した。この反応混合物を30℃に冷却し、4.98 g(21.5 mmol)の4-ヨードエチルベンゼンおよび0.48 g(0.9 mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)を作用させた。この反応混合物を45℃にて80時間加熱した。冷却した反応混合物に、4%塩酸水溶液を作用させて過剰の亜鉛をクエンチした。この混合物を、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)(1 x 60 mL)で抽出した。有機相を、塩水(1 x 30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、濃縮した。この粗エチル4-(4-エチルフェニル)ペンタノエートをエタノールで溶解して取り出し、20 mLの2N水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加熱して還流させた。4時間後、反応混合物を25℃に冷却し、MTBE(2 x 30 mL)で洗浄した。水相を4%塩酸水溶液で酸性にした。固体を濾過により単離して、1.99 gの4-(4-エチルフェニル)ペンタン酸を得た。
1H NMR (d6-DMSO): δ 11.9, bs, 1H (COOH); δ 6.98, d, 2H, (アリールH); δ 6.95, d, 2H (アリールH); δ 2.42, m, 4H, (アリールに対してα位のCH2); δ 2.09, t, 2H (COOHに対してα位のCH2); δ 1.4, m, 2H (アリールおよびCOOHに対してβ位のCH2); δ 1.03, t, 3H (CH3).
13C NMR (d6-DMSO): 174.38, 140.90, 139.11, 128.15, 127.57, 34.39, 33.49, 30.45, 27.73, 24.09, 15.66.
【0097】
[実施例22]−雄性Sprague-Dawleyラットに対するインスリンの経口送達
インスリンストック溶液(15mg/ml)(ヒト亜鉛インシュリンCalbiochem-Novabiochem Corp.社、La Jolla、カルフォルニア州)を脱塩水で調製した。下記表3に示した送達剤化合物を使用して、200 mg/kgの送達剤化合物と、0.5 mg/kgのインスリンとを水溶液中に含有する経口投与組成物を調製した。送達剤化合物のナトリウム塩を使用するか、あるいは1当量の水酸化ナトリウムで遊離の酸をナトリウム塩に変換した。
【0098】
この投与溶液を、強制経口投与によって、平均体重225〜250グラムの絶食させた雄性Sprague-Dawleyラットに投与した。次いで、血液グルコース濃度を、グルコメーター〔One Touch Ultra(登録商標)、LifeScan Inc.社〕によって測定し、ビヒクル対照(1 mg/kgの水)と比較した。試料は、投与前(時間0)ならびに投与の15、30、45、および60分後に採取した。表3のグルコース低減%の値は、Cの最小値における測定値であり、各送達剤について行った実験回数に対する平均の低減%である。
【表3A】

【表3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 少なくとも1種の生物学的活性剤、および
(B) 少なくとも1種の下記式Iで表される送達剤化合物または医薬として許容可能なその塩:
【化1】

(式中、nは1〜12であり、かつ
〜Rは、独立に、水素、C1〜C6アルキル、C2〜C4アルケニル、ハロ、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、C6〜C14アリールオキシ、またはC1〜C6アリールハロ基である)
を含む組成物。
【請求項2】
前記送達剤が、4-(4-メトキシフェニル)ブタン酸、5-(2-メトキシフェニル)ペンタン酸、5-(3-フルオロフェニル)ペンタン酸、5-(3-メトキシフェニル)ペンタン酸、6-(3-フルオロフェニル)ヘキサン酸、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸、3-(4-n-ブチルフェニル)プロパン酸、3-(4-n-プロピルフェニル)プロパン酸、3-(4-n-プロポキシフェニル)プロパン酸、3-(4-イソプロポキシフェニル)プロパン酸、3-(4-n-ブトキシフェニル)プロパン酸、3-(3-フェノキシフェニル)プロパン酸、3-(3-エトキシフェニル)プロパン酸、3-(3-イソプロポキシフェニル)プロパン酸、3-(3-n-ブトキシフェニル)プロパン酸、3-(3-n-プロポキシフェニル)プロパン酸、3-(3-イソブトキシフェニル)プロパン酸、3-(4-イソブトキシフェニル)プロパン酸、4-(4-エチルフェニル)ブタン酸、4-(4-イソプロピルフェニル)ブタン酸、および5-(4-エチルフェニル)ペンタン酸、または医薬として許容可能なこれらの塩から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記送達剤が、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-OOC-、-COO-、-NHC(O)O-、-OC(O)NH-、-CH2NH- -NHCH2-、-CH2NHC(O)O-、-OC(O)NHCH2-、-CH2NHCOCH2O-、-OCH2C(O)NHCH2-、-NHC(O)CH2O-、-OCH2C(O)NH-、-NH-、-O-、および炭素-炭素結合からなる群から選択される連結基によってポリマーに結合している、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記生物学的活性剤が、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、脂質またはこれらの組合せである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記生物学的活性剤が、アルガトロバン、BIBN-4096BS、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出因子、グルカゴン、インターフェロン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換えインスリン、インスリン様成長因子(IGF)、IGF-1、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン;エリスロポイエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子、抗原、モノクローナル抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼインヒビター、アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポイエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸二ナトリウム、バンコマイシン、デスフェリオキサミン(DFO)、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTHのフラグメント、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン;これらの化合物の類似体、フラグメント、擬似体、およびポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体;ガリウムまたはガリウム塩;グルカゴン;ザナミビル、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、カスポファンギンアセテート、CPHPC、siRNA、ならびにこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の酵素阻害剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記生物学的活性剤が、インスリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ヘパリン、組換えヒト成長ホルモン、グルカゴン、カスポファンギンアセテート、カルシトニン、PTH、ザナミビル、エリスロポイエチン、これらの化合物の類似体、フラグメント、擬似体、およびポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体、ならびにこれらの任意の組合せを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記生物学的活性剤がインスリンである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
送達剤と活性剤との重量比が、約1000:1〜1:10の範囲である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
送達剤と活性剤との重量比が、約800:1〜約1:10の範囲である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1または2に記載の少なくとも1種の送達剤化合物と、生物学的活性剤とを混合する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
【請求項12】
前記生物学的活性剤が、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、脂質、またはこれらの任意の組合せである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記生物学的活性剤が、アルガトロバン、BIBN-4096BS、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出因子、グルカゴン、インターフェロン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換えインスリン、インスリン様成長因子(IGF)、IGF-1、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン;エリスロポイエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子、抗原、モノクローナル抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼインヒビター、アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポイエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸二ナトリウム、バンコマイシン、デスフェリオキサミン(DFO)、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTHのフラグメント、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン;これらの化合物の類似体、フラグメント、擬似体、およびポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体;ガリウムまたはガリウム塩;グルカゴン;ザナミビル、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、カスポファンギンアセテート、CPHPC、siRNA、ならびにこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(A) 請求項1または2に記載の送達剤、
(B) 生物学的活性剤、および
(C) (a) 賦形剤、
(b) 希釈剤、
(c) 崩壊剤、
(d) 滑沢剤、
(e) 可塑剤、
(f) 着色剤、
(g) 酵素阻害剤、
(h) 投与ビヒクル、または
(i) これらの任意の組合せ
を含む投与単位形態。
【請求項15】
前記生物学的活性剤が、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、または脂質を少なくとも1種含む、請求項14に記載の投与単位形態。
【請求項16】
前記生物学的活性剤が、アルガトロバン、BIBN-4096BS、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出因子、グルカゴン、インターフェロン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換えインスリン、インスリン様成長因子(IGF)、インスリン様成長因子-1、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン;エリスロポイエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子、抗原、モノクローナル抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼインヒビター、アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポイエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸二ナトリウム、バンコマイシン、デスフェリオキサミン、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTHのフラグメント、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン;これらの化合物の類似体、フラグメント、擬似体、およびポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体;ガリウムまたはガリウム塩;グルカゴン;ザナミビル、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、カスポファンギンアセテート、CPHPC、siRNA、ならびにこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の投与単位形態。
【請求項17】
前記生物学的活性剤が、インスリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ヘパリン、組換えヒト成長ホルモン、グルカゴン、カスポファンギンアセテート、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、ザナミビル、エリスロポイエチン、およびこれらの任意の組合せを含む、請求項16に記載の投与単位形態。
【請求項18】
前記活性剤がインスリンである、請求項17に記載の投与単位形態。
【請求項19】
前記活性剤がグルカゴンである、請求項17に記載の投与単位形態。
【請求項20】
錠剤、カプセル、粉末、または液体を含む投与ビヒクルを含む、請求項14〜19のいずれか一項に記載の投与単位形態。
【請求項21】
前記投与ビヒクルが、水、1,2-プロパンジオール、エタノール、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される液体である、請求項20に記載の投与単位形態。
【請求項22】
生物学的活性剤をその薬剤を必要としている動物に投与する方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を前記動物に経口投与する工程を含む方法。
【請求項23】
生物学的活性剤をその薬剤を必要としている動物に投与する方法であって、請求項14〜21のいずれか一項に記載の投与単位形態を前記動物に経口投与する工程を含む方法。
【請求項24】
生物学的活性剤をその薬剤を必要としている動物に投与する方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を前記動物に、経鼻、舌下、十二指腸内、皮下、頬側、結腸内、直腸内、経膣、経粘膜、経肺、経皮、皮内、非経口、静脈内、筋肉内、眼球系、または血液脳関門の通過により投与する工程を含む方法。
【請求項25】
生物学的活性剤をその薬剤を必要としている動物に投与する方法であって、請求項14〜21のいずれか一項に記載の投与単位形態を前記動物に、経鼻、舌下、十二指腸内、皮下、頬側、結腸内、直腸内、経膣、経粘膜、経肺、経皮、皮内、非経口、静脈内、筋肉内、眼球系、または血液脳関門の通過により投与する工程を含む方法。
【請求項26】
請求項1または2に記載の送達剤化合物を投与した後、生物学的活性剤を投与する工程を含む、生物学的活性剤を投与する方法。
【請求項27】
前記生物学的活性剤が、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、多糖類、ムコ多糖類、炭水化物、または脂質である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記生物学的活性剤が、アルガトロバン、BIBN-4096BS、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(rGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出因子、グルカゴン、インターフェロン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換えインスリン、インスリン様成長因子、インスリン様成長因子-1、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、超低分子量ヘパリン、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン;エリスロポイエチン(EPO)、心房性ナトリウム利尿因子、抗原、モノクローナル抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼインヒビター、アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボポイエチン、フィルグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸二ナトリウム、バンコマイシン、デスフェリオキサミン、副甲状腺ホルモン、PTHのフラグメント、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン;これらの化合物の類似体、フラグメント、擬似体、およびポリエチレングリコール(PEG)修飾誘導体;ガリウムまたはガリウム塩;グルカゴン;ザナミビル、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、カスポファンギンアセテート、CPHPC、siRNA、ならびにこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を動物に投与する工程を含む、生物学的活性剤の生物学的利用能を向上させるための方法。
【請求項30】
(A) 少なくとも1種の活性剤、
(B) 請求項1または2に記載の送達剤化合物少なくとも1種、
(C) 場合により、酵素阻害剤、および
(D) 場合により、投与ビヒクル
を混合する工程を含む、組成物の調製方法。
【請求項31】
4-(4-メトキシフェニル)ブタン酸、5-(2-メトキシフェニル)ペンタン酸、5-(3-フルオロフェニル)ペンタン酸、5-(3-メトキシフェニル)ペンタン酸、6-(3-フルオロフェニル)ヘキサン酸、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパン酸、3-(4-n-ブチルフェニル)プロパン酸、3-(4-n-プロピルフェニル)プロパン酸、3-(4-n-プロポキシフェニル)プロパン酸、3-(4-イソプロポキシフェニル)プロパン酸、3-(4-n-ブトキシフェニル)プロパン酸、3-(3-フェノキシフェニル)プロパン酸、3-(3-エトキシフェニル)プロパン酸、3-(3-イソプロポキシフェニル)プロパン酸、3-(3-n-ブトキシフェニル)プロパン酸、3-(3-n-プロポキシフェニル)プロパン酸、3-(3-イソブトキシフェニル)プロパン酸、3-(4-イソブトキシフェニル)プロパン酸、4-(4-エチルフェニル)ブタン酸、4-(4-イソプロピルフェニル)ブタン酸、および5-(4-エチルフェニル)ペンタン酸、または医薬として許容可能なこれらの塩から選択される、化合物。

【公表番号】特表2010−518119(P2010−518119A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549258(P2009−549258)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/053429
【国際公開番号】WO2008/112368
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(500139958)エミスフェアー・テクノロジーズ・インク (28)
【Fターム(参考)】