説明

フェネタノールアミン誘導体

選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストを示す臨床症状、例えば、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防または治療に有用な、式(I)で表される化合物、ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェネタノールアミン誘導体、その製造方法、それを含む組成物、ならびに医学、特に呼吸器疾患の予防および治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のフェネタノールアミン化合物が、β2-アドレナリン受容体での選択的刺激作用を有し、従って気管支喘息および関連障害の治療における有用性を有するものとして当業界で公知である。かくして、GB 2 140 800は、現在、そのような医学的症状の治療において臨床的に用いられている4-ヒドロキシ-α1-[[[6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ]メチル]-1,3-ベンゼンジメタノール1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボキシレート(サルメテロールキシナフォエート)などのフェネタノールアミン化合物を記載している。
【0003】
サルメテロールおよび他の市販のβ2-アドレナリン受容体アゴニストは有効な気管支拡張剤であるが、作用期間は約12時間であり、従って1日2回の投与がしばしば必要となる。従って、β2-アドレナリン受容体に対して強力かつ選択的な刺激作用を有し、有利な作用プロフィールを有する化合物の臨床的な必要性が存在する。
【発明の開示】
【0004】
本発明に従えば、式(I):
【化1】

【0005】
(式中、
R1は水素、C1-6アルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、C1-6ハロアルキル、XCO2R8、-XC(O)NR7R8、-XNR6C(O)R7、-XNR6C(O)NR7R8、-XNR6C(O)NC(O)NR7R8、-XNR6SO2R7、-XSO2NR9R10、XSR6、XSOR6、XSO2R6、-XNR7R8、-XNR6C(O)OR7から選択されるか、
またはR1は-X-アリール、-X-ヘタリール、またはX-(アリールオキシ)から選択され、これらはヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-NR6C(O)R7、SR6、SOR6、-SO2R6、-SO2NR9R10、-CO2R8、-NR7R8、またはヘタリール(ここでヘタリールはヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6アルキル、もしくはC1-6ハロアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基により置換されていてもよい)から独立に選択される1または2個の基により各々置換されていてもよく;
Xは-(CH2)q-またはC2-6アルケニレンであり;
qは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数であり;
R6およびR7は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ヘタリール(C1-6アルキル)-およびアリール(C1-6アルキル)-から独立に選択され、かつR6およびR7はハロ、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-NHC(O)(C1-6アルキル)、-SO2(C1-6アルキル)、-SO2(アリール)、-CO2H、およびCO2(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、アリール(C1-6アルキル)-、アリール(C2-6アルケニル)-、アリール(C2-6アルキニル)-、ヘタリール(C1-6アルキル)-、-NHSO2アリール、-NH(ヘタリールC1-6アルキル)、-NHSO2ヘタリール、-NHSO2(C1-6アルキル)、-NHC(O)アリール、またはNHC(O)ヘタリールから独立に選択される1または2個の基により各々独立に置換されていてもよく;
R8は水素、C1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選択され;
またはR7およびR8は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており;
R9およびR10は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ヘタリール(C1-6アルキル)-およびアリール(C1-6アルキル)-から独立に選択されるか、またはR9およびR10は、それらが結合している窒素と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており;
かつR9およびR10はハロ、C1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキル、C1-6ハロアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基により各々置換されていてもよく;
R2は水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、アリール、アリール(C1-6アルキル)-、C1-6ハロアルコキシ、およびC1-6ハロアルキルから選択され;
R3は水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、アリール、アリール(C1-6アルキル)-、C1-6ハロアルコキシ、およびC1-6ハロアルキルから選択され;並びに
R4およびR5は水素およびC1-4アルキルから独立に選択されるが、但し、R4およびR5中の炭素原子の総数は4以下であり;
RaおよびRbは各々独立に水素またはC1-4アルキルを表し;
Ar1は、以下:
【化2】

【0006】
(式中、
R11は水素、ハロゲン、-(CH2)rOR15、-NR15C(O)R16、-NR15SO2R16、-SO2NR15R16、-NR15R16、-OC(O)R17またはOC(O)NR15R16であり、かつR12は水素、ハロゲンまたはC1-4アルキルを表すか;
あるいは、R11は-NHR18を表し、かつR12と-NHR18は一緒になって5-または6-員の複素環を形成しており;
R13は水素、ハロゲン、-OR15または-NR15R16を表し;
R14は水素、ハロゲン、ハロC1-4アルキル、-OR15、-NR15R16、-OC(O)R17またはOC(O)NR15R16を表し;
R15およびR16は各々独立に水素またはC1-4アルキルを表すか、あるいは基-NR15R16、-SO2NR15R16および-OC(O)NR15R16においては、R15およびR16は独立に水素もしくはC1-4アルキルを表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-または7-員の窒素含有環を形成しており、
R17は、非置換であるか、ハロゲン、C1-4アルキル、ヒドロキシ、C1-4アルコキシもしくはハロC1-4アルキルから選択される1または複数の置換基により置換されていてもよいアリール(例えば、フェニルもしくはナフチル)基を表し;
rは0であるか、または1から4の整数である)
から選択される基であり;
ZはO、CH2-または単結合であり;
nは1〜4の整数であり;
mは0であるか、または1〜4の整数であり;
pは0であるか、または1〜3の整数であり、好適には0であり;
kは1〜3の整数であり;
tは0または1である)
で表される化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0007】
式(I)で表される化合物においては、基R1は、好適には、水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ、ハロ、-NR6C(O)NR7R8、-NR6C(O)R7、-SO2NR9R10、-SOR6、-SO2R6および-NR6SO2R7 (式中、R6およびR7は上記で定義された通りであり、好適には、R6は水素であり、R7は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキルおよびアリールから選択され、かつ上記の通り置換されていてもよく、R9およびR10は上記で定義された通りであり、好適には、R9およびR10は、各々独立に水素およびC1-6アルキルから選択される)から選択される。
【0008】
R1が-XNR6C(O)NR7R8である場合、R6およびR7は、それらが結合している基R1の-NC(O)N-部分と一緒になって、飽和もしくは不飽和環、好ましくは5-、6-、もしくは7-員環、例えば、イミダゾリジン-2,4-ジオンなどのイミダゾリジン環を形成していてもよい。
【0009】
R1が-XNR6C(O)OR7である場合、R6およびR7は、それらが結合している基R1の-NC(O)O-部分と一緒になって、飽和もしくは不飽和環、好ましくは5-、6-、もしくは7-員環、例えば、オキサゾリジン-2,4-ジオンなどのオキサゾリジン環を形成していてもよい。
【0010】
R1が-XC(O)NR7R8またはXNR6C(O)NR7R8である場合、R7およびR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、5-、6-、もしくは7-員の窒素含有環を形成していてもよい。
【0011】
基R1が、R6、R7、R8、R9およびR10の1または2個以上をさらに含有する式(I)の化合物においては、R6は、好適には、水素、C1-4アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選択され;R7、R8、R9およびR10は、各々好適には、独立に水素およびC1-4アルキル(特に水素)から選択される。
【0012】
式(I)の化合物において、R2およびR3は、好適には、水素、ヒドロキシル、ハロゲン(例えばフッ素または塩素)、ハロC1-6アルキル(例えばCF3)、C1-6アルキル(例えばメチル)、C1-6アルコキシ(例えばCH3)、およびハロC1-6アルコキシ(例えばOCF3)から独立に選択される。
【0013】
式(I)の化合物において、基R1は、好適には、-CRaRb-部分に対してパラ位またはメタ位、特にメタ位に結合される。基R2および基R3は、好適には、-CRaRb-部分に対してオルト位またはメタ位、特にオルト位に各々独立に結合される。
【0014】
ある実施形態においては、R1は、-CRaRb-部分に対してメタ位に結合された、水素以外の上記で定義した置換基を表し、かつR2およびR3は各々水素を表す。
【0015】
別の実施形態においては、R1は水素を表し、かつR2およびR3は各々上記で定義された置換基であり、そのうちの少なくとも一方は水素以外であり、かつR2およびR3は-CRaRb-部分に対して各々独立にオルト位またはメタ位に結合される。特定の実施形態においては、R2およびR3は、各々、オルト位で結合されているハロゲンを表す。別の特定の実施形態においては、R2およびR3は、各々、メタ位で結合されているメチルを表わす。
【0016】
式(I)の化合物において、R4およびR5は、好適には水素およびメチルから独立に選択される。
【0017】
好適には、部分:
【化3】

【0018】
は、-NHCR4R5CH2-部分に対して「中心」フェニル環のメタ位に結合される。
【0019】
式(I)の化合物においては、基Ar1は、好適には上記の基(a)および(b)から選択される。前記基(a)および(b)においては、R11がハロゲンを表す場合、この基は好適には塩素またはフッ素である。R15およびR16は、好適には、各々独立に水素またはメチルを表す。R17は、好適には、置換されているフェニルを表す。整数rは、好適には0または1を表わす。従って、例えば、
-(CH2)rOR15は、好適にはOHまたは-CH2OHを表し;
NR15C(O)R16は、好適には-NHC(O)Hを表し;
-SO2NR15R16は、好適には-SO2NH2またはSO2NHCH3を表し;
NR15R16は、好適には-NH2を表し;
-OC(O)R17は、好適には置換されているベンゾイルオキシ(例えば、OC(O)-C6H4-(p-CH3))を表し;
-OC(O)NR15R16は、好適にはOC(O)N(CH3)2を表わす。
【0020】
R11がNHR18を表し、かつR12と一緒になって、5-または6-員の複素環を形成する場合、-NHR18-R12-は、好適には次の基:
-NH-CO-R19-(式中、R19はアルキル、アルケニルまたはアルキルオキシ基である);
-NH-SO2R20- (式中、R20はアルキルオキシ基である);
-NH-R21-(式中、R21は、COOR22(式中、R22はC1-4アルキルである)により置換されていてもよいアルキルまたはアルケニル基である);あるいは、
-NH-CO-S-であり;
ここで、前記アルキル基およびアルケニル基、ならびにアルキル部分およびアルケニル部分は、1個または2個の炭素原子を含有する。
【0021】
好ましい基(a)および(b)は、以下の基(i)〜(xxi):
【化4】

【0022】

【0023】

【0024】
(式中、(xvi)および(xix)中の点線は任意の二重結合を意味する)
から選択することができる。
【0025】
最も好適には、Ar1は基(i)を表す。
【0026】
Zが-CH2-または結合を表す式(I)の化合物においては、-(CH2)mZ(CH2)p-は、好適には、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。
【0027】
本発明の特定の実施形態に従えば、式(Ia):
【化5】

【0028】
(式中:
nは1〜4の整数であり;
mは2〜4の整数であり;
pは1〜4の整数、好適には1であり;
kは1〜3の整数であり;
ZはOまたはCH2-であり、
Ar1、R1、R2、R3、R4およびR5は、式(I)について定義された通りである)
で表される化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0029】
本明細書における式(I)についての言及は、別段の定めがない限り式(Ia)が包含されるか、あるいはその記載内容により決定づけられることは理解されよう。
【0030】
また、本発明は、上に記載された特定の基および好ましい基のすべての組み合わせを網羅することは理解されよう。
【0031】
本発明による特定の化合物としては、
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(ベンジルオキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(4-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-{[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エトキシ]メチル}ベンゾニトリル;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[(3-フルオロベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[(3,5-ジメチルベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({2-[(3-メトキシベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-{[3-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]オキシ}エトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[4-(3-ヒドロキシフェニル)ブトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[3-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)プロピル]ベンゾニトリル;
4-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゾニトリル;
3-[3-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)プロピル]ベンゾニトリル;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({3-[4-(メチルスルホニル)フェニル]プロポキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({[4-(メチルスルホニル)ベンジル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(2-ヒドロキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[(4-ヒドロキシベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[3-(3-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({4-[4-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({3-[4-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]プロポキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({3-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]プロポキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({2-[(3-ヒドロキシベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(2-{[3-(シクロペンチルスルホニル)ベンジル]オキシ}エトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(2-{[3-(シクロペンチルスルフィニル)ベンジル]オキシ}エトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({[3-(シクロペンチルスルホニル)ベンジル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({4-[3-(シクロペンチルスルフィニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゾニトリル;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-フェノキシエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(3-フルオロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(2-フルオロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
4-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({[(1R)-1-フェニルエチル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({[(1S)-1-フェニルエチル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(3,5-ジメチルベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2-フルオロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(3-フルオロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(4-フルオロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンズアミド;
3-{[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エトキシ]メチル}ベンズアミド;
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンズアミド;
4-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンズアミド;
3-[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-[3-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[4-(2,6-ジクロロフェニル)ブトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
N-{3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]フェニル}ウレア;
2-(ヒドロキシメチル)-4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(1-フェニルエトキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({4-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({4-[3-(メチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゼンスルホンアミド、
ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体が挙げられる。
【0032】
式(I)の化合物は、非対称中心、すなわち、基:
【化6】

【0033】
の炭素原子を含む。本発明は、実質的に純粋な形態または任意の比率で混合された形態で、(S)および(R)鏡像異性体の両方を含む。好適には、本発明の化合物は(R)鏡像異性体の形態にある。
【0034】
同様に、R4およびR5が異なる基である場合、またはRaおよびRbが異なる基である場合、それらが結合している炭素原子は非対称中心であり、本発明は実質的に純粋な形態または任意の比率で混合された形態において、この中心での(S)および(R)鏡像異性体の両方を含む。
【0035】
従って、式(I)の化合物は、すべての鏡像異性体およびジアステレオマーならびに任意の比率でのその混合物を含む。
【0036】
医学における使用に好適な式(I)の化合物の塩および溶媒和物は、対イオンまたは会合溶媒が製薬上許容されるものである。しかしながら、製薬上許容されない対イオンまたは会合溶媒を有する塩および溶媒和物は、例えば、式(I)の他の化合物ならびにその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、および生理学的に機能的な誘導体の製造における中間体としての使用に関して、本発明の範囲内にある。
【0037】
用語「生理学的に機能的な誘導体」とは、例えば、体内で変換可能であることにより、式(I)の遊離化合物と同じ生理学的機能を有する式(I)の化学的誘導体を意味する。本発明に従えば、生理学的に機能的な誘導体の例としてはエステルが挙げられる。
【0038】
本発明に従う好適な塩としては、有機および無機の酸または塩基と共に形成されるものが挙げられる。製薬上許容し得る酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、コハク酸、オキサロ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アリールスルホン酸(例えば、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸またはナフタレンジスルホン酸)、サリチル酸、グルタル酸、グルコン酸、トリカルバリル酸(tricarballic)、桂皮酸、置換桂皮酸(例えば、フェニル、メチル、メトキシまたはハロ置換桂皮酸、例えば、4-メチルおよび4-メトキシ桂皮酸)、アスコルビン酸、オレイン酸、ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば、1-または3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ナフタレンアクリル酸(例えば、ナフタレン-2-アクリル酸)、安息香酸、4-メトキシ安息香酸、2-または4-ヒドロキシ安息香酸、4-クロロ安息香酸、4-フェニル安息香酸、ベンゼンアクリル酸(例えば、1,4-ベンゼンジアクリル酸)およびイセチオン酸から形成されるものが挙げられる。製薬上許容し得る塩基塩としては、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウムのものなどのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウムのものなどのアルカリ土類金属塩ならびにジシクロヘキシルアミンおよびN-メチル-D-グルカミンなどの有機塩基との塩が挙げられる。
【0039】
式(I)の化合物の製薬上許容し得るエステルは、C1-6アルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、またはアミノ酸エステルに変換されたヒドロキシル基を有してもよい。
【0040】
上述のように、式(I)の化合物は、以下に記載のヒトβ-アドレナリン受容体を用いてトランスフェクトした細胞系から読み出される機能的遺伝子またはリポーター遺伝子を用いて証明されるように、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストである。本発明による特定の化合物は、in vitro試験において、作用の速やかな発現とともに効果の長い持続時間があることが証明されている。そのようなものとして、本発明の化合物は1日1回投与の可能性を有し得る。
【0041】
従って、式(I)の化合物、ならびにその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、および生理学的に機能的な誘導体は、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる臨床症状の予防および治療において有用であり得る。かかる症状としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば、慢性および呼吸困難性気管支炎、肺気腫)、気道感染および上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患が挙げられる。
【0042】
治療可能な他の症状としては、早産、抑鬱症、鬱血性心疾患、皮膚疾患(例えば、炎症性、アレルギー性、乾癬性、および増殖性皮膚疾患)、ペプシン酸度の低下が望ましい症状(例えば、消化性潰瘍および胃潰瘍)、ならびに筋肉消耗性疾患が挙げられる。
【0043】
従って、本発明は、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療のための方法であって、治療上有効量の式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の投与を含む前記方法を提供する。特に、本発明は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染もしくは上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療のためのそのような方法を提供する。さらなる態様において、本発明は早産、抑鬱症、鬱血性心疾患、皮膚疾患(例えば、炎症性、アレルギー性、乾癬性、および増殖性皮膚疾患)、ペプシン酸度の低下が望ましい症状(例えば、消化性潰瘍および胃潰瘍)もしくは筋肉消耗性疾患から選択される臨床症状の予防または治療のためのそのような方法を提供する。
【0044】
あるいは、医学的治療における使用、特に、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療における使用のための式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体も提供される。特に、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染もしくは上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療のための式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供される。さらなる態様において、早産、抑鬱症、鬱血性心疾患、皮膚疾患(例えば、炎症性、アレルギー性、乾癬性、および増殖性皮膚疾患)、ペプシン酸度の低下が望ましい症状(例えば、消化性潰瘍および胃潰瘍)もしくは筋肉消耗性疾患から選択される臨床症状の予防または治療のための式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0045】
本発明はまた、選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる臨床症状、例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道感染もしくは上気道疾患などの可逆性気道閉塞に関連する疾患の予防または治療のための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の使用も提供する。さらなる態様においては、早産、抑鬱症、鬱血性心疾患、皮膚疾患(例えば、炎症性、アレルギー性、乾癬性、および増殖性皮膚疾患)、ペプシン酸度の低下が望ましい症状(例えば、消化性潰瘍および胃潰瘍)もしくは筋肉消耗性疾患から選択される臨床症状の予防または治療のための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0046】
治療効果を達成するのに必要とされる式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の量は、勿論、特定の化合物、投与経路、治療下の被験体、および治療しようとする特定の障害または疾患に応じて変化するであろう。本発明の化合物を、0.0005mg〜10mg、好適には0.005mg〜0.5mg(例えば、0.05mg〜0.5mg)の用量での吸入により投与することができる。成人のヒトのための用量範囲は、一般的には1日あたり0.0005mg〜10mg、好適には1日あたり0.01mg〜1mg、最も好適には1日あたり例えば0.05mg〜0.5mgである。
【0047】
式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体を単独で投与することも可能であるが、医薬製剤としてそれを存在させるのが好ましい。
【0048】
従って、本発明はさらに、式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体、および製薬上許容し得る担体もしくは賦形剤を含み、必要に応じて1種以上の他の治療成分を含む医薬製剤を提供する。
【0049】
本明細書においては以後、用語「活性成分」とは、式(I)の化合物またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体を意味するものとする。
【0050】
前記製剤としては、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内および関節内など)、吸入(様々な型の定量加圧式エアロゾル、ネブライザーもしくはインサフレーターの手段により作製することができる微粒子の粉末または霧)、直腸および局所(真皮、頬、舌下および眼内など)投与に好適なものが挙げられるが、最も好適な経路は、例えば、レシピエントの症状および障害に依存する。前記製剤は、単位投与剤形中で提供することが都合がよく、製薬業界で公知の任意の方法により製造することができる。全ての方法は前記活性成分を、1種以上の補助成分を構成する担体と結合させる工程を含む。一般的には、前記製剤を、前記活性成分と液体担体もしくは微細に分割した固体担体またはその両方とを均一かつ密接に結合させた後、必要に応じて、生成物を所望の製剤に形状化することにより製造する。
【0051】
経口投与に好適な本発明の製剤を、各々所定量の活性成分を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤などの別々の単位;粉末または顆粒;水性液体もしくは非水性液体中での溶液または懸濁液;または水中油液体乳濁液もしくは油中水液体乳濁液として提供することができる。前記活性成分をボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提供することもできる。
【0052】
錠剤は、必要に応じて1種以上の補助成分と共に圧縮または成型することにより作製することができる。圧縮錠剤は、好適な機械中で、粉末または顆粒などの自由流動形態の活性成分と、必要に応じて結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、潤滑化剤、界面活性剤または分散剤とを混合して圧縮することにより製造することができる。成型錠剤は、好適な機械中で、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化化合物の混合物を成型することにより作製することができる。錠剤は、必要に応じて被覆するか、または切り目を入れてもよく、活性成分のゆっくりした、または制御された放出を提供するように製剤化することができる。
【0053】
非経口投与のための製剤としては、酸化防止剤、バッファー、静菌剤、および製剤を意図されるレシピエントの血液と等張性にさせる溶質を含んでもよい水性および非水性滅菌注入溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。この製剤を、例えば、密封されたアンプルおよびバイアルなどの単回投与または複数回投与用容器中で提供し、使用直前に、例えば、生理食塩水または注入用水などの滅菌液体担体の添加のみを要する凍結乾燥状態で保存することができる。即時調合注入溶液および懸濁液を、先に記載された種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から製造することができる。
【0054】
吸入による肺への局所送達のための乾燥粉末組成物は、吸入器または吹入器における使用のために、例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジ、または、例えば、薄層化アルミニウムホイルのブリスター中で提供することができる。粉末混合製剤は、一般的には、本発明の化合物とモノサッカライド、ジサッカライドまたはポリサッカライド(例えば、ラクトースまたはデンプン)などの好適な粉末基剤(担体/希釈剤/添加剤物質)の吸入用粉末混合物を含む。好ましくは、ラクトースを使用する。
【0055】
各カプセルまたはカートリッジは、一般的には、別の治療上の活性成分と組合せてもよい20μg〜10mgの式(I)または(Ia)の化合物を含んでもよい。あるいは、本発明の化合物を、賦形剤を用いずに提供することができる。製剤の包装は、単回投与または複数回投与送達に好適なものであってよい。複数回投与送達の場合、製剤を予め定量する(例えば、Diskus、GB 2242134、米国特許第6,632,666号、第5,860,419号、第5,873,360号および第5,590,645号、もしくはDiskhaler、GB 2178965、2129691および2169265、米国特許第4,778,054号、第4,811,731号、第5,035,237号(これらの開示は、これによって参照により組み込まれるものとする)を参照されたい)か、または使用時に定量する(例えば、Turbuhaler、EP 69715、もしくは米国特許第6,321,747号に記載のデバイスで(これらの開示は、これによって参照により組み込まれるものとする)を参照されたい)ことができる。単回投与用デバイスの例は、Rotahaler(GB 2064336および米国特許第4,353,656号(これらの開示は、これによって参照により組み込まれるものとする)を参照)である。Diskusの吸入デバイスは、その長さに沿って配置された複数の凹部を有する基部シートおよび複数の容器を規定する気密的であるが剥がれるように密封された蓋シートから形成された長いストリップを含み、各容器はその中に、好適には、ラクトースと混合された式(I)または(Ia)の化合物を含む吸入可能製剤を有する。このストリップはロールに巻き取れるように十分に可撓性であるのが好ましい。蓋シートおよび基本シートは、好ましくは互いに密封されていない先導末端部分を有し、該先導末端部分の少なくとも一方は巻き取り手段に取り付けられるように構築される。また、基本シートと蓋シートの間の気密シートはその全体の幅に渡って伸びているのが好ましい。蓋シートは、前記基本シートの最初の末端から長軸方向に基本シートから剥がすことができるのが好ましい。
【0056】
吸入による肺への局所送達のためのスプレー組成物を、例えば、定量噴霧式吸入器などの加圧した包装から送達される水性溶液もしくは懸濁液として、またはエアロゾルとして、好適な液体推進剤を用いて製剤化することができる。吸入に好適なエアロゾル組成物は懸濁液であっても溶液であってもよく、一般的には、必要に応じて別の治療上の活性成分およびフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボンまたはその混合物、特に、ヒドロフルオロアルカン、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、特に1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはその混合物などの好適な推進剤と組合せた式(I)の化合物を含む。二酸化炭素または他の好適な気体を推進剤として用いることもできる。
【0057】
エアロゾル組成物は賦形剤を含まなくてもよく、必要に応じてオレイン酸またはレシチンなどの界面活性剤およびエタノールなどの共溶媒などの当業界で公知のさらなる製剤賦形剤を含んでもよい。加圧製剤は一般的には、バルブ(例えば、定量用バルブ)を用いて閉じられ、マウスピースを備えた作動装置中に固定されたキャニスター(例えば、アルミニウムキャニスター)中で保持することができる。
【0058】
吸入による投与のための薬剤は制御された粒子径を有するのが望ましい。気管支系への吸入のための最適な粒子径は通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。20μmを超える径を有する粒子は、吸入された場合には小さい気道に到達するには一般的には大きすぎる。これらの粒子径を達成するために、製造する活性成分の粒子を、例えば微粉状化などの従来の手段により径を減少させることができる。所望の画分を、空気分類または篩により分離することができる。この粒子は結晶であるのが好ましい。ラクトースなどの賦形剤を用いる場合、一般的には、賦形剤の粒子径は本発明内の吸入される薬剤よりも大きいであろう。賦形剤がラクトースである場合、それは典型的には粉砕されたラクトースとして存在し、85%を超えるラクトース粒子が60〜90μmのMNDを有し、15%未満が15μm未満のMNDを有するであろう。
【0059】
経鼻スプレーは、増粘剤、pHを調整するためのバッファー塩もしくは酸もしくはアルカリ、等張性調整剤または酸化防止剤などの薬剤を添加した水性または非水性ビヒクルを用いて製剤化することができる。
【0060】
噴霧による吸入のための溶液は、酸もしくはアルカリ、バッファー塩、等張性調整剤または抗微生物剤などの薬剤を添加した水性ビヒクルを用いて製剤化することができる。これらを、濾過もしくはオートクレーブ中での加熱により滅菌するか、または非滅菌製品として提供することができる。
【0061】
直腸投与のための製剤は、ココアバターまたはポリエチレングリコールなどの通常の担体を含む坐剤として提供することができる。
【0062】
例えば、頬または舌下などの口中での局所投与のための製剤としては、スクロースおよびアカシアもしくはトラガカントなどの香料基剤中に活性成分を含むロゼンジ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンもしくはスクロースおよびアカシアなどの基剤中に活性成分を含むトローチ剤が挙げられる。
【0063】
好ましい単位投与製剤は、前記の有効量、またはその好適な画分の活性成分を含むものである。
【0064】
特に上記した成分に加えて、本発明の製剤は目的の製剤のタイプに応じて当業界で従来的な他の薬剤を含んでもよく、例えば、経口投与に好適なものは香料を含んでもよいことを理解すべきである。
【0065】
本発明による化合物および医薬製剤は、1種以上の他の治療剤、例えば、抗炎症剤、抗コリン剤(特にM1、M2、M1/M2もしくはM3受容体アンタゴニスト)、他のβ2-アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染剤(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤)、または抗ヒスタミン剤と組合せて用いてもよく、またはこれを含んでもよい。かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体と、1種以上の他の治療的に活性な薬剤、例えば、抗炎症剤(例えば、コルチコステロイドもしくはNSAID)、抗コリン剤、別のβ2-アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染剤(例えば、抗生物質もしくは抗ウイルス剤)、または抗ヒスタミン剤とを含む組合せ物を提供する。好ましいものは、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体と、コルチコステロイド、および/または抗コリン剤、および/またはPDE-4阻害剤とを含む組合せ物である。好ましい組合せ物は1または2種の他の治療剤を含むものである。
【0066】
当業者にとっては、好適には、他の治療成分を、塩(例えば、アルカリ金属もしくはアミン塩として、または酸付加塩として)、またはプロドラッグの形態で、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(例えば、水和物)として用いて、該治療成分の活性および/または安定性および/または物理的特徴(例えば、溶解性)を最適化することができることが明らかであろう。また、好適には、前記治療成分を光学的に純粋な形態で用いることができることも明らかであろう。
【0067】
好適な抗炎症剤としてはコルチコステロイドおよびNSAIDが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて用いることができる好適なコルチコステロイドは、経口用および吸入用コルチコステロイドならびに抗炎症活性を有するそのプロドラッグである。例としては、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオン酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオン酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル、ベクロメタゾンエステル(例えば、17-プロピオン酸エステルまたは17,21-ジプロピオン酸エステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(例えば、フロ酸エステル)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコート、RPR-106541、およびST-126が挙げられる。好ましいコルチコステロイドとしては、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルおよび6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルが挙げられるが、より好ましくは、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオン酸S-フルオロメチルエステルである。
【0068】
好適なNSAIDとしては、ナトリウムクロモグリケート、ネドクロミルナトリウム、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えば、テオフィリン、PDE4阻害剤もしくは混合PDE3/PDE4阻害剤)、ロイコトリエンアンタゴニスト、ロイコトリエン合成の阻害剤、iNOS阻害剤、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害剤、β-2インテグリンアンタゴニストおよびアデノシン受容体アゴニストもしくはアンタゴニスト(例えば、アデノシン2aアゴニスト)、サイトカインアンタゴニスト(例えば、ケモカインアンタゴニスト)またはサイトカイン合成の阻害剤が挙げられる。好適な他のβ2-アドレナリン受容体アゴニストとしては、サルメテロール(例えば、キシナフォエートとして)、サルブタモール(例えば、硫酸塩もしくは遊離塩基として)、ホルモテロール(例えば、フマル酸塩として)、フェノテロールまたはテルブタリンおよびその塩が挙げられる。
【0069】
特に興味深いのは、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤または混合PDE3/PDE4阻害剤と組合せた式(I)の化合物の使用である。本発明のこの態様において有用なPDE4-特異的阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られているか、またはPDE4阻害剤として作用することが発見されており、PDEファミリーの他のメンバーを阻害する化合物ではなく、PDE4阻害剤のみである任意の化合物ならびにPDE4であってよい。一般的には、高い親和性でロリプラムに結合するPDE4触媒形態のIC50を低い親和性でロリプラムに結合する形態のIC50で割った値に関して、約0.1以上のIC50比を有するPDE4阻害剤を使用するのが好ましい。本発明の開示のために、低い親和性でRおよびSロリプラムに結合するcAMP触媒部位を「低親和性」結合部位(LPDE4)と命名し、高い親和性でロリプラムに結合するこの触媒部位の他の形態を「高親和性」結合部位(HPDE4)と命名する。この用語「HPDE4」を、ヒトPDE4を指すのに用いる「hPDE4」と混同してはならない。
【0070】
IC50比を決定するための方法は、米国特許第5,998,428号(これは、参照により、あたかも本明細書に述べられたかのようにその全体を本明細書に組み入れるものとする)に説明されている。また、前記アッセイの別の記載についてはPCT出願WO 00/57599を参照されたい。
【0071】
本発明において使用するのに好ましいPDE4阻害剤は、有益な治療比を有する化合物、すなわち、酵素が低い親和性でロリプラムに結合する形態にある場合にcAMP触媒活性を優先的に阻害し、それによって高い親和性でロリプラムに結合する形態を阻害するのに関連しているように見える副作用を低減する化合物である。これを記述する別の方法は、好ましい化合物は高い親和性でロリプラムに結合するPDE4触媒形態のIC50を低い親和性でロリプラムに結合する形態のIC50で割った値に関して、約0.1以上のIC50比を有するであろうということである。
【0072】
この基準のさらなる改良版(refinement)は、PDE4阻害剤は約0.1以上のIC50比を有し;該比は、基質として1μM[3H]-cAMPを用いた場合の、高い親和性でロリプラムに結合するPDE4の形態への1nMの[3H]R-ロリプラムの結合との競合についてのIC50値の、低い親和性でロリプラムに結合する形態のPDE4触媒活性の阻害についてのIC50値に対する比である。
【0073】
最も好ましいものは、0.5を超えるIC50比を有するPDE4阻害剤、および特に1.0を超える比を有する化合物である。好ましい化合物はシス4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オンおよびシス-[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]であり;これらは低親和性結合部位に優先的に結合し、0.1以上のIC50比を有する化合物の例である。
【0074】
目的の他の化合物としては、1996年9月3日発行の米国特許第5,552,438号に記載の化合物が挙げられ、この特許および化合物は参照によりその開示全体が本明細書に組み入れられるものとする。米国特許第5,552,438号に開示されている、特定の目的の化合物は、シス-4-シアノ-4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸(シロマラストとしても知られる)およびその塩、エステル、プロドラッグまたは物理的形態;elbionからのAWD-12-281(Hofgen, N.ら、15版 EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10, Edinburgh) 1998, Abst P.98; CAS参照番号247584020-9);NCS-613と命名された9-ベンジルアデニン誘導体(INSERM);ChiroscienceおよびSchering-PloughからのD-4418;CI-1018(PD-168787)として同定され、Pfizerに属するベンゾジアゼピンPDE4阻害剤;WO99/16766中でKyowa Hakkoにより開示されたベンゾジオキソール誘導体;Kyowa HakkoからのK-34;NappからのV-11294A (Landells, L.J.ら、Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23, Geneva) 1998] 1998, 12 (Suppl. 28): Abst P2393);Byk-Guldenからのロフルミラスト(CAS参照番号162401-32-3)およびフタラジノン(WO99/47505、その開示は参照により本明細書に組み入れられるものとする);Byk-Gulden、現在はAltanaにより製造および公開された混合PDE3/PDE4阻害剤であるプマフェントリン、(-)-p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[c][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド;Almirall-Prodesfarmaにより開発中のアロフィリン;VernalisからのVM554/UM565;またはT-440(Tanabe Seiyaku; Fuji, K.ら、J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1): 162)およびT2585である。
【0075】
他の可能性のあるPDE-4および混合PDE3/PDE4阻害剤としては、WO01/13953に列挙されたものが挙げられ、その開示は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0076】
好適な抗コリン剤は、ムスカリン受容体に対するアンタゴニストとして働く化合物、特にM1およびM2受容体のアンタゴニストである化合物である。例示的な化合物としては、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、ヒヨスチアミンなどにより示されるベラドンナ植物のアルカロイドが挙げられる;これらの化合物は通常は4級アミンである塩として投与される。これらの薬剤、特にその塩形態は、いくつかの市販の起源から容易に入手可能であり、または文献データ、すなわち、アトロピン-CAS-51-55-8もしくはCAS-51-48-1(無水形態)、硫酸アトロピン-CAS-5908-99-6;酸化アトロピン-CAS-4438-22-6もしくはそのHCl塩-CAS-4574-60-1および硝酸メチルアトロピン-CAS-52-88-0、ホマトロピン-CAS-87-00-3、臭化水素酸塩-CAS-51-56-9、臭化メチル塩-CAS-80-49-9、ヒヨスチアミン(d,l)-CAS-101-31-5、臭化水素酸塩-CAS-306-03-6および硫酸塩-CAS-6835-16-1、スコピラミン-CAS-51-34-3、臭化水素酸塩-CAS-6533-68-2、臭化メチル塩-CAS-155-41-9から製造もしくは調製することができる。
【0077】
好ましい抗コリン剤としては、Atroventの名で販売されているイプラトロピウム(例えば、臭化物として)、オキシトロピウム(例えば、臭化物として)およびチオトロピウム(例えば、臭化物として)(CAS-139404-48-1)が挙げられる。また興味深いのは、メタンテリン(CAS-53-46-3)、臭化プロパンテリン(CAS-50-34-9)、アニソトロピンメチルブロミドまたはValpin 50 (CAS-80-50-2)、臭化クリジニウム(Quarzan, CAS-3485-62-9)、コピロレート (Robinul)、ヨウ化イソプロパミド (CAS-71-81-8)、臭化メペンゾレート(米国特許第2,918,408号)、塩化トリジヘキセチル(パチロン, CAS-4310-35-4)、およびヘキソシクリウムメチルサルフェート(Tral, CAS-115-63-9)である。また、塩酸シクロペントレート(CAS-5870-29-1)、トロピカミド(CAS-1508-75-4)、塩酸トリヘキシフェニジル(CAS-144-11-6)、ピペンゼピン(CAS-29868-97-1)、テレンゼピン(CAS-80880-90-9)、AF-DX 116、またはメトクトラミン、およびWO01/04118に開示された化合物(この開示は参照により本明細書に組み入れられるものとする)も参照されたい。
【0078】
好適な抗ヒスタミン剤(H1-受容体アンタゴニストとも呼ばれる)としては、H1-受容体を阻害し、ヒトへの使用にとって安全であることが知られている多数のアンタゴニストのうちの1種以上のアンタゴニストが挙げられる。全てはH1-受容体とヒスタミンとの相互作用の可逆的、競合的な阻害剤である。これらの阻害剤の大部分、ほとんど第1世代のアンタゴニストは、下記式:
【化7】

【0079】
により表されるコア構造を有する。
【0080】
この一般化された構造は、一般的に入手可能な、エタノールアミン、エチレンジアミン、およびアルキルアミンの3つの型の抗ヒスタミン剤を表す。さらに、他の第1世代の抗ヒスタミン剤としては、ピペリジンおよびフェノチアジンに基づくものとして特徴付けることができるものが挙げられる。非鎮静性である第2世代のアンタゴニストは、それらがコアエチレン基(アルキルアミン)を保持し、ピペラジンまたはピペリジンを有する第3アミン基を模倣するという点で類似した構造活性相関を有する。例示的なアンタゴニストとしては:
エタノールアミン:マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェニルヒドラミン、およびジメンヒドリネート、
エチレンジアミン:マレイン酸ピリルアミン(pyrilamine ameleate)、トリペレナミンHCl、およびクエン酸トリペレナミン、
アルキルアミン:クロロフェニラミンおよびマレイン酸塩などのその塩、ならびにアクリバスタチン、
ピペラジン:ヒドロキシジンHCl、パモ酸ヒドロキシジン、シクリジンHCl、乳酸シクリジン、メクリジンHCl、およびセチリジンHCl、
ピペリジン:アステミゾール、レボカバスチンHCl、ロラタジン、またはそのデスカルボエトキシ類似体、ならびに塩酸テルフェナジンおよび塩酸フェキソフェナジン、あるいは別の製薬上許容し得る塩が挙げられる。
【0081】
塩酸アゼラスチンは、PDE4阻害剤と組み合わせて用いることができるさらに別のH1受容体アンタゴニストである。
【0082】
好ましい抗ヒスタミン剤の例としては、メタピリレンおよびロラタジンが挙げられる。
【0083】
本発明はかくして、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体とPDE4阻害剤とを含む組合せを提供する。
【0084】
本発明はかくして、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体とコルチコステロイドとを含む組合せを提供する。
【0085】
本発明はかくして、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体と抗コリン剤とを含む組合せを提供する。
【0086】
本発明はかくして、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体と抗ヒスタミン剤とを含む組合せを提供する。
【0087】
本発明はかくして、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体とPDE4阻害剤およびコルチコステロイドとを含む組合せを提供する。
【0088】
本発明はかくして、さらなる態様において、式(I)の化合物または製薬上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体と抗コリン剤およびPDE-4阻害剤とを含む組合せを提供する。
【0089】
上記の組合せを、医薬製剤の形態における使用のために都合よく提供することができ、かくして生理学的に許容し得る希釈剤もしくは担体と一緒に上記の組合せを含む医薬製剤は本発明のさらなる態様を表す。
【0090】
そのような組合せの個々の化合物を、個別のものを連続的もしくは同時的に、または混合した医薬製剤として投与することができる。公知の治療剤の好適な用量は、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0091】
本発明のさらなる態様に従えば、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を製造するための方法であって、以下に定義する方法(a)、(b)、(c)または(d)を含み、その後任意の順序での以下の工程:
(i) 必要に応じた任意の保護基の除去;
(ii) 必要に応じた、鏡像異性体またはジアステレオアイソマーの混合物からの鏡像異性体またはジアステレオアイソマーの分離;
(iii) 必要に応じた、生成物の対応するその塩、溶媒和物への変換;
(iv) 基R1、R2および/またはR3の、別の基R1、R2および/またはR3への必要に応じた変換、
を含む前記方法が提供される。
【0092】
以下の合成経路の説明において、R1、R2、R3、R4、R5、Z、m、nおよびpは式(I)について定義された通りであり、R11、R12、R13およびR14は特に指摘しない限り以下の式(II)について定義される通りである。
【0093】
1つの一般的な方法(a)においては、式(I)の化合物を、例えば、式(II):
【化8】

【0094】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ra、Rb、Z、k、m、n、pおよびtは式(I)の化合物について定義された通りであり、Ar1aはAr1またはその保護された形態であり、P1およびP2は各々独立に水素もしくは保護基であるが、但し、式(II)の化合物は少なくとも1つは保護基を含む)
の保護された中間体、またはその塩もしくは溶媒和物の脱保護により取得することができる。
【0095】
好ましい基Ar1の任意に保護されている形態Ar1aは、
以下:
【化9】

【0096】

【0097】
(式中、P3およびP4は各々独立に水素または保護基から選択され、(xixa)および(xvia)中の点線は任意の二重結合を意味する)
から選択することができる。Ar1が構造(vii)、(xi)、(xii)、(xiii)または(xiv)の基を表す場合、Ar1の保護は必要でないことは理解されよう。
【0098】
本発明による1つの工程(aa)においては、式(IIa):
【化10】

【0099】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ra、Rb、Z、P1、P2、k、m、n、pおよびtは式(II)の化合物について定義された通りであり、P3およびP4は各々独立に水素もしくは保護基であるが、但し、P2、P3およびP4の少なくとも1つは保護基であり、P1は水素または保護基のいずれかである)
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の脱保護が提供される。
【0100】
好適な保護基P1〜P4は、Theodora W GreeneおよびPeter G M Wutsによる「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第3版(John Wiley & Sons, 1999)に記載されたものなどの任意の従来の保護基であってよい。P3およびP4により表される好適なヒドロキシル保護基の例は、酢酸エステルなどのエステル、ベンジル、ジフェニルメチル、またはトリフェニルメチルなどのアラルキル基、およびテトラヒドロピラニルである。P2により表される好適なアミノ保護基の例としては、ベンジル、α-メチルベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、およびトリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルなどのアシル基が挙げられる。
【0101】
当業者には明らかであるように、そのような保護基の使用は、別の基の存在下で一方の基の選択的な除去を容易にするために、式(II)の化合物において基の直交的な保護を含んでよく、かくして1個のアミノまたはヒドロキシル官能基の選択的な官能化が可能となる。例えば、-CH(OH)基を、例えば、トリエチルシリルなどのトリアルキルシリル基を用いて、-CH(OP1)として直交的に保護することができる。当業者はまた、Theodora W GreeneおよびPeter G M Wuts(上掲)に記載された従来の手段により利用可能な他の直交的保護戦略を理解できるであろう。
【0102】
式(I)の化合物を得るための脱保護を、従来の技術を用いて行うことができる。かくして、例えば、P3、P4、および/またはP2がアラルキル基である場合、これを金属触媒(例えば、活性炭上のパラジウム)の存在下での水素添加により切断することができる。
【0103】
P3および/またはP4がテトラヒドロピラニルである場合、これを酸性条件下での加水分解により切断することができる。R13により表されるアシル基を、例えば、水酸化ナトリウムなどの塩基を用いる加水分解により除去するか、またはトリクロロエトキシカルボニルなどの基を、例えば、亜鉛および酢酸を用いる還元により除去することができる。他の脱保護法はTheodora W GreeneおよびPeter G M Wuts(上掲)に見出すことができる。方法(a)の特定の実施形態において、Ar1が基(i)または(iv)を表す場合、P3およびP4が一緒になって、式(III):
【化11】

【0104】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ra、Rb、P1、Z、k、m、n、pおよびtは式(I)の化合物について定義された通りであり、R23およびR24は水素、C1-6アルキル、もしくはアリールから独立に選択されるか、またはR23およびR24は一緒になって、例えば、5〜7個の炭素原子を含む炭素環を形成する)
の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物中の保護基を表す。好ましい態様においては、R23およびR24は共にメチルであるか、R23およびR24の1つは水素であり、かつ他の1つはフェニルである。
【0105】
式(III)の化合物を、例えば、好適な溶媒中の酢酸もしくは塩酸などの希釈した水性の酸を用いる加水分解により、または酸(例えば、トルエンスルホン酸)もしくは塩(ピリジニウムトシラート)の存在下、通常の温度または上昇した温度で、例えば、エタノールなどのアルコール中での骨格移転により、式(I)の化合物に変換することができる。
【0106】
保護基P3、P4、P2およびP1(式(III)に図示されたP3およびP4により形成される環化した保護基を含む)を単一の工程で、または連続的に除去することができることが理解されるであろう。保護基を除去する正確な順序は、前記基の性質に部分的には依存するであろうが、これは当業者には容易に理解できるであろう。好ましくは、P3およびP4は一緒になって、式(III)におけるような保護基を形成し、この保護基を、CH(OH)部分上の任意の保護基と一緒に除去した後、P2を除去する。
【0107】
P1およびP2が水素である式(II)または(III)の化合物を、式(IV):
【化12】

【0108】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ra、Rb、Ar1a、Z、k、m、n、pおよびtは式(II)または(III)の化合物について定義された通りである)
の対応する化合物またはその塩もしくは溶媒和物から製造することができる。
【0109】
式(IV)の化合物の式(II)または(III)の化合物への変換を、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中で、塩基、例えば、トリメチルシラノール酸カリウムなどの非水性塩基、または水性水酸化ナトリウムなどの水性塩基で処理することにより行うことができる。
【0110】
式(IV)の化合物は、式(V):
【化13】

【0111】
(式中、Ar1a、R4、R5、Z、k、nおよびmは式(II)について定義された通りであり、Xは0または1である)
の化合物と、式(VI):
【化14】

【0112】
(式中、R1、R2、R3、Ra、Rb、Z、m、pおよびtは式(II)について定義された通りであり、Lはハロ基(典型的には、クロロ、ブロモもしくはヨード)または例えば、アルキルスルホン酸(典型的には、トリフルオロメタンスルホン酸)などのスルホン酸エステルなどの脱離基であり、yは1もしくは0であり、xおよびyの和は1である)
の化合物とを反応させることにより製造することができる。xが1である場合、ZはOを表す。
【0113】
式(V)と式(VI)の反応を、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で有利に行うことができる。
【0114】
式(VI)の化合物は市販されており、または当業者には公知の方法により製造することができる。
【0115】
式(V)の化合物は、式(VII):
【化15】

【0116】
(式中、Ar1は式(II)の化合物について定義された通りである)
の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物と、式(VIII):
【化16】

【0117】
(式中、R4、R5、Z、k、nおよびmは式(II)について定義された通りであり、xは0または1であり、L1はハロ基(典型的には、ブロモもしくはヨード)またはスルホン酸アルキル(典型的には、メタンスルホン酸)、スルホン酸アリール(典型的には、トルエンスルホン酸)もしくはスルホン酸ハロアルキル(典型的には、トリフルオロメタンスルホン酸)などのスルホン酸エステルなどの脱離基であり、かつR25はアシル基などのヒドロキシル保護基である)
の化合物とのカップリングにより製造することができる。基R25は、標準的な方法により除去することができるか;あるいは、R25保護基はそのまま残しておくことができるか、または保護化合物を、式(VI)との反応において直接用いることができる。
【0118】
式(VII)の化合物と式(VIII)の化合物とのカップリングを、水素化金属、例えば、水素化ナトリウムなどの塩基、または炭酸セシウムなどの無機塩基の存在下、N,N-ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中で行うことができる。保護基R25を、例えば、トリメチルシラノール酸カリウムまたは水酸化ナトリウムを用いる標準的な方法を用いて除去することができる。当業者であれば、シラノール酸カリウムを用いる場合、1当量のみ、および温和な条件(室温)を用いるのが好ましく、過剰量のこの試薬および高温がオキサゾリジノン環の切断をもたらすことを理解できるであろう。
【0119】
式(VII)の化合物は、例えば、WO02/066422に記載の方法によって調製することができる。
【0120】
式(VIII)の化合物は、式(IX):
【化17】

【0121】
(式中、R4、R5、Z、k、nおよびmは式(II)について定義された通りであり、xは0または1であり、R26はアラルキル、典型的にはベンジルなどのヒドロキシル保護基である)の化合物から、従来の化学合成により、例えば、ヒドロキシル基を、アセトニトリルなどの溶媒中、テトラアルキルアンモニウムブロミドなどの塩の付加によりそれ自身ブロモに変換することができるメシラートに変換した後、例えば、活性炭上のパラジウムの存在下での水素添加などの標準的な条件を用いて保護基R26を除去し、次いで、例えば、アシル無水物との反応により、R25を導入することにより製造することができる。
【0122】
xが0である式(IX)の化合物は当業界で公知であり、または当業者であれば標準的な方法を用いて容易に製造することができる。
【0123】
xが1である式(IX)の化合物は、好適なアルキル化剤との反応により、xが0である対応する化合物から製造することができる。
【0124】
また、式(II)または(III)の化合物は、以下に説明する一般的な方法に従って製造することもできる。
【0125】
さらなる方法(b)において、式(I)の化合物は、式(X):
【化18】

【0126】
(式中、Ar1aは式(II)の化合物について定義された通りであり、P1およびP2は各々独立に水素または例えば、式(II)および(III)の化合物について上述したような保護基である)
のアミンを、式(XI):
【化19】

【0127】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ra、Rb、Z、k、n、m、pおよびtは式(II)について定義された通りであり、L1は式(VIII)の化合物について上記で定義された脱離基である)
の化合物を用いてアルキル化した後、式(II)および(III)の化合物の脱保護について上述したような従来の方法により、存在する任意の保護基を除去することによって取得することができる。反応速度のために、L1はブロモであるか、または例えば、反応混合物へのテトラブチルアンモニウムブロミドの添加により、L1がメタンスルホン酸である対応する化合物をin situでブロモに変換させるのが好ましい。この方法においては、P2は好ましくは水素である。
【0128】
式(I)の化合物は、直接(式(X)の化合物において、P3、P4、P2およびP1が各々水素である場合)、または単離してもしなくてもよい式(II)もしくは(III)の化合物を介して(式(X)の化合物において、P3、P4、P2およびP1の少なくとも1つが保護基である場合)、形成させることができる。
【0129】
式(X)および(XI)の化合物の反応を、必要に応じて、好適な溶媒、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、またはアセトニトリル中、トリアルキルアミン、例えば、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下で行うことができる。
【0130】
式(X)の化合物は当業界で公知であり(例えば、EP-A 0947498)、または、当業者であれば、例えば、WO02/066422に記載されているような公知の方法を用いて容易に製造することができる。
【0131】
化合物(X)(式中、Ar1は基(v)である)の製造に関するさらなる詳細は、DE3524990で確認することができ;化合物(X)(式中、Ar1は基(ii)、(viii)、および(xvi)である)の製造に関するさらなる詳細は、EP-A-162576で確認することができ;化合物(X)(式中、Ar1は基(iv)である)の製造に関するさらなる詳細は、EP-A-220054で確認することができ;化合物(X)(式中、Ar1は基(xi)である)の製造に関するさらなる詳細は、GB2165542で確認することができ、化合物(X)(式中、Ar1は基(c)である)の製造に関するさらなる詳細はGB2230523で確認することができる。
【0132】
式(XI)の化合物は、当業者には明らかであるように、例えば、化合物(IX)の製造および化合物(V)と(VI)との反応において用いられるものと同様の方法を用いて、上記の一般的な方法により製造することができる。
【0133】
さらなる方法(c)において、式(I)の化合物は、式(XII):
【化20】

【0134】
(式中、Ar1aは式(II)の化合物について定義された通りであり、P1は上記で定義された通りであり、L1は脱離基である)
の化合物と、式(XIII):
【化21】

【0135】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ra、Rb、P2、Z、k、n、m、pおよびtは式(II)について定義された通りである)
のアミンとを反応させた後、式(II)の化合物の脱保護について上記されたような従来の方法によって、存在する任意の保護基を除去することにより製造することができる。
【0136】
この反応を、そのような置換反応のための従来の条件を用いて行うことができる。
【0137】
式(XII)の化合物は、当業界で公知の方法により製造することができる。
【0138】
式(XIII)の化合物は、式(XI)の化合物と、アミンP2NH2との反応により製造することができる。
【0139】
さらなる方法(d)に従えば、R4およびR5のうちの1つがアルキルを表す式(I)の化合物は、上記で定義された式(X):
【化22】

【0140】
の化合物を、
式(XIV):
【化23】

【0141】
の化合物と、還元的アミノ化を行うのに好適な条件下、例えば、ホウ水素化物、典型的にはテトラメチルアンモニウム(トリアセトキシ)ボロヒドリドなどの還元剤の存在下で反応させることにより製造することができる。
【0142】
式(XIV)の化合物は、式(IV)の化合物の製造について上述のものと同様の方法を用いて、上記で定義された式(VI)の化合物を用いて、式(XV):
【化24】

【0143】
(式中、xは0または1である)
の化合物をアルキル化することにより製造することができる。
【0144】
xが0である式(XV)の化合物は市販されており、または従来の方法により容易に製造することができる。xが1である式(XV)の化合物は、好適なアルキル化により、xが0である対応する化合物から製造することができる。
【0145】
式(I)の化合物の製造における任意の好都合な段階で、置換基R1、R2およびR3の1個以上を、必要に応じて、異なる置換基に変換することができる。便利には、そのような変換を、脱保護段階の前に式(IV)の化合物上で行うことができる。
【0146】
かくして、例えば、R1が-NH2である化合物は、好適なイソシアネートとの反応によりR1がXNR6C(O)NR7R8である化合物に変換するか、または過剰のイソシアネートを用いて、R1がL-XNR6(CO)N(CO)NR7R8である化合物に変換することができ、同様に、アミドおよびスルホンアミド誘導体を、好適なアシルもしくはスルホニル塩化物または無水物との反応により形成させることができる。あるいは、単純なアミド置換基を、トリメチルシラノール酸カリウムなどの塩基を用いた処理により、対応するニトリルから製造することができる。他の転位は当業者には明らかであり、従来の反応により行うことができる。
【0147】
上記の経路(a)〜(d)のいずれにおいても、種々の基および部分を分子中に導入する合成工程の正確な順序は変更されてもよいことは理解されるであろう。前記方法のある段階で導入される基または部分がその後の転位および反応により影響されないことを確実にすること、およびそれに応じて合成工程の順序を選択することは当業者の技術の範囲内にあるであろう。
【0148】
本発明の鏡像異性化合物は、(i)例えば、キラルクロマトグラフィーカラム、酵素的分割方法、もしくは好適なジアステレオマーの製造および分離などの手段による、対応するラセミ混合物の成分の分離、または(ii)上記の方法による好適なキラル中間体からの直接合成によって取得することができる。
【0149】
式(I)の化合物の、対応する塩への必要に応じた変換は、好適な酸または塩基との反応により都合よく行うことができる。式(I)の化合物の、対応する溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体への必要に応じた変換は、当業者には公知の方法により行うことができる。
【0150】
さらなる態様に従って、本発明は式(I)の化合物の製造のための新規な中間体、例えば、一般式(III)および(IV)の化合物を提供する。
【0151】
本発明をより良く理解するために、以下の実施例を例示により記載する。
【実施例】
【0152】
合成例
実施例を通して、以下の省略を用いる:
LCMS:液体クロマトグラフィー質量スペクトル法
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
RT:保持時間
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
DMAP:N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
MeOH:メタノール
THF:テトラヒドロフラン
TSP+ve:サーモスプレー質量スペクトルポジティブモード
h:時間
min:分。
【0153】
温度は全て摂氏で示す。
【0154】
フラッシュシリカゲルはMerck商品番号9385を指す。シリカゲルはMerck商品番号7734を指す。Biotageはフラッシュ12iクロマトグラフィーモジュール上で動くKP-Silを含む予めパックされたシリカゲルカートリッジを指す。
【0155】
固相抽出(SPE)カラムは、通常は減圧下での平行精製において用いられる予めパックされたカートリッジである。これらはVarianから商業的に入手可能である。SCXカートリッジは、固相がポリマー性ベンゼンスルホン酸であるイオン交換SPEカラムである。これらを用いてアミンを単離する。
【0156】
LCMSを、水中の0.1% HCO2Hおよび0.01 M 酢酸アンモニウム(溶媒A)、ならびにアセトニトリル中の0.05% HCO2Hおよび5%の水(溶媒B)で溶出させるSupelcosil LCABZ+PLUSカラム(3.3 cm x 4.6 mm ID)上で、以下の溶出勾配:0〜0.7分 0% B、0.7〜4.2分 100% B、4.2〜5.3分 0% B、5.3〜5.5分 0% Bを3 ml/分の流速で用いて行った。質量スペクトルは、電子スプレーポジティブおよびネガティブモード(ES+veおよびES-ve)を用いて、Fisons VG Platform質量分析装置上で記録した。
【0157】
サーモスプレー質量スペクトルは、ポジティブモードを用いて、HP 5989A分光計上で取得した。
【0158】
実施例1
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-[2-(3-ブロモフェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
p-トルエンスルホン酸一水和物(0.40g)を、CH2Cl2(100ml)中の2-(3-ブロモフェニル)エタノール(5.471g)およびジヒドロピラン(4.58g)の撹拌溶液に0℃で加えた。冷却浴を外し、反応混合物を20℃で4時間撹拌した。Et3N(2ml)を加え、混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をシクロヘキサン-Et2O(15:1)で溶出するBiotage(90g)のクロマトグラフィーにより精製したところ、表題化合物(5.12g)が得られた。ES+ve 302 / 304 (M+NH4)+
【0159】
ii) {3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]フェニル}メタノール
ヘキサン中のn-ブチルリチウム溶液(9.5ml、1.6M)を、THF(40ml)中の2-[2-(3-ブロモフェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン(2.5g)の撹拌溶液に-70℃で滴下添加した。0.5時間後、DMF(1.1ml)を添加し、反応物を2時間かけて20℃まで温めた。水(5ml)を添加し、混合物をEt2Oと水の間に分配した。水相をEt2O(×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で蒸発させた。残渣をMeOH(40ml)中に0℃で溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.40g)で処理した。20℃で2.5時間撹拌した後、反応物を0℃に再冷却し、塩酸水溶液(1M)を滴下しながら添加することによりクエンチした。この混合物をEtOAcと水の間に分配した。水相をEtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で蒸発させた。シクロヘキサン、次いでシクロヘキサン-EtOAc(9:1〜4:1)で溶出させるBiotage(40g)のクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(1.30g)を得た。ES+ve 237 (M+H)+
【0160】
iii) 2-[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
DMF(2ml)中の{3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]フェニル}メタノール(0.42g)の溶液を、DMF(2ml)中の水素化ナトリウム(0.13g、油中60%)の撹拌懸濁液に、窒素雰囲気下で0℃にて滴下添加した。0.3時間後、DMF(2ml)中のベンジル2-ブロモエチルエーテル(0.76g)の溶液を滴下しながら添加した。反応混合物を20℃に温め、一晩撹拌した。反応混合物に水(30ml)を添加し、混合物をEt2O(2×30ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で蒸発させた。シクロヘキサン-Et2O(3:1)で溶出するBiotage(40g)のクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.43g)を得た。Es+ve 388(M+NH4)+
【0161】
iv) 1-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}-3-(2-ブロモエチル)ベンゼン
トリフェニルフォスフィンジブロミド(0.83g)を、CH2Cl2(10ml)中の2-[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン(0.39g)の懸濁液に20℃で分けながら添加した。1.7時間後、反応物を減圧下で蒸発させ、残渣をシクロヘキサン(10ml)中に懸濁した。混合物を濾過し、残渣をシクロヘキサンで洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させ、シクロヘキサン(30ml)、CH2Cl2(2×30ml)およびEt2O(30ml)で溶出するシリカSPEカートリッジ(10g)のクロマトグラフィーによって残渣を精製した。適当な画分を合わせ、蒸発させて、表題化合物(0.35g)を得た。ES+ve 366/368 (M+NH4)+
【0162】
v) (1R)-2-{[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール
(1R)-2-アミノ-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール(0.20g)を、無水DMF(2ml)中の1-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}-3-(2-ブロモエチル)ベンゼン(0.162g) の撹拌溶液に加えた。反応混合物を20℃で18時間撹拌し、次いで、減圧下で蒸発させた。この残渣をEtOAc(20ml)と水(20ml)の間に分配した。水相をEtOAc(20ml)で抽出し、合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で蒸発させた。MeOH中のCH2Cl2-MeOH-2M NH3(150:8:1〜75:8:1)で溶出するBiotage(8g)のクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.13g)を得た。ES+ve 492 (MH)+
【0163】
vi) 4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
氷酢酸(2ml)および水(1ml)中の(1R)-2-{[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール(0.12g) の溶液を80℃で0.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、MeOH中のCH2Cl2-MeOH-2M NH3(75:8:1〜50:8:1)で溶出するBiotage(8g)のクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物の遊離塩基を得た。酢酸を用いて、これを酢酸塩に変換し、表題化合物(0.06g)を得た。LCMS RT=2.44min. ES+ve 452 (MH)+
【0164】
実施例2
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(ベンジルオキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-(2-{3-[(ベンジルオキシ)メチル]フェニル}エトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 344(M+NH4)+
【0165】
ii) 1-[(ベンジルオキシ)メチル]-3-(2-ブロモエチル)ベンゼン
実施例1 iv)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 322/324(M+NH4)+
【0166】
iii) (1R)-2-[(2-{3-[(ベンジルオキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール
実施例1 v)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 448(MH)+
【0167】
iv) 4-{(1R)-2-[(2-{3-[(ベンジルオキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例1 vi)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.42min。ES+ve 408 (MH)+
【0168】
実施例3
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノールアセテート
i) 2-(2-{3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]フェニル}エトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 372(M+NH4)+
【0169】
ii) 1-(2-ブロモエチル)-3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]ベンゼン
実施例1 iv)の方法と同様の方法を用いて製造した。TSP+ve 350/352 (M+NH4)+
【0170】
iii) (1R)-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-[(2-{3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エタノール
実施例1 v)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 476(MH)+
【0171】
iv) 2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノールアセテート
実施例1 vi)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.58min。ES+ve 436 (MH)+
【0172】
実施例4
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノールアセテート
i) 2-(2-{3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]フェニル}エトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。TSP+ve 386 (MH)+
【0173】
ii) 1-(2-ブロモエチル)-3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]ベンゼン
実施例1 iv)の方法と同様の方法を用いて製造した。TSP+ve 364/366 (M+NH4)+
【0174】
iii) (1R)-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-[(2-{3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エタノール
実施例1 v)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.44min。ES+ve 490 (MH)+
【0175】
iv) 2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノールアセテート
実施例1 vi)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.69 min。ES+ve 450 (MH)+
【0176】
実施例5
4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-[2-(3-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 402(M+NH4)+
【0177】
ii) 1-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}-3-(2-ブロモエチル)ベンゼン
実施例1 iv)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 380/382(M+NH4)+
【0178】
iii) (1R)-2-{[2-(3-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール
実施例1 v)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 506(MH)+
【0179】
iv) 4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例1 vi)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.44min。ES+ve 466 (MH)+
【0180】
実施例6
4-((1R)-2-{[2-(4-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) {4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]フェニル}メタノール
実施例1 ii)の方法と同様の方法を用いて製造した。TSP+ve 254 (M+NH4)+
【0181】
ii) 2-[2-(4-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。TSP+ve 388 (M+NH4)+
【0182】
iii) 1-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}-4-(2-ブロモエチル)ベンゼン
実施例1 iv)の方法と同様の方法を用いて製造した。TSP+ve 352/354 (M+NH4)+
【0183】
iv) (1R)-2-{[2-(4-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール
実施例1 v)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 492(MH)+
【0184】
v) 4-((1R)-2-{[2-(4-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例1 vi)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.43min。ES+ve 452 (MH)+
【0185】
実施例7
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノールアセテート
i) 3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]ベンジルメタンスルホネート
塩化メタンスルホニル(0.3ml)を、CH2Cl2(4ml)中の{3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]フェニル}メタノール(0.71g)およびEt3N(0.63ml)の撹拌溶液に0℃でゆっくりと加えた。反応物を室温に温め、1時間撹拌した。水およびCH2Cl2を添加し、International Sorbent Technology Phase Separator cartridgeを用いてそれらの相を分離した。水相をさらなるCH2Cl2で抽出し、合わせた有機相を減圧下で蒸発させた。シクロヘキサン−酢酸エチル(階段的勾配にて100:0〜0:100)で溶出するシリカSPEカートリッジ(10g)のクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.79g)を得た。Es+ve 332(M+NH4)+
【0186】
ii) 2-(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン
2-(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン(0.119ml)を、DMF(2ml)中の水素化ナトリウム(0.06g、油中60%分散(diposersion))の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でゆっくりと加えた。反応物を0.5時間撹拌した後、DMF(1.5ml)中の3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]ベンジルメタンスルホネート(0.47g)の溶液を加えた。反応物を2時間撹拌した後、水を滴下しながら添加することによりクエンチした。混合物をEtOAcと水の間に分配した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を減圧下で蒸発させた。シクロヘキサン-EtOAc(19:1)で溶出するシリカSPEカートリッジ(10g)のクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.31g)を得た。Es+ve 358(M+NH4)+
【0187】
iii) 1-(2-ブロモエチル)-3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]ベンゼン
四臭化炭素(0.42g)を、CH2Cl2(4ml)中の2-(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(0.31g)の撹拌溶液に5℃未満で加えた。トリフェニルホスフィン(0.66g)を分けながら添加した後、反応混合物を20℃に温め、18時間撹拌した。溶媒を蒸発により除去し、残渣をシクロヘキサン-CH2Cl2(9:1〜7:3)で溶出するSPEカートリッジ(10g)のクロマトグラフィーに供し、表題化合物(0.256g)を得た。Es+ve 338(M+NH4)+
【0188】
iv) (1R)-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-[(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エタノール
実施例1 ii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 462(MH)+
【0189】
v) 2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノールアセテート
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.43min。ES+ve 452 (MH)+
【0190】
実施例8
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例1 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 412/414/416(M+NH4)+
【0191】
ii) 2-({[3-(2-ブロモエチル)ベンジル]オキシ}メチル)-1,3-ジクロロベンゼン
実施例7 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 390/392/394/396(M+NH4)+
【0192】
iii) (1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール
実施例1 v)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 516/518/520(MH)+
【0193】
iv) 4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例1 vi)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.58min。ES+ve 476//478/480 (MH)+
【0194】
実施例9
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-[2-(3-{[2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例7 ii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 388(M+NH4)+
【0195】
ii) 1-(2-{[3-(2-ブロモエチル)ベンジル]オキシ}エチル)-2-メトキシベンゼン
実施例7 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 366/368(M+NH4)+
【0196】
iii) 4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例9 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.58min。ES+ve 451 (MH)+
【0197】
実施例10
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-[2-(3-{[2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例7 ii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 388(M+NH4)+
【0198】
ii) 1-(2-ブロモエチル)-3-{[2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}ベンゼン
実施例7 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 366/368(M+NH4)+
【0199】
iii) 4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例9 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.51min。ES+ve 464 (MH)+
【0200】
実施例11
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
i) 2-[2-(3-{[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エトキシ]テトラヒドロ-2H-ピラン
実施例7 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 388(M+NH4)+
【0201】
ii) 1-(2-ブロモエチル)-3-{[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}ベンゼン
実施例7 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。Es+ve 366/368(M+NH4)+
【0202】
iii) 4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールアセテート
実施例9 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT=2.50min。ES+ve 451 (MH)+
【0203】
中間体1〜39
(実施例12〜64の製造で使用した)中間体1〜39は、概略的で、かつ代表的な例により、下に示した一般法A〜Eのうちの1つによって製造した。
【0204】
一般法A
【化25】

【0205】
中間体1
i) 3-[(2-ヒドロキシエトキシ)メチル]ベンゾニトリル
エチレングリコール(6.2g)を水素化ナトリウム(油中60%分散、480mg)で処理し、30分間撹拌した。3-(ブロモメチル)ベンゾニトリル(1.96g)を添加し、反応混合物を80℃で15時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水でクエンチした。得られた混合物を水とエーテルの間に分配した。水相をエーテルで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン中の50%EtOAcの勾配で溶出)により残渣を精製し、表題化合物(780mg)を得た。LCMS RT= 2.22 min。
【0206】
一般法B
【化26】

【0207】
中間体2
i) 3-(4-ヒドロキシブタ-1-イニル)フェニルアセテート
アセトニトリル(100mL)中の3-ヨードフェニルアセテート(5.6g)(J. Org. Chem. 1983, 48, 1542-4)の溶液を、トリエチルアミン(8mL)、(Ph3P)2PdCl2(673mg)およびCuI(368mg)で処理し、室温で撹拌した。3-ブチン-1-オール(1.78g)を添加し、反応混合物をさらに20時間撹拌し、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜DCMの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(4.47g)を得た。LCMS RT= 2.54 min。
【0208】
ii) 3-(4-ヒドロキシブチル)フェニルアセテート
窒素下で、5%パラジウム炭素(50%、含水)を酢酸エチル(100mL)およびエタノール(100mL)中の3-(4-ヒドロキシブタ-1-イニル)フェニルアセテート(4.47g)の溶液で処理した。反応混合物を窒素とtもにフラsッシュし、水素下で20時間撹拌した。反応混合物を窒素とともにフラッシュした後、窒素下でセライトを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(3.81g)を得た。LCMS RT= 2.64。
【0209】
一般法C
【化27】

【0210】
中間体3
i) 3-[4-(メチルスルホニル)フェニル]プロパン-1-オール
無水THF(10mL)中の3-[4-(メチルスルホニル)フェニル]プロパン酸(600mg)の溶液をボラン-THF(THF中1M、4.96mL)で処理し、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcと水の間に分配した。有機相を2NのNaOHで洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。有機溶液を真空で濃縮し、表題化合物(482mg)を得た。LCMS RT= 2.02min。
【0211】
一般法D
【化28】

【0212】
中間体4
i) 2-(2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)エタノール
無水DMF(10mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)エタノール(69mg)の溶液を炭酸カリウム(86mg)で窒素下にて処理した。2-(トリメチルシリル)エトキシメトキシクロリド(110μL)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した後、EtOAcと水の間に分配した。有機相を飽和NH4Cl(aq)、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(49mg)を得た。LCMS RT= 3.59 min。
【0213】
一般法E
【化29】

【0214】
中間体5
i) 4-ブロモフェニルシクロペンチルサルファイド
N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)中の4-ブロモベンゼンチオール(5.00g)の撹拌溶液にシクロペンチルブロミド(6.34g)と炭酸カリウム(9.27g)を加えた。混合物を窒素下で室温にて67時間撹拌した。反応混合物を2NのHClと酢酸エチルの間に分配した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濾過し、減圧下で溶媒を除去することにより表題化合物(5.88g)を得た。LCMS =4.28 min。
【0215】
ii) 4-ブロモフェニルシクロペンチルスルホン
窒素下、ジクロロメタン(200ml)中の4-ブロモフェニルシクロペンチルサルファイド(4.00g)の撹拌溶液を、メタ-クロロ過安息香酸(9.42g、推定57%)で処理し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、過酸化物が残存しなくなるまで、亜硫酸ナトリウム溶液(15%)で洗浄した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濾過し、減圧下で溶媒を除去することにより表題化合物(3.91g)を得た。LCMS RT = 3.15 min。
【0216】
上記の一般法A〜Eに従って、以下の中間体を製造した。
【表1】

【0217】

【0218】
中間体26
2-[(3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンジル)オキシ]エタノール
i) 3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンジルブロミド
無水DCM(50mL)中の(3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)メタノール(4g)の溶液を0℃に冷却し、DIPEA(4.08mL)で処理した。メタンスルホニルクロリド(1.46mL)を滴下しながら加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した後、DCMで希釈し、飽和NaHCO3(aq)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。残渣をアセトニトリル(50mL)中に再溶解し、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(9.9g)で処理し、反応混合物を50℃で2.5時間および室温で16時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜25% Et2Oの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(2.43g)を得た。LCMS RT= 4.02 min。
【0219】
ii) 2-[(3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンジル)オキシ]エタノール
一般法Aと同様にして製造した。LCMS RT = 3.33 min。
【0220】
中間体27
2-{[3-(シクロペンチルスルホニル)ベンジル]オキシ}エタノール
i) 1-(ヒドロキシメチル)-3-(シクロペンチルチオ)ベンゼン
無水N-メチルピロリジノン(50mL)中の3-ヨードベンジルアルコール(5g)の溶液を、トリエチルアミン(20mL)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン(710mg)およびトリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウム(0)(285mg)で処理した。反応混合物を脱気し、窒素とともに完全にフラッシュした。シクロペンチルメルカプタン(2.3mL)を添加し、反応混合物を70℃で5時間および室温でさらに16時間加熱した。反応混合物を水に注ぎ、EtOAcへ抽出させた。有機相を飽和Na2CO3、2N HClおよび水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc(1:1)の勾配)により残渣を精製し、表題化合物(4.62g)を得た。LCMS RT= 3.23 min。
【0221】
ii) 1-(ブロモメチル)-3-(シクロペンチルチオ)ベンゼン
無水DCM(100mL)中の1-(ヒドロキシメチル)-3-(シクロペンチルチオ)ベンゼン(4.6g)の溶液をトリフェニルホスフィン(14.5g)で処理し、CBr4(18.4g)で分けながら処理した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、EtOAcと水の間に分配した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc(1:1)の勾配)により残渣を精製し、表題化合物(1.1g)を得た。LCMS RT= 3.98 min。
【0222】
iii) 2-{[3-(シクロペンチルチオ)ベンジル]オキシ}エタノール
一般法Aと同様にして製造した。 LCMS RT = 3.17 min。
【0223】
中間体28
i) 2-{[3-(シクロペンチルスルフィニル)ベンジル]オキシ}エタノール
エタノール(15mL)中の2-{[3-(シクロペンチルチオ)ベンジル]オキシ}エタノール(520mg)の溶液を水(5mL)に溶解したNaIO4(1.77g)の溶液で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した後、真空で濃縮した。残渣を水とEtOAcの間に分配し、有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc(1:1)の勾配)により残渣を精製し、表題化合物(201mg)を得た。LCMS RT= 2.40 min。
【0224】
ii) 2-{[3-(シクロペンチルスルホニル)ベンジル]オキシ}エタノール
無水DCM(10mL)中の2-{[3-(シクロペンチルスルフィニル)ベンジル]オキシ}エタノール(200mg) の溶液を0℃に冷却し、m-クロロ-過安息香酸(246mg)で処理した。反応物を室温で0.5時間および室温で2時間撹拌した。反応混合物をDCMと飽和亜硫酸ナトリウム溶液の間に分配した。有機相を飽和亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc(1:1)の勾配)により残渣を精製し、表題化合物(436mg)を得た。LCMS RT= 2.55 min。
【0225】
中間体29
[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]メタノール
無水DCM(300mL)中の1-(ヒドロキシメチル)-3-(シクロペンチルチオ)ベンゼン(4.3g)の溶液を0℃に冷却し、m-クロロ-安息香酸(15.6g)で処理した。反応混合物を室温で2時間および室温で16時間撹拌した。反応混合物をDCMと飽和亜硫酸ナトリウム溶液の間に分配した。有機相を飽和亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(4.52g)を得た。LCMS RT= 2.43 min。
【0226】
中間体30
4-[3-(シクロペンチルスルフィニル)フェニル]ブタン-1-オール
i) [4-(3-ブロモフェニル)ブトキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン
無水DMF(50mL)中の4-(3-ブロモフェニル)ブタン-1-オール(5g) [WO 0266422 A1] の溶液をイミダゾール(1.8g)およびtert-ブチルジフェニルシリルクロリド(7.2g)で処理し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水とEtOAcの間に分配した。有機相を2N HCl、水、飽和NH4Cl(aq)、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc(5:1)の勾配)により残渣を精製し、表題化合物(9.67g)を得た。LCMS RT= 4.82 min。
【0227】
ii) tert-ブチル{4-[3-(シクロペンチルチオ)フェニル]ブトキシ}ジフェニルシラン
無水N-メチルピロリジン(15mL)中の[4-(3-ブロモフェニル)ブトキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン(2g)の溶液を、トリエチルアミン(4mL)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン(284mg)およびトリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウム(0)(114mg)で処理した。反応混合物を脱気し、窒素とともに完全にフラッシュした。シクロペンチルメルカプタン(436mg)を添加し、反応混合物を70℃で3時間、室温でさらに16時間加熱した。反応混合物を水に注ぎ、EtOAcへ抽出させた。有機相を飽和Na2CO3、2N HClおよび水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜シクロヘキサン/DCM(5:1)の勾配)により残渣を精製し、表題化合物(1.48g)を得た。LCMS RT= 4.94 min。
【0228】
iii) tert-ブチル{4-[3-(シクロペンチルスルフィニル)フェニル]ブトキシ}ジフェニルシラン
エタノール(50mL)中のtert-ブチル{4-[3-(シクロペンチルチオ)フェニル]ブトキシ}ジフェニルシラン(1.48g)の溶液を、 水(16mL)に溶解したNaIO4(2.6g)の溶液で処理した。得られた溶液を室温で3時間撹拌した後、真空で濃縮した。残渣を水とEtOAcの間に分配し、有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物を得た。(690mg) LCMS RT= 4.45 min。
【0229】
iv) 4-[3-(シクロペンチルスルフィニル)フェニル]ブタン-1-オール
無水THF(10mL)中のtert-ブチル{4-[3-(シクロペンチルスルフィニル)フェニル]ブトキシ}ジフェニルシラン(690mg) の溶液を、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオライド(3mL、THF中1M)の溶液で処理し、得られた反応混合物を室温で5時間撹拌した後、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物を得た。(362mg) LCMS RT= 2.64 min。
【0230】
中間体31
(5R)-3-{2-[3-(ブロモメチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
i) 3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]ベンジルアセテート
DCM(200mL)中の{3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]フェニル}メタノール(36.8g) の溶液を0℃に冷却し、ピリジン(14mL)で処理した。無水酢酸(13mL)を滴下しながら添加した。得られた反応混合物を窒素下で16時間、室温で撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)と2N塩酸(100mL)の間に分配した。有機相を2Nの塩酸(100mL)、2Nの重炭酸ナトリウム溶液(100mL)および水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。シクロヘキサン-酢酸エチル(3:1)で溶出するBiotageカートリッジ(4×90g)上のクロマトグラフィーにこれを供し、表題化合物(37.23g)を得た。LCMS RT = 3.10 min。
【0231】
ii) 3-(2-ヒドロキシエチル)ベンジルアセテート
酢酸(100mL)および水(20mL)中の3-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]ベンジルアセテート(20g)の溶液を80℃で1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、シクロヘキサン〜酢酸エチル(3:1)〜(1:1)で溶出するBiotageカートリッジ(2×90g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(13.42g)を得た。LCMS RT = 2.30 min。
【0232】
iii) 3-(2-ブロモエチル)ベンジルアセテート
DCM(100mL)中の3-(2-ヒドロキシエチル)ベンジルアセテート(13.01g)の溶液を0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(17.5mL)で処理した。メシルクロリド(6.22mL)を添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。アセトニトリル(130mL)中の残渣の溶液を臭化テトラブチルアンモニウム(33g)で処理した。反応混合物を70℃で1.5時間加熱した後、真空で濃縮した。得られた油状物をジエチルエーテル(150mL)と水(150mL)の間に分配した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。シクロヘキサン〜ジエチルエーテル(3:1)で溶出するBiotageカートリッジ(90g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(10.29g)を得た。LCMS RT = 3.23 min。
【0233】
iv) 3-(2-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}エチル)ベンジルアセテート
無水DMF(100mL)中の3-(2-ブロモエチル)ベンジルアセテート(8.08g)の溶液を、(1R)-2-アミノ-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール(WO 02/70490)(10.4g)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.1mL)で処理した。反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)の間に分配した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン〜メタノール(10:1)で溶出するBiotageカートリッジ(90g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(5.4g)を得た。LCMS RT = 2.32 min。
【0234】
v) 3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジルアセテート
無水THF(100mL)中の3-(2-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}エチル)ベンジルアセテート(5.4g)の溶液を、1,1'-カルボニルジイミダゾール(4.38g)で処理し、室温で4時間撹拌した後、真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)の間に分配した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン〜酢酸エチル(2:1)〜(1:1)で溶出するBiotageカートリッジ(90g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(4.13g)を得た。LCMS RT = 3.17 min。
【0235】
vi) (5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-3-{2-[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}-1,3-オキサゾリジン-2-オン
無水THF(100mL)中の3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジルアセテート(4.13g)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(2.5g)を加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後、水(80mL)を、続いて酢酸エチル(80mL)を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を水と塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。酢酸エチル〜シクロヘキサン(2:1)で溶出するBiotageカートリッジ(90g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(2.91g)を得た。LCMS RT = 2.94 min。
【0236】
vii) (5R)-3-{2-[3-(ブロモメチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
無水DCM(100mL)中の(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-3-{2-[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}-1,3-オキサゾリジン-2-オン(2.51g) の溶液を0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.71mL)で処理した。塩化メシル(1mL)を添加し、反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(80mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。アセトニトリル(100mL)に溶解した残渣の溶液を臭化テトラブチルアンモニウム(3.17g)で処理した。反応混合物を70℃で1.5時間加熱した後、真空で濃縮した。得られた油状物をジエチルエーテル(80mL)と水(80mL)の間に分配した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。酢酸エチル〜シクロヘキサン(1:1)で溶出するBiotageカートリッジ(90g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(2.29g)を得た。LCMS RT = 3.46 min。
【0237】
中間体32
3-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
i) メチル[3-(アミノスルホニル)フェニル]アセテート
0.880 アンモニア溶液(2mL)を、ジクロロメタン(10mL)およびアセトニトリル(10mL)中のメチル[3-(クロロスルホニル)フェニル]アセテート(Beecham EP91749A)(1.75g)の撹拌溶液に添加した。21℃で2時間撹拌した後、その溶液をジクロロメタンと水の間に分配した。水層をさらにジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。ジクロロメタンを添加し、濾過により白色固体を回収し、表題化合物(0.67g)を得た。LCMS RT= 1.97 min。
【0238】
ii) メチル{3-[(ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}アミノ)スルホニル]フェニル}アセテート
メチル[3-(アミノスルホニル)フェニル]アセテート(0.67g)を、DMF(15mL)中の水素化ナトリウム(60%油中分散、(0.26g))とともに21℃で10分間撹拌した後、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.04g)を添加した。2時間後、その溶液をpH6.4のリン酸緩衝溶液と酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。40-60石油エーテル中の酢酸エチルの混合物でシリカゲルのクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.72g)を得た。LCMS RT= 4.35 min。
【0239】
iii) 3-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
メチル{3-[(ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}アミノ)スルホニル]フェニル}アセテート(0.72g)を、窒素下で21℃にてTHF(10mL)中で撹拌し、水素化アルミニウムリチウム(ジエチルエーテル中1M、1mL)の溶液を1分間かけて添加した。15分後、含水THFを慎重に添加し、その溶液を水とジクロロメタンの間に分配した。水層をさらにジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。40-60石油エーテル中の酢酸エチルの混合物でシリカゲルのクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.38g)を得た。LCMS RT= 4.07 min。
【0240】
中間体33
3-(3-ヒドロキシプロピル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
i) 3-(3-ヒドロキシプロパ-1-イニル)ベンゼンスルホンアミド
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の3-ブロモベンゼン-1-スルホンアミド(944mg)の溶液をトリエチルアミン(10mL)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(117mg)およびヨウ化銅(32mg)で処理した。溶液を加熱還流した後、無水テトラヒドロフラン(5mL)中のプロピン-1-オール(187mg)の溶液を添加した。反応混合物を16時間加熱した後、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(196mg)を得た。LCMS RT = 1.97 min。
【0241】
ii) 3-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド
窒素下の5%パラジウム炭素(50%、含水)を、エタノール(10mL)中の3-(3-ヒドロキシプロパ-1-イニル)ベンゼンスルホンアミド(196mg)の溶液で処理した。反応混合物を窒素とともにフラッシュし、水素下で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を窒素とともにフラッシュし、窒素下でセライトを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜EtOAcの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(57mg)を得た。LCMS RT = 1.90 min。
【0242】
iii) 3-(3-ヒドロキシプロピル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
3-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(54mg)を、室温で10分間、DMF(5mL)中の水素化ナトリウム(油中60%分散、22mg)とともに撹拌し、次いで、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.088mL)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、この混合物をpH6.4のリン酸緩衝水溶液と酢酸エチルの間に分配した。EtOAcで水層を抽出し、合わせた有機物を水と塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で蒸発させた。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜酢酸エチル(2:1)で溶出)により残渣を精製し、表題化合物(63mg)を得た。LCMS RT = 3.99 min。
【0243】
中間体34
4-(2,6-ジクロロフェニル)ブタン-1-オール
i) 4-(2,6-ジクロロフェニル)ブタ-3-イン-1-オール
ジエチルアミン(100mL)中の1,3-ジクロロ-2-ヨードベンゼン(3.8g)の溶液を、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(364mg)およびヨウ化銅(199mg)で処理し、加熱還流した。3-ブチン-1-オール(962mg)を添加し、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜ジクロロメタンの勾配)により残渣を精製し、表題化合物(2.2g)を得た。LCMS RT = 3.06 min。
【0244】
ii) 4-(2,6-ジクロロフェニル)ブタン-1-オール
窒素下、白金(IV)酸化物(180mg)をエタノール(100mL)および酢酸エチル(100mL)中の4-(2,6-ジクロロフェニル)ブタ-3-エン-1-オール(1.8g)の溶液で処理した。反応混合物を窒素とともにフラッシュし、水素で処理し、必要量の水素が消費されるまで撹拌した。反応混合物を窒素とともにフラッシュし、セライトを通して濾過し、真空で濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー(SPE、シクロヘキサン〜酢酸エチルの勾配)により精製し、表題化合物(1.49g)を得た。LCMS RT = 3.22 min。
【0245】
中間体35
N-[3-(4-ヒドロキシブチル)フェニル]ウレア
i) 4-(3-アミノフェニル)ブタ-3-エン-1-オール
中間体33 i)の方法と同様の方法を用いて、3-ヨードアニリンおよび3-ブチン-1-オールにより製造した。LCMS RT = 1.74 min。
【0246】
ii) 4-(3-アミノフェニル)ブタン-1-オール
中間体34 ii)の方法と同様の方法を用いて、4-(3-アミノフェニル)ブタ-3-エン-1-オールから製造した。LCMS RT = 1.61 min。
【0247】
iii) 3-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブチル)アニリン
窒素下、DMF(30mL)中の4-(3-アミノフェニル)ブタン-1-オール(3.66g)の撹拌溶液を、イミダゾール(1.66g)およびtert-ブチルジメチルシリルクロリド(3.5g)で処理した。撹拌は室温で18時間継続した。混合物を真空で濃縮し、残渣を塩化アンモニウム水溶液(200mL)と酢酸エチル(150mL)の間に分配した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空で蒸発させた。石油エーテル〜酢酸エチル(9:1)で溶出するBiotageカートリッジ(100g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(4.6g)を得た。LCMS RT = 3.89 min。
【0248】
iv) N-[3-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブチル)フェニル]ウレア
窒素下、無水DCM(50mL)中の3-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブチル)アニリン(5.16g)の撹拌溶液を、無水DCM(6mL)中のトリクロロアセチルイソシアネート(2.36mL)の溶液で滴下しながら処理した。これを室温で1時間撹拌した後、2Nの水酸化ナトリウム溶液(50mL)を添加した。得られた混合物を70℃〜80℃で5時間撹拌した。各層を分離し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機物を真空で蒸発させ、得られた残渣を、酢酸エチル〜石油エーテル(2:1)で溶出するBiotageカートリッジ(100g)のクロマトグラフィーに供し、表題化合物(5.71g)を得た。LCMS RT = 3.78 min。
【0249】
v) N-[3-(4-ヒドロキシブチル)フェニル]ウレア
THF(50mL)中のN-[3-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブチル)フェニル]ウレア(5.67g)の撹拌溶液をトリフルオロ酢酸(18.56mL)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、一晩室温で放置した。次いで、反応混合物を真空で濃縮し、残渣をメタノールで共沸させた。次いで、メタノール(100mL)に溶解した残渣の溶液を20時間加熱還流した後、真空で濃縮した。クロマトグラフィー(Flashmaster、100gカートリッジ、ジクロロメタン〜メタノール(9:1)で溶出)により残渣を精製し、表題化合物(3.38g)を得た。LCMS RT = 2.14 min。
【0250】
中間体36
2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エタノール
i) メチル(3-メルカプトフェニル)アセテート
メタノール(140mL)中の3-メルカプトフェニル酢酸(2g)の溶液に、塩酸(37%、1.35mL)を滴下しながら加えた。窒素下で17時間、反応混合物を室温で撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣をメタノールで共沸させた。クロマトグラフィー(SPE、50gカートリッジ、シクロヘキサン〜酢酸エチル混合物で溶出)により残渣を精製し、表題化合物(0.79g)を得た。LCMS RT = 2.76 min。
【0251】
ii) メチル[3-(シクロペンチルチオ)フェニル]アセテート
無水DMF(10mL)中のメチル(3-メルカプトフェニル)アセテート(200mg)およびシクロペンチルブロミド(491mg)の溶液を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(油中60%分散、53.2mg)を分けながら添加した。撹拌を0℃で30分間継続し、次いで、4時間にわたって室温に温めた。反応物に水を添加し、続いてDCMおよび重炭酸ナトリウム溶液を添加した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空で蒸発させた。シクロヘキサン〜酢酸エチル(5:1)で溶出するBiotageカートリッジ(8g)のクロマトグラフィーに残渣を供し、表題化合物(185mg)を得た。LCMS RT = 3.48 min。
【0252】
iii) メチル[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]アセテート
ジクロロメタン(2mL)中のメチル[3-(シクロペンチルチオ)フェニル]アセテート(180mg)の溶液に、0℃で3-クロロペルオキシ安息香酸(456mg)を加えた。次いで、窒素下で5時間、反応混合物を室温にて撹拌した。次いで、反応混合物を重亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄した。シクロヘキサン〜酢酸エチル(1:1)で溶出するAlumina(活性型、中性、Brockmann1、標準等級)のカラムに有機層を通し、真空で濃縮し、表題化合物(81.9mg)を得た。LCMS RT = 2.76 min。
【0253】
iv) 2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エタノール
無水THF(3mL)中のメチル[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]アセテート(81mg)の溶液に、室温で水素化アルミニウムリチウム(ジエチルエーテル中1M溶液、0.172mL)を添加した。15分後、THF、次いでジクロロメタンと水を添加した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。得られた残渣をBiotageカートリッジのクロマトグラフィーに供し、酢酸エチル〜シクロヘキサン(2:1)で溶出し、表題化合物(36.4mg)を得た。LCMS RT = 2.43 min。ES+ve 255 (MH)+
【0254】
中間体37
4-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブタン-1-オール
i) 1-(シクロペンチルチオ)-3-ヨードベンゼン
THF(1000mL)中の1-ブロモ-3-(シクロペンチルチオ)ベンゼン(117.5g)の溶液に、-72℃でブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、328mL)を添加した。添加が完了したところで、THF(300mL)に溶解したヨウ素(139g)の溶液を分けながら加えた。次いで、反応混合物を0℃に温めた。水を慎重に添加し、混合物を酢酸エチルとチオ硫酸ナトリウム水溶液の間に分配した。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物をチオ硫酸ナトリウム、水および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で蒸発させて表題化合物(126.4g)を得た。HPLC RT = 2.17 min。
【0255】
ii) 1-(シクロペンチルスルホニル)-3-ヨードベンゼン
ジクロロメタン(1600mL)中の1-(シクロペンチルチオ)-3-ヨードベンゼン(112.1g)の溶液に、0℃で3-クロロペルオキシ安息香酸(278g)を分けながら添加した。2.25時間後、この混合物に水を、次いでジクロロメタンを加えた。水相をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機物を1Mの水酸化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび水で洗浄した。次いで、これをセライトを通して濾過し、次いで、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で蒸発させた。得られた残渣をジエチルエーテル中に溶解し、2Mの水酸化ナトリウム、水および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で蒸発させて表題化合物(90g)を得た。LCMS RT = 3.27 min。
【0256】
中間体38
4-[3-(メチルスルホニル)フェニル]ブタン-1-オール
i) tert-ブチル(ジメチル){4-[3-(メチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}シラン
(ブタ-3-エニルオキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(Angew Chem, 2003, 42, 2521) (1.68g)を、窒素下で2.5時間、21℃でTHF(36mL)中の9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(THF中0.5M、22mL)とともに撹拌した。水(5.4mL)に溶解したリン酸カリウム(3.87g)を添加し、続いて酢酸パラジウム(25mg)、トリフェニルホスフィン(48mg)および1-ブロモ-3-(メチルスルホニル)ベンゼン(2.12g)を加え、撹拌を20時間継続した。この溶液を水と酢酸エチルの間に分配した。水層をさらに酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。40-60石油エーテル中の酢酸エチルの混合物でシリカゲルのクロマトグラフィーにより残渣を2回精製し、不純物を含む表題化合物(0.65g)を得た。nmr, (CDCl3) 7.78 (2H, br s), 7.52 - 7.47 (2H, m),.3.64 (2H, t, J 6 Hz), 3.06 (3H, s), 2.74 (2H, t J 7 Hz), 1.89 - 1.45 (4H + water, m), 0.89 (9H, s) 0.05 (6H, s)。
【0257】
ii) 4-[3-(メチルスルホニル)フェニル]ブタン-1-オール
tert-ブチル(ジメチル){4-[3-(メチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}シラン(0.62g)を計3日間、THF(70mL)中、シリカゲル(6.8g)上のフッ化テトラブチルアンモニウムとともに撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで抽出した。合わせた濾液を蒸発させ、酢酸エチル、続いて酢酸エチル中の10%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(0.30g)を得た。LCMS RT= 2.21 min。
【0258】
実施例12:
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゼンスルホンアミドとギ酸の化合物(1:1)
i) 3-{4-[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]ブチル}ベンゼンスルホンアミド
DCM(2mL)中の3-(4-ヒドロキシブチル)ベンゼンスルホンアミド(11.47mg)の溶液を、高速撹拌を行いながらNaOH(aq)(40%w/v、0.5mL)で処理した。DCM(2mL)中の(5R)-3-{2-[3-(ブロモメチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(27mg)の溶液を加え、続いてテトラ-n-ブチルアンモニウムサルフェート(1.4mg)を添加した。反応混合物を43℃で16時間加熱した。反応混合物を疎水性フリットにより分離し、有機相を窒素下で蒸発させ、表題化合物を得た。LCMS RT = 4.46 min。
【0259】
ii) 3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゼンスルホンアミド
無水THF(2mL)中の3-{4-[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]ブチル}ベンゼンスルホンアミドの溶液をカリウムトリメチルシラノレート(40mg)で処理し、反応混合物を75℃で1時間加熱した。SCX-2イオン交換カートリッジ(0.5g、MeOHで前処理したもの)の上端に得られた溶液を供した。MeOH(2.5mL)でカートリッジを洗浄し、1時間置いた後、MeOH(2.5mL)中の2N NH3で溶出させ、質量指向性分取HPLC(Mass directed preparative HPLC)に供し、表題化合物を得た。LCMS RT = 2.34 min。ES+ve m/z 529 (MH)+。同様に、以下を製造した:
【表2】

【0260】

【0261】

【0262】

【0263】

【0264】

【0265】
実施例51:
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンズアミドとギ酸の化合物(1:1)
i) 3-{4-[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]ブチル}ベンゾニトリル
実施例13(i)と同様にして製造した。LCMS RT = 2.01 min。
【0266】
ii)3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンズアミドとギ酸の化合物(1:1)
無水THF(2mL)中の粗製3-{4-[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]ブチル}ベンゾニトリルの溶液を、カリウムトリメチルシラノレート(40mg)で処理し、反応混合物をマイクロ波(150ワット)で2分間150℃に加熱した。SCX-2イオン交換カートリッジ(0.5g、MeOHで前処理したもの)の頂部に得られた溶液を供した。MeOH(2.5mL)でカートリッジを洗浄し、1時間静置した。MeOH(2.5mL)中の2N NH3で表題化合物を溶出した。質量指向性分取HPLCにより表題化合物を得た。LCMS RT= 2.47 min ES+ve m/z 493 (MH)+
【0267】
同様に、以下のものを製造した:
【表3】

【0268】
実施例55:
3-[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エチル]ベンゼンスルホンアミドとギ酸の化合物(1:1)
i) 3-{2-[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]エチル}-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
DCM(1.5mL)中の3-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド(86mg)の溶液を、高速撹拌を行いながらNaOH(aq)(40%w/v、0.5mL)で処理した。DCM(0.5mL)中の(5R)-3-{2-[3-(ブロモメチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(100mg)の溶液を加え、続いて臭化テトラブチルアンモニウム(6mg)を加えた。反応混合物を40℃で16時間加熱した。反応混合物を疎水性フリットにより分離し、有機相を窒素下で蒸発させ、表題化合物を得た。LCMS RT = 3.35min。
【0269】
ii) 3-(2-{[3-(2-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}エチル)ベンジル]オキシ}エチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
無水THF(1mL)中の3-{2-[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]エチル}-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミドの溶液を、カリウムトリメチルシラノレート(215mg)で処理し、反応混合物を75℃で4時間加熱した。冷却後、DCM(1mL)を添加し、引き続き2Nの重炭酸ナトリウム溶液(1mL)を加えた。反応混合物を疎水性フリットにより分離し、有機相を窒素下で蒸発させ、表題化合物を得た。LCMS RT= 3.61min。
【0270】
iii)3-[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エチル]ベンゼンスルホンアミドとギ酸の化合物(1:1)
酢酸(1mL)および水(1mL)中の3-(2-{[3-(2-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}エチル)ベンジル]オキシ}エチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミドの溶液を70℃で10時間加熱した。反応混合物を窒素下で蒸発させ、質量指向性分取HPLCにかけ、表題化合物を得た。LCMS RT = 2.20 min。ES+ve 501 (MH)+
【0271】
同様にして、以下の実施例56〜59を製造した。実施例57、58および59の化合物については、酢酸および水中の反応混合物を70℃で45分間加熱した。
【0272】
同様にして、以下のものを製造した:
【表4】

【0273】
実施例60
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノールとギ酸の化合物(1:1)
(i) (5R)-3-{2-[3-({2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
水素化ナトリウム(9mg)を、無水DMF(0.5mL)中の2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エタノール(41mg)の溶液に加えた。無水DMF(0.5mL)中の(5R)-3-{2-[3-(ブロモメチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(100mg)の溶液を加え、 撹拌を室温で16時間継続した。水(0.5mL)を加え、続いてジクロロメタン(1mL)を加えた。
【0274】
反応混合物を疎水性フリットにより分離し、有機相を窒素下で蒸発させ、表題化合物を得た。LCMS RT = 3.63 min。
【0275】
(ii) (5R)-3-{2-[3-({2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
実施例55(ii)と同様にして製造した。LCMS RT = 2.82 min。
【0276】
(iii) 4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノールとギ酸の化合物(1:1)
実施例55(iii)と同様にして製造した。
【0277】
LCMS RT = 2.56 min。ES+ve m/z 554 (MH)+
【0278】
同様にして、以下のものを製造した:
【表5】

【0279】
実施例63:
4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールとギ酸の化合物(1:1)
i) (5R)-3-[2-(3-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
水素化ナトリウム(7.3mg)を、無水DMF(2ml)中の(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-3-{2-[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}-1,3-オキサゾリジン-2-オン(50mg)の撹拌溶液に加えた。無水DMF(2mL)中の2-(3-ブロモプロピル)-1,3-ジクロロベンゼン(CAS 14573-25-2)(48.7mg)の溶液を加え、窒素下で60時間、室温にて撹拌を継続した。水を加え、続いてDCM(1mL)を加えた。反応混合物を疎水性フリットにより分離し、有機相を窒素下で蒸発させ、表題化合物を得た。LCMS RT = 4.01 min。
【0280】
ii) (1R)-2-{[2-(3-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)エタノール
一般法B ii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT = 3.09 min。
【0281】
iii) 4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノールとギ酸の化合物(1:1)
実施例55 iii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT = 2.79 min。ES+ve m/z 504。
【0282】
実施例64:
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゼンスルホンアミドアセテート
i) 3-{[(3-{2-[(5R)-5-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]エチル}ベンジル)オキシ]メチル}-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
実施例55 i)の方法と同様の方法を用いて、中間体32とCAS 503068-53-9で製造した。LCMS RT = 4.42 min。
【0283】
ii) 3-({[3-(2-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}エチル)ベンジル]オキシ}メチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド
実施例55 ii)の方法と同様の方法を用いて製造した。LCMS RT = 3.57min。
【0284】
iii) 3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゼンスルホンアミドアセテート
酢酸(6mL)および水(2mL)中の3-({[3-(2-{[(2R)-2-(2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)-2-ヒドロキシエチル]アミノ}エチル)ベンジル]オキシ}メチル)-N,N-ビス{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}ベンゼンスルホンアミド(100mg)の溶液を窒素下で5時間、70℃にて加熱した。次いで、反応物を真空で濃縮し、ジクロロメタン−エタノール−アンモニア溶液(100:8:1、次いで50:8:1)で溶出するBiotageカートリッジ(12g)のクロマトグラフィーで残渣を分離し、表題化合物(3mg)を得た。LCMS RT = 2.20 min。ES+ve 487 (MH)+
【0285】
生物学的活性
in vitroにおけるヒトβ1、β2およびβ3受容体での化合物効力と固有活性の測定
方法1
実施例1〜11の化合物の効力を、ヒトβ2-アドレナリン受容体でトランスフェクトしたカエル黒色素胞を用いて測定した。この細胞をメラトニンと共にインキュベートして色素凝集を誘導した。色素分散を、ヒトβ2-アドレナリン受容体に対して働く化合物により誘導した。試験化合物のβ2-アゴニスト活性は、黒色素胞単層を横切る光透過率の変化(色素分散の結果)を誘導するその能力により評価した。ヒトβ2-アドレナリン受容体で、前記実施例の化合物は1μM以下のEC50値を有していた。
【0286】
方法2
また、ヒトβ2、β1およびβ3受容体での本発明の化合物の効力を、レポーター遺伝子とともにヒト受容体を共発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて測定した。試験は、これらの細胞由来の全細胞または細胞膜を用いて実施した。
【0287】
これらの3つのβ受容体はGs G-タンパク質を介して結合され、アデニル酸シクラーゼの刺激を引き起こし、細胞中のcAMPのレベルを上昇させる。cAMPの直接測定については、細胞膜または細胞のいずれかを、HitHunter酵素フラグメント相補キット(DiscoveRx)またはFP2蛍光極性化キット(Perkin Elmer)と共に用い、cAMPの存在レベルを定量した。これらのアッセイにより、様々な受容体における化合物のアゴニスト効力と固有活性の測定値が得られる。
【0288】
また、細胞中のレポーター遺伝子を用いて、β1およびβ3受容体での効力を定量した。これは、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流にあるcAMP応答エレメントを使用するcAMPレベルのレポーターである。アゴニストで受容体を刺激した後のルシフェラーゼレベルの上昇が、この細胞中のcAMPのレベルの定量値として測定される。
【0289】
このアッセイでは、ヒトβ2-受容体での化合物効力はpEC50値として表される。実施例12〜26、28〜50および52〜64の化合物のpEC50値は6を超えていた。実施例27の化合物のpEC50は6未満であった。実施例51の化合物に関する結果は得られていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
R1は水素、C1-6アルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、C1-6ハロアルキル、XCO2R8、-XC(O)NR7R8、-XNR6C(O)R7、-XNR6C(O)NR7R8、-XNR6C(O)NC(O)NR7R8、-XNR6SO2R7、-XSO2NR9R10、XSR6、XSOR6、XSO2R6、-XNR7R8、-XNR6C(O)OR7から選択されるか、
あるいはR1は-X-アリール、-X-ヘタリール、またはX-(アリールオキシ)から選択され、これらはヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-NR6C(O)R7、SR6、SOR6、-SO2R6、-SO2NR9R10、-CO2R8、-NR7R8、またはヘタリール(ここでヘタリールは、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6アルキル、もしくはC1-6ハロアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基により置換されていてもよい)から独立に選択される1または2個の基により各々置換されていてもよく;
Xは-(CH2)q-またはC2-6アルケニレンであり;
qは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数であり;
R6およびR7は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ヘタリール(C1-6アルキル)-およびアリール(C1-6アルキル)-から独立に選択され、かつR6およびR7はハロ、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-NHC(O)(C1-6アルキル)、-SO2(C1-6アルキル)、-SO2(アリール)、-CO2H、およびCO2(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、アリール(C1-6アルキル)-、アリール(C2-6アルケニル)-、アリール(C2-6アルキニル)-、ヘタリール(C1-6アルキル)-、-NHSO2アリール、-NH(ヘタリールC1-6アルキル)、-NHSO2ヘタリール、-NHSO2(C1-6アルキル)、-NHC(O)アリール、またはNHC(O)ヘタリールから独立に選択される1または2個の基により各々独立に置換されていてもよく;
R8は水素、C1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選択され;
またはR7およびR8は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており;
R9およびR10は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ヘタリール(C1-6アルキル)-およびアリール(C1-6アルキル)-から独立に選択されるか、またはR9およびR10は、それらが結合している窒素と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており;
かつR9およびR10はハロ、C1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキル、C1-6ハロアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基により各々置換されていてもよく;
R2は水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、アリール、アリール(C1-6アルキル)-、C1-6ハロアルコキシ、およびC1-6ハロアルキルから選択され;
R3は水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、アリール、アリール(C1-6アルキル)-、C1-6ハロアルコキシ、およびC1-6ハロアルキルから選択され;並びに
R4およびR5は水素およびC1-4アルキルから独立に選択されるが、但し、R4およびR5中の炭素原子の総数は4以下であり;
RaおよびRbは各々独立に水素またはC1-4アルキルを表し;
Ar1は、以下:
【化2】

(式中、
R11は水素、ハロゲン、-(CH2)rOR15、-NR15C(O)R16、-NR15SO2R16、-SO2NR15R16、-NR15R16、-OC(O)R17またはOC(O)NR15R16であり、かつR12は水素、ハロゲンまたはC1-4アルキルを表すか;
あるいは、R11は-NHR18を表し、かつR12と-NHR18は一緒になって5-または6-員の複素環を形成しており;
R13は水素、ハロゲン、-OR15または-NR15R16を表し;
R14は水素、ハロゲン、ハロC1-4アルキル、-OR15、-NR15R16、-OC(O)R17またはOC(O)NR15R16を表し;
R15およびR16は各々独立に水素またはC1-4アルキルを表すか、あるいは基-NR15R16、-SO2NR15R16および-OC(O)NR15R16においては、R15およびR16は独立に水素もしくはC1-4アルキルを表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており、
R17は、非置換であるか、ハロゲン、C1-4アルキル、ヒドロキシ、C1-4アルコキシもしくはハロC1-4アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよいアリール基を表し;
rは0であるか、または1から4の整数である)
から選択される基であり;
ZはO、CH2-または単結合であり;
nは1〜4の整数であり;
mは0であるか、または1〜4の整数であり;
pは0であるか、または1〜3の整数であり;
kは1〜3の整数であり;
tは0または1である)
で表される化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
【請求項2】
式(Ia):
【化3】

(式中:
kは1〜3の整数であり;
nは1〜4の整数であり;
mは2〜4の整数であり;
pは1〜4の整数であり;
ZはOまたはCH2-であり、
R1は水素、C1-6アルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、C1-6ハロアルキル、XCO2R8、-XC(O)NR7R8、-XNR6C(O)R7、-XNR6C(O)NR7R8、-XNR6C(O)NC(O)NR7R8、-XNR6SO2R7、-XSO2NR9R10、XSR6、XSOR6、XSO2R6、-XNR7R8、-XNR6C(O)OR7から選択されるか、
あるいはR1は-X-アリール、-X-ヘタリール、またはX-(アリールオキシ)から選択され、これらはヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-NR6C(O)R7、SR6、SOR6、-SO2R6、-SO2NR9R10、-CO2R8、-NR7R8、またはヘタリール(ここでヘタリールは、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、ハロ、C1-6アルキル、もしくはC1-6ハロアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基により置換されていてもよい)から独立に選択される1または2個の基により各々置換されていてもよく;
Xは-(CH2)q-またはC2-6アルケニレンであり;
qは0〜6の整数であり;
R6およびR7は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ヘタリール(C1-6アルキル)-およびアリール(C1-6アルキル)-から独立に選択され、かつR6およびR7はハロ、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-NHC(O)(C1-6アルキル)、-SO2(C1-6アルキル)、-SO2(アリール)、-CO2H、およびCO2(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、アリール(C1-6アルキル)-、アリール(C2-6アルケニル)-、アリール(C2-6アルキニル)-、ヘタリール(C1-6アルキル)-、-NHSO2アリール、-NH(ヘタリールC1-6アルキル)、-NHSO2ヘタリール、-NHSO2(C1-6アルキル)、-NHC(O)アリール、またはNHC(O)ヘタリールから独立に選択される1または2個の基により各々独立に置換されていてもよく;
R8は水素、C1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選択され;
またはR7およびR8は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており;
R9およびR10は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ヘタリール(C1-6アルキル)-およびアリール(C1-6アルキル)-から独立に選択されるか、またはR9およびR10は、それらが結合している窒素と一緒になって、5-、6-もしくは7-員の窒素含有環を形成しており;
かつR9およびR10はハロ、C1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキル、C1-6ハロアルキルから独立に選択される1もしくは2個の基により各々置換されていてもよく;
R2は水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、アリール、アリール(C1-6アルキル)-、C1-6ハロアルコキシ、およびC1-6ハロアルキルから選択され;
R3は水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、アリール、アリール(C1-6アルキル)-、C1-6ハロアルコキシ、およびC1-6ハロアルキルから選択され;並びに
R4およびR5は水素およびC1-4アルキルから独立に選択されるが、但し、R4およびR5中の炭素原子の総数は4以下であり;
Ar1は、以下:
【化4】

(式中、
R11はハロゲン、-(CH2)rOR15、-NR15C(O)R16、-NR15SO2R16、-SO2NR15R16、-NR15R16、-OC(O)R17またはOC(O)NR15R16であり、かつR12は水素、ハロゲンまたはC1-4アルキルを表すか;
あるいは、R11は-NHR18 を表し、かつR12と-NHR18は一緒になって5-または6-員の複素環を形成しており;
R13は水素、ハロゲン、-OR15または-NR15R16を表し;
R14は水素、ハロゲン、ハロC1-4アルキル、-OR15、-NR15R16、-OC(O)R17またはOC(O)NR15R16を表し;
R15およびR16は、各々独立に水素またはC1-4アルキルを表すか、あるいは基-NR15R16、-SO2NR15R16および-OC(O)NR15R16においては、R15およびR16は独立に水素またはC1-4アルキルを表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、5-、6-または7-員の窒素含有環を形成しており、
R17は、非置換であるか、ハロゲン、C1-4アルキル、ヒドロキシ、C1-4アルコキシもしくはハロC1-4アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよいアリール基を表し;
rは0であるか、または1から4の整数である)
で表される化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
【請求項3】
基R1が、水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ、ハロ、-NR6C(O)NR7R8、-NR6C(O)R7、-SO2NR9R10、-SOR6、-SO2R6および-NR6SO2R7(式中、R6およびR7は請求項1または請求項2で定義された通りである)から選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R2およびR3が、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ハロC1-6アルキル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシおよびハロC1-6アルコキシから独立に選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R4およびR5が各々水素を表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
RaおよびRbが各々水素を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
基Ar1が、請求項1に定義された基(a)および(b)から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
基(a)が式(i):
【化5】

で表される基である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(ベンジルオキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(3-フェニルプロポキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(4-フェニルブトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(ベンジルオキシ)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(4-{[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-フェニルエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-{[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エトキシ]メチル}ベンゾニトリル;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[(3-フルオロベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[(3,5-ジメチルベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({2-[(3-メトキシベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-{[3-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]オキシ}エトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[4-(3-ヒドロキシフェニル)ブトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[3-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)プロピル]ベンゾニトリル;
4-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゾニトリル;
3-[3-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)プロピル]ベンゾニトリル;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({3-[4-(メチルスルホニル)フェニル]プロポキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({[4-(メチルスルホニル)ベンジル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(2-ヒドロキシフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[(4-ヒドロキシベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[3-(3-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({4-[4-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({3-[4-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]プロポキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({3-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]プロポキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({2-[(3-ヒドロキシベンジル)オキシ]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(2-{[3-(シクロペンチルスルホニル)ベンジル]オキシ}エトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-{(1R)-2-[(2-{3-[(2-{[3-(シクロペンチルスルフィニル)ベンジル]オキシ}エトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({[3-(シクロペンチルスルホニル)ベンジル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({4-[3-(シクロペンチルスルフィニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンゾニトリル;
2-(ヒドロキシメチル)-4-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[(2-フェノキシエトキシ)メチル]フェニル}エチル)アミノ]エチル}フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(3-フルオロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[2-(2-フルオロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
4-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゾニトリル;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({[(1R)-1-フェニルエチル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({[(1S)-1-フェニルエチル]オキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(3,5-ジメチルベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(2-フルオロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(3-フルオロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[(4-フルオロベンジル)オキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]ベンズアミド;
3-{[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エトキシ]メチル}ベンズアミド;
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンズアミド;
4-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンズアミド;
3-[2-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-[3-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[4-(2,6-ジクロロフェニル)ブトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
N-{3-[4-({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)ブチル]フェニル}ウレア;
2-(ヒドロキシメチル)-4-((1R)-1-ヒドロキシ-2-{[2-(3-{[2-(1-フェニルエトキシ)エトキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}エチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({2-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]エトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
4-[(1R)-2-({2-[3-({4-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
2-(ヒドロキシメチル)-4-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-({2-[3-({4-[3-(メチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}メチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]フェノール;
4-((1R)-2-{[2-(3-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)プロポキシ]メチル}フェニル)エチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール;
3-[({3-[2-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)エチル]ベンジル}オキシ)メチル]ベンゼンスルホンアミド、
またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる、ヒトなどの哺乳動物における臨床症状の予防または治療のための方法であって、治療上有効量の、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の投与を含む、前記方法。
【請求項11】
医学的治療における使用のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
【請求項12】
選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる臨床症状の予防または治療における使用のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体、および製薬上許容し得る担体または賦形剤、および必要に応じて1種以上の他の治療成分を含む医薬製剤。
【請求項14】
選択的β2-アドレナリン受容体アゴニストが適応となる臨床症状の予防または治療のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の使用。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体の製造方法であって、
(a) 例えば、式(II):
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Z、k、m、nおよびpは式(I)の化合物について定義された通りであり、Ar1aはAr1またはその保護された形態であり、P1およびP2は各々独立に水素もしくは保護基であるが、但し、式(II)の化合物は少なくとも1つの保護基を含む)
で表される保護された中間体、またはその塩もしくは溶媒和物を脱保護する工程;あるいは、
(b) 式(X):
【化7】

(式中、Ar1aは上記で定義された通りであり、P2およびP1は各々独立に水素または保護基である)
のアミンを、式(XI):
【化8】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Z、k、m、nおよびpは式(I)の化合物について定義された通りであり、L1は脱離基である)
の化合物を用いてアルキル化する工程;
(c) 式(XII):
【化9】

(式中、Ar1およびP1は上記で定義された通りであり、L1は脱離基である)
の化合物を、式(XIII):
【化10】

のアミンと反応させる工程;あるいは、
d) 上記で定義された式(X):
【化11】

の化合物を、式(XIV):
【化12】

の化合物と、還元的アミノ化を行うのに好適な条件下で反応させる工程;
を含み、その後、以下の工程:
(i) 任意の保護基を必要に応じて除去する工程;
(ii) 鏡像異性体の混合物から、一方の鏡像異性体を必要に応じて分離する工程;
(iii) 生成物を、対応するその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体に必要に応じて変換する工程、
を任意の順序で行うことを含む、前記方法。

【公表番号】特表2007−509852(P2007−509852A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536055(P2006−536055)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011963
【国際公開番号】WO2005/044787
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】