説明

フォトニック格子を使用した電磁放射増幅システム

本発明の様々な実施形態は、フォトニック格子を使用する電磁波増幅システムに関する。本発明の一実施形態では、電磁放射増幅システム(900,1300,1600)は、フォトニック格子(200〜500)とポンプ源(902,1302,1602)とを有する。フォトニック格子は、スラブ(202〜402)内の穴の平面周期格子で構成される。ポンプ源は、フォトニック格子に結合され、フォトニック格子の電子エネルギー状態を励起する電子的刺激を出力し、それにより、フォトニック格子に入射する電磁放射コヒーレントビームが、電磁放射コヒーレントビームを増幅するコヒーレント電磁放射の放出を刺激する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な実施形態は、増幅器を対象とし、詳細にはフォトニック格子を使用する電磁放射増幅器を対象とする。
【背景技術】
【0002】
如何なる伝送媒体中を伝わる電磁放射も減衰を受ける。実際には、電磁放射が伝送媒体中を伝わる距離が長くなるほど放射損失が多くなる。電磁放射で符号化された情報を処理し伝送する計算及び通信システムは、伝送路に沿った地点で電磁放射の強さを増幅するか増大させることによってこの問題を回避する場合がある。電磁放射増幅器は、伝送路に沿った地点に配置して入射電磁放射の振幅を大きくすることができる装置である。図1は、電磁放射増幅器100の働きを示す。理想的には、増幅器100は、第1の平面波102によって表される入射電磁放射コヒーレントビームを受け取り、第2の平面波104によって表され、入射電磁放射コヒーレントビーム102より大きい振幅を有するより強い電磁放射コヒーレントビームを放射する。増幅された電磁放射コヒーレントビームは、入射電磁放射コヒーレントビーム102と実質的に同じ方向に伝播し、同じ波長λと位相を有する。
【0003】
増幅プロセスの一部として、電磁放射増幅器は、より高いエネルギー電子状態にポンピング又は励起される利得媒質を含む。利得媒質のポンピングは、一般に、外部レーザ源から放射された電磁放射又は電気信号を使用して達成される。利得媒質がポンピングされた後、入射コヒーレント電磁放射は、利得媒質内の電磁放射の放出を刺激する。この刺激された電磁放射は、入射電磁放射と同じ方向、波長及び固定位相の関係を有し、入射電磁放射と建設的に干渉して、増幅された電磁放射コヒーレントビームを生成する。
【0004】
よく使用される増幅器は、ドープファイバ増幅器である。代表的なドープファイバ増幅器の利得媒質は、原子がドープされた光ファイバコアで構成され、クラッド層によって取り囲まれている。外部レーザからのポンプ電磁放射が、原子をより高いエネルギー電子状態に励起する。増幅される入射電磁放射ビームは、コアを通して送られ、励起原子により実質的に同じ位相、波長及び方向を有する電磁放射の放出を刺激し、この励起原子は、建設的干渉によって増幅された電磁放射コヒーレントビームを生成する。コアは、ポンプ電磁放射と増幅電磁放射コヒーレントビームとを導く。一般に使用される電磁放射増幅器の別のタイプは、半導体増幅器である。半導体増幅器の利得媒質は、一般に、正ドープ半導体領域と負ドープ半導体領域の間にあるpn接合層を含む。増幅される入射電磁放射コヒーレントビームは、pn接合層に導かれ、入射電磁放射が、pn接合層内の電子ホール対を再結合させることによって生成される電磁放射の放出を刺激するときに増幅される。また、この電磁放射は、入射電磁放射と実質的に同じ位相、波長及び方向を有し、また建設的干渉によって増幅された電磁放射コヒーレントビームを発生させる。
【0005】
ドープ光ファイバ増幅器と半導体増幅器は、広範囲の周波数にわたる信号を増幅するように製造することができるが、これらの増幅器は、一般に、狭い範囲の周波数の電磁放射を、他の周波数で外乱を引き起こさずに選択的に増幅するように設計することはできない。更に、ドープファイバ増幅器は、一般に、大きすぎてマイクロスケール及びナノスケールの光学デバイスと結合できない。半導体増幅器はマイクロスケールで製造することができるが、半導体増幅器と光ファイバ間の構造的な違いにより、光ファイバを半導体増幅器のpn接合層と結合するのは困難である。物理学者と技術者は、特定の狭い周波数範囲の電磁放射コヒーレントビームを増幅することができ且つ様々なマイクロスケール及びナノスケール光学デバイス内で実施するのに十分に小さい電磁放射増幅器の必要性を認識してきた。
【発明の概要】
【0006】
本発明の様々な実施形態は、フォトニック格子を使用する電磁波増幅システムに関する。本発明の一実施形態では、電磁放射増幅システムは、フォトニック格子とポンプ源を含む。フォトニック格子は、入射電磁放射コヒーレントビームと結合するスラブ内の穴の平面的周期格子で構成される。ポンプ源は、フォトニック格子内の電子エネルギー状態を励起する電子的刺激を出力し、その結果、入射電磁放射コヒーレントビームは、入射電磁放射コヒーレントビームを増幅するコヒーレント電磁放射の放出を刺激する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】電磁放射増幅器の動作を示す図である。
【図2A】本発明の一実施形態を表わす第1の2次元フォトニック格子の等角図である。
【図2B】図2Aに示したフォトニック格子の単位セルを示す図である。
【図2C】図2Aに示したフォトニック格子の線2C−2Cで切断した断面図である。
【図3A】本発明の一実施形態を表わす第2の2次元フォトニック格子の等角図である。
【図3B】図3Aに示したフォトニック格子の単位セルを示す図である。
【図3C】図3Aに示したフォトニック格子の線3C−3Cで切断した断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態を表わす第3の2次元フォトニック格子の等角図である。
【図4B】図4Aに示したフォトニック格子の単位セルを示す図である。
【図5A】本発明の一実施形態を表わす第4の2次元フォトニック格子の等角図である。
【図5B】図5Aに示したフォトニック格子の単位セルを示す図である。
【図6】図2Aに示したフォトニック格子と入射電磁波の電界成分を示す図である。
【図7】定常状態の振動エネルギー分布と振動周波数の関係を示すグラフである。
【図8】2つの仮説的なフォトニック格子の2つの定常状態の振動エネルギー分布と振動周波数の関係を表すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態を表わす電磁放射増幅器の概略図である。
【図10】3準位ドーパントのエネルギー準位個体数分布を示す図である。
【図11】電子的刺激の印加後の3準位ドーパントのエネルギー準位個体数分布及びそれに対応するエネルギー準位図である。
【図12】電子的刺激の印加後の4準位ドーパントのエネルギー準位個体数分布及びそれに対応するエネルギー準位図である。
【図13】本発明の一実施形態を表わす第1の電磁放射増幅器を示す図である。
【図14A】例示的なフォトニック格子のシミュレーション結果を示す図である。
【図14B】例示的なフォトニック格子のシミュレーション結果を示す図である。
【図14C】例示的なフォトニック格子のシミュレーション結果を示す図である。
【図15】フォトニック格子の厚さの減少と関連して狭くなる増幅及び減衰を示す図である。
【図16A】本発明の一実施形態を表わす第2の電磁放射増幅器を示す図である。
【図16B】本発明の一実施形態を表わす図16Aに示した増幅器の線16B−16Bに沿って切断した断面図である。
【図17】本発明の一実施形態を表わす単一量子井戸を含む第1のフォトニック格子の断面図である。
【図18】本発明の一実施形態を表わす2つの量子井戸を含む第2のフォトニック格子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の様々な実施形態は、ある利得材料を含む誘電性フォトニック格子を使用する電磁放射増幅システムを対象とする。フォトニック格子内の共振を使用して、狭い周波数範囲の電磁放射コヒーレントビームを増幅することができる。フォトニック格子のフィーチャサイズと誘電率を調整することによって電磁放射利得を制御することができる。更に、フォトニック格子は、狭い周波数範囲以外の周波数を有する電磁放射を実質的に透過する。
【0009】
本発明の様々な実施形態を示すために使用される用語「フォトニック」は、ある電磁スペクトルにわたる波長を有する古典電磁波又は量子化された電磁波のいずれかを伝送するために使用できるデバイスを指す。換言すると、用語「フォトニック」は、本発明の実施形態を示すために使用されるとき、「光子」と呼ばれる電磁放射量子を伝送するためのデバイスに限定されずない。読者が本発明の様々な実施形態の説明を理解しやすくするために、フォトニック格子の概要を最初の節で説明する。本発明の様々なシステム及び方法の実施形態は、次の節で説明される。
【0010】
[フォトニック格子]
図2Aは、本発明の一実施形態を表わす2次元フォトニック格子200の等角図を示す。フォトニック格子200は、フォトニック格子200のxy平面内にある穴の格子を含むスラブ202からなる。格子の各穴は、スラブ200の厚さ又は高さtにわたる。例えば、穴204は、スラブ202の高さにわたる。図2Aに示したように、穴は、実質的に正方形の格子構成で配列される。図2Bは、本発明の一実施形態を表わすフォトニック格子200の単位セル206を示す。単位セル206は、格子定数aの実質的に正方形構成で配列された幅wをそれぞれ有する4つの実質的に正方形の穴208〜211を有する。図2Cは、本発明の一実施形態を表わすフォトニック格子200の断面図を示す。
【0011】
本発明の他の実施形態では、穴の格子は、異なる形状を有してもよい。図3Aは、本発明の一実施形態を表わす第2の2次元フォトニック格子300の等角図を示す。フォトニック格子300は、スラブ302のxy平面にある円形穴の格子を有するスラブ302を含む。格子の各穴は、穴304のようにフォトニック格子300の厚さ又は高さtにわたる。図3Bは、本発明の一実施形態を表わすフォトニック格子300の単位セル306を示す。単位セル306は、実質的にそれぞれ同じ半径rを有し且つ格子定数aの実質的に正方形構成で配列された4つの実質的に円形の穴308〜311からなる。図3Cは、本発明の一実施形態を表わすフォトニック格子300の断面図を示す。
【0012】
本発明の他の実施形態では、穴の格子は、様々な単位セル構成を有することができる。図4Aは、本発明の一実施形態を表わす第3の2次元フォトニック格子400の等角図を示す。フォトニック格子400は、実質的に三角形の単位セル構成で配列された実質的に正方形の穴を有するスラブ402を含む。図4Bは、本発明の一実施形態を表わす実質的に三角形構成で配列された実質的に正方形の3つの穴406〜408を有するフォトニック格子400の単位セル404を示す。図5Aは、本発明の一実施形態を表わす第4の2次元フォトニック格子500の等角図を示す。図5Bは、穴の格子を構成する実質的に円形の穴を有することを除き、フォトニック格子400と実質的に同一のフォトニック格子500の単位セル502を示す。
【0013】
本発明の様々な実施形態において、フォトニック格子スラブは、単一誘電体、半導体、又は半導体化合物で構成することができる。フォトニック格子スラブ用に選択される材料のタイプは、必要なフォトニック格子の寸法と構成、伝搬方向
【0014】
【数1】

【0015】
や偏光等の入射電磁放射ビームと関連したモードパラメータ、又は入射電磁放射ビームの周波数若しくは波長範囲に依存することがある。例えば、フォトニック格子スラブは、SiO2、SiN、又はSiやGe等の半導体で構成されてもよい。フォトニック格子スラブは、また、2成分、3成分又は4成分のII−VI又はIII−V半導体化合物から成ってもよい。例えば、フォトニック格子スラブは、ZnTe、CdSe若しくは両方のII−VI半導体化合物、又はGaAs、InP若しくは両方のIII−V半導体化合物で構成されてもよい。フォトニック格子スラブは、2つ以上の層で構成されてもよく、各層は、異なる材料で構成されてもよい。例えば、フォトニック格子スラブは、2つのAlGaAs層の間に挟まれたGaAsの単一層で構成されてもよい。フォトニック格子スラブは、分子線エピタキシ又は化学蒸着を使用して形成されてもよい。また、フォトニック格子が、リン光性染料をドープした有機材料で構成されてもよい。例えば、有機材料は、Pt(II)オクタエチルポルフィントリをドープしたトリ(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムでもよい。
【0016】
穴の格子は、多くの周知のリソグラフィ技術及びエッチング技術のうちの1つを使用してフォトニック格子内に形成されてもよい。例えば、穴の格子は、リアクティブイオンエッチング、集束イオンビームエッチング、化学的イオンビームエッチング、電子線リソグラフィ、フォトリソグラフィ、及びナノプリントリソグラフィを使用してスラブ内に形成されてもよく、これらは全て、当該技術分野で周知あり、必要な穴のサイズとスラブ材料に基づいて選択されてもよい。穴は、空気孔でもよく、フォトニック格子スラブと異なる誘電率を有する誘電体、半導体、又は半導体化合物から構成されてもよい。穴は、物理蒸着法又は化学蒸着法を使用して材料で満たされてもよい。
【0017】
以下の図面では、電磁波と電磁放射コヒーレントビームが電界成分だけで表わされることに注意されたい。その理由は、単一電磁波が、電界成分
【0018】
【数2】

【0019】
及び直角磁界成分
【0020】
【数3】

【0021】
の両方を含むが、磁界成分の振幅は、電界成分の振幅の1/cだけ小さく(cは、自由空間内の光速(c=3.0×108m/sec)を表わす)、電界成分は、物質との電磁波干渉のほとんどの割合を占めるからである。
【0022】
図6は、フォトニック格子200と、入射電磁波602の電界成分とを示す。図6では、軸604〜606は、それぞれデカルト座標軸
【0023】
【数4】

【0024】
を表わす。電磁波は、次のような関連波動ベクトルを有する。
【0025】
【数5】

【0026】
【数6】

【0027】
ここで、kは、入射電磁波602の波数であり、パラメータθ及びφは、電磁波の入射角である。入射電磁波は、一般に、フォトニック格子200を透過する。しかしながら、特定の偏光と波長λの入射電磁波ごとに、電磁波がフォトニック格子200を透過しない入射角θ及びφの関連対がある。代わりに、これらの電磁波は、フォトニック格子の格子構造と結合し、フォトニック格子のxy平面内に周波数共振モードを有する。例えば、フォトニック格子200に入射する特定の偏光と波長λ0を有する電磁波602を検討する。多数の入射角θ及びφに関して、フォトニック格子200は、入射電磁波602を透過する。しかしながら、入射電磁波がフォトニック格子200のxy平面内に共振周波数f0を有する1対の入射角θ0とφ0がある。換言すると、フォトニック格子200は、電磁波のブラッグ反射器として働き、フォトニック格子200は、波動ベクトル角度θ0とφ0を有するこの電磁波を透過しない。この共振現象は、入射電磁波602とフォトニック格子が対応できる電磁放射モードとの組み合わせの結果である。
【0028】
共振周波数又は、共振f0は、電磁波が最大振幅Amax又は振動エネルギーEmax
【0029】
【数7】

【0030】
で振動する周波数である。共振周波数f0は、誘電率ε、格子定数a、穴幅w、及び厚さtによって決定される。線質係数(“Q“)は、フォトニック格子の共振の鋭さを定量的に評価する1つの方法である。以下に、Q因子の簡単且つ一般的な説明を行い、また、どのようにQ因子を使用して振動系のエネルギー損失を定量的に特徴付けるかについて説明する。Q因子は、系が振動する周波数を系がエネルギーを失う速さと比較する。相対的に大きいQ因子は、系の共振周波数に対してエネルギー散逸の速さが遅いことを示す。一般に、Q因子は、次の式で表すことができる。
【0031】
【数8】

【0032】
ここで、Δfは、物理系の振動エネルギーが、f0の最大振動エネルギーEmaxの少なくとも半分である周波数範囲である。
【0033】
図7は、定常状態の振動エネルギー分布と振動周波数との関係を示すグラフである。水平線702は周波数軸であり、垂直線704は振動エネルギー軸であり、曲線706は、系の振動エネルギーを振動周波数の関数として表わし、共振周波数f0を中心とする正規分布である。曲線706の最大値708は、最大の振動エネルギーEmax又は振幅Amaxである。更に、曲線706の勾配の大きさは、系の振動周波数が共振周波数f0から放れるほど大きくなる。換言すると、系の振動周波数が共振周波数f0から離れるほど、系が利用できる振動エネルギーが少なくなる。
【0034】
次に、フォトニック格子と関連したQ因子に戻る。フォトニック格子のxy平面内で共振する電磁波の共振と関連したフォトニック格子Q因子は、スラブ厚さが小さくなるか、穴のサイズが小さくなるか、或いはスラブ誘電率εsと穴の誘電率εhの間の指数対照(εs−εh)が小さくなるほど大きくなる。大きなQ因子を有しフォトニック格子内で共振する電磁波は、関連した小さなQ因子を有する電磁波より大きな振幅又は多くの振動エネルギーで共鳴する。更に、小さいQ因子は、フォトニック格子内で共振する電磁波の共振の寿命が短いことを示し、大きいQ因子は、電磁波の共振がより長い期間フォトニック格子内に閉じ込められ続けることを示す。
【0035】
図8は、2つの仮説的なフォトニック格子と関連付けられた2つの定常状態の振動エネルギー曲線と振動周波数との関係を示す。第1のフォトニック格子と第2のフォトニック格子は、同一の誘電率εs及びεh、格子定数a、及び穴幅wを有する。しかしながら、第1のフォトニック格子の厚さは、第2のフォトニック格子の厚さより小さい。前述のフォトニック格子のQ因子の式によれば、第1のフォトニック格子と関連したQ因子は、第2のフォトニック格子と関連したQ因子より大きい。図8で、曲線802は、第1のフォトニック格子の振動エネルギー分布に対応し、曲線804は、第2のフォトニック格子の振動エネルギー分布に対応する。曲線802は、曲線804より幅が狭く、このことは、共振周波数f0を有する電磁波が、第1のフォトニック格子内で、第2のフォトニック格子内で共振する共振周波数f0の電磁波より大きい振動エネルギーで長い期間、共振し閉じ込められたままであることを示す。
【0036】
[本発明の実施形態]
図9は、本発明の一実施形態を表わす電磁放射増幅器900の概略図を示す。増幅器900は、ポンプ源902とフォトニック格子904を含む。フォトニック格子902は、ポンプ源902に結合され、ポンプ源902から電子的刺激と、電界成分906によって表わされる入射電磁放射コヒーレントビームを受け取る。入射コヒーレント電磁放射906の強度は、次の式で表すことができる。
【0037】
【数9】

【0038】
ここで、ε0は、自由空間の誘電率を表し、
cは、自由空間内の光速を表し、
E(f)は、入射電磁放射の電界の振幅を表わし、
fは、電磁放射の周波数を表わす。
【0039】
入射電磁放射コヒーレントビーム906が、フォトニック格子904の対応する電磁放射モードと結合するように、フォトニック格子904の格子定数a、スラブ材料の誘電率ε、穴幅w、及び厚さtをあらかじめ選択できるので、増幅器900は、周波数選択的コヒーレント増幅器である。電子的刺激は、フォトニック格子904内の電磁放射エミッタと結合して、電界成分908によって表わされる増幅された電磁放射コヒーレントビームを生成する。本発明の他の実施形態では、電磁放射エミッタは、ドーパント、量子井戸、量子ドット、又は別の適切な電磁放射材料でよい。増幅された電磁放射コヒーレントビーム908は、次の式で表わすことができる。
【0040】
【数10】

【0041】
ここで、g(f)は、フォトニック格子から放出される増大された振幅のコヒーレント電磁放射を表わす周波数依存の複素数値で表した透過率であり、|g(f)|は、共振が最も大きく且つ周波数がフォトニック格子の共振モードから離れるほど急速に無視できるようになる透過率である。フォトニック格子904から放出された増幅電磁放射コヒーレントビーム908は、より大きな振幅を有し、実質的に、電磁放射906の入射コヒーレントビームと同じ位相、偏光、周波数f0及び方向を有する。
【0042】
本発明の特定の実施形態では、フォトニック格子904は、1つ又は複数の異なるタイプのドーパント原子及び/又は電磁放射エミッタとして働く分子を含んでもよい。例えば、フォトニック格子904に適したドーパントの原子には、エルビウム、イッテルビウム、ツリウム、ネオジム、及びクロムがあるが、これはほんの一例である。フォトニック格子904のドーパントは、入射電磁放射コヒーレントビームの周波数に基づいて選択される。例えば、増幅される入射電磁放射コヒーレントビームの周波数が、約1550nmのときは、フォトニック格子ドーパントとしてエルビウム原子が選択されてもよく、その理由は、適切な電子的刺激がエルビウム原子に印加されたときに、そのような原子が、約1530〜約1625nmの周波数を有するコヒーレント電磁放射を放出するからである。
【0043】
ドーパントのかなりの割合を励起電子エネルギー状態に励起し、ドーパントの最低電子エネルギー状態を実質的に空のままにすることによって増幅を行うことができる。このプロセスは、「反転分布」と呼ばれ、次に図10から図12を参照して3準位ドーパントと4準位ドーパントに関して説明する。図10は、電子的刺激の印加前に3準位ドーパントがドープされたフォトニック格子のエネルギー準位個体数分布を示す。縦軸1002は電子エネルギーを表わし、横軸1004はドーパントの個体数を表わす。水平バー1006は、最低電子エネルギー(即ち、グランド)状態E0のドーパント数N0を表し、水平バー1007は、第1の励起電子エネルギー状態E1のドーパント数N1を表し、水平バー1008は、第2の励起電子エネルギー状態E2のドーパント数N2を表す。図10に示したように、ポンプ源902から電子的刺激が印加される前、任意の2つの電子エネルギー準位Ei及びEjの相対的電子エネルギー準位個体数は、次の式で与えられるボルツマンの原理に従う。
【0044】
【数11】

【0045】
ここで、kBは、ボルツマン定数(8.617x10-5eV/K)であり、Tは温度である。即ち、電気的刺激の印加前には、次のように、励起電子エネルギー状態のドーパントの数よりかなり多くのドーパントが基底電子状態にある。
【0046】
1+N2<<N0
【0047】
図11は、電子的刺激の印加後の図10に関して説明した単一フォトニック格子ドーパントのエネルギー準位個体数分布1102とそれに対応するエネルギー準位図1104を示す。エネルギー準位図1104に示したように、3準位ドーパントは電子的刺激を吸収し、それにより、ドーパントは、グランド電子エネルギー状態1107から第2の電子エネルギー状態1108に電子エネルギー遷移1106を行う。ドーパントは、比較的長い寿命(ミリ秒)の第1の電子エネルギー状態1110への自発的減衰1109まで、きわめて短期期間(ナノ秒)第2の電子エネルギー状態1108に留まる。ドーパントは、一般に、音波の放出等の非放射緩和過程によって、第2の電子エネルギー状態1108から第1の電子エネルギー状態1110に減衰する。より長い寿命の第1の電子エネルギー状態1110は、「準安定状態」と呼ばれる。エネルギー準位個体数分布1102は、電子的刺激が印加されている限り、ドーパントが長寿命の準安定状態1110のままでいることができるので、準安定状態1110N1のドーパント数は、基底状態1106N0(N0<<N1)のドーパント数よりはるかに大きいことを示し、これは「反転分布」と呼ばれる。
【0048】
幾つかのドーパントは、非放射緩和過程によって準安定状態1110から基底状態1107に遷移するが1112、多数のドーパントは、放射放出プロセスを介して遷移する1112。放射放出プロセスの2つは、自然放出と誘導放出である。ドーパントが準安定状態1110から基底状態1107に自発的に移行するときに自然放出が起こる。誘導放出は、入射電磁放射コヒーレントビームを構成する光子が、個々のドーパントを刺激して準安定状態1110から基底状態1107に遷移させ、同時に入射ビーム中のほとんど同一の複製である光子を放出する結果として起こる。両方の放射放出プロセスにおいて、準安定状態1110から基底状態1107に遷移する単一ドーパントによって放出される電磁放射のエネルギーは、次の通りである。
【0049】
1−E0=hf10
【0050】
ここで、f10は、放出される電磁放射の周波数である。誘導放出では、ドーパントは、放出された電磁放射の周波数f10が、入射電磁放射コヒーレントビームの周波数と実質的に一致するように選択される。電子的刺激がフォトニック格子904に印加されている限り、フォトニック格子内で放出された周波数f10を有する電磁放射は、実質的に同じ周波数f10を有するより多くの電磁放射の放出を刺激し続ける。
【0051】
図12は、電子的刺激の印加後の単一4準位ドーパントのエネルギー準位個体数分布1202とそれに対応するエネルギー準位図1204を示す。エネルギー準位図1204に示されたように、電子的刺激は、ドーパントの電子エネルギーを基底状態1207から第3の電子エネルギー状態1208に遷移させる1206。3準位ドーパントと同じように、4準位ドーパントは、非放射緩和過程によって準安定状態1210に自発的に減衰する1209までのきわめて短時間、第3の電子エネルギー状態1208に留まる。4準位ドーパントの場合、第1の励起状態1212は、個体数ボトルネックが起こるのを防ぐために、非放射又は放射手段1213によって基底状態1207まで素早く減衰しなければならない。次に、エネルギー準位個体数分布1202は、電子的刺激が印加されている限り、ドーパントが長寿命の準安定状態1210のまま留まることができるので、準安定状態1210 N2のドーパント数が、第1の励起状態1212N1のドーパント数より大きいことを示す。幾つかのドーパントは、自然放出によって準安定状態1210から第1の励起状態1212に遷移するが、より多くのドーパントは、入射電磁放射コヒーレントビームによって引き起こされた刺激によって同じ遷移を行う。ドーパントによって放出される電磁放射のエネルギーは、次の通りである。
【0052】
2−E1=hf21
【0053】
ここで、f21は、放出される電磁放射の周波数である。ドーパントは、周波数f21が入射電磁放射の周波数と一致するように選択される。次に、ドーパントは、別の非放射緩和過程によって基底状態1207まで急速に減衰する1213。フォトニック格子904に電子的刺激が印加されている限り、周波数f21で放出された電磁放射は、同じ周波数f21を有するより多くの電磁放射の放出を刺激し続けることができる。
【0054】
本発明の一実施形態では、ポンプ源902は、レーザ、LED、フラッシュランプ等の光ポンプ源でよい。図13は、本発明の一実施形態を表わす電磁放射増幅器1300を示す。増幅器1300は、レーザポンプ源1302とフォトニック格子1304を有する。増幅される入射電磁放射コヒーレントビーム1306は、特定の偏波及び波動ベクトル
【0055】
【数12】

【0056】
を有するフォトニック格子1304に入射する。フォトニック格子1304の格子定数a、スラブ材料の誘電率ε、穴幅w、及び厚さtは、入射電磁放射コヒーレントビーム1306が、図6から図8に関して前述したようにフォトニック格子1304の対応する共振モードと結合するようにあらかじめ選択される。また、フォトニック格子1304のスラブは、コヒーレント電磁放射1306と実質的に同じ周波数の電磁放射を放出することによってフォトニック格子の利得を生成するドーパントがドープされる。ドーパントは、図10〜図12に関して前述した3準位又は4準位ドーパントでよい。レーザポンプ源1302は、フォトニック格子1304のドーパントを電子的に刺激するのに十分な特定の周波数とエネルギーの電磁放射を放出し、その結果、フォトニック格子1304内で共振するコヒーレント電磁放射1306によってドーパントの誘導放出を行うことができる。方向矢印1308等の方向矢印は、フォトニック格子1304内で増大するコヒーレント電磁放射の循環を表わす。フォトニック格子内にコヒーレント電磁放射が増大した後、電磁放射コヒーレントビーム1310が、フォトニック格子1304の反対面から放出される。放出された電磁放射コヒーレントビーム1310は、より大きな振幅を有し、入射電磁放射コヒーレントビーム1306と実質的に同じ位相、偏光、周波数及び方向を有する。
【0057】
図14A〜図14Cは、例示的なフォトニック格子のシミュレーション結果を示す。フォトニック格子は、1.2〜0.001iの誘電率、10nmの厚さt、0.5nmの正方形穴幅w、および1000nmの正方形格子定数aを有する。誘電率の負の虚数部分は、フォトニック格子の利得を示す。一連の周波数にわたる電磁波が、入射角θ及びφがゼロ、同じ偏光でフォトニック格子に入射する。図14A〜図14Cでは、水平軸は、k0a−2πの単位の振動周波数に対応する。図14Aは、周波数に対する入射電磁波の透過、反射及び吸収強度の曲線を示す。曲線1402は、透過率|g(f)|を表わし、点線1404は反射率を表わし、点線曲線1406はフォトニック格子の吸収率又は利得を表わす。反射率線1404は、周波数範囲にわたってゼロであり、このことは、一般に、入射コヒーレント電磁放射がフォトニック格子によって反射されないことを示す。透過率曲線1402が「1」の領域と吸収率曲線1406が「0」の領域は、フォトニック格子が、周波数範囲1408によって表された周波数の範囲外の周波数を有する電磁放射を透過することを示す。しかしながら、吸収率曲線1406の減衰部分1410は、フォトニック格子の対応する共振モードと結合する電磁放射結合により、フォトニック格子を透過する電磁放射の強度の低下を表わす。フォトニック格子内で利得が増大するとき、循環する電磁放射が増大し、同じ周波数範囲1408であるが透過曲線1402の非ゼロ増幅部分1412によって表わされる増幅透過強度で電磁放射を放出することによってフォトニック格子から放出される。共振(約−2)近くの電磁放射の透過強度が最大利得になることに注意されたい。図14Bは、フォトニック格子の表面における平均電界分布と周波数との関係を示す。図14Cは、フォトニック格子の表面における電界強度分布と周波数との関係を示す。曲線1414及び1416は、電界成分の周波数が範囲1408内の対応する周波数を有することを示す。
【0058】
フォトニック格子と関連したQ因子は、厚さt、穴幅w、又は誘電率差(εs−εh)を小さくすることによって大きくされてもよい。図8を参照して前述したように、図14Aに示した増幅部分1412と減衰部分1410を狭める1つの方法は、フォトニック格子の厚さtを小さくすることである。図15は、フォトニック格子の小さい厚さtと関連した狭い増幅部分1502と狭い減衰部分1504を示す。また、小さい穴幅w及び(εs−εh)について類似の結果を予想することができる。
【0059】
本発明の別の実施形態では、ポンプ源によって提供される電子的刺激は、フォトニック格子に印加される電圧でよい。図16Aは、本発明の一実施形態を表わす電磁放射増幅器1600を示す。増幅器1600は、電圧源1602と、2つの電気接点1606と1608の間に挟まれたフォトニック格子1604とを有する。図16に示したように、電圧源1602は、電気接点1606及び1608と電気通信状態にある。電気接点1606及び1608は、インジウムスズ酸化物などの透明導体誘電性体料で構成されてもよく、或いは電気接点1606及び1608は、穴を有する導電性金属から構成されてもよく、それにより、フォトニック格子1604に入射電磁放射を透過させ、増幅された電磁放射をフォトニック格子1604から放出することができる。更に、電極からのスプリアス反射を最小にするための反射防止膜層を追加してもよい。
【0060】
図16Bは、本発明の一実施形態を表わす図16に示した増幅器1600の断面図を示す。増幅される第1の電磁放射コヒーレントビーム1610は、特定の偏光及び波動ベクトルでフォトニック格子に入射する。図6から図8に関して前述したように入射コヒーレント電磁放射1610が、フォトニック格子1604の対応する共振モードと結合するように、フォトニック格子1604の格子定数a、スラブ材料の誘電率ε、穴幅w、および厚さtは、あらかじめ選択される。また、フォトニック格子1604のスラブは、入射コヒーレント電磁放射1610と実質的に同じ周波数の電磁放射を放出する3準位又は4準位ドーパントがドープされてもよい。電圧源1602は、フォトニック格子1604のドーパントを電子的に刺激する電圧をフォトニック格子の両端に印加し、その結果、ドーパントのフォトニック格子1604内で共振するコヒーレント電磁放射1610によって誘導放出を行うことができる。方向矢印1612等の方向矢印は、フォトニック格子1604内で増大するコヒーレント電磁放射の循環を表わす。フォトニック格子内で増大するコヒーレント電磁放射は、実質的に入射電磁放射と同じ位相、偏光及び周波数を有する。コヒーレント電磁放射がフォトニック格子により増大した後、電磁放射1614の第2のコヒーレントビームが、フォトニック格子1604の反対面から放出される。放出される電磁放射コヒーレントビーム1614は、入射電磁放射コヒーレントビーム1610より大きい振幅と、実質的に同じ位相、偏光、周波数、及び方向を有する。
【0061】
本発明を特定の実施形態に関して説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。本発明の趣旨の範囲内の修正は当業者に明らかであろう。本発明の他の実施形態では、ドープされた誘電体又は半導体スラブを使用せずに、1つ又は複数の量子井戸、或いは1つ又は幾つかの量子ドット層からフォトニック格子を形成することができる。量子井戸は、自由電子とホールを閉じ込めて平面領域を占有し、半導体層間に形成されてもよいが、これに対して、量子ドットは、小さな半導体クラスタ内にキャリアを閉じ込める。例えば、図17は、本発明の一実施形態を表わす単一量子井戸を含む第1のフォトニック格子1702の断面図を示す。フォトニック格子1702は、第2の半導体層1706と第3の半導体層1708間に挟まれた第1の半導体層1704を有する。単一量子井戸は、第2と第3の半導体層1706及び1708の電子バンドギャップより小さい電子バンドギャップを有する第1の半導体層1704を選択することによって作成される。図18は、本発明の一実施形態を表わす2つの量子井戸を含む第2のフォトニック格子の断面図を示す。フォトニック格子1802は、3つの半導体層1808〜1810によって分離された第1の半導体層1804と第2の半導体層1806を有する。2つの量子井戸は、3つの半導体層1808〜1810の電子バンドギャップより小さい電子バンドギャップを有する第1及び第2の半導体層1804及び1806を選択することによって作成される。
【0062】
以上の説明は、説明のためものであり、本発明の完全な理解を提供するために特定の用語を使用した。しかしながら、本発明を実施するために特定の詳細が必要でないことは当業者に明らかであろう。本発明の特定の実施形態に関する以上の説明は、例示と説明のために提示される。これらの説明は、網羅的なものでもなく本発明を開示した厳密な形態に限定するものでもない。以上の教示を鑑みて多くの修正と変更が可能である。実施形態は、本発明の原理とその実際的応用例を最もよく説明するために示され説明され、これにより当業者は、本発明と様々な実施形態を、意図された特定の用途に適した様々な改良で最もよく利用することができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲とその均等物によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射電磁放射コヒーレントビームと結合するスラブ(202〜402)内の穴の平面的周期格子で構成されたフォトニック格子(200〜500)と、
前記入射電磁放射コヒーレントビームが、前記入射電磁放射コヒーレントビームを増幅するコヒーレント電磁放射の放出を刺激することができるように、前記フォトニック格子内の電子エネルギー状態を励起する電子的刺激を出力するように構成されたポンプ源(902,1302,1602)とを有することを特徴とする電磁放射増幅システム(900,1300,1600)。
【請求項2】
前記フォトニック格子が、
前記スラブに埋め込まれた1つ又は複数のドーパントと、
異なる誘電率を有する交互になった半導体層から構成された1つ又は複数の量子井戸(1700,1800)と、
量子ドットとのうちの1つをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スラブが、
誘電体と、
半導体と、
半導体化合物と、
二酸化ケイ素と、
窒化ケイ素と、
有機材料のうちの1つをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記穴の平面周期格子が、
正方形の単位セル(206,306)と、
三角形の単位セル(404,502)とのうちの1つをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記フォトニック格子は、前記フォトニック格子の一面に取り付けられた第1の導体(1606)と、前記フォトニック格子(1604)の反対面に取り付けられた第2の導体(1608)とをさらに有し、その結果、前記第1の導体と前記第2の導体が電圧源(1602)と電気通信状態になり、前記第1の導体と前記第2の導体は、前記フォトニック格子から第2のコヒーレント信号を放出できるようにする穴がパターン形成された実質的に透明な誘電導体又は金属電極であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプ源が、前記フォトニック格子を励起電子エネルギー状態に励起する周波数を有する電磁放射ビームを出力するように構成された光源(1302)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
光を増幅する方法であって、
スラブに穴の平面周期格子を有するフォトニック格子(200〜500)を形成し、
前記フォトニック格子をポンピングして前記スラブ材料をより高いエネルギー電子状態にし、
電磁放射コヒーレントビームを、前記穴の平面周期格子の平面から出る方向に前記フォトニック格子に入れ、その結果、前記電磁放射コヒーレントビームが、前記フォトニック格子と結合して前記電磁放射コヒーレントビームの増幅を行うことを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記フォトニック格子をポンピングすることは、
前記フォトニック格子の両端に電圧を印加し、その結果前記電圧によって前記絶縁材料がより高いエネルギー電子状態になるようにし、
前記スラブ材料をより高いエネルギー電子状態にする入射電磁放射ビームを印加するステップことのうちの1つをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フォトニック格子が、前記フォトニック格子の一面に取り付けられた第1の導体(1606)と、前記フォトニック格子(1604)の反対面に取り付けられた第2の導体(1608)とをさらに有し、その結果、前記第1の導体と前記第2の導体が、電圧源(1602)と電気通信状態になり、前記第1の導体と前記第2の導体が誘電導体であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記増幅された電磁放射コヒーレントビームは、前記入射電磁放射コヒーレントビームと実質的に同じ波長、位相及び方向を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−522428(P2010−522428A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554592(P2009−554592)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/003791
【国際公開番号】WO2008/115592
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】