説明

フォトニック結晶欠陥キャビティバイオセンサ

デバイスの中に周期的なパターンで形成された欠陥キャビティを有するフォトニック結晶の形態を有するバイオセンサが記述される。本発明は、これまでに報告されたフォトニック結晶バイオセンサデバイスよりも高い感度を提供し、より程度の大きなインカップルドフォトンの空間的局在を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、フォトニック結晶生化学センサデバイスに関する。このようなデバイスは、DNA、タンパク質、ウイルス、細胞などの生体物質または化学物質の、デバイス表面またはデバイス内部での吸着を光学的に検出するために使用される。より詳細には本発明は、デバイスの中に周期的なパターンで形成された欠陥キャビティ(defect cavity)を有するフォトニック結晶の形態を有するバイオセンサに関する。本発明は、これまでに報告されたフォトニック結晶バイオセンサデバイスよりも高い感度を提供し、より程度の大きなインカップルドフォトン(incoupled photon)の空間的局在を提供する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶
フォトニック結晶は、100nm未満の精度で正確に材料を付着させエッチングする能力を有する半導体製造ツールの最近の進歩によって可能となった新しいクラスの光デバイスである。フォトニック結晶は、低誘電率材料と高誘電率材料を交互に含む無限または半無限周期構造を特徴とする。原則としてフォトニック結晶構造は、1、2または3次元構造として延びることができる。フォトニック結晶の背景情報については、Joannopoulos,J.D.、R.D.Meade、and J.N.Winn、Photonic Crystals、1995 Princeton、NJ:Princeton University Pressを参照されたい。
【0003】
適当な製造方法の開発に加え、フォトニック結晶構造内での光の伝搬を操作する能力を有する諸構成要素の設計を容易にする正確なコンピュータモデリングツールも使用可能になっている。電子の伝導特性を決めるエネルギー帯の形成のもととなる半導体結晶内の原子の周期配置と同じように、このフォトニック結晶内の巨視的な誘電性媒質の周期配置も、電磁波の伝搬を制御するように設計される。このようなデバイスは、構造の周期が光の波長よりも短いので、しばしば「サブ波長面(sub−wavelength surface)」と呼ばれ、または、典型的な寸法が50〜300nmなので「ナノ構造面(nanostructured surface」と呼ばれる。フォトニック結晶設計原理を使用して、指定された方向および指定されたエネルギーの光の伝搬を効果的に妨げる一方で、所望の体積および表面への電磁界強度の集中を可能にする光エネルギー帯を有するデバイスを構築することができる。例えば、Munk,B.A.、Frequency Selective Surfaces.Wiley Interscience.2000:John Wiley & Sons、Pacradouni,V.、W.J.Mandeville、A.R.Cowan、P.Paddon、J.F.Young、and S.R.Johnson、Photonic band structure of dielectric membranes periodically textured in two dimensions.Physical Review B、2000.62(7):p.4204−4207を参照されたい。
【0004】
オプトエレクトロニクス分野におけるフォトニック結晶構造の応用は非常に多くあり、これには、レーザと統合して自然放出を抑制しまたは自然放出を促進すること、ウェーブガイド角度ステアリング(steering)デバイス、狭帯域光フィルタなどが含まれる。例えば、Quang,T.、M.Woldeyohannes、S.John、and G.S.Agarwal、Coherent control of spontaneous emission.Physical Review Letters、1997.79(26):p.5238−5241、Liu,Z.S.、S.Tibuleac、D.Shin、P.P.Young、and R.Magnusson、High efficiency guided−mode resonance filter.Optics Letters、1998.23(19):p.1556−1558、Peng,S.、Experimental demonstration of resonant anomalies in diffraction from two−dimensional gratings.Optics Letters、G.Michael Morris.21(8):p.549−551、Magnusson,R.and S.S.Wang、New principle for optical filters.Applied Physics Letters、1992.61(9):p.1022−1024を参照されたい。いくつかのデバイス応用は、非常に高い局所電磁界強度の非常に小さな体積に光を集中させることができるフォトニック結晶構造の幾何学配置の能力を利用する。
【0005】
欠陥キャビティフォトニック結晶は、Qを高め、高電磁界強度の領域を空間的に局在化させるその能力に関して文献に広く報告されている。John,S.、Strong localization of photons in certain disordered dielectric superlattices.Physical Review Letters、1987.58(23):p.2486−2489、Scherer,A.、T.Yoshie、M.Loncar、J.Vuckovic、K.Okamoto、and D.Deppe、Photonic crystal nanocavities for efficient light confinement and emission.Journal of the Korean Physical Society、2003.42:p.768−773、Srinvasan,K.、P.E.Barclay、O.Painter、J.Chen、A.Y.Cho、and C.Gmachi、Experimental demonstration of a high quality factor photonic crystal microcavity.Applied Physics Letters、2003.83(10):p.1915−1917、Painter,O.、K.Srinivasan、J.D.O’Brien、A.Scherer、and P.D.Dapkus、Tailoring of the resonant mode properties of optical nanocavities in two−dimensional photonic crystal slab waveguides.Journal of Optics A:Pure and Applied Optics、2001.3:p.S161−S170、およびJohn,S.and V.I.Rupasov、Multiphoton localization and propagating quantum gap solitons in a frequency gap medium.Physical Review Letters、1997.79(5):p.821−824。フォトニック結晶内の欠陥キャビティの周期的なアレイは、Altug,H.and J.Vuckovic、Two−dimensional coupled photonic crystal resonator arrays.Applied Physics Letters、2004.84(2):p.161−163に報告されている。
【0006】
フォトニック結晶バイオセンサ
フォトニック結晶のいくつかの特性は、フォトニック結晶を、光バイオセンサとして応用する理想的な候補にした。第1に、フォトニック結晶の反射率/透過率は、タンパク質、DNA、細胞、ウイルス粒子、細菌などの生体物質の吸着によって容易に操作され得る。これらのタイプの物質はそれぞれ、それらの有限の誘電率によってそれらを通過する光の光路長を変化させる能力を証明した。第2に、フォトニック結晶の反射/透過スペクトルは非常に細くなり、このことは、単純な照明および検出装置を使用して、生化学的な結合によるフォトニック結晶の光学特性のシフトを高分解能で決定することを可能にする。第3に、フォトニック結晶構造は、電磁界の伝搬を高度に局在化させるように設計することができ、そのため、単一のフォトニック結晶表面を使用して、3〜5ミクロン未満以内の近傍の領域間の光学干渉を起こすことなく、多数の生化学的結合事象の測定を並列にサポートすることができる。最後に、広範囲の材料および製造方法を使用して、高い表面/体積比と、生化学的試験試料と接触した領域に電磁界強度を集中させる能力とを有する実用的なフォトニック結晶デバイスを構築することができる。これらの材料および製造方法は、プラスチックベースの材料を使用した大量生産を最適化し、または半導体材料を使用した高感度性能を最適化するように選択することができる。
【0007】
従来技術のバイオセンサの代表的な例が、Cunningham,B.T.、P.Li、B.Lin、and J.Pepper、Colorimetric resonant reflection as a direct biochemical assay technique.Sensors and Actuators B、2002.81:p.316−328、Cunningham,B.T.、J.Qiu、P.Li、J.Pepper、and B.Hugh、A plastic colorimetric resonant optical biosensor for multiparallel detection of label−free biochemical interactions、Sensors and Actuators B、2002.85:p.219−226、Haes,A.J.and R.P.V.Duyne、A Nanoscale Optical Biosensor:Sensitivity and Selectivity of an Approach Based on the Localized Surface Plasmon Resonance Spectroscopy of Triangular Silver Nanoparticles.Journal of the American Chemical Society、2002.124:p.10596−10604に開示されている。
【0008】
他の無標識(label−free)バイオセンサ技法が、フォトニック結晶バイオセンサのこれらの複合的な利点を超えることはないかもしれない。感度がよく小型でコストが安く高度に並列的(parallel)なバイオセンサ、および単純かつ小型で耐久性のある機器を開発することによって、医薬品発見、診断検査、環境試験および食品安全分野の、過去において経済的に実行不可能であった応用にバイオセンサを応用することが可能になる。
【0009】
フォトニックバンドギャップデバイスをバイオセンサとして機能するように適合させるためには、その構造のある部分が液体試験試料と接触していなければならない。フォトニック結晶のその部分に、生体分子、細胞、タンパク質または他の物質が導入され、吸着し、そこでは、局所的に閉じ込められた電磁界強度が最大である。その結果、結晶中への光の共振結合が変更され、反射/透過出力(すなわちピーク波長)が調整、すなわちシフトされる。反射出力のシフトの量は、センサ上に存在する物質の量に関係する。これらのセンサは、偏光をセンサに導き、反射光または透過光を捕捉する照明/検出機器とともに使用される。この反射光または透過光は、ピーク波長のシフトを測定する分光計(spectrometer)に供給される。
【0010】
さらに、高品質係数(Q;quality factor)共振光結合、高い電磁エネルギー密度および狭い範囲への光の閉込めを提供するフォトニック結晶の能力を利用して、非常に高感度の生化学センサを生み出すことができる。ここで、Qは、共振周波数におけるピーク波長の鮮鋭度の尺度である。フォトニック結晶バイオセンサは、液体試験試料が周期的な格子に浸透することができるように、また、生体分子または細胞の付着による結晶の表面誘電率の変化によって共振光結合状態を調整するように設計される。共振の高Q、および結合された電磁界と表面に結合した物質との間の強い相互作用のため、報告された最も感度が高いバイオセンサデバイスのいくつかはフォトニック結晶に由来する。先に引用したCunningham他の文献を参照されたい。このようなデバイスは、200ダルトン(Da)未満の分子量を有する分子を高い信号−雑音マージンで検出し、個々の細胞を検出する能力を証明した。フォトニック結晶内で共振結合した光を空間的に効果的に閉じ込めることができるため、フォトニック結晶の表面は、互いから約10μm以内の近隣の領域を独立に測定することができる場合、アレイ形式の多数の同時生化学アッセイをサポートすることができる。Li,P.、B.Lin、J.Gerstenmaier、and B.T.Cunningham、A new method for label−free imaging of biomolecular interactions.Sensors and Actuators B、2003を参照されたい。
【0011】
フォトニック結晶構造に基づくバイオセンサには多くの実用上の利点がある。蛍光団、放射性リガンドまたは2次リポータを使用しない生化学的結合および細胞結合の直接検出は、分子の立体配座に対する標識の影響、活性な結合性エピトープのブロッキング、立体障害、標識化部位に接近できないこと、またはある実験においてすべての分子に対して等しく機能する適当な標識を見つけることができないことによって引き起こされる実験の不確実性を排除する。無標識検出法は、アッセイの開発のために必要な時間および労力を大幅に節約し、消光、保管寿命および背景蛍光に起因する実験アーチファクトを排除する。他の無標識光バイオセンサに比べて、フォトニック結晶は、(電球、LEDなどの)広帯域光源を用いた垂直入射で単純に照らし、反射色のシフトを測定することによって、容易に調べられる。この単純な励起/読取り方式は、実験室機器、ならびにポイント・オブ・ケア医療診断や環境モニタリングのための携帯可能なハンドヘルドシステムで使用するのに適したコストが安く小型で丈夫なシステムを可能にする。フォトニック結晶自体は電力を消費しないため、このデバイスは、様々な液体または気体サンプリングシステムの中に容易に埋め込まれ、または、1台の照明/検出ベースステーションがある建物内の数千のセンサの状態を追跡することができる光ネットワークの文脈の中に配置される。フォトニック結晶バイオセンサは、多種多様な材料および方法を使用して製造することができるが、連続フィルムシート上で実行することができるプラスチックベースのプロセスを使用して高感度構造が得られることが証明された。プラスチックベースの設計および製造方法は、他の光バイオセンサを使用して以前には経済的に実行不可能であった、低コスト/アッセイが求められる応用において、フォトニック結晶バイオセンサを使用することを可能にする。
【0012】
本発明の譲受人は、第1世代のフォトニック結晶バイオセンサおよび関連検出機器を開発した。このセンサおよび検出機器は特許文献に記載されている。米国特許出願公開第2003/0027327、2002/0127565、2003/0059855および2003/0032039号明細書を参照されたい。ピーク共振波長のシフトを検出するための方法は、米国特許出願公開第2003/0077660号明細書に教示されている。これらの文献に記載されたバイオセンサは、連続したプラスチックフィルムシート上に製作された1次元および2次元の周期的な構造表面を含む。結晶の共振波長は、0.5ピコメートルの波長分解能を得るために分光計を用いて垂直入射のピーク反射率を測定することによって決定される。その結果達成される(3次元ヒドロゲル表面ケミストリなしで得られた)1pg/mm2未満の質量検出感度は、他の市販のバイオセンサによってまだ実証されていない。
【0013】
第1世代のフォトニック結晶バイオセンサデバイスの基本的な利点は、プラスチック材料から、速度1〜2フィート/分の連続プロセスで大量生産することができることである。これらのセンサの大量生産の方法は、米国特許出願公開第2003/0017581号明細書に開示されている。図1に示すように、バイオセンサ10の周期的な表面構造は、高屈折率材料14の薄いフィルムでコーティングされた低屈折率材料12から作られる。低屈折率材料12は基板16に接合されている。この表面構造は、ポリエステル基板16上での連続フィルムプロセスを使用して、シリコンウェハ「マスタ」型(すなわち複製された所望の構造のネガ)から、硬化したエポキシ層12の中に複製される。液体エポキシ12はマスタ格子の形状に従い、続いて紫外光での露光によって硬化する。硬化したエポキシ12はポリエステル基板シート16に優先的に接着し、これがシリコンウェハから剥がされる。硬化したエポキシ12の格子表面に、厚さ120nmの酸化チタン(TiO2)の高屈折率材料14をスパッタ付着させることによってセンサ製造を完了させた。酸化チタン付着の後、センサシートから3×5インチのマイクロプレート切片を切り出し、無底の96ウェルおよび384ウェルマイクロタイタープレートの底にエポキシ樹脂で貼り付けた。
【0014】
図2に示すように、マイクロタイタープレートのウェルを画定するウェル20は液体試料22を含む。この無底マイクロプレートとバイオセンサ構造10の組合せは、ひとまとめにしてバイオセンサ装置26として示されている。この方法を使用すると、フォトニック結晶センサは、平方ヤードベースで、非常に安いコストで大量生産される。
【0015】
フォトニック結晶バイオセンサ用の第1世代の検出機器は単純で安価であり、消費電力が低く丈夫である。このシステムの概略図を図2に示す。反射された共振を検出するため、白色光源が、直径100マイクロメートルの光ファイバ32およびコリメーティングレンズ34を通して、公称垂直入射で、マイクロプレートの底から、センサ表面の直径約1mmの領域を照らす。分光計38を用いた分析に必要な反射光を集めるため、照明ファイバ32に検出ファイバ36が1つに束ねられる。マイクロプレートの1つの列の8つのすべてのウェルから反射スペクトルが一度に集められるように、一連の8つの照明/検出ヘッド40が直線的に配置される。図3を参照する。マイクロプレート+バイオセンサ10は、X−Yアドレス指定可能な移動ステージ(図2には示されていない)上に位置し、そのため、マイクロプレート内のそれぞれのウェル列を順番にアドレス指定することができる。この機器は、移動ステージの速度によって制限され、96個のすべてのウェルを約15秒で測定する。図2および3のシステムの構造に関する詳細はさらに、米国特許出願公開第2003/0059855号明細書に記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、従来技術において知られているフォトニック結晶および測色(colorimetric)バイオセンサのさらなる改良および向上を提供する。フォトニック結晶バイオセンサの構造面を設計するのに、先に参照した特許出願公開に開示されているように規則的な繰返し周期構造を使用する代わりに、本発明は、単位セルのアレイの形態のフォトニック結晶バイオセンサを提供する。センサの規則的な繰返し周期構造の中に欠陥が導入される。これらの欠陥はセンサ設計に意図的に導入され、一般に1単位セルにつき1つ導入され、その局所誘電率が周囲の領域よりも高い領域からなる。これらの欠陥は、欠陥から離れた領域に比べて高い電磁界密度の領域を局所的に(欠陥の付近に)集中される。フォトニック結晶バイオセンサ内に欠陥を使用することはこれまで報告されていない。
【0017】
より具体的には、2次元単位セルのアレイからなり、単位セルがそれぞれ、基板と、規則的な繰返しパターンで配置された多数の一段高い部分とを有し、一段高い部分が、隣接するボイド部分によって互いから分離されている、欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサが提供される。一段高い部分は、水の屈折率よりも大きい比較的に高い屈折率n1を有する材料から作られている。単位セルはそれぞれさらに、隣接するボイドによって分離された一段高い部分からなる規則的な繰返しパターンが変更された欠陥を含み、この変更は、欠陥のところで、1つまたは複数のボイドの空間を、比較的に高い屈折率nlを有する材料が占めるように行われている。この欠陥では、フォトニック結晶に入射した共振周波数の光に応答して、欠陥の領域に、局在化された最大の電磁界強度が生み出される。使用時、試験対象の試料を含む流体がフォトニック結晶の上に置かれ、これが、欠陥を取り囲むボイド部分の中に含まれ、またはこの部分に吸着される。
【0018】
好ましい実施形態では、このアレイに隣接して、複数の単位セルと位置がそろった複数の開口を有する試料保持構造物が置かれ、この構造物の開口には生体試料または化学試料が導入され、これらの試料は、単位セルの欠陥キャビティに近接したアレイによって吸着される。このような試料保持構造物の一例は、前述のマイクロタイタープレートである。
【0019】
本明細書に開示した欠陥キャビティを含まない従来技術バイオセンサに比べて有利な点は、表面電磁界と試験試料の間の高い相互作用による潜在的に高い感度、高い忠実度で追跡することができる幅の狭い共振ピークによる検出システムの良好な分解能、およびインカップルドフォトンの横方向の伝搬距離を3ミクロン未満に潜在的に制限することによる高い空間解像度である。
【0020】
本発明は、他の方法で可能であるよりも小さな分子量、低い生化学的結合親和力および低い濃度の分析物を検出することができる無標識バイオセンサ検出システムの開発を可能にするため、当技術分野の重大な進歩である。示された実施形態に従って作られたセンサは、より鋭い共振ピーク(より高いQ)と、欠陥キャビティの領域での電磁界エネルギーのより大きな局所集中とを提供し、これらはともに、より大きな感度を有するセンサを生み出すのに役立つ。本発明によって可能になるこの高感度の方法は、医薬品のスクリーニング、診断検査、環境モニタリングシステムなどの商業応用において切望されているものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ここでは、センサのQおよび感度を向上させる欠陥キャビティを有するフォトニック結晶バイオセンサについて説明する。このようなバイオセンサの例は後に図5A、6Aおよび7の例に関連して説明される。このセンサは、2次元単位セルのアレイとして形成され、単位セルはそれぞれ、基板と、規則的な繰返しパターンで配置された多数の一段高い部分(raised portion)とを有し、この一段高い部分は、隣接するボイド(void)部分によって互いから分離されている。この一段高い部分は、水の屈折率よりも大きな比較的に高い屈折率n1を有する材料から作られる。可能な1つの実施形態では、図5Aに示すように、一段高い部分58と隣接するボイド領域すなわち低い領域59とからなる基板パターンの上に高屈折率材料52がスパッタ付着される。
【0022】
単位セルはそれぞれ、隣接するボイドによって分離された一段高い部分からなる規則的な繰返しパターンが変更された欠陥を含み、この変更は、欠陥のところで、1つまたは複数のボイドの空間を、比較的に高い屈折率n1を有する材料が占めるように行われている。これは例えば図5Aから理解することができ、この図では欠陥56が、単位セルの中心に、ボイド領域すなわち低い領域のない部分を含む(一段高い部分と隣接するボイド部分からなる規則的な方形波パターン中に3つの連続する一段高い部分がある)。
【0023】
この欠陥の領域では、フォトニック結晶に入射した共振周波数の光に応答して、局在化された最大の電磁界強度が生み出される。この特性を図5Bおよび6Bに示し、後に詳細に論じる。
【0024】
使用時、試験対象の試料を含む流体がフォトニック結晶の上に置かれ、これが、センサ表面のすぐ上の空間のボイド部分の中に含まれる。図2、3または図8〜11に示した装置などの検出装置は、センサ表面のすぐ上の媒質の屈折率の変化による共振周波数のピーク波長値のシフトを検出する。このピーク波長値のシフトは、背景技術のセクションで引用した文献に報告されているように、屈折率の変化によって、試料の内容物についての情報を提供する。
【0025】
したがって、本発明の一原理態様では、フォトニック結晶格子内の共振キャビティが、意図的に導入された局所的な欠陥領域から形成され、欠陥の誘電率が周囲の非欠陥領域の誘電率よりも高い。欠陥キャビティは、(例えば図5Aに示されているような)2D格子の穴の省略によって、または1D格子の線の省略によって、または次第に低下する格子デューティサイクル(tapered lattice duty cycle)として、導入することができる。図6Aに、Si基板の中に形成された穴70からなる六角形の配置の中心に欠陥76がある可能な1つの実施形態を示す。この実施形態では中心の穴が省かれており、中心を取り囲む穴74が中心から離れた穴よりも小さい。当然ながら、他の欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサ構成も可能である。
【0026】
光マイクロキャビティは一般に鍵となる2つの量、すなわち(ピーク波長値の変化をそのピークの半値全幅で割ることによって計算される)その光キャビティモードの光子寿命の尺度であるQ(quality factor)と、そのモードの空間的広がりおよびエネルギー密度の尺度であるモーダルボリューム(Veff)とによって特徴づけられる。第1世代のフォトニック結晶バイオセンサは、約1000のQおよび約3〜5μmの横方向光子伝搬距離を示すが、コンピュータモデリングを使用した欠陥キャビティ構造は、約40,000のQを示し、キャビティ閉込めは半波長の理論的限界に近づく。フォトニック結晶バイオセンサにおいて、Qの増大は、反射される共振スペクトルの幅の低下をもたらし、反射される共振ペクトルの幅の低下は、より小さな共振波長シフトを分解できる能力をもたらす。さらに、約500nmまでの光子の横方向の伝搬距離の制限は、結合像を得るための約10倍に向上した空間分解能を可能にする。向上した空間分解能を使用して、直径10μmのマイクロアレイスポットを効果的に画像化することができる規模まで、マイクロアレイの密度を増大させることができる。本発明によって可能になる、500×500nmスポットから結合を測定できる能力はさらに、アッセイの小型化に直接につながるという重要な含意を有する。サブマイクロメートルの精度でサブナノリットルの容積の試薬を分配する能力を有するマイクロ/ナノフルイディック制御システムが現在開発中である。小型化されたアッセイと組み合わせられたこのような制御システムの使用によって、図8〜11の装置またはその変更を使用して多数の試料を短時間で試験しまたはスクリーニングすることができるようになる。
【0027】
フォトニック結晶バイオセンサの欠陥キャビティ構造を利用するためには、欠陥キャビティの周期的なアレイを、バイオセンサの表面全体を覆うアレイ(センサの表面に接合された無底3×5インチマイクロプレート、1×3インチマイクロアレイなど)として製作することが好ましい。欠陥キャビティの周期的なアレイに関する追加の情報がAltug,H.and J.Vuckovic、Two−dimensional coupled photonic crystal resonator arrays.Applied Physics Letters、2004.84(2):p.161−163に出ている。バイオセンサの欠陥キャビティ構造を設計しシミュレートするのには、時間領域差分(FDTD:finite difference time domain)コンピュータモデリング法を使用することが好ましい。FDTDモデリングは、共振波長、共振ピーク幅、偏光依存、Veffおよび感度を予測する効果的な方法であることが示されている。
【0028】
無欠陥キャビティバイオセンサの例およびその比較
導波モード共振フィルタ(GMRF:guided mode resonant filter)バイオセンサ(1D表面フォトニック結晶の一例)、例えば先に引用した従来技術の公開出願に記載されているバイオセンサを構築し、測定し、コンピュータモデリングする過程で、本発明の発明者は、表面電磁界強度と表面に吸着した生体物質に対する感度との間の関係をより十分に理解した。具体的には、任意のデバイス構造内の電磁界の分布を可視化することができ、さらに共振波長でのインカップルドフォトンの横方向の伝搬の広がりを決定することができる時間領域差分(FDTD)コンピュータモデリング法を使用した。
【0029】
時間領域差分(FDTD)コンピュータ解析を使用して、欠陥のないフォトニック結晶(PC)バイオセンサ構造の性能を、欠陥キャビティフォトニック結晶(DCPC)バイオセンサと比較した。FDTDは、任意の物理構造と電磁放射の間の相互作用を決定する正確な方法である。この方法は、モデル化する物理構造を、既知の誘電率を有する材料からなる2次元または3次元の物体として表すことを含む。この物理構造は、体積要素の微細なメッシュに分割され、それぞれの体積要素は、その個々の誘電特性によって記述される。この物理構造を、任意の起源、向き、偏光および強度を有する短い光パルスで照らすことができる。FDTDはマクスウェルの方程式を解いて、この物理構造の中を光パルスがどのように伝搬するのかを表すほぼ正確な表現を決定する。この光パルスは、独立した多くの別個のシヌソイド関数のフーリエ変換として表現することができるため、FDTDは、この物理構造の周波数(同じことだがまたは波長)透過/反射特性を決定することができる。FDTDはさらに、任意の電磁界成分および任意の波長について、この物理構造の内部および周囲の電磁界強度の空間マップを決定することができる。1つまたは複数の方向に誘電率が周期的に繰り返すパターンを有するフォトニック結晶などの物理構造に関して、FDTDは、その構造の1つの「単位セル」のシミュレーションだけが可能であり、周期的境界条件が適用される。周期的境界条件シミュレーションの結果は、単位セルが無限に広がると仮定される場合に、電磁界特性の正確な決定を提供する。
【0030】
この作業では、市販のソフトウェアパッケージ(Lumerical Solutions,Inc.社(Suite 405−238 Alvin Narod Mews、Vancouver British Columbia、Canada V6B 5Z3)製)をパーソナルコンピュータ上で実行した。最初に、Cunningham,B.T.、J.Qiu、P.Li、J.Pepper、and B.Hugh、A plastic colorimetric resonant optical biosensor for multiparallel detection of label−free biochemical interactions.Sensors and Actuators B、2002.85:p.219−226に記載されている設計の1次元直線フォトニック結晶バイオセンサをシミュレートした。次に、欠陥キャビティが導入された同じ構造をシミュレートした。
【0031】
欠陥のないPCの構造を図4Aに示す。この構造は、一段高い領域58と隣接するボイド領域すなわち低い領域59との繰返し方形波パターンからなる。紙面に垂直(z方向)に延び、x方向に無限に繰り返す直線格子(方形波)を有する低屈折率(n=1.5)誘電材料50。表面構造(一段高い部分58)の高さは170nmである。この低屈折率表面構造の高い領域および低い領域は、厚さ120nmのTiO2高屈折率材料52(n=2.25)で覆われている。構造の周期は500nmであり、高い領域と低い領域の幅は等しい。このFDTDモデルでは、15周期分の格子に相当する単位セル54が図4Aの枠によって示されている。この単位セルは格子構造の上および下の領域の一部を包含する。この構造のメッシュは、xおよびy方向に25nm刻みで分割される。PC構造の上方の領域は水試験試料(n=1.33)を表す。この構造は、1V/mの強度を有する無限(xz平面)TE偏光5fsecガウス型パルスを用いて、図2に本質的に示されているように下から照らされる。
【0032】
このPC構造に関して、FDTDは、共振結合の周波数を378.5THz(波長790nm)と決定した。共振波長におけるEx界成分の空間電磁界分布を図4Bに示す。周期的な表面構造のため、電磁界強度は予想どおり周期的なパターンに従い、最も高い電磁界の領域は図4Cに示すように構造の上面にある(格子の上面は図4Aの方形波の頂部と定義する)。図4Dに、格子の底面(図4Aの方形波の基部)の電磁界強度を示す。反射された波長スペクトルを図4E(n=1.33の曲線)に示す。センサと試験試料の相互作用は、「水」の屈折率をn=1.34に増大させてこのシミュレーションを繰り返すことによって決定される。このより高い水屈折率は、共振ピークをより高い波長へとシフトさせる。共振波長の変化を水屈折率の変化で割ったものとしてシフト係数(ShCoe:shift coefficient)を定義する(ShCoe=Δλp/Δn)。この構造ではシフト係数が125と決定され、この値は、実際のPCセンサで測定された値と矛盾しない。
【0033】
次に、欠陥キャビティフォトニック結晶(DCPC)構造をシミュレートした。図5Aの56に示すように方形波格子の1つの低い領域を高い領域に置き換えた他は、このDCPC構造は先のPC構造とまったく同じである。枠54で囲われた単位セルを使用して、PC格子7周期ごとに欠陥が繰り返され、その欠陥は単位セルのほぼ中心に位置する。この欠陥は本質的に、本来なら中心56)のボイドに存在したはずの低屈折率材料(水、n=1.33)を、より高い屈折率の材料(n=1.5、すなわち中心56の基板の一段高い部分、およびn=2.25、すなわち56の一段高い部分の上に付着された高屈折率材料)に置き換えるので、56の欠陥は、欠陥の周囲の領域、例えば61や63よりも高い屈折率を有する結晶領域を表す。
【0034】
図4AのPC構造で使用したものと同じシミュレーション条件を使用して、FDTDは、共振周波数を334.2THz(波長897nm)と決定した。この欠陥構造に対してより高い共振波長が予想されるのは、この欠陥構造が、水(n=1.33)をn=1.55およびn=2.25の材料に置き換えたことによって、欠陥のないPC構造(図4A)よりも高い正味の誘電率を有するためである。共振波長でのEx界成分の空間電磁界分布を図5Bに示す。この分布によれば、最も強い電磁界の領域は欠陥の近くに位置し(スポット60)、欠陥から離れるとより低いピーク界強度が得られる。上記と同じく、最も高い界強度は、図5Cおよび5Dに示すように、構造の露出した上面および下面で得られる(格子の上面および下面の定義は上記のとおりである)。格子の表面のすぐ上の領域の屈折率をn=1.33およびn=1.34としたときの図5Aのセンサの反射スペクトルを図5Eに示す。図5AのDCPC構造のシフト係数は134であることが分かった。図5Aに示すような小さな欠陥の導入によって、試験試料の「バルク」屈折率に対する感度の7%の向上が得られる。
【0035】
欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサの他の例
図6Aは、欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサ10の別の配置の単位セルの平面図である。センサ10は、2次元アレイとして配置された多数の単位セルを有するSiウェハ基板72からなり、単位セルの1つが図6Aに示されている。この単位セルはその中心に欠陥76を含む。一段高い部分と隣接するボイド領域すなわち低い領域とからなるこのパターンは、基板72にエッチングされた穴70の配置によって形成されており、中心76にあるはずの穴は省かれており、中心76を取り囲む穴74は中心から離れた穴よりも小さい。図6Cおよび6Dは、図6Aの線6C−6Cおよび6D−6Dに沿って切った図6Aの単位セルの断面図である。
【0036】
図6Bは、図6Aの単位セルのFDTDコンピュータモデルを使用することによって得られた、図6Aの単位セルの電磁界強度のXおよびY方向の2次元プロットである。フォトニック結晶格子(ここではシリコンウェハのエッチングされた穴のアレイとして示されている)内の欠陥は、欠陥を取り囲む領域の中に光子を局所的に閉じ込め、より高い共振器Qおよびより高い局所電磁界強度をもたらす。フォトニック結晶表面にこのような欠陥を有する図6Aの単位セル54のアレイは、フォトニック結晶バイオセンサの分解能および感度を増大させるための手段としてある。
【0037】
好ましい実施形態では図6Aの単位セルのアレイが、センサの表面に流体試料を含めるための手段を提供するマイクロアレイデバイスの底に接合される。このマイクロアレイ上の試料を保持するウェルは、構造、好ましくは行と列からなる構造を有し、検出機器は、それぞれのウェルを並行して読み取るために複数の照明および検出ヘッドを有することが好ましい。いくつかの実施形態では、マイクロアレイのウェル1つあたりに、ウェルのサイズおよび単位セルのサイズに応じた多数の単位セルが存在するが、ウェルおよび読取り/検出機器を小型化して、照明/検出ヘッド1つあたりに単位セルが数個または1つしかないようにすることもできることを理解されたい。さらに、本明細書に記載された任意の欠陥キャビティバイオセンサは(図2に示すように)下から、または上から照明するとすることができること、および基板の下から照明し、検出装置を基板の上に配置して、センサを通過した透過光を検出することもできることを理解されたい。
【0038】
図7に、フォトニック結晶の単位セル54が2次元市松模様パターンからなる他の実施形態を示す。この実施形態では、基板材料(例えばSi)が、エッチングされた立方体の穴80と隣接する立方体の一段高い部分82との繰返しパターを有する。一段高い部分82の高さ(同じことだがまたは隣接するエッチングされた穴の深さ)はすべて同じとすることができ、あるいは、単位セルの中心84に近づくにつれて穴が次第に浅くなる、次第に低下するデューティサイクル(tapered duty cycle)を有することもできる。中心部分84は、エッチングされた穴が完全に省かれた基板の部分からなり、その結果、中心領域84に、中心を取り囲むすぐ外側の領域よりも誘電率が相対的に高い領域が生じる。
【0039】
当然ながら、他の欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサ構成も可能である。他の実施形態の欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサの詳細設計は、本明細書に記載のFDTD技法を使用して得ることが好ましい。
【0040】
代表的な検出機器
バイオセンサを照らし、反射された放射を検出し、共振周波数におけるピーク波長を決定するための代表的な検出機器を図8〜11に示す。図8〜11の機器は、8列および12行のウェルを有する無底マイクロタイタープレートの底に貼り付けられたセンサとともに使用するように特に設計されたものである。他の実施形態のために、機器設計の変更、特に重要なシステム構成部品の小型化を実施することができることを理解されたい。
【0041】
検出機器100は、直線状に並んで配置された複数の照明/検出複式光ファイバヘッド40(図2)を含む。このような直線配置を利用することによって、複数の複式ヘッドがセンサの複数の表面位置を同時に照らし、次いでそれらを読むことができる。例えば、機器100では直線プローブ配置を利用して、マイクロタイタープレートの1行全体または1列全体を照らし、次いでそれらを読む。この好ましい実施形態ではそれぞれの複式プローブヘッドが2本の光ファイバを含む。第1のファイバは、白色光源に接続されて、小さな平行光スポットをセンサ表面に投射する。第2のファイバは反射された放射を反射し、それを分光計に供給する。1つの行の照明が終了した後、検出プローブとセンサ(マイクロタイタープレート)の間で相対移動がおこなわれ、センサの次の行または列が読まれる。このプロセスが、すべての行(または列)が読まれるまで続く。
【0042】
後に詳細に説明するように、この測定装置の一実施形態では、無底マイクロタイタープレートと貼り付けられたセンサ格子との組合せを含むバイオセンサが、直線移動ステージ上に置かれる。この直線移動ステージは、指定された直線走査方向にマイクロプレートを移動させる。マイクロタイタープレートがこの走査方向に移動されるときに、マイクロプレートのそれぞれの列が順番に照らされる。その結果生じる反射光が測定される。好ましい一実施形態では、従来の96ウェルマイクロタイタープレートの1回の走査は、照明し、その結果生じる反射スペクトルを測定するのに約15から30秒かかる。
【0043】
他の別の実施形態では、画像化装置が、画像化分光計を含む分光計ユニットを利用する。画像化分光計システムの1つの利点は、このような画像化システムが、ピーク波長値(PWV:peak wavelength value)を決定する時間を短縮することである。他の利点は、ある領域の生物学的結合を均一でない方法で調べることである。画像化分光計の使用は、米国特許出願公開第2003/0059855号明細書にさらに詳細に記載されている。この機器は分光計ユニットを含み、好ましくはこのユニットが、2次元電荷結合デバイス(CCD)カメラおよび回折格子を含む画像化分光計を含む。スポットごとのバイオセンサ共振信号を含む反射光は分光計ユニットの格子によって回折される。この回折は、照らされた領域内のそれぞれの点の空間的に分離された波長スペクトルを生み出す。この波長スペクトルは、走査方向を横切る方向に対応する第2の空間成分を有する。この第2の空間成分は、この横断方向に対応する離散部分に再分割される。
【0044】
例えば、画像化分光計が、512×2048個の画像化要素を含むCCDカメラを含む場合、照らしている線は、512個の画像化要素または画像化点に空間的に分離される。これらの512個の画像化要素または画像化点ごとに、CCDカメラの直交軸に沿って波長スペクトルが測定される。CCDカメラが512×2048個の画像化要素を含む場合、このCCDは2048個の波長データ点の分解能を有するであろう。この方法を使用して、センサの底面を横切る単一の「線」または画像化領域に対して、512個の点のPWVが決定される。約10ミクロンの空間分解能を一般に有する従来のCCD画像化カメラにおいて、1:1画像化システムは、センサ表面342のPWV値を分解能10ミクロンで分解することができる。センサの底面全体のPWV像を測定するためには、センサが画像化平面(走査方向)に沿って移動され、以降の線走査を使用してPWV像が構築される。
【0045】
図8〜11の実施形態は、図2および3の照明および検出機能を含む照明/検出機器を示す。図8に測定機器100の透視図を示す。機器100は、測定機器カバー452およびドア454を含む。本発明に基づくバイオセンサとして構成されたマイクロプレートウェルプレート(またはマイクロタイタープレート)456が、機器100の内部に組み込まれたインキュベータアセンブリ460の外側に引き出された位置に示されている。マイクロプレートウェルプレート456はマイクロウェルトレー458によって保持される。トレー458は、インキュベータアセンブリ460の前面に位置するドアウェイ453を通して、インキュベータアセンブリ460の外に延出することができる。インキュベータアセンブリ460は、マイクロウェルトレーの読取りおよび/または測定の間、使用者が定めた温度にトレー458を維持することを可能にする。
【0046】
好ましい一実施形態では、制御された温度でアッセイを実行するためにインキュベータアセンブリ460が使用され、このような制御された温度は一般に摂氏4から45度である。図9〜11に関して説明するとおり、コリメータアセンブリ708が、好ましくはインキュベータアセンブリ460の底部602の下に配置される。コリメータアセンブリ708は、マイクロタイターウェルの照明および波長測定時にトレー458の底面459を照らす。
【0047】
トレー458がインキュベータアセンブリ460の外に引き出された位置にある間に、マイクロタイタープレート456をトレー458の上に置き、またはトレー458から取り出すことができる。プレート456は、一組の位置合せ点(registration point)、ばねクリップまたは知られている他のタイプの固定手段によって、トレー458の中に保持することができる。図9では、プレート456をトレー458の中に保持するのにクリップ457が使用されている。
【0048】
検出/測定対象の生体物質を含む流体試料がマイクロタイタープレート456に装填された後、トレー458はインキュベータアセンブリ460の中へ運ばれる。次いで、処理、混合、加熱および/またはバイオセンサの読取りを、好ましくはコントローラボード588(図9参照)上の電子式マイクロプロセッサ制御装置(図示せず)の制御の下で開始することができる。
【0049】
トレー458がインキュベータアセンブリ460の中に引っ込んだ後、照明および読取りの間、トレー458は移動しない。マイクロタイタープレート456の読取りを実施するため、コリメータアセンブリ708は、プレート456の底面459に沿って入射する照明パターンを生み出す。機器100が、プレート456の1つのウェル行全体に沿って入射する光ビームを生み出すことが好ましい。
【0050】
機器100はあるいは、プレートの複数のウェルに同時に入射する複数の照明ビームを生み出す。複数のビームを含むこの照明パターンは、コリメータアセンブリ708の中に含まれる複式照明光ファイバプローブによって生み出される。このプローブの構造が図3に示されている。次いで、前述のとおり、コリメータアセンブリ708の中に含まれる同じ複数のプローブによって、バイオセンサの表面から反射された光を検出することができる。この反射光は次いで、分光計システム590によって分析される。
【0051】
インキュベータアセンブリ460は、インキュベータアセンブリの底構造に沿って複数の開口764を備える。図11から分かるように、インキュベータアセンブリの開口764は、プレート456がインキュベータアセンブリ460の中の読取り位置にあるときに、プレート456上のウェル位置657と概ね整列し、一致するように構成されている。例えば、マイクロウェルウェルプレート456上に96個のウェルがある場合、インキュベータアセンブリの底部602は96個の開口764を備える。これらの開口は、ウェルプレートのウェルと同じタイプのアレイ(例えば8行×12列)として構成される。これらの開口764は、コリメータアセンブリ708によって生み出された光が、照明プローブ709からウェルに届くための間隙を提供する。
【0052】
使用者がトレーおよびプレートに接近することを可能にするため、プレートトレー458は測定装置400から外へ延出する。マイクロプレートの処理を開始するために、装置400の中にトレー458を引っ込め、ドアカバー454を閉じることができる。このような処理には例えば、マイクロタイターウェルの中の液体を混合すること、配置された液体を所定の温度に加熱すること、マイクロプレート456を照明すること、および様々な反射照明パターンを処理することが含まれる。
【0053】
図9に、図8に示した機器100の様々な内部構成要素の透視図580を示す。図9に示すように、測定機器580の内部構成要素には、移動ステージアセンブリ560、ヒータコントローラユニット582、コントローラボードアセンブリ588および分光計ユニット590が含まれる。移動ステージアセンブリ560は、インキュベータアセンブリ460およびコリメータアセンブリ708を含む。ヒータコントローラユニット582、コントローラボードアセンブリ588、移動ステージアセンブリ560および分光計ユニット590はベースプレート592上に取り付けられる。マイクロプレートウェルトレー456は、インキュベータアセンブリ460の外に引き込まれた位置に示されている。
【0054】
ヒータコントローラユニット582は、インキュベータアセンブリ460に温度制御を提供する。コントローラボードアセンブリ588は、平行移動ステージ560およびトレー458のハンドリングに関係した混合制御および他の移動制御を含む機能制御を測定装置に提供する。
【0055】
分光計ユニット590はPWVデータを生み出すための適当な分光計を含む。分光計の設計は照明源によって異なる。
【0056】
図10に、図8および9に示した測定機器400の移動ステージアセンブリ560の透視図を示す。図11は、インキュベータアセンブリの頂部461(図9および10参照)が取り外された、図10の移動ステージアセンブリ560を示す。図10および11から分かるように、移動ステージアセンブリ560は、引っ込められた位置に配置されたマイクロウェルトレー458を含む。マイクロウェルトレー458は複数のウェル657を有し、読取りプロセスを開始するためにインキュベーションアセンブリ460の中に入る。
【0057】
マイクロウェルプレートトレー458は、インキュベータアセンブリ460の底部602の上面605に載せられる。マイクロタイタートレー456が96個のウェルを有する従来のマイクロタイタートレーである場合、インキュベータアセンブリ460の底部602は96個の穴を含むことが好ましい。マイクロウェルプレートトレー458は、インキュベータアセンブリ装置がマイクロウェルトレー458に含まれる開口(ウェル)と本質的に一致するように、インキュベータアセンブリ602の底部の上に配置される。あるいは底部602が、プレートの底部と一致する透明なセクションを含む。
【0058】
試料の照明および測定の間、マイクロウェルトレー458は、インキュベータアセンブリの底部602によって、インキュベータアセンブリ460の中に、動かないように保持されることが好ましい。照明および測定の間、コリメータアセンブリ708は動かないように保持され、ステップモータ606は、プレートを含むインキュベータアセンブリを直線方向「A」の方向に駆動する。インキュベータアセンブリ460が方向「A」に沿って駆動されるときに、コリメータアセンブリ708はマイクロタイタープレート456の底面459を照らす。その結果生じる反射照明パターンはコリメータアセンブリ708によって検出される。照明プロセス中の位置を決定するために、平行移動ステージアセンブリの一部としてホームポジションセンサ710が提供される。
【0059】
移動ステージアセンブリ760は、複数のエラストマー絶縁装置762を備える。この実施形態では、照明および読取り中の絶縁および騒音低減を提供するため、合計6つのエラストマー絶縁装置が使用される。
【0060】
図10および11から分かるように、コリメータアセンブリ708は、インキュベータ部分の底部602の底面603の下に配置される。コリメータアセンブリ708は複数の複式ファイバプローブヘッド709を含むことが好ましい。図10に示された実施形態では、コリメータアセンブリ708が8つの複式ファイバプローブヘッド709を含む。これらの複式ファイバプローブは、先に説明した光ファイバプローブと同様のプローブヘッド構成を有することができる。
【0061】
説明を容易にするため、図11には、インキュベータアセンブリ460のボトムプレート602だけが示されている。インキュベータアセンブリの底部602は複数の開口764を備える。マイクロウェルプレート456が、図11に示されているものなど、8×12のウェルアレイを含む場合には、インキュベータアセンブリの底部602も96個の開口からなる8×12の開口アレイを含むことが好ましい。これらの開口は本質的に、マイクロウェルプレート456上の96個のウェルと一致する。このようにすると、コリメータアセンブリ708によって生み出された平行白色光は、第1の表面603を通過し、インキュベータアセンブリの底部602に沿って伝搬し、インキュベータアセンブリの底部602の第2の表面すなわち上面605から出射する。この平行光は次いで、マイクロウェルプレート456のウェルの底部を照らすことができる。底部602はあるいは、プレートの底部と一致する透明なセクションを含むことができる。
【0062】
図10および11を参照すると、ウェルの走査時にインキュベータアセンブリを駆動するための駆動モータ606が提供されている。平行移動ステージ中の測定ストップとしてホームポジションセンサ710が提供される。プレートハンドリングステージはステップモータ702を使用してラックアンドピニオン機構を駆動し、この機器のドアの中および外へトレーを移動させる。走査ステージはステップモータ606を使用して、親ねじ(lead screw)559を平行移動ステージレール557、558に沿って駆動し、マイクロウェルプレート456とコリメータアセンブリ708の間の相対移動を提供する。
【0063】
ウェルの中の液体を混合するためにミキサアセンブリを使用することができる。本発明では混合機構が、平行移動ステージのインキュベーション室の間に位置する。さらに、混合機構を別の位置に提供することもできる。
【0064】
試料中の標的分子の結合を促進するため、Pepper他の米国特許出願第2003/0113766号明細書に記載されているように、センサの格子表面を化合物でコーティングすることができる。
【0065】
現時点の好ましい実施形態を詳細に説明したが、開示された実施形態に対して、本発明の範囲に含まれる変更が企図されることを当業者は理解されたい。本発明の範囲は添付の請求項への参照によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来技術のバイオセンサの1つの配置を示す図である。
【図2】従来技術のバイオセンサと、バイオセンサを照らしバイオセンサから反射された光のピーク波長のシフトを測定するための検出システムとを示す図である。
【図3】無底マイクロタイタープレートの底に貼り付けられた図1の構造を含むバイオセンサデバイスの1つのウェル行全体を読み取る8つの照明ヘッドの配置を示す図である。
【図4A】従来技術の2次元フォトニック結晶バイオセンサの単位セルの断面図である。
【図4B】図4Aの単位セルのFDTDコンピュータモデルを使用することによって得られた、図4Aの単位セルのXおよびY方向の電磁界強度の2次元プロットである。
【図4C】FDTDコンピュータモデルによって計算された、図4Aのセンサの格子の頂部の共振周波数における電磁界強度のX成分を、X方向の距離の関数として示したグラフである。
【図4D】FDTDコンピュータモデルによって計算された、図4Aのセンサの格子の底部の共振周波数における電磁界強度のX成分を、X方向の距離の関数として示したグラフである。
【図4E】反射された電磁界強度を波長の関数として示したグラフであって、バイオセンサに隣接した材料の屈折率n=1.33(バイオセンサのボイド領域に存在する水のシミュレーション)、およびバイオセンサに隣接した材料の屈折率n=1.34でのピーク波長を示すものであり、このグラフは、n=1.34ではピーク波長が右へシフトすることを明確に示している。
【図5A】単位セルの中心に欠陥を有する2次元フォトニック結晶バイオセンサの単位セルの断面図である。
【図5B】図5Aの単位セルのFDTDコンピュータモデルを使用することによって得られた、図5Aの単位セルのXおよびY方向の電磁界強度の2次元プロットである。
【図5C】FDTDコンピュータモデルによって計算された、図5Aのセンサの格子の頂部の共振周波数における電磁界強度のX成分を、X方向の距離の関数として示すグラフである。
【図5D】FDTDコンピュータモデルによって計算された、図5Aのセンサの格子の底部の共振周波数における電磁界強度のX成分を、X方向の距離の関数として示すグラフである。
【図5E】反射された電磁界強度を波長の関数として示すグラフであって、バイオセンサに隣接した材料の屈折率n=1.33(バイオセンサのボイド領域に存在する水のシミュレーション)、およびバイオセンサに隣接した材料の屈折率n=1.34でのピーク波長を示すものであり、このグラフは、n=1.34ではピーク波長が右へシフトすることを明確に示している。
【図6A】欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサの別の配置の単位セルの平面図である。
【図6B】図6Aの単位セルのFDTDコンピュータモデルを使用することによって得られた、図6Aの単位セルのXおよびY方向の電磁界強度の2次元プロットである。
【図6C】図6Aの線6C−6Cに沿って切った図6Aの単位セルの断面図である。
【図6D】図6Aの線6D−6Dに沿って切った図6Aの単位セルの断面図である。
【図7】欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサの別の実施形態の平面図である。
【図8】ピーク波長のシフトを決定するため、欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサを照らしその反射光を集めるための機器を示す図である。
【図9】ピーク波長のシフトを決定するため、欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサを照らしその反射光を集めるための機器を示す図である。
【図10】ピーク波長のシフトを決定するため、欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサを照らしその反射光を集めるための機器を示す図である。
【図11】ピーク波長のシフトを決定するため、欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサを照らしその反射光を集めるための機器を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元単位セルのアレイを含み、前記単位セルがそれぞれ、基板と、規則的な繰返しパターンで配置された多数の一段高い部分とを有し、前記一段高い部分が、隣接するボイド部分によって互いから分離されており、前記一段高い部分が、水の屈折率よりも大きい比較的に高い屈折率n1を有する材料から作られており、
前記単位セルがそれぞれさらに、隣接するボイドによって分離された前記一段高い部分からなる前記規則的な繰返しパターンが変更された欠陥を含み、前記変更が、前記欠陥のところで、1つまたは複数の前記ボイドの空間を、比較的に高い屈折率nlを有する前記材料が占めるように行われており、
前記フォトニック結晶に入射した共振周波数の光に応答して、前記欠陥の領域において、局在化された最大の電磁界強度が生み出され、
使用時、試験対象の試料を含む流体が、前記フォトニック結晶の上に置かれ、前記ボイド部分の中に含まれる
フォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項2】
単位セルの前記アレイに隣接して置かれた構造物をさらに含み、前記構造物が複数の開口を有し、前記開口がそれぞれ複数の前記単位セルの上を覆っており、前記構造物の前記開口の中に導入された前記流体試料が、前記単位セルの前記欠陥に近接した前記ボイド部分の中に含まれる、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項3】
前記構造物が、ウェルのアレイまたはウェルの行および列として配置されたマルチウェルデバイスであって、前記フォトニック結晶バイオセンサに貼り付けられたマルチウェルデバイスを含む、請求項2に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項4】
前記多数の一段高い部分が、前記基板の一段高い部分と、前記基板上に付着された屈折率n1の材料とを含む、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項5】
前記欠陥が実質的にそれぞれの前記単位セルの中心に位置する、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項6】
屈折率n1を有する前記材料が、100から140nmの、n1=2.25の高屈折率材料の層を含む、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項7】
前記フォトニック結晶バイオセンサを照らし、前記フォトニック結晶バイオセンサから反射された光のピーク波長の共振周波数のシフトを決定する読取り機器をさらに含む、前記フォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項8】
前記欠陥の設計が、前記フォトニック結晶バイオセンサの時間領域差分コンピュータモデルの使用によって選択される、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項9】
単位セルの前記アレイが、市松模様配置を形成する一段高い部分と隣接するボイド部分の2次元アレイをそれぞれが含む単位セルのアレイを含む、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項10】
前記欠陥の領域を除き、前記一段高い部分のサイズと前記隣接するボイド部分のサイズが実質的に等しい、請求項9に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項11】
前記一段高い部分のサイズおよび前記隣接するボイド部分のサイズが、前記単位セルの周囲から、前記単位セルの中心の前記欠陥キャビティおよび前記単位セルの反対側の周囲まで延びる軸に沿って連続的に変化する、請求項9に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項12】
前記単位セルがそれぞれ、六角形に配置された一段高い部分と隣接するボイド部分の配置を含み、前記欠陥が前記六角形の中心に位置する、請求項1に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項13】
前記ボイド部分が、前記基板に形成された穴の配置を含み、前記六角形の周縁では前記穴が第1のサイズを有し、前記六角形の中心の領域では前記穴のサイズが前記第1のサイズよりも小さい、請求項12に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項14】
前記六角形の中心に穴がない、請求項13に記載のフォトニック結晶バイオセンサ。
【請求項15】
試料を試験する方法であって、
1)欠陥キャビティフォトニック結晶バイオセンサ上に流体試料を導入するステップであって、前記バイオセンサが2次元単位セルのアレイを含み、前記単位セルがそれぞれ、基板と、規則的な繰返しパターンで配置された多数の一段高い部分とを有し、前記一段高い部分が、隣接するボイド部分によって互いから分離されており、前記一段高い部分が、水の屈折率よりも大きい比較的に高い屈折率n1を有する材料から作られており、
ここで、前記単位セルがそれぞれさらに、隣接するボイドによって分離された前記一段高い部分からなる前記規則的な繰返しパターンが変更された欠陥を含み、前記変更が、前記欠陥のところで、1つまたは複数の前記ボイドの空間を、比較的に高い屈折率nlを有する前記材料が占めるように行われており、前記フォトニック結晶に入射した共振周波数の光に応答して、前記欠陥の領域において、局在化された最大の電磁界強度が生み出されることを特徴とするステップと、
2)前記フォトニック結晶バイオセンサを照らすステップと、
3)前記フォトニック結晶バイオセンサから反射された光または前記フォトニック結晶バイオセンサを透過した光のピーク波長の周波数を決定するステップと
を含む方法。
【請求項16】
前記フォトニック結晶バイオセンサが、前記流体試料を含むデバイスに貼り付けられており、前記デバイスが、行および列のアレイとして配置されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
多数の一段高い部分が、前記基板の一段高い部分と、前記基板上に付着された屈折率n1の材料とを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記欠陥が実質的にそれぞれの前記単位セルの中心に位置する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
屈折率n1を有する前記材料が、100から140nmの、n1=2.25の高屈折率材料の層を含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−530973(P2007−530973A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506142(P2007−506142)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000498
【国際公開番号】WO2005/102020
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(503159210)エス アール ユー バイオシステムズ,インコーポレイテッド (24)
【Fターム(参考)】