説明

フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤を用いたフルオロエラストマーフューザ部材をコーティングするためのプロセス

【課題】斑点および雪片状凝集体を含む表面欠陥を減少させまたは排除し、フューザ部材としてうまく機能し、フューザ部材層の他の特性または望ましい特徴を劣化させないフルオロエラストマーフューザ部材層を提供する。
【解決手段】本発明によるフューザ部材コーティングを製造するためのプロセスは、a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、b)フューザ部材上に前記コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤はフッ素化ペンダント基を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、デジタル、イメージオンイメージ(image on image)、および接触静電印刷装置を含む静電複写再生装置において有益なフューザ部材を開示する。本発明のフューザ部材はフューザ部材、圧力部材、トランス溶融定着(transfuse)またはトランス固定(transfix)部材、などとして使用することができる。1つの実施形態では、フューザ部材は、フルオロエラストマーを含む外側層を備える。実施形態では、フューザ部材の外側層は、フューザ部材をコーティングするためのプロセスにおいてポリジメチルシロキサン添加剤を添加することにより調製される。
【背景技術】
【0002】
典型的な静電複写再生装置では、複写されるべきオリジナルの光画像が、感光性部材上で静電潜像の形態で記録され、その後、潜像はエレクトロスコピックな(electroscopic)熱可塑性樹脂粒子および顔料粒子、またはトナーを塗布することにより可視化される。視認可能なトナー画像は、不安定な粉末形態であり、容易に妨害または破壊されうる。トナー画像は通常、それ自体感光性部材であってもよい支持体、または普通紙などの支持シート上で固定または溶融定着される。
【0003】
トナー画像を支持部材上に固定するための熱エネルギーの使用は公知である。熱により永久的に、支持体表面上にエレクトロスコピックなトナー材料を溶融定着するためには、トナー材料の温度を、トナー材料の構成要素が合一し、粘着性となる点まで上昇させることが通常必要である。この加熱により、トナーがある程度、支持部材の繊維または細孔内に流れ込む。その後、トナー材料が冷えると、トナー材料が固化し、これにより、トナー材料が支持体にしっかりと付着する。
【0004】
典型的には、熱可塑性樹脂粒子は、トナー中で使用される特別な樹脂の軟化範囲によって、約90〜約200℃またはそれ以上の間の温度まで加熱することにより基材に溶融定着される。しかしながら、基材の温度を約250℃より実質的に高い温度まで上昇させるのは望ましくない場合がある。特に基材が紙である場合、そのような高い温度では が変色し、または発火する傾向があるからである。
【0005】
エレクトロスコピックなトナー画像を加熱溶融定着するためのいくつかのアプローチが記述されている。これらの方法は、様々な手段、圧力接触させて維持されるロール対、ロールと圧力接触されるベルト部材、ヒーターと圧力接触されるベルト部材、などにより実質的に同時に熱と圧力を印加する工程を含む。熱は、ロール、プレート部材、またはベルト部材の1つまたは両方を加熱することにより印加してもよい。熱、圧力および接触時間の適当な組み合わせが達成されると、トナー粒子の溶融定着が起きる。トナー粒子の溶融定着を起こさせるこれらのパラメータの釣り合わせは当技術分野で周知であり、特別な機械またはプロセス条件に適応させるように調節することができる。
【0006】
熱を印加して、トナー粒子を支持体に熱溶融定着させる溶融定着システムの動作中、トナー画像および支持体はどちらも、ロール対、またはプレートもしくはベルト部材の間に形成されたニップを通り抜ける。ニップにおいて熱および圧力を同時に印加すると、トナー画像が支持体上に溶融定着される。溶融定着プロセスでは、支持体からフューザ部材へのトナー粒子のオフセットが、通常の動作中に起きないことが重要である。フューザ部材上へのトナー粒子オフセットは、その後、機械の他の部品へ、または後の複写サイクルにおける支持体上へ転写される場合があり、このように、バックグラウンドが増大し、または複写される材料が妨害される。「ホットオフセット」と呼ばれるものが、トナー粒子が液化する点までトナー温度が上昇すると起き、溶融トナーのスプリッティング(splitting)が溶融定着動作中に生じ、一部がフューザ部材上に残る。ホットオフセット温度またはホットオフセット温度の低下は、フューザロールの離型特性の物差しであり、したがって、低い表面エネルギーを有し、必要な離脱を提供する溶融定着表面を提供することが望ましい。フューザロールの良好な離型特性を確実なものとし、それを維持するために、溶融定着動作中にフューザロールに離型剤を適用することが慣例になっている。典型的には、これらの材料は、例えば、非官能性シリコーン油またはメルカプトもしくはアミノ官能性シリコーン油の薄膜として適用され、トナーオフセットが阻止される。
【0007】
現在、ペンダントグリコールおよびペルフルオロオクタンスルホン酸基を有するアクリレートコポリマーが、フルオロエラストマーコーティング溶液中で界面活性剤/レベリング剤添加剤として使用すると、雪片状凝集体および斑点(フィッシュアイ:fisheye)を減少させることに成功していることが示されている。しかしながら、このポリマーは環境持続性問題を示すことがわかっており、もはや使用することができない。他の同様の材料を使用すると、斑点および/または雪片状凝集体が生成してしまう。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,166,031号明細書
【特許文献2】米国特許第5,281,506号明細書
【特許文献3】米国特許第5,366,772号明細書
【特許文献4】米国特許第5,370,931号明細書
【特許文献5】米国特許第4,257,699号明細書
【特許文献6】米国特許第5,017,432号明細書
【特許文献7】米国特許第5,061,965号明細書
【特許文献8】米国特許第5,945,223号明細書
【特許文献9】米国特許第6,408,753号明細書
【特許文献10】米国特許第6,521,330号明細書
【特許文献11】米国特許第6,479,158号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、斑点および雪片状凝集体を含む表面欠陥を減少させまたは排除し、フューザ部材としてうまく機能し、フューザ部材層の他の特性または望ましい特徴を劣化させないフルオロエラストマーフューザ部材層を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態は、a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、b)フューザ部材上に該コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤はフッ素化ペンダント基を含む、フューザ部材コーティングを製造するためのプロセスを含む。
【0011】
実施形態はまた、a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、b)フューザ部材上に該コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤は下記化学式I:
【化1】

(式において、mおよびnは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、mは約0〜約25の数であり、nは約1〜約25の数であり、x/(x+y)は約1%〜約100%であり、RおよびRは同じまたは異なるものすることができ、約1〜約18の炭素原子を有するアルキル、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル基、アミノ基、および約1〜約18の炭素を有するアルキルアミノ基からなる群より選択され、Rは約1〜約18の炭素を有するアルキル、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル、約1〜約300の繰り返しユニットを有するポリオルガノシロキサン鎖、化学式−(CH−(CF−CF(式において、oおよびpは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、oは約0〜約25の数であり、pは約0〜約25の数である)のフルオロ鎖からなる群より選択される)を有する、フューザ部材コーティングを製造するためのプロセスを含む。
【0012】
さらに、実施形態は、a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、b)フューザ部材上に該コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤はフッ素化ペンダント基を含み、さらに、フルオロエラストマーはa)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのうちの2のコポリマー類、b)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのターポリマー類、およびc)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび加硫サイトモノマー(cure site monomer)のテトラポリマー類からなる群より選択される、フューザ部材コーティングを製造するためのプロセスを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書では、フルオロエラストマーを含み、フルオロエラストマー外側層のコーティング中に添加剤としてポリジメチルシロキサンを添加することにより調製されたフューザ部材外側層を記述する。実施形態では、プロセスにより、フューザ部材としてうまく機能し、斑点および雪片状凝集体の問題を軽減または排除するフューザ部材外側層が提供される。さらに、実施形態では、フューザ部材層は平滑であり、改善された機械特性および化学特性を有する。さらに、実施形態では、ホットオフセットおよびストリッピング問題の発生が減少し、または排除される。さらに、実施形態では、画像品質が増大する。
【0014】
図1について説明すると、典型的な静電複写再生装置では、複写されるオリジナルの光画像が、感光性部材上で静電潜像の形態で記録され、潜像はその後、エレクトロスコピックな熱可塑性樹脂粒子、通常トナーと呼ばれる、を塗布することにより可視化される。具体的には、フォトレセプタ10の表面が、電源11から電圧が供給される充電器12により帯電する。その後、フォトレセプタは画像通りに、光学システムまたは画像入力装置13、例えばレーザおよび発光ダイオードからの光に露光され、静電潜像が形成される。一般に、静電潜像は、現像剤ステーション14からの現像剤混合物を接触させることにより現像される。現像は磁気ブラシ、粉末クラウド、または他の周知の現像プロセスにより実施することができる。乾燥現像剤混合物は通常、トナー粒子が摩擦電気により付着しているキャリヤ粒子を含む。トナー粒子はキャリヤ粒子から潜像に引き付けられ、トナー粉末画像が形成される。また、液体現像剤材料を使用してもよく、液体現像剤材料はトナー粒子が分散されている液体キャリヤを含む。液体現像剤材料は、静電潜像と接触し、トナー粒子がその上に画像構成で堆積される。
【0015】
トナー粒子が光導電性表面上に画像構成で堆積された後、トナー粒子は転写手段15によりコピーシート16に転写される。転写手段は圧力転写手段または静電転写手段とすることができる。また、現像した画像は中間転写手段、またはバイアス転写手段に転写し、その後、コピーシートに転写することができる。コピー基材の例としては、紙、透明材料、例えばポリエステル、ポリカーボネート、など、布、木材、または完成した画像が配置される任意の他の望ましい材料が挙げられる。
【0016】
現像された画像の転写が完了すると、コピーシート16は、図1ではフューザロール20および圧力ロール21として示されている(が、圧力ロールと接触したフューザベルト、圧力ベルトと接触したフューザロール、などの任意の他の溶融定着構成要素が本発明の装置と共に使用するのに適している)溶融定着ステーション19に進む。ここで、現像された画像は、溶融定着部材と圧力部材との間にコピーシート16を通すことにより、コピーシート16に溶融定着され、これにより永久的な画像が形成される。また、転写および溶融定着はトランス固定適用により実施することができる。
【0017】
フォトレセプタ10は、転写後、クリーニングステーション17に進み、そこで、フォトレセプタ10上に残った全てのトナーが、ブレード(図1に示される)、ブラシ、または他のクリーニング装置の使用により、フォトレセプタから除去される。
【0018】
図2は様々な可能な層を示す、フューザ部材の1つの実施形態の拡大概略図である。図2に示されるように、基材4はその上に中間層7を有する。中間層7は、例えば、シリコーンゴムまたは他の適したゴム材料などのゴムとすることができる。図2に示されるように、中間層7はその中に分散させた、または含有させたフィラー30を有することができる。基材および/または外側層もまた、その中に分散させた、または含有させたフィラーを有することができる(フィラーは図示せず)。3つの層のための必要に応じて用いるフィラーは同じまたは異なったものとすることができる。下記で説明するように、中間層7上に、フルオロエラストマーを含む外側層5を配置する。外側フルオロエラストマー層5上に、最外液体離型層9を配置する。
【0019】
フューザ部材は、ローラ、シート、ベルト、フィルム、ドレルト(ドラムとベルトの間のハイブリッド)、などの形態とすることができる。実施形態では、フューザ部材は円筒ローラの形態であり、この場合、ローラ基材は、金属コア、例えばアルミニウム、鋼、ステンレス鋼、または同様の金属基材を有する。
【0020】
フューザシステム部材の外側表面の例としてはフルオロエラストマー類が挙げられる。具体的には、適したフルオロエラストマー類は、米国特許第5,166,031号、同第5,281,506号、同第5,366,772号および同第5,370,931号、ならびに米国特許第4,257,699号、同第5,017,432号および同第5,061,965号において詳細に記述されているものである。これらの各々の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。これらにおいて記述されているように、これらのエラストマー類は、1)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのうちの2のコポリマー類、2)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのターポリマー類、および3)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび加硫サイトモノマーのテトラポリマー類のクラスに由来する。これらのフルオロエラストマー類は、ヴィトン(VITON)A(登録商標)、ヴィトンB(登録商標)、ヴィトンE(登録商標)、ヴィトンE60C(登録商標)、ヴィトンE430(登録商標)、ヴィトン910(登録商標)、ヴィトンGH(登録商標)、ヴィトンGF(登録商標)、ヴィトンETP(登録商標)、など様々な名称で商業的に公知である。ヴィトン(登録商標)名称はE.I.デュポン・ド・ヌムール社(DuPont de Nemours、Inc.)の商標である。加硫サイトモノマーは4−ブロモペルフルオロブテンー1、1,1−ジヒドロ−4−ブロモペルフルオロブテン−1、3−ブロモペルフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロ−3−ブロモペルフルオロプロペン−1、または任意の他の適した、周知の加硫サイトモノマー、例えば、デュポンから市販されているものとすることができる。他の市販のフルオロポリマー類としては、フルオレル(FLUOREL)2170(登録商標)、フルオレル2174(登録商標)、フルオレル2176(登録商標)、フルオレル2177(登録商標)およびフルオレルLVS76(登録商標)が挙げられる。フルオレル(登録商標)は3Mカンパニー(Company)の商標である。別の市販の材料としては、アフラス(AFLAS、商標)ポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレン)およびフルオレルII(登録商標)(LII900)ポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレンビニリデンフルオリド)(どちらも3Mカンパニーから入手可能)、ならびにアウジモントから入手可能なFOR−60KIR(登録商標)、FOR−LHF(登録商標)、NM(登録商標)、FOR−THF(登録商標)、FOR−TFS(登録商標)、TH(登録商標)、NH(登録商標)、P757(登録商標)、TNS(登録商標)、T439(登録商標)、PL958(登録商標)、BR9151(登録商標)およびTN505(登録商標)として識別されるテクノフロン(Tecnoflon)類が挙げられる。
【0021】
3つの公知のフルオロエラストマー類の例は、1)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのうちの2のコポリマー類のクラス、例えば商業的にヴィトンA(登録商標)として公知のもの、2)商業的にヴィトンB(登録商標)として公知のフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのターポリマー類のクラス、および3)商業的にヴィトンGH(登録商標)またはヴィトンGF(登録商標)として公知のフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび加硫サイトモノマーのテトラポリマー類のクラスである。
【0022】
フルオロエラストマー類ヴィトンGH(登録商標)およびヴィトンGF(登録商標)はかなり少量のフッ化ビニリデンを有する。ヴィトンGF(登録商標)およびヴィトンGH(登録商標)は約35重量%のフッ化ビニリデン、約34重量%のヘキサフルオロプロピレン、および約29重量%のテトラフルオロエチレン、ならびに約2重量%の加硫サイトモノマーを有する。フューザ部材の外側層の厚さは約10〜約500μm、または約10〜約40μmである。
【0023】
外側層溶液中のフルオロエラストマー化合物の量は、総固体の約5〜約40重量%、または約16〜約22重量%である。本明細書で使用されるように総固体は、フルオロエラストマー、架橋剤、溶媒、界面活性剤、脱フッ化水素化剤、界面活性剤、および必要に応じて用いるアジュバントおよびフィラー(必要に応じて用いる金属酸化物フィラーを含む)の量を含む。
【0024】
シリコーンフューザ作用物質の官能基のためのアンカー部位を提供するために、フルオロエラストマー外側層と組み合わせて無機微粒子フィラーを使用してもよい。適したフィラーの例としては、金属含有フィラー、例えば金属、金属合金、金属酸化物、金属塩または他の金属化合物が挙げられる。本明細書で適用可能な一般クラスの金属としては、周期表の1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5b、6b、7b、8族の金属および希土類元素が挙げられる。フィラーはアルミニウム、銅、スズ、亜鉛、鉛、鉄、白金、金、銀、アンチモン、ビスマス、イリジウム、ルテニウム、タングステン、マンガン、カドミウム、水銀、バナジウム、クロム、マグネシウム、ニッケルの酸化物、およびそれらの合金とすることができる。他の特定の例としては、無機微粒子フィラーが挙げられ、酸化アルミニウムおよび酸化銅である。他の例としては、それぞれ、強化および非強化焼成アルミナおよび平板アルミナが挙げられる。フィラーは基材、および/または中間層、および/または外側層に含ませてもよい。様々な層中の必要に応じて用いるフィラーは同じであっても、異なってもよい。
【0025】
本発明の所望の特性および性能目的を達成するために必要に応じて、中間接着層および/または中間ポリマーまたはエラストマー層を適用してもよい。中間層は基材と外側フルオロエラストマー表面との間に存在してもよい。接着中間層は、例えば、エポキシ樹脂類およびポリシロキサン類から選択してもよい。適した中間層の例としては、シリコーンゴム類、例えば室温加硫(RTV)シリコーンゴム類、高温加硫(HTV)シリコーンゴム類および低温加硫(LTV)シリコーンゴム類が挙げられる。これらのゴム類は公知であり、商業的に容易に入手でき、例えばシラスチック(SILASTIC、登録商標)735ブラックRTVおよびシラスチック(登録商標)732RTV(どちらもダウコーニング製)、および106RTVシリコーンゴムおよび90RTVシリコーンゴム(どちらもジェネラルエレクトリック(General Electric)製)、およびダウコーニング東レシリコーンズ(Dow Corning Toray Silicones)製のJCR6115CLEAR HTVおよびSE4705U HTVである。他の適したシリコーン材料としてはシロキサン類(例えばポリジメチルシロキサン類)、フルオロシリコーン類、例えばサンプソンコーティングズ(Sampson Coatings、バージニア州リッチモンド所在)から入手可能なシリコーンゴム552、液体シリコーンゴム類、例えばビニル架橋熱硬化性ゴム類またはシラノール室温架橋材料、などが挙げられる。別の特定の例はダウコーニングシルガード(Sylgard)182である。市販されているLSRゴム類としては、ダウコーニング製のダウコーニングQ3−6395、Q3−6396、シラスチック(登録商標)590LSR、シラスチック(登録商標)591LSR、シラスチック(登録商標)595LSR、シラスチック(登録商標)596LSR、およびシラスチック(登録商標)598LSRが挙げられる。
【0026】
基材と中間層との間に接着層を設けてもよい。中間層と外側層との間にも接着層を設けてもよい。中間層が存在しない場合、フルオロエラストマー層は、接着層を介して基材に付着させてもよい。中間層の厚さは約0.5〜約20mm、または約1〜約10mmである。
【0027】
適した離型剤または溶融油を、デリバリロールなどの送達機構を介してフューザ部材の外側層上に提供することができる。デリバリロールは一部がサンプに浸漬されており、サンプはフューザ油または離型剤を収容している。油は、離型油が保持サンプ中に収容されており、必要な時にフューザロールに、必要に応じて備えられる離型剤ドナーロールにより、約0.1〜約20mg/コピー、または約1〜約12mg/コピーの量で、提供されるという点で、更新可能である。フューザ油がフューザロールに保持サンプおよび必要に応じて備えられるドナーロールを介して提供されるシステムは周知である。離型油はフューザ部材上に連続相または半連続相で存在してもよい。膜形態のフューザ油は連続相であり、連続してフューザ部材を被覆する。
【0028】
フルオロエラストマーフューザコーティングは、フルオロエラストマーコーティング溶液に界面活性剤および/または添加剤を添加することにより調製することができ、その後、フルオロエラストマー溶液をフューザ部材上にコーティングすることができる。プロセスの詳細は下記の通りである。
【0029】
実施形態では、コーティング溶液はポリマーとフッ素含有材料を含む。より特定的には、コーティングはフルオロポリマーなどのポリマーと、特別なポリマーに適した硬化系(curative system)と、コート層の硬化を助け、その機械特性および熱特性を改善する添加剤と、を含むことができる。コーティング溶液はまた、フッ素含有材料、例えばフッ素含有ポリシロキサン、またはポリシロキサンではないフッ素含有材料、またはフッ素含有ポリシロキサンとフッ素含有界面活性剤のブレンド、または少なくとも2つの特徴的なフッ素含有界面活性剤のブレンドを含むことができ、欠陥のない、または欠陥数が減少したコーティングが提供される。必要に応じて、添加剤を使用して、ポットライフを許容される時間まで増加させてもよい。これらの成分を全て、溶液に添加し、溶液/分散物を形成させ、これをフローコーティングまたは他のコーティング法によりフューザロールに適用する。
【0030】
適したフッ素含有ポリシロキサン添加剤の例としては、CF(CF(CH−などのフッ素化ペンダント基を有するポリシロキサン類が挙げられる。実施形態では、フッ素化ペンダント基を有するポリシロキサン類は、下記化学式I:
【化2】

(式において、mおよびnは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、mは約0〜約25または約1〜約10、または約1〜約5、または約2であり、nは約1〜約25、または約2〜約12、または約3〜約7、または約5である)を有するものを含む。x/(x+y)として規定されるペンダントフルオロカーボン鎖の組み入れ程度は約1%〜約100%、約4%〜約20%、約5〜約10%、または約5.7%である。RおよびR基は同じまたは異なるものとすることができ、約1〜約18の炭素原子を有するアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなど、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル基、例えばメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニルなど、アミノ基、および約1〜約18の炭素を有するアルキルアミノ基、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノなどからなる群より選択される。R基は、上記のものなどのアルキルおよびアリールアルキル基、約1〜約300の繰り返しユニットを有するポリオルガノシロキサン鎖、化学式−(CH−(CF−CF(式において、oおよびpはそれぞれ、mおよびpと同じ範囲を有するが、mおよびnと同じであっても異なってもよい)のフルオロ鎖からなる群より選択される。
【0031】
フッ素含有ポリシロキサン添加剤の具体例は下記化学式II:
【化3】

(式において、x/(x+y)は約5.7%である)を有するものである。
【0032】
実施形態では、ポリジメチルシロキサン添加剤の粘度は約50〜約2000cS、または約100〜約500cS、または約220cSである。
【0033】
適したフッ素化界面活性剤の例としては、ペンダントグリコールおよび/またはペルフルオロアルキルスルホン酸基を有するアクリレートコポリマー類が挙げられる。フッ素化アクリレートコポリマー界面活性剤の例としては、下記化学式III:
【化4】

(式において、m/(m+n)は0〜約1、または約0.2〜約0.8、または約0.5〜約0.6であり、Rは水素、約1〜約18の炭素、または約1〜約10の炭素を有するアルキル基であり、Rは水素、または約1〜約18、または約1〜約10の炭素を有するアルキル基であり、またはRはアクリレートポリマーバックボーンへの結合点であり、このため、分子間もしくは分子内架橋が生成され、xは約1〜約10、または約1〜約5、または約3の数であり、aは約1〜約50、または約1〜約30、または約5〜約20の数であり、bは約1〜約100、または約5〜約50、または約10〜約30の数であり、cは約1〜約50、または約1〜約30、または約5〜約20の数である)を有するものが挙げられる。上記化学式IIIの範囲に入る市販のフッ素含有界面活性剤の例としては、3Mの市販品である、フルオラッド(Fluorad、登録商標)FC−4430およびフルオラッド(登録商標)FC−4432が挙げられる。これらの特別な界面活性剤では、RはCHであり、x=3であり、aは約10であり、bは約20であり、cは約10である。フルオラッド(商標)FC−4430では、m/(m+n)は約0.5であり、フルオラッド(商標)FC−4432では、m/(m+n)は約0.6である。
【0034】
他の適したフッ素化界面活性剤の例としては、ペンダントアルキルおよび/またはフッ素化アルキル基を有するアクリレートコポリマー類が挙げられる。適したフッ素化アクリレートコポリマーの例は、下記化学式IV:
【化5】

(式において、m/(m+n)は0〜約1、または約0.1〜約0.4、または0.25であり、xは約1〜約20、または約5〜約10の数であり、yは約1〜約25、または約5〜約15の数である)を有するものである。上記化学式IVの範囲に入る市販のフッ素含有界面活性剤の例は、E.I.デュポン・ド・ヌムールの市販品である、ゾニル(Zonyl、登録商標)FSGである。この界面活性剤では、xは約7であり、yは約11であり、m/(m+n)は約0.25である。
【0035】
適した界面活性剤の他の例は、ペンダントトリフルオロエトキシ基を有するポリエーテルコポリマー類である。適したフッ素化ポリエーテルコポリマーの例は下記化学式V:
【化6】

(式において、x/(x+y+z)は約0%〜約100%、または約50%〜約100%であり、y/(x+y+z)は約0%〜約50%、または約1%〜約20%であり、z/(x+y+z)は約0%〜約30%、または約1%〜約10%である)を有するものである。市販の例はオムノバ(Omnova)から入手可能なポリフォックス(Polyfox、登録商標)界面活性剤である。
【0036】
実施形態では、フューザ部材コーティング調合物溶液は、化学式IまたはIIのフッ素含有ポリシロキサンの、化学式III、化学式IVおよび/または化学式Vのフッ素含有界面活性剤とのブレンドを含む。実施形態では、フューザ部材コーティングは、2つの異なるフッ素化コポリマー界面活性剤のブレンド、例えば化学式III、化学式IVおよび/または化学式Vのフッ素含有界面活性剤の2またはそれ以上を含む。
【0037】
実施形態では、フッ素含有ポリシロキサンまたはフッ素含有界面活性剤またはフッ素含有ポリオキサンおよびフッ素含有界面活性剤のブレンドまたは少なくとも2つのフッ素含有界面活性剤のブレンドを、フルオロエラストマーコーティング溶液に、約0.5〜約220pph、または約3〜約10pphの量で添加する。ここで、pphはコーティング溶液中のフルオロエラストマーの量に対し表したものである。
【0038】
実施形態では、フッ素含有ポリシロキサンおよびフッ素含有界面活性剤のブレンドは、約0〜約100、または約1〜約40、または約5〜約30%のポリシロキサンを含む。
【0039】
フッ素含有ポリシロキサン、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリシロキサンとフッ素含有界面活性剤のブレンド、または少なくとも2つのフッ素含有界面活性剤のブレンドをフルオロエラストマーコーティング溶液に添加すると、実施形態においてトナーをコピー基材に溶融定着させる際にうまく機能する、外側フルオロエラストマーフューザ部材層が形成する。実施形態では、フューザ部材は平滑であり、欠陥は、もしあったとしても、わずかである。実施形態では、斑点および雪片状凝集体の数は減少し、または排除される。また、実施形態では、ホットオフセットまたはストリッピング性能の劣化がなく、画像品質の低下がない。
【0040】
実施形態では、フルオロエラストマーコーティングは、フローコーティングプロセスを用いてフューザ部材基材に適用されるが、浸漬コーティングおよび噴霧コーティングなどの他のプロセスを使用してもよい。一般に、フローコーティングは、基材をその長軸に関して回転させ、アプリケータから基材にコーティングをらせんパターンで制御した量適用することにより、コーティング溶液を基材上に堆積させる工程を含み、そのため、アプリケータを出たコーティングの実質的に全てが基材に接着する。フローコーティング手順の詳細は、米国特許第5,945,223号、同第6,408,753号、同第6,521,330号および米国特許第6,479,158号で見いだすことができる。
【0041】
実施形態では、ポリジメチルシロキサン界面活性剤の粘度は約75〜約1,500cS、または約200〜約1,000cS、または220cSである。
【0042】
本明細書で言及した特許および出願は全て、これにより特異的に、および全体として、参照により明細書内のその全体が本明細書に組み入れられる。
【0043】
下記実施例はさらに、本発明の実施形態を規定し、記述する。特に記載がなければ、全ての部およびパーセンテージは重量である。
【0044】
フューザ部材コーティングを製造するためのプロセスは、a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、b)フューザ部材上に前記コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤は下記化学式I:
【化7】

(式において、mおよびnは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、mは約0〜約25の数であり、nは約1〜約25の数であり、x/(x+y)は約1%〜約100%であり、RおよびRは同じまたは異なるものすることができ、約1〜約18の炭素原子を有するアルキル、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル基、アミノ基、および約1〜約18の炭素を有するアルキルアミノ基からなる群より選択され、Rは約1〜約18の炭素を有するアルキル、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル、約1〜約300の繰り返しユニットを有するポリオルガノシロキサン鎖、化学式−(CH−(CF−CF(式において、oおよびpは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、oは約0〜約25の数であり、pは約0〜約25の数である)のフルオロ鎖からなる群より選択される)を有する。
【0045】
フューザ部材コーティングを製造するためのプロセスは、a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、b)フューザ部材上に前記コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤はフッ素化ペンダント基を有し、さらに、前記フルオロエラストマーは、a)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのうちの2のコポリマー類、b)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのターポリマー類、およびc)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよび加硫サイトモノマーのテトラポリマー類からなる群より選択される。
【0046】
〔実施例1〕
〈フューザ部材コーティングの形成〉
フューザ部材コーティング調合物を、100重量部のヒドロフルオロエラストマー、デュポン ヴィトン(登録商標)GF、35重量%のフッ化ビニリデンと、34重量%のヘキサフルオロプロピレンと、29重量%のテトラフルオロエチレンと、2重量%の加硫サイトモノマーとのテトラポリマーを含む溶媒溶液/分散物から調製した。ヴィトン(登録商標)GFを7重量部のデュポン ヴィトン(登録商標)キュラティブ(Curative)50、1.5重量部の酸化マグネシウム(C.P.ホール(Hall)、イリノイ州シカゴ所在から入手可能なマグライト(Maglite)D)、0.75重量部の水酸化カルシウム、0.75重量部のカーボンブラック(R.T.バンダービルト社(Vanderbiolt Co.)から入手可能なN990)、5.6重量部のノベック(Novec、登録商標)FC−430(3Mから入手可能)を、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンとの混合物中で混合させ、これをフローコーティングによりフューザロール表面上に分配し、名目上の厚さを約20μmとした。コーティングを空気中、95℃で2時間、175℃で2時間、205℃で2時間、230℃で16時間、段階的に加熱することにより硬化させた。
【0047】
〔実施例2〕
〈フッ素含有界面活性剤を含むフューザ部材コーティングの形成〉
フューザロールトップコート調合物を、ノベック(商標)FM−430の代わりに、上記化学式IIIに記述される、5.6重量部のノベック(商標)FC−4430またはノベック(商標)FC−4432を使用したことを除き、実施例1と同じように、調製した。
【0048】
〔実施例3〕
〈フッ素含有ポリシロキサン添加剤を含むフューザ部材コーティングの形成〉
フューザ部材コーティング調合物を、ノベック(商標)FM−430の代わりに、5.6重量部の、上記化学式IIに記述されるフッ素化シリコーンを使用したことを除き、実施例1と同じように、調製した。
【0049】
〔実施例4〕
〈フッ素含有ポリジメチルシロキサン添加剤およびフッ素含有界面活性剤のブレンドを含むフューザ部材コーティングの形成〉
フューザ部材コーティング調合物を、ノベック(商標)FM−430の代わりに、4.75重量部のノベック(商標)FC−4430またはノベック(商標)FC−4432と1.0重量部の上記化学式IIに記述されるフッ素化シリコーンを使用したことを除き、実施例1と同じように、調製した。
【0050】
〔実施例5〕
〈比較試験〉
上記のように調製したフューザ部材コーティングに対し、欠陥について視覚的に検査し、その結果を表1に示す。表1は、異なる添加剤を用いて調製した20μmのフューザ部材コーティングにおける欠陥の比較を示す。なお、表1中の(*)について、値は少なくとも1つの欠陥が発生したために、拒絶されたロールのパーセンテージを示す。
【0051】
【表1】

【0052】
最初に、フッ素化ポリシロキサンおよびフッ素化界面活性剤添加剤を含まない調合物溶液から調製した全てのコーティングにおいて、雪片状凝集体および斑点欠陥の両方が存在することに注意すべきである。フッ素化界面活性剤FC430を添加すると斑点および雪片状凝集体欠陥が非常に低いレベルまで減少した(実施例1)。しかしながら、FC430はもはや使用できない。その代用に、コーティング溶液においてFC4430またはFC4432を使用すると、雪片状凝集体の数が非常に少なくなる。コーティングには斑点欠陥が存在する(実施例2)が、製法(formula)は改善される。また、化学式IIのフッ素化ポリシロキサンをコーティング溶液に添加すると、斑点欠陥が著しく減少する。コーティングは雪片状凝集体を有するが(実施例3)、製法は改善される。フッ素含有ポリシロキサンおよびフッ素含有界面活性剤のブレンドを外側フューザ部材コーティング溶液に添加すると、雪片状凝集体および斑点欠陥がどちらも非常に低いレベルまで減少する(実施例4)。さらに、実施例4の調合物により調製したフューザロール外側コーティングは、他の調合物により製造された外側コーティングを有するロールに比べ、フューザオフセット性能または画像品質の劣化を示さない。2つの他の界面活性剤、それぞれオムノバ(Omnova)およびデュポンから入手可能なポリフォックス(Polyfox)およびゾニル(Zonyl)FSGから得られる結果も表1に示す。ポリフォックス添加剤では、斑点欠陥が著しく改善されるが、雪片状凝集体欠陥の改善には限界があり、ゾニルFSGでは、どちらの欠陥の減少にも限界がある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】1つの実施形態による、画像装置の概略図である。
【図2】基材と、中間層と、外側層と、離型剤コーティング層とを有するフューザ部材を示す、フューザ部材の1つの実施形態の拡大側面図である。
【符号の説明】
【0054】
4 基材、5 外側層、7 中間層、9 最外液体離型層、20 フューザロール、21 圧力ロール、30 フィラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)フルオロエラストマーと、架橋剤と、極性溶媒と、フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤とを添加し、反応させ、コーティング溶液を形成させる工程と、
b)フューザ部材上に前記コーティング溶液を提供し、フューザ部材コーティングを形成させる工程と、を含み、
前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤はフッ素化ペンダント基を含む、フューザ部材コーティングを製造するためのプロセス。
【請求項2】
前記フッ素化ペンダント基は、化学式CF(CF(CH−を有し、
式において、nは約1〜約25の数であり、mは約0〜約25の数である、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記フッ素化ポリジメチルシロキサン添加剤は下記化学式I:
【化1】

(式において、
mおよびnは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、
mは約0〜約25の数であり、
nは約1〜約25の数であり、
x/(x+y)は約1%〜約100%であり。
およびRは同じまたは異なるものすることができ、約1〜約18の炭素原子を有するアルキル、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル基、アミノ基、および約1〜約18の炭素を有するアルキルアミノ基からなる群より選択され、
は約1〜約18の炭素を有するアルキル、約1〜約18の炭素を有するアリールアルキル、約1〜約300の繰り返しユニットを有するポリオルガノシロキサン鎖、化学式−(CH−(CF−CF(式において、oおよびpは繰り返しユニットの数を示し、同じまたは異なり、oは約0〜約25の数であり、pは約0〜約25の数である)のフルオロ鎖からなる群より選択される)
を有する、請求項1記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−326582(P2006−326582A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139696(P2006−139696)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】