説明

フラックス転写ヘッドの製造方法

【課題】安価に製造可能な、突起の配列のピッチが0.4mm以下のスタンプ転写方式のフラックス転写ヘッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】フラックスを回路基板に転写する突起2は、転写プレート3を切削加工することによって形成される。突起形成面Aに平行な方向11aに沿って切削刃物10を移動させ、溝を形成する。熱を加えるとゲル状に軟化し、冷却すると固化する性質を有する熱可塑性接着剤を方向11aに沿った溝に充填し、凝固させる。その後、突起形成面Aに平行かつ方向11aに垂直な方向11bに沿って切削刃物10を移動させ、溝を形成する。したがって、転写プレート3から突出するように突起2が形成される。微細な突起2を形成するにおいても、熱可塑性接着剤が凝固されているため、突起2の折損やばりの発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板にはんだボール形成のためのフラックスを転写するフラックス転写ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板の配線部分に、はんだボール形成のためのフラックスを作製する方式としては、スクリーン印刷方式、ピン転写方式、スタンプ転写方式等が一般的に知られている。
【0003】
図8はスクリーン印刷方式を説明する断面図である。図8で示すように、スクリーン印刷方式は、はんだフラックスが付与される物(以下、「基板1」と称す)の上に、該フラックスを付与する箇所に対応する孔15が設けられているスクリーン印刷版14を固定する。スクリーン印刷版14の上からスキージ16を用いて高粘度液状のフラックス7を均一に塗りこむことによって、孔15へ高粘度液状のフラックス7が入り込む。スクリーン印刷版14を基板1から取り外すと、孔15へ入り込んだ高粘度液状のフラックス7が基板1に残り、固まることによって基板1上にフラックスが配される方式である。
【0004】
スクリーン印刷方式では、基板1にフラックスを付与するたびにスクリーン印刷版14を清掃する必要が生じるため、保守に負荷がかかる。またフラックスが付与される面に、配線やチップが有ることで凹凸が形成されていると、その凹凸に対応できないという課題がある。
【0005】
保守性の向上や、フラックス付与面の凹凸に対応する方式として、ピン転写方式やスタンプ転写方式が挙げられる。
【0006】
図9はピン転写方式を説明する断面図である。ピン転写方式は、フラックスの配置のパターン、数に合わせて穴加工を施したブロック17に、穴の数と同数の転写ピン18を挿入した転写ヘッド5を使用する。高粘度液状のフラックス7が均一な厚みに均されたテーブル9の上面で、転写ピン18の先端にフラックス7を付着させた後、フラックスが付与される基板と転写ピン18の先端を接触させることによって、フラックス7を転写する方法である。この方式を用いれば、個々の転写ピン18が上下動自在な独立懸加方式となっているため、基板のフラックス付与面に凹凸がある場合でも、フラックスの塗布量のばらつきの少ない転写が可能である(特許文献1)。
【0007】
しかしながら、近年では、回路の主体を構成する半導体チップは小型化が進み、該半導体を接続する1つの回路基板の接続端子の間隔は微細化傾向にあり、また1つの回路基板に設けられる半導体装置の数は増加傾向にある。したがって、回路基板におけるフラックス転写部分は数千から数万箇所に及んでいる。前述のピン転写方式を用いて、一括でフラックスを転写する場合、転写ヘッド5は数千から数万個の微細な穴加工が施されたブロック17を必要とし、コストがかさむかもしれない。また、転写ヘッド5は製品の種類に応じてその都度準備する必要があり、近年の基板の多様化に対応するにはさらにコストアップとなる虞がある。
【0008】
図10はスタンプ転写方式を説明する図である。スタンプ転写方式は、転写ヘッド5にフラックスの配置のパターンにあわせて配列された転写用の突起2を形成するもので、アタッチメントコストが小さく、メンテナンスも容易ではある。しかし、平坦なブロック4に転写用の突起2を接着させて転写ヘッド5を作製した場合、ブロック4と突起2との接着力が小さく、突起2が脱落するなどの問題がある。また、前述のスクリーン印刷方式と同様、基板1上の配線部等の凹凸に対応できないという課題もあった。
【0009】
そこで、特許文献2では、突起2がブロック4から脱落するのを抑制するため、突起2とブロック4とを接着させるのではなく、1枚のプレートから切削加工して形成された突起2を持つ転写ヘッド5を用いる方法が開示されている。また、特許文献3では、光硬化性樹脂を使って網状のシートに突起2を形成することにより、平坦なブロックに突起を接着させる場合よりも接着力を高める方法が開示されている。さらに、特許文献3では、網状のシートをベースとしていることから、基板の凹凸にも対応することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−266980号公報
【特許文献2】特開平7−297238号公報
【特許文献3】特開2000−101223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献2で開示されている転写ヘッドの製造方法は、単純な切削方式であるため、例えば突起の配列のピッチが0.4mm以下での場合は、切削加工中に突起が折損し、転写ヘッドの作製が困難である。そこで、特許文献2では、微細な回路基板に対応するために、突起の配列を複数の転写ヘッドに分割して、1つの転写ヘッド内の突起の間隔を広げて作製する方法を開示している。しかし、転写ヘッドを増やすことは、部品数の増加と転写工程数の増加となり、コストアップする虞がある。
【0012】
特許文献3における転写ヘッドの方式および製造方法では、光硬化性樹脂でなければ製造できず、材料に制限があり、耐フラックス性の観点から困難な場合がある(特許文献3では、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げている)。また、光硬化では、光を照射して樹脂を硬化させるため、突起は台形形状になる。したがって、突起のピッチが狭い微細な回路に対応することに限界がある。
【0013】
そこで、本発明は、フラックス転写用の突起の配列ピッチを従来技術よりも微小化させられるスタンプ転写方式のフラックス転写ヘッドを安価に製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明の態様の1つは、はんだボール形成のためのフラックスが転写される回路基板の該フラックスの配列にあわせて突起が配列されている転写プレートを備えたフラックス転写ヘッドの製造方法であって、転写プレートの面に一方向に沿って平行な溝を形成する工程と、熱を加えるとゲル状に軟化し、冷却すると固化する性質を有する熱可塑性接着剤を、その溝のそれぞれに充填及び凝固させる工程と、その溝内に熱可塑性接着剤が凝固された転写プレートの面に一方向と交差する方向に沿って平行な溝を形成する工程と、溝に充填及び凝固した熱可塑性接着剤を除去することで突起を形成する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フラックス転写用の突起の配列ピッチを従来技術よりも微小化させられる。また、このようなスタンプ転写方式のフラックス転写ヘッドを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施例における転写ヘッドと基板の正面断面図である。
【図2】転写ヘッドとテーブルの正面断面図である。
【図3】転写プレートの斜視図である。
【図4】切り欠きを含む転写プレートの正面図及び側面図である。
【図5】本発明の第2の実施例における転写プレートの断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例における転写プレートの正面図及び側面図である。
【図7】本発明の第4の実施例における転写プレートの正面図及び側面図である。
【図8】スクリーン印刷方式を説明する断面図である。
【図9】ピン転写方式を説明する断面図である。
【図10】従来のスタンプ転写方式を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施例における転写ヘッド5と基板1との関係を示す正面断面図である。図1に示すように、高粘度液状のフラックス7を基板1に転写する突起2が、基板1上におけるフラックス7の配置と同一のパターンに合わせて転写プレート3から突出するように一体形成されている。転写プレート3は、突起2を下にして転写ヘッド5のベースとなるブロック4に固定されており、転写プレート3及びブロック4によって転写ヘッド5が構成されている。転写プレート3とブロック4との間には、転写時の平行度を吸収するため、特許文献3などにあるような弾性体を挟む構造であってもよい。
【0019】
転写ヘッド5は、転写プレート3の突起が形成された面(以下、突起形成面という)Aと基板1の上面とが平行となるように設置されている。また、転写ヘッド5は、突起2の先端に付着している高粘度液状のフラックス7を基板1に転写するために、基板1の上方から降下できる不図示の鉛直方向への移動手段に接続されている。
【0020】
図2は、転写ヘッド5と、突起2の先端にフラックス7を付着させるためのテーブル9との関係を示す正面断面図である。図1と同様に、転写ヘッド5は、突起2を下にした状態で、転写プレート3の突起形成面Aとテーブル9の上面とが平行に配置され、テーブル9の上面に高粘度液状のフラックス7が供給されている。さらに、高粘度液状のフラックス7をテーブル9の上面で均一に均すためにスキージ8が備えられている。転写ヘッド5は、突起2の先端に高粘度液状のフラックス7を付着させるために、テーブル9の上方から降下できる不図示の鉛直方向への移動手段に接続されている。
【0021】
また、転写ヘッド5は、図1に示す基板1の上方と、図2に示すテーブル9の上方とを移動できるよう、不図示の水平方向への移動手段に接続されている。
【0022】
次に、転写プレート3の製造方法について説明する。
(実施例1)
図3は転写プレート3の斜視図である。図4(a)は転写プレート3の正面図であり、図4(b)は転写プレートの側面図である。
【0023】
まず、図3に示すように、転写プレート3の突起2を形成する突起形成面Aと平行な一方向11aに沿って切削刃物10を移動させることによって転写プレート3を削る。その後、ある所定のピッチPだけ、方向11aに垂直な方向に切削刃物10を移動させ、方向11aと同じ方向に転写プレート3の切削加工を行う。
【0024】
突起2の方向11aの配列分だけ複数の切削加工が完了したところで、切削刃物10によって切削された溝内に、熱を加えるとゲル状に軟化し、冷却すると固化する性質を有する熱可塑性接着剤を流し込む。さらに、平坦な板等を使用して突起2の先端から突起形成面Aに向かって加圧することによって、熱可塑性接着剤は切削刃物10によって切削された溝内に充填される。その後、冷却することによって熱可塑性接着剤が凝固する。
【0025】
続いて、突起形成面Aに平行且つ方向11aと垂直に交わる第1の方向11bに沿って切削刃物10を移動させ、転写プレート3を削る。このとき、前述の方向11aに沿った切削によって出来た溝には、熱可塑性接着剤が凝固しているため、第1の方向11bに沿った切削での、突起2の折損や突起2の削り面での大きなばりは抑制される。したがって、突起2の欠け等のない精度の高い転写プレート3が生産性よく製造される。
【0026】
突起2の高さHは、転写プレート3の突起形成面Aに垂直な方向への切削刃物10の入り込み量で決定される。突起2の間隔Iは、切削刃物10の幅によって決定される。したがって、幅の狭い切削刃物10を使用することによって、間隔Iの狭い転写プレート3が製造される。
【0027】
また、突起2の先端面積Sは、切削刃物10を方向11a又は第1の方向11bに垂直な方向に移動させる量により決定される。したがって、切削刃物10の移動量を小さくすることで、突起2の先端面積Sの小さいものが製造可能となる。また、突起2のピッチPは、間隔Iと先端面積Sによって決定され、間隔Iと先端面積Sを小さくすることによってピッチPの狭いものが製造可能となる。
【0028】
切削刃物10で第1の方向11bに切削した後は、熱可塑性接着剤を転写プレート3へ充填する時よりも高温状態にすることによって低粘度の液体状にし、アルコールなどの溶剤を使って熱可塑性接着剤を転写プレート3から洗い流す。
【0029】
以上のように、2方向への転写プレート3の切削と、熱可塑性接着剤の充填、熱可塑性接着剤の除去によって、突起2を有した転写プレート3が完成する。
【0030】
本実施例における転写プレート3は、突起2のピッチPが0.4mm、先端が0.15mmの正方形、高さHが0.5mmであり、はんだボールの大きさφ0.2mmの回路基板に対応したものである。必要とされる突起2の先端面積Sはフラックスの転写量に影響し、次工程で搭載されるはんだボール径や基板1のはんだボール形成箇所である接続端子部の大きさで決定される。本発明の実施例における転写プレート3の製造方法であれば、切削刃物10の幅の狭いものを使用して、突起2のピッチPが0.2mmの製造も可能である。
【0031】
以上のように、本発明の実施の形態を用いることにより、フラックス転写用の突起の配列ピッチを従来技術よりも微小化でき、スタンプ転写方式のフラックス転写ヘッドを安価に製造することができる。
【0032】
また、図1に示すように、基板1上にチップ6などの凸状部品がある場合には、転写プレート3のチップ6に相当する箇所は、前述の切削を行いチップ6が逃げる空間を形成し、チップ6と突起2とが干渉しない構造とする。チップ6の厚みが突起2の高さH以上にあり、突起2を基板1に接触させる際に転写プレート3とチップ6とが干渉してしまう場合には、図4に示すように、前述の切削加工の前に、機械加工、レーザー加工などであらかじめ転写プレート3に切り欠き12を設ける。切り欠き12により、転写プレート3とチップ6との干渉を回避することができる。
【0033】
本発明の実施例に使用される転写プレート3の材料は、耐フラックス性と、前述の切削が可能な切削性とを持つものが望ましく、例えばステンレスなどが挙げられる。切削後に突起2の先端及び側面の表面粗さを向上させるため、若しくは突起2の先端のエッジを丸くするために電解研磨等の化学処理を行うのが望ましい。
【0034】
次に、図1、2を参照して第1の実施例の動作を説明する。
【0035】
図2に示すように、テーブル9上に高粘度液状のフラックス7が供給された後、スキージ8をテーブル9の上面と平行な方向に移動させることによって、あらかじめ設定されたスキージ8の下面とテーブル9との溝に相当する厚みにフラックス7は均一に均される。その後、転写ヘッド5を鉛直方向の下方に移動させ、突起2の先端に高粘度液状のフラックス7を付着させる。フラックス7が突起2の先端に付着した後、転写ヘッド5は再度テーブル9の鉛直方向上方に移動し、その後、転写ヘッド5は図1で示すような基板1の上方へ水平移動する。
【0036】
このとき、基板1はフラックス転写位置が転写プレート3の突起2の位置と一致するようにあらかじめ位置調整されてセットされる。転写ヘッド5は基板1の上方から鉛直方向に降下し、突起2の先端が基板1のフラックス転写面に接触する。これによって、基板1のフラックス付与面に突起2の先端に付着していたフラックス7が転写される。
(実施例2)
本発明の第2の実施例について図5を参照して詳細に説明する。
【0037】
図5は本発明の第2の実施例における転写プレート3の正面断面図である。図5に示すように、切削刃物13には、先端にいくほど先端の径が細くなるように先端面にR形状が形成されており、基部にいくほど基部の径が広がるように基部の側面にR形状が施されている。したがって、R形状が施された切削刃物13を使用して、転写プレート3を実施例1と同様に切削することで、切削刃物13の切削によって形成される突起2も、先端が細くなり、基部が太くなるように加工される。
【0038】
基部をR形状とすることで突起2の強度を高めることができ、先端をR形状とすることで突起2が基板1へ接触する際に起こる突起2及び基板1の破損等を抑制することができる。この転写プレート3を実施例1と同様にブロック4に固定し、実施例1と同様の動作でフラックス7の転写が可能である。
(実施例3)
次に本発明の第3の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
図6は本発明の第3の実施例における転写プレート3の正面図及び側面図である。図6に示すように、突起形成面Aに平行な一方向11aと、突起形成面Aに平行で且つ方向11aと60度で交差する第1の方向11c及び第2の方向11dに沿って、各々の方向であらかじめ決められた間隔Dで切削する。
【0040】
実施例1と同様に、方向11aの切削後に熱可塑性接着剤を充填して固めた後に、第1の方向11cの切削を行うことによって、方向11aへの切削によって形成された溝への倒れや破損、ばりの発生を防ぐことができる。第1の方向11cへの切削後は、方向11aへの切削後に充填した熱可塑性接着剤は洗い流し、方向11a及び第1の方向11cの両方への切削によって形成された溝に熱可塑性接着剤を実施例1と同じ方法で充填する。その後、第2の方向11dに沿って切削を行い、切削が完了したところで熱可塑性接着剤の洗浄を行う。
【0041】
実施例3で形成される突起2は、合計3方向からの切削によって、図6に示すような、6角形状で突起2の配置が千鳥配列となる転写プレート3が製造可能となる。突起2の高さH、間隔I、先端面積S及びピッチPは、実施例1と同様に切削刃物の入り込み量、切削刃物の幅、切削刃物の切削方向に垂直な方向への移動距離で決定される。
(実施例4)
図7は本発明の第4の実施例として転写プレート3の正面図及び側面図である。図7に示すように、突起形成面Aに平行な方向11a、突起形成面Aに平行で且つ方向11aと45°で交差する方向11e及び方向11f、同じく突起形成面Aに平行で且つ方向11aと垂直に交わる方向11bの4方向からの切削を行う。
【0042】
第1の実施例と同様に、方向11aの切削後に熱可塑性接着剤を充填、凝固した後に、第1の方向11eへの切削を行うことで、破損、ばりの発生を抑制することができる。第2の方向11f、第3の方向11bへの切削加工毎も同様に行うことで、突起2は8角形状に形成される。突起2の高さH、間隔I、先端面積S及びピッチPは、第1の実施例と同様に切削刃物の入り込み量、切削刃物の幅、切削刃物の切削方向に垂直な方向への移動距離で決定される。図7で示す8角形状の突起2を有する転写プレート3を使用して、第1の実施例と同様にブロック4に固定し、フラックスの転写が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 基板
2 突起
3 転写プレート
4 ブロック
5 転写ヘッド
6 チップ
7 フラックス
8 スキージ
9 テーブル
10 切削刃物
11a、11b、11c、11d、11e、11f 方向
12 切り欠き
13 切削刃物
14 スクリーン印刷版
15 孔
16 スキージ
17 ブロック
18 転写ピン
A 突起形成面
D 間隔
H 高さ
I 間隔
P ピッチ
S 先端面積

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだボール形成のためのフラックスが転写される回路基板の該フラックスの配列にあわせて突起が配列されている転写プレートを備えたフラックス転写ヘッドの製造方法であって、
前記転写プレートの面に一方向に沿って平行な溝を形成する工程と、
熱を加えるとゲル状に軟化し、冷却すると固化する性質を有する熱可塑性接着剤を、前記溝のそれぞれに充填及び凝固させる工程と、
前記溝内に前記熱可塑性接着剤が凝固された前記転写プレートの面に前記一方向と交差する方向に沿って平行な溝を形成する工程と、
前記溝に充填及び凝固した前記熱可塑性接着剤を除去することで前記突起を形成する工程と、を有するフラックス転写ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記突起を形成する工程は、前記一方向と交差する第1の方向に沿って平行な溝を形成した後、前記一方向及び前記第1の方向の両方と交差する第2の方向に沿って平行な溝を形成することにより、前記突起を6角形状にすることを含む、請求項1に記載のフラックス転写ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記突起を形成する工程は、前記一方向と交差する第1の方向に沿って平行な溝を形成し、前記一方向及び前記第1の方向の両方と交差する第2の方向に沿って平行な溝を形成した後、前記一方向、前記第1の方向及び前記第2の方向のすべてと交差する第3の方向に沿って平行な溝を形成することにより、前記突起を8角形状にすることを含む、請求項1に記載のフラックス転写ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記溝を形成するとき、先端にいくほど先端の径が細くなるように先端面がR形状に形成されている切削刃物を用いることを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載のフラックス転写ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記溝を形成するとき、基部にいくほど基部の径が広がるように基部の側面にR形状が施されている切削刃物を用いることを含む、請求項1から請求項3に記載のフラックス転写ヘッドの製造方法。
【請求項6】
凝固した前記熱可塑性接着剤を除去するとき、前記熱可塑性接着剤に熱を加えゲル状又は液体状に軟化させて洗浄することを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載のフラックス転写ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−9530(P2011−9530A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152390(P2009−152390)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】