説明

フラットケーブル用コネクタ、ハーネス、及びハーネスの製造方法

【課題】フラットケーブル用コネクタの端子とフラットケーブルの導体との溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを容易且つ速やかに接続することができる、フラットケーブル用コネクタを提供する。
【解決手段】本体ハウジング11及びカバーハウジング12には、押圧されて保持された状態の複数の導体103の伸長方向と平行な方向に対して垂直なコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成されるとともに、導体露出部分105における複数の導体103及び複数の端子13をコネクタ幅方向に亘って外部に露出させる開口部(26、32)が設けられる。開口部(26、32)を介して溶接が行われることで、導体露出部分105における複数の導体103と複数の端子13とがそれぞれ溶着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタ、フラットケーブル用コネクタを備えるハーネス(ケーブルハーネス)、及びハーネスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタが知られている(特許文献1を参照)。特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタは、複数の弾性端子を収納するハウジング部として構成されており、ホルダ及びホルダガイドによってフラットケーブルを保持する差込接続部として構成された相手側コネクタに対して接続される。そして、特許文献1に開示されたこのフラットケーブル用コネクタは、複数の弾性端子に対してフラットケーブルにおける複数の導体がそれぞれレーザ溶接により溶着されることで、フラットケーブルに対して接続される。
【0003】
特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタがレーザ溶接によってフラットケーブルに接続される際には、まず、フラットケーブルにおける導体露出部がフラットケーブル用コネクタに収納された複数の弾性端子の上に載置される。次いで、フラットケーブル用コネクタにおいて開閉自在に設けられた挟持部材によって、導体露出部と複数の弾性端子とが挟まれて仮保持される。挟持部材には、各弾性端子に対応して配置されて、円弧状に突出した薄肉の部分として形成された弾性部材が一体に設けられており、この弾性部材によって導体露出部の各導体と各弾性端子とがそれぞれ仮保持される。また、挟持部材には、各弾性端子に対向する位置に挿通孔がそれぞれ設けられている。そして、各挿通孔からレーザ光が導入されることで、各弾性端子とフラットケーブルの各導体とがレーザ溶接により溶着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−211405号公報(第4頁、第1−6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタがフラットケーブルに接続される際には、上述のように、各弾性端子とフラットケーブルの各導体とを各弾性部材を介して仮保持する挟持部材に設けられて各弾性端子に対向する各挿通孔からレーザ光が照射される。これにより、各弾性端子とフラットケーブルの各導体とがレーザ溶接により溶着される。このため、フラットケーブル用コネクタに支持される複数の端子とフラットケーブルにおける複数の導体との溶接方法が、挟持部材に設けられて各弾性端子に対応した小さな挿通孔からレーザ光をそれぞれ照射するという溶接方法に限定されてしまうことになる。従って、フラットケーブル用コネクタの端子とフラットケーブルの導体との溶接に関し、その溶接方法が大きく制約を受けてしまうことになる。また、各弾性端子に対応した小さな挿通孔からレーザ光を照射して各弾性端子とフラットケーブルの各導体とをレーザ溶接するという精度の高い作業処理が要求されることになる。このため、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを接続する作業が難しくなり易く、全ての弾性端子と全ての導体との溶接が完了して接続が終了するまでの作業処理に要する処理時間の増大も招き易いという問題もある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、フラットケーブル用コネクタに支持される複数の端子とフラットケーブルにおける複数の導体との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを容易且つ速やかに接続することができる、フラットケーブル用コネクタを提供することを目的とする。また、そのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネス(ケーブルハーネス)、及びそのハーネスの製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための第1発明に係るフラットケーブル用コネクタは、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタであって、複数の端子と、複数の前記端子が平行に配置された状態で複数の当該端子を支持するとともに、絶縁被覆の被覆部分が一部除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部が配置される本体ハウジングと、前記本体ハウジングに係合して取り付けられ、前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とがそれぞれ当接した状態で、前記本体ハウジングとの間において、複数の前記導体と複数の前記端子とを挟み込むように押圧して保持するカバーハウジングと、を備えている。そして、第1発明に係るフラットケーブル用コネクタは、前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかには、押圧されて保持された状態の複数の前記導体の伸長方向と平行な方向である導体伸長方向に対して垂直な幅方向であるコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成されるとともに、前記導体露出部分における複数の前記導体及び複数の前記端子の少なくともいずれかを前記コネクタ幅方向に亘って外部に露出させる開口部が設けられ、前記開口部を介して溶接が行われることで、前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とがそれぞれ溶着されることを特徴とする。
【0008】
この発明によると、複数の端子を支持する本体ハウジングに対して、導体露出部分を有するフラットケーブルの端部が配置される。そして、カバーハウジングが本体ハウジングに係合して取り付けられることで、複数の端子と導体露出部分における複数の導体とが、カバーハウジングと本体ハウジングとの間で当接して押圧された状態で挟持される。これにより、係合し合う本体ハウジング及びカバーハウジング間において、当接した状態の端子及び導体が固定されることになる。そして、本発明のフラットケーブル用コネクタには、コネクタ幅方向に亘って複数の導体及び複数の端子の少なくともいずれかを外部に露出させる開口部が形成されており、この開口部を介して溶接が行われ、複数の端子と複数の導体とが溶着される。このため、本発明のフラットケーブル用コネクタを用いると、複数の端子及び複数の導体について、本体ハウジング及びカバーハウジング間で固定した状態で、コネクタ幅方向に亘って大きく開口した開口部から熱源となるエネルギを供給して容易に溶接することができる。従って、特許文献1に開示されたような特定のレーザ溶接方法に制限されずに溶接することができる。即ち、レーザ溶接以外の溶接方法によって、例えば抵抗溶接等の圧接による溶接やろう付けによる溶接によって、複数の端子と複数の導体とを溶接することができる。また、各挿通孔からレーザ光をそれぞれ照射するような特許文献1に開示の特定のレーザ溶接方法以外のレーザ溶接方法によって、複数の端子と複数の導体とを溶接することができる。これにより、複数の端子と複数の導体とを溶接する際の溶接方法の制約を大幅に緩和することができる。そして、各端子に対応した小さな挿通孔からレーザ光を照射して各端子と各導体とをレーザ溶接するような精度の高い作業処理が要求される特許文献1に開示の溶接方法を用いることなく、種々の溶接方法から作業性や能率を考慮して適宜選択した溶接方法によって、複数の端子と複数の導体とを溶接することができる。このため、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを接続する作業が容易となり、全ての端子と全ての導体との溶接が完了して接続が終了するまでの作業処理に要する処理時間の短縮化も図ることができる。
【0009】
従って、本発明によると、フラットケーブル用コネクタに支持される複数の端子とフラットケーブルにおける複数の導体との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを容易且つ速やかに接続することができる、フラットケーブル用コネクタを提供することができる。
【0010】
第2発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記開口部として、前記本体ハウジングにおいて開口形成されて複数の前記端子を外部に露出させる本体側開口部と、前記カバーハウジングにおいて開口形成されて複数の前記導体を外部に露出させるカバー側開口部とが設けられ、前記本体側開口部と前記カバー側開口部とが、押圧されて保持された状態の複数の前記導体と複数の前記端子とを介して対向して開口するように設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明によると、溶接の際の熱源となるエネルギの供給が行われる開口部が、端子と導体とが当接して溶接される箇所に対向して配置される本体側開口部及びカバー側開口部として形成されている。このため、本体側開口部及びカバー側開口部からそれぞれ電極を挿入して端子及び導体を加圧し、更に通電を行うことで、容易に抵抗溶接を行うことができる。また、本体側開口部及びカバー側開口部のいずれから溶接を行ってもよいため、レーザ溶接等のような抵抗溶接以外の溶接を行う場合においても、溶接方法の制約を更に緩和することができる。
【0012】
第3発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明又は第2発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかに設けられた前記開口部は、外側に向かって開口面積が拡大しながら広がるように形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によると、溶接の際の熱源となるエネルギの供給が行われる開口部が、外側に向かって開口面積が拡大しながら広がるよう形成されている。このため、端子と導体とが当接して溶接される箇所の近傍では、供給されるエネルギをこの溶接箇所に集中させるために必要なスペースを確保しつつ、溶接箇所から少し離れた箇所では、エネルギを供給するための機器が配置されるためのスペースや溶接箇所に向かって集中するように供給されるエネルギが通過するためのスペースを効率よく確保できる開口部を形成することができる。とくに、溶接の際の熱源となるエネルギがレーザ光であるレーザ溶接の場合には、レーザ光の照射角度に対応して効率よく広がるように開口形成された開口部を設けることができる。
【0014】
第4発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第3発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングには、複数の前記端子に当接した複数の前記導体に向かってブロック状に突出するよう形成されるとともに、複数の前記導体を複数の前記端子に対して押圧して保持する押圧保持部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、カバーハウジングに、ブロック状に突出して複数の導体を複数の端子に対して押圧して保持する押圧保持部が設けられる。このため、カバーハウジングを本体ハウジングに係合させて取り付けることで、ブロック状の押圧保持部によって、複数の端子と複数の導体とを強固に固定することができる。これにより、溶接の際に端子と導体との間で相対的な位置ずれが生じてしまうことを抑制することができる。そして、溶接箇所以外の箇所でも複数の端子と複数の導体とが強固に固定されるため、フラットケーブル用コネクタが接続されたフラットケーブルを配線等する場合に、フラットケーブルに引っ張り等の外力が作用した場合であっても、端子と導体との溶接箇所に過大な外力が作用してしまうことを抑制することができる。従って、フラットケーブルに作用した外力による溶接箇所の破損を抑制することができる。尚、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタの場合、溶接箇所以外の箇所については、円弧状に突出した薄肉の部分として形成された各弾性部材を介して各導体と各端子とが保持される。このため、溶接箇所以外の箇所での導体と端子との保持力が弱く、フラットケーブルに過大な外力が作用した場合に、端子と導体との溶接箇所に大きな外力が作用してしまうことになる。これに対して、本発明によると、前述のように、端子と導体との溶接箇所に過大な外力が作用してしまうことを抑制することができる。
【0016】
第5発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第4発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記押圧保持部は、複数の前記導体をそれぞれ押圧するように複数の前記導体に対応して複数突出して設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明によると、各導体に対応して突出するよう複数設けられた押圧保持部によって、複数の端子と複数の導体とがそれぞれ押圧されて保持される。このため、各端子と各導体との各当接箇所を個別に固定することができ、各端子と各導体とをより安定して押圧保持することができる。
【0018】
第6発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第4発明又は第5発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記押圧保持部は、前記開口部に対して前記導体伸長方向における両側において複数の前記導体をそれぞれ押圧するように突出して設けられていることを特徴とする。
【0019】
この発明によると、開口部に対して導体伸長方向の両側で突出する押圧保持部によって、複数の端子と複数の導体とが押圧されて保持される。このため、複数の端子と複数の導体とが溶接される溶接箇所に対して導体伸長方向の両側の位置で、複数の端子と複数の導体とを固定することができる。これにより、溶接の際に端子と導体との間で相対的な位置ずれが生じてしまうことを溶接箇所の前後で押圧保持して効率よく抑制することができる。また、溶接箇所の前後で押圧保持することで、溶接後に端子と導体との溶接箇所に過大な外力が作用してしまうことも更に抑制することができる。
【0020】
第7発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第4発明乃至第6発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングには、前記コネクタ幅方向の両側に配置されるとともに前記押圧保持部に対して前記導体伸長方向における両側に配置されるように形成されて前記本体ハウジングに係合する複数の係合部が設けられ、複数の前記係合部が前記本体ハウジングに係合して前記カバーハウジングが前記本体ハウジングに取り付けられることで、前記押圧保持部が突出方向において弾性変形した状態で複数の前記導体を複数の前記端子に対して押圧することを特徴とする。
【0021】
この発明によると、カバーハウジングは、コネクタ幅方向の両側で且つ押圧保持部に対して導体伸長方向の両側に配置された複数の係合部で係合することで、本体ハウジングに取り付けられる。そして、カバーハウジング及び本体ハウジングのこの係合によって、押圧保持部に対してその周囲から複数の導体を複数の端子に対して押圧させる力が作用し、押圧保持部が突出方向にて弾性変形した状態で、複数の導体と複数の端子とを固定する。このため、より強固な押圧保持力が発生し、複数の導体と複数の端子とをより強固に固定することができる。
【0022】
第8発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第7発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの一方には、複数の前記導体の間に配置されるとともに複数の当該導体の間に挿入されるように複数突出して形成された導体間突出部が設けられていることを特徴とする。
【0023】
この発明によると、本体ハウジング及びカバーハウジングの一方には、複数の導体間に挿入されるよう突出形成された複数の導体間突出部が設けられている。このため、フラットケーブルの端部における導体露出部分を本体ハウジング及びカバーハウジングの間に配置する際に、複数の導体間突出部によって導体露出部分における各導体が所定の位置に案内され、各導体を各端子と当接する位置に正確に位置決めすることができる。
【0024】
第9発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第8発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、複数の前記導体間突出部は、前記本体ハウジングに設けられていることを特徴とする。
【0025】
この発明によると、導体間突出部が本体ハウジングに設けられるため、フラットケーブルの端部を本体ハウジングに配置する際に、複数の導体間突出部によって各導体が案内されて各端子と当接する位置に正確に位置決めされる。これにより、カバーハウジングを本体ハウジングに取り付ける前の状態で各導体と各端子とを正確に位置決めでき、各導体と各端子との位置決めをより容易に行うことができる。
【0026】
第10発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第9発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が複数の前記導体の伸張方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで前記導体露出部分が形成されるとともに、引き抜かれるようにずらされた前記被覆部分の一部が先端に残されて形成された先端絶縁被覆部分が設けられ、複数の前記端子は、前記導体露出部分と当接したときに前記先端絶縁被覆部分に対向する部分が当該先端絶縁被覆部分から離間して配置されるように屈曲形成された状態で、前記本体ハウジングに一体成形されていることを特徴とする。
【0027】
この発明によると、フラットケーブルの端部において、導体露出部分の形成の際にその先端側に先端絶縁被覆部分が設けられる。このため、導体露出部分が設けられたフラットケーブルの端部において、複数の導体がばらばらの状態にほぐれてしまうことを防止できる。これにより、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを接続する作業を更に容易にし、作業能率を向上させることができる。そして、複数の端子は、先端絶縁被覆部分に対向する部分がこの先端絶縁被覆部分から離間して配置されるように屈曲形成された状態で本体ハウジングに一体成形されている。このため、フラットケーブルの端部に先端絶縁被覆部分が設けられていても、接続の際に先端絶縁被覆部分と複数の端子とが干渉してしまうことを防止することができる。これにより、先端絶縁被覆部分と複数の端子との干渉が生じることによって導体露出部分における複数の導体と複数の端子との位置までずれてしまうことを防止することができる。
【0028】
また、前述の目的を達成するための第11発明に係るハーネスは、第1発明乃至第10発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタと、前記フラットケーブル用コネクタが接続される前記フラットケーブルと、を備えていることを特徴とする。
【0029】
この発明によると、第1発明乃至第10発明のフラットケーブル用コネクタと同様の効果を奏するハーネスを実現することができる。従って、本発明によると、フラットケーブル用コネクタに支持される複数の端子とフラットケーブルにおける複数の導体との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを容易且つ速やかに接続することができる、ハーネスを提供することができる。
【0030】
また、前述の目的を達成するための第12発明に係るハーネスの製造方法は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを接続してハーネスを製造するハーネスの製造方法であって、複数の端子が平行に配置された状態で複数の当該端子を支持する本体ハウジングに対して、絶縁被覆の被覆部分が一部除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部を配置する、フラットケーブル配置工程と、前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とがそれぞれ当接した状態で、前記本体ハウジングとの間において、複数の前記導体と複数の前記端子とを挟み込むように押圧して保持するカバーハウジングを、前記本体ハウジングに対して係合させて取り付ける、カバーハウジング取付工程と、溶接により前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とをそれぞれ溶着する溶接工程と、を備えている。そして、第12発明に係るハーネスの製造方法は、前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかには、押圧されて保持された状態の複数の前記導体の伸長方向と平行な方向である導体伸長方向に対して垂直な幅方向であるコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成されるとともに、前記導体露出部分における複数の前記導体及び複数の前記端子の少なくともいずれかを前記コネクタ幅方向に亘って外部に露出させる開口部が設けられ、前記溶接工程においては、前記開口部を介して溶接が行われることを特徴とする。
【0031】
この発明によると、第1発明乃至第10発明のフラットケーブル用コネクタと同様の効果を奏するハーネスの製造方法を実現することができる。従って、本発明によると、フラットケーブル用コネクタに支持される複数の端子とフラットケーブルにおける複数の導体との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを容易且つ速やかに接続することができる、ハーネスの製造方法を提供することができる。
【0032】
第13発明に係るハーネスの製造方法は、第12発明のハーネスの製造方法において、前記開口部として、前記本体ハウジングにおいて開口形成されて複数の前記端子を外部に露出させる本体側開口部と、前記カバーハウジングにおいて開口形成されて複数の前記導体を外部に露出させるカバー側開口部とが設けられ、前記本体側開口部と前記カバー側開口部とが、押圧されて保持された状態の複数の前記導体と複数の前記端子とを介して対向して開口するように設けられ、前記溶接工程においては、複数の前記端子に同時に接触可能なように一体に形成されるとともに前記本体側開口部から挿入される端子側電極と、前記導体露出部分における複数の前記導体に同時に接触可能なように一体に形成されるとともに前記カバー側開口部から挿入される導体側電極と、が用いられ、複数の前記端子と複数の前記導体とを挟んだ状態で前記端子側電極と前記導体側電極とに通電が行われることで、抵抗溶接が行われることを特徴とする。
【0033】
この発明によると、複数の端子に同時に接触可能に一体に形成された端子側電極が本体側開口部から挿入され、導体露出部分における複数の導体に同時に接触可能に一体に形成された導体側電極がカバー側開口部から挿入される。そして、端子側電極と導体側電極との間で、複数の端子と複数の導体とを同時に加圧するとともに、複数の端子と複数の導体とに対して同時に通電して抵抗溶接を行うことができる。これにより、複数の端子と複数の導体とを一度に同時タイミングで溶接することができ、複数の端子及び複数の導体の溶接作業の飛躍的な高効率化と容易化とを実現することができる。
【0034】
第14発明に係るハーネスの製造方法は、第12発明のハーネスの製造方法において、前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかに設けられた前記開口部は、外側に向かって開口面積が拡大しながら広がるように形成され、前記溶接工程においては、外側に向かって広がる前記開口部からレーザ光が照射されることで、レーザ溶接が行われることを特徴とする。
【0035】
この発明によると、ハーネスの製造に用いられるフラットケーブル用コネクタには、端子と導体とが当接して溶接される箇所の近傍で、供給されるレーザ光をこの溶接箇所に集中させるために必要なスペースが確保され、溶接箇所から少し離れた箇所で、溶接箇所に向かって集中するように供給されるレーザ光が通過するためのスペースが効率よく確保された開口部が形成されている。このため、レーザ光の照射角度に対応して効率よく開口形成された開口部を介してレーザ光が照射されることになる。これにより、レーザ溶接に適した開口部が効率よく形成されたフラットケーブル用コネクタを用い、複数の端子と複数の導体とを容易にレーザ溶接して、ハーネスを製造することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によると、フラットケーブル用コネクタに支持される複数の端子とフラットケーブルにおける複数の導体との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを容易且つ速やかに接続することができる、フラットケーブル用コネクタを提供することができる。また、そのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネス、及びそのハーネスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタを用いて構成された本発明の一実施の形態に係るハーネスとを示す斜視図である。
【図2】図1に示すフラットケーブル用コネクタとフラットケーブルの一部とを示す斜視図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】図3におけるフラットケーブルを拡大して示す斜視図である。
【図5】図2のA−A線矢視断面図である。
【図6】図3に示すフラットケーブル用コネクタにおける本体ハウジングを示す斜視図である。
【図7】図6の一部拡大図である。
【図8】本体ハウジングにフラットケーブルの端部が配置された状態における本体ハウジング、端子及び導体についての図5のD−D線矢視位置に対応する位置での一部断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】図3に示すフラットケーブル用コネクタにおけるカバーハウジングを示す斜視図である。
【図10】カバーハウジングが本体ハウジングに取り付けられた状態におけるカバーハウジング、本体ハウジング、端子及び導体についての図5のD−D線矢視位置に対応する位置での一部断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るハーネスの製造方法を示す工程図である。
【図12】図11に示すハーネスの製造方法における溶接工程において抵抗溶接が行われる様子を模式的に示す断面図である。
【図13】抵抗溶接の際における端子側電極、導体側電極、端子及び導体についての図12のE−E線矢視位置に対応する位置での一部断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図14】図11に示すハーネスの製造方法における溶接工程においてレーザ溶接が行われる様子を模式的に示す断面図である。
【図15】変形例に係るフラットケーブル用コネクタと、フラットケーブルの一部とを示す斜視図である。
【図16】他の変形例に係るフラットケーブル用コネクタと、フラットケーブルの一部とを示す斜視図である。
【図17】変形例に係るハーネスの製造方法を示す工程図である。
【図18】図17に示すハーネスの製造方法における溶接工程が終了した状態のコネクタ及びフラットケーブルの端部を示す断面図である。
【図19】図17に示すハーネスの製造方法における先端絶縁被覆部分除去工程が終了した状態のコネクタ及びフラットケーブルの端部を示す断面図である。
【図20】他の変形例に係るハーネスの製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタ、フラットケーブル用コネクタを備えるハーネス、及びハーネスの製造方法として、種々の用途に広く適用することができるものである。
【0039】
図1は、本発明の一実施の形態に係るフラットケーブル用コネクタ1(以下、単に「コネクタ1」ともいう)と、このコネクタ1を用いて構成された一実施の形態に係るハーネス(ケーブルハーネス)10とを示す斜視図である。図1に例示するハーネス10は、本実施形態に係るコネクタ1と、コネクタ1が接続されるフラットケーブル100とを備えて構成されている。例えば、このハーネス10を介して、プリント基板101(図1ではその一部のみを図示している)と、図示しない他のプリント基板や機器とが接続される。尚、ハーネス10においては、フラットケーブル100の一方の端部にコネクタ1が接続されており、このコネクタ1が、他のプリント基板や機器に接続された相手側コネクタ(図示せず)に接続される。また、フラットケーブル100の他方の端部には、プリント基板101に接続されるコネクタ102が接続される。
【0040】
図2は、本実施形態に係るコネクタ1と、このコネクタ1が接続されたフラットケーブル100の一部とを示す斜視図である。図3は、図2の分解斜視図である。また、図4は、図3におけるフラットケーブル100のみを拡大して示す斜視図である。図1乃至図4に示すフラットケーブル100は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)として構成され、平行に配列された複数の導体103が被覆部分104によって絶縁被覆されて形成されている。このフラットケーブル100は、例えば、複数の導体103と絶縁被覆の被覆部分104とが一体となって押し出し成形により成形される。また、各導体103は、例えば、細い線材が束ねられた集合体として構成されている。尚、本実施形態については、フレキシブルフラットケーブルに限らず、フレキシブルフラットケーブル以外のフラットケーブル(例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC))に対しても適用することができるものである。
【0041】
また、図4によく示すように、フラットケーブル100の端部には、導体露出部分105と先端絶縁被覆部分106とが設けられている。導体露出部分105は、絶縁被覆の被覆部分104が一部除去されて複数の導体103が露出した部分として設けられている。この導体露出部分105は、被覆部分104が複数の導体103の伸長方向(複数の導体105が平行に延びる方向)に沿って引き抜かれるように剥がされることで形成されている。また、先端絶縁被覆部分106は、上記のように導体露出部分105が形成される際に、引き抜かれるようにずらされた被覆部分104の一部が先端に残されることで形成されている。尚、フラットケーブル100における導体露出部分105が設けられた端部と反対側の端部は、前述したように、コネクタ102に接続されている。
【0042】
次に、本実施形態のコネクタ1について詳しく説明する。図2及び図3に示すコネクタ1は、本体ハウジング11と、カバーハウジング12と、複数の端子13とを備えて構成されている。本体ハウジング11及びカバーハウジング12は、いずれも絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。一方、複数の端子13は、高い導電性を有する金属材料でそれぞれ形成されている。
【0043】
図5は、図2のA−A線矢視断面図であり、図6は、複数の端子13が一体成形された本体ハウジング11の斜視図である。複数の端子13は、それぞれ矩形断面の棒状で細長く延びるように形成されるとともに中途に屈曲形成された部分を有する金属片として設けられている。そして、複数の端子13は、本体ハウジング11の成型加工が行われる際に、この本体ハウジング11に対して一体成形されて支持される。また、複数の端子13は、本体ハウジング11において、長手方向が互いに平行に延びるように配置された状態で支持されている。尚、図5は、端子13の長手方向に沿った断面を含む位置でのコネクタ1の断面図を示している。
【0044】
また、各端子13には、フラットケーブル100の端部の導体露出部分105における各導体103に対して後述のように溶接される箇所となる溶接部分13aが、その前後に屈曲形成された部分が設けられることで他の部分に対して片側に盛り上がった部分として形成されている。また、各端子13における一方の端部13bは、コネクタ1が接続される相手側コネクタ(図示せず)における相手側の端子(図示せず)に対して電気的に接続される部分として本体ハウジング11において外部に露出するように配置されている。
【0045】
図2、図3、図5、図6に示すように、本体ハウジング11は、薄型で中央部分が広く凹むように開放された略矩形のケース状に形成され、接続部21、ケーブル配置部22、係合突起23、係合凹部24、導体間突出部25、本体側開口部26等が設けられている。接続部21は、本体ハウジング11における一端側の端部として設けられ、コネクタ1が図示しない相手側コネクタに接続される際に相手側コネクタに対して嵌合して接続する部分として形成されている。この接続部21においては、前述のように、複数の端子13の各端部13bが露出した状態で配置され、相手側コネクタにおける相手側の端子に接触可能に構成されている。また、接続部21の両側方には、コネクタ1が相手側コネクタに接続された際に、弾性変形して退避するように撓んだ後に突出することで、相手側コネクタに係合する係合突起23が設けられている。
【0046】
ケーブル配置部22は、本体ハウジング11において広く凹むように開放された中央部分として形成されており、導体露出部分105を有するフラットケーブル100の端部が配置される部分として設けられている。ケーブル配置部22に端部が配置されたフラットケーブル100は、本体ハウジング11に対して、一端側の接続部21とは反対側の他端側から外部に引き出されるように配置されることになる。
【0047】
また、ケーブル配置部22においては、本体ハウジング11に一体成形されて支持された複数の端子13における各溶接部分13aが、外部に露出するように配置されている。フラットケーブル100の端部は、導体露出部分105における各導体103が複数の端子13における各溶接部分13aと当接するように、真っ直ぐに延びた状態でケーブル配置部22に対して配置される。そして、フラットケーブル100の端部がケーブル配置部22に配置された状態で、カバーハウジング12が本体ハウジング11に取り付けられることで、後述するように複数の端子13と複数の導体103とが押圧されて保持されることになる(図5参照)。尚、以下の説明では、図2、図5、図6にて両端矢印で示すように、コネクタ1において、押圧されて保持された状態の複数の導体103の伸長方向と平行な方向を導体伸長方向(両端矢印Bで示す方向)とし、この導体伸長方向に対して垂直な方向であるコネクタ1の幅方向をコネクタ幅方向(両端矢印Cで示す方向)として、説明する。
【0048】
係合凹部24は、ケーブル配置部21に対してコネクタ幅方向における両側に配置された内壁において凹み形成された部分として形成され、本体ハウジング11にカバーハウジング12が取り付けられる際にカバーハウジング12と係合する部分として設けられている。係合凹部24は、複数(本実施形態では、4つ)設けられており、本体ハウジング11において、コネクタ幅方向の両側に配置されるとともに導体伸長方向における両側にも配置されるように設けられている。
【0049】
図7は、図6の一部を拡大して示す斜視図である。また、図8は、本体ハウジング11にフラットケーブル100の端部が配置された状態における本体ハウジング11、端子13及び導体103についての図5のD−D線矢視位置に対応する位置での一部断面を拡大して示す拡大断面図である。図6乃至図8に示すように、導体間突出部25は、本体ハウジング11において複数設けられている。そして、これらの導体間突出部25は、ケーブル配置部22において複数の端子13に当接するように配置された導体露出部分105における複数の導体103間にそれぞれ配置されるように形成されるとともに、複数の導体103の間にそれぞれ挿入されるように突出して設けられている。尚、各導体間突出部25は、導体103と平行に延びるリブ状に形成されている。また、複数の導体間突出部25は、導体103間のそれぞれに対応して一対ずつ設けられており、それぞれの導体103間において導体伸長方向における両側に配置されている。
【0050】
図5によく示すように、本体側開口部26は、本体ハウジング11においてコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成され、本体ハウジング11を貫通するとともに、本体ハウジング11の厚み方向(導体伸長方向及びコネクタ幅方向のいずれにも垂直な方向)と垂直な断面が長方形に形成された開口部として設けられている。そして、本体側開口部26は、本体ハウジング11に支持された複数の端子13を溶接部分13aの位置でコネクタ幅方向に亘って外部に露出させるように形成されている。また、ケーブル配置部22に配置された導体103間のそれぞれに対応して1対ずつ設けられる複数の導体間突出部25は、本体側開口部26を挟む位置にそれぞれ一対ずつ配置されている。
【0051】
尚、フラットケーブル100の端部がケーブル配置部22に配置された状態では、先端絶縁被覆部分106は、本体ハウジング11に対して、本体側開口部26に対して先端部21側に位置する導体間突出部25と先端部21との間に設けられて段状に凹んで区画された空間に配置され、端子13と干渉しないように配置されることになる。このように、本体ハウジング11においては、複数の端子13は、導体露出部分105に対して溶接部分13aが当接したときにその先端側で先端絶縁被覆部分106に対向する部分が先端絶縁被覆部分106から離間して配置されるように屈曲形成された状態で、本体ハウジング11に一体成形されている(図5参照)。
【0052】
図9は、カバーハウジング12を示す斜視図である。図2、図3、図5、図9に示すように、カバーハウジング12は、本体ハウジング11とは別体に形成され、本体ハウジング11に取り付けられる略矩形で蓋状の部材として設けられている。このカバーハウジング12は、本体ハウジング11にフラットケーブル100の端部が配置されて導体露出部分105における複数の導体103と複数の端子13とがそれぞれ当接した状態で、本体ハウジング11に取り付けられる。これにより、カバーハウジング12が、本体ハウジング11との間において、複数の導体103と複数の端子13とを挟み込むように押圧して保持することになる。
【0053】
図10は、カバーハウジング12が本体ハウジング11に取り付けられた状態におけるカバーハウジング12、本体ハウジング11、端子13及び導体103についての図5のD−D線矢視位置に対応する位置での一部断面を拡大して示す拡大断面図である。図5、図9及び図10によく示すように、カバーハウジング12には、蓋部31、カバー側開口部32、押圧保持部33、係合部34等が設けられている。蓋部31は、本体ハウジング11に配置されたフラットケーブル100の端部を覆うように配置される平板状の部分として形成されている。
【0054】
図2、図5及び図9によく示すように、カバー側開口部32は、カバーハウジング12においてコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成され、カバーハウジング12を貫通するとともに、カバーハウジング12の厚み方向(導体伸長方向及びコネクタ幅方向のいずれにも垂直な方向)と垂直な断面が長方形に形成された開口部として設けられている。また、このカバー側開口部32は、外側に向かって開口面積が拡大しながら(即ち、上記の長方形の面積が拡大しながら)広がるように形成されている。そして、カバー側開口部32は、複数の端子13に当接するよう配置された導体露出部分105における複数の導体103をコネクタ幅方向に亘って外部に露出させるように形成されている。このカバー側開口部32は、本体側開口部26とともに、本実施形態における開口部として設けられている。また、カバー側開口部32と本体側開口部26とは、カバーハウジング12と本体ハウジング11とで押圧されて保持された状態の複数の導体103と複数の端子13とを介して対向して開口するように設けられている。コネクタ1をフラットケーブル100に接続する際には、カバー側開口部32及び本体側開口部26で構成される開口部を介して後述のように溶接が行われることで、導体露出部分105における複数の導体103と複数の端子13とがそれぞれ溶着されることになる。
【0055】
図5及び図10に示すように、押圧保持部33は、カバーハウジング12において複数設けられている。これらの押圧保持部33は、ケーブル配置部22において複数の端子13に当接するように配置された導体露出部分105における複数の導体103に向かってブロック状に突出するよう形成されている。また、複数の押圧保持部33は、複数の導体103をそれぞれ押圧するように複数の導体103に対応して突出して設けられている。これにより、複数の押圧保持部33は、複数の導体103を複数の端子13に対してそれぞれ押圧して保持するように構成されている。また、複数の押圧保持部33は、各導体103に対応して一対ずつ設けられており、カバー側開口部32に対して導体伸長方向における両側において複数の導体103をそれぞれ一対の押圧保持部33で押圧するように突出して設けられている。尚、複数の押圧保持部33が複数の導体103を複数の端子13に対して押圧した状態では、それぞれ逆方向に櫛歯状に突出する複数の押圧保持部33及び複数の導体間突出部25は、各押圧保持部33と各導体間突出部25とが隣接した状態で交互に逆方向に突出するように配置されることになる(図10参照)。
【0056】
図9によく示すように、係合部34は、蓋部31に対してコネクタ幅方向における両側で部分的に設けられた側壁のように突出して本体ハウジング11の内壁と摺接する側壁部分に設けられ、この側壁部分に対して更に側方に向かって凸状に突出した部分として形成されている。そして、この係合部34は、カバーハウジング12が本体ハウジング11に取り付けられる際に本体ハウジング11の各係合凹部24とそれぞれ係合する部分として設けられている。この係合部34は、カバーハウジング12が本体ハウジング11に取り付けられる際には、一旦内側に退避するように上記の側壁部分が撓んだ後に弾性回復することで、係合凹部24に向かって突出して係合する。
【0057】
また、係合部34は、複数(本実施形態では、4つ)設けられており、カバーハウジング12において、コネクタ幅方向の両側に配置されるとともに押圧保持部33に対して導体伸長方向における両側に配置されるように形成されている。尚、本実施形態では、各係合部34は、カバーハウジング12における四隅の近傍にそれぞれ配置されている。そして、4つの各係合部34が本体ハウジング11における4つの各係合凹部24に係合してカバーハウジング12が本体ハウジング11に取り付けられる。このとき、複数の押圧保持部33がそれぞれ突出方向において弾性変形した状態で(即ち、圧縮荷重が各押圧保持部33に作用した状態で)複数の導体103を複数の端子13に対して押圧するように、押圧保持部33の突出長さ寸法等が適宜設定されている。
【0058】
次に、本発明の一実施の形態に係るハーネスの製造方法(以下、単に「本実施形態の製造方法」ともいう)について説明する。本実施形態の製造方法は、フラットケーブル100にコネクタ1を接続してハーネス10を製造する、ハーネスの製造方法として構成されている。本実施形態の製造方法によるハーネス10の製造に際しては、まず、前述したコネクタ1とフラットケーブル100とが準備される。そして、コネクタ1をフラットケーブル100の端部に接続する処理工程が行われることで、本実施形態の製造方法が実施されることになる。
【0059】
図11は、本実施形態の製造方法を示す工程図である。この図11に示すように、本実施形態の製造方法は、導体露出部分形成工程S101と、フラットケーブル配置工程S102と、カバーハウジング取付工程S103と、溶接工程S104とを備えて構成されている。これらの各工程(S101〜S104)が順番に行われることで、コネクタ1をフラットケーブル100に接続してハーネス10を製造する処理工程が行われることになる。
【0060】
導体露出部分形成工程S101においては、端部に導体露出部分105が形成されていない状態のフラットケーブル100に対して導体露出部分105を形成する処理が行われる。即ち、フラットケーブル100の端部において、被覆部分104が複数の導体103の伸長方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで導体露出部分105が形成される(図4参照)。そして、このときに引き抜かれるようにずらされた被覆部分104の一部が先端に残されることで先端絶縁被覆部分106も形成される。
【0061】
フラットケーブル配置工程S102においては、本体ハウジング11のケーブル配置部22に対して、導体露出部分105を有するフラットケーブル100の端部を配置する処理が行われる。このとき、導体露出部分105における各導体103を各端子13の溶接部分13aに当接させるとともに、導体103間に導体間突出部25が挿入されるように、フラットケーブル100の端部が本体ハウジング11に配置される(図5、図8参照)。
【0062】
上述のように導体露出部分105における複数の導体103と複数の端子13とがそれぞれ当接した状態で、カバーハウジング取付工程S103が行われる。このカバーハウジング取付工程S103においては、カバーハウジング12を本体ハウジング11に対して各係合部34と各係合凹部24とで係合させて取り付ける処理が行われる。このカバーハウジング取付工程S103が行われることで、各押圧保持部33が各導体103を各端子13に対して押圧し、カバーハウジング12と本体ハウジング11との間において、複数の導体103と複数の端子13とが挟み込まれるように押圧されて保持されることになる。
【0063】
溶接工程S104においては、本体側開口部26及びカバー側開口部32を介して抵抗溶接を行うことにより複数の端子13と導体露出部分105における複数の導体103とをそれぞれ溶着する処理が行われる。図12は、カバーハウジング取付工程S103が終了した状態のコネクタ1及びフラットケーブル100において複数の端子13と複数の導体103との抵抗溶接が行われる様子を模式的に示す断面図であり、図5の断面位置に対応する断面図である。
【0064】
溶接工程S104においては、図12に示すように、端子側電極107と導体側電極108とを有し、複数の端子13と複数の導体103との接触部分を挟んで対向して配置される一対の電極ユニットが用いられる。図13は、この電極ユニットを用いた抵抗溶接の際における端子側電極107、導体側電極108、端子13及び導体103についての図12のE−E線矢視位置に対応する位置での一部断面を拡大して示す拡大断面図である。図12及び図13に示すように、端子側電極107は、複数の端子13の全ての溶接部分13aに対して同時に接触可能なように一体に形成されたプレート状の電極として設けられており、本体側開口部26から挿入されるように構成されている。一方、導体側電極108は、導体露出部分105における複数の導体103の全てに同時に接触可能なように一体に形成されたプレート状の電極として設けられており、カバー側開口部32から挿入されるように構成されている。
【0065】
上記の電極ユニットを用いた抵抗溶接の際には、端子側電極107は、二点鎖線で図示した位置から実線で図示した位置まで図中矢印F方向に移動して本体側開口部26を通過する。そして、端子側電極107は、複数の端子13の溶接部分13aに対して導体103と接触する側と反対側で当接して接触する。一方、導体側電極108は、二点鎖線で図示した位置から実線で図示した位置まで図中矢印G方向に移動してカバー側開口部32を通過する。そして、導体側電極108は、複数の導体103に対して端子13と接触する側と反対側で当接して接触する。
【0066】
そして、上記のように複数の端子13と複数の導体103とを挟んだ状態で端子側電極107と導体側電極108とに通電が行われる。即ち、端子側電極107が複数の端子13に接触するとともに導体側電極108が複数の導体103に接触した状態において、各端子13と各導体103との接触部分で溶接のためのジュール熱を発生させるように、端子側電極107と導体側電極108との間で通電が行われる。また、この通電時には、同時に、端子側電極107と導体側電極108とが複数の端子13と複数の導体103とを両側から押圧する方向に付勢する加圧動作が行われる。これにより、端子側電極107と導体側電極108との間に挟まれた各端子13と各導体103との接触部分が加熱されて溶融し、更に加圧されることで溶着されることになる。溶着が完了すると、通電と加圧動作が終了され、各端子13と各導体103とが抵抗溶接によって強固に溶着されることになる。これにより、本実施形態の製造方法が終了することになる。
【0067】
尚、本実施形態の製造方法では、溶接工程S104において、抵抗溶接によって複数の端子13と複数の導体103との溶接が行われる場合を例にとって説明したが、抵抗溶接以外の溶接によって複数の端子13と複数の導体103との溶接が行われるものであってもよく、溶接方法については、種々変更して実施してもよい。例えば、溶接工程S104において、コネクタ1における開口部からレーザ光を照射することで各端子13と各導体103との接触部分を加熱して溶着させるレーザ溶接が行われるものであってもよい。また、コネクタ1における開口部から電子ビームを照射することで各端子13と各導体103との接触部分を加熱して溶着させる電子ビーム溶接が行われるものであってもよい。また、コネクタ1における開口部を介してパルスヒート方式等によるはんだ付けを行うことで各端子13と各導体103との溶接が行われるものであってもよい。また、抵抗溶接が行われる場合であっても、本実施形態で例示した一体のプレート状に形成された電極(107、108)とは異なる形状の電極を用いて抵抗溶接が行われるものであってもよい。例えば、櫛歯状に平行に並んだ複数の電極がコネクタ1における開口部から挿入されて各端子と各導体との抵抗溶接が行われるものであってもよい。
【0068】
図14は、溶接工程S104において、各端子13と各導体103とのレーザ溶接が行われる様子を模式的に示す断面図であり、図12に対応する断面図である。図14に示すレーザ溶接においては、外側に向かって広がるカバー側開口部32から、照射角度Tを有するレーザ光Lが、端子13に当接する導体103に対して照射される。これにより、各端子13と各導体103とが加熱されて溶着するレーザ溶接が行われる。尚、レーザ溶接は、例えば、各端子13及び各導体103に対して順番に行われる。
【0069】
コネクタ1には、外側に向かって広がるカバー側開口部32が形成されている。これにより、端子13と導体103とが当接して溶接される箇所の近傍で、供給されるレーザ光Lをこの溶接箇所に集中させるために必要なスペースが確保され、溶接箇所から少し離れた箇所で、溶接箇所に向かって集中するように供給されるレーザ光Lが通過するためのスペースが効率よく確保されることになる。このため、レーザ光Lの照射角度Tに対応して効率よく開口形成されたカバー側開口部32を介してレーザ光Lが照射されることになる。これにより、レーザ溶接に適したカバー側開口部32が効率よく形成されたコネクタ1を用い、複数の端子13と複数の導体103とを容易にレーザ溶接して、ハーネス10を製造することもできる。
【0070】
以上説明したフラットケーブル用コネクタ1によると、複数の端子13を支持する本体ハウジング11に対して、導体露出部分105を有するフラットケーブル100の端部が配置される。そして、カバーハウジング12が本体ハウジング11に係合して取り付けられることで、複数の端子13と導体露出部分105における複数の導体103とが、カバーハウジング12と本体ハウジング11との間で当接して押圧された状態で挟持される。これにより、係合し合う本体ハウジング11及びカバーハウジング12間において、当接した状態の端子13及び導体103が固定されることになる。そして、コネクタ1には、コネクタ幅方向に亘って複数の導体103及び複数の端子13を外部に露出させる開口部が形成されており、この開口部を介して溶接が行われ、複数の端子13と複数の導体103とが溶着される。このため、コネクタ1を用いると、複数の端子13及び複数の導体103について、本体ハウジング11及びカバーハウジング12間で固定した状態で、コネクタ幅方向に亘って大きく開口した開口部から熱源となるエネルギを供給して容易に溶接することができる。従って、特許文献1に開示されたような特定のレーザ溶接方法に制限されずに溶接することができる。即ち、レーザ溶接以外の溶接方法によって、例えば抵抗溶接等の圧接による溶接やろう付けによる溶接によって、複数の端子13と複数の導体103とを溶接することができる。また、各挿通孔からレーザ光をそれぞれ照射するような特許文献1に開示の特定のレーザ溶接方法以外のレーザ溶接方法によって、複数の端子13と複数の導体103とを溶接することができる。これにより、複数の端子13と複数の導体103とを溶接する際の溶接方法の制約を大幅に緩和することができる。そして、精度の高い作業処理が要求される特許文献1に開示の溶接方法を用いることなく、種々の溶接方法から作業性や能率を考慮して適宜選択した溶接方法によって、複数の端子13と複数の導体103とを溶接することができる。このため、フラットケーブル100にコネクタ1を接続する作業が容易となり、全ての端子13と全ての導体103との溶接が完了して接続が終了するまでの作業処理に要する処理時間の短縮化も図ることができる。
【0071】
従って、本実施形態によると、フラットケーブル用コネクタ1に支持される複数の端子13とフラットケーブル100における複数の導体103との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブル100にフラットケーブル用コネクタ1を容易且つ速やかに接続することができる、フラットケーブル用コネクタ1を提供することができる。
【0072】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、溶接の際の熱源となるエネルギの供給が行われる開口部が、端子13と導体103とが当接して溶接される箇所に対向して配置される本体側開口部26及びカバー側開口部32として形成されている。このため、本体側開口部26及びカバー側開口部32からそれぞれ電極を挿入して端子13及び導体103を加圧し、更に通電を行うことで、容易に抵抗溶接を行うことができる。また、本体側開口部26及びカバー側開口部32のいずれから溶接を行ってもよいため、レーザ溶接等のような抵抗溶接以外の溶接を行う場合においても、溶接方法の制約を更に緩和することができる。
【0073】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、溶接の際の熱源となるエネルギの供給が行われるカバー側開口部32が、外側に向かって開口面積が拡大しながら広がるよう形成されている。このため、端子13と導体103とが当接して溶接される箇所の近傍では、供給されるエネルギをこの溶接箇所に集中させるために必要なスペースを確保しつつ、溶接箇所から少し離れた箇所では、エネルギを供給するための機器が配置されるためのスペースや溶接箇所に向かって集中するように供給されるエネルギが通過するためのスペースを効率よく確保できる開口部を形成することができる。とくに、溶接の際の熱源となるエネルギがレーザ光であるレーザ溶接の場合には、レーザ光の照射角度に対応して効率よく広がるように開口形成された開口部を設けることができる。
【0074】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、カバーハウジング12に、ブロック状に突出して複数の導体103を複数の端子13に対して押圧して保持する押圧保持部33が設けられる。このため、カバーハウジング12を本体ハウジング11に係合させて取り付けることで、ブロック状の押圧保持部33によって、複数の端子13と複数の導体103とを強固に固定することができる。これにより、溶接の際に端子13と導体103との間で相対的な位置ずれが生じてしまうことを抑制することができる。そして、溶接箇所以外の箇所でも複数の端子13と複数の導体103とが強固に固定されるため、フラットケーブル用コネクタ1が接続されたフラットケーブル100を配線等する場合に、フラットケーブル100に引っ張り等の外力が作用した場合であっても、端子13と導体103との溶接箇所に過大な外力が作用してしまうことを抑制することができる。従って、フラットケーブル100に作用した外力による溶接箇所の破損を抑制することができる。
【0075】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、各導体103に対応して突出するよう複数設けられた押圧保持部33によって、複数の端子13と複数の導体103とがそれぞれ押圧されて保持される。このため、各端子13と各導体103との各当接箇所を個別に固定することができ、各端子13と各導体103とをより安定して押圧保持することができる。
【0076】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、開口部に対して導体伸長方向の両側で突出する押圧保持部33によって、複数の端子13と複数の導体103とが押圧されて保持される。このため、複数の端子13と複数の導体103とが溶接される溶接箇所に対して導体伸長方向の両側の位置で、複数の端子13と複数の導体103とを固定することができる。これにより、溶接の際に端子13と導体103との間で相対的な位置ずれが生じてしまうことを溶接箇所の前後で押圧保持して効率よく抑制することができる。また、溶接箇所の前後で押圧保持することで、溶接後に端子13と導体103との溶接箇所に過大な外力が作用してしまうことも更に抑制することができる。
【0077】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、カバーハウジング12は、コネクタ幅方向の両側で且つ押圧保持部33に対して導体伸長方向の両側に配置された複数の係合部34で係合することで、本体ハウジング11に取り付けられる。そして、カバーハウジング12及び本体ハウジング11のこの係合によって、押圧保持部33に対してその周囲から複数の導体103を複数の端子13に対して押圧させる力が作用し、押圧保持部33が突出方向にて弾性変形した状態で、複数の導体103と複数の端子13とを固定する。このため、より強固な押圧保持力が発生し、複数の導体103と複数の端子13とをより強固に固定することができる。
【0078】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、本体ハウジング11及びカバーハウジング12の一方には、複数の導体103間に挿入されるよう突出形成された複数の導体間突出部25が設けられている。このため、フラットケーブル100の端部における導体露出部分105を本体ハウジング11及びカバーハウジング12の間に配置する際に、複数の導体間突出部25によって導体露出部分105における各導体103が所定の位置に案内され、各導体103を各端子13と当接する位置に正確に位置決めすることができる。
【0079】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、導体間突出部25が本体ハウジング11に設けられるため、フラットケーブル100の端部を本体ハウジング11に配置する際に、複数の導体間突出部25によって各導体103が案内されて各端子13と当接する位置に正確に位置決めされる。これにより、カバーハウジング12を本体ハウジング11に取り付ける前の状態で各導体103と各端子13とを正確に位置決めでき、各導体103と各端子13との位置決めをより容易に行うことができる。
【0080】
また、フラットケーブル用コネクタ1によると、フラットケーブル100の端部において、導体露出部分105の形成の際にその先端側に先端絶縁被覆部分106が設けられる。このため、導体露出部分105が設けられたフラットケーブル100の端部において、複数の導体103がばらばらの状態にほぐれてしまうことを防止できる。これにより、フラットケーブル100にフラットケーブル用コネクタ1を接続する作業を更に容易にし、作業能率を向上させることができる。そして、複数の端子13は、先端絶縁被覆部分106に対向する部分がこの先端絶縁被覆部分106から離間して配置されるように屈曲形成された状態で本体ハウジング11に一体成形されている。このため、フラットケーブル100の端部に先端絶縁被覆部分106が設けられていても、接続の際に先端絶縁被覆部分106と複数の端子13とが干渉してしまうことを防止することができる。これにより、先端絶縁被覆部分106と複数の端子13との干渉が生じることによって導体露出部分105における複数の導体103と複数の端子13との位置までずれてしまうことを防止することができる。
【0081】
また、本実施形態に係るハーネス10及びハーネスの製造方法によると、上述したフラットケーブル用コネクタ1と同様の効果を奏するハーネスを実現することができる。従って、本実施形態によると、フラットケーブル用コネクタ1に支持される複数の端子13とフラットケーブル100における複数の導体103との溶接に関し、溶接方法の制約を大幅に緩和することができ、フラットケーブル100にフラットケーブル用コネクタ1を容易且つ速やかに接続することができる、ハーネス10及びその製造方法を提供することができる。
【0082】
また、電極(107、108)を用いた抵抗溶接による本実施形態に係るハーネスの製造方法によると、複数の端子13に同時に接触可能に一体に形成された端子側電極107が本体側開口部26から挿入され、導体露出部分105における複数の導体103に同時に接触可能に一体に形成された導体側電極108がカバー側開口部32から挿入される。そして、端子側電極107と導体側電極108との間で、複数の端子13と複数の導体103とを同時に加圧するとともに、複数の端子13と複数の導体103とに対して同時に通電して抵抗溶接を行うことができる。これにより、複数の端子13と複数の導体103とを一度に同時タイミングで溶接することができ、複数の端子13及び複数の導体103の溶接作業の飛躍的な高効率化と容易化とを実現することができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0084】
(1)上述の実施形態では、開口部が本体ハウジング及びカバーハウジングのいずれにも設けられたフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、本体ハウジング及びカバーハウジングのいずれかのみに開口部が設けられるものであってもよい。また、本実施形態では、カバー側開口部のみが外側に向かって広がるように形成されているフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、カバー側開口部及び本体側開口部の両方ともに外側に向かって広がるように形成されているものであってもよく、また、本体側開口部のみが外側に向かって広がるように形成されているものであってもよい。
【0085】
(2)上述の実施形態では、カバーハウジングが本体ハウジングに対して別体に形成されているフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、カバーハウジングが本体ハウジングに対して一体成形されたヒンジ部を介して連結されるように形成されているものであってもよい。
【0086】
(3)上述の実施形態では、導体間突出部が本体ハウジングに設けられているフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、導体間突出部がカバーハウジングに設けられているものであってもよい。また、導体間突出部の数や形状については、適宜変更して実施してもよい。また、押圧保持部についても、数や形状については、適宜変更して実施してもよい。
【0087】
(4)上述の実施形態では、フラットケーブル用コネクタとフラットケーブルとが1つずつ備えられているハーネスを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、中途で分岐した1つのフラットケーブルの各分岐部に対してそれぞれフラットケーブル用コネクタが接続されているものであってもよい。また、1つのフラットケーブル用コネクタに対して複数のフラットケーブルが接続されているものであってもよい。
【0088】
(5)上述の実施形態では、開口部が、本体ハウジング及びカバーハウジングの厚み方向において貫通形成された長方形断面の孔として形成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、開口部は、本体ハウジング及びカバーハウジングの少なくともいずれかにおいて、コネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成されるとともに、導体露出部分における複数の導体及び複数の端子の少なくともいずれかをコネクタ幅方向に亘って外部に露出させるように形成されているものであればよい。例えば、図15及び図16の変形例に示すように、孔以外の形態の開口部が設けられたフラットケーブル用コネクタを実施してもよい。
【0089】
図15に示す変形例に係るフラットケーブル用コネクタ1a(以下、単に「コネクタ1a」という)は、コネクタ1と同様に構成されているが、カバーハウジング12aに設けられたカバー側開口部(開口部)32aが孔以外の形態に形成されている点において、コネクタ1と異なっている。尚、図15では、コネクタ1と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
図15に示すコネクタ1aにおけるカバーハウジング12aのカバー側開口部32aは、カバーハウジング12aにて導体伸長方向における一端側(図15に示す変形例では、カバーハウジング12aにおいてフラットケーブル100の端部の先端側に対向する側)から導体伸長方向に沿って凹むように開口した領域として形成されている。そして、カバーハウジング12aにおいて導体伸長方向に沿って凹んだ開口領域として形成されたカバー側開口部32aは、コネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成され、複数の端子13に当接するよう配置される導体露出部分105における複数の導体103をコネクタ幅方向に亘って外部に露出させるように構成されている。このようなコネクタ1aにおいても、コネクタ1と同様の効果を奏することができる。
【0091】
また、図16に示す変形例に係るフラットケーブル用コネクタ1b(以下、単に「コネクタ1b」という)は、コネクタ1と同様に構成されているが、カバーハウジング12bに設けられたカバー側開口部(開口部)32bが孔以外の形態に形成されている点において、コネクタ1と異なっている。尚、図16では、コネクタ1と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
図16に示すコネクタ1bにおけるカバーハウジング12bのカバー側開口部32bは、カバーハウジング12bにて導体伸長方向における他端側(図16に示す変形例では、カバーハウジング12bにおいてフラットケーブル100の端部の先端側に対向する側と反対側)から導体伸長方向に沿って凹むように開口した領域として形成されている。そして、カバーハウジング12bにおいて導体伸長方向に沿って凹んだ開口領域として形成されたカバー側開口部32bは、コネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成され、複数の端子13に当接するよう配置される導体露出部分105における複数の導体103をコネクタ幅方向に亘って外部に露出させるように構成されている。このようなコネクタ1bにおいても、コネクタ1と同様の効果を奏することができる。
【0093】
(6)上述の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ、ハーネス及びハーネスの製造方法においては、フラットケーブルの端部に先端絶縁被覆部分が設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、端部に先端絶縁被覆部分が設けられていない形態のフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタ、端部に先端絶縁被覆部分が設けられていない形態のフラットケーブルを備えるハーネス及びそのハーネスの製造方法を実施してもよい。また、端部に先端絶縁被覆部分が設けられたフラットケーブルにフラットケーブル用コネクタが接続される際に又は接続された後にフラットケーブルにおける先端絶縁被覆部分が除去されるハーネス及びそのハーネスの製造方法を実施してもよい。
【0094】
図17は、変形例に係るハーネスの製造方法を示す工程図である。この図17の工程図は、端部に先端絶縁被覆部分が設けられたフラットケーブルにフラットケーブル用コネクタが接続される際に又は接続された後にフラットケーブルにおける先端絶縁被覆部分が除去されるハーネスの製造方法を示している。図17の変形例に係るハーネスの製造方法は、図11に工程図を示すハーネスの製造方法と同様に、導体露出部分形成工程S101と、フラットケーブル配置工程S102と、カバーハウジング取付工程S103と、溶接工程S104とを備えて構成されている。しかし、図17の変形例に係るハーネスの製造方法は、溶接工程S104の後工程として、先端絶縁被覆部分除去工程S105が更に備えられている点において、図11に示すハーネスの製造方法と異なっている。
【0095】
図18は、溶接工程S104が終了した状態のコネクタ1及びフラットケーブル100の端部を示す断面図であって、上述した実施形態の図5に対応する断面位置での断面図である。図17に示す変形例に係るハーネスの製造方法において用いられるカバーハウジング12は、例えば、図18に示すように、先端絶縁被覆部分106に対向する位置に配置される部分が、先端絶縁被覆部分106を外部に対して露出させるように形成されている。即ち、コネクタ1においては、フラットケーブル100の端部における先端絶縁被覆部分106を外部に露出させる開放領域35が形成されている。尚、図18及び後述の図19では、コネクタ1と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
溶接工程S104が終了してコネクタ1及びフラットケーブル100が図18に示す状態になると、次いで、先端絶縁被覆部分除去工程S105が行われる。図19は、先端絶縁被覆部分除去工程S105が終了した状態のコネクタ1及びフラットケーブル100の端部を示す断面図であって、図18に対応する断面位置での断面図である。先端絶縁被覆除去工程S105においては、図19に示すように、先端絶縁被覆部分106における被覆部分104が、複数の導体103の伸長方向に沿って引き抜かれるように剥がされて完全に除去され、開放領域35から外部へと除去される。このような先端絶縁被覆部分除去工程S105が備えられた図17に示すハーネスの製造方法においても、図11に示すハーネスの製造方法と同様の効果を奏することができる。
【0097】
尚、図17に示す変形例に係るハーネスの製造方法では、先端絶縁被覆部分除去工程S105が溶接工程S104の後工程として実施される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。図20は、他の変形例に係るハーネスの製造方法を示す工程図であり、図17と同様に、端部に先端絶縁被覆部分106が設けられたフラットケーブル100にコネクタ1が接続される際に先端絶縁被覆部分106が除去されるハーネスの製造方法を示している。尚、以下の説明においては、図18及び図19と同様に構成される要素については同一の符号を引用して説明する。
【0098】
図20に示すハーネスの製造方法は、先端絶縁被覆部分除去工程S105が、溶接工程S104の前工程として実施され、カバーハウジング取付工程S103と溶接工程S104との間において実施されるように構成されている。カバーハウジング取付工程S103が終了すると、本体ハウジング11とカバーハウジング12との間において、複数の導体103と複数の端子13とが、互いに当接した状態で挟みこまれて押圧され、保持された状態となる。この状態において、先端絶縁被覆部分除去工程S105が行われ、先端絶縁被覆部分106における被覆部分104が、複数の導体103の伸長方向に沿って引き抜かれるように剥がされて完全に除去され、開放領域35から外部へと除去される。そして、先端絶縁被覆部分除去工程S105が終了した後、溶接工程S104が行われる。図20に示すハーネスの製造方法においても、図11に示すハーネスの製造方法と同様の効果を奏することができる。
【0099】
尚、図17及び図20に示す変形例に係るハーネスの製造方法においては、先端絶縁被覆部分除去工程S105において、先端絶縁被覆部分106における被覆部分104が複数の導体103の伸長方向に沿って引き抜かれるように剥がされて除去される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、先端絶縁被覆部分除去工程S105において、複数の導体103が切断されることで、先端絶縁被覆部分106における被覆部分104及び複数の導体103がともに除去される形態であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタ、フラットケーブル用コネクタを備えるハーネス、及びハーネスの製造方法として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0101】
1 フラットケーブル用コネクタ
11 本体ハウジング
12 カバーハウジング
13 端子
26 本体側開口部(開口部)
32 カバー側開口部(開口部)
100 フラットケーブル
103 導体
104 被覆部分
105 導体露出部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルに接続されるフラットケーブル用コネクタであって、
複数の端子と、
複数の前記端子が平行に配置された状態で複数の当該端子を支持するとともに、絶縁被覆の被覆部分が一部除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部が配置される本体ハウジングと、
前記本体ハウジングに係合して取り付けられ、前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とがそれぞれ当接した状態で、前記本体ハウジングとの間において、複数の前記導体と複数の前記端子とを挟み込むように押圧して保持するカバーハウジングと、
を備え、
前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかには、押圧されて保持された状態の複数の前記導体の伸長方向と平行な方向である導体伸長方向に対して垂直な幅方向であるコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成されるとともに、前記導体露出部分における複数の前記導体及び複数の前記端子の少なくともいずれかを前記コネクタ幅方向に亘って外部に露出させる開口部が設けられ、
前記開口部を介して溶接が行われることで、前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とがそれぞれ溶着されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記開口部として、前記本体ハウジングにおいて開口形成されて複数の前記端子を外部に露出させる本体側開口部と、前記カバーハウジングにおいて開口形成されて複数の前記導体を外部に露出させるカバー側開口部とが設けられ、
前記本体側開口部と前記カバー側開口部とが、押圧されて保持された状態の複数の前記導体と複数の前記端子とを介して対向して開口するように設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかに設けられた前記開口部は、外側に向かって開口面積が拡大しながら広がるように形成されていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングには、複数の前記端子に当接した複数の前記導体に向かってブロック状に突出するよう形成されるとともに、複数の前記導体を複数の前記端子に対して押圧して保持する押圧保持部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記押圧保持部は、複数の前記導体をそれぞれ押圧するように複数の前記導体に対応して複数突出して設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記押圧保持部は、前記開口部に対して前記導体伸長方向における両側において複数の前記導体をそれぞれ押圧するように突出して設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングには、前記コネクタ幅方向の両側に配置されるとともに前記押圧保持部に対して前記導体伸長方向における両側に配置されるように形成されて前記本体ハウジングに係合する複数の係合部が設けられ、
複数の前記係合部が前記本体ハウジングに係合して前記カバーハウジングが前記本体ハウジングに取り付けられることで、前記押圧保持部が突出方向において弾性変形した状態で複数の前記導体を複数の前記端子に対して押圧することを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの一方には、複数の前記導体の間に配置されるとともに複数の当該導体の間に挿入されるように複数突出して形成された導体間突出部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項9】
請求項8に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
複数の前記導体間突出部は、前記本体ハウジングに設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が複数の前記導体の伸張方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで前記導体露出部分が形成されるとともに、引き抜かれるようにずらされた前記被覆部分の一部が先端に残されて形成された先端絶縁被覆部分が設けられ、
複数の前記端子は、前記導体露出部分と当接したときに前記先端絶縁被覆部分に対向する部分が当該先端絶縁被覆部分から離間して配置されるように屈曲形成された状態で、前記本体ハウジングに一体成形されていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタと、
前記フラットケーブル用コネクタが接続される前記フラットケーブルと、
を備えていることを特徴とする、ハーネス。
【請求項12】
平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルにフラットケーブル用コネクタを接続してハーネスを製造するハーネスの製造方法であって、
複数の端子が平行に配置された状態で複数の当該端子を支持する本体ハウジングに対して、絶縁被覆の被覆部分が一部除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部を配置する、フラットケーブル配置工程と、
前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とがそれぞれ当接した状態で、前記本体ハウジングとの間において、複数の前記導体と複数の前記端子とを挟み込むように押圧して保持するカバーハウジングを、前記本体ハウジングに対して係合させて取り付ける、カバーハウジング取付工程と、
溶接により前記導体露出部分における複数の前記導体と複数の前記端子とをそれぞれ溶着する溶接工程と、
を備え、
前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかには、押圧されて保持された状態の複数の前記導体の伸長方向と平行な方向である導体伸長方向に対して垂直な幅方向であるコネクタ幅方向に沿って延びるように開口形成されるとともに、前記導体露出部分における複数の前記導体及び複数の前記端子の少なくともいずれかを前記コネクタ幅方向に亘って外部に露出させる開口部が設けられ、
前記溶接工程においては、前記開口部を介して溶接が行われることを特徴とする、ハーネスの製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載のハーネスの製造方法であって、
前記開口部として、前記本体ハウジングにおいて開口形成されて複数の前記端子を外部に露出させる本体側開口部と、前記カバーハウジングにおいて開口形成されて複数の前記導体を外部に露出させるカバー側開口部とが設けられ、
前記本体側開口部と前記カバー側開口部とが、押圧されて保持された状態の複数の前記導体と複数の前記端子とを介して対向して開口するように設けられ、
前記溶接工程においては、複数の前記端子に同時に接触可能なように一体に形成されるとともに前記本体側開口部から挿入される端子側電極と、前記導体露出部分における複数の前記導体に同時に接触可能なように一体に形成されるとともに前記カバー側開口部から挿入される導体側電極と、が用いられ、複数の前記端子と複数の前記導体とを挟んだ状態で前記端子側電極と前記導体側電極とに通電が行われることで、抵抗溶接が行われることを特徴とする、ハーネスの製造方法。
【請求項14】
請求項12に記載のハーネスの製造方法であって、
前記本体ハウジング及び前記カバーハウジングの少なくともいずれかに設けられた前記開口部は、外側に向かって開口面積が拡大しながら広がるように形成され、
前記溶接工程においては、外側に向かって広がる前記開口部からレーザ光が照射されることで、レーザ溶接が行われることを特徴とする、ハーネスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−34957(P2011−34957A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109106(P2010−109106)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】