説明

フラットトップを有するレーザービームを形成するシステム及び方法

各々がガウス分布プロファイル(200)を有する多重レーザービームは、インコヒーレントに混成されて急峻なフラットトップレーザービーム(300,400)を形成することができる。混成レーザービームは、材料処理用途、例えば焼き鈍し、穿孔、及び切断などに必要なパワーレベルを供給可能であり、不使用のパワー量を最小化することができる。これらのレーザーは、フラットトップビームに整形するために配列(700,800)内に配置可能であると共に、各出力ビームに対して等しいビーム光路長を与えるのに必要な位置へずらすことができる。レーザーの相対周波数及び/又はパワーは調整可能であり、インコヒーレントな混成ビームの平坦性及び安定性を制御する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明はほぼ安定なフラットトップレーザービームの形成に関する。
【発明の背景】
【0002】
様々な材料処理の用途では、より伝統的なガウス強度プロファイルに代わって、比較的にフラットトップな強度プロファイルを有するレーザービームの使用が要求される。これらの応用例は例えば、孔の側壁に対して非常に小さなテーパーで印刷回路基板へ穿孔すること、及び焼入れ、切断及び融合などの段階を含むガラス又はセラミックの処理を含む。従って、ほぼフラットトップな強度プロファイルを線形、矩形若しくは丸められた形態で有するビームを確保するために様々な技法が開発されてきた。一つの試みではガウシアンレーザービームの中央部分を利用する。しかしながら、この試みには問題がある。というのは、ビームの残りの部分が無駄になることに起因して、相当量のパワーが損失するためである。この損失パワーは、レーザーのパワーの増大により単純に補償することはできず、むしろ、ビームの振幅の安定性が増大すると、レーザーパワーの増大を維持するのはより困難になる。更に、このような試みは、パワーの一部分のみが用いられるので、高価なものとなる。高パワーレーザーは時間当たりの大きな出力波長変動のみならず時間当たりの大きなパワー変動を持つ傾向にある。
【0003】
フラットトップレーザーを与える他の試みは回折光学素子を用いることである。このような試みは当業界ではよく知られているが、ビームの強度プロファイルに亘ってせいぜい10%振幅変動よりも大きなものは示さない。多くの応用に要求されるフラットビームには、プロフィアルのトップに亘る10%の強度では許容できない。更に、このような試みも高パワーレーザーを要求するが、高パワーレーザーに関連する出力波長及びガス放電は、例えば500W乃至600W程度で、時間当たりの波長変動を持つ傾向にあり、連続波(CW)操作の下で出力ビームに多数の振幅変動(即ちノイズ)が増加するようにビーム内に多数の小さな放電「ホットスポット」を生じる。大きな断面積スラブレーザーもCW放電におけるアークを形成する傾向は、スラブレーザーは何故にパルス状態下で正常に稼動するかという一つの理由である。スラブレーザー標準ガス圧よりも低圧でスラブレーザーを稼動させることは、CW放電の挙動を改善し、このような試みは所定のレーザーサイズについて低減された出力パワーをもたらす。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例によるシステム及び方法は満足なフラットトップ強度プロファイルを有するレーザービームを生成する既存の試みにおける多くの欠陥を解消できる。一つの実施形態によれば、多重レーザーからのビーム、例えば50W乃至200W出力レベルの矩形又は正方形内径導波管COレーザーはインコヒーレントに組合わせて実質的にフラットトップ強度プロファイルを有する混成ビームを形成することができる。処置の平面におけるビームの強度プロファイルに亘る変動が所定の応用又は処理についての許容範囲内にあるときは、混成ビームはフラットトップ強度プロファイルを有するということができる。特定の応用について、これは混成ビーム操作がなされる面に形成される商業的なフラット特性をもたらす強度プロファイルを含む。ビームのプロファイルは、それ自体は本質的に「フラット」ではなく、強度プロファイルのトップを跨ぐ若干の変動が存在するが、結果的な製造上の特性が仕様範囲内に収まるには充分に滑らかである。一つの実施の形態では、強度プロフィアルの実質的なフラットトップ部分に渡る振幅変動は約+/−0.5%程度にある。多くの応用については、たかだか+/−0.5%程度の変動は許容可能であり、一方、他の応用例については強度プロファイルのフラット部分はたかだか+/−10%の変動を示すことができる。強度における変動がビームが拡散するような要因に起因して検査平面の両側で増大するにつれて、ビームの平坦性は検査平面又は混成ビームが検査される個々のレーザーからの距離にも依存する。
【0005】
各々の個々のレーザーからの出力ビームは良好な挙動を示し、例えば混成ビームは500W出力のフラットトップレーザービームを効率的に生成し、これは何れの個々のビームよりも大きい。この混成ビームは、処置面における何れの個々のビームよりも広い。このような試みは、従来のシステムにおけるようにビームの単に中心部分ではなく、全てのレーザーパワーが有効に使用されるという点で少なくとも部分的には魅力的である。個々のレーザーの各々は高品位のガウス型出力ビームを生成することができ、これはパワー出力振幅変動が少なく、高度に調整されたビーム形状を有し、指向安定性の過敏度が低い。このようなシステムは単独の線形出力も有し、多くの周波数安定法を利用することができる。付言すれば、導波管COレーザーは20,000時間を越えるガス寿命を持つことができ、これはダイオード励起固体レーザーに用いられる半導体レーザー励起源の寿命に匹敵するか若しくはそれを上回る。CO導波管レーザーは現在は年間約数千台の割合で大量生産されているので、このレーザーは500W又はそれ以上のスラブレーザーに比べると、比較的に安価である。これらの理由及び他の理由により、多重CO導波管レーザービームを混成して、材料処理用途(例えば、溶接、溶融、熱処理、穿孔、焼き鈍し及び金属切断などを含む)のためのフラットトップ型レーザービームを形成することは有益である。このような試みは、COレーザーに限定されるものではなく、任意の適宜なレーザー若しくはレーザーシステムに利用できる。
【0006】
多重高安定レーザービームは、インコヒーレントに統合でき、空間内の所定の面、例えばワークピースが所望のパワー密度を受けるように当該ワークピースが置かれると想像される表面機械加工処理の処理面にフラットトップレーザービームを形成する。図1は一つの実施例によりフラットトップ線形ビームを形成するのに用いることができる線形一次元配列のレーザーを示すが、他のレーザー配置構成、例えば二次元パターンも滑らかなトップ強度プロファイルを有する矩形、丸型、及び棒状のレーザービームなどのビームを形成するのに用いることができる。図1の装置100においては、5つの同一のCOレーザー102がビームの一次元配列を形成するように示されている。光学素子の配列は例えば、図1に示すように各レーザーについて一対の反射ミラー108を含んでもよく、これは各レーザーによる出力ビームをビームの一次元配列へ再指向させるために用いることができる。多数の光学的構成及び/又は光学素子を当技術分野では公知のように上述のような再指向させるのに用いることができ、その素子は例えばレンズ、偏光子、ミラー、ビームスプリッター、ウィンドウ、及び/又はプリズムを含む。これらの光学素子は実質的に同様なビーム経路に沿ってビームを指向させることができる。ビーム経路は固定及び/又は概ね2又は3ビーム半径で所定の離間を採ることができるので、ビームからのエネルギーはレーザーから遠方で混成して、フラットトッププロファイルを有する混成ビームが形成される。
【0007】
個々のレーザーは任意の適宜なレーザー、例えばカリフォルニア州サンタクララのコヒーレントインクから入手可能な5つのGEM−100矩形内腔導波管COレーザーとすることができる。5つの同一のCOレーザーの配列は例示であって、これとは異なる数のレーザー、同一でないレーザーの配列、又はCOレーザー以外のレーザーを包含する配列を図1の装置に利用することができることに留意されたい。正方形状導波は本例のために選択されており、この構成は。近似的に理想的なガウス型プロファイルを有する純粋な単独モードを与えることができる。若干矩形状的な導波も用いることができる。例えば、楕円形状ビームはフラットトップの線形ビームを形成するので特に望ましい。一つの実施形態において、良好なモード品位及びパワー出力をもたらす正方形導波の寸法は約0.11インチ×0.11インチ(約2.794cm×2.794cm)である。この実施例において、各レーザーは高反射率フィードバックミラーに取り付けられた圧電変換(PZT)アクチュエータを有し、これは各レーザーのキャビテイ長を変化させるために用いることができる。これらのレーザーは図1に示すように所定位置でずらすことができるので、任意に与えられた垂直面(例えば図における面A)において、その面から各々のレーザーへ戻るビーム経路に沿った光学的距離は可能な限り等しくなる。例えば、図におけるz軸に沿ったレーザーの位置は、A面におけるそのレーザーからの出力ビームの位置に対して、x軸に沿うレーザーの横方向オフセット106に概ね等しい量104により調整することができる。隣接するレーザー出力ビームの分離は、ビーム間の屈折や重畳を調整する目的で、近視野において概略的に少なくとも2又は3ビーム半径とすることができる。ビーム径調整テレスコープ(図示せず)又は他のビーム径調製装置を装置100に組み込んで、図1におけるレーザービームの各々についてのビーム径を微調整することができる。
【0008】
図2は約2ビーム半径の分離へ屈折した後の図1のレーザーについての個々のビームプロファイル200を示す。図2(a)はビーム配列の断面についての強度変化を示し、一方、図2(b)はy=0におけるx軸に沿った強度変化を示し、及び図2(c)はy軸に沿った5つの「理想的な」ガウス型ビームの強度変化を示す。図3は1ビーム半径の分離への屈折の後の図1のインコヒーレントな混成ビームについての同様な強度プロファイル300を示す。フラットトップビームプロファイルが発現を開始すると、図3(b)のように混成ビームプロファイルにおける若干のリップルが顕著であって、これは様々な用途にとって受け入れ難いものとなる。このビーム強度はx方向においても狭細であり、5つのレーザービームの重ね合わせに少なくとも部分的に起因して、フラットトップの全強度は図2に示す個々のビームの何れかの強度よりも大きい。図4はビームが0.85ビーム半径で分離する屈折をなした際の強度変化400を示す。振幅リップルの量は、図3の変化に比べて相当に低減しており、強度プロファイルは様々な用途について充分に平坦若しくは平滑である。全強度も図3におけるよりも大きい。
【0009】
図2乃至図4に関して説明したような試みを用いるコンピュータモデル化は、混成ビームが所望の用途についての所望の形状及び/又は強度を有するレーザーからの位置を決定するのに役立つ。このようなモデル化は他のビーム形状及び/又は混成についても実行することができる。例えば図5は、図1の5本のビームに代えて、個々のビームが0.8ビーム半径の分離を有する点へ屈折した後の7本の同一の丸型ガウス型レーザービームを混成した際に計算された強度変化500を示す。フラットトップラインビームプロファイルは、1本のビームの振幅の約1.6倍のピーク振幅を有すると共に、混成ビームの半値幅点におけるレーザービーム幅は、レーザー源における全てのレーザーから発せられた全てのビームからの全距離の約半分である。
【0010】
「同一の」ガウス型ビームを用いたときの好ましい結果を図2乃至図5に示す。実際には、ビームは正確には同一ではなく、時間に伴う各レーザーの周波数及び/又は位相の僅かな変動に起因して、互いに対して少なくとも若干のインコヒーレントを有する(即ち、個々のレーザーは統計的には互いに独立している)。同一出力のレーザーを真に獲得するためには、各レーザーについて周波数ロッキング及び/又は位相ロッキングを採用する必要がある。ビームに固有の変動は、ビームの周波数及び/又は位相の意図的な変動を伴うことなく、ビームをインコヒーレントに混成させることを可能とするのであるが、プロファイル円滑性及び/又は平坦性の要求即ち高精度な用途の水準は達成し難い。例えば、ビーム間に単に微々たるものには収まらない変動が存在するか、或いは若干異なるレーザーが使用される場合には、或る状況下ではレーザーに対する入力パワーを変動させることにより、個々のレーザーの出力パワーを調整して、混成ビームのフラットトップを回復させることができる。このことは、例えば各ビーム経路に配置された光学的遅延ライン又は調節自在テレスコープ部品により、個々のレーザーのパワー及び/又は個々のレーザーのビーム半径を調製できる限りは、配列における個々のレーザーの変動を補償することにより混成ビーム形状の制御を可能とする。
【0011】
図6は一実施例によるレーザーについての伝播距離に対するレーザービーム半径の変動を描くプロット600を示す。0.001メートルのアパーチュアを計算のために用いたが、これはCOレーザー用の10.6μmにおける代表的な矩形内腔導波アパーチュア0.28cmよりも約0.36倍小さい。この小さなアパーチュアは、距離が大きくなるに伴ってビームの屈折に大きな増大をもたらす。小さなアパーチュアは伝播距離の関数としてビームの拡散量を増加させるるので、フラットトップ振幅束変動はx軸に沿う距離の増加に伴って増大する。この増大された拡散は、距離の増大に応じてリップル変動の鋭敏性を増大させるので「最悪状況」の例として働く。レーザー源から約1.0メートルの距離における点604においては、ビームは約1ビーム半径で分離する。1.3メートルの距離の点606においては、ビームは約0.8ビーム半径で分離する。これら二つの距離の間に位置するワークピースは、図3(b)及び図5(b)に示される量の間の振幅変動を被る。このパワー密度は、レーザー源からの距離の増大に応じて迅速に変化することはない。従って、距離の僅かな変動でパワーが大きく変化しない限りは、レーザー源に対してワークピースを正確に位置決めする必要はない。かくしてワークピースは、位置の小さな変化についての混成フラットトップビーム強度プロファイルに跨る小さな振幅変動を被る。最小振幅変動が0.8ビーム半径の5本のビームの場合には、フラットトップラインの長さはx軸に沿って2.5cm、且つy軸に沿って0.9cmである。7本のビーム配列の場合については、混成フラットトップレーザーラインはx軸に沿って3.0cm、且つy軸方向に0.9cmである。所望とあれば、空間的フィルタリングを利用して、最大のフラットトップ効果を得る目的で混成ビームの立下り部分を排除することができる。レーザーシステムの設置面積の大きさを低減させることが望まれるならば、当技術分野では公知のように、Z軸距離を圧縮させる折り返し光学技術を利用できる。
【0012】
各レーザーの周波数及び位相は各レーザーについて互いに独立しており、しかも周波数及び位相は時間の経過につれてドリフトするので、混成フラットトップビームの振幅変動が、各レーザーが混成された際のうなり(即ち混合)からもたらされる。この混成に起因する振幅変動の周波数は高い値、例えばメガヘルツ域に増大するが、このような変動は材料処理にはさほどの影響をもたらさない。この増大は充分に大きな周波数分離で各レーザーを周波数安定化させることにより達成でき、各ビート周波数は材料作業工程には重要ではなくなる。例えば+/―1%未満で最大振幅1MHz乃至10Hz範囲のパワーの短時間での振幅安定化を満足するには、各レーザーの間の各周波数分離は1MHzよりも大きくなるように選ばねばならない。レーザーの間のロッキング周波数分離は、当技術分野では公知のレーザー周波数オフセット法により得ることができる。
【0013】
図1の装置に示されるように、低パワー安定COレーザーを局部発振器(local oscillator:LO)として用いることができる。このLOからの出力を配列内の各レーザーの出力と混成することができる。LOの周波数は多数の公知の技法の一つによりレーザー利得曲線のライン中心にロッキングすることができる。このような技法の一つは、ミラーのうちの一つにディザリングを施すことに関係しており、LOのパワー出力を最大化することにより、LOレーザー出力周波数をライン中心へロッキングするように信号識別が得られる。レーザーハウジングの良好な温度安定性(例えば摂氏0.1度まで)及び周囲の変動からの妥当な隔絶によれば、周波数は約+/−200KHz又はそれ未満の変動でライン中心にロッキングできる。瞬時レーザー周波数出力偏移は、約+/−200KHz程度とすることができる。スタークセル(Stark cell)又はラムディップ(Lamb dip)周波数安定法は、高い周波数安定性が要求されるならば利用できるが、非常に複雑であり、及び/又は費用がかさむ。IOレーザーからは高出力パワーは要求されないので、通常のガス圧よりも低い圧力をLOに用いて利得帯域を低減させることができる。従って登りサーボ(hill climbimgservo)から得られた信号振幅は改善され、LOの周波数をライン中心にロッキングするのに偏移が抑制されたPZTディザードミラーを用いることができる。PZTトランスジューサ上に装着されたミラーの低減した偏移は、ライン中心の各側におけるLOの瞬時周波数偏移を低減することもできる。
【0014】
多重レーザービームのインコヒーレントな混成は図7に示すような配列700を用いることもでき、これは2次元正方形ビームパターンを与えることができる。図7(A)は3×3配列のビームを用いて正方形パターンで構成されている。矩形又は棒形状の何れかのパターンからなる他のパターンを用いることもできる。各々のビームはビーム半径rを有し、且つ非対角線上に隣接するビームから互いに距離3rだけ離間させることができる。対角線上に隣接するビームの間の距離Rは、R=3r/Sinθで与えることができ、例えばRは、rよりも4.24倍大きいか、或いは3rよりも1.4倍大きい。Rはrの整数倍ではないので、完全に正方形のフラットトップは、更なる調整、例えば図1の実施例に関して説明したようなレーザーの相対的な側方位置の調整を伴わなければ獲得できない。
【0015】
図7(b)の描画に示すように、上述のような配列からはフラットトップ正方形パターンにおける四箇所の凹部がもたされる。振幅分布からもたらされる混成ビームパターンをA−A線又はB−B線を横切って見た図を図7(d)及び図7(e)に示す。用途によっては、図7(d)及び図7(e)に示すような振幅変動も許容されるであろう。そのようなレーザー形態は、穴の側壁に沿って小さなテーパー角度を有する正方形又は棒状の穴の穿孔に好適である。
【0016】
図8にはトップハットプロファイルを得るためのインコヒーレントなレーザービームについての他の配位800を示し、ここではレーザーはn面多角形配位におかれている。例示的な六面多角形は特に興味深いものである。というのは、任意の隣接するレーザービームのそれぞれの中心から中心までの間の距離はR=3r、即ちレーザービーム半径の3倍で与えられるためである。n面多角形については、R=2Lsin(α/2)であり、ここでα=2/nである。n=6については、α=π/3であるのでR=Lである。個々のレーザーの六面多角形配列で且つその中心に配置された第七のレーザーを有する配列については、任意の隣接するレーザービームのそれぞれの中心から中心までの間の距離は概ね等しい。これは基本的に円形なフラットトップレーザービームプロファイルを与え、このプロファイルは穴の側面に小さなテーパー角があるか若しくはテーパー角が無い円形状の穿孔に適している。混成ビームのアパーチュアは少量のテーパー角乃至はテーパー角が無い穴の側壁を得る目的でレーザービームの縁における垂直下降を向上させるために利用できる。
【0017】
図9はレーザー光学的共振器フィードバックミラーを機械的にディザリングさせるPZTトランスデューサを用いるレーザーの原理を概略的に図解する一連のプロット900を示す。図9(a)はレーザー周波数の関数としてのレーザー利得曲線についての代表的な曲線を示す。利得曲線のピークはライン中心νにおいて生じる。隣接する軸方向モードの間の周波数分離は次式で与えられる。
【0018】
ν−ν=Δf=c/2L
ここでcは光速であり、Lは共振器の全光路長である。一例として、7光路折り返し導波管COレーザーについては、lを一つの光路の長さとするとL=7l=350cmであり、Δfは約43MHzである。レーザー媒体の利得ライン幅は、トールで表すレーザー圧力の約5MHz倍である。例えば、約100トールの圧力においては、レーザーライン幅は約500MHzである。L=5l=250cmの5光路折り返し導波管COレーザーについては、Δfは約60MHzである。レーザーフィードバックミラーの一つがPZTトランスデューサ上に装着されて、且つこのトランスデューサにはランプ電圧が与えられており、ミラーの位置が線形移動するようにされているならば、例えば図9(a)に示されるように、レーザー出力周波数は、光学的フィードバックキャビテイの軸方向モードが利得曲線を跨って移動するにつれて、レーザー出力周波数は変化する。COレーザーラインは均質的に拡がるので、一つの軸方向共振モードのみが或る所与の時間に発振する。発振軸方向モードがレーザーのν周波数における発振閾値を通過するにつれて、次の低軸方向モードが周波数νにおける発振閾値を通過して発振を開始する。レーザー出力周波数の変化は、ミラーが線形移動してキャビテイ長Lを短くするのに起因しており、レーザー周波数を周波数νに到達させるまで増大させる。この点では、利得曲線へ(左側から)入る次の軸方向共振モードは、利得曲線を(右側へ)出る共振モードよりも高い利得を持つことができる。これにより、発振周波数は低周波数νにおける発振へ戻る。このレーザー出力周波数のνとνとの間の鋸歯状変化を図9(b)に概略的に示してある。出力ビームが適宜な検出器により検出されたならば、図9(c)に概略的に示すように、出力振幅は、短くなるキャビテイ長の関数として変化する。キャビテイ長が増大するにつれて、逆の過程が生じる。
【0019】
PZTが、レーザーがライン中心即ち周波数νで発振するように位置しており、且つPZTが時間の関数としてディザーして変位Dが得られるならば、図9(d)に概略的に示すように、検出器はDC電圧Vを検出し、これがDC電圧レベル上に乗る振幅変動の量は非常に小さい。この電圧における振幅変動はPZTに装着されたミラーのディザー周波数の2倍にすることができる。この信号を電子的に利用して、例えば登りサーボ回路系を用いることにより、レーザーをライン中心で発振させることができる。PZTが、レーザーが+/−Δfに等しい量だけライン中心の両側で発振するように位置しており、図9(d)に概略的に示すように、時間の関数としてディザーするならば、検出器はDCレベルに乗る振幅変動を有する電圧VΔfを検出できる。この振幅変動の周波数はレーザーのディザー周波数と等しくすることができる。Δfが増大するにつれて、ライン中心から更に離間して発振が生じ、ここでは利得の勾配対周波数曲線が大きくなる。レーザー利得の勾配の増大は図9(d)に概略的に図解するようにをΔfの増大に伴って電圧の新譜変動を増大させる。検出器の振幅変動出力の位相は、レーザーがライン中心の一方の側から他方側へ発振を変化させると180度位相変化する。この挙動は利得曲線のレーザー発振側を検出するために用いることができ、更にレーザー発振周波数を所望の場所へ位置決めするために用いることができる。
【0020】
図10は図9に要約した挙動を利用して、レーザーの発振周波数をライン中心に位置させるために使用できる登りサーボのアナログ回路型1000を図解する。約100Hzと約11KHzとの間の周波数fを有する低周波発振器はPZTトランスデューサひいてはフィードバックミラーをディザーさせるために用いることができる。この低周波f信号は矩形波ジェネレータ1002を通過することができ、そのジェネレータ1002はマルチプライア1004への入力信号Bを生成することができる。周波数fにおいてPZTによりディザーされたレーザーの出力は検出器1006により検出できる。検出器の出力はAC増幅器1008へ接続することができ、このAC増幅器1008は周波数fにおける中心に位置するバンドパスフィルタ1010へ出力を送ることができる。バンドパスフィルタの出力は信号Aとしてマルチプライア1004へ送ることができる。
【0021】
図11(a)は図10に示したA信号とB信号との高度な位置合わせを図解し、信号Aの同相状態1102又は180度異相状態1104の何れかが信号B1106の矩形波に重畳されている。図11(b)は信号Cを示し、これは信号Aの位相に応じてB×A(同相)1108又はB×A(異相)1110を生じる信号A及びB上のマルチプライアの操作によるマルチプライアの合成出力である。図10における信号Cは積分回路により積分されて、DC増幅器を通過して積算回路系へ接続され、この積算回路系はDCバイアス電圧、積分信号C、及び信号fを積算する。積算回路の出力はDC増幅器を通過して図10における信号DとしてPZTトランスデューサに接続される。上述の説明は一つの可能な実施の形態についてのものであるが、他の多くの試みもレーザーの出力をライン中心にロッキングするために用いることができることに留意されたい。例えば、ディジタル回路系をアナログ回路系に代えて用いることができ、及び/又はスタークセル(Stark cell)又はランプディップ(Lamp dip)をライン中心弁別器として使用できることは当技術分野では周知である。ディジタル式の手法においては、局部発振システムはアナログ安定化回路を包含することができ、これは内臓されたマイクロコントローラにより管理することができる。このような回路系は、制御信号をPZT起動共振ミラーへ加えることによりLOの光学的出力パワーを最大化するために、レーザーキャビテイの長さを最適化することができる。
【0022】
アナログ振幅安定化回路は典型的な登りサーボシステムとして機能することができる。ヒルクライムは共振器長を調節して、レーザー媒体利得曲線と一致させることができる。制御信号は小さな正弦ディザーをPZT起動共振器へ加えることにより生じさせることができ、合成レーザーの揺らぎは光学的検出器で測定することができる。任意の増幅及びバンドパスフィルタリングに続いて、回復したディザー信号は同期して検出でき、合成ベースバンド信号は振幅安定化ループについてのエラー信号として処理することができる。
【0023】
内臓マイクロコントローラはアナログ登りサーボループの動作を監視することができる。PZTが移動限界に達した際、マイクロコントローラは再取得サイクルを初期化することができる。再取得の間にマイクロコントローラは光学的検出器からの信号を監視しながらPZTコントロール電圧を全操作範囲に亘って掃引することができる。マイクロコントローラはPZT位置を記録でき、これは光検出器から最大出力信号を生成できる。キャビテイ掃引が完了したら、マイクロコントローラはPZTを最大検出器応答を生じる位置へ置くことができ、これはアナログ振幅安定ループを可能とする。ピーク検索又はループリセット機能が失敗したら、マイクロコントローラは様々な内部管理機能を実行でき、また再取得処理を繰り返すことができる。
【0024】
例えば図1及び図12に示すように、一つの実施の形態においてはライン中心に対してロッキングされた周波数vを有するレーザー局部発振器からの出力は、システム内で高出力レーザーとして複数の分離したビームに分割され、偶数本のレーザーとして、或いは奇数本の高パワーレーザーを有するシステムにおけるレーザーの本数に満たない一本のレーザーとなる。一つの例として、50ccm長CO導波管レーザーの5回折り返しチャンネルは約100Wのパワー出力を有するのに対し、各々が50cm長を有する七回折り返しCO導波チャンネルは約140Wの出力パワーを有する。五つの経路CO導波管レーザーからの五本のレーザ−ビームの和は、出力パワー500ワットをもたらすのに対し、七光路を持つ五つのCOレーザーは700W出力をもたらす。
【0025】
図12は図1の装置と同様な装置1200であって、付加的な電子的情報を有する装置を示す。局部発振器1202は、例えば図9(a)により詳細に示したように、図10の電子部品を利用してレーザー出力周波数(V)をライン中心にロッキングすることができる。図10の登りサーボの出力は、PZT−LOとして示すように、圧電PZTアクチュエータへ印加することができる。周波数Vの出力LOは、それぞれ出力周波数vL1,vL2、vL4及びvL5を有するレーザー#1、#2、#4及び#5の出力に重ね合わせることができる。四つの重ね合わせレーザービームは図示のように光検出器1204へ加えられるので、RF信号fL1,fL2,fL4,及びfL5が生じる。五基のレーザー配列のうちのレーザー#3も図10に示した登りサーボを利用して、LOレーザーにおけるようなPZT−3へ加えられる図10からの信号を用いて、レーザー出力をライン中心にロッキングできる。従って、レーザー#3の出力周波数はv=vとすることができる。
【0026】
図12の検出器からのRF信号、即ちfL1,fL2,fL4,及びfL5はディジタル、又はアナログ、周波数弁別器(FD)回路#1、#2、#4,及び#5へそれぞれ加えることができる。これらの周波数弁別器の各々は、入力周波数に対して、周波数弁別回路内で生成された特定の周波数オフセット(一般に中間周波数(IF)と称される)を加算又は減算したものに比例する電圧を生成することができる。周波数弁別器(FD#1)からのIFは+2Δfとすることができ、PD#5からのIFは−2Δfとすることができる。同様にFD#2及びFD#4については、FD#2およびFD#4については、それぞれIF周波数を+Δf及び−Δfとすることができる。
【0027】
周波数弁別器#1,#2,#4及び#5の電圧出力の各々は積分器1206及びDC増幅器1208へ接続される。各DC増幅器からの電圧は、それぞれレーザー#1、#2、#4、及び#5のPZT#1、#2、#4、及び#5へ与えることができる。PTZは各レーザーの発振周波数をライン中心から+2Δf、−2Δf、+Δf及び−Δfに保持することができるので、それおzれ図12に示すようにfL1=v+2Δf、fL2+Δf、fL4=fL2+−2Δf、及びfL5−Δfのレーザー周波数が生成される。図12の登りサーボは図10のDで示される電圧を与えることができ、これはレーザー#3のPZTへ接続された際にレーザー#3の出力周波数(v)をライン中心にロッキングすることができる。
【0028】
図13はアナログスーパーヘテロダイン型のレーザー周波数オフセット回路の1300を示し、これは図12に示される周波数弁別器、積分器、及びDC増幅器を包囲している。n番目のレーザーからのRF周波数、即ちfLnでとして表される周波数はローパスフィルタ1302を通じてRFミキサ1304へ入る。周波数fにおけるIF発振器1306もRFミキサ1304へ接続することができる。このミキサからの信号は周波数f’=f±mΔfを中心とするIFフィルタ1308へ接続でき、ここでn及びmは整数である。f信号は周波数弁別器1310、次いで積分器1312、そして最後にDC増幅器1314を通過できる。DC増幅器1314はfLN±mΔfに比例する電圧出力を有する。この信号はそれぞれPZT±nへ接続することができる。
【0029】
図14は、7レーザービーム混成器についてのCOレーザー媒体利得対周波数曲線の代表的なプロット1400である。レーザービーム出力周波数の各々は、例えば図10乃至図13の電子部品を用いて、隣接するレーザーから約Δf=5MHzだけオフセットさせることができる。Δf=5MHzの場合には、長さL=140cmの光学的共振器についてファブリー・ペリー縦モードの間の周波数分離はΔf=c/2L=107MHzである。この計算はジグザグ状パターンに七つの折り返しのある導波管レーザーであって、各々が約20cmのチャンネル長さを持つものとした。7本のレーザー、即ちライン中心に1本、ライン中心の各側に3本であって、各々のレーザーが隣接するレーザー周波数から約5MHzの周波数分離を有する7本のレーザーについては、a3Δf=15MHzの周波数拡張がライン中心の各側からもたらされる。これは周波数共振器の次の縦モードのΔf/2=51.4MHzまでである周波数限界51.4MHzを充分に下回っている。その結果、所望とあれば、ライン中心の各側のレーザーが3本よりも多くても対応できる充分な「周波数空間」が存在する。他の例としては、例えばL=7l=350cmであって、Δf=42.8MHz及びΔf/2=21.4MHz、即ち3Δf=15MHzにも依然として適合できる。
【0030】
当業者には上述の説明を考慮することにより上記に特定した実施例の幾多の変形例が自明であることに留意されたい。従って、本願に図示して説明した本発明の特定の実施の形態及び方法はそれらに限定されるものでない。むしろ、本発明の主旨は添付の請求の範囲及びその均等物により規定される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は本発明の一実施形態による光学的配置の概略図である。
【図2】図2は図1のビームの強度プロファイルである。
【図3】図3は図1のビームの他の強度プロファイルである。
【図4】図4は図1のビームの他の強度プロファイルである。
【図5】図5は図1におけるような5つのビームに代えて7つの混成ビームについての強度プロファイルである。
【図6】図6は図1により示されたレーザーシステムの試みについての距離の関数としてのビーム半径のプロットである。
【図7】図7は本発明の他の実施例によるビーム構成の概略図である。
【図8】本発明の他の実施例によるビーム構成の概略図である。
【図9】図1のレーザーの挙動を示す一連のプロットである。
【図10】図10は図1の配置構成に使用可能なレーザーライン中心に対するレーザー出力を参照するのに用いるHill Climbingアプローチの概略図である。
【図11】図11は図10の信号の超位置決め概略図である。
【図12】図12は5つのレーザービームを混成するための光学的及び電子的配置の概略図であって、その各々は図1の配置構成に使用可能な特定の周波数オフセットを有する。
【図13】図13は図10及び図12の配置構成と共に使用可能なアナログ周波数セットオフ回路系の概略図である。
【図14】図14は7つのビーム混成についての利得対周波数のプロットであって、各レーザー周波数が隣接するレーザーからΔfだけ離間している図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットトップレーザービームを形成するレーザーシステムであって、
各々のレーザーが出力ビームを生成する複数のレーザーと、
前記複数のレーザーからの前記出力ビームを混成してフラットトップ強度プロファイルを有する混成ビームを形成する複数の光学素子とを備えるレーザーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、前記複数の光学素子は前記出力ビームをインコヒーレントに混成するレーザーシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々が別々の周波数にロッキングされているレーザーシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数の光学素子が、前記複数のレーザーからの前記出力ビームを混成して前記複数のレーザーから距離をもってフラットトップ強度プロファイルを形成するレーザーシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数の光学素子が、前記出力ビームを実質的に平行なビーム光路に沿って指向させ、それらビーム光路は、前記出力ビームからのエネルギを前記レーザーから距離をもって重畳して前記フラットトップ強度プロファイル形成するように隔てられているレーザーシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーが、矩形内腔及び正方形内腔の導波管COレーザーからなるグループから選択された複数のレーザーを含むレーザーシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々がガウス分布のエネルギを有する出力ビームを生成するレーザーシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々が楕円形状を有する出力ビームを生成するレーザーシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々が約50Wと約200Wとの間のパワーレベルを有するレーザーシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーが線形配列に配置されているレーザーシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々が、矩形、丸型、及び棒状形状のレーザービームからなるグループから選択された形状を有する出力ビームを生成するレーザーシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーが同一のレーザーを含むレーザーシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
周波数ロッキング機構が前記出力ビームのうちの一つの周波数をロッキングするレーザーシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々の相対位置をずらして、前記レーザーにより生成された前記出力ビームの方向に対して直交する面において、その面から前記レーザーの各々へ戻るビーム光路に沿った光学的距離を等しくするレーザーシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々を隔てることにより、これらのレーザーからの前記出力ビームが少なくとも2レーザービーム半径程度の距離だけ隔てられるレーザーシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記出力ビームの一つの前記光路にレーザービーム周波数調製デバイスを更に備えるレーザーシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーの各々が調製可能なパワーレベルを有するレーザーシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記出力ビームのうちの一つのビーム光路に、その出力ビームの拡散を増大させるアパーチュアを更に備えるレーザーシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
各出力ビームを空間的にフィルタリングする手段を更に備えることにより、前記混成ビームの立下り部分を削減するレーザーシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーがロッキング周波数分離を有するレーザーシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
各レーザーから、前記出力ビームに直交する面までの光路長が同一になることを保障するように調製可能な光学的遅延ラインを更に備えるレーザーシステム。
【請求項22】
請求項1に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数の光学素子が、レンズ、偏光子、ミラー、ビームスプリッター、窓、及びプリズムからなるグループから選択されているレーザーシステム。
【請求項23】
フラットトップレーザービームを形成するレーザーシステムであって、
配列をなして配置され、実質的にロッキング周波数分離を有する複数のレーザービームを生成する複数のレーザーと、
初期分離を有する実質的に平行なビーム経路に沿って前記出力ビームを指向させて、その出力ビームを前記複数のレーザーから距離をもって混成してフラットトップ強度プロファイルを有する混成ビームを形成する複数の光学素子とを備えるレーザーシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数のレーザーは複数の正方形内腔導波管COレーザーからなり、その各々は、ガウス分布プロファイルを有する出力ビームを生成するレーザーシステム。
【請求項25】
請求項23に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数の導波管COレーザーは複数の矩形内腔導波管COレーザーからなり、その各々は楕円形状を有する出力ビームを生成するレーザーシステム。
【請求項26】
請求項23に記載のレーザーシステムにおいて、
前記複数の光学素子が、レンズ、偏光子、ミラー、ビームスプリッター、窓、及びプリズムからなるグループから選択されているレーザーシステム。
【請求項27】
フラットトップビームを形成する方法であって、
複数のレーザーを用いて複数の出力ビームを生成し、
この複数の出力ビームをインコヒーレントに混成してフラットトップ強度プロファイルを有する混成ビームを形成する方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
複数の出力ビームの生成は、複数の正方形内腔導波管COレーザーを使用することを含む方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法において、
複数の出力ビームの生成は、複数の矩形内腔導波管COレーザーを使用することを含む方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法において、
複数の出力ビームの生成は、各々が楕円形状を有する出力ビームを生成することを含む方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法において、
複数の出力ビームの生成は、各々がガウス分布プロファイルを有する出力ビームを生成することを含む方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法において、
複数の出力ビームの生成は、各々が約50Wと約200Wとの間のパワーレベルを有する出力ビームを生成することを含む方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法において、
前記複数のレーザーを線形配列に配置することを更に含む方法。
【請求項34】
請求項27に記載の方法において、
前記複数の出力ビームについてロッキング周波数分離を設定することを更に含む方法。
【請求項35】
請求項27に記載の方法において、
各々の出力ビームの周波数を周波数ロック機構を用いてロッキングすることを更に含む方法。
【請求項36】
請求項27に記載の方法において、
前記複数のレーザーの各々の相対位置をずらすことを更に含む方法。
【請求項37】
請求項27に記載の方法において、
前記複数の出力ビームの各々の向きを変えて、前記出力ビームが少なくとも2レーザービーム半径の距離だけ離間させることを更に含む方法。
【請求項38】
請求項27に記載の方法において、
前記出力ビームのうちの一つのビーム光路にレーザービーム周波数同調デバイスを配置することを含む方法。
【請求項39】
請求項27に記載の方法において、
前記複数のレーザーのうちの一つのパワーレベルを調製することを含む方法。
【請求項40】
請求項27に記載の方法において、
前記出力ビームのうちの一つのビーム光路にアパーチュアを配置し、その出力ビームの拡散を増大させる方法。
【請求項41】
請求項27に記載の方法において、
各出力ビームを空間的にフィルタリングすることにより、前記混成ビームの立下り部分を削減することを含む方法。
【請求項42】
請求項27に記載の方法において、
各出力ビームからこの出力ビームに直交する面に至る光路長が同一になることを保障する方法。
【請求項43】
表面を機械加工する方法であって、
複数のレーザーを用いて複数の出力ビームを生成し、その複数の出力ビームは固定周波数分離を有し、
前記出力ビームを実質的に平行なビーム光路に沿って指向し、それらのビーム光路は、前記出力ビームのからのエネルギーがインコヒーレントに混成されて、前記複数のレーザーから離間して配置された処理面において平滑なトップ強度プロファイルを有する機械加工ビームを形成するように分離している方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、
少なくとも一つの周波数ロック機構を用いて前記複数の出力ビームの各々の周波数をロッキングすることを更に含む方法。
【請求項45】
請求項43に記載の方法において、
前記複数のレーザーの各々の相対位置をずらすことを更に含む方法。
【請求項46】
請求項43に記載の方法において、
出力ビームを実質的に平行なビーム経路に沿って指向させることが、前記出力ビームが少なくとも2レーザービーム半径程度の距離で分離するように、前記出力ビームを指向させる方法。
【請求項47】
ワークピースを処理するレーザーシステムであって、
各々がガウス分布強度プロファイルを有するレーザービームを出力する複数のスラブ導波管レーザーと、
前記ビームの伝播軸を指向させ、処理すべきワークピースの表面において前記ビームを重畳させる複数の光学素子とを備え、その重畳の量は、個々のビームよりも大径であり、且つ急峻な縁強度プロファイルを有する混成ビームスポットを形成するように選択されているレーザーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−519253(P2007−519253A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551055(P2006−551055)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/039951
【国際公開番号】WO2005/076419
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(500097197)コヒーレント・インク (13)
【Fターム(参考)】