説明

フランジ一体型波付管の製造方法、フランジ一体型波付管、および前記製造方法に用いられる波付管用の切断装置

【課題】バリが発生したり、フランジの形成箇所において内径が部分的に狭くなるといった不具合を解消し、または抑制することが可能なフランジ一体型波付管の製造方法を提供する。
【解決手段】環状の複数の凸部20および凹部21を有する金属製の波付管2を、この波付管2の軸長方向と直交する方向に切断する切断工程と、この切断工程において切断された波付管の複数の凸部のうち、切断面に最接近している最外端の凸部を、前記軸長方向にプレスし、配管連結用のフランジとして形成するフランジ形成工程と、を有しており、前記切断工程における波付管2の切断箇所は、互いに隣接する凹部21aの底部と凸部20の頂部との境界部分Bとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジが一体的に形成された波付管を製造するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製の波付管は、フレキシブル性を有し、たとえば水やガスなどの流体用の管として、あるいは電線用の保護管などとして広く利用されているが、この波付管を用いる場合には、その端部を所望の連結対象部位に連結する必要がある。このための手段として、波付管用の種々の継手構造が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。ただし、波付管用の継手として、波付管とは別体の継手を用いたのでは、部品コストが高くなるなどの不利を生じる。
【0003】
前記したような不利を解消する手段として、図7に示すように、波付管8Aの端部に配管連結用のフランジ80を一体形成する手段がある。このような手段によれば、たとえば連結対象部位9に設けられているフランジ90に、フランジ80を対向接触させて、これらを適当な手段を用いて締結すれば、波付管8Aを連結対象部位9に容易かつ的確に連結することができる。前記したようなフランジ一体型の波付管8Aを製造するには、まず図6(a)に示すように、比較的長尺の波付管8を、カッタ88を利用して切断し、同図(b)に示すように、所望寸法の波付管8Aを得る。その後は、波付管8Aの端部に位置する凸部81をプレスする。このことにより、凸部81は、同図(c)に示すような偏平状となり、フランジ80として形成される。
【0004】
しかしながら、従来においては、図6(a)に示すように波付管8を切断する場合、その切断箇所は、波付管8の凹部82の幅方向の略中心C10の位置とされているのが実情である。その結果、次のような不具合が生じていた。
【0005】
第1に、図6(b)に示す波付管8Aの切断面83およびその近傍部分は、波付管8Aの端部において部分的に突出した形状(バーリング状)となる。このように突出した部分は、その後のプレス加工によって偏平に加工することは難しく、同図(c)に示すようなバリ83aとして残る。したがって、このバリ83aをヤスリやグラインダを用いて除去する必要が生じ、この作業が煩雑である。
第2に、図6(b)に示すように、波付管8Aの切断面83から凸部81の頂部までの寸法L20は、比較的長くなる。このため、凸部81をプレスすることによりフランジ80を形成した場合には、このフランジ80の内径D1が、波付管8Aの他の部分の内径D2よりも小さくなる。これでは、波付管8A内の流路が部分的に狭くなり、波付管8A内に流体を流通させる際の抵抗が大きくなるといった不利を招いてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平7−28468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、バリが発生したり、フランジの形成箇所において内径が部分的に狭くなるといった不具合を適切に解消し、または抑制することが可能なフランジ一体型波付管の製造方法、フランジ一体型波付管、および前記製造方法に用いられる波付管用の切断装置を提供することを、その課題として
いる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供されるフランジ一体型波付管の製造方法は、環状の複数の凸部および凹部を有する金属製の波付管を、この波付管の軸長方向と直交する方向に切断する切断工程と、この切断工程において切断された波付管の前記複数の凸部のうち、切断面に最接近している最外端の凸部を、前記軸長方向にプレスし、配管連結用のフランジとして形成するフランジ形成工程と、を有しており、前記切断工程における前記波付管の切断箇所は、互いに隣接する凹部の底部と凸部の頂部との境界部分とすることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、切断工程を終えた波付管の端部には、波付管の凹部の底部を形成していた部分が残存しないようにすることができる。このため、その後に波付管の端部にフランジを形成する際に、このフランジにバリが発生しないようにすることが可能となる。その結果、煩雑なバリ除去作業を不要とし、フランジ一体型波付管の製造コストを廉価にすることができる。また、前記構成によれば、切断工程を終えた波付管の最端部に位置する凸部の頂部から切断面までの寸法が短くなるために、前記凸部をプレスしてフランジを形成した際に、このフランジの内径が波付管の他の部分よりも小さくなることを適切に回避することもできる。
【0011】
本発明において、好ましくは、前記波付管の各凹部を規定する面は丸みを帯びており、前記切断箇所は、前記丸みを帯びた部分よりも前記波付管の半径方向外方寄りの位置である。
【0012】
このような構成によれば、切断工程を終えた波付管の端部には、凹部を規定する外面の丸みを帯びていた部分が残存しないこととなるために、バリが発生することは一層確実に防止される。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記切断工程においては、前記波付管を挟むようにして互いに対向し、かつ前記波付管の軸長方向に位置ずれした一対の切断刃を用いることにより、前記波付管の2箇所を同時に切断し、かつこれら2箇所のそれぞれを、前記凹部の底部と凸部の頂部との境界部分とする。
【0014】
このような構成によれば、波付管の2箇所を同時に切断することができるために、効率が良く、しかもそれら2箇所の切断部分近傍のいずれについても、本発明が意図するバリの無いフランジ形成に好適なものとすることができる。また、一対の切断刃は波付管を挟んで対向する配置とするために、これら一対の切断刃どうしを互いに干渉させないようにしつつ、切断対象となる2箇所を互いに接近させた配置とすることができる。これは、波付管の2箇所を切断した際に生じるスクラップ(波付管のうち、2箇所の切断部どうしの間の部分)のサイズを小さくする上で好ましいものとなる。
なお、一対の切断刃を波付管の軸長方向に位置ずれさせる場合には、それら切断刃どうしが波付管の1つの凸部分(いわゆる一山分)以上の幅で離間するように設定することが好ましい。このような構成によれば、一対の切断刃による波付管の切断動作を安定させることが可能である。
【0015】
本発明の第2の側面により提供されるフランジ一体型波付管は、本発明の第1の側面により提供されたフランジ一体型波付管の製造方法を用いて製造されたことを特徴としている。
【0016】
このような構成のフランジ一体型波付管によれば、バリの除去作業が不要であって、製造コストを廉価にすることが可能であり、またフランジの形成箇所において内径が部分的に狭小となるような不利も有しないものにすることできる。
【0017】
本発明の第3の側面により提供される波付管用の切断装置は、波付管をその軸長方向とは直交する方向に切断するための切断刃を備えている、波付管用の切断装置であって、前記切断刃としては、前記波付管の2箇所を同時に切断するための一対の切断刃を具備し、これら一対の切断刃は、前記波付管を挟んで互いに対向し、かつ前記波付管の軸長方向に位置ずれして設けられており、前記一対の切断刃の前記軸長方向における間隔は変更可能とされ、前記波付管のうちの切断対象となる前記2箇所のそれぞれを、前記波付管の互いに隣接する凹部の底部と凸部の頂部との境界部分に設定することが可能な構成とされていることを特徴としている。
【0018】
このような構成の波付管用の切断装置は、本発明の第1の側面により提供されるフランジ一体型波付管の製造方法における波付管の切断工程を効率良く行なうのに好適である。また、一対の切断刃どうしを互いに干渉させないようにしつつ、切断対象となる2箇所を互いに接近させた配置とすることができるために、波付管の2箇所を切断した際に生じるスクラップを小サイズにすることも可能である。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明において用いられる波付管用の切断装置の一例を示す要部概略断面図である。
【図2】図1のII−II要部断面図である。
【図3】図1における波付管の切断対象箇所となる部分を示す要部拡大断面図である。
【図4】(a)は、図1の切断装置を用いて切断された波付管の外観図であり、(b)は、(a)のIVb部の拡大断面図であり、(c)は、(a)のIVc部の拡大断面図である。
【図5】図4に示した波付管にフランジを形成した状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、従来技術の一例を示す説明図である。
【図7】フランジ一体型波付管の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
まず、本発明に係るフランジ一体型波付管の製造方法において用いられる波付管用の切断装置の一例から説明する。
図1および図2に示す波付管用の切断装置Aは、固定ベース部材10、一対の切断刃11(11a,11b)、一対の受けローラ12、および位置決め用のボール13aを有する一対のボールプランジャ13を具備している。
【0023】
固定ベース部材10は、所定位置に固定配置される静止部材であり、水平方向に貫通した孔部10aを有している。波付管2は、孔部10aに挿通された状態で支持される。波付管2の支持を安定させるための補助手段として、波付管2用のクランプ手段を別途用いることができる。
【0024】
一対の切断刃11は、薄肉円板状のいわゆるロータリカッタ刃であり、軸14を介して一対の可動ホルダ15に支持されている。一対の切断刃11は、波付管2を挟んで互いに対向する配置とされている。ただし、それら一対の切断刃11は、波付管2の軸長方向においては互いに位置ずれしている。受けローラ12は、切断刃11によって波付管2を切断する際に波付管2を受けるためのものであり、波付管2を挟んで切断刃11とは反対側に位置している。この受けローラ12は、切断刃11に隣接するようにして軸14に支持されている。
【0025】
可動ホルダ15は、回転ベース部材16の一側面に取り付けられており、ガイド部材17aにガイドされるなどして、波付管2の半径方向に移動可能である。波付管2を切断する際には、可動ホルダ15が波付管2に向けて矢印N1方向に移動するように構成されている。より具体的には、可動ホルダ15の外面部には、カムフォロア18aが設けられているのに対し、回転ベース部材16には、テーパ状のカム面19aを有するスライダ19が外嵌されている。スライダ19は、波付管2の軸長方向に往復動可能であるが、たとえばシリンダ(図示略)の駆動力を利用して矢印N2方向に前進可能である。この前進動作が行なわれると、カムフォロア18aがカム面19aによって押圧される。その結果、可動ホルダ15は、前記した矢印N1方向に移動し、切断刃11および受けローラ12は波付管2に向けて進行する。
【0026】
回転ベース部材16は、固定ベース部材10にベアリング30を介して外嵌されており、矢印N3方向またはその反対方向に回転可能である。回転ベース部材16が回転すると、この回転ベース部材16に取り付けられた可動ホルダ15も同方向に回転する。したがって、可動ホルダ15を回転させながら矢印N1方向に移動させれば、各切断刃11を波付管2に食い込ませつつ波付管2の周囲に沿って公転させることが可能であり、波付管2を切断することができる。回転ベース部材16を回転させる駆動源としては、モータ(図示略)を適宜用いればよい。
【0027】
ボールプランジャ13は、波付管2と各切断刃11との相対的な位置関係を安定させるためのものであり、図2に示すように、バネ13bを内装したケース13cの先端部にボール13aが保持された構成である。ボール13aは、波付管2の凹部21に嵌入させるためのものである。ボールプランジャ13は、可動ホルダ15と同様に、回転ベース部材16の一側面に取り付けられ、ガイド部材17bによってガイドされるなどして、波付管2の半径方向に移動可能である。また、ボールプランジャ13の外面部には、スライダ19のカム面19aによって押圧されるカムフォロア18bが取り付けられている。したがって、スライダ19が前記した矢印N2方向に前進した際には、ボールプランジャ13は波付管2に向けて矢印N4方向に押圧されることとなり、ボール13aを波付管2の凹部21に確実に嵌入させることができる。なお、その際にはバネ13bが収縮する作用に基づき、ボール13aが波付管2に対して過当に圧接することは回避される。
【0028】
図1に示すように、切断刃11とボール13aとは、波付管2の軸長方向に離間しており、ボール13aを波付管2のいずれかの凹部21に嵌入させると、切断刃11による波付管2の切断箇所が特定されるようになっている。切断刃11は、波付管2を切断する際には、軸14の軸長方向(波付管2の軸長方向)に位置ずれしないようにボルトなどの適当な締結手段(図示略)を用いて軸14または軸14に外嵌した部材14aに確実に固定されている。ただし、前記締結手段による締結状態を弛めることにより、軸14の軸長方向への位置調整が可能である。したがって、切断刃11とボール13aとの間隔La,Lbは変更可能であり、さらには一対の切断刃11どうしの間隔Lcも変更可能である。
【0029】
次に、フランジ一体型波付管の製造方法の一例について説明する。
【0030】
まず、前記した切断装置Aを用いて、波付管2を切断する。波付管2は、外周面に環状の複数の凸部20および凹部21が一定ピッチで形成された金属製である。波付管2を切断するには、図1に示すように、切断刃11aを波付管2の凹部21aの中心C1から所定の寸法S1だけオフセットされた配置とする。切断刃11bについては、凹部21から1つの凸部20を挟んで隣接する凹部21bの中心C2から寸法S2だけオフセットされた配置とする。
【0031】
より具体的には、図3によく表われているように、切断刃11aについては、波付管2の凹部21aの底部とこれに隣接する凸部20aの頂部との境界部分Bを切断可能な配置とする。波付管2の凹部21aを規定する外面には、曲率半径R1の丸みがある。好ましくは、この丸みを帯びた部分よりも波付管2の半径方向外方寄りの部分(符号a1で示す部分)を、切断対象部位とする。また、凸部20の外面にも曲率半径R2の丸みがあり、より好ましくは、この丸みを帯びた部分よりも波付管2の半径方向内方寄りの部分であって、前記した曲率半径R1の丸みを帯びた部分よりも波付管2の半径方向外方寄りの部分(符号a2で示す部分)を、切断対象部位とする。このような点は、切断刃11bについても同様であり、凹部21bの底部とこれに隣接する凸部20の頂部との境界部分Bのうち、前記した部分a2と同様な箇所を切断可能に設定している。したがって、本実施形態においては、図1に示す寸法S1,S2は、S1=S2の関係にある。
【0032】
前記設定の後には、切断装置Aを稼動させ、波付管2の2箇所を同時に切断する。したがって、作業効率が良い。波付管2を切断すると、図4(a)に示すように、片側に切断面29を有する2本の波付管2Aが得られる。これに伴い、両面が切断面となったスクラップ2Bが発生するが、このスクラップ2Bは、その中央に凸部20を1つだけ有する短寸であり、大きな無駄にはならない。
【0033】
図4(b),(c)に示すように、2本の波付管2Aのそれぞれの切断面29を含む端部には、元の波付管2の凹部21の底部を形成していた部分は残存しない。とくに、本実施形態では、図3を参照して説明した曲率半径R1の丸みを帯びていた部分は、その全てがスクラップ2B上に存在することとなって、2本の波付管2Aには全く残存しない状態となる。したがって、切断面29およびその近傍部分が、波付管2Aの端部において部分的に突出した形態(バーリング状)にならないようにすることができる。
【0034】
前記切断工程の後には、波付管2Aの切断面29に最も接近している最外端の凸部20’を、波付管2Aの軸長方向にプレスする。このプレス作業により、図5に示すように、配管連結用のフランジ28を形成することが可能であり、波付管2Aは、フランジ一体型波付管となる。図4(b),(c)を参照して説明したように、切断面29およびその近傍部分は、バーリング状の形態ではないために、前記したプレス加工によって、フランジ28の前面を綺麗な平面に仕上げることが可能であり、バリが発生しないようにすることができる。
【0035】
フランジ28の内径Daについては、波付管2Aの他の箇所の内径Dbと同等またはそれ以上の寸法に仕上げることが可能となる。したがって、フランジ28の形成箇所において、波付管2Aの内径が狭小となって、流路抵抗が増すといった不具合も適切に解消される。
【0036】
なお、本実施形態とは異なり、フランジ29の内径Daが小さくならないようにすることのみを目的とするのであれば、波付管2を凸部20の頂部において切断すればよい。ところが、このような手段を採用したのでは、従来技術において波付管を凹部の底部において切断した場合と同様に、切断された波付管の端部において、切断面およびその近傍部分がバーリング状となり、この部分がバリとなってしまう。本実施形態によれば、そのよう
な不具合も適切に解消される。
【0037】
本実施形態においては、波付管2の切断に際し、切断装置Aを用いているが、この切断装置Aでは、既述したとおり、一対の切断刃11が波付管2を挟んで対向配置された構造であるために、一対の切断刃11どうしを干渉させないようにしつつ、それらの間隔Lcを小さくとることが可能である。このことにより、図4(a)を参照して説明したとおり、スクラップ2Bのサイズを相当に小さくすることができる。また、各切断刃11は、ボールプランジャ13を利用して位置決めされているために、波付管2の所望箇所を正確に切断することが可能である。図3に示すように、波付管2の切断対象となる部分Bは、傾斜面であるために、なんらかの対策を講じない場合には、前記の部分Bを切断する際に切断刃11の位置が不安定となるが、そのようなことも適切に解消することが可能である。
【0038】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るフランジ一体型波付管の製造方法の各工程の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内で種々に変更自在である。同様に、本発明に係るフランジ一体型波付管、および波付管用の切断装置の各部の具体的な構成も、種々に設計変更自在である。
【0039】
本発明では、加工対象となる波付管の凸部および凹部の具体的な形状、サイズ、配列ピッチなどは限定されない。波付管を切断する場合、必ずしも波付管の2箇所を同時に切断しなくてもよく、1箇所のみ切断してもよい。
【符号の説明】
【0040】
A 波付管用の切断装置
B 境界部分(波付管の凹部の底部と凸部の頂部との)
2 波付管(切断前)
2A 波付管(切断後)
11 切断刃
20 凸部(波付管の)
21 凹部(波付管の)
28 フランジ
29 切断面(波付管の)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の複数の凸部および凹部を有する金属製の波付管を、この波付管の軸長方向と直交する方向に切断する切断工程と、
この切断工程において切断された波付管の前記複数の凸部のうち、切断面に最接近している最外端の凸部を、前記軸長方向にプレスし、配管連結用のフランジとして形成するフランジ形成工程と、を有しており、
前記切断工程における前記波付管の切断箇所は、互いに隣接する凹部の底部と凸部の頂部との境界部分とすることを特徴とする、フランジ一体型波付管の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフランジ一体型波付管の製造方法であって、
前記波付管の各凹部を規定する面は丸みを帯びており、前記切断箇所は、前記丸みを帯びた部分よりも前記波付管の半径方向外方寄りの位置である、フランジ一体型波付管の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフランジ一体型波付管の製造方法であって、
前記切断工程においては、前記波付管を挟むようにして互いに対向し、かつ前記波付管の軸長方向に位置ずれした一対の切断刃を用いることにより、前記波付管の2箇所を同時に切断し、かつこれら2箇所のそれぞれを、前記凹部の底部と凸部の頂部との境界部分とする、フランジ一体型波付管の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のフランジ一体型波付管の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする、フランジ一体型波付管。
【請求項5】
波付管をその軸長方向とは直交する方向に切断するための切断刃を備えている、波付管用の切断装置であって、
前記切断刃としては、前記波付管の2箇所を同時に切断するための一対の切断刃を具備し、
これら一対の切断刃は、前記波付管を挟んで互いに対向し、かつ前記波付管の軸長方向に位置ずれして設けられており、
前記一対の切断刃の前記軸長方向における間隔は変更可能とされ、前記波付管のうちの切断対象となる前記2箇所のそれぞれを、前記波付管の互いに隣接する凹部の底部と凸部の頂部との境界部分に設定することが可能な構成とされていることを特徴とする、波付管用の切断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−210666(P2012−210666A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76889(P2011−76889)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】