説明

フルオレン化合物及びそれを用いた有機発光素子

【課題】新規なフルオレン化合物により、高発光効率で高耐久であり、製造が容易でかつ比較的安価な塗布法で作成可能な有機発光素子及びインク組成物またはインクを提供する。
【解決手段】下記一般式[I]で示される1価のフルオレン基を少なくとも1つ含有するフルオレン化合物。


(式中、R〜Rは、アルキル基,アラルキル基,あるいはアリール基等を表わす。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機化合物およびそれを用いた有機発光素子またはインクに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、陽極と陰極間に蛍光性有機化合物または燐光性有機化合物を含む薄膜を挟持させ、各電極から電子およびホールを注入することにより励起子を生成させ、これが基底状態にもどる際に放射される光を利用する素子である。
【0003】
最近では、ポリフルオレンベースの可溶性高分子を発光材料として用い、塗布法により作成した発光素子が研究されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−100572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状では、特許文献1の発光素子は、発光効率などの初期特性や長時間の発光による輝度劣化などの耐久特性が十分でなく、更なる特性の向上が必要である。ポリフルオレンベースの可溶性高分子は、溶媒への溶解性を高くするために、可溶性置換基として長鎖アルキル基や傘高いアルキル基を繰り返し単位に有する。ところが、これらの長鎖アルキル基や傘高いアルキル基は、高分子内や高分子間の絡み合いなどを助長し、高分子の溶液や膜の状態で凝集などを起こしやすく、さらにゲスト材料との相溶性などを低下させている。このような要因が、発光効率や寿命に影響を及ぼしている。
【0006】
本発明の目的は、新規なフルオレン化合物を提供することにある。
【0007】
また本発明の目的は、新規なフルオレン化合物を用い、高発光効率で高耐久な有機発光素子を提供することにある。さらに、製造が容易でかつ比較的安価な塗布法で作成可能な有機発光素子を提供することにある。
【0008】
また本発明の目的は、新規なフルオレン化合物を用いたインク組成物またはインクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、可溶性置換基としてトリフルオロメチル基を有する特定のフルオレン化合物が、溶剤に対する溶解性が高く、これを発光層に用い、特に塗布法で作成した有機発光素子が、初期特性および耐久特性に優れることを見出した。
【0010】
即ち、本発明のフルオレン化合物は、下記一般式[I]で示される1価のフルオレン基を少なくとも1つ含有することを特徴とする。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R1は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基または置換あるいは無置換のアリール基から選ばれる基を表わす。
【0013】
2およびR3は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R2およびR3は、同じであっても異なっていてもよい。)
【0014】
また、本発明のフルオレン化合物は、下記一般式[II]で示される2価のフルオレン基を少なくとも1つ含有することを特徴とする。
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、R4は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基または置換あるいは無置換のアリール基から選ばれる基を表わす。
【0017】
5およびR6は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R5およびR6は、同じであっても異なっていてもよい。)
【0018】
また、本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された有機化合物を含む一または複数の層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が上記フルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のインク組成物は、上記フルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のフルオレン化合物を用いた有機発光素子は、低い印加電圧で高輝度な発光が得られ、耐久性にも優れている。特に本発明のフルオレン化合物を含有する有機層は、発光層として優れている。
【0021】
さらに、素子の作成も真空蒸着あるいは塗布法等を用いて作成可能であり、比較的安価で大面積の素子を容易に作成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明のフルオレン化合物について説明する。
【0024】
本発明のフルオレン化合物は、上記一般式[I]で示される1価のフルオレン基を少なくとも1つ含有するフルオレン化合物、または上記一般式[II]で示される2価のフルオレン基を少なくとも1つ含有するフルオレン化合物である。
【0025】
ここで、本発明のフルオレン化合物は、下記一般式[III]または[IV]で示されることが好ましい。
【0026】
【化3】

【0027】
(式中、R7およびR8は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基またはトリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。異なるフルオレン基に結合するR7同士、R8同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR7およびR8は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R7またはR8の少なくとも1つは、トリフルオロメチル基である。
【0028】
9およびR10は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R9およびR10は、同じであっても異なっていてもよい。
【0029】
nは1以上10以下の整数を表す。)
【0030】
【化4】

【0031】
(式中、R11およびR12は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基またはトリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。異なるフルオレン基に結合するR11同士、R12同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR11およびR12は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R11またはR12の少なくとも1つは、トリフルオロメチル基である。
【0032】
13およびR14は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R13およびR14は、同じであっても異なっていてもよい。
【0033】
Ar1およびAr2は、2価の置換あるいは無置換のアリール基または2価の置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基を表す。Ar1およびAr2は、同じであっても異なっていてもよい。
【0034】
nは1以上10以下の整数を表す。)
【0035】
上記一般式[I]乃至一般式[IV]における置換基の具体例を以下に示す。
【0036】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。
【0037】
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
【0038】
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
【0039】
複素環基としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基などが挙げられる。
【0040】
縮合多環芳香族基としては、ナフチル基、フェナンスリル基などが挙げられる。
【0041】
縮合多環複素環基としては、キノリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基などが挙げられる。
【0042】
アリールオキシ基としては、フェノキシル基、ナフトキシル基などが挙げられる。
【0043】
置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基、フルオレニルフェニルアミノ基、ジフルオレニル基、ナフチルフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基などが挙げられる。
【0044】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
【0045】
2価のアリール基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基などが挙げられる。
【0046】
2価の縮合多環芳香族基としては、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。
【0047】
上記置換基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などのアリール基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基などの複素環基、ナフチル基、フェナンスリル基などの縮合多環芳香族基、キノリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基などの縮合多環複素環基、フェノキシル基、ナフトキシル基などのアリールオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基、フルオレニルフェニルアミノ基、ジフルオレニル基、ナフチルフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基などの置換アミノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子などが挙げられる。
【0048】
次に、本発明のフルオレン化合物の代表例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
【化5】

【0050】
【化6】

【0051】
【化7】

【0052】
【化8】

【0053】
【化9】

【0054】
【化10】

【0055】
本発明のフルオレン化合物は、一般的に知られている方法で合成できる。例えばパラジウム触媒を用いたSuzuki Coupling法(例えばChem.Rev.,95,2457,1995)、ニッケル触媒を用いたYamamoto法(例えばBull.Chem.Soc.Jpn.51,2091,1978)等で合成できる。
【0056】
本発明のフルオレン化合物は、従来の化合物に比べ発光性および耐久性が優れた化合物であり、有機発光素子の有機化合物を含む層、特に、発光層として有用である。また、真空蒸着法や溶液塗布法によって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
【0057】
次に、本発明の有機発光素子について詳細に説明する。
【0058】
本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に狭持された有機化合物を含む一または複数の層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が、上記本発明のフルオレン化合物の少なくとも一種を含有する。
【0059】
本発明の有機発光素子は、有機化合物を含む層のうち少なくとも発光層が、前記フルオレン化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0060】
本発明のフルオレン化合物含有する層は、真空蒸着法や溶液塗布法により陽極及び陰極の間に形成する。分子内にフルオレン環を5つ以上有する本発明のフルオレン化合物は、化合物の昇華温度が高くなる傾向があるので、溶液塗布法による方が好ましい。
【0061】
本発明のフルオレン化合物を含有する層の厚みは10μmより薄く、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.5μm以下の厚みに薄膜化することが好ましい。
【0062】
図1乃至図7に本発明の有機発光素子の好ましい例を示す。
【0063】
図1は本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図1は基板1上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子はそれ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
【0064】
図2は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図2は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は発光物質はホール輸送性かあるいは電子輸送性のいづれかあるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合、発光層はホール輸送層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
【0065】
図3は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ極めて材料選択の自由度が増す。しかも、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の向上を図ることも可能になる。
【0066】
図4は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図4は図3に対してホール注入層7を陽極2側に挿入した構成であり、陽極2とホール輸送層5の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
【0067】
図5および図6は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図5および図6は、図3および図4に対してホールあるいは励起子(エキシトン)を陰極4側に抜けることを阻害する層(ホール/エキシトンブロッキング層9)を、発光層3、電子輸送層6間に挿入した構成である。イオン化ポテンシャルの非常に高い化合物をホール/エキシトンブロッキング層9として用いる事により、発光効率の向上に効果的な構成である。
【0068】
図7は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図7は基板1上に陽極2、ホール注入層7、発光層3、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。
【0069】
ただし、図1乃至図7はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
【0070】
本発明のフルオレン化合物は、従来の化合物に比べ発光性および耐久性の優れた化合物であり、図1乃至図7のいずれの形態でも使用することができる。
【0071】
特に、本発明のフルオレン化合物を用いた有機層は、発光層として有用であり、また真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
【0072】
本発明のフルオレン化合物は、公知なホール輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物などと一緒に使用することもできる。この場合、本発明のフルオレン化合物の含有量は、1wt%以上50wt%以下であることが好ましく、1wt%以上30wt%以下であることがより好ましい。
【0073】
以下にこれらの化合物例を挙げる。
【0074】
【化11】

【0075】
【化12】

【0076】
【化13】

【0077】
【化14】

【0078】
【化15】

【0079】
【化16】

【0080】
本発明の有機発光素子において、本発明のフルオレン化合物を含有する層および他の有機化合物を含有する層は、一般には真空蒸着法あるいは、適当な溶媒に溶解させて塗布法により薄膜を形成する。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコーター法、印刷法、インクジェット法、スプレー法などが挙げられる。
【0081】
特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
【0082】
上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、たとえばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。
【0083】
陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよく、例えば、金、銀、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよく、複数併用することもできる。
【0084】
一方、陰極材料としては仕事関数の小さなものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金またはこれらの塩などを用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
【0085】
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
【0086】
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜または光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
【0087】
次に、本発明のインク組成物について説明する。
【0088】
本発明のインク組成物は、本発明のフルオレン化合物の少なくとも一種を含有する。本発明のインク組成物を用いると、有機発光素子の有機化合物層、特に発光層を塗布法により作成可能であり、比較的安価で大面積の素子を容易に作成できる。特に、分子内にフルオレン環を5つ以上有する本発明のフルオレン化合物は、化合物の昇華温度が高くなる傾向があるので、溶媒に溶解してインク組成物として用いることが好適である。
【0089】
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、ジオキサン、テトラリン、メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ダイグライム等が挙げられる。
【0090】
本発明のフルオレン化合物の他に含んでもよい化合物としては、例えば、上述の公知なホール輸送性化合物、発光性化合物、電子輸送性化合物などが挙げられる。
【0091】
インク組成物における本発明のフルオレン化合物の含有量は、0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましく、0.1wt%以上3wt%以下であることがより好ましい。
【実施例】
【0092】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0093】
<中間体の合成>
【0094】
【化17】

【0095】
500ml三ツ口フラスコに、2−ヨードビフェニル[1]20g(71.4mmol)およびジエチルエーテル200mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液51ml(78.5mmol)を滴下した。−78℃で1時間攪拌後、1,1,1−トリフルオロアセトン10.1ml(107mmol)を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後有機層を酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、付加体[2](透明液体)11.8g(収率62%)を得た。
【0096】
300ml三ツ口フラスコに、付加体[2]10g(37.6mmol)およびトルエン150mlを入れ、室温下、トリフルオロメタンスルホン酸1.9g(12.5mmol)を滴下し、8時間還流した。反応後、水を加え有機層を酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、フルオレン中間体[3](透明液体)3.7g(収率40%)を得た。
【0097】
100ml三ツ口フラスコに、フルオレン中間体[3]1.9g(7.7mmol)および四塩化炭素40mlを入れ、室温下、鉄粉を触媒量添加した後、臭素1.4g(8.5mmol)/四塩化炭素5mlの溶液を滴下した。室温で5時間攪拌した後、水を加え有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン展開溶媒)で精製し、モノブロモフルオレン中間体[4](透明液体)2.1g(収率82%)を得た。
【0098】
100ml三ツ口フラスコに、フルオレン中間体[3]1.9g(7.7mmol)および四塩化炭素40mlを入れ、室温下、鉄粉を触媒量添加した後、臭素2.6g(16.2mmol)/四塩化炭素5mlの溶液を滴下した。室温で8時間攪拌した後、水を加え有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン展開溶媒)で精製し、ジブロモフルオレン中間体[5](白色結晶)2.8g(収率90%)を得た。
【0099】
<合成例1>[例示化合物No.11の合成]
【0100】
【化18】

【0101】
(1)ピナコールボラン中間体の合成
500ml三ツ口フラスコに、2−ブロモフルオレン[6]25g(102mmol)およびTHF250mlを入れ、窒素雰囲気中、0℃でt−ブトキシナトリウム22.5g(235mmol)を添加した。同温度で30分攪拌後、ヨードエタン40g(255mmol)を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、水を注加し有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン展開溶媒)で精製し、モノブロモ中間体[7](透明液体)28.2g(収率92%)を得た。
【0102】
500ml三ツ口フラスコに、下記成分を入れ、窒素雰囲気中、24時間還流した。
モノブロモ中間体[7]23g(76.3mmol)
ピナコールボラン22g(172mmol)
ジフェニルホスフィノプロパンジクロロニッケル4.1g(7.6mmol)
トリエチルアミン50ml
トルエン200ml
【0103】
反応後、水を注加し有機層を酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、ピナコールボラン中間体[8](透明液体)18.0g(収率68%)を得た。
【0104】
(2)ジブロモトリスフルオレン中間体の合成
300ml三ツ口フラスコに、ジブロモフルオレン中間体[5]1.5g(3.69mmol)、ピナコールボラン中間体[8]2.8g(8.13mmol)、トルエン100mlおよびエタノール50mlを入れた。窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム14g/水70mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.43g(0.37mmol)を添加した。室温で30分攪拌した後77度に昇温し3時間攪拌した。反応後有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、トリスフルオレン中間体[9](白色結晶)1.4g(収率55%)を得た。
【0105】
50ml三ツ口フラスコに、トリスフルオレン中間体[9]1.0g(1.5mmol)および四塩化炭素20mlを入れ、室温下、鉄粉を触媒量添加した後、臭素0.5g(3.1mmol)/四塩化炭素5mlの溶液を滴下した。室温で8時間攪拌した後、水を加え有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、ジブロモトリスフルオレン中間体[10](白色結晶)1.2g(収率95%)を得た。
【0106】
(3)例示化合物No.11の合成
200ml三ツ口フラスコに、ジブロモトリスフルオレン中間体[10]0.5g(0.59mmol)、ピナコールボラン中間体[8]0.5g(2.4mmol)、トルエン60mlおよびエタノール30mlを入れた。窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム2.4g/水12mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.07g(0.06mmol)を添加した。室温で30分攪拌した後77度に昇温し5時間攪拌した。反応後有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、例示化合物No.11(白色アモルファス)0.25g(収率38%)を得た。
【0107】
<合成例2>[例示化合物No.13の合成]
【0108】
【化19】

【0109】
(1)ジブロモトリスフルオレン中間体、ピナコールボラン中間体の合成
合成例1と同様な合成ルートで、ジブロモトリスフルオレン中間体2[14]およびピナコールボラン中間体2[15]を得た。
【0110】
(2)例示化合物No.13の合成
200ml三ツ口フラスコに、ジブロモトリスフルオレン中間体2[14]0.5g(0.68mmol)、ピナコールボラン中間体2[15]0.64g(1.7mmol)、トルエン60mlおよびエタノール30mlを入れた。窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム2.4g/水12mlの水溶液を滴下し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.07g(0.06mmol)を添加した。室温で30分攪拌した後77度に昇温し5時間攪拌した。反応後有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、例示化合物No.13(白色結晶)0.43g(収率58%)を得た。
【0111】
<実施例1>
図7に示す構造の素子を作成した。
【0112】
基板1としてのガラス基板上に、陽極2としての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
【0113】
透明導電性支持基板上に、バイトロンP Al−4083をスピンコート法により50nmの膜厚で成膜しホール注入層7を形成した。
【0114】
さらに、例示化合物No.11の2wt%トルエン溶液をスピンコート法により60nmの膜厚で成膜し発光層3を形成した。
【0115】
次に、電子注入層8として、カルシウムを用い、上記有機層の上に真空蒸着法により1nmの金属層膜を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1nm/secの条件で成膜した。
【0116】
さらに、陰極4として、真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム層を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は1.0nm/sec以上1.2nm/sec以下の条件で成膜した。
【0117】
さらに、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
【0118】
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして、5Vの直流電圧を印加すると35mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、2100cd/m2の輝度で青色の発光が観測された。
【0119】
さらに、電流密度を5.0mA/cm2に保ち50時間電圧を印加したところ、初期輝度550cd/m2から50時間後450cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0120】
<実施例2乃至20>
例示化合物No.11に代えて、表1に示す化合物を用いた他は実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0121】
<比較例1乃至3>
例示化合物No.11に代えて、下記構造式で示される化合物を用いた他は実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0122】
【化20】

【0123】
【表1】

【0124】
<実施例21>
下記構造式で示されるIr錯体0.2wt%と例示化合物No.4の2wt%のトルエン溶液をスピンコート法により60nmの膜厚で成膜し発光層3を形成した他は実施例1と同様に素子を作成した。
【0125】
【化21】

【0126】
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして、5Vの直流電圧を印加すると20mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、1600cd/m2の輝度で緑色の発光が観測された。
【0127】
さらに、電流密度を5.0mA/cm2に保ち50時間電圧を印加したところ、初期輝度600cd/m2から50時間後520cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0128】
<実施例22乃至31>
例示化合物No.4に代えて、表2に示す化合物を用いた他は実施例21と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
【0129】
<比較例4乃至6>
例示化合物No.4に代えて、比較化合物No.1、2、3を用いた他は実施例21と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
【0130】
【表2】

【0131】
<実施例32>
図2に示す構造の素子を作成した。
【0132】
実施例1と同様の透明導電性支持基板上に、下記構造式で示される化合物の2wt%クロロホルム溶液をスピンコート法により30nmの膜厚で成膜しホール輸送層5を形成した。
【0133】
【化22】

【0134】
さらに、例示化合物No.1を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜し、発光層3を形成した。蒸着時の真空度は、1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2nm/sec以上0.3nm/sec以下の条件で成膜した。
【0135】
次に、陰極4として、アルミニウムとリチウム(リチウム濃度1原子%)からなる蒸着材料を用いて、上記有機層の上に真空蒸着法により厚さ50nmの金属層膜を形成し、さらに真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム層を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は1.0nm/sec以上1.2nm/sec以下の条件で成膜した。
【0136】
さらに、実施例1と同様に封止した。
【0137】
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして、5Vの直流電圧を印加すると60mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、1500cd/m2の輝度で青色の発光が観測された。
【0138】
さらに、電流密度を20.0mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度580cd/m2から50時間後500cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0139】
<実施例33乃至38>
例示化合物No.1に代えて、表3に示す化合物を用いた他は実施例32と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
【0140】
<比較例7乃至8>
例示化合物No.1に代えて、比較化合物No.2、3を用いた他は実施例32と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
【0141】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図6】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0143】
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 電子注入層
9 ホール/エキシトンブロッキング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[I]で示される1価のフルオレン基を少なくとも1つ含有することを特徴とするフルオレン化合物。
【化1】

(式中、R1は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基または置換あるいは無置換のアリール基から選ばれる基を表わす。
2およびR3は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R2およびR3は、同じであっても異なっていてもよい。)
【請求項2】
下記一般式[II]で示される2価のフルオレン基を少なくとも1つ含有することを特徴とするフルオレン化合物。
【化2】

(式中、R4は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基または置換あるいは無置換のアリール基から選ばれる基を表わす。
5およびR6は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R5およびR6は、同じであっても異なっていてもよい。)
【請求項3】
下記一般式[III]で示されることを特徴とする請求項1または2に記載のフルオレン化合物。
【化3】

(式中、R7およびR8は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基またはトリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。異なるフルオレン基に結合するR7同士、R8同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR7およびR8は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R7またはR8の少なくとも1つは、トリフルオロメチル基である。
9およびR10は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R9およびR10は、同じであっても異なっていてもよい。
nは1以上10以下の整数を表す。)
【請求項4】
下記一般式[IV]で示されることを特徴とする請求項1または2に記載のフルオレン化合物。
【化4】

(式中、R11およびR12は、アルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基またはトリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。異なるフルオレン基に結合するR11同士、R12同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR11およびR12は、同じであっても異なっていてもよい。但し、R11またはR12の少なくとも1つは、トリフルオロメチル基である。
13およびR14は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子またはシアノ基から選ばれる基を表わす。R13およびR14は、同じであっても異なっていてもよい。
Ar1およびAr2は、2価の置換あるいは無置換のアリール基または2価の置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基を表す。Ar1およびAr2は、同じであっても異なっていてもよい。
nは1以上10以下の整数を表す。)
【請求項5】
陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された有機化合物を含む一または複数の層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が請求項1乃至4のいずれかに記載のフルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子。
【請求項6】
前記有機化合物を含む層のうち少なくとも発光層が、前記フルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載のフルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とするインク組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−204425(P2007−204425A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25208(P2006−25208)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】