説明

フレキシブルなネットワークアーキテクチャのための方法及び装置

【課題】簡略化されたフレキシブルなネットワークアーキテクチャを提供する。
【解決手段】通信システムにおいて動作可能な装置が、通信システムを介する接続に関連した機能のセットを提供する1つ又は複数のロジカルエンティティを備える。ロジカルエンティティは、直列に接続され、機能のサブセットは、ロジカルエンティティの各々が生じるごとに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信に関し、特に、フレキシブルなネットワークアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、例えば音声、データ等のような様々なタイプの通信コンテンツを提供するために、幅広く開発される。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅及び送信電力)の共有によって、多くのユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムであることができる。このような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)システム、及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。
【0003】
一般に、無線多元接続通信システムは、多くの無線端末のための通信を同時にサポートすることができる。各端末は、順方向リンク及び逆方向リンク上の送信を介して、1つ又は複数の基地局と通信する。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力システム、複数入力単一出力システム、又は複数入力複数出力(MIMO)システムによって確立することができる。
【0004】
一般に、ネットワークアーキテクチャを簡略化し、1つのノードの構成に近づけるためには、特にユーザ面ハンドリングに関して圧力がかかる。しかし、ローミングの場合、訪問先ネットワークとホームネットワークとの両方が、(ポリシー管理、課金処理のためのカウント、合法的傍受、フィルタリング等のために)ユーザデータを処理することができなければならない。そのため、1つのユーザ面ノードが訪問先ネットワークにあり、別の1つがホームネットワークにあるというアーキテクチャが生じる。非ローミングの場合にも、これら2つのノードは未だ存在しており、これらの機能はオーバラップしている。更に、システムのその他の部分からこれら2つのユーザ面ノードへのインタフェースが生成され、非常に類似した特徴を持つ2倍の量のインタフェースがもたらされる。そこで、このネットワークアーキテクチャの簡略化へのニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、2006年9月14日出願の“METHOD AND APPARATUS FOR FLEXIBLE NETWORK ARCHITECTURE”と題された米国特許仮出願60/844,845号の利益を主張する。この出願全体が、参照によって本願に組み込まれる。
【0006】
下記は、局面の基本的理解を提供するために、1つ又は複数の局面の簡略化された概要を提供する。この概要は、意図された局面全ての広範囲な概観でなく、全ての局面の重要要素又は決定的要素を明らかにしたり、任意又は全ての局面の範囲を線引きすることは意図されていない。この概要のただ1つの目的は、1つ又は複数の局面のいくつかの概念を、以下に記載するより詳細な説明の前置きとして簡略化した形式で示すことである。
【0007】
局面によると、通信システムにおいて動作可能な装置が、通信システムを介する接続に関連した機能のセットを提供する1つ又は複数のロジカルエンティティを備える。ロジカルエンティティは、直列に接続され、機能のサブセットは、各ロジカルエンティティが生じるごとに提供される。
【0008】
上記記載及び関連する目的を達成するために、1つ又は複数の局面は、以下で完全に説明され、特に特許請求の範囲に示される特徴を備える。下記記載及び添付図面は、1つ又は複数の局面のある例示的局面を詳細に説明する。しかしこれらの局面は、様々な局面の原理が用いられることができる様々な方法のうちのうちのいくつかしか示しておらず、説明された局面は、このような局面の全て及びそれらの均等物を含むように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一般的な3GPPアーキテクチャの実施形態を示す。
【図2】図2は、非ローミングユーザに適用されるアーキテクチャの典型的な実施形態を示す。
【図3】図3は、ローミングユーザに適用されるアーキテクチャの典型的な実施形態を示す。
【図4】図4は、ローミングユーザに適用されるアーキテクチャの別の典型的な実施形態を示す。
【図5】図5は、ローミングユーザのために適用される、ローカルブレークポイントを有するアーキテクチャの典型的な実施形態を示す。
【図6】図6は、ローミングユーザのために適用される、2つのPDNへの接続を用いたアーキテクチャの典型的な実施形態を示す。
【図7a】図7aは、2つの異なるロジカルノード、ノード1及びノード2を有する典型的なSAEアーキテクチャを示す。
【図7b】図7bは、2つの異なるロジカルノード、ノード1及びノード2を有する典型的なSAEアーキテクチャを示す。
【図8a】図8aは、単一のロジカルノード、ノードAを有する典型的なSAEアーキテクチャを示す。
【図8b】図8bは、単一のロジカルノード、ノードAを有する典型的なSAEアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、様々な実施形態が、同一の符号が明細書を通して同一の要素を参照するために用いられる図面に関連して説明される。以下の説明において、説明目的のために、1つ又は複数の実施形態の完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細が説明される。しかし、そのような実施形態は、これら具体的な詳細なしでも実現されうることが明確である。他の例において、周知の構成及びデバイスが、1つ又は複数の実施形態の説明を容易にするためにブロック図形式で示される。
【0011】
本明細書で説明される技術は、例えば符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、単一キャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワーク等のような様々な無線通信ネットワークのために用いることができる。「ネットワーク」及び「システム」という用語は、しばしば互換性を持って用いられる。CDMAネットワークは、例えばユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access)(UTRA)、cdma2000等のような無線技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)及び低チップレート(LCR)を含む。cdma2000は、IS−2000規格、IS−95規格、及びIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えばグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM(登録商標))のような無線技術を実現することができる。OFDMAネットワークは、例えば次世代(Evolved)UTRA(E−UTRA)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.20、Flash−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現することができる。UTRA、E−UTRA、及びGSMは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。ロング・ターム・エボリューション(LTE)は、E−UTRAを用いる近々公開されるUMTSである。UTRA、E−UTRA、GSM、UMTS、及びLTEは、“3rd Generation Partnership Project”と名づけられた組織からの文書で説明される。cdma2000は、“3rd Generation Partnership Project 2”(3GPP2)と名づけられた組織からの文書で説明される。これら様々な無線技術及び規格は、当該技術において周知である。
【0012】
明確化のために、本技術のある局面が以下でLTEに関して説明され、LTE用語が、以下の説明の多くの部分において用いられる。
【0013】
本明細書で説明される実施形態は、3GPPのシステム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)に関連して説明されるが、それらは、フレキシブルな構成を必要とする任意のネットワークアーキテクチャにも関連しうる。一般に、ネットワークアーキテクチャを簡略化し、1つのノードの構成に近づけると、特にユーザ面ハンドリングに関して圧力がかかる。一方、ローミングの場合、訪問先ネットワークとホームネットワークとの両方が、(ポリシー管理、課金処理のためのカウント、合法的傍受、フィルタリング等のために)ユーザデータを処理することができなければならない。そのため、1つのユーザ面ノードが訪問先ネットワークにあり、別の1つがホームネットワークにあるアーキテクチャが生じる。非ローミングの場合にも、これら2つのノードは未だ存在し、それらの機能がオーバラップする。更に、システムのその他の部分からこれら2つのユーザ面ノードへのインタフェースが生成され、非常に類似した特徴を持つ2倍の量のインタフェースがもたらされる。
【0014】
本明細書で説明される実施形態は、単一のユーザ面ノードを生成する。通常の非ローミング接続の場合、1つのノードしか必要でないが、いくつかの与えられた接続(例えばローミング)の場合、これらのノードは、例えば1つのノードが訪問先ネットワークにあり、1つのノードがホームネットワークにあるように直列に接続することができる。これは、システムのその他の部分からのインタフェースのセットが1つしか生成されないために、アーキテクチャを大いに簡略化する。ここでは、複数のノードが必要でない場合(例えばローカル接続の場合)、1つのユーザ面ノードを用いることができ、複数のノードが必要である場合(例えばローミング接続の場合)、2つのユーザ面ノードを用いることができる。
【0015】
典型的なシステムにおいて、2つの異なるロジカルノードがシステム・アーキテクチャのために生成される。1つは訪問先ネットワークのためであり、もう1つはホームネットワークのためである。この場合でも、これらのロジカルノードは単一のボックス内に実現することができるが、具体的な観点からは、未だ2つのノードがあり、余分な複雑さがある。
【0016】
3GPPシステム・アーキテクチャ・エボリューションの場合、1つのコアネットワークユーザ面ノードのみが生成され、「SAEアンカ」と称される。通常(非ローミング、単一サービスアクセス)の場合、1つのSAEアンカのみが接続に用いられるが、いくつかの接続の場合、2つのSAEアンカを直列に接続することができる。これは、訪問先ネットワークとホームネットワークとの両方がユーザデータにアクセスする必要がある場合、例えばローミングの場合必要である。またローミングの場合、直列接続されたノードは、1つのノード内のローカル移動性を隔離することができ、その他のノードは、グローバルローミングのみに関連することになる。このアプローチは、スペックエフォート及びアーキテクチャを簡略化する。このアプローチはまた、ローミング接続のための2つのノード構成という利益を可能としながら、簡略な非ローミング接続から複雑さを取り除く。
【0017】
本明細書で説明される実施形態において、1つのユーザ面ノードしか定義される必要はない。これは、システム・アーキテクチャを簡略化する。これら単一ノードのうちの2つを直列に接続することにより、2つのノード構成の利益を選択的に用いることができる。多くの接続の場合、2つのノードを直列に接続する必要はなく、1つのノードで十分である。よってこの実施形態は、単一のノード構成と2つのノード構成との両方の利益を、何れの不利益ももたらさず達成する。
【0018】
図1に示すように、一般的なアーキテクチャにおいて、エンハンスト・パケット・コア(EPC)ネットワーク内には1つのユーザ面ノードしかない。ここではそれをSAEアンカと称するが、GGSN、エンハンストGGSN等であることもできる。接続されたモバイルデバイス(別名、ユーザ機器、UE、ハンドセット、モバイルノード、AT等)からの、又はそれらへのユーザデータは、ユーザ面ノード「SAEアンカ」を通過する。
【0019】
EPCを通過しているユーザデータのために実行されるために必要かつ望まれる機能は、SAEアンカ内で行われる。これらの機能は、例えば下記を含むことができる。
【0020】
ポリシー管理:SAEアンカは、通過しているユーザデータに適用するポリシーを記述するポリシーを受信する。これらのポリシーは一般に、例えばPCRF(ポリシー管理機能、ポリシー及び課金処理規則機能等)、HSS、又はその他の制御要素のような外部ソースから得られる。SAEアンカは、通過しているユーザデータを許可、拒否、修正、及び/又はフィルタリングすることによって、受信したポリシーをユーザ面に対して施行する。SAEアンカは、ポリシーをユーザデータパス内の別のノードに適用可能なポリシーに変換し、他のポリシー施行ポイントへポリシーを渡すこともできる。
【0021】
加入者プロファイルハンドリング:SAEアンカは、加入者プロファイルを外部ソースから受信することができる。加入者プロファイルは、何れのタイプの接続が、接続されたユーザに許可されているか、例えばそのユーザが何れのパケットデータネットワークに接続することができるかを定めることができる。加入者プロファイルはまた、あるパケットデータネットワーク(PDN)にアクセスするためにUEから要求される、格納されたユーザ名及びパスワードを含むことができる。加入者プロファイルはまた、SAEアンカによるユーザデータのハンドリング及び/又はルーティングに影響を及ぼすその他の情報を含むことができる。
【0022】
課金処理:SAEアンカは、通過しているユーザデータの特徴に基づいて、課金処理情報を課金処理エンティティへ報告する。例えば、通過しているユーザデータのボリュームを報告する。この報告は、通過しているユーザデータのコンテンツや、そのソース及び/又は宛て先アドレスに基づいて、異なるカテゴリへ分割されることもできる。
【0023】
ユーザデータ交換及びルーティング:SAEアンカは、通過しているユーザデータを、ユーザデータパス内の次のノードへルーティング/交換/転送する責任を負う。この目的のために、SAEアンカは、特定の移動プロトコル及び/又はトランスポートプロトコルを有する。
【0024】
SAEアンカによって操作される機能は他にもありうる。
【0025】
図2に示すように、この非ローミングの場合、1つのSAEアンカのみが、ユーザデータを通過させるために用いられる。これは、ユーザデータ処理が単一のノード内に集中していることを意味する。これにより、SAE機能をサポートするインタフェースがその単一のSAEアンカノード内のみで終了するので、アーキテクチャが簡略化される。EPC内に、二重のユーザデータ処理機能や、二重のインタフェースの必要はない。
【0026】
図3に示すように、このローミングの場合、SAEアンカの2つのインスタンスが見られる。これは、一般に必要とされるように、ユーザ面処理機能が、例えば訪問先ネットワーク内とホームネットワーク内との2つの場所に存在することができることを意味する。この解決策によって、このような構成が必要である場合、ユーザ面処理機能のための2つのノードを有することが可能となる。非ローミングの場合を示す図2から分かるように、必要がない場合、これら2つの動作中のノードを有することは要求されない。また、ローミングの場合2つの異なるユーザ面ノードを定める代わりに、同一のロジカルノードを2回用いると、EPCノードと、システムのその他の部分との間のインタフェースの量が低減される。例えば、PCRF、HSS、課金処理システム等へのインタフェースは、2つのロジカルノードに接続される必要がない。データパス内の単一ノードが複数回生じる可能性があれば、1つのロジカルノードで十分である。
【0027】
直列に接続された複数の(2より多い)SAEアンカを有することが可能である。また、例えばSAEアンカの一般的な位置とモバイルとの間に長い物理的距離がある場合、あるいは単一のモバイルデバイスからいくつかのパケットデータネットワークにアクセスする場合のようなローミング以外の場合に、複数のユーザ面ノードを用いることも可能である。
【0028】
図4に示すように、ここでは、移動、トランスポート、及び交換のために、SAEアンカ間で異なるプロトコルが用いられる点以外は、図3に示した例と同様である例が示される。直列接続されたSAEアンカ間の接続プロトコルは、例えば、GTP、モバイルIP、GRE、IP、PMIP、エンハンストGTP、又はその他任意の適切なプロトコルであることができる。このプロトコルはまた、上記プロトコルから派生した任意のプロトコルであることもできる。
【0029】
図5に示すように、この例は、SAEアンカの発生が、ユーザデータ内の異なるデータフローによって異なりうることを示す。この例において、ユーザデータのうちのいくつかは、第1のSAEアンカから、EPCシステム外へルーティングされる。これは一般に、ローカルサービス、又はローカルネットワークからより良好にアクセスされうるサービスに接続するために行われる。これらのサービスは、例えばローカルサービス、IMSサービス、緊急コール、インターネット接続等であることができる。
【0030】
図6に示すように、この例は、SAEアンカの2つの異なる直列接続の発生を示す。この直列接続メカニズムは、ユーザデータフローの一部を複数のSAEアンカに接続するためにも用いることができる。1つのフローは、第1のSAEアンカから第2のSAEアンカへ、1つの位置でルーティング/交換/転送される。同時に、同じユーザデバイスからの別のフローが、第1のSAEアンカから第3のSAEアンカへルーティングされる。これにより、第2のSAEアンカ及び/又は第3のSAEアンカで、ユーザデータフローのサービス又はPDN特有ハンドリングをすることが可能となる。また、各々が自身の専用SAEアンカノードを有する単一又は複数のPDN、企業ネットワーク、及び/又は特定のサービスへの接続も可能となる。
【0031】
図7a及び図7bに示すように、これらは、2つの異なるロジカルノードであるノード1及びノード2(アプローチ1)、及び、EPCと、EPC内のユーザ面処理に関するシグナリング機能のためのシステム内のその他の部分との間に定められた2セットのロジカルインタフェースを有するSAEアーキテクチャを示す。訪問先ネットワーク内には、ポリシーの施行を可能とするために、ノード1へのポリシー管理インタフェースがなくてはならず、ホームPLMN内には、ポリシーの施行を可能とするために、ノード2へのポリシー管理インタフェースがなくてはならない。
【0032】
非ローミングの場合、単一の物理ボックス内にノード1とノード2とを実現することが本来可能である。しかしこのロジカルアーキテクチャは、これら2つのノードが別々であると仮定するので、それらに対するロジカルインタフェースは、もし単一の物理エンティティに接続されても、互いに独立して動作する。
【0033】
ノード1とノード2との間のユーザデータインタフェースは、2つのノード間のユーザデータをルーティング/交換/転送するために用いられる。このアプローチにおいて、単一のユーザのためのホームネットワークで、例えば複数のPDNへのアクセスをサポートするために、複数のノード2を有することが可能である。このアプローチにおいて、訪問先EPC(ノード1)(例えば緊急サービスのためのローカルブレークアウト)からPDNへの直接のアクセスは、ノード1にGiタイプのインタフェースがないために、特別な構成を必要とする。
【0034】
このアプローチにおいて、ノード1は、ノード2内に存在しない何らかのアクセス関連機能を有することができる。
【0035】
図8a及び図8bに示すように、これらは、単一のロジカルノードAを有するSAEアーキテクチャ(アプローチ2)を示す。このシステムは、アプローチ1の2つのノードシステムによるローミングの場合と全く同じ方法で動作する。非ローミングの場合、このロジカルアーキテクチャは大いに簡略化される。
【0036】
EPCと、EPC内のユーザ面処理に関連するシグナリング機能に関するシステム内のその他の部分との間には、1セットのインタフェースしか必要ではない。
【0037】
ユーザ面ハンドリングのために2つの異なる場所が必要である場合、同一のノードAの2回の発生が、ユーザデータパス内に挿入されることができる。これらのノード発生の各々において適用される可能なSAEユーザ面ハンドリング手順のサブセットはその後、キャリアポリシー及び接続のタイプに依存しうる。
【0038】
ノードAの第1の発生とノードAの第2の発生との間のユーザデータインタフェースは、2つのノード間のユーザデータトラヒックをルーティング/交換/転送するために用いられる。アプローチ1とアプローチ2との間には、ノード間ユーザデータインタフェースに関連する相違点があってはならない。
【0039】
このアプローチにおいて、例えば複数のPDNへのアクセスをサポートするために、単一のユーザのためのホームネットワーク内に複数のノードAを有することが可能である。この点に関して、アプローチ1とアプローチ2との間に相違はない。このアプローチにおいて、訪問先ネットワーク(例えば緊急サービスのローカルブレークアウト)でのノードAからPDNへの直接のアクセスは、ノードAが既にGiタイプのインタフェースを有するので、デフォルトによってサポートされる。
【0040】
このアプローチにおいて、ノードAの可能なアクセス関連機能は、ノードAによる特定の接続に関する訪問先ネットワークのノードA内でのみ用いられる。
【0041】
当業者は、情報及び信号が、任意の様々な異なる技術及び技法を用いて表されうることを理解するであろう。例えば、上記説明を通して参照されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界や磁気粒子、光場や光粒子、又はこれら任意の組み合わせによって表すことができる。
【0042】
当業者は更に、本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップが、電子工学的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれら2つの組み合わせとして実現されうることをよく理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に示すために、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、それらの機能の観点から一般的に説明された。このような機能が、ハードウェアとして実現されるかソフトウェアとして実現されるかは、システム全体に課された設計制約及び特定のアプリケーションによる。当業者は、各特定のアプリケーションのために上述した機能を様々な方法で実装することができるが、このような実現の決定は、本発明の範囲から逸脱させるものとして解釈されてはならない。
【0043】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることができるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることもできる。プロセッサは、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又はこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0044】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアによって直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって、又は、これらの組み合わせによって具現化される。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他任意の形式の記憶媒体に収納されうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサがそこから情報を読み取り、またそこに情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。または、記憶媒体はプロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体とは、ASIC内に存在することもできる。ASICは、ユーザ端末内に存在することもできる。あるいはこのプロセッサと記憶媒体とは、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在することができる。
【0045】
開示された実施形態における上記記載は、当業者をして、本発明の製造又は利用を可能とするために提供される。これらの実施形態への様々な変形例もまた、当業者に対しては明らかであって、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神又は範囲を逸脱することなくその他の実施形態にも適用されうる。従って本発明は、本明細書に示す実施形態に限定することは意図されておらず、本明細書に開示された原理及び新規特徴と整合が取れた最も広い範囲と一致するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおいて動作可能な装置であって、
通信システムを介する接続に関連した機能のセットを提供する1つ又は複数のロジカルエンティティを備え、
前記ロジカルエンティティは直列に接続され、
前記機能のサブセットは、前記ロジカルエンティティの各々が生じるごとに提供される装置。
【請求項2】
前記通信システムが、システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)通信システムである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロジカルエンティティがSAEアンカである請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記接続が、ネットワーク間ローミング接続である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記機能のサブセットは、ポリシー施行と、データルーティング及びデータ交換と、オンライン課金処理と、フローモニタリングと、合法的傍受とのうちの1つを含む請求項1に記載の装置。
【請求項6】
通信システムにおいて用いられる方法であって、
前記通信システムを介する接続に関連した機能のセットを提供する1つ又は複数のロジカルエンティティを提供することを備え、
前記ロジカルエンティティは直列に接続され、
前記機能のサブセットは、前記ロジカルエンティティの各々が生じるごとに提供される方法。
【請求項7】
前記通信システムが、システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)通信システムである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ロジカルエンティティがSAEアンカである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記接続が、ネットワーク間ローミング接続である請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記機能のサブセットは、ポリシー施行と、データルーティング及びデータ交換と、オンライン課金処理と、フローモニタリングと、合法的傍受とのうちの1つを含む方法。
【請求項11】
機械によって実行されると、前記機械に動作を実行させる命令群を備えた機械読取可能媒体であって、前記動作は、
通信システムを介する接続に関連した機能のセットを提供する1つ又は複数のロジカルエンティティを提供することを含み、
前記ロジカルエンティティは直列に接続され、
前記機能のサブセットは、前記ロジカルエンティティの各々が生じるごとに提供される機械読取可能媒体。
【請求項12】
前記通信システムが、システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)通信システムである請求項11に記載の機械読取可能媒体。
【請求項13】
前記ロジカルエンティティがSAEアンカである請求項11に記載の機械読取可能媒体。
【請求項14】
前記接続が、ネットワーク間ローミング接続である請求項11に記載の機械読取可能媒体。
【請求項15】
前記機能のサブセットは、ポリシー施行と、データルーティング及びデータ交換と、オンライン課金処理と、フローモニタリングと、合法的傍受とのうちの1つを含む請求項11に記載の機械読取可能媒体。
【請求項16】
無線通信システムにおいて動作可能な装置であって、
前記通信システムを介する接続に関連した機能のセットを提供する1つ又は複数のロジカルエンティティを提供するように構成されたプロセッサであって、前記ロジカルエンティティは直列に接続され、前記機能のサブセットは前記ロジカルエンティティの各々が生じるごとに提供されるプロセッサと、
前記プロセッサに接続された、データを格納するメモリと
を備えた装置。
【請求項17】
前記通信システムが、システム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)通信システムである請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ロジカルエンティティがSAEアンカである請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記接続が、ネットワーク間ローミング接続である請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記機能のサブセットは、ポリシー施行と、データルーティング及びデータ交換と、オンライン課金処理と、フローモニタリングと、合法的傍受とのうちの1つを含む請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【公開番号】特開2012−235474(P2012−235474A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−128837(P2012−128837)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【分割の表示】特願2009−528488(P2009−528488)の分割
【原出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】