フレキシブルスタンプを用いて剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法
【課題】面積が50平方センチメートルより大きく、好ましくは200平方センチメートルより大きい剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を提供する。
【解決手段】剛性基板上に硬化材料層をウエットコーティングする。その後、硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加えてテクスチャーをインプリントする。フレキシブルスタンプは、テクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーンを含む。ボトムゾーンは、0.5MPaと3000MPaの間のヤング率を有し、テクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。フレキシブルスタンプは、0.1GPaと10GPaの間のヤング率を有するトップゾーンも含む。トップゾーンは、巨視的欠陥に対する許容を可能にする。さらに、硬化材料層を硬化することを含む。最後に、フレキシブルスタンプを取り外す。
【解決手段】剛性基板上に硬化材料層をウエットコーティングする。その後、硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加えてテクスチャーをインプリントする。フレキシブルスタンプは、テクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーンを含む。ボトムゾーンは、0.5MPaと3000MPaの間のヤング率を有し、テクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。フレキシブルスタンプは、0.1GPaと10GPaの間のヤング率を有するトップゾーンも含む。トップゾーンは、巨視的欠陥に対する許容を可能にする。さらに、硬化材料層を硬化することを含む。最後に、フレキシブルスタンプを取り外す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで開示される本発明は、一般に、フレキシブルスタンプを用いて剛性基板上にテクスチャーをインプリントすることに関する。より詳しくは、本発明は、光電デバイス及び/又は有機発光ダイオード(OLED)の製造に使用される剛性基板上に光管理(光取り出し又は光トラッピング)テクスチャーをインプリントすることに関する。
【背景技術】
【0002】
光電デバイス(例:薄膜太陽電池)の効率は、入射太陽光の最大量を捕捉する能力によってかなり決定される。薄膜太陽電池での光トラッピングテクスチャーの使用は、入射光のトラッピング及びその吸収の増大を助ける。薄膜太陽電池についての典型的なテクスチャーサイズは、50-600ナノメートルの範囲である。同様に、有機発光ダイオード(OLED)の効率は、層スタックで生成された最大の光を取り出す能力に主に依存し、光取り出しテクスチャーの使用は、これにかなり貢献する。
【0003】
このようなテクスチャーは、ナノメートルレベルで光を管理する必要があり、極めて高レベルの精度が必要である。一般に、これらのナノスケールテクスチャーは、非常に精巧で複雑な技術であるリソグラフィー技術によって製造される。さらに、従来、この技術は、(6インチウエハー又は50平方センチメートルより大きい)大面積テクスチャリングでは使用できない。なぜなら、大面積フォトリソグラフィー露光に必要な装置は、複雑で精度が要求され、高い費用がかかるため、大型サイズや、大型デバイスの安定した大量生産には不適切であったからである。別の方法では、テクスチャー表面を有する剛性スタンプを、基板上に堆積された硬化材料にプレスする。しかしながら、この方法は、基板の凹凸な表面、不純物又は異質な不要粒子の存在によって、微視的及び巨視的欠陥につながっていた。
【0004】
上述した内容に照らすと、大面積剛性基板上に非常に正確な無欠陥光管理テクスチャーをインプリントする方法に対する要求がある。さらに、この方法は、低コスト、大量生産に適しているはずである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の例示的実施形態は、剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を提供する。
【0006】
本発明の目的は、剛性基板上に非常に正確なテクスチャーをインプリントする方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、剛性基板上に無欠陥テクスチャーをインプリントする方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、剛性基板上にテクスチャーをインプリントするための、大量生産に適した方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、剛性基板上にテクスチャーをインプリントするための、大面積テクスチャリングに適した方法を提供することである。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態は、光電デバイスを製造する方法を提供する。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態は、有機発光ダイオード(OLED)を製造する方法を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、50平方センチメートルより大きい、好ましくは200平方センチメートルより大きい面積を有する大面積剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法が提供される。テクスチャーは、剛性基板上にインプリントされ、光管理、つまり、光トラッピング又は光取り出しを容易にする。この方法は、剛性基板上に硬化材料層をウエットコーティングすることを含む。その後、この方法は、硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加えてテクスチャーをインプリントすることを含む。フレキシブルスタンプは、種々の方法で加圧可能である。フレキシブルスタンプは、2つのゾーン、ボトムゾーン及びトップゾーンを有する。ボトムゾーンは、テクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有し、且つ0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有する。これは、テクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。トップゾーンは、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有し、テクスチャーのインプリントの間に巨視的欠陥及び基板の凹凸に対する許容を可能にする。さらに、この方法は、硬化材料層を硬化することを含む。最後に、この方法は、フレキシブルスタンプを取り外すことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
新規であると信じられている本発明の特徴は、添付の請求の範囲で詳細に言及している。本発明は、添付図面と共に次の説明を参照して最もよく理解することができる。これらの図面及び関連する説明は、本発明のいくつかの実施形態を例示するために提供され、本発明の範囲を限定しない。
【0014】
【図1a】図1aは、本発明の実施形態による、例示的光電デバイスの種々のコンポーネントを示す。
【0015】
【図1b】図1bは、本発明の実施形態による、例示的OLEDの種々のコンポーネントを示す。
【0016】
【図2a−b】図2a及び2bは、剛性スタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントするときに作成される欠陥を示す。
【0017】
【図2c−d】図2c及び2dは、本発明に従ってフレキシブルスタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントする例を示す。
【0018】
【図3】図3は、本発明の実施形態によるフレキシブルスタンプを示す。
【0019】
【図4】図4は、本発明の実施形態に従って剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を説明するフローチャートである。
【0020】
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態に従って剛性基板上にテクスチャーをインプリントする例示的方法を示す。
【0021】
【図6】図6は、本発明の実施形態に従ってフレキシブルスタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントする例を示す。
【0022】
【図7】図7は、本発明の他の実施形態に従ってフレキシブルスタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントする他の例を示す。
【0023】
【図8】図8は、本発明の実施形態に従ってフレキシブルスタンプを製造する例示的方法を示す。
【0024】
【図9a−b】図9a及び9bは、本発明のいくつかの実施形態に従ってフレキシブルスタンプを用いてインプリントされる例示的テクスチャーを示す。
【0025】
当業者は、図中の要素は、簡潔さ及び明確さのための例示であり、寸法は必ずしも正確ではないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の理解を向上させるために、他の要素に比べて誇張している。
【0026】
明細書中には説明があって図面には記載していない構造がある場合、そのような構造が明細書から省略されていると解釈すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を詳細に説明する前に、本発明が剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法に関連した方法ステップ及び装置コンポーネントの組み合わせを利用することに注目すべきである。従って、装置コンポーネント及び方法ステップは、図面中では慣用的な記号を用いて表され、本発明の理解に関連がある部分のみを詳細に表している。これは、当業者にとって明らかな内容を詳細に記載しすぎて本発明の開示をぼやかすことが無いようにするためである。
【0028】
明細書は、本発明の新規であると思われる特徴を規定する請求の範囲で締めくくっているが、本発明は、次の説明と、符号を付した図面からより良く理解されるであろう。
【0029】
本発明の詳細な実施形態をここに開示しているが、開示された実施形態は、本発明の単なる例示であり、本発明は、種々の形態で実施可能であることを理解すべきである。従って、ここで開示される具体的な構造及び機能の詳細は、権利範囲を限定するものと解釈すべきではなく、請求の範囲の基礎となり、かつ本発明を種々の形態で実施する際に当業者に与える教示の代表的な基礎であるとして解釈すべきである。さらに、ここで示される用語とフレーズは、限定的に解釈すべきではなく、本発明の理解可能な説明を提供するためものであると解釈すべきである。
【0030】
本明細書では、「一つ」は、1又は複数を意味している。「他の」は、「少なくとも第2の」を意味しており、「含む」及び/又は「有する」は、他の要素の追加を許容するオープンな用語である。「連結」又は「作動的に連結」は、結合されていることを意味するが、直接である必要はなく、機械的である必要もない。
【0031】
ここで図面を参照すると、図1aは、本発明の実施形態による、例示的光電デバイスの種々のコンポーネント100aを示す。この図では、光電デバイス100aは、薄膜太陽電池を示す。しかしながら、光電デバイス100aは、有機太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、マイクロモーフォシリコンタンデム太陽電池、銅インジウムガリウムセレナイド(CIGS)太陽電池、テルル化カドミウム(CdTe)太陽電池などであってもよい。光電デバイス100aは、剛性基板102、硬化材料層104、透明導電酸化物(TCO)層106、複数の半導体層108、110、112及びカバー基板114のスタックを含む。
【0032】
基板102は、光電デバイス100aへ強度を提供し、その上に他の層を堆積するための出発点として使用される。剛性基板102の例は、ガラス及び透明プラスチックを含むがこれに限定されない。一例では、基板は、厚さ1.1mmを有するソーダライムガラスで形成可能である。別の例では、剛性基板102は、光学的に透明なガラス、プラスチック又はポリマーであってもよい。剛性基板102は、強度を提供し、光電デバイス100aの製造のための種々の層の堆積のための基礎として役立つ。
【0033】
硬化材料層104に移る。硬化材料層104は、基板102の上に堆積される。硬化材料は、熱、光、紫外線(UV)、又は他の硬化メカニズムを用いることによって硬化されると、型押しされたナノテクスチャーを保持可能である。硬化材料は、熱放射又はUVへ曝されると、硬質プラスチック状ポリマー又はガラス状材料に変わる。硬化材料は、紫外線硬化材料、光硬化樹脂ラッカー、アクリレート、及びシリカ又はシリカ-チタニアベースのゾルゲル材料を含むがこれに限定されない。
【0034】
本発明に従って、テクスチャーは、硬化材料層104上にインプリントされる。テクスチャーの例は、V-形状又はU-形状特徴、1D又は2D周期的回折格子(長方形又は正弦波)、ブレーズド回折格子、及びランダムピラミッドを含むがこれに限定されない。テクスチャー-特徴の幅及び高さは、100nm〜10μmの範囲である。このテクスチャーは、光電デバイス100aの半導体層の光トラッピング能力を可能にし、これを高める。このテクスチャーは、光の散乱及び/又は回折を助け、従って、光電デバイス100aを通る光路を増し、従って、光電デバイス100aの半導体層による光の吸収の機会を増やす。さらにこれらのテクスチャーは、本質的にランダム又は周期的であってもよい。
【0035】
TCO層106に移る。TCO層106は、硬化材料層104上に堆積される。TCOは、光電デバイスで使用されるドープされた金属酸化物である。TCOの例は、アルミニウム-ドープされた酸化亜鉛(AZO)、ボロンドープされた酸化亜鉛(BZO)、ガリウムドープされた酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)及びインジウムドープされた酸化スズ(ITO)を含むがこれに限定されない。典型的に、TCOは、80%より大きい入射光透過率を有し、効率的なキャリア輸送のために103S/cmより高い導電率を有する。TCOの透過率は、透明材料と同様に、欠陥及び粒界での光散乱によって制限される。
【0036】
光電デバイス100aのスタックでの次のセットの層は、半導体層108、110及び112である。一般に、半導体層は、化学気相堆積、スパッタリング、及びホットワイヤー技術を用いてTCO層106上に堆積される。例えば、半導体層は、p型半導体の層108、真性半導体の層110、及びn型半導体の層112を含んでもよい。しかしながら、光電デバイス100aが本発明の範囲から逸脱することなく1又は複数の半導体層をさらに含んでもよく又は除いてもよいことを当業者は容易に理解可能であろう。
【0037】
半導体層の後に、カバー基板114が堆積される。カバー基板114は、光電デバイス100aのバックコンタクトを含む。場合によっては、市販される光電デバイス100aは、効率を高めるか又は信頼性を向上させるために追加の層を有する場合がある。
【0038】
上記の全ての層は、封入技術を用いて封入され光電デバイス100aを得る。光電デバイス100aの上記説明は、単なる例示であることを注意すべきである。光電デバイス100aの種々の構成が可能である。当業者は、この発明を光電デバイス100aの種々の可能なバリエーションで実施可能であると理解するであろう。
【0039】
図1bは、例示的有機発光デバイス(OLED)100bでの層のスタックを示す。図示のように、OLED100bは、外部光取り出し層116、透明基板118、内部光取り出し層120、第一電極122、1又は複数の半導体層124及び126、第二電極128及びカバー基板130を含み、カバー基板130と透明基板118の間に内部光取り出し層120、第一電極122、1又は複数の半導体層124及び126及び第二電極128が封じ込められる。OLED100bの各層は、外部光取り出し層116及び内部光取り出し層120を除いて、コーティング等の方法で隣接した層に形成され、本発明が実施される。
【0040】
透明基板118は、OLED100bへ強度を提供し、使用時にOLED100bの発光面としても役立つ。透明基板118の例は、ガラス、フレキシブルガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及び他の透明又は半透明材料を含むがこれに限定されない。
【0041】
内部光取り出し層120は、硬化材料層である。硬化材料は、媒体(例:熱、光、紫外線放射など)を用いることによって硬化されると、型押しされたナノテクスチャーを保持する性質を有する。硬化材料は、紫外線硬化材料、光硬化樹脂ラッカー、アクリレート、及びシリカ又はシリカ-チタニアベースのゾルゲル材料を含むがこれに限定されない。
【0042】
本発明に従って、テクスチャーは、内部光取り出し層120にインプリントされる。このテクスチャーは、OLED100bの光取り出し能力を可能にし、これを高める。いくつかの実施形態では、外部光取り出し層116は、内部光取り出し層120に類似したテクスチャーを有してもよい。外部光取り出し層116上のテクスチャーは、内部光取り出し層120に類似した方法で形成可能である。これらのテクスチャーは、本質的にランダム又は周期的である。
【0043】
第一電極122及び第二電極128は、1又は複数の半導体層124及び126を横切って電圧を印加するために使用される。第一電極122及び第二電極128は、例えば、透明導電酸化物(TCO)(例:インジウムスズ酸化物(ITO))又は電荷キャリアを注入するのに適切な仕事関数を有する他の金属(例:カルシウム、アルミニウム、金、又は銀)で実施可能である。
【0044】
1又は複数の半導体層124及び126は、有機エレクトロルミネセンス材料(例:発光ポリマー、蒸着した低分子材料、発光デンドリマ又は分子状にドープされたポリマー)で実施可能である。
【0045】
高屈折率材料から、より低屈折率材料又は媒体を有する界面への入射光は、θc=sin-1(n2/n1)によって定義される臨界角θcより大きい全ての入射角について全反射(TIR)となる(n1及びn2は、それぞれ、高屈折率材料及び低屈折率材料の屈折率である)。同じ理由により、半導体層124及び126によって放射された光は、透明基板118との界面に到達すると、相当な量の光が反射されて半導体層124及び126に戻される。
【0046】
さらに、TIRによる反射光と関連した電磁場は、エバネッセント定在波において、より低屈折率の材料中に拡がるが、この場の強度は、界面からの距離に応じて指数関数的に減少する。従って、このエバネッセントゾーン(約1波長の厚さ)内に位置する物体の吸収又は散乱は、一般には、TIRを乱し、光が界面を通過することを可能にする。従って、テクスチャーを有する内部光取り出し層120の存在は、物体を吸収及び散乱させるのに役立ち、TIRを除去又は減少させる、さらにそれによってOLEDの効率を増大させる。同様に、外部光取り出し層116は、透明基板118と周囲媒体の間の界面でTIRを減少させるか又は除去する。
【0047】
光電デバイス100a及びOLED100bの製造の間、いくつかの方法が硬化材料にテクスチャーをインプリントするために使用される。硬化材料にテクスチャーを形成するために最も一般的に使用される方法は、フォトリソグラフィー技術を用いる。フォトリソグラフィーの主要な問題は、この方法が大面積基板には使用できず、非常に高価であり、従って、大量生産には現実的でないことである。別の方法では、テクスチャー表面を有する剛性スタンプが硬化材料にプレスされる。剛性スタンプの使用上の問題は、剛性スタンプが微視的欠陥に対処することができず且つ巨視的欠陥が剛性基板の凹凸表面、不純物、異質な不要粒子等によって起こることである。剛性スタンプの使用によって生成され得る欠陥のタイプは、図2a及び図2bに示す通りである。これらの欠陥は、光トラッピング又は光取り出し能力をかなり減少させる。さらに、剛性スタンプと剛性基板の間にトラップされた粒子は、インプリント圧力が加えられると、スタンプと基板の両方にダメージを与える。
【0048】
図2aは、凹凸を有する基板202上にウェットコートされた硬化材料層204上にテクスチャーをインプリントする際に剛性スタンプ208の使用によって作成される欠陥の一タイプを示す。硬化材料層204上にテクスチャーをインプリントするために剛性スタンプ208を使用すると、ボイド207が作成される。なぜなら剛性スタンプ208は、凹凸な剛性基板202と同形状にならず、ボイド又は空のスペース207を残すからである。これらのタイプの欠陥は、巨視的欠陥と呼ぶことができる。これらの欠陥のサイズ(長さ)は、100マイクロメートル〜100センチメートルの範囲である。
【0049】
図2bは、不純物又は異質な不要粒子又は材料210を有する剛性基板202上にウェットコートされた硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするために剛性スタンプ208を使用したときに作成される他のタイプの欠陥を示す。この場合、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするために、剛性スタンプ208を使用すると、ボイド及び/又は内部クラックが生じる場合があり、剛性スタンプ208及び/又は剛性基板202にダメージが与えられる場合がある。これらのタイプの欠陥は、微視的欠陥と呼ぶことができる。これらの欠陥のサイズ(長さ)は、0.5マイクロメートル〜10ミリメートルの範囲である。
【0050】
剛性スタンプ208の使用によって生じる欠陥を避けるために、フレキシブルスタンプ206を使用してテクスチャーをインプリントする。フレキシブルスタンプ206は、微視的欠陥及び巨視的欠陥の両方に対処する。フレキシブルスタンプ206の柔軟性は、剛性基板202と共形コンタクトを保証する。この共形作用のために、フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202の凹凸又は硬化材料層204又は剛性基板202の激しい欠陥/汚染に敏感ではない。一例では、図2cに示すように、フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202の凹凸に共形になり、従って硬化材料層204でのギャップの形成を防ぐ。別の例では、図2dに示すように、フレキシブルスタンプ206は、不純物又は異質な不要粒子又は材料210の存在によってフレキシブルスタンプ206及び/又は剛性基板202(図2bを参照)がダメージを受けることを防ぐ。
【0051】
フレキシブルスタンプ206(図3を参照)は、トップゾーン302、硬化材料層204にインプリントされるテクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーン304、及びボトムゾーン304でのテクスチャープロファイル上に配置されたリリース層306を含む。本発明のいくつかの実施形態では、フレキシブルスタンプ206は、本発明の範囲に影響を与えることなく、リリース層306を含まなくてもよい。ある実施形態では、トップゾーン302は、ポリマー(例:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はこれらの材料の組み合わせ)から作られ、50-500μmの間の厚さを有する。別の実施形態では、トップゾーン302は、厚さ100μm未満の薄いガラスシートから作られる。トップゾーン302は、硬化材料層204上へのテクスチャーのインプリントの間に、巨視的欠陥に対する許容を可能にする。トップゾーン302は、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有する。ヤング率のこの範囲は、フレキシブルスタンプ206の実施に必要な所望の剛性をトップゾーン302へ提供する。トップゾーン302のヤング率が0.1GPa未満である場合、フレキシブルスタンプ206のハンドリングは、特に、大面積のフレキシブルスタンプで問題となる。トップゾーンのヤング率が10GPaより大きいと、フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202の巨視的な凹凸と同形状にならないであろう。ヤング率の選択は、硬化材料の選択及び基板の凹凸のレベルに依存するであろう。
【0052】
ボトムゾーン304は、硬化されたアクリレートポリマー又は硬化されたポリジメチルシロキサンで形成可能であり、1-100μmの間の厚さを有する。ボトムゾーン304は、硬化材料層204上へのテクスチャーのインプリントの間に、微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーン304は、0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有し、硬化材料層204上へのテクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーン304のヤング率が0.5MPa未満である場合、テクスチャーの特徴(feature)は、互いにくっつく傾向を有する。テクスチャーの特徴のこの傾向は、特徴の「崩壊」として知られている。ボトムゾーン304のヤング率が3000MPaより大きいと、フレキシブルスタンプ206は、微視的欠陥と同形状にならないだろう。
【0053】
リリース層306は、オクタデシルホスホン酸又は1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランの単層で形成可能であり、一分子の厚さに等しい厚さを有することができる。この分子の頭は、スタンプのボトムゾーン304に化学結合するように設計され、この分子の尾は、硬化材料に化学結合する傾向がないように設計される。従って、一分子の厚さは、リリース層として働くのに十分である。リリース層306は、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする間に、硬化材料層204とフレキシブルスタンプ206の密着を防ぐ。
【0054】
一般に、テクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206によって硬化材料層204上に加えられる圧力は、フレキシブルスタンプ206の材料、硬化材料の粘度、及びインプリントされるテクスチャーのアスペクト比に依存する。好ましい実施形態では、フレキシブルスタンプ206によって加えられる圧力は、0.1N/m2-1000N/m2の間の範囲である。
【0055】
実例では、トップゾーン302は、厚さ200μm及びヤング率2GPaを有するポリカーボネートで形成可能である。さらに、ボトムゾーン304は、厚さ10μm及びヤング率1760MPaを有するUV-硬化アクリレートで形成可能である。この例では、リリース層306は、オクタデシルホスホン酸で形成可能であり、一分子の厚さに等しい厚さを有することができる。
【0056】
図4は、本発明の実施形態に従って剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法400を説明するフローチャートである。
【0057】
剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法400は、ステップ402で開始される。剛性基板の例は、ガラス、及び透明プラスチックを含むがこれに限定されない。一例では、剛性基板は、光電デバイス100a(例:薄膜太陽電池)用の光学的に透明なガラス、プラスチック又はポリマーにすることができる。別の例では、剛性基板は、OLED100b用の光学的に透明なガラス、プラスチック又はポリマー基板にすることができる。剛性基板は、強度を提供し、太陽電池100a又はOLED100bの製造のための種々の層の堆積のための基礎として役立つ。
【0058】
ステップ404では、硬化材料層は、剛性基板上にウェットコートされる。硬化材料は、アクリレート、シリカ、シリカ-チタニアベースのゾルゲル材料、紫外線(UV)硬化材料及び光硬化樹脂ラッカーを含むがこれに限定されない。硬化材料は、熱又はUVへ曝されると硬質プラスチック状ポリマー又はガラス状材料に変換される。硬化材料のこの特性によって、硬化材料層は、媒体(例:熱放射、光、紫外線放射など)を用いることによって硬化されると、型押しされたテクスチャーを保持することができる。硬化材料層の厚さは、50μm未満である。
【0059】
次に、ステップ406では、硬化材料層は、硬化材料層にテクスチャーをインプリントするようにフレキシブルスタンプを用いて加圧される。テクスチャーは、光電デバイス100aでの光-トラッピング能力を高める。このテクスチャーは、光の散乱及び/又は回折を助け、従って、光電デバイスを通る光路を伸ばし、従って、光電デバイスの半導体層による光の吸収の機会を増大させる。OLED100bの場合、テクスチャーは、OLED100bの光-取り出し能力を高める。テクスチャーは、種々の形状(例:V-形状又はU-形状特徴、1D又は2D周期的回折格子(長方形又は正弦波)、ブレーズド回折格子、及びランダムピラミッド)にすることができる。いくつかの例示的テクスチャーを図9a及び図9bに示す。光取り出し能力を有するテクスチャー及び/又は光トラッピング能力を有するテクスチャーは、光管理テクスチャーと総称する。
【0060】
フレキシブルスタンプは、トップゾーン、硬化材料層にインプリントされるテクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーン、及びボトムゾーンでのテクスチャープロファイルを覆って配置されるリリース層を含む。ある実施形態では、トップゾーンは、ポリマー(例:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はこれらの材料の組み合わせ)から作られ、50-500μmの間の厚さを有する。別の実施形態では、トップゾーンは、厚さ100μm未満の薄いガラスシートから作られる。トップゾーンは、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする際の巨視的欠陥に対する許容を可能にする。トップゾーンは、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有する。トップゾーンは、フレキシブルスタンプの実施に要求される所望の剛性を提供するであるので、ヤング率のこの範囲が好ましい。トップゾーンのヤング率が0.1GPa未満である場合、フレキシブルスタンプのハンドリングは、特に、大面積のフレキシブルスタンプで問題となる。トップゾーンのヤング率が10GPaより大きいと、フレキシブルスタンプが剛性基板の巨視的な凹凸と同形状にならないだろう。
【0061】
ボトムゾーンは、硬化されたアクリレートポリマー又は硬化されたポリジメチルシロキサンから作られ、1-100μmの間の厚さを有する。ボトムゾーンは、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする際の、微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーンは、0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有し、硬化材料層上へのテクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーンのヤング率が0.5MPa未満である場合、テクスチャーの特徴は、互いにくっつくか又はインプリントプロセスの間に変形する傾向を有する。互いにくっつくというテクスチャーの特徴の傾向は、特徴の「崩壊」として知られている。ボトムゾーンのヤング率が3000MPaより大きいと、フレキシブルスタンプは、微視的欠陥と同形状にならないだろう。
【0062】
リリース層は、オクタデシルホスホン酸又は1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランの単層から作られ、一分子の厚さに等しい厚さを有する。リリース層は、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする間に、硬化材料層とフレキシブルスタンプの密着を防ぐ。
【0063】
一般に、テクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプによって硬化材料層上に加えられる圧力は、フレキシブルスタンプの材料、硬化材料の粘度、及びインプリントされるテクスチャーのアスペクト比に依存する。好ましい実施形態では、フレキシブルスタンプによって加えられる圧力は、0.1N/m2-1000N/m2の間の範囲である。
【0064】
ステップ408に移ると、テクスチャーがインプリントされた硬化材料層は、ステップ408で紫外線硬化プロセス又は熱硬化プロセスを用いて硬化される。紫外線硬化プロセスでは、紫外線放射が硬化材料を固化するために適用され、従って硬化材料層にテクスチャーを固定する。同様に、熱硬化プロセスでは、硬化材料層にテクスチャーを固定するために、硬化材料層へ熱が加えられる。フレキシブルスタンプは、硬化材料層の硬化の間、硬化材料層に接触している。硬化材料層の硬化が完了すると、ステップ410でフレキシブルスタンプを取り外す。いくつかの実施形態では、硬化材料層が硬化された後、硬化材料層のアニーリングが行われる。アニーリングの主目的は、他の層が堆積可能になる前に、硬化材料及び/又は剛性基板によって放出される流体又は溶媒の最大量を除去することである。その後、方法400は、ステップ412で終了する。いくつかの実施形態では、硬化材料は、硬化材料層のインプリントの前に、光及び/又は熱を用いることによってプリキュアされる。硬化材料のプリキュアは、インプリントプロセスの間に硬化材料の流れを最小化するために行われる。
【0065】
一般に、テクスチャーを剛性基板上にインプリントする方法400は、光電デバイス(例:太陽電池、薄膜太陽電池又はOLED)の製造に使用可能である。剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法400は、ガラス、又はガラス/透明プラスチックで形成される物品の製造にも使用可能である。方法400は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の適切なデバイス又はシステムの製造に適用可能であることは、当業者に明らかであろう。さらに、本発明は、ステップが方法400にリストされる順序に限定されない。さらに、方法400は、図4に示すものより多い又はより少ないステップ数を含んでもよい。
【0066】
図5は、本発明のいくつかの実施形態に従って剛性基板202上にテクスチャーをインプリントする例示的方法を示す。剛性基板202は、光電デバイス100a又はOLED100bへ強度を提供し、光電デバイス100a又はOLED100bを構成する他の層の堆積のための出発点として使用される。
【0067】
さらに、厚さ50μm未満を有する硬化材料層204は、剛性基板202上にウェットコートされる。例えば、厚さ10μmのUV硬化アクリレートは、スクリーン印刷又はフレキソ印刷を用いてガラス基板上に堆積される。
【0068】
次に、硬化材料層は、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206を用いて加圧される。上記例に加えて、UV硬化アクリレート層は、ポリカーボネートトップゾーン及びリリース層で被覆されたアクリレートボトムゾーンで形成されたフレキシブルスタンプを用いて10N/m2で加圧される。テクスチャーは、光電デバイス100aの半導体層の光-トラッピング能力を高める。OLEDの場合、テクスチャーは、OLED100bの光-取り出し能力を高める。テクスチャーの例は、V-形状又はU-形状特徴、1D又は2D周期的回折格子(長方形又は正弦波)、ブレーズド回折格子、及びランダムピラミッドを含むがこれに限定されない。
【0069】
さらに、テクスチャーがインプリントされた硬化材料層204は、紫外線硬化プロセス又は熱硬化プロセスを用いて硬化される。上記例では、紫外線硬化が使用される。フレキシブルスタンプ206は、硬化材料層204の硬化の間、硬化材料層204に接触したままである。硬化材料層204の硬化が完了すると、フレキシブルスタンプ206は、取り外される。
【0070】
図6は、本発明の実施形態に従って剛性基板202上にテクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206を使用する例を示す。フレキシブルスタンプ206は、ローラー602上にマウントされる。ローラー602は、円柱形状を有し、フレキシブルスタンプ206は、フレキシブルスタンプ206がローラー602の曲面表面エリア全体を被覆するように、ローラー602上にマウントされる。さらに、ローラー602は、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするために硬化材料層204上でフレキシブルスタンプ206に圧力を加える。上記方法は、単なる例示である。硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加える種々の公知の方法があり得ることを当業者は理解するであろう。
【0071】
図7は、本発明の他の実施形態に従って剛性基板202上にテクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206を使用する他の例である。フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202及び硬化材料層204と類似の寸法及び形状を有するシートの形状である。この実施形態では、フレキシブルスタンプ206は、硬化材料層204を覆うように配置され、ローラー702を用いて圧力が加えられる。ローラー702が硬化材料層204を覆うように配置されたフレキシブルスタンプ206上を移動すると、硬化材料層204上にテクスチャーをインプリントするのに十分な圧力が提供される。さらに、図6及び図7に示すようにこれらの実施形態の両方において、圧力がローラーのコンタクト面積で局所的にのみ加えられる。上記方法は、単なる例示である。硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加える種々の公知の方法があり得ることを当業者は理解するであろう。
【0072】
図8に移ると、図8は、本発明の実施形態に従ってフレキシブルスタンプ206を製造する例示的方法を示す。図8を説明するために、図3を参照する。但し、フレキシブルスタンプ206を製造する方法は、他の適切なデバイスを製造するために実行可能であることは理解されるであろう。さらに、本発明は、ステップが図8に示す順序であることに限定されない。さらに、フレキシブルスタンプ206を製造する方法は、図8に示すものより多い又はより少ないステップ数を含んでもよい。
【0073】
図3を参照してすでに説明したように、フレキシブルスタンプ206は、トップゾーン302、硬化材料層204上にインプリントされるテクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーン304、及びボトムゾーン304でのテクスチャープロファイル上に配置されたリリース層306を含む。まず、50-500μmの間の厚さを有するポリマー(例:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はこれらの材料の組み合わせ)の第一層802がトップゾーン302を形成するために使用される。別の実施形態では、トップゾーン302は、厚さ100μm未満の薄いガラスシートであってもよい。次に、1-100μmの間の厚さを有する硬化アクリレートポリマー又は硬化ポリジメチルシロキサンの第二層804がボトムゾーン304を形成するために第一層802上にウェットコートされる。
次に、モールド806が第二層804にテクスチャーをインプリントするために使用される。モールド806は、第二層804上にインプリントされるテクスチャーを反転させたものである。ある実施形態では、テクスチャーは、第二層804がモールド806に面するように、第二層804がウェットコートされた第一層802をモールド806上に広げることによってもインプリント可能である。その後、第二層804の硬化が紫外線照射又は熱を用いて行われる。第二層804の硬化は、フレキシブルスタンプ206のボトムゾーンが必要な硬度を獲得することを保証する。実例では、第二層804のUV硬化は、(UV-A波長範囲で)0.012W/cm2で行われる。次に、このように形成されたフレキシブルスタンプ206は、フレキシブルスタンプ206をモールド806から巻き上げることによってモールド806から取り外される。その後、非付着性コーティング808がフレキシブルスタンプ206のテクスチャーを有する面に塗布され、リリース層306を形成する。非付着性コーティング808は、溶液から塗布してもよく、蒸着してもよい。このように形成されたリリース層306は、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントする間、硬化材料層204とフレキシブルスタンプ206の密着を防ぐ。硬化材料がスタンプのボトムゾーンにくっつく傾向にない場合、リリース層は、必要ない。
【0074】
上記の通り、種々の実施形態は、フレキシブルスタンプを用いて剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を提供し、いくつかの利点を有する。この方法のいくつかの実施形態のいくつかの利点の一つは、剛性スタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントすることによる欠陥が除去されることである。この発明の他の利点は、剛性スタンプの使用によって形成される微視的及び巨視的欠陥が除かれるので光電デバイス及びOLEDの効率及び品質を向上させることである。さらに、開示された発明は、剛性スタンプに比較して欠陥に対してさらなる許容を提供する。本発明を用いれば、非常に薄い硬化材料層が使用可能である。
【0075】
好ましい実施形態に基づいて本発明の開示を行ってきたが、種々の修正及び改良は、当業者に明らかになるであろう。従って、本発明の精神及び範囲は、前記例によって制限されず、法律によって許容される最も広い意味で理解される。
【0076】
本明細書中で参照した全ての文献は、ここに参照取り込みされる。
【技術分野】
【0001】
ここで開示される本発明は、一般に、フレキシブルスタンプを用いて剛性基板上にテクスチャーをインプリントすることに関する。より詳しくは、本発明は、光電デバイス及び/又は有機発光ダイオード(OLED)の製造に使用される剛性基板上に光管理(光取り出し又は光トラッピング)テクスチャーをインプリントすることに関する。
【背景技術】
【0002】
光電デバイス(例:薄膜太陽電池)の効率は、入射太陽光の最大量を捕捉する能力によってかなり決定される。薄膜太陽電池での光トラッピングテクスチャーの使用は、入射光のトラッピング及びその吸収の増大を助ける。薄膜太陽電池についての典型的なテクスチャーサイズは、50-600ナノメートルの範囲である。同様に、有機発光ダイオード(OLED)の効率は、層スタックで生成された最大の光を取り出す能力に主に依存し、光取り出しテクスチャーの使用は、これにかなり貢献する。
【0003】
このようなテクスチャーは、ナノメートルレベルで光を管理する必要があり、極めて高レベルの精度が必要である。一般に、これらのナノスケールテクスチャーは、非常に精巧で複雑な技術であるリソグラフィー技術によって製造される。さらに、従来、この技術は、(6インチウエハー又は50平方センチメートルより大きい)大面積テクスチャリングでは使用できない。なぜなら、大面積フォトリソグラフィー露光に必要な装置は、複雑で精度が要求され、高い費用がかかるため、大型サイズや、大型デバイスの安定した大量生産には不適切であったからである。別の方法では、テクスチャー表面を有する剛性スタンプを、基板上に堆積された硬化材料にプレスする。しかしながら、この方法は、基板の凹凸な表面、不純物又は異質な不要粒子の存在によって、微視的及び巨視的欠陥につながっていた。
【0004】
上述した内容に照らすと、大面積剛性基板上に非常に正確な無欠陥光管理テクスチャーをインプリントする方法に対する要求がある。さらに、この方法は、低コスト、大量生産に適しているはずである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の例示的実施形態は、剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を提供する。
【0006】
本発明の目的は、剛性基板上に非常に正確なテクスチャーをインプリントする方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、剛性基板上に無欠陥テクスチャーをインプリントする方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、剛性基板上にテクスチャーをインプリントするための、大量生産に適した方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、剛性基板上にテクスチャーをインプリントするための、大面積テクスチャリングに適した方法を提供することである。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態は、光電デバイスを製造する方法を提供する。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態は、有機発光ダイオード(OLED)を製造する方法を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、50平方センチメートルより大きい、好ましくは200平方センチメートルより大きい面積を有する大面積剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法が提供される。テクスチャーは、剛性基板上にインプリントされ、光管理、つまり、光トラッピング又は光取り出しを容易にする。この方法は、剛性基板上に硬化材料層をウエットコーティングすることを含む。その後、この方法は、硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加えてテクスチャーをインプリントすることを含む。フレキシブルスタンプは、種々の方法で加圧可能である。フレキシブルスタンプは、2つのゾーン、ボトムゾーン及びトップゾーンを有する。ボトムゾーンは、テクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有し、且つ0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有する。これは、テクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。トップゾーンは、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有し、テクスチャーのインプリントの間に巨視的欠陥及び基板の凹凸に対する許容を可能にする。さらに、この方法は、硬化材料層を硬化することを含む。最後に、この方法は、フレキシブルスタンプを取り外すことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
新規であると信じられている本発明の特徴は、添付の請求の範囲で詳細に言及している。本発明は、添付図面と共に次の説明を参照して最もよく理解することができる。これらの図面及び関連する説明は、本発明のいくつかの実施形態を例示するために提供され、本発明の範囲を限定しない。
【0014】
【図1a】図1aは、本発明の実施形態による、例示的光電デバイスの種々のコンポーネントを示す。
【0015】
【図1b】図1bは、本発明の実施形態による、例示的OLEDの種々のコンポーネントを示す。
【0016】
【図2a−b】図2a及び2bは、剛性スタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントするときに作成される欠陥を示す。
【0017】
【図2c−d】図2c及び2dは、本発明に従ってフレキシブルスタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントする例を示す。
【0018】
【図3】図3は、本発明の実施形態によるフレキシブルスタンプを示す。
【0019】
【図4】図4は、本発明の実施形態に従って剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を説明するフローチャートである。
【0020】
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態に従って剛性基板上にテクスチャーをインプリントする例示的方法を示す。
【0021】
【図6】図6は、本発明の実施形態に従ってフレキシブルスタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントする例を示す。
【0022】
【図7】図7は、本発明の他の実施形態に従ってフレキシブルスタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントする他の例を示す。
【0023】
【図8】図8は、本発明の実施形態に従ってフレキシブルスタンプを製造する例示的方法を示す。
【0024】
【図9a−b】図9a及び9bは、本発明のいくつかの実施形態に従ってフレキシブルスタンプを用いてインプリントされる例示的テクスチャーを示す。
【0025】
当業者は、図中の要素は、簡潔さ及び明確さのための例示であり、寸法は必ずしも正確ではないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の理解を向上させるために、他の要素に比べて誇張している。
【0026】
明細書中には説明があって図面には記載していない構造がある場合、そのような構造が明細書から省略されていると解釈すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を詳細に説明する前に、本発明が剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法に関連した方法ステップ及び装置コンポーネントの組み合わせを利用することに注目すべきである。従って、装置コンポーネント及び方法ステップは、図面中では慣用的な記号を用いて表され、本発明の理解に関連がある部分のみを詳細に表している。これは、当業者にとって明らかな内容を詳細に記載しすぎて本発明の開示をぼやかすことが無いようにするためである。
【0028】
明細書は、本発明の新規であると思われる特徴を規定する請求の範囲で締めくくっているが、本発明は、次の説明と、符号を付した図面からより良く理解されるであろう。
【0029】
本発明の詳細な実施形態をここに開示しているが、開示された実施形態は、本発明の単なる例示であり、本発明は、種々の形態で実施可能であることを理解すべきである。従って、ここで開示される具体的な構造及び機能の詳細は、権利範囲を限定するものと解釈すべきではなく、請求の範囲の基礎となり、かつ本発明を種々の形態で実施する際に当業者に与える教示の代表的な基礎であるとして解釈すべきである。さらに、ここで示される用語とフレーズは、限定的に解釈すべきではなく、本発明の理解可能な説明を提供するためものであると解釈すべきである。
【0030】
本明細書では、「一つ」は、1又は複数を意味している。「他の」は、「少なくとも第2の」を意味しており、「含む」及び/又は「有する」は、他の要素の追加を許容するオープンな用語である。「連結」又は「作動的に連結」は、結合されていることを意味するが、直接である必要はなく、機械的である必要もない。
【0031】
ここで図面を参照すると、図1aは、本発明の実施形態による、例示的光電デバイスの種々のコンポーネント100aを示す。この図では、光電デバイス100aは、薄膜太陽電池を示す。しかしながら、光電デバイス100aは、有機太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、マイクロモーフォシリコンタンデム太陽電池、銅インジウムガリウムセレナイド(CIGS)太陽電池、テルル化カドミウム(CdTe)太陽電池などであってもよい。光電デバイス100aは、剛性基板102、硬化材料層104、透明導電酸化物(TCO)層106、複数の半導体層108、110、112及びカバー基板114のスタックを含む。
【0032】
基板102は、光電デバイス100aへ強度を提供し、その上に他の層を堆積するための出発点として使用される。剛性基板102の例は、ガラス及び透明プラスチックを含むがこれに限定されない。一例では、基板は、厚さ1.1mmを有するソーダライムガラスで形成可能である。別の例では、剛性基板102は、光学的に透明なガラス、プラスチック又はポリマーであってもよい。剛性基板102は、強度を提供し、光電デバイス100aの製造のための種々の層の堆積のための基礎として役立つ。
【0033】
硬化材料層104に移る。硬化材料層104は、基板102の上に堆積される。硬化材料は、熱、光、紫外線(UV)、又は他の硬化メカニズムを用いることによって硬化されると、型押しされたナノテクスチャーを保持可能である。硬化材料は、熱放射又はUVへ曝されると、硬質プラスチック状ポリマー又はガラス状材料に変わる。硬化材料は、紫外線硬化材料、光硬化樹脂ラッカー、アクリレート、及びシリカ又はシリカ-チタニアベースのゾルゲル材料を含むがこれに限定されない。
【0034】
本発明に従って、テクスチャーは、硬化材料層104上にインプリントされる。テクスチャーの例は、V-形状又はU-形状特徴、1D又は2D周期的回折格子(長方形又は正弦波)、ブレーズド回折格子、及びランダムピラミッドを含むがこれに限定されない。テクスチャー-特徴の幅及び高さは、100nm〜10μmの範囲である。このテクスチャーは、光電デバイス100aの半導体層の光トラッピング能力を可能にし、これを高める。このテクスチャーは、光の散乱及び/又は回折を助け、従って、光電デバイス100aを通る光路を増し、従って、光電デバイス100aの半導体層による光の吸収の機会を増やす。さらにこれらのテクスチャーは、本質的にランダム又は周期的であってもよい。
【0035】
TCO層106に移る。TCO層106は、硬化材料層104上に堆積される。TCOは、光電デバイスで使用されるドープされた金属酸化物である。TCOの例は、アルミニウム-ドープされた酸化亜鉛(AZO)、ボロンドープされた酸化亜鉛(BZO)、ガリウムドープされた酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)及びインジウムドープされた酸化スズ(ITO)を含むがこれに限定されない。典型的に、TCOは、80%より大きい入射光透過率を有し、効率的なキャリア輸送のために103S/cmより高い導電率を有する。TCOの透過率は、透明材料と同様に、欠陥及び粒界での光散乱によって制限される。
【0036】
光電デバイス100aのスタックでの次のセットの層は、半導体層108、110及び112である。一般に、半導体層は、化学気相堆積、スパッタリング、及びホットワイヤー技術を用いてTCO層106上に堆積される。例えば、半導体層は、p型半導体の層108、真性半導体の層110、及びn型半導体の層112を含んでもよい。しかしながら、光電デバイス100aが本発明の範囲から逸脱することなく1又は複数の半導体層をさらに含んでもよく又は除いてもよいことを当業者は容易に理解可能であろう。
【0037】
半導体層の後に、カバー基板114が堆積される。カバー基板114は、光電デバイス100aのバックコンタクトを含む。場合によっては、市販される光電デバイス100aは、効率を高めるか又は信頼性を向上させるために追加の層を有する場合がある。
【0038】
上記の全ての層は、封入技術を用いて封入され光電デバイス100aを得る。光電デバイス100aの上記説明は、単なる例示であることを注意すべきである。光電デバイス100aの種々の構成が可能である。当業者は、この発明を光電デバイス100aの種々の可能なバリエーションで実施可能であると理解するであろう。
【0039】
図1bは、例示的有機発光デバイス(OLED)100bでの層のスタックを示す。図示のように、OLED100bは、外部光取り出し層116、透明基板118、内部光取り出し層120、第一電極122、1又は複数の半導体層124及び126、第二電極128及びカバー基板130を含み、カバー基板130と透明基板118の間に内部光取り出し層120、第一電極122、1又は複数の半導体層124及び126及び第二電極128が封じ込められる。OLED100bの各層は、外部光取り出し層116及び内部光取り出し層120を除いて、コーティング等の方法で隣接した層に形成され、本発明が実施される。
【0040】
透明基板118は、OLED100bへ強度を提供し、使用時にOLED100bの発光面としても役立つ。透明基板118の例は、ガラス、フレキシブルガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及び他の透明又は半透明材料を含むがこれに限定されない。
【0041】
内部光取り出し層120は、硬化材料層である。硬化材料は、媒体(例:熱、光、紫外線放射など)を用いることによって硬化されると、型押しされたナノテクスチャーを保持する性質を有する。硬化材料は、紫外線硬化材料、光硬化樹脂ラッカー、アクリレート、及びシリカ又はシリカ-チタニアベースのゾルゲル材料を含むがこれに限定されない。
【0042】
本発明に従って、テクスチャーは、内部光取り出し層120にインプリントされる。このテクスチャーは、OLED100bの光取り出し能力を可能にし、これを高める。いくつかの実施形態では、外部光取り出し層116は、内部光取り出し層120に類似したテクスチャーを有してもよい。外部光取り出し層116上のテクスチャーは、内部光取り出し層120に類似した方法で形成可能である。これらのテクスチャーは、本質的にランダム又は周期的である。
【0043】
第一電極122及び第二電極128は、1又は複数の半導体層124及び126を横切って電圧を印加するために使用される。第一電極122及び第二電極128は、例えば、透明導電酸化物(TCO)(例:インジウムスズ酸化物(ITO))又は電荷キャリアを注入するのに適切な仕事関数を有する他の金属(例:カルシウム、アルミニウム、金、又は銀)で実施可能である。
【0044】
1又は複数の半導体層124及び126は、有機エレクトロルミネセンス材料(例:発光ポリマー、蒸着した低分子材料、発光デンドリマ又は分子状にドープされたポリマー)で実施可能である。
【0045】
高屈折率材料から、より低屈折率材料又は媒体を有する界面への入射光は、θc=sin-1(n2/n1)によって定義される臨界角θcより大きい全ての入射角について全反射(TIR)となる(n1及びn2は、それぞれ、高屈折率材料及び低屈折率材料の屈折率である)。同じ理由により、半導体層124及び126によって放射された光は、透明基板118との界面に到達すると、相当な量の光が反射されて半導体層124及び126に戻される。
【0046】
さらに、TIRによる反射光と関連した電磁場は、エバネッセント定在波において、より低屈折率の材料中に拡がるが、この場の強度は、界面からの距離に応じて指数関数的に減少する。従って、このエバネッセントゾーン(約1波長の厚さ)内に位置する物体の吸収又は散乱は、一般には、TIRを乱し、光が界面を通過することを可能にする。従って、テクスチャーを有する内部光取り出し層120の存在は、物体を吸収及び散乱させるのに役立ち、TIRを除去又は減少させる、さらにそれによってOLEDの効率を増大させる。同様に、外部光取り出し層116は、透明基板118と周囲媒体の間の界面でTIRを減少させるか又は除去する。
【0047】
光電デバイス100a及びOLED100bの製造の間、いくつかの方法が硬化材料にテクスチャーをインプリントするために使用される。硬化材料にテクスチャーを形成するために最も一般的に使用される方法は、フォトリソグラフィー技術を用いる。フォトリソグラフィーの主要な問題は、この方法が大面積基板には使用できず、非常に高価であり、従って、大量生産には現実的でないことである。別の方法では、テクスチャー表面を有する剛性スタンプが硬化材料にプレスされる。剛性スタンプの使用上の問題は、剛性スタンプが微視的欠陥に対処することができず且つ巨視的欠陥が剛性基板の凹凸表面、不純物、異質な不要粒子等によって起こることである。剛性スタンプの使用によって生成され得る欠陥のタイプは、図2a及び図2bに示す通りである。これらの欠陥は、光トラッピング又は光取り出し能力をかなり減少させる。さらに、剛性スタンプと剛性基板の間にトラップされた粒子は、インプリント圧力が加えられると、スタンプと基板の両方にダメージを与える。
【0048】
図2aは、凹凸を有する基板202上にウェットコートされた硬化材料層204上にテクスチャーをインプリントする際に剛性スタンプ208の使用によって作成される欠陥の一タイプを示す。硬化材料層204上にテクスチャーをインプリントするために剛性スタンプ208を使用すると、ボイド207が作成される。なぜなら剛性スタンプ208は、凹凸な剛性基板202と同形状にならず、ボイド又は空のスペース207を残すからである。これらのタイプの欠陥は、巨視的欠陥と呼ぶことができる。これらの欠陥のサイズ(長さ)は、100マイクロメートル〜100センチメートルの範囲である。
【0049】
図2bは、不純物又は異質な不要粒子又は材料210を有する剛性基板202上にウェットコートされた硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするために剛性スタンプ208を使用したときに作成される他のタイプの欠陥を示す。この場合、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするために、剛性スタンプ208を使用すると、ボイド及び/又は内部クラックが生じる場合があり、剛性スタンプ208及び/又は剛性基板202にダメージが与えられる場合がある。これらのタイプの欠陥は、微視的欠陥と呼ぶことができる。これらの欠陥のサイズ(長さ)は、0.5マイクロメートル〜10ミリメートルの範囲である。
【0050】
剛性スタンプ208の使用によって生じる欠陥を避けるために、フレキシブルスタンプ206を使用してテクスチャーをインプリントする。フレキシブルスタンプ206は、微視的欠陥及び巨視的欠陥の両方に対処する。フレキシブルスタンプ206の柔軟性は、剛性基板202と共形コンタクトを保証する。この共形作用のために、フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202の凹凸又は硬化材料層204又は剛性基板202の激しい欠陥/汚染に敏感ではない。一例では、図2cに示すように、フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202の凹凸に共形になり、従って硬化材料層204でのギャップの形成を防ぐ。別の例では、図2dに示すように、フレキシブルスタンプ206は、不純物又は異質な不要粒子又は材料210の存在によってフレキシブルスタンプ206及び/又は剛性基板202(図2bを参照)がダメージを受けることを防ぐ。
【0051】
フレキシブルスタンプ206(図3を参照)は、トップゾーン302、硬化材料層204にインプリントされるテクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーン304、及びボトムゾーン304でのテクスチャープロファイル上に配置されたリリース層306を含む。本発明のいくつかの実施形態では、フレキシブルスタンプ206は、本発明の範囲に影響を与えることなく、リリース層306を含まなくてもよい。ある実施形態では、トップゾーン302は、ポリマー(例:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はこれらの材料の組み合わせ)から作られ、50-500μmの間の厚さを有する。別の実施形態では、トップゾーン302は、厚さ100μm未満の薄いガラスシートから作られる。トップゾーン302は、硬化材料層204上へのテクスチャーのインプリントの間に、巨視的欠陥に対する許容を可能にする。トップゾーン302は、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有する。ヤング率のこの範囲は、フレキシブルスタンプ206の実施に必要な所望の剛性をトップゾーン302へ提供する。トップゾーン302のヤング率が0.1GPa未満である場合、フレキシブルスタンプ206のハンドリングは、特に、大面積のフレキシブルスタンプで問題となる。トップゾーンのヤング率が10GPaより大きいと、フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202の巨視的な凹凸と同形状にならないであろう。ヤング率の選択は、硬化材料の選択及び基板の凹凸のレベルに依存するであろう。
【0052】
ボトムゾーン304は、硬化されたアクリレートポリマー又は硬化されたポリジメチルシロキサンで形成可能であり、1-100μmの間の厚さを有する。ボトムゾーン304は、硬化材料層204上へのテクスチャーのインプリントの間に、微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーン304は、0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有し、硬化材料層204上へのテクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーン304のヤング率が0.5MPa未満である場合、テクスチャーの特徴(feature)は、互いにくっつく傾向を有する。テクスチャーの特徴のこの傾向は、特徴の「崩壊」として知られている。ボトムゾーン304のヤング率が3000MPaより大きいと、フレキシブルスタンプ206は、微視的欠陥と同形状にならないだろう。
【0053】
リリース層306は、オクタデシルホスホン酸又は1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランの単層で形成可能であり、一分子の厚さに等しい厚さを有することができる。この分子の頭は、スタンプのボトムゾーン304に化学結合するように設計され、この分子の尾は、硬化材料に化学結合する傾向がないように設計される。従って、一分子の厚さは、リリース層として働くのに十分である。リリース層306は、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする間に、硬化材料層204とフレキシブルスタンプ206の密着を防ぐ。
【0054】
一般に、テクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206によって硬化材料層204上に加えられる圧力は、フレキシブルスタンプ206の材料、硬化材料の粘度、及びインプリントされるテクスチャーのアスペクト比に依存する。好ましい実施形態では、フレキシブルスタンプ206によって加えられる圧力は、0.1N/m2-1000N/m2の間の範囲である。
【0055】
実例では、トップゾーン302は、厚さ200μm及びヤング率2GPaを有するポリカーボネートで形成可能である。さらに、ボトムゾーン304は、厚さ10μm及びヤング率1760MPaを有するUV-硬化アクリレートで形成可能である。この例では、リリース層306は、オクタデシルホスホン酸で形成可能であり、一分子の厚さに等しい厚さを有することができる。
【0056】
図4は、本発明の実施形態に従って剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法400を説明するフローチャートである。
【0057】
剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法400は、ステップ402で開始される。剛性基板の例は、ガラス、及び透明プラスチックを含むがこれに限定されない。一例では、剛性基板は、光電デバイス100a(例:薄膜太陽電池)用の光学的に透明なガラス、プラスチック又はポリマーにすることができる。別の例では、剛性基板は、OLED100b用の光学的に透明なガラス、プラスチック又はポリマー基板にすることができる。剛性基板は、強度を提供し、太陽電池100a又はOLED100bの製造のための種々の層の堆積のための基礎として役立つ。
【0058】
ステップ404では、硬化材料層は、剛性基板上にウェットコートされる。硬化材料は、アクリレート、シリカ、シリカ-チタニアベースのゾルゲル材料、紫外線(UV)硬化材料及び光硬化樹脂ラッカーを含むがこれに限定されない。硬化材料は、熱又はUVへ曝されると硬質プラスチック状ポリマー又はガラス状材料に変換される。硬化材料のこの特性によって、硬化材料層は、媒体(例:熱放射、光、紫外線放射など)を用いることによって硬化されると、型押しされたテクスチャーを保持することができる。硬化材料層の厚さは、50μm未満である。
【0059】
次に、ステップ406では、硬化材料層は、硬化材料層にテクスチャーをインプリントするようにフレキシブルスタンプを用いて加圧される。テクスチャーは、光電デバイス100aでの光-トラッピング能力を高める。このテクスチャーは、光の散乱及び/又は回折を助け、従って、光電デバイスを通る光路を伸ばし、従って、光電デバイスの半導体層による光の吸収の機会を増大させる。OLED100bの場合、テクスチャーは、OLED100bの光-取り出し能力を高める。テクスチャーは、種々の形状(例:V-形状又はU-形状特徴、1D又は2D周期的回折格子(長方形又は正弦波)、ブレーズド回折格子、及びランダムピラミッド)にすることができる。いくつかの例示的テクスチャーを図9a及び図9bに示す。光取り出し能力を有するテクスチャー及び/又は光トラッピング能力を有するテクスチャーは、光管理テクスチャーと総称する。
【0060】
フレキシブルスタンプは、トップゾーン、硬化材料層にインプリントされるテクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーン、及びボトムゾーンでのテクスチャープロファイルを覆って配置されるリリース層を含む。ある実施形態では、トップゾーンは、ポリマー(例:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はこれらの材料の組み合わせ)から作られ、50-500μmの間の厚さを有する。別の実施形態では、トップゾーンは、厚さ100μm未満の薄いガラスシートから作られる。トップゾーンは、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする際の巨視的欠陥に対する許容を可能にする。トップゾーンは、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有する。トップゾーンは、フレキシブルスタンプの実施に要求される所望の剛性を提供するであるので、ヤング率のこの範囲が好ましい。トップゾーンのヤング率が0.1GPa未満である場合、フレキシブルスタンプのハンドリングは、特に、大面積のフレキシブルスタンプで問題となる。トップゾーンのヤング率が10GPaより大きいと、フレキシブルスタンプが剛性基板の巨視的な凹凸と同形状にならないだろう。
【0061】
ボトムゾーンは、硬化されたアクリレートポリマー又は硬化されたポリジメチルシロキサンから作られ、1-100μmの間の厚さを有する。ボトムゾーンは、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする際の、微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーンは、0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有し、硬化材料層上へのテクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にする。ボトムゾーンのヤング率が0.5MPa未満である場合、テクスチャーの特徴は、互いにくっつくか又はインプリントプロセスの間に変形する傾向を有する。互いにくっつくというテクスチャーの特徴の傾向は、特徴の「崩壊」として知られている。ボトムゾーンのヤング率が3000MPaより大きいと、フレキシブルスタンプは、微視的欠陥と同形状にならないだろう。
【0062】
リリース層は、オクタデシルホスホン酸又は1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランの単層から作られ、一分子の厚さに等しい厚さを有する。リリース層は、硬化材料層にテクスチャーをインプリントする間に、硬化材料層とフレキシブルスタンプの密着を防ぐ。
【0063】
一般に、テクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプによって硬化材料層上に加えられる圧力は、フレキシブルスタンプの材料、硬化材料の粘度、及びインプリントされるテクスチャーのアスペクト比に依存する。好ましい実施形態では、フレキシブルスタンプによって加えられる圧力は、0.1N/m2-1000N/m2の間の範囲である。
【0064】
ステップ408に移ると、テクスチャーがインプリントされた硬化材料層は、ステップ408で紫外線硬化プロセス又は熱硬化プロセスを用いて硬化される。紫外線硬化プロセスでは、紫外線放射が硬化材料を固化するために適用され、従って硬化材料層にテクスチャーを固定する。同様に、熱硬化プロセスでは、硬化材料層にテクスチャーを固定するために、硬化材料層へ熱が加えられる。フレキシブルスタンプは、硬化材料層の硬化の間、硬化材料層に接触している。硬化材料層の硬化が完了すると、ステップ410でフレキシブルスタンプを取り外す。いくつかの実施形態では、硬化材料層が硬化された後、硬化材料層のアニーリングが行われる。アニーリングの主目的は、他の層が堆積可能になる前に、硬化材料及び/又は剛性基板によって放出される流体又は溶媒の最大量を除去することである。その後、方法400は、ステップ412で終了する。いくつかの実施形態では、硬化材料は、硬化材料層のインプリントの前に、光及び/又は熱を用いることによってプリキュアされる。硬化材料のプリキュアは、インプリントプロセスの間に硬化材料の流れを最小化するために行われる。
【0065】
一般に、テクスチャーを剛性基板上にインプリントする方法400は、光電デバイス(例:太陽電池、薄膜太陽電池又はOLED)の製造に使用可能である。剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法400は、ガラス、又はガラス/透明プラスチックで形成される物品の製造にも使用可能である。方法400は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の適切なデバイス又はシステムの製造に適用可能であることは、当業者に明らかであろう。さらに、本発明は、ステップが方法400にリストされる順序に限定されない。さらに、方法400は、図4に示すものより多い又はより少ないステップ数を含んでもよい。
【0066】
図5は、本発明のいくつかの実施形態に従って剛性基板202上にテクスチャーをインプリントする例示的方法を示す。剛性基板202は、光電デバイス100a又はOLED100bへ強度を提供し、光電デバイス100a又はOLED100bを構成する他の層の堆積のための出発点として使用される。
【0067】
さらに、厚さ50μm未満を有する硬化材料層204は、剛性基板202上にウェットコートされる。例えば、厚さ10μmのUV硬化アクリレートは、スクリーン印刷又はフレキソ印刷を用いてガラス基板上に堆積される。
【0068】
次に、硬化材料層は、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206を用いて加圧される。上記例に加えて、UV硬化アクリレート層は、ポリカーボネートトップゾーン及びリリース層で被覆されたアクリレートボトムゾーンで形成されたフレキシブルスタンプを用いて10N/m2で加圧される。テクスチャーは、光電デバイス100aの半導体層の光-トラッピング能力を高める。OLEDの場合、テクスチャーは、OLED100bの光-取り出し能力を高める。テクスチャーの例は、V-形状又はU-形状特徴、1D又は2D周期的回折格子(長方形又は正弦波)、ブレーズド回折格子、及びランダムピラミッドを含むがこれに限定されない。
【0069】
さらに、テクスチャーがインプリントされた硬化材料層204は、紫外線硬化プロセス又は熱硬化プロセスを用いて硬化される。上記例では、紫外線硬化が使用される。フレキシブルスタンプ206は、硬化材料層204の硬化の間、硬化材料層204に接触したままである。硬化材料層204の硬化が完了すると、フレキシブルスタンプ206は、取り外される。
【0070】
図6は、本発明の実施形態に従って剛性基板202上にテクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206を使用する例を示す。フレキシブルスタンプ206は、ローラー602上にマウントされる。ローラー602は、円柱形状を有し、フレキシブルスタンプ206は、フレキシブルスタンプ206がローラー602の曲面表面エリア全体を被覆するように、ローラー602上にマウントされる。さらに、ローラー602は、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントするために硬化材料層204上でフレキシブルスタンプ206に圧力を加える。上記方法は、単なる例示である。硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加える種々の公知の方法があり得ることを当業者は理解するであろう。
【0071】
図7は、本発明の他の実施形態に従って剛性基板202上にテクスチャーをインプリントするためにフレキシブルスタンプ206を使用する他の例である。フレキシブルスタンプ206は、剛性基板202及び硬化材料層204と類似の寸法及び形状を有するシートの形状である。この実施形態では、フレキシブルスタンプ206は、硬化材料層204を覆うように配置され、ローラー702を用いて圧力が加えられる。ローラー702が硬化材料層204を覆うように配置されたフレキシブルスタンプ206上を移動すると、硬化材料層204上にテクスチャーをインプリントするのに十分な圧力が提供される。さらに、図6及び図7に示すようにこれらの実施形態の両方において、圧力がローラーのコンタクト面積で局所的にのみ加えられる。上記方法は、単なる例示である。硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加える種々の公知の方法があり得ることを当業者は理解するであろう。
【0072】
図8に移ると、図8は、本発明の実施形態に従ってフレキシブルスタンプ206を製造する例示的方法を示す。図8を説明するために、図3を参照する。但し、フレキシブルスタンプ206を製造する方法は、他の適切なデバイスを製造するために実行可能であることは理解されるであろう。さらに、本発明は、ステップが図8に示す順序であることに限定されない。さらに、フレキシブルスタンプ206を製造する方法は、図8に示すものより多い又はより少ないステップ数を含んでもよい。
【0073】
図3を参照してすでに説明したように、フレキシブルスタンプ206は、トップゾーン302、硬化材料層204上にインプリントされるテクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーン304、及びボトムゾーン304でのテクスチャープロファイル上に配置されたリリース層306を含む。まず、50-500μmの間の厚さを有するポリマー(例:ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はこれらの材料の組み合わせ)の第一層802がトップゾーン302を形成するために使用される。別の実施形態では、トップゾーン302は、厚さ100μm未満の薄いガラスシートであってもよい。次に、1-100μmの間の厚さを有する硬化アクリレートポリマー又は硬化ポリジメチルシロキサンの第二層804がボトムゾーン304を形成するために第一層802上にウェットコートされる。
次に、モールド806が第二層804にテクスチャーをインプリントするために使用される。モールド806は、第二層804上にインプリントされるテクスチャーを反転させたものである。ある実施形態では、テクスチャーは、第二層804がモールド806に面するように、第二層804がウェットコートされた第一層802をモールド806上に広げることによってもインプリント可能である。その後、第二層804の硬化が紫外線照射又は熱を用いて行われる。第二層804の硬化は、フレキシブルスタンプ206のボトムゾーンが必要な硬度を獲得することを保証する。実例では、第二層804のUV硬化は、(UV-A波長範囲で)0.012W/cm2で行われる。次に、このように形成されたフレキシブルスタンプ206は、フレキシブルスタンプ206をモールド806から巻き上げることによってモールド806から取り外される。その後、非付着性コーティング808がフレキシブルスタンプ206のテクスチャーを有する面に塗布され、リリース層306を形成する。非付着性コーティング808は、溶液から塗布してもよく、蒸着してもよい。このように形成されたリリース層306は、硬化材料層204にテクスチャーをインプリントする間、硬化材料層204とフレキシブルスタンプ206の密着を防ぐ。硬化材料がスタンプのボトムゾーンにくっつく傾向にない場合、リリース層は、必要ない。
【0074】
上記の通り、種々の実施形態は、フレキシブルスタンプを用いて剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法を提供し、いくつかの利点を有する。この方法のいくつかの実施形態のいくつかの利点の一つは、剛性スタンプを使用して剛性基板上にテクスチャーをインプリントすることによる欠陥が除去されることである。この発明の他の利点は、剛性スタンプの使用によって形成される微視的及び巨視的欠陥が除かれるので光電デバイス及びOLEDの効率及び品質を向上させることである。さらに、開示された発明は、剛性スタンプに比較して欠陥に対してさらなる許容を提供する。本発明を用いれば、非常に薄い硬化材料層が使用可能である。
【0075】
好ましい実施形態に基づいて本発明の開示を行ってきたが、種々の修正及び改良は、当業者に明らかになるであろう。従って、本発明の精神及び範囲は、前記例によって制限されず、法律によって許容される最も広い意味で理解される。
【0076】
本明細書中で参照した全ての文献は、ここに参照取り込みされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法であって、
前記剛性基板の面積は、50平方センチメートルより大きく、
前記テクスチャーは、前記剛性基板を通じた光管理を容易にし、
前記方法は、
前記剛性基板上に硬化材料層をウエットコーティングし、
前記硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加えて前記テクスチャーをインプリントし、
前記硬化材料層を硬化させ、
前記フレキシブルスタンプを取り外す工程を備え、
前記フレキシブルスタンプは、前記テクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーンを備え、前記ボトムゾーンは、0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有し且つ前記テクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にし、
前記フレキシブルスタンプは、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有し且つ前記テクスチャーのインプリントの間に巨視的欠陥に対する許容を可能にするトップゾーンを備える、方法。
【請求項2】
前記トップゾーンの材料は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートを備える群から選択される、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項3】
前記ボトムゾーンの材料は、アクリレートポリマー及び硬化されたポリジメチルシロキサンを備える群から選択される、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項4】
前記ボトムゾーンでの前記テクスチャープロファイル上にリリース層を加えることをさらに備え、 前記リリース層は、前記硬化材料層上への前記テクスチャーのインプリントの間に、前記硬化材料と前記フレキシブルスタンプの密着を防ぐ、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項5】
前記リリース層の材料は、オクタデシルホスホン酸及び1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランの単層を備える群から選択される、請求項4に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項6】
前記硬化材料層上で前記フレキシブルスタンプに圧力を加えることは、
前記フレキシブルスタンプを前記硬化材料層上に配置し、
ローラーを用いて前記フレキシブルスタンプに圧力を加えて前記硬化材料層上に前記テクスチャーをインプリントすることを備える、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項7】
前記フレキシブルスタンプをローラーに取り付け、
前記ローラーを用いて前記フレキシブルスタンプに圧力を加えて前記硬化材料層上に前記テクスチャーをインプリントする工程をさらに備える、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項8】
前記方法は、薄膜太陽電池及び有機発光デバイスの少なくとも1つの製造に使用される、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項9】
前記トップゾーンの厚さは、50〜500μmの間の範囲である、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項10】
前記ボトムゾーンの厚さは、1〜100μmの間の範囲である、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項11】
前記硬化材料層の厚さは、50μm未満である、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項1】
剛性基板上にテクスチャーをインプリントする方法であって、
前記剛性基板の面積は、50平方センチメートルより大きく、
前記テクスチャーは、前記剛性基板を通じた光管理を容易にし、
前記方法は、
前記剛性基板上に硬化材料層をウエットコーティングし、
前記硬化材料層上でフレキシブルスタンプに圧力を加えて前記テクスチャーをインプリントし、
前記硬化材料層を硬化させ、
前記フレキシブルスタンプを取り外す工程を備え、
前記フレキシブルスタンプは、前記テクスチャーに対応するテクスチャープロファイルを有するボトムゾーンを備え、前記ボトムゾーンは、0.5メガパスカル(MPa)と3000MPaの間のヤング率を有し且つ前記テクスチャーのインプリントの間に微視的欠陥に対する許容を可能にし、
前記フレキシブルスタンプは、0.1ギガパスカル(GPa)及び10GPaの間のヤング率を有し且つ前記テクスチャーのインプリントの間に巨視的欠陥に対する許容を可能にするトップゾーンを備える、方法。
【請求項2】
前記トップゾーンの材料は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートを備える群から選択される、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項3】
前記ボトムゾーンの材料は、アクリレートポリマー及び硬化されたポリジメチルシロキサンを備える群から選択される、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項4】
前記ボトムゾーンでの前記テクスチャープロファイル上にリリース層を加えることをさらに備え、 前記リリース層は、前記硬化材料層上への前記テクスチャーのインプリントの間に、前記硬化材料と前記フレキシブルスタンプの密着を防ぐ、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項5】
前記リリース層の材料は、オクタデシルホスホン酸及び1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリクロロシランの単層を備える群から選択される、請求項4に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項6】
前記硬化材料層上で前記フレキシブルスタンプに圧力を加えることは、
前記フレキシブルスタンプを前記硬化材料層上に配置し、
ローラーを用いて前記フレキシブルスタンプに圧力を加えて前記硬化材料層上に前記テクスチャーをインプリントすることを備える、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項7】
前記フレキシブルスタンプをローラーに取り付け、
前記ローラーを用いて前記フレキシブルスタンプに圧力を加えて前記硬化材料層上に前記テクスチャーをインプリントする工程をさらに備える、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項8】
前記方法は、薄膜太陽電池及び有機発光デバイスの少なくとも1つの製造に使用される、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項9】
前記トップゾーンの厚さは、50〜500μmの間の範囲である、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項10】
前記ボトムゾーンの厚さは、1〜100μmの間の範囲である、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【請求項11】
前記硬化材料層の厚さは、50μm未満である、請求項1に記載の前記剛性基板上に前記テクスチャーをインプリントする方法。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【公開番号】特開2012−146660(P2012−146660A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2707(P2012−2707)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(508064610)モーザー ベイアー インディア リミテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(508064610)モーザー ベイアー インディア リミテッド (13)
【Fターム(参考)】
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