フレキシブル基板用コネクタ
【課題】コネクタハウジングを背低してコネクタの薄型化を図ったZIFタイプのフレキシブル基板用コネクタの提供。
【解決手段】FPC用コネクタ1は、2種類の第1、第2コンタクト端子2、3と、FPCが収容される収容室5を有するコネクタハウジング4と、このコネクタハウジングに一端に設けた回転軸部14で枢支されて収容室5の開口を開閉自在に覆うカバー部材11とを備えている。カバー部材11は、その回転軸部14にFPCの端部が貫通される挿通孔15が形成されて、この回転軸部14は収容室5内にあって第1、第2コンタクト端子2、3の各コンタクト部の間に枢支されて、収容室5にFPCが収容されてこのFPC端部に露出させたFPC導体を第1、第2コンタクト端子2、3に接触させてカバー部材11で収容室5の開口を覆うことによって、各FPC導体を第1、第2コンタクト端子2、3に押圧して電気的に接続させる。
【解決手段】FPC用コネクタ1は、2種類の第1、第2コンタクト端子2、3と、FPCが収容される収容室5を有するコネクタハウジング4と、このコネクタハウジングに一端に設けた回転軸部14で枢支されて収容室5の開口を開閉自在に覆うカバー部材11とを備えている。カバー部材11は、その回転軸部14にFPCの端部が貫通される挿通孔15が形成されて、この回転軸部14は収容室5内にあって第1、第2コンタクト端子2、3の各コンタクト部の間に枢支されて、収容室5にFPCが収容されてこのFPC端部に露出させたFPC導体を第1、第2コンタクト端子2、3に接触させてカバー部材11で収容室5の開口を覆うことによって、各FPC導体を第1、第2コンタクト端子2、3に押圧して電気的に接続させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフレキシブル基板用コネクタに係り、詳しくは柔軟性を有する平型ケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)或いは柔軟性を有するプリント基板(FPC;Flexible Print Circuit)などの平型フレキシブル基板を機器等に接続する際に使用するフレキシブル基板用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
柔軟性を有する平型ケーブル及びプリント基板(以下、これらを代表してFPCという)は、主に機械的に可動及び移動する部品並びに機器間を電気的に接続する際に使用されている。このFPCは、通常、FPC専用のコネクタ、いわゆるフレキシブル基板用コネクタ(以下、FPC用コネクタという)を用いて機器などに接続されている。
【0003】
このFPC用コネクタは、複数本のコンタクト端子と、これらのコンタクト端子を所定間隔で横並び状態で装着すると共にFPCを差込む挿入口を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、このハウジングに回動自在に装着した押圧部材とを備え、前記挿入口にFPCを差し込んでFPCの端部導体を前記コンタクト端子に接触させて、前記押圧部材を回動することによって、FPC導体をコンタクト端子に押圧して接続する構成となっている。また、このコネクタは、押圧部材を元の位置へ戻すと、FPCをコネクタハウジングから抜き出すことができるようにもなっている。このようなFPC用コネクタは、押圧部材を回動することにより、FPC及びコンタクト端子などに力を殆ど加えることなくFPCの接続及び離脱ができるので、このようなコネクタは一般にZIF(Zero Insertion Force)コネクタとも言われている。以下、このタイプのコネクタをZIFコネクタともいうことがある。
【0004】
これまでに、様々なタイプのZIFコネクタが開発されている。例えば、下記特許文献1及び2にそれぞれZIFタイプのFPC用コネクタが開示されている。
【0005】
図13A及び図13Bは下記特許文献1に開示されたFPC用コネクタの断面図である。
下記特許文献1に開示されたFPC用コネクタ20は、図13A及び図13Bに示すように、FPC受入空洞22が画成された絶縁ハウジング21と、この絶縁ハウジング21に所定間隔で横並び状態で装着された複数の端子24、25と、FPC受入空洞22に挿入されたFPC接点と前記端子24、25のコンタクト部24a、25aを当接係合させるための回動可能に設けられたアクチュエータ23と、を有している。これらの端子24、25のうち、一方の端子24のコンタクト部24aは、FPC受入空洞22の手前側に、他方の端子25のコンタクト部25aはFPC受入空洞22の奥側に配置されている。
【0006】
また、端子25は、そのコンタクト部25aと対向するように可動梁25bが設けられており、この可動梁25bに形成された係合突起25b'とコンタクト部25aとが対向する間隔がFPCの厚さに比べて略等しいか若干狭い間隔に設定されている。また、アクチュエータ23の回動により、FPC接点と端子24、25のコンタクト部24a、25aとを当接係合させる時に、アクチュエータ23に設けたカム部23aが可動梁25bを弾性変位させ、係合突起25b'によりコンタクト部25aに向けて押圧するようになっている。
【0007】
この可動梁25bは端子25に片持ち状に設けられている。また、この可動梁25bを設けた端子25は、更にアクチュエータ23を回動可能に支持する軸受梁25cを有している。アクチュエータ23のカム部23aは、軸受梁25cの先端部25c'と可動梁25bの先端部に挟持されており、アクチュエータ23が回動する時、カム部23aが可動梁25bの先端部に作用してこの可動梁25bを弾性変位させるようになっている。
【0008】
また、下記特許文献2に開示されたFPC用コネクタは、一方の挿入口から上下2段にしてFPCが挿入されて、これらのFPC導体とコンタクト端子とが押圧部材の操作で機械的及び電気的に結合される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−109695号公報
【特許文献2】特開2000−113933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1に開示されたFPC用コネクタによれば、FPC受入空洞22の奥側に配置されたコンタクト部と対向するように可動梁25bが設けられ、この可動梁25bに形成された係合突起25b'と端子24、25のコンタクト部の対向間隔がFPCの厚さに比べて略等しいか若干狭い間隔に設定されているので、FPCの挿入に際してほとんど外力を必要とせずスムーズに挿抜することができるようになり、作業性が改善される。また、アクチュエータ23を回動してFPCの接点と端子24、25のコンタクト部24a、25aとを当接係合させる時には、アクチュエータ23のカム部23aが可動梁25bを弾性変位させて、FPCをコンタクト部に向けて押圧するので、FPC接点と端子24、25のコンタクト部24a、25a間に電気的に必要な当接圧を与えることができる。この可動梁25bの変位量は、既に係合突起25b'がFPCに接しているので僅かで良く、したがって、アクチュエータ23の回動に対する抵抗が少なくなり接続の作業性も改善される。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1のFPC用コネクタにおいては、いくつかの課題が潜在している。すなわち、FPCは端子24、25間で挟持されるので、FPCに少し無理な引抜き力が加わると抜け出る恐れがある。また、アクチュエータ23が各端子24、25の上方に装着されて、このアクチュエータ23の操作によって各端子のコンタクト部がFPC接点に圧接接触させるようになっているので、これらの端子24、25及びアクチュエータ23を装着するコネクタハウジングが背高になりコネクタの薄型化ができない。なお、上記特許文献2に開示されたコネクタにおいても、押圧部材はコンタクト端子の上方に装着されているので、コネクタが背高になり薄型化ができない。
【0012】
本発明は上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、コネクタハウジングを背低にしてコネクタの薄型化を図ったZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、コネクタハウジングに機械的に結合したFPCのFPC導体とコンタクト端子との電気的接続を良好にしたZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、静電遮蔽することでノイズを抑えたZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【0015】
さらにまた、本発明の他の目的は、静電遮蔽部材により機械的結合を行うと共に電気的接続を保持するようにしたZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様にかかるフレキシブル基板用コネクタは、複数本のコンタクト端子と、前記コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にフレキシブル基板(以下、FPCという)が収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本のコンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部は前記収容室内の前記複数本のコンタクト端子のコンタクト部の後方に枢支されていることを特徴とする。
【0017】
上記第1の態様に係るフレキシブル基板用コネクタによれば、カバー部材は、その回転軸部が収容室内の複数本のコンタクト端子のコンタクト部の後方に枢支されるので、このコンタクト端子と回転軸部がほぼ同一直線上に配設されることになる。したがって、コネクタハウジングの高さを低くでき、結果としてコネクタを薄型化できる。すなわち、従来技術のように、押圧部材となるカバー部材の回転軸部をコンタクト端子の上方に位置させる必要がないので、コネクタハウジングの高さを低くできる。また、FPCは回転軸部に設けた挿通孔に挿通されるので、収容室の開口をカバー部材で覆ったときに、この挿通孔に挿通されたFPC端部が機械的に固定されて、FPCの抜け止めがなされる。
【0018】
また、上記第1の態様において、前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していると好ましい。
【0019】
上記好ましい態様によれば、カバー部材にシールド板が装着されるので、このシールド板により電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0020】
また、上記第1の態様において、前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていると好ましい。
【0021】
上記好ましい態様によれば、コネクタハウジングのカバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われるので、上述したシールド板と同様に、電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0022】
また、上記第1の態様において、前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していると好ましい。
【0023】
上記好ましい態様によれば、シールド部材に形成された弾性片でカバー部材を閉成する方向に付勢するので、この弾性片の付勢力により、カバー部材を機械的に固定すると同時に電磁遮蔽することができる。また、このカバー部材の固定によりカバー部材と収容室との間でFPCが機械的に固定されると共に、FPC導体とコンタクト端子との間に押圧力が働き電気的接続が良好になる。
【0024】
本発明の第2の態様にかかるフレキシブル基板用コネクタは、複数本の第1、第2コンタクト端子と、前記第1、第2コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にFPCが収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本の第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記複数本の第2コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の後方に所定感覚で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部が前記収容室内の前記第1、第2コンタクト端子の各コンタクト部の間に枢支されていることを特徴とする。
【0025】
上記第2の態様に係るフレキシブル基板用コネクタカバー部材は、その回転軸部が収容室内にあって、第1、第2コンタクト端子の各コンタクト部の間に枢支されるので、この第1、第2コンタクト端子と回転軸部がほぼ同一直線上に配設されることになる。したがって、コネクタハウジングの高さを低くでき、結果としてフレキシブル基板用コネクタを薄型化できる。すなわち、従来技術のように、押圧部材となるカバー部材の回転軸部をコンタクト端子の上方に位置させる必要がないので、コネクタハウジングの高さを低くできる。また、FPCは回転軸部に設けた挿通孔に挿通されるので、収容室の開口をカバー部材で覆ったときに、この挿通孔に挿通されたFPC端部が機械的に固定されて、FPCの抜け止めがなされる。
【0026】
また、上記第2の態様において、前記回転軸部は、前記挿通孔の前記FPC端部の出口側に前記第2コンタクト端子の先端部が載置される作動片を設けると好ましい。
【0027】
上記好ましい態様によれば、回転軸部の挿通孔の出口側に第2コンタクト端子の先端部が載置される作動片を設けたので、カバー部材の開閉動作に伴い作動片が梃子のように第2コンタクト端子を上下動させるようになる。よって、カバー部材を閉成した場合にのみ第2コンタクト端子のコンタクト部を上方に動作させるようになせば、カバー部材を閉成した状態でFPCと第2コンタクト端子とを圧接させることが可能となり、良好な電気的接続が得られるとともにFPCの抜け止め作用が得られ、さらにはFPC差込時の負荷も低減することが可能となる。
【0028】
また、上記第2の態様において、前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していると好ましい。
【0029】
上記好ましい態様によれば、カバー部材にシールド板が装着されるので、このシールド板により電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0030】
また、上記第2の態様において、前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていると好ましい。
【0031】
上記好ましい態様によれば、コネクタハウジングのカバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われるので、上述したシールド板と同様に、電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0032】
また、上記第2の態様において、前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していると好ましい。
【0033】
上記好ましい態様によれば、シールド部材に形成された弾性片でカバー部材を閉成する方向に付勢するので、この弾性片の付勢力により、カバー部材を機械的に固定すると同時に電磁遮蔽することができる。また、このカバー部材の固定によりカバー部材と収容室との間でFPCが機械的に固定されると共に、FPC導体とコンタクト端子との間に押圧力が働き電気的接続が良好になる。
【0034】
また、上記第2の態様において、前記コネクタハウジングには、前記第1、第2コンタクト端子をそれぞれ等間隔で配設するとともに、前記第1コンタクト端子同士の間隙の延長線上に前記第2コンタクト端子が配設されていると好ましい。
【0035】
上記好ましい態様によれば、コネクタハウジングに配設される複数本の第1、第2コンタクト端子を、それぞれ等間隔で配設するとともに第1、第2コンタクト端子の配設位置が互いに半ピッチずらされているので、第1、第2コンタクト端子がFPCの複数本のFPC導体に交互に接続させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1はFPC用コネクタを示し、図1AはFPC用コネクタを一方向からみた全体斜視図、図1Bは図1AのFPC用コネクタを180度回転させた状態の全体斜視図である。
【図2】図2は図1のコネクタを分解した分解斜視図である。
【図3】図3は図2のハウジングを示し、図3Aはハウジングを一方向からみた斜視図、図3Bは図3Aのハウジングを180度回転させた状態の斜視図である。
【図4】図4は図2のカバー部材を構成するカバーフレームを示し、図4Aはカバーフレームを一方向からみた斜視図、図4Bは図4Aのカバーフレームを180度回転させた状態の斜視図である。
【図5】図5Aはカバーフレームに装着されるシールド板の平面図、図5Bはシールド部材の斜視図である。
【図6】図6Aは第1コンタクト端子の斜視図、図6Bは図6Aのコンタクト端子部材の側面図である。
【図7】図7Aは第2コンタクト端子の斜視図、図7Bは図7Aのコンタクト端子の側面図である。
【図8】図8は組立てたコネクタを示し、図8Aは正面図、図8Bは上面図、図8Cは背面図、図8Dは左側面図、図8Eは右側面図である。
【図9】図9Aは図8AのIXA−IXA線の断面図、図9Bは図8AのIXB−IXB線の断面図である。
【図10】図10は図9の状態からカバー部材を持ち上げた状態を示し、図10A及び図10Bは図9A及び図9Bに対応した断面図である。
【図11】図11はコネクタにFPCを装着する説明図であって、この図は図10に対応している。
【図12】図12はコネクタにFPCを装着する説明図であって、この図は図9に対応している。
【図13】図13は従来技術のFPC用コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのFPC用コネクタを例示するものであって、本発明をこのFPC用コネクタに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【0038】
最初に、図1及び図2を参照して、FPC用コネクタの概要を説明する。なお、図1はFPC用コネクタを示し、図1AはFPC用コネクタを一方向からみた全体斜視図、図1Bは図1AのFPC用コネクタを180度回転させた状態の全体斜視図である。また、図2は図1のFPC用コネクタを分解した分解斜視図である。
【0039】
FPC用コネクタ1は、図1及び図2に示すように、2種類の第1、第2コンタクト端子2、3と、これらのコンタクト端子2、3が複数本収容される電気絶縁材料からなるコネクタハウジング(以下、単に「ハウジング」という)4と、このハウジング4に回転自在に固定されるカバー部材11と、ハウジング4の上面を覆う金属板材料からなるシールド部材18と、を備えている。
【0040】
以下、図2〜図7を参照して、このFPC用コネクタを構成する個々の部材について詳述する。なお、図3は図2のハウジングを示し、図3Aはハウジングを一方向からみた斜視図、図3Bは図3Aのハウジングを180度回転させた状態の斜視図である。
【0041】
ハウジング4は、図3に示すように、所定広さの矩形状の上下壁4a、4bと、所定の肉厚の前後壁4c、4d及び左右壁4e、4fと、を有し、上壁4a面に所定の深さで有底のFPCなどが収容される収容室5が設けられた比較的肉薄のブロックからなり、電気絶縁性の合成樹脂成型体で形成されている。収容室5は、FPC及びカバー部材11が収容される横幅、深さ並びに奥行きを有する凹状溝で形成されている。この収容室5、すなわち凹状溝は、上壁4a面及び前壁4c面の一部に設けた上方開口5a及び前方開口5cと、左右内壁5e、5fと、奥内壁5d及び底壁5bとで形成されている。この収容室5の上方開口5aはカバー部材11により閉鎖される部分であり、前方開口5cは差し込まれるFPCが導出される部分である。また、左右内壁5e、5f面には、カバー部材11に設けた回転軸部14の両端の枢軸(pivot)14a、14b(図4参照)が挿入される軸受溝6a、6bが形成されている。また、これらの軸受溝6a、6b間の底壁5bには細長溝4b'(図8C参照)が形成されている。この細長溝4b'は、後述する作動片16が自由に回動できる大きさになっている。さらに、底壁5bには、複数本の第1コンタクト端子2が位置決め挿入される複数本の細溝81〜8nが等間隔に形成されている。
【0042】
また、ハウジング4の前壁4cは、収容室5の前方開口5cと、この前方開口5cが形成されていない部分(以下、「小前壁」という)4c'とからなり、この小前壁4c'には複数本の第1コンタクト端子2がそれぞれ挿入される複数個の前方端子挿入口71〜7nが略等間隔に形成されている。これらの前方端子挿入口71〜7nは、収容室5の底壁5bに設けられた複数本の細溝81〜8nにそれぞれ連通している。
【0043】
さらに、ハウジング4の後壁4dは、図3Bに示すように、その壁面に複数本の第2コンタクト端子3が挿入される後方端子挿入口91〜9nが略等間隔に形成されている。これらの後方端子挿入口91〜9nは、前方端子挿入口71〜7nの間隔と等しい間隔で形成されていると共に、その位置は前方端子挿入口71〜7nに対して半ピッチずらされており、前方端子挿入口71〜7nの間に後方端子挿入口91〜9nが位置するように配設されている。また、収容室5の奥内壁5dには、後方端子挿入口91〜9nに連通した細溝101〜10n及びFPCの先端部が差込まれる差込溝10FPCが形成されている。上述のように、後方端子挿入口91〜9nと前方端子挿入口71〜7nとの位置が互いに半ピッチずらされることにより、これらの端子挿入口に装着される第1、第2コンタクト端子2、3をそれぞれ異なるFPC導体C1、C2に接続させることが可能となる。詳しくは、例えば横一列に並設されたFPC導体C1、C2のうち奇数番目のFPC導体C1を第1コンタクト端子2に、偶数番目のFPC導体C2を第2コンタクト端子3にそれぞれ接続したり、或いはこれらの奇数偶数を逆にしてそれぞれ接続したりすることができる。なお、本実施例においてはFPC導体C1を第1コンタクト端子2に、FPC導体C2を第2コンタクト端子3に接続させる構成について説明する。ただし、後方端子挿入口91〜9nと前方端子挿入口71〜7nとの位置を同一直線状として、第1、第2コンタクト端子2、3を同一のFPC導体に接続するようにしてもよい。
【0044】
次に、主に図4及び図5を参照して、カバー部材及びシールド部材を説明する。なお、図4は図2のカバー部材を構成するカバーフレームを示し、図4Aはカバーフレームを一方向からみた斜視図、図4Bは図4Aのカバーフレームを180度回転させた状態の斜視図である。また、図5Aはカバーフレームに装着されるシールド板の平面図、図5Bはシールド部材の斜視図である。
【0045】
カバー部材11は、図2に示すように、カバーフレーム12と、このカバーフレーム12に着脱自在に装着されるシールド板17とを有している。カバーフレーム12は、図4に示すように、間に所定の隙間120をあけて対向する一対の指片部12a、12bと、これらの指片部12a、12bの一端を連結する連結片部12cと、を有し、これらは一体に結合されて平面視で略U字状の板体を形成しており、また、電気絶縁性の樹脂成型体で形成されている。一対の指片部12a、12bの長手方向の長さはハウジング4に設けられた収容室5の左右内壁5e、5fの長さと略同じに設定されており、この一対の指片部12a、12bは所定の肉厚を有する板状片で構成されている。この一対の指片部12a、12bの対向する側壁面には、シールド板17が挿入される溝121、121が形成されている。さらに、連結片部12cは、一対の指片部12a、12bの端部を繋ぐ連結板部12c'と、この連結板部12c'の端部に設けた回転軸部14とで構成されている。加えて、連結板部12c'の上面のほぼ中央部には、シールド板17を支持する支持片13が形成されている。
【0046】
カバーフレーム12の回転軸部14は、ハウジング4の肉厚より若干小さい直径を有する略円形の柱状体からなり、両端に枢軸14a、14bを有すると共に、これらの枢軸14a、14bの間にFPCが挿通される挿通孔15が形成されている。また、この挿通孔15の下面には、連結板部12c'の端部と略平行に、且つ連結板部12c'に対して離間する方向へ突出した舌状の作動片16が形成されている。また、この作動片16の上面には、第2コンタクト端子3の先端部3a'が挿入・載置される複数個の載置溝161〜16nが略等間隔に形成されている。
【0047】
シールド板17は、図5Aに示すように、カバーフレーム12の一対の指片部12a、12bの間に装着してこの両指片部12a、12b間の隙間120を塞ぐ矩形状の金属板材で形成されている。具体的には、対向する長辺17a、17b及び短辺17c、17dを有する矩形状の金属板材で形成されている。各長辺17a、17bはカバーフレーム12の一対の指片部12a、12b間の長さと略同一に設定され、各短辺17c、17dは各指片部12a、12bの長手方向の長さと略同一に設定されている。一方の長辺17bには、間に所定の隙間170をあけて立設する一対の突起171、171が形成されている。そして、このシールド板17をカバーフレーム12に装着する際に、この隙間170に連結板部12c'の支持片13が入り込むことでシールド板17が固定される。
【0048】
シールド部材18は、図5Bに示すように、ハウジング4の幅長と略同じ長さの隙間180をあけて対向する一対の取付け部18a、18bと、これらの取付け部18a、18bの端部同士を連結する連結部18cと、この連結部18cから隙間180が設けられた方向へ突出した2本のバネ片18c'、18c'と、を有し、これらは一枚の金属板に打抜き折曲加工を施すことより一体に形成されている。一対の取付け部18a、18bはほぼ同じ形状を有し、ハウジング4の肉厚と略同じ大きさのU字状隙間181、181を有している。また、2本のバネ片18c'、18c'はバネ板片からなり、シールド部材18がハウジング4に装着されたときにカバー部材11を押圧して固定する働きをする。
【0049】
次に、主に図6及び図7を参照して、第1、第2コンタクト端子2、3について説明する。なお、図6Aは第1コンタクト端子の斜視図、図6Bは図6Aに示す第1コンタクト端子の側面図である。また、図7Aは第2コンタクト端子の斜視図、図7Bは図7Aに示す第2コンタクト端子の側面図である。
【0050】
第1コンタクト端子2は、ハウジング4の前方、すなわちハウジング4の前壁4c側に配設されるものである。詳しくは、図6Aに示すように、一端に形成されたコンタクト部2aと、他端に形成されたリード線等への接続部2bと、このコンタクト部2aと接続部2bとの間に形成されたハウジング4への固定部2cとを有し、良導電性の金属片で形成されている。コンタクト部2aは、図6Bに示すように、固定部2c近傍で僅かに折り曲げられて延在することで、上方へ持ち上げられるように傾斜しており、さらに、その先端部2a'近傍で下方へ折り曲げられた形状を有している。このようにコンタクト部2aを所定角度に傾斜させることにより、ハウジング4にこの第1コンタクト端子2の固定部2cを固定した際、FPCを押圧する方向に作用する弾性バネ力が付与される。また、接続部2bは、その中間部で下方へなだらかなクランク状に湾曲しており、その先端部付近は固定部2cから見て下方に落ち込んだ形状となっている。
【0051】
第2コンタクト端子3は、ハウジング4の後方、すなわちハウジング4の後壁4d側に配設されるものである。詳しくは、図7Aに示すように、一端に形成されたコンタクト部3aと、他端に形成されたリード線等への接続部3bと、このコンタクト部3aと接続部3bとの間に形成されたハウジング4への固定部3cとを有し、良導電性の金属片で形成されている。コンタクト部3aは、図7Bに示すように、固定部3cに対して水平に延在しており、その先端部3a'付近で下方へ折り曲げられた形状を有している。加えて、この先端部3a'は作動片16の溝内に当接される。また、接続部3bは、その中間部で下方へなだらかなクランク状に湾曲しており、その先端部付近は固定部3cから見て下方に落ち込んだ形状となっている。
【0052】
次に、図1〜図10を参照して、これらの部材を用いたFPC用コネクタ1の組み立て及びFPCの取付け方法を説明する。なお、図8は組立てたコネクタを示し、図8Aは正面図、図8Bは上面図、図8Cは背面図、図8Dは左側面図、図8Eは右側面図である。また、図9Aは図8AのIXA−IXA線の断面図、図9Bは図8AのIXB−IXB線の断面図である。さらに、図10は図9の状態からカバー部材を持ち上げた状態を示し、図10A及び図10Bは図9A及び図9Bに対応した断面図である。
【0053】
先ず、第1コンタクト端子2をハウジング4に位置決め固定する。この第1コンタクト端子2の位置決め固定は、複数本の第1コンタクト端子2をハウジング4の前壁4cの前方端子挿入口71〜7nへそれぞれ挿入する。これらの前方端子挿入口71〜7nは収容室5の底壁5bに設けられた細溝81〜8nへ連通しているので、前方端子挿入口71〜7nへそれぞれ挿入された第1コンタクト端子2のコンタクト部2aは細溝81〜8nから収容室5へ向かって突出した状態となる。なお、この第1コンタクト端子2の固定部2cは前方端子挿入口71〜7n付近で固定される。そして、この固定部2cの固定に伴って、コンタクト部2aは各細溝81〜8n内に上下動可能に固定される。
【0054】
次いで、カバー部材11をハウジング4に装着する。このカバー部材11の装着は、先ず、シールド板17をカバーフレーム12に装着しておき、このシールド板17を装着したカバーフレーム12の枢軸14a、14bをハウジング4の軸受溝6a、6bにそれぞれ嵌め込んで回動自在に固定する。続いて、第2コンタクト端子3をハウジング4に位置決め固定する。この位置決め固定は、複数本の第2コンタクト端子3をハウジング4の後壁4dの後方端子挿入口91〜9nへそれぞれ挿入する。これらの後方端子挿入口91〜9nは収容室5の奥内壁5dに設けられた細溝101〜10nへ連通しているので、各細溝101〜10nへ挿入された第2コンタクト端子3は、固定部3cが後方端子挿入口91〜9n近傍で固定され、これに伴って、それぞれのコンタクト部3aは細溝101〜10n内に上下動可能に固定される。同時に第2コンタクト端子3の先端部3a'が作動片16のそれぞれの載置溝161〜16n上に載置される(図9B参照)。
【0055】
最後に、シールド部材18をハウジング4に固定する。詳しくは、シールド部材18の一対の取付け部18a、18bに形成されたU字状隙間181、181にハウジング4の左右壁4e、4fを挿入することで、取付け部18a、18bで左右壁4e、4fを掴持させることにより固定する。シールド部材18がハウジング4に固定されると、シールド部材18のバネ片18c'、18c'がカバー部材11を押圧する。この押圧により、カバー部材11はハウジング4の収容室5内へ押し込められると共に、FPCの装着時にFPC導体が第1、第2コンタクト端子2、3に圧接されて良好な接続が保持される。
【0056】
次に、図9及び図10を参照して、カバー部材11の開閉動作に付随する第2コンタクト端子3の動作について説明する。
図9A及び図9Bに示すように、シールド部材18がハウジング4に装着されると、シールド部材18のバネ片18c'、18c'がカバー部材11に当接し、このカバー部材11がハウジング4の収容室5内に押し込められる。この状態では第2コンタクト端子3の先端部3a'がカバーフレーム12の作動片16の載置溝161〜16n内にそれぞれ入り込んで載置されている。この状態においては、第2コンタクト端子3のコンタクト部3aは作動片16により上方に持ち上げられた状態で維持されている。
【0057】
この状態からシールド部材18のバネ片18c'、18c'の付勢力に抗してカバー部材11を上方へ持ち上げると、図10A及び図10Bに示すように、このカバー部材11は回転軸部14を中心に図10における時計方向に回動すると共にこの回転軸部14に一体に設けられた作動片16も時計方向へ回転する。よって、このようにカバー部材11を上方へ持ち上げた場合には作動片16による第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの持ち上げが解除され、この第2コンタクト端子3のコンタクト部3aは固定部3cに対して水平に延在した状態となる。
【0058】
反対に、カバー部材11を閉じる、すなわちカバー部材11をシールド部材18のバネ片18c'、18c'の復元力により下方へ下げると、図9A及び図9Bに示すように、このカバー部材11は回転軸部14を中心に図9における反時計方向に回動すると共にこの回転軸部14に一体に設けられた作動片16も反時計方向へ回転する。よって、このようにカバー部材11を上方へ持ち上げた場合には作動片16により第2コンタクト端子3のコンタクト部3aが上方へ持ち上げられた状態に戻る。
【0059】
したがって、第2コンタクト端子3のコンタクト部3aはカバー部材11の開閉動作に追従して上下動することになる。このようにカバー部材11の動作とコンタクト部3aとの動作を同期させることにより、FPCがハウジング4に装着されたときには第2コンタクト端子3とFPC導体との接触圧を高めることができるので互いの接続状態が良好になる。
【0060】
以下には、主に図9〜図12を参照して、FPC用コネクタ1へのFPCの取付けを説明する。なお、図11及び図12はコネクタにFPCを装着する説明図であって、図11は図10に、図12は図9にそれぞれ対応している。
【0061】
FPCが接続される前のFPC用コネクタ1は、図8及び図9に示すように、カバー部材11がハウジング4の収容室5に嵌り込んでいる。そして、この状態のFPC用コネクタ1にFPCの接続を行う際は、先ず、この状態から例えばカバー部材11の先端を指でつまみ、シールド部材18のバネ片18c'、18c'の押圧力に抗してハウジング4の上方へ持ち上げる。カバー部材11を持ち上げると、図10A及び図10Bに示すように、カバー部材11は回転軸部14とともに回転して、ハウジング4とカバー部材11との間が側面視でくの字状に開く。そして、このくの字状の隙間に、図11A及び図11Bに示すように、FPCをカバー部材11に沿って挿入し挿通孔15を挿通させて、FPCの先端部を差込溝10FPC内に差し込むことでFPC導体C2を第2コンタクト端子3のコンタクト部3aに接触させる。なお、FPCの第1、第2コンタクト端子2、3に接触する部分は絶縁被覆が剥離されており、この部分からFPC導体C1、C2が露出している。これらのFPC導体C1、C2は、第1、第2コンタクト端子2、3のコンタクト部2a、3aにそれぞれ接触する接点となっている。したがって、これらのFPC導体C1、C2は第1、第2コンタクト端子2、3の各コンタクト部2a、3aに接触する位置に位置決めされている。
【0062】
FPCの端部を挿通孔15に挿通すると、図12A及び図12Bに示すように、カバー部材11を回転軸部14を中心に回転させてカバー部材11の先端部を下降させ、ハウジング4の収容室5内に戻す。このカバー部材11を戻す過程において、作動片16は回転軸部14の回動に追従して回動し、作動片16の載置溝161〜16nにより第2コンタクト端子3の先端部3a'が上方へ持ち上げられる。そして、この先端部3a'の持ち上げに伴ってコンタクト部3aも上方に持ち上がり、FPC導体C2に圧接して良好な電気的接続を行う。
【0063】
このとき、FPCの先端部は差込溝10FPCの上壁と第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの間に挟まれた状態で挟持されると共に、このFPCの挿通孔15に挿通された部分は屈曲されて保持される。詳しく言えば、挿通孔15の上面と第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの上端部との間に形成される隙間の長さL(図9B参照)がFPCの肉厚よりも狭く設定されているため、本願のFPC用コネクタ1に差し込まれたFPCは、その先端部は第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの付勢力により上方に持ち上げられるが、挿通孔15に挿通された部分は挿通孔15の上面に当接することで上方への持ち上げが規制される。よって、挿通孔15に挿通された部分が屈曲した状態となる。このようにFPCの一部に屈曲部分を形成すると、FPCは機械的に強固に固定されて抜け止めがなされる。
【0064】
また、カバー部材11を元の位置に戻すことにより、FPCがカバー部材11に押圧されて収容室5の底壁5bに圧接されるので、この底壁5bから突出した第1コンタクト端子2のコンタクト部2aとFPC導体C1とが良好に接続される。
【0065】
上述のようにFPCを差し込んだ状態でカバー部材11を収容室5内に戻すと、カバー部材11に当接しているシールド部材18のバネ片18c'、18c'によりカバー部材11が機械的に保持される。このカバー部材11の保持により、FPCが強固に固定されて抜け止めされると共に、FPC導体C1、C2と第1、第2コンタクト端子2、3との間で良好な電気的接続が得られる。
【0066】
以上の構成を備えることにより、本実施例に係るFPC用コネクタ1は、カバー部材11の回転軸部10にFPCが挿通される挿通孔15を形成したことにより、この回転軸部14がFPCの差込み経路と重なる位置、すなわち第1、第2コンタクト端子2、3の間に配設できるので、コネクタ自体を薄型にすることができるようになる。また、上述のように挿通孔15に挿通された部分のFPCを屈曲させた状態で保持するので、FPCを強固に固定することができるようになり、FPCの抜けを防止することができるようになる。
【0067】
また、上記実施例に係るFPC用コネクタ1は、挿通孔15の下面に第2コンタクト端子3の先端部3a'が載置される載置溝161〜16nを有する作動片16を設けたことで、この作動片16の動作に追従して第2コンタクト端子3を上下動させることができるようになる。したがって、カバー部材11を閉じた際に第2コンタクト端子3を上方へ持ち上げることでFPCのFPC導体C2に圧接接続させることができ、良好な電気的接続が得られる。さらに、カバー部材11はシールド部材18のバネ片18c'、18c'により常に下方に押圧されているので、カバー部材11はハウジング4に強固に圧接されている。したがって、FPC導体C1と第1コンタクト端子2のコンタクト部2aとはカバー部材11により圧接接続されることになり、良好な電気的接続が得られる。
【0068】
さらにまた、上記実施例に係るFPC用コネクタ1においては、シールド板17とシールド部材18とによりハウジング4全体がほぼ覆われた状態となるので、外部からのノイズがFPC導体C1、C2と第1、第2コンタクト端子2、3との接続部分に及ぶことがなく、ノイズが入り込み難いコネクタが得られる。
【0069】
以上、本発明の最良の実施形態を説明したが、本発明はこのFPC用コネクタに限定されず、例えば、第2コンタクト端子を省いて、1種類の第1コンタクト端子を使用したコネクタに変更してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 FPC用コネクタ
2 第1コンタクト端子
3 第2コンタクト端子
2a、3a コンタクト部
2a'、3a' 先端部
4 (コネクタ)ハウジング
5 収容室
6a、6b 軸受溝
71〜7n 前方端子挿入口
91〜9n 後方端子挿入口
11 カバー部材
12 カバーフレーム
14 回転軸部
15 挿通孔
16 作動片
17 シールド板
18 シールド部材
18c' バネ片(弾性片)
C1、C2 FPC導体
【技術分野】
【0001】
本発明はフレキシブル基板用コネクタに係り、詳しくは柔軟性を有する平型ケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)或いは柔軟性を有するプリント基板(FPC;Flexible Print Circuit)などの平型フレキシブル基板を機器等に接続する際に使用するフレキシブル基板用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
柔軟性を有する平型ケーブル及びプリント基板(以下、これらを代表してFPCという)は、主に機械的に可動及び移動する部品並びに機器間を電気的に接続する際に使用されている。このFPCは、通常、FPC専用のコネクタ、いわゆるフレキシブル基板用コネクタ(以下、FPC用コネクタという)を用いて機器などに接続されている。
【0003】
このFPC用コネクタは、複数本のコンタクト端子と、これらのコンタクト端子を所定間隔で横並び状態で装着すると共にFPCを差込む挿入口を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、このハウジングに回動自在に装着した押圧部材とを備え、前記挿入口にFPCを差し込んでFPCの端部導体を前記コンタクト端子に接触させて、前記押圧部材を回動することによって、FPC導体をコンタクト端子に押圧して接続する構成となっている。また、このコネクタは、押圧部材を元の位置へ戻すと、FPCをコネクタハウジングから抜き出すことができるようにもなっている。このようなFPC用コネクタは、押圧部材を回動することにより、FPC及びコンタクト端子などに力を殆ど加えることなくFPCの接続及び離脱ができるので、このようなコネクタは一般にZIF(Zero Insertion Force)コネクタとも言われている。以下、このタイプのコネクタをZIFコネクタともいうことがある。
【0004】
これまでに、様々なタイプのZIFコネクタが開発されている。例えば、下記特許文献1及び2にそれぞれZIFタイプのFPC用コネクタが開示されている。
【0005】
図13A及び図13Bは下記特許文献1に開示されたFPC用コネクタの断面図である。
下記特許文献1に開示されたFPC用コネクタ20は、図13A及び図13Bに示すように、FPC受入空洞22が画成された絶縁ハウジング21と、この絶縁ハウジング21に所定間隔で横並び状態で装着された複数の端子24、25と、FPC受入空洞22に挿入されたFPC接点と前記端子24、25のコンタクト部24a、25aを当接係合させるための回動可能に設けられたアクチュエータ23と、を有している。これらの端子24、25のうち、一方の端子24のコンタクト部24aは、FPC受入空洞22の手前側に、他方の端子25のコンタクト部25aはFPC受入空洞22の奥側に配置されている。
【0006】
また、端子25は、そのコンタクト部25aと対向するように可動梁25bが設けられており、この可動梁25bに形成された係合突起25b'とコンタクト部25aとが対向する間隔がFPCの厚さに比べて略等しいか若干狭い間隔に設定されている。また、アクチュエータ23の回動により、FPC接点と端子24、25のコンタクト部24a、25aとを当接係合させる時に、アクチュエータ23に設けたカム部23aが可動梁25bを弾性変位させ、係合突起25b'によりコンタクト部25aに向けて押圧するようになっている。
【0007】
この可動梁25bは端子25に片持ち状に設けられている。また、この可動梁25bを設けた端子25は、更にアクチュエータ23を回動可能に支持する軸受梁25cを有している。アクチュエータ23のカム部23aは、軸受梁25cの先端部25c'と可動梁25bの先端部に挟持されており、アクチュエータ23が回動する時、カム部23aが可動梁25bの先端部に作用してこの可動梁25bを弾性変位させるようになっている。
【0008】
また、下記特許文献2に開示されたFPC用コネクタは、一方の挿入口から上下2段にしてFPCが挿入されて、これらのFPC導体とコンタクト端子とが押圧部材の操作で機械的及び電気的に結合される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−109695号公報
【特許文献2】特開2000−113933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1に開示されたFPC用コネクタによれば、FPC受入空洞22の奥側に配置されたコンタクト部と対向するように可動梁25bが設けられ、この可動梁25bに形成された係合突起25b'と端子24、25のコンタクト部の対向間隔がFPCの厚さに比べて略等しいか若干狭い間隔に設定されているので、FPCの挿入に際してほとんど外力を必要とせずスムーズに挿抜することができるようになり、作業性が改善される。また、アクチュエータ23を回動してFPCの接点と端子24、25のコンタクト部24a、25aとを当接係合させる時には、アクチュエータ23のカム部23aが可動梁25bを弾性変位させて、FPCをコンタクト部に向けて押圧するので、FPC接点と端子24、25のコンタクト部24a、25a間に電気的に必要な当接圧を与えることができる。この可動梁25bの変位量は、既に係合突起25b'がFPCに接しているので僅かで良く、したがって、アクチュエータ23の回動に対する抵抗が少なくなり接続の作業性も改善される。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1のFPC用コネクタにおいては、いくつかの課題が潜在している。すなわち、FPCは端子24、25間で挟持されるので、FPCに少し無理な引抜き力が加わると抜け出る恐れがある。また、アクチュエータ23が各端子24、25の上方に装着されて、このアクチュエータ23の操作によって各端子のコンタクト部がFPC接点に圧接接触させるようになっているので、これらの端子24、25及びアクチュエータ23を装着するコネクタハウジングが背高になりコネクタの薄型化ができない。なお、上記特許文献2に開示されたコネクタにおいても、押圧部材はコンタクト端子の上方に装着されているので、コネクタが背高になり薄型化ができない。
【0012】
本発明は上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、コネクタハウジングを背低にしてコネクタの薄型化を図ったZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、コネクタハウジングに機械的に結合したFPCのFPC導体とコンタクト端子との電気的接続を良好にしたZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、静電遮蔽することでノイズを抑えたZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【0015】
さらにまた、本発明の他の目的は、静電遮蔽部材により機械的結合を行うと共に電気的接続を保持するようにしたZIFタイプのFPC用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様にかかるフレキシブル基板用コネクタは、複数本のコンタクト端子と、前記コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にフレキシブル基板(以下、FPCという)が収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本のコンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部は前記収容室内の前記複数本のコンタクト端子のコンタクト部の後方に枢支されていることを特徴とする。
【0017】
上記第1の態様に係るフレキシブル基板用コネクタによれば、カバー部材は、その回転軸部が収容室内の複数本のコンタクト端子のコンタクト部の後方に枢支されるので、このコンタクト端子と回転軸部がほぼ同一直線上に配設されることになる。したがって、コネクタハウジングの高さを低くでき、結果としてコネクタを薄型化できる。すなわち、従来技術のように、押圧部材となるカバー部材の回転軸部をコンタクト端子の上方に位置させる必要がないので、コネクタハウジングの高さを低くできる。また、FPCは回転軸部に設けた挿通孔に挿通されるので、収容室の開口をカバー部材で覆ったときに、この挿通孔に挿通されたFPC端部が機械的に固定されて、FPCの抜け止めがなされる。
【0018】
また、上記第1の態様において、前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していると好ましい。
【0019】
上記好ましい態様によれば、カバー部材にシールド板が装着されるので、このシールド板により電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0020】
また、上記第1の態様において、前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていると好ましい。
【0021】
上記好ましい態様によれば、コネクタハウジングのカバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われるので、上述したシールド板と同様に、電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0022】
また、上記第1の態様において、前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していると好ましい。
【0023】
上記好ましい態様によれば、シールド部材に形成された弾性片でカバー部材を閉成する方向に付勢するので、この弾性片の付勢力により、カバー部材を機械的に固定すると同時に電磁遮蔽することができる。また、このカバー部材の固定によりカバー部材と収容室との間でFPCが機械的に固定されると共に、FPC導体とコンタクト端子との間に押圧力が働き電気的接続が良好になる。
【0024】
本発明の第2の態様にかかるフレキシブル基板用コネクタは、複数本の第1、第2コンタクト端子と、前記第1、第2コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にFPCが収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本の第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記複数本の第2コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の後方に所定感覚で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部が前記収容室内の前記第1、第2コンタクト端子の各コンタクト部の間に枢支されていることを特徴とする。
【0025】
上記第2の態様に係るフレキシブル基板用コネクタカバー部材は、その回転軸部が収容室内にあって、第1、第2コンタクト端子の各コンタクト部の間に枢支されるので、この第1、第2コンタクト端子と回転軸部がほぼ同一直線上に配設されることになる。したがって、コネクタハウジングの高さを低くでき、結果としてフレキシブル基板用コネクタを薄型化できる。すなわち、従来技術のように、押圧部材となるカバー部材の回転軸部をコンタクト端子の上方に位置させる必要がないので、コネクタハウジングの高さを低くできる。また、FPCは回転軸部に設けた挿通孔に挿通されるので、収容室の開口をカバー部材で覆ったときに、この挿通孔に挿通されたFPC端部が機械的に固定されて、FPCの抜け止めがなされる。
【0026】
また、上記第2の態様において、前記回転軸部は、前記挿通孔の前記FPC端部の出口側に前記第2コンタクト端子の先端部が載置される作動片を設けると好ましい。
【0027】
上記好ましい態様によれば、回転軸部の挿通孔の出口側に第2コンタクト端子の先端部が載置される作動片を設けたので、カバー部材の開閉動作に伴い作動片が梃子のように第2コンタクト端子を上下動させるようになる。よって、カバー部材を閉成した場合にのみ第2コンタクト端子のコンタクト部を上方に動作させるようになせば、カバー部材を閉成した状態でFPCと第2コンタクト端子とを圧接させることが可能となり、良好な電気的接続が得られるとともにFPCの抜け止め作用が得られ、さらにはFPC差込時の負荷も低減することが可能となる。
【0028】
また、上記第2の態様において、前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していると好ましい。
【0029】
上記好ましい態様によれば、カバー部材にシールド板が装着されるので、このシールド板により電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0030】
また、上記第2の態様において、前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていると好ましい。
【0031】
上記好ましい態様によれば、コネクタハウジングのカバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われるので、上述したシールド板と同様に、電磁遮蔽することができ、FPCとコンタクト端子との接続部分等にノイズが侵入することがなくなる。
【0032】
また、上記第2の態様において、前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していると好ましい。
【0033】
上記好ましい態様によれば、シールド部材に形成された弾性片でカバー部材を閉成する方向に付勢するので、この弾性片の付勢力により、カバー部材を機械的に固定すると同時に電磁遮蔽することができる。また、このカバー部材の固定によりカバー部材と収容室との間でFPCが機械的に固定されると共に、FPC導体とコンタクト端子との間に押圧力が働き電気的接続が良好になる。
【0034】
また、上記第2の態様において、前記コネクタハウジングには、前記第1、第2コンタクト端子をそれぞれ等間隔で配設するとともに、前記第1コンタクト端子同士の間隙の延長線上に前記第2コンタクト端子が配設されていると好ましい。
【0035】
上記好ましい態様によれば、コネクタハウジングに配設される複数本の第1、第2コンタクト端子を、それぞれ等間隔で配設するとともに第1、第2コンタクト端子の配設位置が互いに半ピッチずらされているので、第1、第2コンタクト端子がFPCの複数本のFPC導体に交互に接続させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1はFPC用コネクタを示し、図1AはFPC用コネクタを一方向からみた全体斜視図、図1Bは図1AのFPC用コネクタを180度回転させた状態の全体斜視図である。
【図2】図2は図1のコネクタを分解した分解斜視図である。
【図3】図3は図2のハウジングを示し、図3Aはハウジングを一方向からみた斜視図、図3Bは図3Aのハウジングを180度回転させた状態の斜視図である。
【図4】図4は図2のカバー部材を構成するカバーフレームを示し、図4Aはカバーフレームを一方向からみた斜視図、図4Bは図4Aのカバーフレームを180度回転させた状態の斜視図である。
【図5】図5Aはカバーフレームに装着されるシールド板の平面図、図5Bはシールド部材の斜視図である。
【図6】図6Aは第1コンタクト端子の斜視図、図6Bは図6Aのコンタクト端子部材の側面図である。
【図7】図7Aは第2コンタクト端子の斜視図、図7Bは図7Aのコンタクト端子の側面図である。
【図8】図8は組立てたコネクタを示し、図8Aは正面図、図8Bは上面図、図8Cは背面図、図8Dは左側面図、図8Eは右側面図である。
【図9】図9Aは図8AのIXA−IXA線の断面図、図9Bは図8AのIXB−IXB線の断面図である。
【図10】図10は図9の状態からカバー部材を持ち上げた状態を示し、図10A及び図10Bは図9A及び図9Bに対応した断面図である。
【図11】図11はコネクタにFPCを装着する説明図であって、この図は図10に対応している。
【図12】図12はコネクタにFPCを装着する説明図であって、この図は図9に対応している。
【図13】図13は従来技術のFPC用コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのFPC用コネクタを例示するものであって、本発明をこのFPC用コネクタに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【0038】
最初に、図1及び図2を参照して、FPC用コネクタの概要を説明する。なお、図1はFPC用コネクタを示し、図1AはFPC用コネクタを一方向からみた全体斜視図、図1Bは図1AのFPC用コネクタを180度回転させた状態の全体斜視図である。また、図2は図1のFPC用コネクタを分解した分解斜視図である。
【0039】
FPC用コネクタ1は、図1及び図2に示すように、2種類の第1、第2コンタクト端子2、3と、これらのコンタクト端子2、3が複数本収容される電気絶縁材料からなるコネクタハウジング(以下、単に「ハウジング」という)4と、このハウジング4に回転自在に固定されるカバー部材11と、ハウジング4の上面を覆う金属板材料からなるシールド部材18と、を備えている。
【0040】
以下、図2〜図7を参照して、このFPC用コネクタを構成する個々の部材について詳述する。なお、図3は図2のハウジングを示し、図3Aはハウジングを一方向からみた斜視図、図3Bは図3Aのハウジングを180度回転させた状態の斜視図である。
【0041】
ハウジング4は、図3に示すように、所定広さの矩形状の上下壁4a、4bと、所定の肉厚の前後壁4c、4d及び左右壁4e、4fと、を有し、上壁4a面に所定の深さで有底のFPCなどが収容される収容室5が設けられた比較的肉薄のブロックからなり、電気絶縁性の合成樹脂成型体で形成されている。収容室5は、FPC及びカバー部材11が収容される横幅、深さ並びに奥行きを有する凹状溝で形成されている。この収容室5、すなわち凹状溝は、上壁4a面及び前壁4c面の一部に設けた上方開口5a及び前方開口5cと、左右内壁5e、5fと、奥内壁5d及び底壁5bとで形成されている。この収容室5の上方開口5aはカバー部材11により閉鎖される部分であり、前方開口5cは差し込まれるFPCが導出される部分である。また、左右内壁5e、5f面には、カバー部材11に設けた回転軸部14の両端の枢軸(pivot)14a、14b(図4参照)が挿入される軸受溝6a、6bが形成されている。また、これらの軸受溝6a、6b間の底壁5bには細長溝4b'(図8C参照)が形成されている。この細長溝4b'は、後述する作動片16が自由に回動できる大きさになっている。さらに、底壁5bには、複数本の第1コンタクト端子2が位置決め挿入される複数本の細溝81〜8nが等間隔に形成されている。
【0042】
また、ハウジング4の前壁4cは、収容室5の前方開口5cと、この前方開口5cが形成されていない部分(以下、「小前壁」という)4c'とからなり、この小前壁4c'には複数本の第1コンタクト端子2がそれぞれ挿入される複数個の前方端子挿入口71〜7nが略等間隔に形成されている。これらの前方端子挿入口71〜7nは、収容室5の底壁5bに設けられた複数本の細溝81〜8nにそれぞれ連通している。
【0043】
さらに、ハウジング4の後壁4dは、図3Bに示すように、その壁面に複数本の第2コンタクト端子3が挿入される後方端子挿入口91〜9nが略等間隔に形成されている。これらの後方端子挿入口91〜9nは、前方端子挿入口71〜7nの間隔と等しい間隔で形成されていると共に、その位置は前方端子挿入口71〜7nに対して半ピッチずらされており、前方端子挿入口71〜7nの間に後方端子挿入口91〜9nが位置するように配設されている。また、収容室5の奥内壁5dには、後方端子挿入口91〜9nに連通した細溝101〜10n及びFPCの先端部が差込まれる差込溝10FPCが形成されている。上述のように、後方端子挿入口91〜9nと前方端子挿入口71〜7nとの位置が互いに半ピッチずらされることにより、これらの端子挿入口に装着される第1、第2コンタクト端子2、3をそれぞれ異なるFPC導体C1、C2に接続させることが可能となる。詳しくは、例えば横一列に並設されたFPC導体C1、C2のうち奇数番目のFPC導体C1を第1コンタクト端子2に、偶数番目のFPC導体C2を第2コンタクト端子3にそれぞれ接続したり、或いはこれらの奇数偶数を逆にしてそれぞれ接続したりすることができる。なお、本実施例においてはFPC導体C1を第1コンタクト端子2に、FPC導体C2を第2コンタクト端子3に接続させる構成について説明する。ただし、後方端子挿入口91〜9nと前方端子挿入口71〜7nとの位置を同一直線状として、第1、第2コンタクト端子2、3を同一のFPC導体に接続するようにしてもよい。
【0044】
次に、主に図4及び図5を参照して、カバー部材及びシールド部材を説明する。なお、図4は図2のカバー部材を構成するカバーフレームを示し、図4Aはカバーフレームを一方向からみた斜視図、図4Bは図4Aのカバーフレームを180度回転させた状態の斜視図である。また、図5Aはカバーフレームに装着されるシールド板の平面図、図5Bはシールド部材の斜視図である。
【0045】
カバー部材11は、図2に示すように、カバーフレーム12と、このカバーフレーム12に着脱自在に装着されるシールド板17とを有している。カバーフレーム12は、図4に示すように、間に所定の隙間120をあけて対向する一対の指片部12a、12bと、これらの指片部12a、12bの一端を連結する連結片部12cと、を有し、これらは一体に結合されて平面視で略U字状の板体を形成しており、また、電気絶縁性の樹脂成型体で形成されている。一対の指片部12a、12bの長手方向の長さはハウジング4に設けられた収容室5の左右内壁5e、5fの長さと略同じに設定されており、この一対の指片部12a、12bは所定の肉厚を有する板状片で構成されている。この一対の指片部12a、12bの対向する側壁面には、シールド板17が挿入される溝121、121が形成されている。さらに、連結片部12cは、一対の指片部12a、12bの端部を繋ぐ連結板部12c'と、この連結板部12c'の端部に設けた回転軸部14とで構成されている。加えて、連結板部12c'の上面のほぼ中央部には、シールド板17を支持する支持片13が形成されている。
【0046】
カバーフレーム12の回転軸部14は、ハウジング4の肉厚より若干小さい直径を有する略円形の柱状体からなり、両端に枢軸14a、14bを有すると共に、これらの枢軸14a、14bの間にFPCが挿通される挿通孔15が形成されている。また、この挿通孔15の下面には、連結板部12c'の端部と略平行に、且つ連結板部12c'に対して離間する方向へ突出した舌状の作動片16が形成されている。また、この作動片16の上面には、第2コンタクト端子3の先端部3a'が挿入・載置される複数個の載置溝161〜16nが略等間隔に形成されている。
【0047】
シールド板17は、図5Aに示すように、カバーフレーム12の一対の指片部12a、12bの間に装着してこの両指片部12a、12b間の隙間120を塞ぐ矩形状の金属板材で形成されている。具体的には、対向する長辺17a、17b及び短辺17c、17dを有する矩形状の金属板材で形成されている。各長辺17a、17bはカバーフレーム12の一対の指片部12a、12b間の長さと略同一に設定され、各短辺17c、17dは各指片部12a、12bの長手方向の長さと略同一に設定されている。一方の長辺17bには、間に所定の隙間170をあけて立設する一対の突起171、171が形成されている。そして、このシールド板17をカバーフレーム12に装着する際に、この隙間170に連結板部12c'の支持片13が入り込むことでシールド板17が固定される。
【0048】
シールド部材18は、図5Bに示すように、ハウジング4の幅長と略同じ長さの隙間180をあけて対向する一対の取付け部18a、18bと、これらの取付け部18a、18bの端部同士を連結する連結部18cと、この連結部18cから隙間180が設けられた方向へ突出した2本のバネ片18c'、18c'と、を有し、これらは一枚の金属板に打抜き折曲加工を施すことより一体に形成されている。一対の取付け部18a、18bはほぼ同じ形状を有し、ハウジング4の肉厚と略同じ大きさのU字状隙間181、181を有している。また、2本のバネ片18c'、18c'はバネ板片からなり、シールド部材18がハウジング4に装着されたときにカバー部材11を押圧して固定する働きをする。
【0049】
次に、主に図6及び図7を参照して、第1、第2コンタクト端子2、3について説明する。なお、図6Aは第1コンタクト端子の斜視図、図6Bは図6Aに示す第1コンタクト端子の側面図である。また、図7Aは第2コンタクト端子の斜視図、図7Bは図7Aに示す第2コンタクト端子の側面図である。
【0050】
第1コンタクト端子2は、ハウジング4の前方、すなわちハウジング4の前壁4c側に配設されるものである。詳しくは、図6Aに示すように、一端に形成されたコンタクト部2aと、他端に形成されたリード線等への接続部2bと、このコンタクト部2aと接続部2bとの間に形成されたハウジング4への固定部2cとを有し、良導電性の金属片で形成されている。コンタクト部2aは、図6Bに示すように、固定部2c近傍で僅かに折り曲げられて延在することで、上方へ持ち上げられるように傾斜しており、さらに、その先端部2a'近傍で下方へ折り曲げられた形状を有している。このようにコンタクト部2aを所定角度に傾斜させることにより、ハウジング4にこの第1コンタクト端子2の固定部2cを固定した際、FPCを押圧する方向に作用する弾性バネ力が付与される。また、接続部2bは、その中間部で下方へなだらかなクランク状に湾曲しており、その先端部付近は固定部2cから見て下方に落ち込んだ形状となっている。
【0051】
第2コンタクト端子3は、ハウジング4の後方、すなわちハウジング4の後壁4d側に配設されるものである。詳しくは、図7Aに示すように、一端に形成されたコンタクト部3aと、他端に形成されたリード線等への接続部3bと、このコンタクト部3aと接続部3bとの間に形成されたハウジング4への固定部3cとを有し、良導電性の金属片で形成されている。コンタクト部3aは、図7Bに示すように、固定部3cに対して水平に延在しており、その先端部3a'付近で下方へ折り曲げられた形状を有している。加えて、この先端部3a'は作動片16の溝内に当接される。また、接続部3bは、その中間部で下方へなだらかなクランク状に湾曲しており、その先端部付近は固定部3cから見て下方に落ち込んだ形状となっている。
【0052】
次に、図1〜図10を参照して、これらの部材を用いたFPC用コネクタ1の組み立て及びFPCの取付け方法を説明する。なお、図8は組立てたコネクタを示し、図8Aは正面図、図8Bは上面図、図8Cは背面図、図8Dは左側面図、図8Eは右側面図である。また、図9Aは図8AのIXA−IXA線の断面図、図9Bは図8AのIXB−IXB線の断面図である。さらに、図10は図9の状態からカバー部材を持ち上げた状態を示し、図10A及び図10Bは図9A及び図9Bに対応した断面図である。
【0053】
先ず、第1コンタクト端子2をハウジング4に位置決め固定する。この第1コンタクト端子2の位置決め固定は、複数本の第1コンタクト端子2をハウジング4の前壁4cの前方端子挿入口71〜7nへそれぞれ挿入する。これらの前方端子挿入口71〜7nは収容室5の底壁5bに設けられた細溝81〜8nへ連通しているので、前方端子挿入口71〜7nへそれぞれ挿入された第1コンタクト端子2のコンタクト部2aは細溝81〜8nから収容室5へ向かって突出した状態となる。なお、この第1コンタクト端子2の固定部2cは前方端子挿入口71〜7n付近で固定される。そして、この固定部2cの固定に伴って、コンタクト部2aは各細溝81〜8n内に上下動可能に固定される。
【0054】
次いで、カバー部材11をハウジング4に装着する。このカバー部材11の装着は、先ず、シールド板17をカバーフレーム12に装着しておき、このシールド板17を装着したカバーフレーム12の枢軸14a、14bをハウジング4の軸受溝6a、6bにそれぞれ嵌め込んで回動自在に固定する。続いて、第2コンタクト端子3をハウジング4に位置決め固定する。この位置決め固定は、複数本の第2コンタクト端子3をハウジング4の後壁4dの後方端子挿入口91〜9nへそれぞれ挿入する。これらの後方端子挿入口91〜9nは収容室5の奥内壁5dに設けられた細溝101〜10nへ連通しているので、各細溝101〜10nへ挿入された第2コンタクト端子3は、固定部3cが後方端子挿入口91〜9n近傍で固定され、これに伴って、それぞれのコンタクト部3aは細溝101〜10n内に上下動可能に固定される。同時に第2コンタクト端子3の先端部3a'が作動片16のそれぞれの載置溝161〜16n上に載置される(図9B参照)。
【0055】
最後に、シールド部材18をハウジング4に固定する。詳しくは、シールド部材18の一対の取付け部18a、18bに形成されたU字状隙間181、181にハウジング4の左右壁4e、4fを挿入することで、取付け部18a、18bで左右壁4e、4fを掴持させることにより固定する。シールド部材18がハウジング4に固定されると、シールド部材18のバネ片18c'、18c'がカバー部材11を押圧する。この押圧により、カバー部材11はハウジング4の収容室5内へ押し込められると共に、FPCの装着時にFPC導体が第1、第2コンタクト端子2、3に圧接されて良好な接続が保持される。
【0056】
次に、図9及び図10を参照して、カバー部材11の開閉動作に付随する第2コンタクト端子3の動作について説明する。
図9A及び図9Bに示すように、シールド部材18がハウジング4に装着されると、シールド部材18のバネ片18c'、18c'がカバー部材11に当接し、このカバー部材11がハウジング4の収容室5内に押し込められる。この状態では第2コンタクト端子3の先端部3a'がカバーフレーム12の作動片16の載置溝161〜16n内にそれぞれ入り込んで載置されている。この状態においては、第2コンタクト端子3のコンタクト部3aは作動片16により上方に持ち上げられた状態で維持されている。
【0057】
この状態からシールド部材18のバネ片18c'、18c'の付勢力に抗してカバー部材11を上方へ持ち上げると、図10A及び図10Bに示すように、このカバー部材11は回転軸部14を中心に図10における時計方向に回動すると共にこの回転軸部14に一体に設けられた作動片16も時計方向へ回転する。よって、このようにカバー部材11を上方へ持ち上げた場合には作動片16による第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの持ち上げが解除され、この第2コンタクト端子3のコンタクト部3aは固定部3cに対して水平に延在した状態となる。
【0058】
反対に、カバー部材11を閉じる、すなわちカバー部材11をシールド部材18のバネ片18c'、18c'の復元力により下方へ下げると、図9A及び図9Bに示すように、このカバー部材11は回転軸部14を中心に図9における反時計方向に回動すると共にこの回転軸部14に一体に設けられた作動片16も反時計方向へ回転する。よって、このようにカバー部材11を上方へ持ち上げた場合には作動片16により第2コンタクト端子3のコンタクト部3aが上方へ持ち上げられた状態に戻る。
【0059】
したがって、第2コンタクト端子3のコンタクト部3aはカバー部材11の開閉動作に追従して上下動することになる。このようにカバー部材11の動作とコンタクト部3aとの動作を同期させることにより、FPCがハウジング4に装着されたときには第2コンタクト端子3とFPC導体との接触圧を高めることができるので互いの接続状態が良好になる。
【0060】
以下には、主に図9〜図12を参照して、FPC用コネクタ1へのFPCの取付けを説明する。なお、図11及び図12はコネクタにFPCを装着する説明図であって、図11は図10に、図12は図9にそれぞれ対応している。
【0061】
FPCが接続される前のFPC用コネクタ1は、図8及び図9に示すように、カバー部材11がハウジング4の収容室5に嵌り込んでいる。そして、この状態のFPC用コネクタ1にFPCの接続を行う際は、先ず、この状態から例えばカバー部材11の先端を指でつまみ、シールド部材18のバネ片18c'、18c'の押圧力に抗してハウジング4の上方へ持ち上げる。カバー部材11を持ち上げると、図10A及び図10Bに示すように、カバー部材11は回転軸部14とともに回転して、ハウジング4とカバー部材11との間が側面視でくの字状に開く。そして、このくの字状の隙間に、図11A及び図11Bに示すように、FPCをカバー部材11に沿って挿入し挿通孔15を挿通させて、FPCの先端部を差込溝10FPC内に差し込むことでFPC導体C2を第2コンタクト端子3のコンタクト部3aに接触させる。なお、FPCの第1、第2コンタクト端子2、3に接触する部分は絶縁被覆が剥離されており、この部分からFPC導体C1、C2が露出している。これらのFPC導体C1、C2は、第1、第2コンタクト端子2、3のコンタクト部2a、3aにそれぞれ接触する接点となっている。したがって、これらのFPC導体C1、C2は第1、第2コンタクト端子2、3の各コンタクト部2a、3aに接触する位置に位置決めされている。
【0062】
FPCの端部を挿通孔15に挿通すると、図12A及び図12Bに示すように、カバー部材11を回転軸部14を中心に回転させてカバー部材11の先端部を下降させ、ハウジング4の収容室5内に戻す。このカバー部材11を戻す過程において、作動片16は回転軸部14の回動に追従して回動し、作動片16の載置溝161〜16nにより第2コンタクト端子3の先端部3a'が上方へ持ち上げられる。そして、この先端部3a'の持ち上げに伴ってコンタクト部3aも上方に持ち上がり、FPC導体C2に圧接して良好な電気的接続を行う。
【0063】
このとき、FPCの先端部は差込溝10FPCの上壁と第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの間に挟まれた状態で挟持されると共に、このFPCの挿通孔15に挿通された部分は屈曲されて保持される。詳しく言えば、挿通孔15の上面と第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの上端部との間に形成される隙間の長さL(図9B参照)がFPCの肉厚よりも狭く設定されているため、本願のFPC用コネクタ1に差し込まれたFPCは、その先端部は第2コンタクト端子3のコンタクト部3aの付勢力により上方に持ち上げられるが、挿通孔15に挿通された部分は挿通孔15の上面に当接することで上方への持ち上げが規制される。よって、挿通孔15に挿通された部分が屈曲した状態となる。このようにFPCの一部に屈曲部分を形成すると、FPCは機械的に強固に固定されて抜け止めがなされる。
【0064】
また、カバー部材11を元の位置に戻すことにより、FPCがカバー部材11に押圧されて収容室5の底壁5bに圧接されるので、この底壁5bから突出した第1コンタクト端子2のコンタクト部2aとFPC導体C1とが良好に接続される。
【0065】
上述のようにFPCを差し込んだ状態でカバー部材11を収容室5内に戻すと、カバー部材11に当接しているシールド部材18のバネ片18c'、18c'によりカバー部材11が機械的に保持される。このカバー部材11の保持により、FPCが強固に固定されて抜け止めされると共に、FPC導体C1、C2と第1、第2コンタクト端子2、3との間で良好な電気的接続が得られる。
【0066】
以上の構成を備えることにより、本実施例に係るFPC用コネクタ1は、カバー部材11の回転軸部10にFPCが挿通される挿通孔15を形成したことにより、この回転軸部14がFPCの差込み経路と重なる位置、すなわち第1、第2コンタクト端子2、3の間に配設できるので、コネクタ自体を薄型にすることができるようになる。また、上述のように挿通孔15に挿通された部分のFPCを屈曲させた状態で保持するので、FPCを強固に固定することができるようになり、FPCの抜けを防止することができるようになる。
【0067】
また、上記実施例に係るFPC用コネクタ1は、挿通孔15の下面に第2コンタクト端子3の先端部3a'が載置される載置溝161〜16nを有する作動片16を設けたことで、この作動片16の動作に追従して第2コンタクト端子3を上下動させることができるようになる。したがって、カバー部材11を閉じた際に第2コンタクト端子3を上方へ持ち上げることでFPCのFPC導体C2に圧接接続させることができ、良好な電気的接続が得られる。さらに、カバー部材11はシールド部材18のバネ片18c'、18c'により常に下方に押圧されているので、カバー部材11はハウジング4に強固に圧接されている。したがって、FPC導体C1と第1コンタクト端子2のコンタクト部2aとはカバー部材11により圧接接続されることになり、良好な電気的接続が得られる。
【0068】
さらにまた、上記実施例に係るFPC用コネクタ1においては、シールド板17とシールド部材18とによりハウジング4全体がほぼ覆われた状態となるので、外部からのノイズがFPC導体C1、C2と第1、第2コンタクト端子2、3との接続部分に及ぶことがなく、ノイズが入り込み難いコネクタが得られる。
【0069】
以上、本発明の最良の実施形態を説明したが、本発明はこのFPC用コネクタに限定されず、例えば、第2コンタクト端子を省いて、1種類の第1コンタクト端子を使用したコネクタに変更してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 FPC用コネクタ
2 第1コンタクト端子
3 第2コンタクト端子
2a、3a コンタクト部
2a'、3a' 先端部
4 (コネクタ)ハウジング
5 収容室
6a、6b 軸受溝
71〜7n 前方端子挿入口
91〜9n 後方端子挿入口
11 カバー部材
12 カバーフレーム
14 回転軸部
15 挿通孔
16 作動片
17 シールド板
18 シールド部材
18c' バネ片(弾性片)
C1、C2 FPC導体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のコンタクト端子と、前記コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にフレキシブル基板(以下、FPCという)が収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本のコンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部は前記収容室内の前記複数本のコンタクト端子のコンタクト部の後方に枢支されていることを特徴とするフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項4】
前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項5】
複数本の第1、第2コンタクト端子と、前記第1、第2コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にFPCが収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本の第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記複数本の第2コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の後方に所定感覚で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部が前記収容室内の前記第1、第2コンタクト端子の各コンタクト部の間に枢支されていることを特徴とするフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項6】
前記回転軸部は、前記挿通孔の前記FPC端部の出口側に前記第2コンタクト端子の先端部が載置される作動片を設けたことを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項8】
前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項9】
前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項10】
前記コネクタハウジングには、前記第1、第2コンタクト端子をそれぞれ等間隔で配設するとともに、前記第1コンタクト端子同士の間隙の延長線上に前記第2コンタクト端子が配設されていることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項1】
複数本のコンタクト端子と、前記コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にフレキシブル基板(以下、FPCという)が収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本のコンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部は前記収容室内の前記複数本のコンタクト端子のコンタクト部の後方に枢支されていることを特徴とするフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項4】
前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項5】
複数本の第1、第2コンタクト端子と、前記第1、第2コンタクト端子が所定間隔で装着されると共にFPCが収容される収容室を有する電気絶縁性のコネクタハウジングと、前記収容室内に回転軸部で枢支されて前記収容室を開閉自在に覆うカバー部材と、を備えるフレキシブル基板用コネクタにおいて、
前記複数本の第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の前方に所定間隔で横一列に配列され、
前記複数本の第2コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記収容室の後方に所定感覚で横一列に配列され、
前記カバー部材は、前記回転軸部に前記FPCが挿通される挿通孔が形成されており、前記回転軸部が前記収容室内の前記第1、第2コンタクト端子の各コンタクト部の間に枢支されていることを特徴とするフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項6】
前記回転軸部は、前記挿通孔の前記FPC端部の出口側に前記第2コンタクト端子の先端部が載置される作動片を設けたことを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記回転軸部を有する電気絶縁性のカバーフレームと、前記カバーフレームに着脱自在に装着されるシールド板とを有していることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項8】
前記コネクタハウジングの前記カバー部材が装着された周囲がシールド部材で覆われていることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項9】
前記シールド部材は、その一部に弾性片を備える金属板材からなり、前記弾性片は前記カバー部材が前記収容室を閉成する方向に付勢力を有していることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【請求項10】
前記コネクタハウジングには、前記第1、第2コンタクト端子をそれぞれ等間隔で配設するとともに、前記第1コンタクト端子同士の間隙の延長線上に前記第2コンタクト端子が配設されていることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−206097(P2009−206097A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42939(P2009−42939)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(506110586)エムイーエィ テクノロジーズ プライベート リミテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(506110586)エムイーエィ テクノロジーズ プライベート リミテッド (19)
【Fターム(参考)】
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