説明

フレーム中継装置、経路学習プログラム、および経路学習方法

【課題】ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別すること。
【解決手段】フラッディング処理部131は、フレームの送信元と同一サブネット内にフラッディングされるフレームにはフラグ「0」を付加し、サブネットを跨いでフラッディングされるフレームにはフラグ「1」を付加する。フラグ判定部132は、フラグ「0」が付加されたフレームを送信元登録部126−1へ出力し、フラグ「1」が付加されたフレームを帯域制御部124−2へ出力する。送信元登録部126−1は、フレームの送信元アドレスと入力ポートの対応をフラグ「0」とともに学習テーブル127−1に学習させる。送信元登録部126−2は、帯域制御部124−2による帯域制御後のフレームの送信元アドレスと入力ポートの対応をフラグ「1」とともに学習テーブル127−2に学習させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム中継装置、経路学習プログラム、および経路学習方法に関し、特に、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができるフレーム中継装置、経路学習プログラム、および経路学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば企業などに設置された複数の通信端末装置は、互いに通信可能に接続されLAN(Local Area Network)を構成するのが一般的である。さらに、LANを構成する通信端末装置が物理的な接続状況に関わらず論理的にグループ化され、LANの中に複数のVLAN(Virtual LAN)が形成されることもある。VLANが形成されることにより、同一のVLANに属する通信端末装置は、1つのLANに属する通信端末装置のように相互に通信することができるとともに、異なるVLANに属する通信端末装置は、物理的な接続状態とは無関係に互いを区別することができる。
【0003】
このようなVLANを構成する際、例えば特許文献1においては、各VLAN内で独自に使用されるプライベートIPアドレスとVLANの外部で共通して使用されるグローバルIPアドレスとを変換するアドレス変換装置を設けることにより、VLAN内およびVLAN間で効率的にフレームをルーティングすることが開示されている。特に、特許文献1においては、VLANごとにアドレス変換に用いるテーブルを切り替えることにより、1つのアドレス変換装置によって複数のVLANに対応するアドレス変換が可能となる。
【0004】
ところで、VLAN内では、さらに通信端末装置を論理的にグループ化し、複数のサブネットを構成することが可能である。そして、これらのサブネットは、L2スイッチ(レイヤ2スイッチ)を介して接続されることがある。すなわち、例えば図6に示すように、VLANがサブネット#1およびサブネット#2に分割され、サブネット#1にL2スイッチ10が配置され、サブネット#2にL2スイッチ20が配置されている場合、L2スイッチ10とL2スイッチ20とを互いに接続することにより、サブネット#1とサブネット#2が接続される。
【0005】
図6に示すVLAN構成では、サブネット#1に属する通信端末装置がサブネット#2に属する通信端末装置へフレームを送信する場合、このフレームは、L2スイッチ10およびL2スイッチ20によって中継されることになる。このように、サブネットを跨ぐフレームは、必ずL2スイッチ10とL2スイッチ20の間の経路を伝送されることになるため、例えばサブネット内の通信とサブネット間の通信とに異なる料金体系が適用される場合などは、フレームがL2スイッチ10とL2スイッチ20の間の経路を伝送されたか否かにより、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−20170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、複数のサブネットそれぞれにL2スイッチを配置する場合には、各サブネットに配置されたL2スイッチを互いに接続するためにそれぞれのL2スイッチのポートが消費されてしまい、限られた数のポートを浪費してしまうという問題がある。
【0008】
具体的には、図6に示したVLAN構成において、L2スイッチ10とL2スイッチ20とが互いに接続されているため、一方のL2スイッチは、他方のL2スイッチと接続するためのポートを1つ確保しなければならない。このため、サブネット内の通信端末装置に接続可能なポートが1つ浪費され、多くの通信端末装置と接続するポートを確保するためには、1つのサブネット内により多くのL2スイッチを配置する必要が生じる。結果として、VLANを構成するためのコストが増大してしまう。
【0009】
また、図6に示したVLAN構成においては、サブネットごとにL2スイッチが配置されるため、サブネットの数が増大すれば、必要となるL2スイッチの数も増大し、VLANを構成するためのコストがさらに増大してしまう。
【0010】
一方で、複数のサブネットが1つのL2スイッチを介して接続されるVLAN構成とすれば、L2スイッチのポートの浪費やL2スイッチ数の増大によるコストの増大を抑制することができるものの、フレームの伝送経路によってサブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができない。すなわち、図6に示したVLAN構成においては、L2スイッチ10とL2スイッチ20の間の経路におけるフレームの伝送の有無により、通信の種別を判断することが可能であるが、2つのサブネット間に1つのL2スイッチが配置される構成では、サブネット内の通信においてもサブネット間の通信においてもフレームがL2スイッチによって中継されることになり、両者を区別することができない。
【0011】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができるフレーム中継装置、経路学習プログラム、および経路学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係るフレーム中継装置は、第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定手段と、前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットに接続する場合に、出力ポートを介してフレームを第1のサブネットへ伝送する第1の伝送手段と、前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続する場合に、出力ポートを介してフレームを第2のサブネットへ伝送する第2の伝送手段とを有する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、同一サブネット内におけるフレームの伝送とサブネットを跨いだフレームの伝送とがフレーム中継装置内の異なる経路を経由して行われるため、2つのサブネットを1つのフレーム中継装置によって接続しても、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。換言すれば、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。
【0014】
また、本発明に係るフレーム中継装置は、第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定手段と、前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加手段と、前記取得手段によって取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加手段によってフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録手段とを有する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、同一サブネット内におけるフレームの伝送経路とサブネットを跨いだフレームの伝送経路とを区別するフラグをアドレスとポートの対応関係とともに学習テーブルに登録するため、以後、学習テーブルを参照して新たにフレームの出力ポートを決定する際には、このフレームがサブネットを跨いで伝送されるか否かを出力ポートに対応して登録されたフラグから判別することができる。したがって、2つのサブネットを1つのフレーム中継装置によって接続しても、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。換言すれば、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。
【0016】
また、本発明に係るフレーム中継装置は、上記構成において、前記設定手段は、フレームの宛先アドレスが前記登録手段によって学習テーブルに登録済みである場合に、学習テーブルにおいてフレームの宛先アドレスに対応するポートをフレームの出力ポートとして設定する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、フレームの宛先アドレスが学習済みである場合に、学習済みのポートを出力ポートとするため、すべてのポートからフレームを出力するフラッディングを行うことなく、所望の宛先アドレスへフレームを伝送することができる。
【0018】
また、本発明に係るフレーム中継装置は、上記構成において、前記付加手段は、前記設定手段によって設定された出力ポートに対応して学習テーブルに記憶されているフラグをフレームに付加する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、アドレスおよびポートの対応関係の学習時に記憶されたフラグをフレームに付加するため、フレームがサブネットを跨いで伝送されるか否かをフラグに付加されたフラグから容易に区別することができる。
【0020】
また、本発明に係るフレーム中継装置は、上記構成において、前記設定手段は、フレームの宛先アドレスが前記登録手段によって学習テーブルに未登録である場合に、フレームの入力ポート以外の全ポートを出力ポートとして設定する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、フレームの宛先アドレスが未学習である場合に、すべてのポートからフレームを出力するフラッディングを行うため、確実にフレームを宛先アドレスへ伝送することができる。
【0022】
また、本発明に係るフレーム中継装置は、上記構成において、前記付加手段は、前記設定手段によって設定された出力ポートに応じてフレームを複製し、得られた複数の複製フレームのうち、第1のサブネットに対応する出力ポートが設定された複製フレームには第1のサブネットに接続することを示すフラグを付加し、第2のサブネットに対応する出力ポートが設定された複製フレームには第2のサブネットに接続することを示すフラグを付加する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、フラッディング時の出力ポートが対応するサブネットに応じたフラグをフレームに付加するため、フレームがサブネットを跨いで伝送されるか否かをフラグに付加されたフラグから容易に区別することができる。結果として、フレームの送信元アドレスへ向かう伝送経路がサブネットを跨ぐか否かを学習することができる。
【0024】
また、本発明に係るフレーム中継装置は、前記付加手段によってフレームに付加されたフラグがフレームの出力ポートが第2のサブネットに接続することを示す場合に、フレームの帯域を第2のサブネットに適した帯域に制御する帯域制御手段と、前記帯域制御手段によって帯域が制御されたフレームを出力ポートから出力する出力手段とをさらに有する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、異なるサブネットへ伝送されるフレームに対しては、帯域制御を行ってから出力するため、フレームがサブネットを跨いで伝送される場合に、出力ポートに接続されるサブネットに適合した帯域のフレームを出力することができる。
【0026】
また、本発明に係る経路学習プログラムは、コンピュータによって実行される経路学習プログラムであって、前記コンピュータに、第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得ステップと、前記取得ステップにて取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定ステップと、前記設定ステップにて設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加ステップと、前記取得ステップにて取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加ステップにてフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録ステップとを実行させる。
【0027】
また、本発明に係る経路学習方法は、第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得ステップと、前記取得ステップにて取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定ステップと、前記設定ステップにて設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加ステップと、前記取得ステップにて取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加ステップにてフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録ステップとを有するようにした。
【0028】
これらによれば、同一サブネット内におけるフレームの伝送経路とサブネットを跨いだフレームの伝送経路とを区別するフラグをアドレスとポートの対応関係とともに学習テーブルに登録するため、以後、学習テーブルを参照して新たにフレームの出力ポートを決定する際には、このフレームがサブネットを跨いで伝送されるか否かを出力ポートに対応して登録されたフラグから判別することができる。したがって、2つのサブネットを1つのフレーム中継装置によって接続しても、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。換言すれば、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。
【発明の効果】
【0029】
本明細書に開示されたフレーム中継装置、経路学習プログラム、および経路学習方法によれば、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施の形態に係るVLAN構成の一例を示す図である。
【図2】一実施の形態に係るL2スイッチの要部構成を示すブロック図である。
【図3】一実施の形態に係るポートテーブルの一例を示す図である。
【図4】一実施の形態に係る学習テーブルの一例を示す図である。
【図5】一実施の形態に係るL2スイッチの動作を示すフロー図である。
【図6】VLAN構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施の形態においては、フレームを中継するフレーム中継装置は、宛先アドレスに対応するポートが未学習であるフレームについて、このフレームがフラッディングされる際、各ポートから出力されるフレームがサブネットを跨いでフラッディングされるものであるか否かを示すフラグをフレームに付与し、フレームに付与されたフラグを含めて宛先アドレスに対応するポートを学習する。以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、フレーム中継装置の一例としてL2スイッチを挙げながら説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態に係るVLAN構成の一例を示す図である。同図に示すように、本実施の形態においては、VLANがサブネット#1およびサブネット#2に分割されており、これらの2つのサブネットがL2スイッチ100のみを介して接続されている。したがって、サブネット#1に属する通信端末装置から送信されたフレームは、宛先アドレスがサブネット#1内のアドレスであるかサブネット#2内のアドレスであるかに関わらず、必ずL2スイッチ100を経由して転送されることになる。同様に、サブネット#2に属する通信端末装置から送信されたフレームも、必ずL2スイッチ100を経由して転送される。
【0033】
図2は、本実施の形態に係るL2スイッチ100の要部構成を示すブロック図である。同図に示すL2スイッチ100は、大きく分けてサブネット#1およびサブネット#2のそれぞれに対応する入出力ポート部110−1、110−2、ドメイン処理部120−1、120−2、および転送部130−1、130−2を有している。入出力ポート部110−2、ドメイン処理部120−2、および転送部130−2は、対応するサブネットがサブネット#2である点以外は、それぞれ入出力ポート部110−1、ドメイン処理部120−1、および転送部130−1と同様であるため、以下においては、サブネット#1に対応する入出力ポート部110−1、ドメイン処理部120−1、および転送部130−1のみについて説明する。
【0034】
入出力ポート部110−1は、例えば複数のポートを備えており、それぞれのポートを介してサブネット#1に属する通信端末装置と接続する。そして、入出力ポート部110−1は、サブネット#1に属する通信端末装置から送信されたフレームをポートからL2スイッチ100へ入力したり、L2スイッチ100が中継するフレームをポートからサブネット#1に属する通信端末装置へ出力したりする。なお、サブネット#1に属する個々の通信端末装置には、独自のMAC(Medium Access Control)アドレスが割り当てられており、入出力ポート部110−1の各ポートは、接続先の通信端末装置に割り当てられたMACアドレスに対応していることになる。また、各ポートにおいて入出力されるフレームには、送信元の通信端末装置のMACアドレス(以下、単に「送信元アドレス」という)と宛先の通信端末装置のMACアドレス(以下、単に「宛先アドレス」という)が含まれている。
【0035】
ドメイン処理部120−1は、サブネット#1から入力されたフレームに対する入力時の処理や、サブネット#1へ出力されるフレームに対する出力時の処理を実行する。具体的には、ドメイン処理部120−1は、ドメインID付与部121−1、宛先判定部122−1、ポートテーブル123−1、帯域制御部124−1、ID変換部125−1、送信元登録部126−1、および学習テーブル127−1を有している。
【0036】
ドメインID付与部121−1は、入出力ポート部110−1から入力されたフレームに対して、サブネット#1に対応する固有のドメインIDを付与する。すなわち、ドメインID付与部121−1は、フレームの送信元が属するサブネットに固有のドメインIDをフレームに付与する。ドメインIDは、L2スイッチ100内でフレームの送信元のサブネットを識別するため使用される。
【0037】
宛先判定部122−1は、学習テーブル127−1を参照して、フレームに付与されたドメインIDおよびフレームに含まれる宛先アドレスに対応する出力ポートを検索する。この結果、ドメインIDおよび宛先アドレスに対応する出力ポートが学習テーブル127−1において学習済みであれば、宛先判定部122−1は、出力ポートとともに学習テーブル127−1に記憶されているフラグをフレームに付加した上で、このフレームが検索された出力ポートから出力されるように設定し、転送部130−1へ出力する。また、ドメインIDおよび宛先アドレスに対応する出力ポートが学習テーブル127−1において未学習であれば、宛先判定部122−1は、このフレームをポートテーブル123−1へ出力する。
【0038】
ポートテーブル123−1は、サブネットと入出力ポート部110−1、110−2におけるポートとの対応関係を記憶している。すなわち、ポートテーブル123−1は、例えば図3に示すように、サブネットごとに固有のドメインIDと各ポートのポート番号とを対応付けて記憶している。図3に示す例では、サブネット#1に対応するドメインID「sub1」に1〜7番のポートが対応付けられており、サブネット#2に対応するドメインID「sub2」に8〜14番のポートが対応付けられている。これは、入出力ポート部110−1が1〜7番のポートを備えており、入出力ポート部110−2が8〜14番のポートを備えていることを意味している。
【0039】
そして、ポートテーブル123−1は、出力ポートが未学習のフレームが宛先判定部122−1から入力されると、フレームを転送部130−1へ出力するとともに、このフレームの入力ポート以外のすべてのポートをフレームのフラッディング対象のフラッディングポートとして、フラッディングポートのポート番号を転送部130−1へ通知する。このとき、ポートテーブル123−1は、それぞれのフラッディングポートに対応するドメインIDも併せて転送部130−1へ通知する。
【0040】
帯域制御部124−1は、サブネット#2に対応する転送部130−2から出力されるフレームについて帯域制御を実行し、サブネット#1に対応するフレームに変換する。すなわち、サブネット#1およびサブネット#2では、一般的に要求されるフレームのサービス品質(QoS:Quality of Service)が異なるため、帯域制御部124−1は、サブネット#2からサブネット#1へ伝送されるフレームに対して、サブネット#1に対応したサービス品質となるように帯域制御を実行する。
【0041】
ID変換部125−1は、帯域制御部124−1によって帯域制御されたフレームに付与されたドメインIDをサブネット#1に固有のドメインIDに変換する。そして、ID変換部125−1は、ドメインID変換後のフレームを送信元登録部126−1へ出力する。
【0042】
送信元登録部126−1は、サブネット#2からのID変換部125−1経由のフレーム、またはサブネット#1からの転送部130−1経由のフレームが入力されると、フレームの送信元アドレスを取得し、新たな宛先アドレスと出力ポートの対応関係を学習テーブル127−1に学習させる。すなわち、送信元登録部126−1は、フレームの送信元アドレスを取得するとともに、このフレームが入力された入力ポートを検知し、送信元アドレスおよび入力ポートをそれぞれ宛先アドレスおよび出力ポートとして学習テーブル127−1に登録する。
【0043】
ここで、フレームの送信元アドレスが示す通信端末装置は、フレームの入力ポートに接続されているため、この入力ポートからフレームを出力すれば、フレームは上記の通信端末装置に届くことになる。したがって、送信元登録部126−1は、入力されたフレームの送信元アドレスと入力ポートをそれぞれ宛先アドレスと出力ポートとして学習テーブル127−1に登録する。このとき、送信元登録部126−1は、フレームに付加されているフラグおよびドメインIDを同時に学習テーブル127−1に登録する。ここで登録されるフラグは、後述するように、フレームがサブネットを跨って伝送されるか否かを示すフラグである。
【0044】
学習テーブル127−1は、フレームの宛先アドレスと出力ポートの対応関係を記憶する。すなわち、学習テーブル127−1は、L2スイッチ100に入力されたフレームの送信元アドレスと入力ポートの対応関係を宛先アドレスと出力ポートの対応関係として学習する。また、学習テーブル127−1は、宛先アドレスと出力ポートの対応関係の学習の際に参照されたフレームが、サブネットを跨って伝送されるものであるか否かを示す識別情報を、フラグとして記憶する。
【0045】
具体的には、学習テーブル127−1は、例えば図4に示すように、宛先アドレス、送信元アドレス、ドメインID、出力ポート、およびフラグを記憶している。宛先アドレスは、既にL2スイッチ100によって中継されたフレームの送信元アドレスに一致し、送信元アドレスは、このフレームの宛先アドレスに一致する。
【0046】
また、ドメインIDは、サブネット#1内で転送されるフレームについては、サブネット#1に対応するドメインID付与部121−1によって付与されたドメインIDがそのまま登録されるため、サブネット#1に固有のドメインID「sub1」となる。一方、サブネット#2からサブネット#1へ転送されるフレームについては、サブネット#2に対応するドメインID付与部121−2によって付与されたドメインIDがID変換部125−1によって変換され、得られたドメインIDが登録されるため、ドメインIDは、やはりサブネット#1に固有のドメインID「sub1」となる。
【0047】
さらに、出力ポートは、サブネット#1内で転送されるフレームについては、入力ポートが入出力ポート部110−1に含まれるため、入出力ポート部110−1に備えられたポートのポート番号になるのに対し、サブネット#2からサブネット#1へ転送されるフレームについては、入力ポートが入出力ポート部110−2に含まれるため、入出力ポート部110−2に備えられたポートのポート番号となる。そして、サブネット#1内を転送されたフレームに応じたエントリにはフラグ「0」が記憶され、サブネットを跨いで転送されたフレームに応じたエントリにはフラグ「1」が記憶される。
【0048】
転送部130−1は、ポートテーブル123−1から入力されるフレームをフラッディングする一方、宛先判定部122−1から直接入力されるフレームを設定された出力ポートに対応するドメイン処理部120−1またはドメイン処理部120−2へ出力する。具体的には、転送部130−1は、フラッディング処理部131およびフラグ判定部132を有している。
【0049】
フラッディング処理部131は、ポートテーブル123−1から出力されたフレームの出力ポートを、ポートテーブル123−1から通知されたすべてのフラッディングポートとするフラッディング処理を行う。すなわち、フラッディング処理部131は、宛先アドレスに対応する出力ポートが未学習のフレームがポートテーブル123−1から出力されるため、このフレームがフレームの入力ポート以外のポートすべてから出力されるようにフラッディング処理を実行する。
【0050】
このとき、フラッディング処理部131は、それぞれのフラッディングポートから出力されるフレームを、該当するフレームを複製することにより生成し、それぞれのフレームの出力ポートをフラッディングポートに設定する。そして、フラッディング処理部131は、ポートテーブル123−1から通知されるフラッディングポートとドメインIDの対応関係を参照し、出力ポートがフレーム送信元と同一のサブネットに接続するポートである場合は、フレームにフラグ「0」を付加し、出力ポートがフレーム送信元と異なるサブネットに接続するポートである場合は、フレームにフラグ「1」を付加する。換言すれば、フラッディング処理部131は、フレームの送信元と同一サブネット内にフラッディングされるフレームにはフラグ「0」を付加し、サブネットを跨いでフラッディングされるフレームにはフラグ「1」を付加する。
【0051】
フラグ判定部132は、フレームに付加されたフラグが「0」であるか「1」であるかを判定し、フラグ「0」が付加されたフレームをドメイン処理部120−1の送信元登録部126−1へ出力し、フラグ「1」が付加されたフレームをドメイン処理部120−2の帯域制御部124−2へ出力する。具体的には、フラグ判定部132は、宛先アドレスに対応する出力ポートが学習済みのフレームが宛先判定部122−1から入力されると、宛先判定部122−1によってフレームに付加されたフラグを参照し、フラグ「0」が付加されていればフレームを送信元登録部126−1へ出力し、フラグ「1」が付加されていればフレームをドメイン処理部120−2の帯域制御部124−2へ出力する。また、フラグ判定部132は、宛先アドレスに対応する出力ポートが未学習のフレームの複製がフラッディング処理部131から入力されると、フラグ「0」が付加されたフレームの複製を送信元登録部126−1へ出力し、フラグ「1」が付加されたフレームの複製をドメイン処理部120−2の帯域制御部124−2へ出力する。
【0052】
次いで、上記のように構成されたL2スイッチ100の動作について、図5に示すフロー図を参照しながら説明する。以下においては、サブネット#1から送信されたフレームがL2スイッチ100に入力された場合の動作を具体的に示しながら説明するが、サブネット#2から送信されたフレームがL2スイッチ100に入力された場合も、各処理を実行する処理部の参照符号以外は同様の動作となる。
【0053】
まず、サブネット#1から送信されたフレームが入出力ポート部110−1に備えられたいずれかのポートから入力されると(ステップS101)、ドメインID付与部121−1によって、サブネット#1に固有のドメインID(例えば「sub1」)がフレームに付与される(ステップS102)。そして、宛先判定部122−1によって、フレームに含まれる宛先アドレスおよびフレームに付与されたドメインIDに対応する出力ポートが学習テーブル127−1に学習済みであるか否かが判断される(ステップS103)。
【0054】
この判断の結果、出力ポートが学習済みであれば(ステップS103Yes)、宛先判定部122−1によって、宛先アドレスおよびドメインIDに対応する出力ポートおよびフラグが学習テーブル127−1から取得され(ステップS104)、フレームにフラグが付加された上で、フレームの出力ポートが学習テーブル127−1から取得された出力ポートに設定され、転送部130−1のフラグ判定部132へ出力される。
【0055】
ここで、フレームにフラグが付加されることにより、出力ポートが学習済みのフレームについては、このフレームがサブネットを跨って転送されるか否かを判断することが可能となる。具体的には、フレームにフラグ「0」が付加されれば、このフレームはサブネット#1内で転送されることを意味しており、フレームにフラグ「1」が付加されれば、このフレームはサブネット#1からサブネット#2へ転送されることを意味している。これは、学習テーブル127−1における学習時に、フレームがサブネット内で転送されたものであれば宛先アドレスと出力ポートの対応関係とともにフラグ「0」が記憶されており、フレームがサブネットを跨いで転送されたものであれば宛先アドレスと出力ポートの対応関係とともにフラグ「1」が記憶されているためである。
【0056】
一方、宛先アドレスおよびドメインIDに対応する出力ポートが学習テーブル127−1において未学習であれば(ステップS103No)、フレームがポートテーブル123−1を経由して、転送部130−1のフラッディング処理部131へ出力される。同時に、ポートテーブル123−1からフラッディング処理部131へフレームの入力ポート以外のすべてのポート(フラッディングポート)と各フラッディングポートに対応するドメインIDとが通知され、フラッディング処理部131によって、フレームをフラッディングする対象となるフラッディングポートが取得される(ステップS105)。
【0057】
そして、フラッディング処理部131によって、フレームが複製され、それぞれのフレームの複製の出力ポートがフラッディングポートに設定されるとともに、出力ポートがサブネット#1に対応する入出力ポート部110−1のポートであればフラグ「0」が付加され、出力ポートがサブネット#2に対応する入出力ポート部110−2のポートであればフラグ「1」が付加される(ステップS106)。こうして出力ポートおよびフラグが設定されたフレームの複製は、それぞれフラグ判定部132へ出力される。
【0058】
ここで、フレームの複製にフラグが付加されることにより、出力ポートが未学習のフレームについては、このフレームの複製それぞれがサブネットを跨ってフラッディングされる複製であるか否かを判断することが可能となる。具体的には、フレームの複製にフラグ「0」が付加されれば、この複製はサブネット#1内にフラッディングされることを意味しており、フレームの複製にフラグ「1」が付加されれば、この複製はサブネット#1からサブネット#2へフラッディングされることを意味している。なお、フレームの複製は、それぞれ出力ポートおよびフラグが異なるものの、格納する情報自体は宛先アドレスおよび送信元アドレスを含めて同一であるため、以下においては特にフレームとフレームの複製とを区別することなく、両方をまとめて「フレーム」という。
【0059】
宛先判定部122−1またはフラッディング処理部131からフレームがフラグ判定部132へ出力されると、フラグ判定部132によって、フレームに付加されたフラグが「1」であるか否かが判定される(ステップS107)。換言すれば、フラグ判定部132によって、フレームがサブネットを跨って転送されるものであるか否かが判定される。
【0060】
この判定の結果、フレームにフラグ「1」が付加されていれば(ステップS107Yes)、フラグ判定部132によって、フレームがドメイン処理部120−2の帯域制御部124−2へ出力される。そして、帯域制御部124−2によって、フレームの帯域がサブネット#2に適合する帯域に制御され(ステップS108)、ID変換部125−2によって、フレームに付加されたドメインID(例えば「sub1」)がサブネット#2に固有のドメインID(例えば「sub2」)に変換される(ステップS109)。
【0061】
そして、送信元登録部126−2によって、フレームの送信元アドレスと入力ポートの対応関係が宛先アドレスと出力ポートの対応関係として学習テーブル127−2に登録される(ステップS110)。このとき、送信元登録部126−2によって、フレームに付加されたドメインIDおよびフラグも同時に学習テーブル127−2に記憶される。したがって、ここでは、ドメインIDが変換済みであるため、サブネット#2に固有のドメインID(例えば「sub2」)とフラグ「1」とが学習テーブル127−2に記憶される。
【0062】
このように、学習テーブル127−2に宛先アドレスと出力ポートの対応関係が学習される際にフレームに付加されたフラグが同時に記憶されるため、この宛先アドレスに対するフレームの中継において、フレームがサブネットを跨いで転送されるか否かも同時に記憶されたことになる。すなわち、上記のようにフラグ「1」が記憶された場合には、同時に学習された宛先アドレスに対するフレームの中継はサブネットを跨ぐことを示している。これは、学習された宛先アドレスがサブネット#1から送信されたフレームの送信元アドレスに一致しているため、この宛先アドレスへサブネット#2から転送されるフレームは、サブネットを跨ぐことに合致している。
【0063】
送信元登録部126−2による学習テーブル127−2への登録後、フレームは、入出力ポート部110−2に備えられたポートのうちフレームに設定された出力ポートから出力される(ステップS111)。こうしてフレームが出力されることにより、フレームの宛先アドレスに対応する出力ポートが学習済みであれば、宛先アドレスに対応する通信端末装置がフレームの出力ポートに接続しているため、フレームが所望の通信端末装置によって受信されることになる。また、フレームの宛先アドレスに対応する出力ポートが未学習であれば、宛先アドレスに対応する通信端末装置がフレームの出力ポートに接続しているとは限らないが、接続している場合にはフレームが正しく受信された旨の応答フレームが再びL2スイッチ100によって中継されることにより、新たにアドレスとポートの対応関係が学習されるのに対し、接続していない場合には応答がなく、誤ったアドレスとポートの対応関係が学習されることがない。
【0064】
一方、フラグ判定部132におけるフラグの判定の結果、フレームにフラグ「0」が付加されていれば(ステップS107No)、フラグ判定部132によって、フレームがドメイン処理部120−1の送信元登録部126−1へ出力される。そして、送信元登録部126−1によって、フレームの送信元アドレスと入力ポートの対応関係が宛先アドレスと出力ポートの対応関係として学習テーブル127−1に登録される(ステップS110)。このとき、送信元登録部126−1によって、フレームに付加されたドメインIDおよびフラグも同意に学習テーブル127−1に記憶される。したがって、ここでは、ドメインIDがドメインID付与部121−1によって付与されたままであるため、サブネット#1に固有のドメインID(例えば「sub1」)とフラグ「0」とが学習テーブル127−1に記憶される。
【0065】
このように、学習テーブル127−1に宛先アドレスと出力ポートの対応関係が学習される際にフレームに付加されたフラグが同時に記憶されるため、この宛先アドレスに対するフレームの中継において、フレームがサブネットを跨いで転送されるか否かも同時に記憶されたことになる。すなわち、上記のようにフラグ「0」が記憶された場合には、同時に学習された宛先アドレスに対するフレームの中継はサブネットを跨がないことを示している。これは、学習された宛先アドレスがサブネット#1から送信されたフレームの送信元アドレスに一致しているため、この宛先アドレスへサブネット#1から転送されるフレームは、サブネットを跨がないことに合致している。
【0066】
送信元登録部126−1による学習テーブル127−1への登録後、フレームは、入出力ポート部110−1に備えられえたポートのうちフレームに設定された出力ポートから出力される(ステップS111)。
【0067】
このように、本実施の形態においては、フラッディングを含めたフレームの中継時にフレームがサブネットを跨いで転送されるか否かを示すフラグを付加し、このフラグを含めて宛先アドレスに対応する出力ポートを学習テーブル127−1、127−2に学習させる。したがって、フレームの宛先アドレスに対応する出力ポートが学習済みである場合、学習テーブル127−1、127−2によって学習されたフラグを参照すれば、フレームがサブネットを跨いで転送されるか否かを容易に判断することができる。つまり、例えばサブネット内の通信とサブネット間の通信とで料金体系などが異なる場合でも、学習テーブル127−1、127−2から取得されてフレームに付加されるフラグを参照することにより、サブネット内の通信とサブネット間の通信を区別することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、サブネット#1およびサブネット#2がL2スイッチ100のみを介して接続されているため、2つのサブネットを接続するのに1つのL2スイッチのみで足りるとともに、すべてのポートを各サブネットに属する通信端末装置との接続に使用できる。結果として、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制することができる。
【0069】
以上のように、本実施の形態によれば、フレームがサブネットを跨いで転送されるか否かのフラグを宛先アドレスと出力ポートの対応関係と同時に学習テーブルに記憶させるため、後に、学習テーブルに学習済みの宛先アドレスへフレームが中継される際には、このフレームがサブネットを跨いで転送されるか否かを容易に判断することができる。つまり、1つのL2スイッチ内でサブネットを跨ぐ中継か否かを区別することができ、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別することができる。
【0070】
なお、上記一実施の形態においては、送信元登録部126−1、126−2は、フレームが中継されるたびに学習テーブル127−1、127−2における学習を実行するものとしたが、フレームの送信元アドレスが既に宛先アドレスとして学習テーブル127−1、127−2に登録されている場合には、このフレームの送信元アドレスおよび入力ポートを改めて学習テーブル127−1、127−2に登録しなくても良い。ただし、上記一実施の形態のように、フレームが中継されるたびに学習を実行することにより、学習テーブル127−1、127−2を常に最新の状態に保つことができる。
【0071】
また、上記一実施の形態においては、学習テーブル127−1、127−2をそれぞれ別々のドメイン処理部120−1、120−2に設けるものとしたが、これらの2つのテーブルを統合して1つの学習テーブルを用いるようにしても良い。学習テーブルを統合したとしても、学習テーブルに記憶されているドメインIDによって、参照すべき出力ポートが学習済みであるか否かを判断することは可能である。すなわち、サブネット#1から送信されたフレームに関しては、サブネット#1に対応するドメインIDが対応付けて記憶された出力ポートを検索し、サブネット#2から送信されたフレームに関しては、サブネット#2に対応するドメインIDが対応付けて記憶された出力ポートを検索すれば良い。同様に、ポートテーブル123−1、123−2を統合して1つのポートテーブルを用いるようにしても良い。
【0072】
さらに、上記一実施の形態においては、L2スイッチ100におけるフレームの経路学習方法について説明したが、この経路学習方法をコンピュータが読み取り可能な経路学習プログラムとして記述し、経路学習プログラムをコンピュータに実行させることにより、上記一実施の形態と同様の作用効果を得ることも可能である。
【0073】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0074】
(付記1)第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットに接続する場合に、出力ポートを介してフレームを第1のサブネットへ伝送する第1の伝送手段と、
前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続する場合に、出力ポートを介してフレームを第2のサブネットへ伝送する第2の伝送手段と
を有することを特徴とするフレーム中継装置。
【0075】
(付記2)第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加手段と、
前記取得手段によって取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加手段によってフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録手段と
を有することを特徴とするフレーム中継装置。
【0076】
(付記3)前記設定手段は、
フレームの宛先アドレスが前記登録手段によって学習テーブルに登録済みである場合に、学習テーブルにおいてフレームの宛先アドレスに対応するポートをフレームの出力ポートとして設定することを特徴とする付記2記載のフレーム中継装置。
【0077】
(付記4)前記付加手段は、
前記設定手段によって設定された出力ポートに対応して学習テーブルに記憶されているフラグをフレームに付加することを特徴とする付記3記載のフレーム中継装置。
【0078】
(付記5)前記設定手段は、
フレームの宛先アドレスが前記登録手段によって学習テーブルに未登録である場合に、フレームの入力ポート以外の全ポートを出力ポートとして設定することを特徴とする付記2記載のフレーム中継装置。
【0079】
(付記6)前記付加手段は、
前記設定手段によって設定された出力ポートに応じてフレームを複製し、得られた複数の複製フレームのうち、第1のサブネットに対応する出力ポートが設定された複製フレームには第1のサブネットに接続することを示すフラグを付加し、第2のサブネットに対応する出力ポートが設定された複製フレームには第2のサブネットに接続することを示すフラグを付加することを特徴とする付記5記載のフレーム中継装置。
【0080】
(付記7)前記付加手段によってフレームに付加されたフラグがフレームの出力ポートが第2のサブネットに接続することを示す場合に、フレームの帯域を第2のサブネットに適した帯域に制御する帯域制御手段と、
前記帯域制御手段によって帯域が制御されたフレームを出力ポートから出力する出力手段と
をさらに有することを特徴とする付記2記載のフレーム中継装置。
【0081】
(付記8)コンピュータによって実行される経路学習プログラムであって、前記コンピュータに、
第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加ステップにてフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録ステップと
を実行させることを特徴とする経路学習プログラム。
【0082】
(付記9)第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加ステップにてフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録ステップと
を有することを特徴とする経路学習方法。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、ネットワークの構成に要するコストの増大を抑制しつつ、サブネット内の通信とサブネット間の通信とを区別する場合に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
110−1、110−2 入出力ポート部
120−1、120−2 ドメイン処理部
121−1、121−2 ドメインID付与部
122−1、122−2 宛先判定部
123−1、123−2 ポートテーブル
124−1、124−2 帯域制御部
125−1、125−2 ID変換部
126−1、126−2 送信元登録部
127−1、127−2 学習テーブル
130−1、130−2 転送部
131 フラッディング処理部
132 フラグ判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加手段と、
前記取得手段によって取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加手段によってフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録手段と
を有することを特徴とするフレーム中継装置。
【請求項2】
前記設定手段は、
フレームの宛先アドレスが前記登録手段によって学習テーブルに登録済みである場合に、学習テーブルにおいてフレームの宛先アドレスに対応するポートをフレームの出力ポートとして設定することを特徴とする請求項1記載のフレーム中継装置。
【請求項3】
前記設定手段は、
フレームの宛先アドレスが前記登録手段によって学習テーブルに未登録である場合に、フレームの入力ポート以外の全ポートを出力ポートとして設定することを特徴とする請求項1記載のフレーム中継装置。
【請求項4】
前記付加手段は、
前記設定手段によって設定された出力ポートに応じてフレームを複製し、得られた複数の複製フレームのうち、第1のサブネットに対応する出力ポートが設定された複製フレームには第1のサブネットに接続することを示すフラグを付加し、第2のサブネットに対応する出力ポートが設定された複製フレームには第2のサブネットに接続することを示すフラグを付加することを特徴とする請求項3記載のフレーム中継装置。
【請求項5】
前記付加手段によってフレームに付加されたフラグがフレームの出力ポートが第2のサブネットに接続することを示す場合に、フレームの帯域を第2のサブネットに適した帯域に制御する帯域制御手段と、
前記帯域制御手段によって帯域が制御されたフレームを出力ポートから出力する出力手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1記載のフレーム中継装置。
【請求項6】
コンピュータによって実行される経路学習プログラムであって、前記コンピュータに、
第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加ステップにてフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録ステップと
を実行させることを特徴とする経路学習プログラム。
【請求項7】
第1のサブネットに接続する入力ポートからフレームを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの宛先に対応する出力ポートを設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて設定されたフレームの出力ポートが第1のサブネットとは異なる第2のサブネットに接続するか否かを示すフラグをフレームに付加する付加ステップと、
前記取得ステップにて取得されたフレームの送信元アドレスおよび入力ポートとともに前記付加ステップにてフレームに付加されたフラグを、アドレスおよびポートの対応関係を記憶する学習テーブルに登録する登録ステップと
を有することを特徴とする経路学習方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−130084(P2012−130084A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83209(P2012−83209)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【分割の表示】特願2008−34501(P2008−34501)の分割
【原出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】