フレーム同期装置及びフレーム同期方法
【課題】パイロットシンボルの検出を簡単な構成で高精度に行い、多値QAM方式を利用した通信システムにおいてフレーム同期が確実に取れるようにする。
【解決手段】
入力端1から入力されたシンボルは内積演算手段2で内積演算が実行される。この内積演算結果は、スイッチ手段3によりN周期で一巡するように移動平均計算記憶手段4の各記憶手段へと振り分けられる。振り分けられた値は、移動平均計算記憶手段4で、N周期前の値との移動平均が計算された上で、N個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nに格納される。データシンボル間の内積値の移動平均は、データがランダムであるので0に収束されるが、1信号フレームにあらかじめ挿入されたパイロットシンボル間の内積値の移動平均は所定の値となる。このことを利用して、比較判定手段5はN個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nの各値を参照して、パイロットシンボルの検出を行う。
【解決手段】
入力端1から入力されたシンボルは内積演算手段2で内積演算が実行される。この内積演算結果は、スイッチ手段3によりN周期で一巡するように移動平均計算記憶手段4の各記憶手段へと振り分けられる。振り分けられた値は、移動平均計算記憶手段4で、N周期前の値との移動平均が計算された上で、N個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nに格納される。データシンボル間の内積値の移動平均は、データがランダムであるので0に収束されるが、1信号フレームにあらかじめ挿入されたパイロットシンボル間の内積値の移動平均は所定の値となる。このことを利用して、比較判定手段5はN個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nの各値を参照して、パイロットシンボルの検出を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多値QAM方式を利用した通信システムのパイロットシンボルの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多値QAM(Quadrate Amplitude Modulation、直交振幅変調)方式を利用した通信システムが、各種デジタル通信に用いられている。多値QAM方式により通信を行うシステムは、送信側でデータをフレーム化して伝送するが、受信側でフレーム同期が取れない状況では、例えエラー訂正技術などでリカバリーを図ったとしても、データエラーを起こし通信不能な状態に陥ってしまう。
【0003】
従来のフレーム検出方法として、特許文献1(特開平9−83505号公報)には、パイロットシンボルをデータシンボル列の間に周期的に挿入し、これを基準として送信フレームを構成するデジタル信号伝送システムにおける受信機のフレーム検出回路であって、フレームシンボル数と等しい数の記憶回路を用いてフレームタイミングを検出する手段を有するフレーム検出回路において、フレーム検出回路の入力情報からその平均値を算出する手段と、上記算出情報を閾値として入力情報との比較判定を行い、閾値以下であると判定したときは前記記憶回路への入力情報を零にする手段とを有することを特徴とするフレーム検出回路が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2000−49881号公報)には、ユニークワードを含んだ信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムにおいて、送信装置から送信する信号フレーム中の連続した複数のシンボルに振幅が最大となるシンボル値を割り当てることによりユニークワードを構成し、受信装置には、受信したシンボル値を少なくとも1信号フレーム分保持するメモリと、メモリに保持されたシンボル値の並びの中からユニークワードを構成するシンボル数と同数の連続したシンボルの列を順次選択して当該シンボル列のシンボル値を総和する総和回路と、総和回路により得られた総和値が最大となるシンボル列の並び位置をユニークワードの検出タイミング候補として出力する検出回路と、を備えたことを特徴とする通信システムが記載されている。
【特許文献1】特開平9−83505号公報
【特許文献2】特開2000−49881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されたフレーム検出装置では、パイロットシンボルの二乗値を求める方法が採られているが、この方法では、パイロットシンボル以外の受信シンボルとの差はそれほど大きくないので、S/Nの劣化した通信環境では、フレーム検出エラーを発生し、システム全体のBER特性が劣化するという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献2に開示された検出回路では、UWを構成するシンボルやUW前後のシンボルにおいて、ノイズやフェージング等の影響によりシンボル値が変動してしまった場合にUWのタイミング検出を誤り、誤同期が発生するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る本発明は、請求項1又は請求項2に記載のフレーム同期判定装置において、該内積演算手段でパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、位相変換済シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、位相変換済シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る本発明は、請求項4又は請求項5に記載のフレーム同期判定装置において、該内積演算手段で位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る本発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のフレーム同期判定装置において、複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る本発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフレーム同期判定装置において、パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る本発明は、請求項9又は請求項10に記載のフレーム同期判定方法において、パイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置では、入力シンボルを位相変換し、位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置では、入力シンボルを位相変換し、位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る本発明は、請求項12又は請求項13に記載のフレーム同期判定方法において、位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0021】
また、請求項15に係る本発明は、請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のフレーム同期判定方法において、複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする。
【0022】
また、請求項16に係る本発明は、請求項9乃至請求項15のいずれかに記載のフレーム同期判定方法において、パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明のようにシンボル間の内積の演算を行う内積演算手段を設けることにより、従来のようにパイロットシンボルの振幅値の絶対値(二乗値)ではなく、正負の符号を持つ値をパイロットシンボル検出に使用可能となり、検出基準がより明確となる。
【0024】
ノイズやデータシンボル値のようにランダムな値の内積演算の結果は正負両方にランダムな値となり、フレーム周期で各シンボル間の演算結果の移動平均をとることで結果はゼロに収束していく。一方、信号フレームのパイロットシンボル間の内積演算の結果は所定の値となるので、フレーム周期でこの値の移動平均をとっても所定の値のままとなる。このように内積演算をとり、その移動平均をとることにより、0か所定の値かを検出すればよいようになり、パイロットフレームの検出基準は非常に明瞭となるので、ノイズ等の影響がある場合でもパイロットシンボルの誤検出の発生が少なく、フレーム同期を容易に行うことが可能となる。
【0025】
そして、本発明によれば、S/Nが0dBといった劣悪な環境においてもフレーム同期が確立するため、BER特性の向上し、しいてはデータ通信システムの信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ16QAMを例として説明する。16QAMは4ビットのデジタルデータを16個のシンボルにより搬送波を変調し伝送するデジタル変調方式である。図1は16QAMの信号点の配置を示す図であり、各信号点には4ビットずつのデータが割り当てられている。図中、横軸は実軸の同相成分I、縦軸は虚軸の直交成分Qを表しており、それぞれの信号点は、−3、−1、1、3のいずれかの値をとる構成が用いられる。
【0027】
QAM方式の通信システムでは、信号フレーム内にパイロットシンボルを挿入しておき、受信装置側でそのパイロット信号を検出して、フレーム同期を行っている。図2は、1信号フレームの構成の一例を示す図であり、1信号フレームはN個のシンボルで構成され、データシンボルDの先頭にパイロットシンボルPが挿入されている。
【0028】
図3、図4は本発明に係るフレーム同期方法の実施の形態を示す図であり、それぞれ、本実施の形態の信号点配置図、1信号フレームの構成図である。パイロットシンボルとしてP1(3,3)、P2(−3,−3)の2つを用い、1信号フレームの先頭の2つに挿入するものとする。パイロットシンボルの判定を容易にするためには、その振幅が最大であるシンボル値を割り当てることが理想的であるので、本実施の形態ではそのようなP1、P2が選択されているが、本発明においては必ずしもそのようなパイロットシンボルを割り当てる必要はない。また、本実施の形態においては、2つのパイロットシンボル間の位相差がπ/2ラジアンとはならないように、2つのパイロットシンボルが選択されている。パイロットシンボル間の位相差がπ/2ラジアンとなるようにパイロットシンボルを選択する場合については後述する。
【0029】
図5は、本発明に係るパイロットシンボル検出回路をブロック図で示したものであり、1は入力端であり、2は内積演算手段であり、3はスイッチ手段であり、4は移動平均計算記憶手段であり、5は比較判定手段であり、6は出力端である。
【0030】
入力端1は、2つ設けられており、それぞれにn番目のシンボルであるSn、及び、n+1番目のシンボルであるSn+1が入力される。内積演算手段2は、入力された2つのシンボルの内積演算を実行するものである。スイッチ手段3は、N個の出力端を順次切り替えるものであり、SnとSn+1との内積演算が1回実行されるたびに切り替えられて、N周期で一巡するように構成されている。移動平均計算記憶手段4にはN個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nが設けられている。移動平均計算記憶手段4では、スイッチ手段3の各出力端からの出力データと各記憶手段が既に記憶しているデータとの平均値を計算する。そして、この平均値は再びそれぞれの各記憶手段に格納される。すなわち、各記憶手段のデータはN周期で更新される構成となっている。なお、初期状態においては、各記憶手段4−1、4−2〜4−Nには0がセットされている。比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4のN個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nに記憶されている値を比較して、パイロットシンボルの検出を行う。パイロットシンボルの検出結果については、出力端6から出力されるようになっている。
【0031】
以上の構成で具体的にどのようにパイロットシンボルの検出を行うかを説明する。n番目のシンボルSn、及びn+1番目のシンボルSn+1が内積演算手段2において内積されると、内積値として、―18、−12、−10、−8、−6、−4、−2、0、+2、+4、+6、+8、+10、+12、+18の各値を取り得るが、データシンボルはランダムであるので、シンボルSnとシンボルSn+1がデータシンボルの場合には、これらの内積値の移動平均値をとっていくと、内積値が正負のランダムとなるために、移動平均値は0に収斂していくことがわかる。また、シンボルSnとシンボルSn+1のどちらか一方がパイロットシンボルの場合には、内積値は−18、−12、−6、0、+6、+12、+18となり、この場合も内積値の移動平均は0に収斂していく。一方、シンボルSnとシンボルSn+1の両方がパイロットシンボルの場合には、計算される内積値は必ず−18となり、この移動平均値も当然−18となる。したがって、内積演算結果の移動平均値が記憶される各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち一つの記憶手段には、―18が格納され、それ以外のN―1個の記憶手段には0に近い値が格納されることとなる。比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4の各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち、−18を探すことによりパイロットシンボルを検出することができる。なお、本実施の形態のように、パイロットシンボル同士の内積をとったときに負の数となるようにパイロットシンボルを選択することは理想的ではあるが、必ずしも必須の条件ではない。
【0032】
以上はノイズやフェージングの影響が全くない場合のものであるが、ノイズやフェージングの影響があったとしても、それらの影響もランダムなものであるのであるので、データシンボル間の内積値の移動平均、データシンボルとパイロットシンボル間の移動平均は結局0に収束していく。一方、パイロットシンボル間の内積値もノイズやフェージングの影響を受けるが、そのような影響を受けたとしても、パイロットシンボル間の内積値の移動平均は、データシンボル間の内積値の移動平均やデータシンボルとパイロットシンボル間の内積値の移動平均である0とは明確に異なり、比較判定手段における検出は従来のものに比べて格段にしやすくなっているので、パイロットシンボルの誤検出が起こる確率は極めて少なくなる。このように、本発明によれば、ノイズやフェージングがある環境においても確実にパイロットシンボルの検出ができ、フレーム同期を容易に行うことができる。
【0033】
1信号フレーム内のパイロットシンボルは本実施の形態に示したように、必ずしも信号フレームの先頭に連続配置させる必要はなく、各パイロットシンボルが1信号フレーム内で離れて配置されていてもよい。図6には、そのような配置が示されており、図中の信号フレームにおいては、2番目と5番目のシンボル位置にそれぞれパイロットシンボルP1、P2が配置されている。このようなパイロットシンボルの配置の場合には、内積演算手段2への入力は図7に示されるように、n番目のシンボルSnとn+3番目のシンボルSn+3が利用される。
【0034】
また、1信号フレーム内のパイロットシンボルは2つに限らずそれ以上の個数を用いることもできる。図8、図9はパイロットシンボルを3つ用いた本発明のフレーム同期方法の他の実施の形態を示す図であり、それぞれ、他の実施の形態の信号点配置図、1信号フレームの構成図である。この実施の形態では、先の実施の形態において用いたパイロットシンボルP1(3,3)、P2(−3,−3)の2つに加え、P3(3,3)が用いられる。また、これら3つのパイロットシンボルは、1信号フレームの先頭の1番目から3番目に挿入されているものとする。この実施の形態においても、パイロットシンボル検出回路は図5に係るものを用いることができる。
【0035】
この実施の形態の場合でも先の実施の形態と同様、シンボルSnとシンボルSn+1がデータシンボルの場合、或いは、シンボルSnとシンボルSn+1のどちらか一方がパイロットシンボルの場合には、これらの内積値の移動平均値をとっていくと、移動平均値は0に収斂していき、シンボルSnとシンボルSn+1の両方がパイロットシンボルの場合には、内積値は必ず−18となり移動平均値も−18となる。ただし、本実施の形態の場合には、−18が記憶される移動平均計算記憶手段4内の記憶手段は2つとなる。したがって、比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4の各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち、−18に近い値2つを探せばよいようになり、より確実にパイロットシンボルを検出することができる。
【0036】
図10は、本発明の他の実施の形態に係るものであり、図5のパイロットシンボル検出回路に、加算平均化処理手段7を加えたブロック図を示すものである。なお、その他の内積演算手段2、スイッチ手段3、移動平均計算記憶手段4、比較判定手段5の機能は図5と変わるところはない。回路に入力されるシンボルは、Sn、Sn+1、Sn+2の3つであり、加算平均化処理手段7は、Sn、Sn+1間で算出された内積値と、Sn、Sn+2間で算出された内積値との加算平均化処理を行う。このような回路を用いるときの信号点配置図と、1信号フレームの構成図を図11、図12に示す。パイロットシンボルには、P1(3,3)、P2(−3,−3)、P3(−3,−3)の3つが用いられる。
【0037】
加算平均化処理手段7を要するシンボル検出回路を用いると、入力端であるSn、Sn+1、Sn+2からの入力が全てパイロットシンボルの場合には、加算平均化処理された値は−36となり、2つのパイロットシンボルを用いた先の実施の形態の場合に比べて、0からの値の乖離が大きくなり、よりパイロットシンボルの検出時の判定が容易になるという効果を有する。
【0038】
パイロットシンボル3つ用いて、パイロットシンボル検出を行うメリットについて説明する。パイロットシンボルとして3個のシンボルを用いて2つのパイロットシンボルペアの内積演算の平均をとっているのは、パイロットシンボルペア1組用いた場合と比較してデータシンボル中にパイロットシンボルと同じシンボル値のシンボルの組み合わせが存在する確率を減少させてフレーム誤同期の可能性を減らすためである。データシンボル間で内積結果が最大となる確率は(1/16)2であるから、1信号フレーム内でi個の内積演算を利用することにより、データシンボル間の内積演算結果が最大値を示す確率rmaxは以下のようになる。
ここで、kは多値QAMの多値数である。16QAMではk=16である。本実施の形態ではr=7.6939453125×10-6である。この式の最初の1/2は、パイロットシンボル間の内積演算以外のデータシンボル間の内積演算が同等レベルになる可能性であり、パイロットシンボルとデータシンボル位置のどちらかを選択する確率と考える。一般的に通信回線品質は10-4を超えていれば、通信可能なレベルと言われるレベルであり、通信システムとして十分な特性が得られることが分かる。
【0039】
これまでの実施の形態では、パイロットシンボルとして、どの2つのシンボルも位相差がπ/2とならないものが設定されていた。これは位相差がπ/2である2つのシンボル間の内積をとると0となってしまうためである。しかしながら、パイロットシンボルとして位相差がπ/2である2つを選ぶような場合についても、本発明を適用することができる。図13には本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図を示し、また、図14には本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図を示す。
【0040】
この実施の形態では、パイロットシンボルとしてP1(3,3)、P2(3,−3)の2つを用い、1信号フレームの先頭の2つに挿入するものとする。また、本実施の形態においては、2つのパイロットシンボル間の位相差がπ/2ラジアンとはなる2つのパイロットシンボルが選択されている。
【0041】
図15は、本発明の他の実施の形態に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。この実施の形態のパイロットシンボル検出回路は、図5に係るパイロットシンボル検出回路のSn+1入力端の後段に位相変換手段8が加えられたものであり、その他の内積演算手段2、スイッチ手段3、移動平均計算記憶手段4、比較判定手段5の機能は図5と変わるところはない。このような回路では、回路に入力されるシンボルSn、Sn+1の2つのうち、Sn+1側に入力されたシンボルは位相変換手段8により位相がπ/2進められる。したがって、シンボルSnとしてP1(3,3)が、シンボルSn+1としてP2(3,−3)が入力された時には、後者のシンボルは位相変換手段8によりP'2(−3,−3)に変換された後に、内積演算手段2でP1(3,3)との内積がとられるので、演算結果は−18となる。このように、位相差がπ/2であるパイロットシンボル同士の内積値は0とはならず、先の実施の形態の場合同様−18となる。一方、パイロットシンボル回路に入力されるシンボルSn、Sn+1の両方がデータシンボルである場合には、Sn+1側に入力されたシンボルは位相変換手段8により位相変換されるが、位相変換されたとしてもデータシンボルはランダムであるので、内積演算手段2によりシンボルSnとの内積演算がとられたのちに、この演算結果の移動平均をとっていけば、結局0に収束していく。したがって、位相変換手段8が加えられた構成においても、内積演算結果の移動平均値が記憶される各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち一つの記憶手段には、―18が格納され、それ以外のN―1個の記憶手段には0に近い値が格納される。比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4の各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち、−18を探すことによりパイロットシンボルを検出することができ、受信装置でのフレーム同期をとることができるようになる。なお、パイロットシンボルが入力されたときの内積演算手段2での演算結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することは理想的ではあるが、必ずしも必須の条件ではない。
【0042】
本発明の他の実施の形態として、加算平均化処理手段7及び位相変換手段8の双方を備えるパイロット検出回路も考え得る。図16に、本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図を示し、また、図17には本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図を示す。本例では、パイロットシンボルP1としてP1(3,3)、パイロットシンボルP2、P3として共通のP2(3,−3)、P3(3,−3)を用いるものとする。ここで、図16に示すとおりシンボルP1とシンボルP2の位相差、及びシンボルP1とシンボルP3の位相差はそれぞれπ/2ラジアンであるので、これら位相差をπラジアンにする為に位相変換処理を位相変換手段8にて行う。具体的には、位相変換手段8aで0ラジアンの位相変換処理を、位相変換手段8b及び位相変換手段8cで時計回りにπ/2ラジアンの位相変換処理を行う。なお、0ラジアンの位相変換は位相変換を全く施していないことになるので、例えば位相変換手段8aを省く構成も考えられる。0ラジアンの位相変換処理を施す場合、位相変換手段を設けておき0ラジアンの位相変換を行うか、位相変換手段は設けないようにしておくかは適宜選択する。図15に示したパイロットシンボル検出回路のブロック図では、0ラジアンの位相変換のために特に位相変換手段を設けていないものが示されている。
【0043】
さて前述のように位相変換処理を施すと、パイロットシンボルP2及びパイロットシンボルP3のシンボル値P2(3,−3)、P3(3,−3)は、位相変換処理によりそれぞれP'2(−3,−3)、P'3(−3,−3)となる。このように位相変換されるので、入力端であるSnにパイロットシンボルP1が、Sn+1にパイロットシンボルP2が、Sn+2にパイロットシンボルP3がそれぞれ入力されると、前述のように位相変換処理された上で内積がとられ、さらに加算平均化処理された値は−36となる。そして、この値がパイロットシンボルの検出に利用されることは先の実施の形態に示した通りである。なお、パイロットシンボルが入力されたときの内積演算手段2での演算結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することは理想的ではあるが、必ずしも必須の条件ではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】16QAMの信号点の配置を示す図である。
【図2】1信号フレームの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明に係るフレーム同期方法の実施の形態の信号点配置図である。
【図4】本発明に係るフレーム同期方法の実施の形態の1信号フレームの構成図である。
【図5】本発明に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図6】1信号フレーム内で離れてパイロットシンボルを配置する場合のフレームの構成図である。
【図7】1信号フレーム内で離れてパイロットシンボルを配置する場合のパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図8】パイロットシンボルを3つ用いた場合のフレーム同期方法の信号点配置図である。
【図9】パイロットシンボルを3つ用いた場合のフレーム同期方法の1信号フレームの構成図である。
【図10】本発明に係る加算平均化処理手段付きパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図11】加算平均化処理手段付きパイロットシンボル検出回路によるフレーム同期方法の実施の形態の信号点配置図である。
【図12】加算平均化処理手段付きパイロットシンボル検出回路によるフレーム同期方法の実施の形態の1信号フレームの構成図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図である。
【図14】本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図16】本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図である。
【図17】本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図である。
【図18】本発明の他の実施の形態に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
1・・・入力端、2・・・内積演算手段、3・・・スイッチ手段、4・・・移動平均計算記憶手段、5・・・比較判定手段、6・・・出力端、7・・・加算平均化処理手段、8・・・位相変換手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、多値QAM方式を利用した通信システムのパイロットシンボルの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多値QAM(Quadrate Amplitude Modulation、直交振幅変調)方式を利用した通信システムが、各種デジタル通信に用いられている。多値QAM方式により通信を行うシステムは、送信側でデータをフレーム化して伝送するが、受信側でフレーム同期が取れない状況では、例えエラー訂正技術などでリカバリーを図ったとしても、データエラーを起こし通信不能な状態に陥ってしまう。
【0003】
従来のフレーム検出方法として、特許文献1(特開平9−83505号公報)には、パイロットシンボルをデータシンボル列の間に周期的に挿入し、これを基準として送信フレームを構成するデジタル信号伝送システムにおける受信機のフレーム検出回路であって、フレームシンボル数と等しい数の記憶回路を用いてフレームタイミングを検出する手段を有するフレーム検出回路において、フレーム検出回路の入力情報からその平均値を算出する手段と、上記算出情報を閾値として入力情報との比較判定を行い、閾値以下であると判定したときは前記記憶回路への入力情報を零にする手段とを有することを特徴とするフレーム検出回路が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2000−49881号公報)には、ユニークワードを含んだ信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムにおいて、送信装置から送信する信号フレーム中の連続した複数のシンボルに振幅が最大となるシンボル値を割り当てることによりユニークワードを構成し、受信装置には、受信したシンボル値を少なくとも1信号フレーム分保持するメモリと、メモリに保持されたシンボル値の並びの中からユニークワードを構成するシンボル数と同数の連続したシンボルの列を順次選択して当該シンボル列のシンボル値を総和する総和回路と、総和回路により得られた総和値が最大となるシンボル列の並び位置をユニークワードの検出タイミング候補として出力する検出回路と、を備えたことを特徴とする通信システムが記載されている。
【特許文献1】特開平9−83505号公報
【特許文献2】特開2000−49881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されたフレーム検出装置では、パイロットシンボルの二乗値を求める方法が採られているが、この方法では、パイロットシンボル以外の受信シンボルとの差はそれほど大きくないので、S/Nの劣化した通信環境では、フレーム検出エラーを発生し、システム全体のBER特性が劣化するという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献2に開示された検出回路では、UWを構成するシンボルやUW前後のシンボルにおいて、ノイズやフェージング等の影響によりシンボル値が変動してしまった場合にUWのタイミング検出を誤り、誤同期が発生するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る本発明は、請求項1又は請求項2に記載のフレーム同期判定装置において、該内積演算手段でパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、位相変換済シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、位相変換済シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る本発明は、請求項4又は請求項5に記載のフレーム同期判定装置において、該内積演算手段で位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る本発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のフレーム同期判定装置において、複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る本発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフレーム同期判定装置において、パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つn個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る本発明は、請求項9又は請求項10に記載のフレーム同期判定方法において、パイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置では、入力シンボルを位相変換し、位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る本発明は、パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、1信号フレームをN個のシンボルから構成し、N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、受信装置では、入力シンボルを位相変換し、位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る本発明は、請求項12又は請求項13に記載のフレーム同期判定方法において、位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする。
【0021】
また、請求項15に係る本発明は、請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のフレーム同期判定方法において、複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする。
【0022】
また、請求項16に係る本発明は、請求項9乃至請求項15のいずれかに記載のフレーム同期判定方法において、パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明のようにシンボル間の内積の演算を行う内積演算手段を設けることにより、従来のようにパイロットシンボルの振幅値の絶対値(二乗値)ではなく、正負の符号を持つ値をパイロットシンボル検出に使用可能となり、検出基準がより明確となる。
【0024】
ノイズやデータシンボル値のようにランダムな値の内積演算の結果は正負両方にランダムな値となり、フレーム周期で各シンボル間の演算結果の移動平均をとることで結果はゼロに収束していく。一方、信号フレームのパイロットシンボル間の内積演算の結果は所定の値となるので、フレーム周期でこの値の移動平均をとっても所定の値のままとなる。このように内積演算をとり、その移動平均をとることにより、0か所定の値かを検出すればよいようになり、パイロットフレームの検出基準は非常に明瞭となるので、ノイズ等の影響がある場合でもパイロットシンボルの誤検出の発生が少なく、フレーム同期を容易に行うことが可能となる。
【0025】
そして、本発明によれば、S/Nが0dBといった劣悪な環境においてもフレーム同期が確立するため、BER特性の向上し、しいてはデータ通信システムの信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ16QAMを例として説明する。16QAMは4ビットのデジタルデータを16個のシンボルにより搬送波を変調し伝送するデジタル変調方式である。図1は16QAMの信号点の配置を示す図であり、各信号点には4ビットずつのデータが割り当てられている。図中、横軸は実軸の同相成分I、縦軸は虚軸の直交成分Qを表しており、それぞれの信号点は、−3、−1、1、3のいずれかの値をとる構成が用いられる。
【0027】
QAM方式の通信システムでは、信号フレーム内にパイロットシンボルを挿入しておき、受信装置側でそのパイロット信号を検出して、フレーム同期を行っている。図2は、1信号フレームの構成の一例を示す図であり、1信号フレームはN個のシンボルで構成され、データシンボルDの先頭にパイロットシンボルPが挿入されている。
【0028】
図3、図4は本発明に係るフレーム同期方法の実施の形態を示す図であり、それぞれ、本実施の形態の信号点配置図、1信号フレームの構成図である。パイロットシンボルとしてP1(3,3)、P2(−3,−3)の2つを用い、1信号フレームの先頭の2つに挿入するものとする。パイロットシンボルの判定を容易にするためには、その振幅が最大であるシンボル値を割り当てることが理想的であるので、本実施の形態ではそのようなP1、P2が選択されているが、本発明においては必ずしもそのようなパイロットシンボルを割り当てる必要はない。また、本実施の形態においては、2つのパイロットシンボル間の位相差がπ/2ラジアンとはならないように、2つのパイロットシンボルが選択されている。パイロットシンボル間の位相差がπ/2ラジアンとなるようにパイロットシンボルを選択する場合については後述する。
【0029】
図5は、本発明に係るパイロットシンボル検出回路をブロック図で示したものであり、1は入力端であり、2は内積演算手段であり、3はスイッチ手段であり、4は移動平均計算記憶手段であり、5は比較判定手段であり、6は出力端である。
【0030】
入力端1は、2つ設けられており、それぞれにn番目のシンボルであるSn、及び、n+1番目のシンボルであるSn+1が入力される。内積演算手段2は、入力された2つのシンボルの内積演算を実行するものである。スイッチ手段3は、N個の出力端を順次切り替えるものであり、SnとSn+1との内積演算が1回実行されるたびに切り替えられて、N周期で一巡するように構成されている。移動平均計算記憶手段4にはN個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nが設けられている。移動平均計算記憶手段4では、スイッチ手段3の各出力端からの出力データと各記憶手段が既に記憶しているデータとの平均値を計算する。そして、この平均値は再びそれぞれの各記憶手段に格納される。すなわち、各記憶手段のデータはN周期で更新される構成となっている。なお、初期状態においては、各記憶手段4−1、4−2〜4−Nには0がセットされている。比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4のN個の記憶手段4−1、4−2〜4−Nに記憶されている値を比較して、パイロットシンボルの検出を行う。パイロットシンボルの検出結果については、出力端6から出力されるようになっている。
【0031】
以上の構成で具体的にどのようにパイロットシンボルの検出を行うかを説明する。n番目のシンボルSn、及びn+1番目のシンボルSn+1が内積演算手段2において内積されると、内積値として、―18、−12、−10、−8、−6、−4、−2、0、+2、+4、+6、+8、+10、+12、+18の各値を取り得るが、データシンボルはランダムであるので、シンボルSnとシンボルSn+1がデータシンボルの場合には、これらの内積値の移動平均値をとっていくと、内積値が正負のランダムとなるために、移動平均値は0に収斂していくことがわかる。また、シンボルSnとシンボルSn+1のどちらか一方がパイロットシンボルの場合には、内積値は−18、−12、−6、0、+6、+12、+18となり、この場合も内積値の移動平均は0に収斂していく。一方、シンボルSnとシンボルSn+1の両方がパイロットシンボルの場合には、計算される内積値は必ず−18となり、この移動平均値も当然−18となる。したがって、内積演算結果の移動平均値が記憶される各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち一つの記憶手段には、―18が格納され、それ以外のN―1個の記憶手段には0に近い値が格納されることとなる。比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4の各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち、−18を探すことによりパイロットシンボルを検出することができる。なお、本実施の形態のように、パイロットシンボル同士の内積をとったときに負の数となるようにパイロットシンボルを選択することは理想的ではあるが、必ずしも必須の条件ではない。
【0032】
以上はノイズやフェージングの影響が全くない場合のものであるが、ノイズやフェージングの影響があったとしても、それらの影響もランダムなものであるのであるので、データシンボル間の内積値の移動平均、データシンボルとパイロットシンボル間の移動平均は結局0に収束していく。一方、パイロットシンボル間の内積値もノイズやフェージングの影響を受けるが、そのような影響を受けたとしても、パイロットシンボル間の内積値の移動平均は、データシンボル間の内積値の移動平均やデータシンボルとパイロットシンボル間の内積値の移動平均である0とは明確に異なり、比較判定手段における検出は従来のものに比べて格段にしやすくなっているので、パイロットシンボルの誤検出が起こる確率は極めて少なくなる。このように、本発明によれば、ノイズやフェージングがある環境においても確実にパイロットシンボルの検出ができ、フレーム同期を容易に行うことができる。
【0033】
1信号フレーム内のパイロットシンボルは本実施の形態に示したように、必ずしも信号フレームの先頭に連続配置させる必要はなく、各パイロットシンボルが1信号フレーム内で離れて配置されていてもよい。図6には、そのような配置が示されており、図中の信号フレームにおいては、2番目と5番目のシンボル位置にそれぞれパイロットシンボルP1、P2が配置されている。このようなパイロットシンボルの配置の場合には、内積演算手段2への入力は図7に示されるように、n番目のシンボルSnとn+3番目のシンボルSn+3が利用される。
【0034】
また、1信号フレーム内のパイロットシンボルは2つに限らずそれ以上の個数を用いることもできる。図8、図9はパイロットシンボルを3つ用いた本発明のフレーム同期方法の他の実施の形態を示す図であり、それぞれ、他の実施の形態の信号点配置図、1信号フレームの構成図である。この実施の形態では、先の実施の形態において用いたパイロットシンボルP1(3,3)、P2(−3,−3)の2つに加え、P3(3,3)が用いられる。また、これら3つのパイロットシンボルは、1信号フレームの先頭の1番目から3番目に挿入されているものとする。この実施の形態においても、パイロットシンボル検出回路は図5に係るものを用いることができる。
【0035】
この実施の形態の場合でも先の実施の形態と同様、シンボルSnとシンボルSn+1がデータシンボルの場合、或いは、シンボルSnとシンボルSn+1のどちらか一方がパイロットシンボルの場合には、これらの内積値の移動平均値をとっていくと、移動平均値は0に収斂していき、シンボルSnとシンボルSn+1の両方がパイロットシンボルの場合には、内積値は必ず−18となり移動平均値も−18となる。ただし、本実施の形態の場合には、−18が記憶される移動平均計算記憶手段4内の記憶手段は2つとなる。したがって、比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4の各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち、−18に近い値2つを探せばよいようになり、より確実にパイロットシンボルを検出することができる。
【0036】
図10は、本発明の他の実施の形態に係るものであり、図5のパイロットシンボル検出回路に、加算平均化処理手段7を加えたブロック図を示すものである。なお、その他の内積演算手段2、スイッチ手段3、移動平均計算記憶手段4、比較判定手段5の機能は図5と変わるところはない。回路に入力されるシンボルは、Sn、Sn+1、Sn+2の3つであり、加算平均化処理手段7は、Sn、Sn+1間で算出された内積値と、Sn、Sn+2間で算出された内積値との加算平均化処理を行う。このような回路を用いるときの信号点配置図と、1信号フレームの構成図を図11、図12に示す。パイロットシンボルには、P1(3,3)、P2(−3,−3)、P3(−3,−3)の3つが用いられる。
【0037】
加算平均化処理手段7を要するシンボル検出回路を用いると、入力端であるSn、Sn+1、Sn+2からの入力が全てパイロットシンボルの場合には、加算平均化処理された値は−36となり、2つのパイロットシンボルを用いた先の実施の形態の場合に比べて、0からの値の乖離が大きくなり、よりパイロットシンボルの検出時の判定が容易になるという効果を有する。
【0038】
パイロットシンボル3つ用いて、パイロットシンボル検出を行うメリットについて説明する。パイロットシンボルとして3個のシンボルを用いて2つのパイロットシンボルペアの内積演算の平均をとっているのは、パイロットシンボルペア1組用いた場合と比較してデータシンボル中にパイロットシンボルと同じシンボル値のシンボルの組み合わせが存在する確率を減少させてフレーム誤同期の可能性を減らすためである。データシンボル間で内積結果が最大となる確率は(1/16)2であるから、1信号フレーム内でi個の内積演算を利用することにより、データシンボル間の内積演算結果が最大値を示す確率rmaxは以下のようになる。
ここで、kは多値QAMの多値数である。16QAMではk=16である。本実施の形態ではr=7.6939453125×10-6である。この式の最初の1/2は、パイロットシンボル間の内積演算以外のデータシンボル間の内積演算が同等レベルになる可能性であり、パイロットシンボルとデータシンボル位置のどちらかを選択する確率と考える。一般的に通信回線品質は10-4を超えていれば、通信可能なレベルと言われるレベルであり、通信システムとして十分な特性が得られることが分かる。
【0039】
これまでの実施の形態では、パイロットシンボルとして、どの2つのシンボルも位相差がπ/2とならないものが設定されていた。これは位相差がπ/2である2つのシンボル間の内積をとると0となってしまうためである。しかしながら、パイロットシンボルとして位相差がπ/2である2つを選ぶような場合についても、本発明を適用することができる。図13には本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図を示し、また、図14には本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図を示す。
【0040】
この実施の形態では、パイロットシンボルとしてP1(3,3)、P2(3,−3)の2つを用い、1信号フレームの先頭の2つに挿入するものとする。また、本実施の形態においては、2つのパイロットシンボル間の位相差がπ/2ラジアンとはなる2つのパイロットシンボルが選択されている。
【0041】
図15は、本発明の他の実施の形態に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。この実施の形態のパイロットシンボル検出回路は、図5に係るパイロットシンボル検出回路のSn+1入力端の後段に位相変換手段8が加えられたものであり、その他の内積演算手段2、スイッチ手段3、移動平均計算記憶手段4、比較判定手段5の機能は図5と変わるところはない。このような回路では、回路に入力されるシンボルSn、Sn+1の2つのうち、Sn+1側に入力されたシンボルは位相変換手段8により位相がπ/2進められる。したがって、シンボルSnとしてP1(3,3)が、シンボルSn+1としてP2(3,−3)が入力された時には、後者のシンボルは位相変換手段8によりP'2(−3,−3)に変換された後に、内積演算手段2でP1(3,3)との内積がとられるので、演算結果は−18となる。このように、位相差がπ/2であるパイロットシンボル同士の内積値は0とはならず、先の実施の形態の場合同様−18となる。一方、パイロットシンボル回路に入力されるシンボルSn、Sn+1の両方がデータシンボルである場合には、Sn+1側に入力されたシンボルは位相変換手段8により位相変換されるが、位相変換されたとしてもデータシンボルはランダムであるので、内積演算手段2によりシンボルSnとの内積演算がとられたのちに、この演算結果の移動平均をとっていけば、結局0に収束していく。したがって、位相変換手段8が加えられた構成においても、内積演算結果の移動平均値が記憶される各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち一つの記憶手段には、―18が格納され、それ以外のN―1個の記憶手段には0に近い値が格納される。比較判定手段5は、移動平均計算記憶手段4の各記憶手段4−1、4−2〜4−Nのうち、−18を探すことによりパイロットシンボルを検出することができ、受信装置でのフレーム同期をとることができるようになる。なお、パイロットシンボルが入力されたときの内積演算手段2での演算結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することは理想的ではあるが、必ずしも必須の条件ではない。
【0042】
本発明の他の実施の形態として、加算平均化処理手段7及び位相変換手段8の双方を備えるパイロット検出回路も考え得る。図16に、本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図を示し、また、図17には本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図を示す。本例では、パイロットシンボルP1としてP1(3,3)、パイロットシンボルP2、P3として共通のP2(3,−3)、P3(3,−3)を用いるものとする。ここで、図16に示すとおりシンボルP1とシンボルP2の位相差、及びシンボルP1とシンボルP3の位相差はそれぞれπ/2ラジアンであるので、これら位相差をπラジアンにする為に位相変換処理を位相変換手段8にて行う。具体的には、位相変換手段8aで0ラジアンの位相変換処理を、位相変換手段8b及び位相変換手段8cで時計回りにπ/2ラジアンの位相変換処理を行う。なお、0ラジアンの位相変換は位相変換を全く施していないことになるので、例えば位相変換手段8aを省く構成も考えられる。0ラジアンの位相変換処理を施す場合、位相変換手段を設けておき0ラジアンの位相変換を行うか、位相変換手段は設けないようにしておくかは適宜選択する。図15に示したパイロットシンボル検出回路のブロック図では、0ラジアンの位相変換のために特に位相変換手段を設けていないものが示されている。
【0043】
さて前述のように位相変換処理を施すと、パイロットシンボルP2及びパイロットシンボルP3のシンボル値P2(3,−3)、P3(3,−3)は、位相変換処理によりそれぞれP'2(−3,−3)、P'3(−3,−3)となる。このように位相変換されるので、入力端であるSnにパイロットシンボルP1が、Sn+1にパイロットシンボルP2が、Sn+2にパイロットシンボルP3がそれぞれ入力されると、前述のように位相変換処理された上で内積がとられ、さらに加算平均化処理された値は−36となる。そして、この値がパイロットシンボルの検出に利用されることは先の実施の形態に示した通りである。なお、パイロットシンボルが入力されたときの内積演算手段2での演算結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することは理想的ではあるが、必ずしも必須の条件ではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】16QAMの信号点の配置を示す図である。
【図2】1信号フレームの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明に係るフレーム同期方法の実施の形態の信号点配置図である。
【図4】本発明に係るフレーム同期方法の実施の形態の1信号フレームの構成図である。
【図5】本発明に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図6】1信号フレーム内で離れてパイロットシンボルを配置する場合のフレームの構成図である。
【図7】1信号フレーム内で離れてパイロットシンボルを配置する場合のパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図8】パイロットシンボルを3つ用いた場合のフレーム同期方法の信号点配置図である。
【図9】パイロットシンボルを3つ用いた場合のフレーム同期方法の1信号フレームの構成図である。
【図10】本発明に係る加算平均化処理手段付きパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図11】加算平均化処理手段付きパイロットシンボル検出回路によるフレーム同期方法の実施の形態の信号点配置図である。
【図12】加算平均化処理手段付きパイロットシンボル検出回路によるフレーム同期方法の実施の形態の1信号フレームの構成図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図である。
【図14】本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【図16】本発明の他の実施の形態に係る信号点配置図である。
【図17】本発明の他の実施の形態に係る1信号フレームの構成図である。
【図18】本発明の他の実施の形態に係るパイロットシンボル検出回路のブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
1・・・入力端、2・・・内積演算手段、3・・・スイッチ手段、4・・・移動平均計算記憶手段、5・・・比較判定手段、6・・・出力端、7・・・加算平均化処理手段、8・・・位相変換手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、
該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項2】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、
複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、
該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項3】
該内積演算手段でパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレーム同期判定装置。
【請求項4】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、
位相変換済シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、
該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項5】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、
位相変換済シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、
複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、
該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項6】
該内積演算手段で位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のフレーム同期判定装置。
【請求項7】
複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のフレーム同期判定装置。
【請求項8】
パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフレーム同期判定装置。
【請求項9】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、
この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項10】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、
複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、
この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項11】
パイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のフレーム同期判定方法。
【請求項12】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置では、入力シンボルを位相変換し、
位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、
この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項13】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置では、入力シンボルを位相変換し、
位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、
複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、
この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項14】
位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のフレーム同期判定方法。
【請求項15】
複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のフレーム同期判定方法。
【請求項16】
パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする請求項9乃至請求項15のいずれかに記載のフレーム同期判定方法。
【請求項1】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、
該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項2】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置は、入力シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、
複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、
該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項3】
該内積演算手段でパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレーム同期判定装置。
【請求項4】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、
位相変換済シンボル間の内積の演算を行う内積演算手段と、
該内積演算手段により演算された演算結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項5】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定装置において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置は、入力シンボルを位相変換済シンボルに位相変換する位相変換手段と、
位相変換済シンボル間の内積の演算を行う複数の内積演算手段と、
複数の該内積演算手段により演算された複数の演算結果を加算し平均化する加算平均化処理手段と、
該加算平均化処理手段により加算平均化処理された処理結果の移動平均を計算し記憶する移動平均計算記憶手段と、
該移動平均計算記憶手段に設けられたN個の記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定する比較判定手段とを備えることを特徴とするフレーム同期判定装置。
【請求項6】
該内積演算手段で位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のフレーム同期判定装置。
【請求項7】
複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のフレーム同期判定装置。
【請求項8】
パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のフレーム同期判定装置。
【請求項9】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、
この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項10】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるよう、且つ
n個のパイロットシンボルのうち、どの2個も信号点配置図中で位相差がπ/2にはならないように割り当て、
受信装置では、入力シンボル間の内積の演算を行い、
複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、
この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項11】
パイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のフレーム同期判定方法。
【請求項12】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置では、入力シンボルを位相変換し、
位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、
この内積演算の結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項13】
パイロットシンボルが挿入された信号フレームを多値QAM方式により送信装置から受信装置へ送信する通信システムのフレーム同期判定方法において、
1信号フレームをN個のシンボルから構成し、
N個のシンボルのうち、パイロットシンボルをn個(ただし、nは2以上の自然数)配置し、
n個のパイロットシンボルのうち、少なくとも一組は異なるように割り当て、
受信装置では、入力シンボルを位相変換し、
位相変換されたシンボル間の内積の演算を行い、
複数の内積演算の結果の加算平均を演算し、
この加算平均の演算結果の移動平均を計算し、この移動平均の計算結果をN周期でN個の記憶手段に記憶し、
該記憶手段に記憶されたN個の値をそれぞれ比較して、パイロットシンボルの位置を判定することを特徴とするフレーム同期判定方法。
【請求項14】
位相変換済のパイロットシンボル同士の内積を演算した結果が負の数となるようにパイロットシンボルを選択することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のフレーム同期判定方法。
【請求項15】
複数の該位相変換手段のうち0ラジアンの位相変換処理を行う位相変換手段が含まれることを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のフレーム同期判定方法。
【請求項16】
パイロットシンボルには振幅が最大であるシンボルを選択することを特徴とする請求項9乃至請求項15のいずれかに記載のフレーム同期判定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−6014(P2007−6014A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182208(P2005−182208)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(504194878)独立行政法人海洋研究開発機構 (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(504194878)独立行政法人海洋研究開発機構 (110)
【Fターム(参考)】
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