説明

ブドウ球菌エンテロトキシンBを中和する高親和性抗体

【解決手段】
本発明は、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合して、それを中和する抗体を提供する。さらに、そのような抗体をコードする核酸およびそのような抗体を発現する細胞が提供される。ブドウ球菌エンテロトキシンBによって媒介される疾患を処置するため、およびブドウ球菌エンテロトキシンBを中和するための方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年1月3日出願の米国仮出願番号60/883,271および2007年2月6日出願の米国仮出願番号60/888,405の利益を主張し、この両方は、本明細書中で参考として組み込まれる。
【0002】
本明細書中の開示の一部は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)のContract No.U01AI075399の契約によって部分的に支援されたものでありうる。米国政府は、本願においてある特定の権利を有しうる。
【0003】
本発明は、概して、免疫療法の分野に関する。より詳細には、本発明は、細菌のトキシンを中和することができるモノクローナル抗体、およびそのような抗体を使用してそのようなトキシンに曝露された被験体を処置するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
バイオテロに用いられる致死性物質の多くが容易に使用することができ、また、大部分は無防備な大衆に到達させることができるので、現在、バイオテロの脅威に大きな注目が集められている。郵便公社の混乱および18人の死者を招いた2001年のWashington,D.C.およびNew Yorkでの炭疽菌入り封筒を用いた攻撃に見られるようなバイオテロ攻撃の結果として、重大な経済的および政治的悪影響が起きうる。そのような物質からの脅威に起因して、疾病対策センター(Centers for Disease Control)は、「兵器化」することができ、大規模な罹患および死亡を引き起こす可能性を有する生物学的物質のリストを確立した。これらの選ばれた物質は、一般市民に広く散布される可能性に基づいて3つの群(A、BおよびC)に分類された。カテゴリーBの物質は、適度に散布しやすく、一般市民に対して散布された場合、中程度の罹患および死亡をもたらしうると考えられる。そのカテゴリーBの物質のリストの中に入るのが、微生物Staphylococcus aureusによって産生されるブドウ球菌性エンテロトキシンB(SEB)である(Mantis,NJ(2005)Adv.Drug Del.Rev.57:1424−39)。SEBは、特に粘膜表面による投与経路のとき、比較的低用量でヒトにおいて疾患を引き起こす可能性を有する。SEBの典型的な投与経路は、エアロゾルとしての吸入、またはSEB入りの食品もしくは水の経口摂取によるものである。
【0005】
S.aureusの株によって分泌される抗原性の異なるエンテロトキシンが少なくとも7つ存在する(Kotb(1998)Curr.Opin.Microbiol 1:56−65;Bergdoll(1983)Enterotoxins:C.S.F.Easmon,C.Adlam(Eds.),Staphylococcus and Staphylococcal Infections,Academic Press,New York,New York,pp.559−598)。SEBは、分子量が約28,000Daの単一のポリペプチドであり、2つの堅く詰め込まれたドメイン:大ドメインおよび小ドメインから構成されている(Swaminathan et al.(1992)Nature 359:801−6)。SEBがコンパクトな三次構造であるため、SEBは、トリプシン、キモトリプシンおよびパパインをはじめとしたプロテアーゼによる分解に対して非常に抵抗性である。プロテアーゼに対する抵抗性は、腸管の内腔におけるSEBの安定性に寄与する可能性がある(Mantis(2005))。
【0006】
ブドウ球菌などの病原菌による宿主生物の感染は、外毒素の産生によって促進される。S.aureusによって産生されるSEBは、スーパー抗原(SAg)として分類されるタンパク質である。スーパー抗原は、抗原提示細胞(APC)上のMHCIIと、CD4およびCD8T細胞の特定のサブセット上のT細胞受容体(TCR)との間に架橋を形成することによってT細胞を活性化することができるトキシンと定義される。SEBは、ヒトVβT細胞受容体の7つのクラス:Vβ3、12、13.2、14、15、17、20のうちの1つを認識する(Jardetzky et al.(1994)Nature 368:711−8;Leder et al.(1998)J.Exp.Med.187:823−33;Li et al.(1998)Immunity 9:807−16)。SEBが結合した結果、T細胞は、IL−2、TNF−βおよびインターフェロン−γをはじめとした大量のサイトカインを放出し、最終的にその枯渇をもたらす過剰増殖を起こす(Kappler et al.(1989)Science 244:811−3)。MHCIIAPCは、TNF−αおよびIL−1を産生することによって応答する(Krakauer(2003)Methods Mol.Biol.214:137−49)。L45近傍の疎水性ポケット、ならびに残基Y89、Y115およびE67を含む極性ポケットをはじめとしたSEBの2領域が、MHCIIとの相互作用に関与する(Mantis(2005);Jardetzky et al.(1994);Olson et al,(1997)J.Mol.Recognit.10:277−89;およびSeth et al.(1994)Nature 369:324−7)。SEBとTCR−MHCIIとの分子相互作用についてさらに理解することが、弱毒化SEBワクチンの候補の開発につながると予測される;この予測は、ある程度理解されてきている(Ulrich et al.(1998)Vaccine 16:1857−64)。
【0007】
SEBは、かなり安定したタンパク質であるが、長時間煮沸することによって変性することがある。SEBは、エアロゾルとして安定であるので、バイオテロリストが用いる物質として有望な候補になると考えられる。SEBは、不能化(incapacitating)トキシンであり、吸入によるLD50(集団の50%に対して致死性の用量)は、27μg/kgであり、ID50(集団の50%に対して感染性の用量)は、たった0.0004μg/kgである。SEBは、経口摂取または吸入のいずれかによって体内に入ることが最も多く、それにより、SEB食中毒およびSEB呼吸器症候群という2つの異なる臨床像がもたらされる。SEBは、戦場では経口摂取される可能性は低いが、テロリストによる攻撃においては両方の経路がありうる。テロリストの大量破壊兵器としてのSEBは、エアロゾルとして散布される可能性が最も高いだろう(Madsen(2001)Clinics in Laboratory Medicine 21:593−605)。
【0008】
SEB食中毒は、重症の腹部痙攣、通常は非血性下痢を特徴とし、時折、頭痛および発熱を伴う。通常、経口摂取後の2〜8時間以内に急激に症状が現れ、通常は12時間以内に軽減する。エアロゾル化されて予め形成されたトキシンを吸入することによって、発熱、頭痛、悪寒、筋痛(myalagias)、乾性咳、呼吸困難および胸骨後胸痛を特徴とするSEB呼吸器症候群がもたらされる。このトキシンを不注意に嚥下してしまうと、悪心および嘔吐がもたらされ、眼への接触によって、結膜充血が誘導されうる。39℃〜41℃の発熱は、最長5日続くことがあり、咳は、最長4週間続くことがある。致死的な吸入の場合における死亡のメカニズムは、肺浮腫である(Madsen 2001)。
【0009】
SEB感染個体を処置するためにいくつかの有望なストラテジーが開発中であるが、現在、有効な処置法は存在しない。静脈内免疫グロブリンを使用することが、限定的に成功したアプローチである(Darrenberg et al.(2004)Clin.Infect.Dis.38:836−42)。マウスSEBモデルシステムにおいて開発中の別のアプローチが、現在、報告されている(Krakauer et al.(2006)Antimicrob.Agents Chemother.50:391−5)。マウスのSEBモデルシステムでは、マウスをSEBに曝露し、抗炎症性薬のデキサメタゾンで処置した。SEBのLPS増強型モデルにおいて、その薬物がSEB処置の直後にそのマウスに投与される場合、中毒性ショックは停止しうる(短処置期間)。しかしながら、実際の問題として、そのような短い処置期間内でSEBへの曝露を正確に診断し、SEB媒介性疾患を鎮めるのに十分なデキサメタゾンを投与することは困難であろう。
【0010】
SEBワクチンの研究は、主に米陸軍感染症研究所(United States Army Medical Research Institute of Infectious Diseases)(USAMRIID)によって行われている。そのワクチンの開発は、ホルマリンによって不活性化されたトキシンを使用することに焦点が当てられていた(Tseng et al.(1995)Infect.Immun.63:2880−5)。このトキソイドワクチンは、典型的には、pH7.5のホルマリン中で長時間インキュベートすることによって作製される。SEBトキソイドワクチンは、免疫原性であり、患者はSEBに対して免疫反応を起こさなかったが、このワクチンは、最近、USAMRIIDによって広く断念され、組換え部位特異的弱毒化変異体に取って代わられた(Stiles et al.(2001)Infect.Immun.69:2031−6)。残念なことに、これらの変異体は、霊長類の研究において催吐活性を保持しているので、ヒトにおいて使用するのに適していない可能性がある(Harris et al.(1993)Infect.Immun.61:3175−83)。
【0011】
上で概説したSEBの研究から、テロリストがSEBを使用することに立ち向かうための有効な方法が現在のところ無いと示唆される。ゆえに、インビボにおいてSEBの活性を中和することができる薬物を開発するアプローチは、SEB媒介性疾患を処置および予防するための価値あるヒトの治療法になるだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合し、好ましくは、それを中和する、単離されたヒト抗体および抗原結合フラグメントを特徴とする。本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号39、40、70、94、118、132または148を有する重鎖CDR3を含みうる。本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号68、69および70;配列ID番号130、131および132;配列ID番号92、93および94;または配列ID番号144、146および148の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号160、176、204または230の重鎖可変ドメインを含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号30、34、126、142、216、232または251を有する重鎖を含みうる。
【0013】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号56、57および58;配列ID番号104、105および106;配列ID番号80、81および82;または配列ID番号136、138および140の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号158、174、200または228の軽鎖可変ドメインを含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号28、32、36、134、186、214または249を有する軽鎖を含みうる。
【0014】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号68、92、130または144のCDR1;配列ID番号69、93、131または146のCDR2;および配列ID番号70、94、132または148のCDR3を有する重鎖;ならびに配列ID番号56、80、104または136のCDR1;配列ID番号57、81、105または138のCDR2;および配列ID番号58、82、106または140のCDR3を有する軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号160、176、204または230を有する重鎖可変ドメインおよび配列ID番号158、174、200または228を有する軽鎖可変ドメインを含みうる。
【0015】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号68のCDR1、配列ID番号69のCDR2および配列ID番号70のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号56のCDR1、配列ID番号57のCDR2および配列ID番号58のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号176の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号174の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号30を有する重鎖および配列ID番号28を有する軽鎖を含む。
【0016】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号130のCDR1、配列ID番号131のCDR2および配列ID番号132のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号104のCDR1、配列ID番号105のCDR2および配列ID番号106のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号204の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号200の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号232を有する重鎖および配列ID番号186を有する軽鎖を含む。
【0017】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号92のCDR1、配列ID番号93のCDR2および配列ID番号94のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号80のCDR1、配列ID番号81のCDR2および配列ID番号82のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号160の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号158の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号251を有する重鎖および配列ID番号249を有する軽鎖を含む。
【0018】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号144のCDR1、配列ID番号146のCDR2および配列ID番号148のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号136のCDR1、配列ID番号138のCDR2および配列ID番号140のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号230の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号228の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号216を有する重鎖および配列ID番号214を有する軽鎖を含む。
【0019】
本発明はまた、先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントも企図する。例えば、そのような抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列ID番号68、69および70;92、93および94;130、131および132;または144、146および148のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるものを含みうる。先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列ID番号56、57および58;80、81および82;104、105および106;または136、138および140のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるものを含みうる。いくつかの実施形態において、先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列ID番号68、69および70;92、93および94;130、131および132;または144、146および148のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であり、軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、それぞれ配列ID番号56、57および58;80、81および82;104、105および106;または136、138および140のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるものを含みうる。先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR3が、配列ID番号39、40、70、94、132または148のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるものを含みうる。そのような抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖CDR3が、配列ID番号41、42、58、82、106または140のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるものを含みうる。
【0020】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR1、CDR2およびCDR3、ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、配列ID番号68のCDR1、配列ID番号69のCDR2および配列ID番号70のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号56のCDR1、配列ID番号57のCDR2および配列ID番号58のCDR3を有する軽鎖を有する抗体またはその抗原結合フラグメントと少なくとも90%同一であるものを含みうる。
【0021】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、配列ID番号130のCDR1、配列ID番号131のCDR2および配列ID番号132のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号104のCDR1、配列ID番号105のCDR2および配列ID番号106のCDR3を有する軽鎖を有する抗体または抗原結合フラグメントと少なくとも90%同一であるものを含みうる。
【0022】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、配列ID番号92のCDR1、配列ID番号93のCDR2および配列ID番号94のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号80のCDR1、配列ID番号81のCDR2および配列ID番号82のCDR3を有する軽鎖を有する抗体またはその抗原結合フラグメントと少なくとも90%同一であるものを含みうる。
【0023】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖CDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3が、配列ID番号144のCDR1、配列ID番号146のCDR2および配列ID番号148のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号136のCDR1、配列ID番号138のCDR2および配列ID番号140のCDR3を有する軽鎖を有する抗体またはその抗原結合フラグメントと少なくとも90%同一であるものを含みうる。
【0024】
さらなる例において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号176、160、204または230のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である可変ドメインを有する重鎖、および配列ID番号174、158、200または228のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である可変ドメインを有する軽鎖を含む。
【0025】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列ID番号176および配列ID番号174のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、可変ドメインを有する重鎖および可変ドメインを有する軽鎖を有するものを含みうる。
【0026】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列ID番号160および配列ID番号158のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、可変ドメインを有する重鎖および可変ドメインを有する軽鎖を有するものを含みうる。
【0027】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列ID番号204および配列ID番号200のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、可変ドメインを有する重鎖および可変ドメインを有する軽鎖を有するものを含みうる。
【0028】
先に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じであるアミノ酸配列を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列ID番号230および配列ID番号228のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、可変ドメインを有する重鎖および可変ドメインを有する軽鎖を有するものを含みうる。
【0029】
本抗体および抗原結合フラグメントは、高親和性の抗体および抗原結合フラグメントであり、約1×10−8M未満、好ましくは、約2×10−8M未満、より好ましくは、約3×10−8M未満の親和性を有しうる。好ましくは、本抗体は、モノクローナル抗体であり、より好ましくは、ヒトモノクローナル抗体である。そのような抗体および抗原結合フラグメントを発現する細胞(例えば、ハイブリドーマ細胞および発現細胞)もまた提供される。
【0030】
本発明は、SEBに対する結合について、抗体79G9、154G12、F10、100C9、F6、E12またはC5と競合する抗体またはその抗原結合フラグメントをさらに企図する。
【0031】
本発明はまた、抗体79G9、154G12、F10、100C9、F6、E12またはC5と同じエピトープに結合する抗体またはその抗原結合フラグメントも企図する。
【0032】
本発明はまた、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドを特徴とする。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号68、69および70の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号62、63および64を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号130、131および132の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号123または194、124または196、および125または198を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号92、93および94の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号86または166、87または168および88または170を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号144、146および148の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号253または222、255または224および257または226を含みうる。
【0033】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号56、57および58の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号50、51および52を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号104、105および106の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号98または180、99または182および100または184を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号80、81および82の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号74または152、75または154および76または156を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号136、138および140の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号259または208、261または210および263または212を含みうる。
【0034】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体または抗原結合フラグメントの重鎖可変ドメインは、配列ID番号159、164、172、175、192、203または229を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの好ましい実施形態において、重鎖配列は、配列ID番号29、33、119、141、162、163、190、191、215、218、219、231または250を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号160の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号159または164を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号176の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号175を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号204の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号172または203を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号230の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号192または229を含みうる。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントの軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3は、それぞれ、配列ID番号50、51および52;配列ID番号98、99および100;配列ID番号74、75および76;配列ID番号259、261および263;配列ID番号180、182および184;配列ID番号152、154および156;または配列ID番号208、210および212を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントの軽鎖可変ドメインは、配列ID番号150、157、171、173、178、199または227を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0036】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、配列ID番号158の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号150または157を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号174の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号173を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号200の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号171または199を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号228の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号178または227を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントの軽鎖配列は、配列ID番号27、31、35、133、149、161、177、185、189、205、213、217または248を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0037】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号68、69および70;および56、57および58の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号62、63および64;ならびに50、51および52を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号130、131および132;ならびに104、105および106の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号123または194、124または196および125または198;ならびに98または180、99または182および100または184を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号92、93および94;ならびに80、81および82の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号86または166、87または168および88または170;ならびに74または152、75または154および76または156を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号144、146および148;ならびに136、138および140の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号253または222、255または224および257または226;ならびに259または208、261または210および263または212を含みうる。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号176および174の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号175および173を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号204および200の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号203または172および199または171を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号160および158の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号159または164および157または150を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号230および228の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号229または192および227または178を含みうる。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、配列ID番号62、86、123、166、194、222または253のCDR1;配列ID番号63、87、124、168、196、224または255のCDR2;および配列ID番号64、88、125、170、198、212または257のCDR3を有する重鎖;ならびに配列ID番号50、74、98、152、180、208または259のCDR1;配列ID番号51、75、99、154、182、210または261のCDR2;および配列ID番号52、76、100、156、184、212または263のCDR3を有する軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、配列ID番号159、164、172、175、192、203または229を有する重鎖可変ドメインおよび配列ID番号150、157、171、173、178、199または227を有する軽鎖可変ドメインを含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、配列ID番号29、33、119、141、162、163、190、191、215、218、219、231または250の重鎖配列および配列ID番号27、31、35、133、149、161、177、185、189、205、213、217または248の軽鎖配列を含みうる。そのようなポリヌクレオチドを含むベクターもまた提供される。
【0040】
本発明はまた、ブドウ球菌エンテロトキシンB媒介性疾患の処置の必要な被験体において、そのような疾患を処置または予防するための方法も特徴とする。本方法は、薬学的に許容可能な担体、およびブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する少なくとも1つの抗体を含む組成物を、ブドウ球菌エンテロトキシンB媒介性疾患を処置または予防するのに有効な量でその被験体に投与する工程を包含する。本発明はまた、ブドウ球菌エンテロトキシンBの中和の必要な被験体においてそのような中和を行うための方法も特徴とする。本方法は、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合して、それを中和する少なくとも1つの本発明の抗体を、ブドウ球菌エンテロトキシンBを中和するのに有効な量でその被験体に投与する工程を包含する。
【0041】
ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体および抗原結合フラグメントを作製するための方法もまた特徴とする。いくつかの実施形態において、本方法は、動物から単離された骨髄細胞または末梢血細胞を、ブドウ球菌エンテロトキシンBまたはその抗原性フラグメントとともに培養する工程、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体を発現するB細胞を単離する工程、および前記B細胞によって産生される抗体を単離する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記動物は、骨髄細胞または末梢血細胞の単離の前に、ブドウ球菌エンテロトキシンBまたはその抗原性フラグメントで免疫される。その動物は哺乳動物であることが好ましいが必須ではなく、その動物がヒトであることがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】S.aureus株ATCC14458由来のブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)のアミノ酸配列(太字のタイプ)(配列ID番号46)を示している。SEBとSEBムテインワクチン(STEB)のアミノ酸配列間で異なっている箇所(暗いハイライト)を示している、類似SEBアミノ酸配列(斜体)(配列ID番号45)(Boles et al.(2003)Clin.Immunol.108:51−9)が提供されていて、これには、IVIG結合エピトープ(一重下線)(Nishi et al.(1997)J.Immunol.158:247−54)、T細胞受容体に結合するH結合(二重下線)(Li et al.(1998)Immunity 9:807−16)およびT細胞受容体に結合するファンデルワールス接触(薄いハイライト)もまた示されている。
【図2】抗原特異的ヒトmAbのE12、F6、F10およびC5の選択用の抗原パネルELISAを示している。ムチン、ヤギIgG、BSA、TT、HEL、CAB、BGG、SEB、メゾテリンおよびGM−CSFに対する結合について抗体をスクリーニングした。様々な抗原に対して反応性であることが知られている抗体を、ポジティブコントロールとして使用した。マウス抗体S5を、SEBとの反応性を示すポジティブコントロールとして使用した。E12、F6、F10およびC5抗体は、SEBに特異的であり、そのパネル中の他の抗原のいずれにも交差反応しなかった。本図の凡例から、試験された抗原が特定され、列挙された抗原に対応するグラフ上のバーが与えられる。
【図3】SEB特異的抗体E12、F10、F6およびC5のアイソタイプの判定を示している。各抗体は、IgMであることが示された。E12、F6およびC5は、ラムダ軽鎖を有することが示され、F10は、カッパー軽鎖を有することが示された。
【図4】完全ヒトmAbのF6、E12およびC5を用いたPBMCのSEB依存的増殖を示している。抗SEBMAbと命名されたポジティブコントロールは、マウスS5である。各抗体は、SEBを中和したときにPBMC増殖を誘導した。同時に、アッセイ培地のみでは増殖しないことが証明されると示される。
【図5】SEB特異的抗体79G9および100C9のアイソタイプの判定を示している。両方の抗体が、IgGであると示された。79G9は、カッパー軽鎖を有し、100C9は、ラムダ軽鎖を有する。
【図6】抗原特異的ヒトMAb79G9および100C9の選択用の抗原パネルELISAを示している。ムチン、ヤギIgG、BSA、TT、HEL、CAB、BGG、SEB、メゾテリンおよびGM−CSFに対する結合について抗体をスクリーニングした。様々な抗原に対して反応性であることが知られている抗体を、ポジティブコントロールとして使用した。マウス抗体S5を、SEBとの反応性を示すポジティブコントロールとして使用した。79G9および100C9は、SEBおよびSEBワクチンSTEBと反応した。そのパネル中の他の抗原との交差反応性は観察されなかった。本図の凡例から、試験された抗原が特定され、列挙された抗原に対応するグラフ上のバーが与えられる。
【図7】クローン79G9による、SEB媒介性のPBMC有糸分裂誘発の阻害を示している。抗体の濃度が上がるにつれて、有糸分裂誘発の阻害が大きくなった。
【図8】ヒトモノクローナル抗体79G9による、SEB媒介性のPBMC有糸分裂誘発の用量依存的阻害を示している。
【図9】抗体79G9および100C9によるSEB誘導性のIFN−γ産生の阻害を示している。これらの抗体が、一緒に使用されるとき、SEB誘導性のIFN−γ産生の阻害の相乗効果または相加効果が観察された。マウス抗体S5をポジティブコントロールとして使用した。
【図10】抗体79G9および100C9によるSEB誘導性のTNF−α産生の阻害を示している。これらの抗体が一緒に使用されるとき、SEB誘導性のTNF−α産生の阻害の相乗効果または相加効果が観察された。マウス抗体S5をポジティブコントロールとして使用した。
【図11】ヒト抗体79G9および100C9が、SEBには結合するが、全細胞可溶化物中に存在する他のヒトタンパク質には結合しないことを証明している免疫ブロットを示している。
【図12】ヒト抗体79G9および100C9が、ヒトT細胞によるIFN−γおよびTNF−αの産生を阻害すること示している。これらの抗体が相前後して使用されるとき、相乗効果または相加効果が観察される。
【図13A】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13B】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13C】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13D】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13E】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13F】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13G】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13H】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13I】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13J】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13K】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13L】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13M】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13N】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13O】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13P】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13Q】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図13R】抗体F10(配列ID番号27〜30、173〜176)、100C9(配列ID番号31〜34、157〜160、248〜251)、79G9+(配列ID番号37〜38、187〜188、201〜202)、79G9(配列ID番号35〜36、119、126、185〜186、199〜200、203〜204、231〜232)および154G12(配列ID番号133〜134、141〜142、213〜216、227〜230)のH鎖およびL鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図14A】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14B】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14C】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14D】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14E】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14F】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14G】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14H】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14I】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14J】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14K】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14L】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14M】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14N】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14O】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14P】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14Q】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図14R】抗体F10(配列ID番号47〜70)、100C9(配列ID番号71〜94)、79G9+(配列ID番号107〜118)、79G9(配列ID番号95〜106、120〜125、127〜132)および154G12(配列ID番号135〜140、143〜148、252〜263)のCDR領域およびFWR領域を示している。
【図15A】抗体100C9(配列ID番号149〜150、161〜164)、79G9(配列ID番号171〜172、177、189〜191)および154G12(配列ID番号178、192、205、217〜219)のH鎖および/またはL鎖のコドン最適化核酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図15B】抗体100C9(配列ID番号149〜150、161〜164)、79G9(配列ID番号171〜172、177、189〜191)および154G12(配列ID番号178、192、205、217〜219)のH鎖および/またはL鎖のコドン最適化核酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図15C】抗体100C9(配列ID番号149〜150、161〜164)、79G9(配列ID番号171〜172、177、189〜191)および154G12(配列ID番号178、192、205、217〜219)のH鎖および/またはL鎖のコドン最適化核酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図15D】抗体100C9(配列ID番号149〜150、161〜164)、79G9(配列ID番号171〜172、177、189〜191)および154G12(配列ID番号178、192、205、217〜219)のH鎖および/またはL鎖のコドン最適化核酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図15E】抗体100C9(配列ID番号149〜150、161〜164)、79G9(配列ID番号171〜172、177、189〜191)および154G12(配列ID番号178、192、205、217〜219)のH鎖および/またはL鎖のコドン最適化核酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図15F】抗体100C9(配列ID番号149〜150、161〜164)、79G9(配列ID番号171〜172、177、189〜191)および154G12(配列ID番号178、192、205、217〜219)のH鎖および/またはL鎖のコドン最適化核酸配列を示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線の部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。
【図16A】抗体100C9(配列ID番号151〜156、165〜170)、79G9(配列ID番号179〜184、193〜198)および154G12(配列ID番号207〜212、221〜226)のCDR領域およびFWR領域に対するコドン最適化核酸配列を示している。
【図16B】抗体100C9(配列ID番号151〜156、165〜170)、79G9(配列ID番号179〜184、193〜198)および154G12(配列ID番号207〜212、221〜226)のCDR領域およびFWR領域に対するコドン最適化核酸配列を示している。
【図16C】抗体100C9(配列ID番号151〜156、165〜170)、79G9(配列ID番号179〜184、193〜198)および154G12(配列ID番号207〜212、221〜226)のCDR領域およびFWR領域に対するコドン最適化核酸配列を示している。
【図16D】抗体100C9(配列ID番号151〜156、165〜170)、79G9(配列ID番号179〜184、193〜198)および154G12(配列ID番号207〜212、221〜226)のCDR領域およびFWR領域に対するコドン最適化核酸配列を示している。
【図16E】抗体100C9(配列ID番号151〜156、165〜170)、79G9(配列ID番号179〜184、193〜198)および154G12(配列ID番号207〜212、221〜226)のCDR領域およびFWR領域に対するコドン最適化核酸配列を示している。
【図16F】抗体100C9(配列ID番号151〜156、165〜170)、79G9(配列ID番号179〜184、193〜198)および154G12(配列ID番号207〜212、221〜226)のCDR領域およびFWR領域に対するコドン最適化核酸配列を示している。
【図17A】79G9と79G9+との配列の相違を明示している。図17Aは、79G9のヌクレオチド配列(配列ID番号119)と79G9+のヌクレオチド配列(配列ID番号37)とにおける相違を示している。
【図17B】図17Bは、79G9のアミノ酸配列(配列ID番号126)と79G9+のアミノ酸配列(配列ID番号38)とにおける相違を示している。79G9重鎖核酸配列および79G9軽鎖核酸配列を含む抗体を産生する細胞を、2007年1月3日にAmerican Type Culture Collectionに寄託した。
【図18】抗体79G9、100C9および154G12と、ブドウ球菌エンテロトキシンのSEA、SED、SEC1、SEC2およびTSST−1;ブドウ球菌性の発熱性外毒素SPE−A、SPE−B;および破傷風トキソイドとの結合を示している。斜め線の入ったバーは、TSST−1または破傷風トキソイドのいずれかに特異的なコントロール抗体の結合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
便宜のため、表1に各配列ID番号および対応する配列の名称を列挙する。
【0044】
【表1】









【0045】
明細書および請求項の全体にわたって、本発明の方法および他の態様に関する様々な用語が使用される。別段示されない限り、そのような用語には、当該分野における通常の意味が与えられるべきである。他の明確に定義される用語は、本明細書中に提供される定義と一致する形式で解釈されるべきである。
【0046】
明細書全体にわたって、以下の省略形を使用する。SEB,ブドウ球菌エンテロトキシンB;PBMC,末梢血単核球;BSA,ウシ血清アルブミン;TT,破傷風トキソイド;HEL,雌鳥卵(hen egg)リゾチーム;CAB,ニワトリアルブミン;BGG,ウシガンマグロブリン;TCR,T細胞受容体;CDR,相補性決定領域;FWR,フレームワーク領域。
【0047】
本明細書および添付の請求項において使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、含量が別途明らかに規定されていない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「細胞(a cell)」という言及は、2つ以上の細胞の組み合わせなどを含む。
【0048】
量、継続時間などの測定可能な値について言及するときの「約」なる用語は、本明細書中で使用されるとき、以下のような変分が、開示される方法を行うのに適切であるとき、特定の値からの±20%または±10%、より好ましくは±5%、なおもより好ましくは±1%、およびさらにより好ましくは±0.1%の変分を包含すると意味される。
【0049】
「単離された」とは、天然の状態から「人間の手で」改変されたことを意味する。分子または組成物が天然に存在する場合、それが変更されているか、もしくはその元の環境から取り出されているか、またはその両方である場合、それは「単離されている」。例えば、生存している植物または動物の中に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単離されて」いないが、その天然の状態に共存する物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、この用語が本明細書中で使用されるとき、「単離されて」いる。
【0050】
「核酸分子」と同義に呼ばれる「ポリヌクレオチド」とは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドのことを指し、それは、修飾されていないRNAまたはDNAであってもよいし、修飾されたRNAもしくはDNAであってもよい。「ポリヌクレオチド」としては、一本鎖DNAおよび二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域との混合物であるDNA、一本鎖RNAおよび二本鎖RNA、ならびに一本鎖領域と二本鎖領域との混合物であるRNA、一本鎖であってもよいし、より典型的には二本鎖であってもよいし、一本鎖領域と二本鎖領域との混合物であってもよい、DNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、「ポリヌクレオチド」とは、RNAもしくはDNA、またはRNAとDNAの両方を含む三重鎖領域のことを指す。ポリヌクレオチドなる用語は、1つ以上の修飾塩基を含むDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたはRNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチル化された(tritylated)塩基、およびイノシンなどの通常のものではない塩基が挙げられる。種々の修飾は、DNAおよびRNAに対して行うことができる;従って、「ポリヌクレオチド」は、典型的には天然に見られるような化学的、酵素的または代謝的に修飾された型のポリヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞に特有の化学型のDNAおよびRNAを包含する。「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと呼ばれる比較的短い核酸鎖も包含する。
【0051】
核酸配列またはアミノ酸配列に関して「実質的に同じ」とは、2つ以上の配列が少なくとも約65%同一であることを意味する。好ましくは、この用語は、2つ以上の配列が少なくとも約70%同一、より好ましくは、少なくとも約75%同一、より好ましくは、少なくとも約80%同一、より好ましくは、少なくとも約85%同一、より好ましくは、少なくとも約90%同一、より好ましくは、少なくとも約91%同一、より好ましくは、少なくとも約92%同一、より好ましくは、少なくとも約93%同一、より好ましくは、少なくとも約94%同一、より好ましくは、少なくとも約95%同一、より好ましくは、少なくとも約96%同一、より好ましくは、少なくとも約97%同一、より好ましくは、少なくとも約98%同一、より好ましくは、少なくとも約99%またはそれ以上同一であることを指す。
【0052】
「ベクター」は、別の核酸セグメントを、そのセグメントの複製または発現を生じさせるために作動可能に挿入することができるレプリコン(例えば、プラスミド、ファージ、コスミドまたはウイルス)である。
【0053】
「作動可能に連結される」または「作動可能に挿入される」なる用語は、コード配列が発現できるために、コード配列の発現に必要な制御配列が、そのコード配列に対して適切な位置の核酸分子内に置かれることを意味する。例としては、あるプロモーターが、コード配列の転写または発現を制御することができるとき、そのプロモーターは、そのコード配列と作動可能に連結されている。コード配列は、センス方向またはアンチセンス方向に、プロモーターまたは制御配列に作動可能に連結することができる。「作動可能に連結される」なる用語は、時折、発現ベクター内の他の転写調節因子(例えば、エンハンサー)の配置に対して適用される。
【0054】
外来性または異種性の核酸(例えばDNA)が細胞内に導入されるとき、その細胞は、そのようなDNAによって「形質転換」または「トランスフェクト」される。形質転換DNAは、その細胞のゲノム内に統合(共有結合的に連結)されてもよいし、統合されなくてもよい。例えば、原核生物、酵母および哺乳動物の細胞では、形質転換DNAは、プラスミドなどのエピソームエレメント上に維持されうる。真核細胞に関して、安定的に形質転換された細胞、すなわち「安定細胞」は、形質転換DNAが、染色体複製を介して娘細胞によって遺伝されるように、染色体に統合されるようになった細胞である。この安定性は、その真核細胞が、形質転換DNAを含む娘細胞の集団から構成される細胞株またはクローンを樹立することができることによって証明される。「クローン」は、単一細胞または共通の祖先から有糸分裂によって得られる細胞の集団である。「細胞株」は、インビトロにおいて多くの世代にわたって安定した増殖が可能な初代細胞のクローンである。
【0055】
「ポリペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合、すなわちペプチド同配体によって互いに結合された2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質のことを指す。「ポリペプチド」とは、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと通常呼ばれている短鎖と、一般にタンパク質と呼ばれている長鎖の両方のことを指す。ポリペプチドは、遺伝子にコードされる20個のアミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチド」は、翻訳後のプロセシングなどの天然のプロセス、または当該分野で周知の化学修飾手法のいずれかによって修飾されるアミノ酸配列を含む。そのような修飾は、基本的な教科書、より詳細なモノグラフならびに大量の研究文献に十分に記載されている。ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノ末端またはカルボキシル末端をはじめとしたポリペプチドのいずれの部分においても修飾することができる。同じタイプの修飾が、所与のポリペプチド内のいくつかの部位に、同じかまたは異なる程度で存在しうると認識されるだろう。また、所与のポリペプチドは、多くのタイプの修飾を含んでもよい。ポリペプチドは、ユビキチン化の結果として分枝であってもよく、分枝を有するか、または有しない環状であってもよい。環状、分枝状および分枝環状のポリペプチドは、天然の翻訳後プロセスから生じうるか、または合成方法によって作製されうる。修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトール(phosphotidylinositol)の共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合性の架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク分解性のプロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、タンパク質に対するアミノ酸の転移RNA媒介性付加(例えば、アルギニン化)およびユビキチン化が挙げられる。例えば、Proteins−Structure and Molecular Properties,2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York,1993およびWold,F.,Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,Posttranslational Covalent Modification of Proteinsの1−12頁,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,1983;Seifter et al.,Analysis for Protein Modifications and Nonprotein Cofactors,Meth Enzymol(1990)182:626−646およびRattan et al.,Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging,Ann NY Acad Sci(1992)663:48−62を参照のこと。
【0056】
「生体分子」には、タンパク質、ポリペプチド、核酸、脂質、単糖類、多糖類、ならびにそれらのすべてのフラグメント、類似体、相同体、結合体(conjugate)および誘導体が含まれる。
【0057】
「発現する」および「産生する」なる用語は、本明細書中で同義に使用され、遺伝子産物の生合成のことを指す。これらの用語は、遺伝子からRNAへの転写を包含する。これらの用語は、RNAから1つ以上のポリペプチドへの翻訳も包含し、天然に存在するすべての転写後修飾および翻訳後修飾をさらに包含する。抗体の発現/産生は、細胞の細胞質内、および/または細胞培養の増殖培地などの細胞外の環境に対して、行われうる。
【0058】
「処置する」または「処置」なる用語は、損傷、病状もしくは状態の減弱もしくは改善の任意の成功もしくは成功の徴候(任意の客観的または主観的なパラメータ(例えば、緩和、緩解、症状の減少、またはその損傷、病状もしくは状態を患者にとってより許容できるようにすること)を含む)、退化もしくは減退の速度を遅くすること、退化の最終点を消耗性がより低いものにすること、被験体の身体的健康もしくは精神的健康を改善すること、または生存時間を延長することを指す。症状の処置または改善は、客観的または主観的なパラメータ(理学的検査、神経学的検査および/または精神医学的評価の結果を含む)に基づきうる。
【0059】
「有効な量」および「治療有効量」は、本明細書中で交換可能に使用され、本明細書中に記載されるとき、特定の生物学的結果(例えば、本明細書中に開示、記載または例示される生物学的結果が挙げられるがこれらに限定されない)を達成するのに有効な抗体または組成物の量のことを指す。そのような結果としては、当該分野において適切な任意の手段によって測定されるような、ブドウ球菌エンテロトキシンBへの曝露によって媒介される疾患の処置が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0060】
「薬学的に許容可能な」とは、薬理学的/毒物学的な観点から患者に、ならびに組成、製剤化、安定性、患者の許容性およびバイオアベイラビリティに関する物理的/化学的な観点から製薬化学者に、受け入れられる特性および/または物質のことを指す。「薬学的に許容可能な担体」とは、活性成分の生物学的活性の有効性を妨害せず、投与される宿主に対して毒性でない媒質のことを指す。
【0061】
本明細書中で使用されるとき、用語「インビトロにおける有糸分裂誘発の阻害」とは、培養物中の細胞の数が、約5%、好ましくは、約10%、より好ましくは、約20%、より好ましくは、約30%、より好ましくは、約40%、より好ましくは、約50%、より好ましくは、約60%、より好ましくは、約70%、より好ましくは、約80%、より好ましくは、約90%、および最も好ましくは、約100%減少することを意味する。有糸分裂促進的な細胞増殖のインビトロ阻害は、当該分野で公知のアッセイによって測定することができる。
【0062】
本発明は、特定の方法、試薬、化合物、組成物または生体系に限定されないことが理解されるべきであり、当然のことながら変化しうる。本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を説明するだけの目的であって、限定する意図ではないことも理解されるべきである。
【0063】
ブドウ球菌トキシンは、Staphylococcus細菌による感染に対する主要な病原性因子である。汚染された食品もしくは水の経口摂取によるか、または例えば、テロリストの攻撃による吸入によるかに関係なく、そのようなトキシンに曝露されると、急激に発症する消耗性の疾病が生じうる。現在までに、ブドウ球菌トキシンへの曝露に対する有効な処置は、開発されるのに時間がかかっている。本発明によれば、ブドウ球菌エンテロトキシンBなどのトキシンは、抗体を用いて中和することができると発見されている。
【0064】
従って、一態様において、本発明は、ブドウ球菌エンテロトキシン、より詳細には、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する、単離された抗体およびその抗原結合フラグメントを特徴とする。この抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナルでありうるか、またはブドウ球菌性エンテロトキシンに対する特異性を保持する抗体の誘導体もしくはフラグメントでありうる。抗体分子の一般構造は、抗原結合ドメイン(重鎖および軽鎖を含む)およびFcドメイン(補体結合をはじめとした種々の機能を果たす)を含む。
【0065】
免疫グロブリンには5つのクラスがあり、免疫グロブリンクラスは、Fc領域における重鎖の1次構造によって判定される。具体的には、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミュー鎖が、それぞれIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMアイソタイプに対応する。本発明の抗体は、すべてのアイソタイプおよび4鎖免疫グロブリン構造の合成多量体を含む。本発明の抗体はまた、雌鳥またはシチメンチョウの血清中および雌鳥またはシチメンチョウの卵黄中に通常見られるIgYアイソタイプも含む。抗体は、非共有結合的かつ特異的かつ可逆的に抗原に結合する。
【0066】
抗原結合フラグメントは、親抗体分子の抗原結合特異性を保持しているインタクトな抗体の一部を含む。例えば、抗原結合フラグメントは、少なくとも1つの可変領域(重鎖または軽鎖の可変領域のいずれか)を含みうる。適当な抗原結合フラグメントの例としては、多エピトープ特異性を有する抗体、二重特異性抗体、ダイアボディおよび一本鎖分子、ならびにFab、F(ab’)2、Fd、FabcおよびFv分子、一本鎖(Sc)抗体、個別の抗体軽鎖、個別の抗体重鎖、抗体鎖と他の分子とのキメラ融合物、重鎖モノマーまたはダイマー、軽鎖モノマーまたはダイマー、1本の重鎖および1本の軽鎖からなるダイマーなどが挙げられるがこれらに限定されない。抗原結合フラグメントを作製するために、すべての抗体アイソタイプを使用することができる。抗原結合フラグメントは、組換え的に作製することができる。
【0067】
本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、いずれの種に由来してもよい。例えば、本抗体および抗原結合フラグメントは、マウス、ラット、ヤギ、ウマ、ブタ、ウシ、ニワトリ、ウサギ、ロバ、ヒトなどでありうる。ヒトを処置する際に使用するために、非ヒト由来の抗体および抗原結合フラグメントは、ヒト患者に投与したときにより抗原性が低くなるように構造的に改変することができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、本抗体は、キメラ抗体である。キメラ抗体およびそれを作製する方法は、当該分野において周知であり、確立されている。本明細書中で使用されるとき、「キメラ抗体」なる用語は、非ヒト哺乳動物、げっ歯類または爬虫類の抗体アミノ酸配列に由来する少なくとも1つの可変ドメインの少なくとも一部を有する抗体またはその抗原結合フラグメントのことを意味するが、その抗体またはその抗原結合フラグメントの残りの部分は、ヒトに由来する。例えば、キメラ抗体は、マウス抗原結合ドメインを、ヒトFcまたは他のそのような構造ドメインとともに含みうる。
【0069】
いくつかの実施形態において、本抗体は、ヒト化抗体である。ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含むキメラの免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2または抗体の他の抗原結合部分配列)でありうる。ほとんどの部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性(complementary)決定領域(CDR)の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラットまたはウサギ)のCDRの残基(ドナー抗体)で置換された、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FWR)残基は、対応する非ヒト残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移植されるCDR配列またはフレームワーク配列にも見られない残基を含むことがある。これらの修飾は、抗体の性能をさらに洗練させ、最適化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、ここで、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリンのそれに対応し、FWR領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリン配列のそれである。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれを含む。詳細については、Jones et al.(1986)Nature 321:522−5;Reichmann et al.(1988)Nature 332:323−9;およびPresta(1992)Curr.Op.Struct.Biol.2:593−6を参照のこと。
【0070】
本発明の好ましい態様において、本抗体は、完全にヒトのものである。本明細書中で使用されるとき、「ヒト抗体」なる用語は、その抗体が、全くヒト起源由来であるか、または可変ドメイン配列および定常ドメイン配列がヒト配列である任意の抗体であることを意味する。この用語は、ヒト遺伝子由来の(すなわち、それを利用する)配列を有するが、その抗体は、例えば、可能性のある免疫原性を低減させる、親和性を高める、望ましくない折りたたみを引き起こしうるシステインを除去する、などのために変更された、抗体を含む。この用語は、非ヒト細胞内で組換え的に作製されたそのような抗体を含み、それにより、ヒト細胞において典型的ではないグリコシル化が付与されることがある。
【0071】
本発明の抗体は、例えば、治療的または診断的に適用するために、様々な化学部分または生体分子部分で標識されてもよいし、別途それらと結合体化されてもよい。その部分は、細胞傷害性でありえ、例えば、細菌のトキシン、ウイルスのトキシン、放射性同位体などでありうる。その部分は、検出可能な標識、例えば、蛍光標識、放射標識、ビオチンなどでありうる。
【0072】
抗体特異性が6つのCDR領域、特に、H鎖のCDR3によって主に決定されることを当業者は認識するだろう(Kala et al.(2002)J.Biochem.132:535−41;Morea et al.(1998)J.Mol.Biol.275:269−94;およびChothia et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901−17)。しかしながら、抗体フレームワーク領域は、抗原抗体相互作用(Panka et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3080−4)、特に、CDRループのコンフォメーション(Foote et al.(1992)J.Mol.Biol.224:487−99)に関与しうる。従って、本発明の抗体は、SEBに対する抗体特異性を付与する、H鎖またはL鎖のCDR領域またはFWR領域の任意の組み合わせを含むことができる。当該分野において日常的に行われるドメインシャフリング実験(Jirholt et al.(1998)Gene 215:471−6;Soderlind et al.(2000)Nature Biotechnology 18:852−6)を用いて、本明細書中に説明および例示される詳述に従って、SEBに特異的に結合する抗体を作製することができる。そのようなドメインシャフリング実験によって作製される抗体は、本発明の範囲内である。
【0073】
従って、いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号68、92、116、130または144と実質的に同じかまたは同一の重鎖CDR1アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号69、93、117、131または146と実質的に同じかまたは同一の重鎖CDR2アミノ酸配列を含む。いくつかの特に好ましい実施形態において、本抗体は、配列ID番号39、40、70、94、118、132または148と実質的に同じかまたは同一の重鎖CDR3アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号56、80、104または136と実質的に同じかまたは同一の軽鎖CDR1アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号57、81、105または138と実質的に同じかまたは同一の軽鎖CDR2アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号58、82、106または140と実質的に同じかまたは同一の軽鎖CDR3アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号65、89、113、127または143と実質的に同じかまたは同一の重鎖FWR1アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号66、90、114、128または145と実質的に同じかまたは同一の重鎖FWR2アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号67、91、115、129または147と実質的に同じかまたは同一の重鎖FWR3アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号53、77、101または135と実質的に同じかまたは同一の軽鎖FWR1アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号54、78、102または137と実質的に同じかまたは同一の軽鎖FWR2アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本抗体は、配列ID番号55、79、103または139と実質的に同じかまたは同一の軽鎖FWR3アミノ酸配列を含む。図14および16は、本パラグラフに記載される重鎖および軽鎖CDR1〜3およびFWR1〜3をコードすることができる核酸配列の例を示している。
【0074】
本発明の抗体は、配列ID番号30のアミノ酸配列を含む重鎖を含みうる。この重鎖は、配列ID番号29を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号251のアミノ酸配列を含む重鎖を含みうる。この重鎖は、配列ID番号250または162を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号188のアミノ酸配列を含む重鎖を含みうる。この重鎖は、配列ID番号37を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号232のアミノ酸配列を含む重鎖を含みうる。この重鎖は、配列ID番号231または190を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号216のアミノ酸配列を含む重鎖を含みうる。この重鎖は、配列ID番号215または218を含む核酸配列によってコードされうる。
【0075】
本発明は、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合し、好ましくはそれを中和する、単離されたヒト抗体および抗原結合フラグメントを特徴とする。本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号39、40、70、94、118、132または148を有する重鎖CDR3を含みうる。本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号68、69および70;配列ID番号116、117および118;配列ID番号130、131および132;配列ID番号92、93および94;または配列ID番号144、146および148の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号160、176、202、204または230の重鎖可変ドメインを含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号30、34、38、126、142、216、232または251を有する重鎖を含みうる。
【0076】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号56、57および58;配列ID番号104、105および106;配列ID番号80、81および82;または配列ID番号136、138および140の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号158、174、200または228の軽鎖可変ドメインを含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号28、32、36、134、186、214または249を有する軽鎖を含みうる。
【0077】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号68、92、116、130または144のCDR1;配列ID番号69、93、117、131または146のCDR2;および配列ID番号70、94、118、132または148のCDR3を有する重鎖;ならびに配列ID番号56、80、104または136のCDR1;配列ID番号57、81、105または138のCDR2;および配列ID番号58、82、106または140のCDR3を有する軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号160、176、202、204または230を有する重鎖可変ドメイン、および配列ID番号158、174、200、228を有する軽鎖可変ドメインを含みうる。
【0078】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号68のCDR1、配列ID番号69のCDR2および配列ID番号70のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号56のCDR1、配列ID番号57のCDR2および配列ID番号58のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号176の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号174の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号30を有する重鎖および配列ID番号28を有する軽鎖を含む。
【0079】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号116のCDR1、配列ID番号117のCDR2および配列ID番号118のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号104のCDR1、配列ID番号105のCDR2および配列ID番号106のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号202の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号200の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号188を有する重鎖および配列ID番号186を有する軽鎖を含む。
【0080】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号130のCDR1、配列ID番号131のCDR2および配列ID番号132のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号104のCDR1、配列ID番号105のCDR2および配列ID番号106のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号204の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号200の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号232を有する重鎖および配列ID番号186を有する軽鎖を含む。
【0081】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号92のCDR1、配列ID番号93のCDR2および配列ID番号94のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号80のCDR1、配列ID番号81のCDR2および配列ID番号82のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号160の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号158の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号251を有する重鎖および配列ID番号249を有する軽鎖を含む。
【0082】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号144のCDR1、配列ID番号146のCDR2および配列ID番号148のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号136のCDR1、配列ID番号138のCDR2および配列ID番号140のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号230の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号228の可変ドメインを有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号216を有する重鎖および配列ID番号214を有する軽鎖を含む。
【0083】
本抗体および抗原結合フラグメントは、高親和性の抗体および抗原結合フラグメントであり、約1×10−8M未満、好ましくは、約2×10−8M未満、より好ましくは、約3×10−8M未満の親和性を有しうる。好ましくは、本抗体は、モノクローナル抗体であり、より好ましくは、ヒトモノクローナル抗体である。そのような抗体および抗原結合フラグメントを発現する細胞(例えば、ハイブリドーマ細胞および発現細胞)もまた提供される。
【0084】
本発明の抗体は、配列ID番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。この軽鎖は、配列ID番号27を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号249のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。この軽鎖は、配列ID番号31、248、161または149を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号186のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。この軽鎖は、配列ID番号185または189を含む核酸配列によってコードされうる。本発明の抗体は、配列ID番号214のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。この軽鎖は、配列ID番号213または217を含む核酸配列によってコードされうる。
【0085】
重鎖および軽鎖ならびにそれらをコードする遺伝子の中に、天然の配列バリエーションが存在する可能性があるので、本発明の抗体の特有の結合特性(例えば、特異性および親和性)を維持しつつも、アミノ酸配列またはそれらをコードする遺伝子の中にいくらかのレベルのバリエーションが見つけ出されると当業者は予想しうる、と理解されるべきである。そのような予想は、部分的には、遺伝暗号の縮重、ならびにコードされるタンパク質の性質をあまり変化させない保存的なアミノ酸配列のバリエーションの既知の進化的成功に起因する。従って、そのような変異体および相同体は、互いに実質的に同じであると考えられ、本発明の範囲内に含まれる。
【0086】
従って、本発明の抗体は、本発明の抗体の生物学的特性(例えば、結合親和性または免疫エフェクター活性)を保持する単一または複数のアミノ酸置換、欠失、付加または置換を有する変異体を含む。当業者は、単一または複数のアミノ酸置換、欠失、付加または置換を有する変異体を作製することができる。これらの変異体としては、とりわけ:(a)1つ以上のアミノ酸残基が保存アミノ酸または非保存アミノ酸で置換されている変異体、(b)1つ以上のアミノ酸が、そのポリペプチドに付加されているか、またはそのポリペプチドから欠失している変異体、(c)1つ以上のアミノ酸が置換基を含む変異体、および(d)そのポリペプチドが、そのポリペプチドに有用な特性を付与しうる別のペプチドまたはポリペプチド(例えば、融合パートナー、タンパク質タグまたは他の化学部分)(例えば、抗体のエピトープ、ポリヒスチジン配列、ビオチン部分など)と融合している変異体が挙げられうる。本発明の抗体は、1つの種からのアミノ酸残基が、保存された位置または保存されていない位置において別の種における対応残基で置換されている変異体を含みうる。他の実施形態において、保存されていない位置におけるアミノ酸残基は、保存残基または非保存残基で置換される。遺伝学的(抑制、欠失、変異など)、化学的および酵素的な手法をはじめとした、これらの変異体を得るための手法は、当業者に公知である。
【0087】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体は、配列ID番号30のアミノ酸配列を含む重鎖および配列ID番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体は、配列ID番号251のアミノ酸配列を含む重鎖および配列ID番号249のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体は、配列ID番号188のアミノ酸配列を含む重鎖および配列ID番号186のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体は、配列ID番号232のアミノ酸配列を含む重鎖および配列ID番号186のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体は、配列ID番号216のアミノ酸配列を含む重鎖および配列ID番号214のアミノ酸配列を含む軽鎖を含みうる。しかしながら、いくつかの場合において、所与の重鎖と様々な軽鎖との対形成、または所与の軽鎖と様々な重鎖との対形成によって、その組み合わせ本来の特異性および/または親和性と同じかまたはそれよりも良好な特異性および/または親和性を有する抗体が生じうることを当業者は認識するだろう。従って、本発明は、H鎖とL鎖の対の好ましい組み合わせに限定されない。よって、本発明の抗体は、H鎖とL鎖の対の様々な組み合わせを包含する。その組み合わせとしては、本明細書中に記載されるH鎖およびL鎖、または当業者に公知でありうるかもしくはSEBに対して特異的で高い親和性の結合を得るために本明細書中に記載されるH鎖およびL鎖と適合可能であると別途実験的に判定される他のH鎖もしくはL鎖、が挙げられるがこれらに限定されない。
【0088】
本発明の抗体は、1×10−2未満の解離定数(K)を含む、標的抗原に対する結合親和性(単位M)を有する。いくつかの実施形態において、Kは、1×10−3未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−4未満である。いくつかの実施形態において、Kは、1×10−5未満である。さらに他の実施形態において、Kは、1×10−6未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−7未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−8未満、2×10−8未満または3×10−8未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−9未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−10未満、2×10−10未満または3×10−10未満である。さらに他の実施形態において、Kは、1×10−11未満である。いくつかの実施形態において、Kは、1×10−12未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−13未満である。他の実施形態において、Kは、1×10−14未満である。さらに他の実施形態において、Kは、1×10−15未満である。
【0089】
例えば、共有結合が本抗体とそのエピトープとの結合を妨げないような任意のタイプの分子が本抗体に共有結合することによって、本発明の抗体を修飾することができる。適当な修飾の例としては、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の抗体自体を、公知の保護基/ブロッキング基、タンパク分解性切断、細胞性リガンドまたは他のタンパク質への結合などによって誘導体化してもよい。本発明の抗体は、抗体活性または安定性を改善する翻訳後部分を有してもよい。これらの部分としては、硫黄、メチル、炭水化物、リンならびに免疫グロブリン分子上に通常見られる他の化学基が挙げられる。さらに、本発明の抗体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含んでもよい。
【0090】
本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列が提供される。本発明の核酸としては、ゲノムDNA、DNA、cDNA、RNA、二本鎖核酸および一本鎖核酸ならびにそれらの相補的配列が挙げられるがこれらに限定されない。
【0091】
本発明の好ましいポリヌクレオチドは、配列ID番号30、34、38、126、142、216、232または251の重鎖アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。配列ID番号28、32、36、134、186、214または249の軽鎖アミノ酸配列をコードする核酸配列。本発明の他の好ましいポリヌクレオチドは、配列ID番号160、176、202、204または230の重鎖可変ドメインアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。配列ID番号158、174、200または228の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列をコードする核酸配列。他の好ましいポリヌクレオチドは、配列ID番号39、40、41、42、58、70、82、94、106、118、132、140または148の抗体CDR3ドメイン;配列ID番号57、69、81、93、105、117、131、138または146のCDR2ドメイン、ならびに配列ID番号56、68、80、92、104、116、130、136および144のCDR1ドメインをコードする核酸配列を含む。
【0092】
本発明のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドのいくつかの好ましい例は、配列ID番号29、33、37、119、141、162、163、190、191、215、218、219、231および250の重鎖ポリヌクレオチド;ならびに配列ID番号27、31、35、133、149、161、177、185、189、205、213、217および248の軽鎖ポリヌクレオチドを含む。本発明のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの他の好ましい例は、配列ID番号159、164、172、175、192、201、203および229の重鎖可変ドメイン;ならびに配列ID番号150、157、171、173、178、199および227の軽鎖可変ドメインを含む。本発明のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの他の好ましい例は、配列ID番号62、86、110、123、166、194、222および253の重鎖CDR1ドメイン;配列ID番号63、87、111、124、168、196、224および255のCDR2ドメイン;ならびに配列ID番号64、88、112、125、170、198、212および257のCDR3ドメイン;ならびに配列ID番号50、74、98、152、180、208および259の軽鎖CDR1ドメイン;配列ID番号51、75、99、154、182、210および261のCDR2ドメイン;ならびに配列ID番号52、76、100、156、184、212および263のCDR3ドメインを含む。本明細書中のこの箇所および別の箇所に記載されるポリヌクレオチド配列は、本発明の好ましい実施形態の例を提供するが、遺伝暗号の縮重の性質から、本発明の抗体および抗体フラグメントをコードする多数のポリヌクレオチドが提供されることを当業者は認識するだろう。本発明はまた、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドを特徴とする。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号68、69および70の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号62、63および64を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号116、117および118の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号110、111および112を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号130、131および132の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号123または194、124または196および125または198を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号92、93および94の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号86または166、87または168および88または170を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号144、146および148の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号253または222、255または224および257または226を含みうる。
【0093】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号56、57および58の軽鎖CDR1、CDR2およびのCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号50、51および52を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号104、105および106の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号98または180、99または182および100または184を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号80、81および82の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号74または152、75または154および76または156を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号136、138および140の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号259または208、261または210および263または212を含みうる。
【0094】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体または抗原結合フラグメントの重鎖可変ドメインは、配列ID番号159、164、172、175、192、201、203または229を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの好ましい実施形態において、その重鎖配列は、配列ID番号29、33、37、119、141、162、163、190、191、215、218、219、231または250を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号160の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号159または164を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号176の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号175を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号202の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号201を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号204の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号172または203を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号230の重鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号192または229を含みうる。
【0095】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントの軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3は、配列ID番号50、51および52;配列ID番号98、99および100;配列ID番号74、75および76;配列ID番号259、261および263;配列ID番号180、182および184;配列ID番号152、154および156;または配列ID番号208、210および212を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントの軽鎖可変ドメインは、配列ID番号150、157、171、173、178、199または227を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0096】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号158の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号150または157を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号174の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号173を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号200の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号171または199を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号228の軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号178または227を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントの軽鎖配列は、配列ID番号27、31、35、133、149、161、177、185、189、205、213、217または248を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号68、69および70;ならびに56、57および58の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号62、63および64;ならびに50、51および52を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号116、117および118;ならびに104、105および106の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号110、111および112;ならびに98または180、99または182および100または184を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号130、131および132;ならびに104、105および106の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号123または194、124または196および125または198;ならびに98または180、99または182および100または184を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号92、93および94;ならびに80、81および82の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号86または166、87または168および88または170;ならびに74または152、75または154および76または156を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号144、146および148;ならびに136、138および140の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、それぞれ配列ID番号253または222、255または224および257または226;ならびに259または208、261または210および263または212を含みうる。
【0098】
いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号176および174の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号175および173を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号202および200の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号201および199または171を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号204および200の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号203または172および199または171を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号160および158の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号159または164および157または150を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号230および228の重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有する抗体または抗原結合フラグメントをコードする。例えば、本ポリヌクレオチドは、配列ID番号229または192および227または178を含みうる。
【0099】
いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、配列ID番号62、86、110、123、166、194、222または253のCDR1;配列ID番号63、87、111、124、168、196、224または255のCDR2;および配列ID番号64、88、112、125、170、198、212または257のCDR3を有する重鎖;ならびに配列ID番号50、74、98、152、180、208または259のCDR1;配列ID番号51、75、99、154、182、210または261のCDR2;および配列ID番号52、76、100、156、184、212または263のCDR3を有する軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、配列ID番号159、164、172、175、192、201、203または229を有する重鎖可変ドメインおよび配列ID番号150、157、171、173、178、199または227を有する軽鎖可変ドメインを含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、本抗体および抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドは、配列ID番号29、33、37、119、141、162、163、190、191、215、218、219、231または250の重鎖配列および配列ID番号27、31、35、133、149、161、177、185、189、205、213、217または248の軽鎖配列を含みうる。そのようなポリヌクレオチドを含むベクターもまた提供される。
【0100】
いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチド(およびそれがコードするペプチド)は、リーダー配列を含む。当該分野で公知の任意のリーダー配列を使用することができる。リーダー配列としては、制限酵素認識部位および/または翻訳開始部位が挙げられうるが、これらに限定されない。いくつかの好ましい実施形態において、リーダー配列は、核酸配列ATGGGATGGAGCTGTATCATCCTCTTCTTGGTAGCAACAGCTACAGGTGTACACAGC(配列ID番号43)、
ATGGGCTGGTCCTGCATCATCCTGTTTCTGGTGGCCACCGCCACCGGCGTGCACTCC(配列ID番号206)、
ATGGGATGGAGCTGTATCATCCTCTTCTTGGTAGCAACAGCTACAGGTGTCCACTCC(配列ID番号220)またはATGGGATGGAGCTGTATCATCCTCTTCTTGGTAGCAACAGCTACAGGTGTGCACTCC(配列ID番号21)を有する。いくつかの好ましい実施形態において、リーダー配列は、アミノ酸配列MGWSCIILFLVATATGVHS(配列ID番号44)をコードする。
【0101】
本発明のポリヌクレオチドを含むベクターも、本発明に包含される。そのベクターは、発現ベクターでありうる。従って、目的のポリペプチドをコードする配列を含む組換え発現ベクターが、提供される。その発現ベクターは、1つ以上の付加配列(例えば、制御配列(例えば、プロモーター、エンハンサー)、選択マーカーおよびポリアデニル化シグナルが挙げられるがこれらに限定されない)を含んでもよい。多岐にわたる宿主細胞を形質転換するためのベクターは、当業者に周知である。それらとしては、プラスミド、ファージミド、コスミド、バキュロウイルス、バクミド、細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)ならびに他の細菌、酵母およびウイルスのベクターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
本発明の組換え発現ベクターは、適当な調節エレメントに作動可能に連結されうる少なくとも1つの組換えタンパク質をコードする、合成核酸フラグメント、ゲノムまたはcDNAに由来する核酸フラグメントを含む。そのような調節エレメントは、転写プロモーター、適当なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳の終結を制御するものを含みうる。発現ベクター、特に哺乳動物発現ベクターは、1つ以上の非転写エレメント(例えば、発現される遺伝子に連結される、複製起点、適当なプロモーターおよびエンハンサー、他の5’または3’隣接非転写配列、5’または3’非転写配列(例えば、必要なリボソーム結合部位)、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位およびアクセプター部位または転写終結配列)も含んでもよい。宿主において複製する能力を付与する複製起点も組み込んでもよい。
【0103】
脊椎動物細胞の形質転換に使用される発現ベクター内の転写調節配列および翻訳調節配列は、ウイルスの起源によって提供されてもよい。例示的なベクターは、OkayamaおよびBerg(1983)Mol.Cell.Biol.3:280に記載されているように構築することができる。
【0104】
いくつかの実施形態において、本抗体のコード配列は、強力な構成的プロモーター(例えば、以下の遺伝子:ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)、アデノシンデアミナーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ベータ−アクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンおよびその他の遺伝子に対するプロモーター)の支配下に置かれる。さらに、多くのウイルスプロモーターは、真核細胞において構成的に機能し、本発明において使用するのに適している。そのようなウイルスプロモーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーター、SV40の初期および後期プロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、モロニー白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)および他のレトロウイルスの末端反復配列(LTR)、ならびに単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。他のプロモーターが、当業者に公知である。1つの実施形態において、本抗体のコード配列は、誘導性プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター、テトラサイクリン誘導性プロモーター、ドキシサイクリン誘導性プロモーター、1つ以上のインターフェロン刺激応答エレメント(ISRE)(例えば、タンパク質キナーゼR2’,5’−オリゴアデニレート合成酵素、Mx遺伝子、ADAR1など)を含むプロモーター)の支配下に置かれる。他の適当な誘導性プロモーターが、当業者に公知であろう。
【0105】
本発明のベクターは、1つ以上の配列内リボソーム進入部位(IRES)を含みうる。融合ベクターにIRES配列を含めることは、いくつかのタンパク質の発現を増大させるために有益であることがある。いくつかの実施形態において、そのベクターシステムは、1つ以上のポリアデニル化部位(例えば、SV40)を含み、それらの部位は、上述の核酸配列のいずれかの上流に存在してもよいし、下流に存在してもよい。ベクターの構成要素は、遺伝子産物を発現するために最適な間隔をもたらす形式で、隣接して連結または配置されてもよいし(すなわち、ORF間に「スペーサー」ヌクレオチドを導入することによって)、別の方法で位置してもよい。IRESモチーフなどの調節エレメントも、発現に最適な間隔をもたらすように配置することができる。
【0106】
本ベクターは、当該分野で周知の選択マーカーを含んでもよい。選択マーカーとしては、正および負の選択マーカー、例えば、抗生物質耐性遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ペニシリン耐性遺伝子)、ガンシクロビル選択用のHSV−TK、HSV−TK誘導体または6−メチルプリン選択用の細菌プリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子(Gadi et al.(2000)Gene Ther.7:1738−1743)が挙げられる。選択マーカーをコードする核酸配列または上記クローニング部位は、目的のポリペプチドをコードする核酸配列またはクローニング部位の上流に存在してもよいし、下流に存在してもよい。
【0107】
本発明のベクターは、本発明の様々な抗体をコードする遺伝子で様々な細胞を形質転換するために使用することができる。例えば、本ベクターは、抗体産生細胞を作製するために使用することができる。従って、本発明の別の態様は、本明細書中に記載および例示される抗体などの、SEBに特異的に結合する抗体をコードする核酸配列を含むベクターで形質転換された宿主細胞を特徴とする。
【0108】
外来遺伝子を細胞に導入するための数多くの手法が当該分野で公知であり、それらの手法を用いて、本発明の様々な実施形態に従って本発明の方法を実施する目的で組換え細胞を構築することができる。用いられる手法は、異種遺伝子配列が、遺伝可能で、子孫細胞によって発現可能であり、レシピエント細胞の必要な発生機能および生理学的機能が妨害されないように、その異種遺伝子配列を宿主細胞に安定的に移入する手法であるべきである。用いられうる手法としては、染色体導入(例えば、細胞融合、染色体媒介性の遺伝子導入、微小細胞媒介性の遺伝子導入)、物理的方法(例えば、トランスフェクション、スフェロプラスト融合、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、リポソームキャリア)、ウイルスベクター導入(例えば、組換えDNAウイルス、組換えRNAウイルス)など(Cline(1985)Pharmac.Ther.29:69−92に記載)が挙げられるがこれらに限定されない。リン酸カルシウム沈殿、および細菌のプロトプラストと哺乳動物細胞とのポリエチレングリコール(PEG)誘導性の融合もまた、細胞を形質転換するために使用することができる。
【0109】
本発明の発現ベクターでトランスフェクトされた細胞を、正の選択条件下で選択することができ、そして/または本抗体の組換え発現についてスクリーニングすることができる。組換え陽性細胞を増殖させ、そして、例えば、タンパク質修飾および/または翻訳後修飾の変更に起因して所望の表現型(例えば、高レベルの発現、高い増殖特性および/または所望の生化学的特徴を有するタンパク質をもたらす能力)を示すサブクローンについてスクリーニングする。これらの表現型は、所与のサブクローンの固有の特性または突然変異誘発に起因するものであってもよい。突然変異誘発は、化学薬品の使用、UV波長光、放射線照射、ウイルス、挿入性の突然変異原、不完全なDNA修復、またはそれらの方法の組み合わせによってもたらすことができる。
【0110】
抗体を発現させるために本発明において使用するのに適した細胞は、好ましくは、真核細胞であり、より好ましくは、植物、げっ歯類またはヒト起源の細胞であり、例えば、とりわけ、NSO、CHO、perC.6、Tk−ts13、BHK、HEK293細胞、COS−7、T98G、CV−1/EBNA、L細胞、C127、3T3、HeLa、NS1、Sp2/0ミエローマ細胞およびBHK細胞株が挙げられるがこれらに限定されない。抗体の発現にとって大いに好ましい細胞は、ハイブリドーマ細胞である。ハイブリドーマを作製するための方法は、当該分野において十分に確立されている。
【0111】
いったん、所望のタンパク質を発現する細胞が同定されると、それを増殖させて、選択することができる。トランスフェクトされた細胞は、多くの方法で選択することができる。例えば、目的のポリペプチドの発現について細胞を選択することができる。ベクターが抗生物質耐性遺伝子も含む細胞に対しては、抗生物質耐性についてその細胞を選択することができ、それによって、そのベクターを含む細胞が正に選択される。他の実施形態において、その細胞は、選択的条件下で成長することができる。
【0112】
本発明は、少なくとも1つの本発明の抗体および薬学的に許容可能な担体を含む組成物も特徴とする。そのような組成物は、例えば、本明細書中に記載および例示される疾患などのSEB媒介性疾患を処置または予防するための患者への投与に有用である。本組成物は、本明細書中に記載および例示されるものをはじめとした、当該分野において公知であり、適当である様々な調製法のいずれかのとおりに製剤化することができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、本組成物は、水性の製剤である。水溶液は、水または適当な生理緩衝液に本抗体を混合し、所望であれば、必要に応じて、適当な着色料、香味料、保存料、安定化剤および増粘剤などを加えることによって、調製することができる。水性懸濁液もまた、粘稠性の材料(例えば、天然または合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウムおよび他の周知の懸濁剤)を含んだ水または生理緩衝液に本抗体を分散することによって作製することができる。
【0114】
液体の製剤、および使用する直前に液体の形態の調製物に変換されることを意図された固体の形態の調製物も含まれる。そのような液体の形態としては、溶液、懸濁液、シロップ剤、スラリーおよびエマルジョンが挙げられる。液体の調製物は、薬学的に許容可能な添加物(例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ剤、セルロース誘導体または食用の水素化脂肪または硬化油);乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステルまたは分画(fractionated)植物油);および保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸))を用いて従来の手段によって調製されうる。これらの調製物は、活性な薬剤に加えて、着色料、香味料、安定剤、緩衝液、人工甘味料および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでもよい。本組成物は、使用前に適当なビヒクル(例えば、滅菌水、生理学的緩衝液、食塩水またはアルコール)を用いて構成するための、粉末または凍結乾燥の形態であってもよい。
【0115】
本組成物は、被験体への注射を意図して製剤化することができる。注射のために、本発明の組成物は、水もしくはアルコールなどの水溶液、または生理的に適合可能な緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液または生理食塩水緩衝液)において製剤化することができる。その溶液は、処方剤(formulatory agents)(例えば、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤)を含んでもよい。注射製剤はまた、例えば、使用する前に適当なビヒクル(例えば、滅菌水、食塩水溶液またはアルコール)を用いて構成することによって、使用の直前に、注射に適した液体の形態の調製物に変換されることを意図された固体の形態の調製物として調製されてもよい。
【0116】
本組成物は、徐放ビヒクルまたはデポー調製物中に製剤化することができる。そのような長時間作用型の製剤は、埋め込みによって(例えば、皮下または筋肉内に)、または筋肉内注射によって投与することができる。従って、例えば、本組成物は、適当な重合体材料もしくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体、例えば、難溶性塩として製剤化してもよい。リポソームおよびエマルジョンは、疎水性薬物に対する担体として使用するのに適した送達ビヒクルの周知の例である。
【0117】
本発明はまた、SEBによって媒介される疾患の処置または予防を必要とする被験体においてそのような処置または予防を行うための方法も特徴とする。いくつかの態様において、本方法は、SEB媒介性疾患の処置または予防を必要とする被験体を同定する工程を包含しうる。1つの実施形態において、本方法は、本明細書中に記載および例示される組成物などの組成物を被験体に投与する工程を包含し、その組成物は、薬学的に許容可能な担体、およびブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合し、好ましくは、それを中和する少なくとも1つの抗体を、SEBによって媒介される疾患を処置または予防するのに有効な量で含む。1つの実施形態において、本方法は、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合し、好ましくは、それを中和する少なくとも1つの抗体(例えば、本明細書中に記載および例示される抗体)を、SEBによって媒介される疾患を処置または予防するのに有効な量で被験体に投与する工程を包含する。
【0118】
当業者が理解するように、SEBは、Staphylococcus spp.が感染した個体において産生されうるStaphylococcus細菌の病原性因子である。従って、SEB中和抗体を用いた処置を必要とする被験体は、Staphylococcus細菌に感染している可能性がある。その感染は、被験体の身体内または身体上のどこにでも存在しうるものであり、医療機器が埋め込まれた患者において観察されるような感染の任意のステージ(例えば、初期、進行期または慢性の感染)におけるものでありうる。さらに、本明細書中に記載されるように、SEB自体が、患者において様々な疾患を引き起こすことができる。SEBは、それを産生する細菌とは別に存在する場合があり、例えば、汚染された食品または飲料の中に存在しうるか、またはバイオテロリストの攻撃の形態で散布される場合に存在しうる。従って、SEB中和抗体での処置を必要とする被験体は、SEBに曝露されている可能性があるが、必ずしもそのトキシンを発現する細菌または他の細胞を有しているわけではない。
【0119】
SEBは、上記トキシンに曝露された被験体において種々の疾患状態を媒介する。本発明の方法および本発明のSEB中和抗体を用いて効果的に処置することができる、SEBによって媒介される疾患の非限定的な例としては、発熱、筋痛、呼吸窮迫、呼吸困難、胸膜炎、頭痛、悪心、嘔吐、食欲不振、肝腫大および白血球増加が挙げられる(例えば、Ulrich et al.(1997)Medical Aspects of Chemical and Biological Warfare,Sidell,Takafuj,and Franz,Eds.,Textbook of Military Medicine,Brigadier Gen.Russ Zajtchuk,Eds.,Office of the Surgeon General at TMM Publications出版,Borden Institute,Walter Reed Army Medical Center,Washington,DCを参照)。当業者は、本発明の方法に従って処置することができるであろう、SEBによって媒介される他の疾患および合併症を知っているだろう。
【0120】
被験体は、いずれの動物であってもよく、好ましくは、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ロバ、ウシ、ウマ、ブタなど)である。最も好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。
【0121】
本発明の方法において、少なくとも1つの抗体は、好ましくは、本発明の抗体である。例えば、その少なくとも1つの抗体は、配列ID番号68、92、116、130または144のCDR1;配列ID番号69、93、117、131または146のCDR2;および配列ID番号70、94、118、132または148のCDR3を有する重鎖;ならびに配列ID番号56、80、104または136のCDR1;配列ID番号57、81、105または138のCDR2;および配列ID番号58、82、106または140のCDR3を有する軽鎖を含みうる。いくつかの好ましい実施形態において、上記少なくとも1つの抗体は、配列ID番号160、176、202、204または230を有する重鎖可変ドメインおよび配列ID番号158、174、200、228を有する軽鎖可変ドメインを含みうる。
【0122】
好ましい実施形態において、上記少なくとも1つの抗体は、配列ID番号68のCDR1、配列ID番号69のCDR2および配列ID番号70のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号56のCDR1、配列ID番号57のCDR2および配列ID番号58のCDR3を有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、その少なくとも1つの抗体は、配列ID番号176の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号174の可変ドメインを有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、その少なくとも1つの抗体は、配列ID番号30を有する重鎖および配列ID番号28を有する軽鎖を含みうる。
【0123】
好ましい実施形態において、本発明の抗体および抗原結合フラグメントは、配列ID番号116のCDR1、配列ID番号117のCDR2および配列ID番号118のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号104のCDR1、配列ID番号105のCDR2および配列ID番号106のCDR3を有する軽鎖を含む。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号202の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号200の可変ドメインを有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号188を有する重鎖および配列ID番号186を有する軽鎖を含みうる。
【0124】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号130のCDR1、配列ID番号131のCDR2および配列ID番号132のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号104のCDR1、配列ID番号105のCDR2および配列ID番号106のCDR3を有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号204の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号200の可変ドメインを有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号232を有する重鎖および配列ID番号186を有する軽鎖を含みうる。
【0125】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号92のCDR1、配列ID番号93のCDR2および配列ID番号94のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号80のCDR1、配列ID番号81のCDR2および配列ID番号82のCDR3を有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号160の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号158の可変ドメインを有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号251を有する重鎖および配列ID番号249を有する軽鎖を含みうる。
【0126】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号144のCDR1、配列ID番号146のCDR2および配列ID番号148のCDR3を有する重鎖、ならびに配列ID番号136のCDR1、配列ID番号138のCDR2および配列ID番号140のCDR3を有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号230の可変ドメインを有する重鎖および配列ID番号228の可変ドメインを有する軽鎖を含みうる。好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、配列ID番号216を有する重鎖および配列ID番号214を有する軽鎖を含みうる。
【0127】
非常に好ましい実施形態において、少なくとも1つの抗体は、SEBを中和する。本方法のいくつかの態様において、少なくとも1つの抗体は、好ましくは、約1×10−8M未満、好ましくは約3×10−8M未満のブドウ球菌エンテロトキシンBに対する親和性を有し、より好ましくは、約1×10−9M未満のブドウ球菌エンテロトキシンBに対する親和性を有し、より好ましくは、約1×10−10M未満、および好ましくは、約3×10−10M未満のブドウ球菌エンテロトキシンBに対する親和性を有する。
【0128】
本組成物の投与は、注入または注射によるものでありうる(静脈内、筋肉内、皮内、皮下、髄腔内、十二指腸内、腹腔内など)。本組成物はまた、鼻腔内、膣、直腸、経口的または経皮的に投与することもできる。好ましくは、本組成物は、経口的に投与される。投与は、医師の指導において行うことができる。
【0129】
様々な代替の薬学的送達系を使用することができる。そのような系の非限定的な例としては、リポソームおよびエマルジョンが挙げられる。ジメチルスルホキシドなどのある特定の有機溶媒も使用することができる。さらに、治療抗体を含む固体ポリマーの半透性マトリックスなどの徐放系を用いて、本組成物を送達してもよい。様々な利用可能な徐放材料が、当業者に周知である。徐放カプセルは、その化学的性質に応じて、数日から数週間から数ヶ月にわたって抗体を放出しうる。
【0130】
SEB媒介性疾患に罹患している被験体を処置するために、治療有効量の本組成物をその被験体に投与する。治療有効量は、SEBによって媒介される少なくとも1つの疾患において臨床的に有意な緩和をもたらし、その疾患は、本明細書中に記載および例示される疾患でありうるが、それらに限定されない。
【0131】
本組成物の有効な量は、任意の数の変動するもの(例えば、被験体の種、人種、サイズ、身長、体重、年齢、全般的な健康状態、製剤のタイプ、形式もしくは様式もしくは投与、またはSEBによって引き起こされる被験体における疾患の重症度が挙げられるがこれらに限定されない)に依存しうる。適切な有効量は、通例の最適化の手法、ならびに開業医の熟達および訓練された判断および当業者にとって明らかな他の因子を用いて、当業者が日常的に決定することができる。好ましくは、本明細書中に記載される化合物の治療的に有効な用量は、被験体に対して実質的な毒性を引き起こさずに治療的な利益をもたらすものである。
【0132】
薬剤または化合物の毒性および治療的な有効性は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死性の用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって測定することができる。毒性効果と治療効果との用量比が治療指数であり、それはLD50/ED50比として表すことができる。幅広い治療指数を示す薬剤または組成物が好ましい。被験体において使用するためにある範囲の投薬量を製剤化する際に、細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータを使用することができる。そのような薬剤または組成物の投薬量は、好ましくは、毒性がほとんどないかまたは全くないED50を含む循環濃度の範囲内である。その投薬量は、使用される剤形および用いられる投与経路に応じて、この範囲内で変動しうる。
【0133】
本発明の方法において使用される任意の組成物について、治療的に有効な用量は、はじめに、細胞培養アッセイなどのインビトロアッセイから推定することができる。例えば、細胞培養において決定されたIC50(すなわち、破骨細胞の形成または活性化の最大半分の阻害を達成する組成物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、ある用量を動物モデルにおいて処方することができる。そのような情報を用いることにより、ヒトなどの特定の被験体における有用な用量をより正確に決定することができる。処置する医師は、毒性または臓器の機能不全を理由に、投与を終結させるか、中断するか、または調節することができ、また、臨床応答を改善するために、その応答が適切でない場合には必要に応じて、処置を調節することができる。目的の障害を管理する際に投与される用量は、処置される状態の重症度および投与経路によって変動しうる。状態の重症度は、例えば、標準的な予後評価方法によって部分的に評価することができる。
【0134】
本発明の方法の一態様において、本組成物は、本組成物の乾物重の約0.01%〜約90%の範囲の濃度の少なくとも1つの抗SEB抗体を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約50%を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約40%を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約30%を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約25%を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約20%を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約15%を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗SEB抗体は、本組成物の乾物重の最大約10%を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、被験体の体重1kgあたり約0.01μg〜約500mgという抗体の1日量の範囲で、少なくとも1つの抗SEB抗体を被験体に投与することができる。被験体に投与される用量は、1日あたりに投与される少なくとも1つの抗SEB抗体の総量に関して判断してもよい。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり約5〜約5000mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約10mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約100mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約250mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約500mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約750mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約1000mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約1500mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約2000mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約2500mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約3000mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約3500mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約4000mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約4500mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。いくつかの実施形態において、被験体は、1日あたり最大約5000mgの少なくとも1つの抗SEBを投与される。
【0136】
処置は、少なくとも1つの抗SEBの最適な用量未満である、より少ない投薬量で開始した後、その状況における最適な効果に達するまで、その処置の経過を通して投薬量を増加させていくことができる。必要であれば、1日の総投薬量を分割して、その1日の間に分けて投与してもよい。
【0137】
SEB媒介性疾患を有効に処置するために、当業者は、処置される被験体にとって適切な投薬スケジュールおよび投薬量を推奨することがある。必要とされる期間にわたって、1日1〜4回またはそれ以上、投薬を行うことが好ましい場合がある。本組成物が持続性の送達ビヒクル中に製剤化されている場合は、より低い頻度で投薬を行ってもよい。投薬スケジュールは、活性な薬物濃度に応じて変化しうるものであり、それは、被験体の必要性に依存しうる。
【0138】
SEB媒介性疾患を処置するための本発明の組成物は、処置される状態に対する特定の有用性について選択された他の周知の治療薬と同時投与されうる。例えば、そのような治療薬は、鎮痛剤、解熱剤(fever reducers)、胃制酸剤、本組成物の有害作用を和らげる化合物またはSEB媒介性疾患を処置する他の公知の薬剤でありうる。
【0139】
これらの付加的な化合物の投与は、少なくとも1つの抗SEB抗体の投与と同時であってもよいし、必要に応じて、少なくとも1つの抗SEB抗体の投与の前後のいずれかに連続して投与してもよい。併用処置に含められる様々な化合物が、互いに数分間、数時間、数日間または数週間以内に投与される任意の適当なプロトコルが考え出されうる。周期的なプロトコルにおける反復投与もまた、本発明の範囲内であると企図される。
【0140】
本発明はまた、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体を作製するための方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、この方法は、骨髄細胞または末梢血細胞を動物から単離する工程、そのような細胞をブドウ球菌エンテロトキシンBまたはその抗原性フラグメントとともに培養する工程、その培地からブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体を発現するB細胞を単離する工程、およびそのB細胞によって産生される抗体を単離する工程を包含する。必要に応じて、当該分野で公知の任意の方法に従って、そのB細胞をドナー細胞と融合することによって、ハイブリドーマを形成してもよい。骨髄細胞または末梢血細胞の単離の前に、その骨髄細胞または末梢血細胞が単離される動物を、ブドウ球菌エンテロトキシンBまたはその抗原性フラグメントで免疫することができる。任意の動物をこの方法において用いることができる。好ましくは、その動物は、哺乳動物であり、より好ましくは、ヒトである。いくつかの実施形態において、動物を免疫するために用いられ、そして/または単離された骨髄細胞もしくは末梢血細胞とともに培養する際に用いられる、ブドウ球菌エンテロトキシンBは、STEBである。STEBは、以下のアミノ酸配列を有し、ここで、SEBと異なる残基に下線を引いた:ESQPDPKPDELHKSSKFTGLMENMKVLYDDNHVSAINVKSIDQFYFDLIYSIKDTKLGNYDNVRVEFKNKDLADKYKDKYVDVFGANYYQCFSKKTNDINSHQTDKRKTCMYGGVTEHNGNQLDKYRSITVRVFEDGKNLLSFDVQTNKKKVTAQELDYLTRHYLVKNKKLYEFNNSPYETGYIKFIENENSFWYDMMPAPGDKFDQSKYLMMYNDNKMVDSKDVKIEVYLTTKKK(配列ID番号45)。比較として、SEBは、以下のアミノ酸配列:ESQPDPKPDELHKSSKFTGLMENMKVLYDDNHVSAINVKSIDQFLYFDLIYSIKDTKLGNYDNVRVEFKNKDLADKYKDKYVDVFGANYYYQCYFSKKTNDINSHQTDKRKTCMYGGVTEHNGNQLDKYRSITVRVFEDGKNLLSFDVQTNKKKVTAQELDYLTRHYLVKNKKLYEFNNSPYETGYIKFIENENSFWYDMMPAPGDKFDQSKYLMMYNDNKMVDSKDVKIEVYLTTKKK(配列ID番号46)を有する。
【0141】
いくつかの実施形態において、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する抗体を作製するための方法は、その抗体を産生するのに適した条件下で宿主細胞を培養する工程、およびその細胞培養物から抗体を回収する工程を包含する。いくつかの実施形態において、その宿主細胞は、本発明の抗体およびその抗原結合フラグメントをコードする本発明のポリヌクレオチドを含むベクターで形質転換されたいずれの細胞であってもよい。
【0142】
本発明をさらに詳細に説明するために以下の実施例を提供する。これらは、本発明を例証することを意図しており、限定することを意図していない。
【実施例1】
【0143】
抗原特異的完全ヒトハイブリドーマ細胞株の作製
健常ヒトドナーを、SEBに対する血清力価について事前にスクリーニングした。TPP Immunomini ELISAプレートを、炭酸水素塩コーティング緩衝液(pH9.6)(Sigma)に溶解した1μg/mLのSTEB(SEB ワクチン)で4℃において一晩コーティングすることによって、SEB特異的ELISAを行った。次いで、そのプレートを、洗浄緩衝液(0.5%tween−20含有)で3回洗浄し、次いで、室温で2時間、1×アッセイ緩衝液でブロッキングした。そのブロッキングしたプレートを、様々なドナー由来の正常なヒト血漿を段階希釈したもの(1:100、1:300、1:900、1;2,700、1:8,100および1:24,300)ならびにポジティブコントロール(マウス抗SEBmAb 15D2−1−1およびウサギ抗SEB PAb FT1009)とともに室温で1時間、インキュベートした。血清とともにインキュベートした後、そのプレートを洗浄し、HRP標識ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(1:10,000希釈したもの)、HRP標識ヤギ抗マウスIgG(H+L)(1:10,000希釈したもの)およびHRP標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)(1:10,000希釈したもの)とともに、室温で1時間、振盪しながらインキュベートした。次いで、そのプレートを洗浄し、1ウェルあたり100μLのTMB基質で発色させ、50μLの停止溶液(1M HSO)を加えることによって、その反応を停止した。発色させたプレートを、マイクロタイタープレートリーダーにおいて450nmで読み出した。
【0144】
SEB反応性B細胞を得るために、SEB陽性ドナーから白血球パック(leukopacks)を得た。Ficoll−Paque(GE Healthcare,Piscataway,NJ)密度勾配遠心分離によってPBMCを精製した。EasySep(登録商標)Human B Cell Enrichment Kit(StemCell Technologies,Vancouver,BC)を用いるネガティブ選択によってPBMCからCD20陽性B細胞を単離した。濃縮されたB細胞を、CD40培養システムを用いて刺激し、増殖させた。
【0145】
10%熱失活ヒトAB血清(Nabi Pharmaceuticals,FL,USA)、4mM L−グルタミン、10μg/mLのゲンタマイシン(Gibco)、50μg/mLのトランスフェリン(Sigma Chemical Co.,ST.Louis,MO)および5μg/mLのインスリン(Sigma Chemical Co.)が補充されたIMDM(Gibco)中に、0.2×10細胞/mLという最終濃度になるようにB細胞を再懸濁した。CD40リガンド(CD40L)をトランスフェクトされたCHOフィーダー細胞を用いて、濃縮されたB細胞を、CD40を介して活性化した。共培養にむけて、CD40L−CHO細胞にγ線を照射し(96Gy)、6ウェルプレートに0.4×10細胞をプレーティングした。そのフィーダー細胞を37℃で一晩接着させた。合計4mL(0.8×10)の単離されたB細胞を、γ線照射されたCD40L−CHOとともに、100U/mLの組換えヒトIL−4(PeproTech)および0.55μMのCsA(Sigma Chemical Co.)の存在下において37℃で7〜14日間共培養した。
【0146】
1:1のB細胞:ミエローマ細胞の比において、CytoPulse CEEF−50を用いる電気融合を介して、増殖させたB細胞をミエローマ融合パートナーと融合した。クローンE12、F10、F6、C5、79G9および100C9を、K6H6/B5ミエローマ細胞(ATCC)と融合し、10%熱失活FBS(JRH Biosciences,KS,USA)、2mM L−グルタミン、0.1mM可欠アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、55μM 2−メルカプトエタノールおよび1×HAT(100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリンおよび16μMチミジンが補充されたRPMI 1640(Invitrogen,Carlsbad,CA)が入った平底96ウェルプレートに播種した。クローン154G12を、CBF7ミエローマ細胞(Grunow et al.(1990)Dev.Biol.Stand.71,3−7;Niedbla and Stott(1998)Hybridoma 17(3),299−304)と融合し、10%熱失活ヒトAB血清(Nabi Pharmaceuticals,FL,USA)、4mM L−グルタミン、10μg/mLのゲンタマイシン(Gibco)、50μg/mLのトランスフェリン(Sigma Chemical Co.,ST.Louis,MO)および5μg/mLのインスリン(Sigma Chemical Co.)が補充されたIMDM(Gibco)が入った平底96ウェルプレートに播種した。
【0147】
細胞融合の後、培養液を毎週交換し、抗原反応性スクリーニングプロセスの間、HAT選択を続けた。播種されたウェルの約90%が、生存可能なハイブリドーマ細胞増殖を示した。弱毒化型の組換えSEB(STEB)を用いるELISAによって、ハイブリドーマをスクリーニングした。SEB反応性を有するハイブリドーマクローンを、再度、ELISAによって試験して、SEBには結合するが破傷風トキソイド(TT)には結合しないことを証明することによって、反応性および特異性を確かめた。クローンE12、F10、F6、C5、79G9、100C9および154G12は、SEBと高度に反応性であったが、TTとは反応性でなかった。次いで、各クローンをサブクローン化した後、ELISAスクリーニングを行って、SEB特異性が保持されていることを確かめた。
【実施例2】
【0148】
抗体の特異性の特徴づけ
抗SEB抗体をさらに特徴付けるために、抗原のパネル:SEB、STEB、BGG、CAB、HEL、TT、BSA、ヒトメゾテリン、ヒトGM−CSF、ヒトムチン、ヤギIgGおよびマウスIgGを用いて、抗原特異性ELISAを行った。
【0149】
TPP Immunomini ELISAプレートを、炭酸水素塩コーティング緩衝液(pH9.6)(Sigma)に溶解した、1μg/mLのSTEB(SEBワクチン)、0.5μg/mLのSEB、2μg/mLのBGG、2μg/mLのCAB、2μg/mLのHEL、1:500希釈のTT、1%BSA、0.2μg/mLのヒトメゾテリン、2μg/mLのヒトムチン、1μg/mLのヒトGM−CSF、2μg/mLのヤギIgG、2μg/mLのマウスIgGで4℃において一晩コーティングすることによって、抗原特異的ELISAを行った。次いで、そのプレートを洗浄緩衝液(0.5%Tween−20含有)で3回洗浄し、次いで、室温で2時間、1×アッセイ緩衝液でブロッキングした。そのブロッキングしたプレートを、ハイブリドーマ上清ならびにポジティブコントロールとともに室温で1時間インキュベートした。インキュベートした後、そのプレートを洗浄し、HRP標識ヤギ抗ヒトIgG(H+L)(1:10,000希釈したもの)、HRP標識ヤギ抗マウスIgG(H+L)(1:10,000希釈したもの)またはHRP標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)(1:10,000希釈したもの)とともに、室温で1時間、振盪しながらインキュベートした。次いで、そのプレートを洗浄し、1ウェルあたり100μLのTMB基質で発色させ、50μLの停止溶液(1M HSO)を加えることによって、その反応を停止した。発色させたプレートを、マイクロタイタープレートリーダーにおいて450nmで読み出した。図2および図6にこれらの実験の結果を示す。
【0150】
図2は、抗体E12、F10、F6およびC5が、SEBを特異的に認識することを示しており、これらのパネル中の他の抗原との交差反応性がないことを示している。様々な抗体の各々に対するポジティブコントロール抗体を同時にスクリーニングした。そのポジティブコントロール抗体は、以下のとおりである:マウスIgG:ヤギ抗マウスIgG(Jackson Immunoresearch,Media,PA);ヤギIgG:ロバ抗ヤギIgG(Jackson Immunoresearch,);BSA,ドナー血清(研究室内で調製したもの);TT,ドナー血清(研究室内で調製したもの);HEL,ウサギ抗HEL(Fitzgerald Industries International);CAB,マウス抗ニワトリ卵アルブミン(Sigma);BGG,ウサギ抗ウシIgG(AbD Serotec,Oxford,UK);メゾテリン(抗メゾテリン、研究室内で調製したもの);GM−CSF(抗GM−CSF、研究室内で調製したもの)。
【0151】
図6は、抗体100C9および79G9が、SEBおよびSEBのワクチン変異体であるSTEBを認識することを示している。これらの抗体は、このパネル中の他の抗原との交差反応性がないと証明された。
【実施例3】
【0152】
抗体のアイソタイプの特徴づけ
抗ヒトIgG、IgG1、IgG2、IgG3、IgM、LkおよびLlを用いる標準的なELISAによって、各抗体サブクローンのアイソタイプを判定した。TPP Immunomini ELISAプレートを、炭酸水素塩コーティング緩衝液(pH 9.6)(Sigma)に溶解した2.5μg/mLのヤギ抗ヒトIgG+M(H+L)(Jackson Immunoresearch製)で4℃において一晩コーティングすることによって、アイソタイプELISAを行った。次いで、そのプレートを、洗浄緩衝液(0.5%Tween−20含有)で3回洗浄し、次いで、室温で2時間、1×アッセイ緩衝液でブロッキングした。そのブロッキングしたプレートをハイブリドーマ上清とともに室温で1時間、インキュベートした。インキュベートした後、そのプレートを洗浄し、HRP標識ヤギ抗ヒトIgG Fcγ(1:10,000希釈したもの、Jackson Immunoresearch製)、HRP標識ヤギ抗ヒトIgM 5μ(1:10,000希釈したもの、Jackson Immunoresearch製)、HRP標識マウス抗ヒト軽鎖κ(1:10,000希釈したもの、SouthernBiotech製)またはHRP標識マウス抗ヒト軽鎖λ(1:10,000希釈したもの、SouthernBiotech製)とともに室温で1時間、振盪しながらインキュベートした。次いで、そのプレートを洗浄し、1ウェルあたり100μLのTMB基質で発色させ、50μLの停止溶液(1M HSO)を加えることによって、その反応を停止した。発色させたプレートを、マイクロタイタープレートリーダーにおいて450nmで読み出した。その結果を図3および図5に示す。
【0153】
図3は、抗体E12、F10、F6およびC5が、IgM抗体であることを示している。抗体F10は、カッパー軽鎖を有し、抗体E12、F6およびC5は、ラムダ軽鎖を有する。図5は、抗体79G9および100C9が、IgGであることを示している。抗体79G9は、カッパー軽鎖を有し、抗体100C9は、ラムダ軽鎖を有する。
【実施例4】
【0154】
SEB媒介性PBMC増殖の抗体による阻害
健常ドナー由来のヒトPBMCを、Ficoll−Paque密度勾配遠心分離によって白血球パックから得た。細胞を完全RPMI中で3回洗浄した。PBMCを、10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミンおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充されたRPMI1640(すべてGibcoから購入)中に10/mLとなるように再懸濁した。SEB(Toxin Technology,Inc.,Sarasota,FL)が入った96ウェル平底プレートのウェルに、100マイクロリットル(10細胞)を加えた。
【0155】
SEBに対する用量反応曲線を確立することにより、中和研究にとって適切なトキシン濃度を決定した。中和活性を評価するために、100μLのSEB(50pg/mL)をSEB反応性ヒトB細胞ハイブリドーマからの培養上清とともに37℃で1時間インキュベートした後、PBMCを加えた。マウス抗SEBモノクローナル抗体クローンS5(Fitzgerald Industries International,Inc.,Concord,MA)を、SEB媒介性刺激の阻害についてのポジティブコントロールとして使用した。その培養物を37℃で3日間インキュベートした後、さらに24時間、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)の存在下で培養した。ELISA(Roche Applied Science,Indianapolis,IN)でBrdU取り込みを測定することによって、細胞増殖を評価した。式100−[抗SEB Igを含むO.D./SEBのみを含むO.D.]×100に従って、阻害パーセントを計算した。
【0156】
図4は、完全ヒトmAbのF6、E12およびC5を用いたSEB媒介性のPBMC増殖の阻害を証明している。マウス抗SEB抗体S5をポジティブコントロールとして同時にスクリーニングした。上記3抗体は、コントロール抗体に匹敵するレベルでSEB誘導性のPBMC増殖を有意に阻害することができた。
【0157】
図7は、抗体79G9が、SEB媒介性のPBMC有糸分裂誘発を阻害したことを証明している。79G9の濃度が上がるにつれて、有糸分裂誘発の阻害パーセントが上昇した。図8は、抗体79G9を用いたSEB媒介性のPBMC増殖の阻害を証明している。この抗体の濃度が上がるにつれて、増殖の阻害レベルが上昇した。
【実施例5】
【0158】
サイトカインバイオアッセイ
上記ヒト抗体がSEB誘導性の炎症促進性サイトカインの産生を阻害する能力を、以下のとおりヒトPBMCを用いて研究した。まず、SEB(Toxin Technology,Inc.)に対する用量反応曲線を決定した。新鮮ヒトPBMCを健常成人ドナーから得て、Ficoll−Paque Plus(Amersham−Pharmacia)で精製した。10%熱失活ウシ胎児血清(Gibco BRL)、2mM L−グルタミン(Gibco BRL)が補充された200μLのcIMDM培地中の約1×10細胞を96ウェル平底組織培養プレート(Falcon Labware)において培養し、様々な濃度のSEBとともに37℃、5%COにおいて18〜22時間インキュベートした。培養上清をIFN−γおよびTNF−αでコーティングされたプレート(75μL/ウェル)に移し、ELISAキット(R&D System)を製造者のプロトコルに従って使用してアッセイした。グラフパッケージPrism4(GraphPad Software)を用いてSEBのEC50値を計算した。中和について研究するために、様々な濃度の抗体をSEB(4×または1×EC50のいずれか)とともに37℃で1時間予めインキュベートした後、細胞を加えた。IFN−γおよびTNF−αアッセイの感度限界は、16pg/mLであった。
【0159】
表2は、抗体79G9によるIFN−γ阻害の生データを示している。2.5μg/mLの79G9は、検出限界未満に(to below detection)SEB誘導性のIFN−γ産生を阻害する。図9は、変換されたデータを示しており、ここで、阻害のパーセンテージが、グラフパッケージPrism4(GraphPad Software)を用いて図示されている。このデータは、79G9または100C9が単独で、ポジティブコントロールの抗SEBマウス抗体S5と同程度か、またはそれよりも有効にSEB誘導性のIFN−γの異常な分泌を阻止することができたことを示している(0.125μg/mLおよび0.07665μg/mL 対 0.2517μg/mLというEC50)。さらに、2つの抗体79G9および100C9が併用されると、SEB中和の相乗効果または相加効果が観察され、これらの抗体は、0.0188μg/mLという併合EC50を示した。図10は、TNF−α阻害についてのアッセイにおいて同様の結果が得られることを示している。IFN−γについて観察されたように、79G9および100C9は、S5によって阻害されるレベル以上でTNF−α産生を阻害することが見出された。同様に、79G9および100C9に対する相乗効果または相加効果もまた、TNF−α阻害について観察された。図12は、TNF−αおよびIFN−γ阻害に対して計算されたEC50値のグラフを示している。79G9および100C9の相乗効果または相加効果が、このグラフに示されている。
【0160】
【表2】

【実施例6】
【0161】
抗SEB抗体の結合カイネティクスおよび抗体競合の解析
SEBを、酢酸ナトリウム緩衝液,pH5.0中、5μg/mLという濃度に希釈し、そして1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いる標準的なアミン化学を用いて10.8RUのレベルになるように、BIAcore(登録商標)3000 Controlソフトウェア,バージョン3.2を作動させるBIAcore(登録商標)3000装置上に取り付けられたCM5チップに結合させた。残りの活性部位を1Mエタノールアミンでクエンチした。対照フローセルを、EDCおよびNHSを用いて活性化し、続いてSEBリガンドを投与せずにエタノールアミンでクエンチすることによって、コントロールとして調製した。再生溶液として500nMの100C9抗体および10mMのHClを用いて表面性能(surface−performance)解析をそのチップ上で行うことにより、安定な反応およびベースラインを確認した。選択された抗SEB抗体の会合および解離を10μL/分、45μL/分および70μL/分という流速において解析することによって、物質移動(Mass transfer)効果を評価した。試験された流速の範囲にわたって、速度は10%未満しか変動しなかったことから、物質移動の限界がほとんどまたは全くないと示唆される。
【0162】
抗体の結合カイネティクスを解析するために、精製された抗SEBモノクローナル抗体を、HBS−EP緩衝液(BIAcore(登録商標))中、1000nM、333.3nM、111.1nM、37.0nM、12.3nM、4.1nM、1.4nM、0.46nMおよび0nMに希釈した。はじめに対照セル、その後SEB結合セルの上に、サンプルを30μL/分の流速でランダムに注入した(注入した総体積は250μLであった)。解離を30分間観察した。各サイクル後のチップの再生は、100μL/分という流速で50μLの10mM HClを2回注入することによって行った。その後のすべてのデータ解析をBIAevaluationソフトウェア,バージョン4.1において行った。バルク効果および装置のノイズを除去するために、まず、ブランク注入からのデータを差し引くことによって、センサグラム(Sensogram)を正規化した。解析される各抗体についてのデータを二価アナライト結合(bivalent analyte binding)モデルに全体的に適合することによって、結合反応A+B=AB(ここで、Aは、抗SEBアナライトであり、Bは、SEBリガンドである)についての会合(ka1)および解離(kd1)の速度定数を同時に決定した。上記相互作用についての定常状態の結合定数(KD1)を、KD1=kd1/ka1という関係によって決定した(表3)。
【0163】
【表3】

【0164】
結合の競合が生じているか否かを判定するために、1μMという濃度の抗SEBモノクローナル抗体を、リガンドが結合したチップ上に、上に記載したように注入した。この濃度がKD1よりも10倍から100倍高かったので、すべての抗体についてこの濃度を選んだ。これらの条件下では、すべてまたはほぼすべての利用可能な結合部位が占有されるはずである。これに続いて、同じ抗体の2回目の注入を行い、平衡状態に達したことを確認した。次いで、3回目に同じではない抗体を1μMの濃度で注入した。続いて、50μLの10mM HClを2回注入することによってそのチップを再生した。2つ目の抗体の結合の程度(Req’)を、非占有チップで達成された結合のレベル(Req)と比較した。次いで、Req’/Reqの比を計算した;1に近いかまたは1に等しい比は、それらの抗体が、競合していないこと、および独立してSEBに結合することを示唆し、1よりもかなり小さい比は、結合部位が著しく重複していることを示唆する(表4)。
【0165】
【表4】

【0166】
表4に示される結果から、79G9および154G12は、競合せず、互いに独立して結合することができ、重複したエピトープを有していないことが示唆される。ところが、これらのデータは、154G12および100C9が、互いに高度に競合し、ゆえに重複エピトープを有することも示唆している。79G9は、その後の100C9の結合をわずかに阻害し、ゆえにこれらの2つの抗体は、隣接したエピトープを有している可能性がある。100C9の解離速度が速かったこと、そしてその後の抗体の結合に対する影響を評価することが困難であったことから、100C9を1つ目の抗体として試験しなかった。
【実施例7】
【0167】
ヒト抗SEB抗体はインビトロおよびインビボにおいてSEB活性を中和する
ヒト抗SEBモノクローナル抗体79G9および100C9は、以下のとおり得られた、SEBに対して高度に特異的な2つの独立したヒトIgG4である。健常ドナー由来のヒトB細胞をSEB由来ペプチドでエキソビボにおいて免疫し、細胞パートナーに融合することにより、>2,000個のハイブリドーマを得た。SEB特異的mAbを分泌するクローンを、SEBでコーティングされたプレートを使用するELISA法を用いてロボット制御で同定した。mAbを分泌するリードハイブリドーマ(その特異的な結合はその後の解析によって確かめられた)をさらに増殖させ、特徴付けた。図6は、79G9および100C9が、精製SEBおよびSTEB(USAMRIIDのワクチン候補)に特異的に結合したこと、および試験された他の無関係な精製タンパク質とは交差反応しなかったことを示している。免疫ブロット法に使用したとき、抗体は、SEBとだけ反応し、ヒト細胞可溶化物中に存在する何千ものタンパク質に対して交差反応性を示さなかった(図11)。100C9は、ELISAで測定されたように、79G9よりも強く結合する(データ示さず)。
【0168】
インビボにおいて79G9および100C9の生物学的活性を測定するために、Balb/CマウスにSEBを負荷し、そして79G9単独または100C9との併用で処置した。このモデルにおいて、マウスは、このトキシンに対して全く感受性でないので、この動物のSEBに対する応答を増大させるためにリポ多糖類(lipopolysaccaride)(LPS)を注射する必要がある。このSEB負荷は、約10(研究1)または25(研究2)という50%致死量(LD50)に相当する、すなわち2〜5μgのSEB/マウスを腹腔内に送達した。インビトロのデータに基づいて、約100:1という抗体:SEBのモル比が、十分であると推定され(抗体およびSEBの分子量は、それぞれ約150kDおよび30kDである)、ゆえに、抗体の用量は、1mg/マウスを超えなかった(1,000μg抗体:2μg SEB:5[重量の差]=100)。研究1(表5)において、未処置群では生存マウスがいなかった(4匹中0匹)のに対し、100:1という79G9:SEBのモル比によって、100%のマウス(5匹中5匹)が保護された。SEBのみまたはLPSのみでは、死に至らなかった。
【0169】
【表5】

【0170】
研究2では、SEB曝露を25LD50に増加させた(表6)。処置なしまたはコントロールヒトIgGは、SEB毒性からマウスを救済できなかった。対照的に、マウスを40:1という79G9:SEB比の79G9のみ(1mg)で処置したか、またはちょうど8:1という併用抗体:SEB比の79G9と100C9との併用(各0.1mg)で処置したとき、5匹中3匹のマウスが、SEB曝露に対して生存した。この併用では、40:1(各抗体0.5mg)という抗体:SEB比を使用したとき、100%の生存(5匹中5匹のマウス)がもたらされた。
【0171】
【表6】

【実施例8】
【0172】
完全ヒト抗SEB抗体F10、79G9および100C9をコードするヌクレオチド配列およびアミノ酸配列
完全ヒト抗SEB抗体に対するヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を標準的な分子生物学的方法によって得た。簡潔には、Trizol試薬(Invitrogen,Carlsbad,CA)を製造者の指示に従って使用してハイブリドーマF10、79G9および100C9から全RNAを単離した。そのメッセージを、Superscript II逆転写酵素(Invitrogen)を製造者の指示に従って使用してcDNAに合成した。
【0173】
軽鎖および重鎖の可変領域を増幅するために、Herculase DNAポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)を用いてPCR反応を行った。各抗体に対する重鎖および軽鎖の増幅に用いられるプライマーを下記の表7に示す。
【0174】
【表7】


上表では、R=AまたはG;B=CまたはGまたはT;W=AまたはT;S=CまたはG;D=AまたはGまたはT;H=AまたはCまたはT;Y=CまたはTである。
【0175】
PCR産物をpCR4−TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングし、E.coli Mach1細胞に形質転換し、そして、形質転換体をLB−カナマイシンプレート上で選択した。PCR増幅に使用したものと同じプライマー対を用いて、挿入配列についてコロニーをスクリーニングし、各々4つの陽性コロニーを用い、TempliPhi試薬(GE Healthcare)を使用してDNA配列決定用の鋳型DNAを作製した。
【0176】
配列ID番号1および2のプライマーを使用し、Beckman Coulter DTCSシークエンシング試薬を用いて、DNA挿入配列を配列決定した後、Beckman Coulter CEQ2000においてデータを取得し、解析した。その軽鎖にリーダーペプチド配列を付加するために、陽性クローンを、配列ID番号17および18(100C9に対して)、ならびに配列ID番号22および24(79G9に対して)のプライマーを使用し、Herculase DNAポリメラーゼを用いて再度増幅した。リーダーペプチド配列を含む完全長重鎖を作製するために、配列ID番号19および20(100C9に対して)、ならびに配列ID番号25および26(79G9に対して)のプライマーを使用し、鋳型として元のcDNAを用いてPCRを行った。得られたPCR産物をTAクローニングし、Mach1細胞に形質転換し、上に記載したように陽性クローンを同定した。
【0177】
配列ID番号1、2、11、12、13、14、15、16、19および20(100C9に対して)、ならびに配列ID番号1、2、11、12、13、14および15(79G9に対して)のプライマーを使用し、TempliPhi試薬を用いて作製された鋳型DNAを用いて、完全長重鎖cDNAを配列決定した。完全長重鎖可変領域について得られたDNA配列は、以下のとおりである:F10(配列ID番号29);100C9(配列ID番号250);79G9+(配列ID番号201);79G9(配列ID番号231)。79G9に対する重鎖核酸配列は、79G9+に対する、訂正された核酸配列であると指摘されるべきである(図17)。完全長軽鎖可変領域について得られたDNA配列は、以下のとおりである:F10(配列ID番号173);100C9(配列ID番号248);79G9(配列ID番号185)。重鎖核酸配列から得られる予測アミノ酸配列は、以下のとおりである:F10(配列ID番号30);100C9(配列ID番号251);79G9+(配列ID番号188);79G9(配列ID番号232)。軽鎖核酸配列から得られる予測アミノ酸配列は、以下のとおりである:F10(配列ID番号28);100C9(配列ID番号249);79G9(配列ID番号186)。
【0178】
これらの抗体の各々に対する核酸配列およびアミノ酸配列は、図13A〜図13Nに示されている。配列の下線部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表している。配列の太字領域は、CDRを強調している。影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。図14A〜図14Nは、抗体F10、100C9および79G9のCDR領域およびFWR領域に対する配列を提供している。
【0179】
VHおよびVLのCDR3領域配列は、ハイブリドーマC5およびF6について追加として得られた。Trizol試薬(Invitrogen)を製造者の指示に従って使用してハイブリドーマC5およびF6から全RNAを単離した。cDNAを、Superscript II逆転写酵素(Invitrogen)を製造者の指示に従って使用して合成した。軽鎖および重鎖の可変領域を増幅するために、Herculase DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用い、軽鎖に対してはMorphotekプライマー#885(配列ID番号8)および#900(配列ID番号10)、ならびに重鎖に対しては#974(配列ID番号4)および#883(配列ID番号3)を使用してPCR反応を行った。PCR産物をpCR4−TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングし、E.coli Mach1細胞に形質転換し、そして形質転換体をLBカナマイシンプレート上で選択した。上と同じプライマー対を用いて、挿入配列についてコロニーをスクリーニングし、各々4つの陽性コロニーを用い、TempliPhi試薬(GE Healthcare)を使用してDNA配列決定用の鋳型DNAを作製した。Morphotekプライマー#390(配列ID番号1)および#391(配列ID番号2)を使用し、Beckman Coulter DTCSシークエンシング試薬を用いて、DNA挿入配列を配列決定した後、Beckman Coulter CEQ2000においてデータを取得し、解析した。予測されるCDR3翻訳アミノ酸配列を下記の表8に示す。
【0180】
【表8】

【実施例9】
【0181】
ヒトIgG抗SEB抗体154G12のクローニングおよび配列決定
ヒトIgG抗SEB抗体154G12に対するヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を標準的な分子生物学的方法によって得た。Trizol(登録商標)試薬(Invitrogen)を製造者の指示に従って使用してハイブリドーマ154G12から全RNAを単離した。Superscript II逆転写酵素(Invitrogen)を製造者の指示に従って用いて、単離された全RNAから154G12 cDNAを合成した。
【0182】
軽鎖および重鎖の核酸配列を増幅するために、Herculase(登録商標)DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用い、軽鎖に対してはプライマー#1578(配列ID番号238)および#1582(配列ID番号239)、ならびに重鎖に対しては#1584(配列ID番号265)および#1577(配列ID番号264)(表7)を使用してPCRを行った。両方の鎖の増幅のための5’プライマーには、真核生物の発現用のリーダーペプチドが含まれている。
【0183】
得られたPCR産物をpCR4−TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングし、E.coli Mach1細胞に形質転換し、LBカナマイシン寒天プレート上にプレーティングし、そしてカナマイシン耐性について選択した。軽鎖に対してはプライマー#1578(配列ID番号238)および#1582(配列ID番号239)、ならびに重鎖に対しては#1584(配列ID番号265)および#1577(配列ID番号264)(表7)を用いて、挿入配列についてコロニーをスクリーニングした。各々4つの陽性コロニーを用い、TempliPhi試薬(GE Healthcare)を使用してDNA配列決定用の鋳型DNAを作製した。
【0184】
プライマー#1321(配列ID番号235)、1461(配列ID番号236)、1500(配列ID番号16)、1551(配列ID番号18)および1552(配列ID番号19)(表7)を使用し、Beckman Coulter DTCSシークエンシング試薬を用いて、軽鎖DNA挿入配列を配列決定した後、Beckman Coulter CEQ2000においてデータを取得し、解析した。プライマー#996(配列ID番号26)、1015(配列ID番号233)、1017(配列ID番号11)、1018(配列ID番号12)、1019(配列ID番号13)、1020(配列ID番号234)、1040(配列ID番号15)および1530(配列ID番号237)(表7)を用い、TempliPhi試薬を用いて作製された鋳型DNAを使用して、完全長154G12重鎖cDNAを配列決定した。
【0185】
上記抗体に対する核酸配列およびアミノ酸配列を図13O〜図13Rに提供し、ここで、これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、可変ドメインを示している。これらの配列の太字領域は、CDRを強調している。図14O〜図14Rは、この抗体のCDR領域およびFWR領域に対する核酸配列およびアミノ酸配列を提供している。
【実施例10】
【0186】
コドン最適化完全ヒトIgG抗SEB抗体79G9、100C9および154G12の開発
完全ヒトIgG抗SEB抗体79G9、100C9および154G12の重鎖および/または軽鎖に対する完全なオープンリーディングフレームを、コドン使用頻度最適化のためにGeneArt AG(Regensburg,Germany)に付託した。最適化された型の3つすべての抗体(重鎖および軽鎖)を配列決定した。表7に列挙された以下のクローン特異的シークエンシングプライマーを用いて、軽鎖および重鎖DNA挿入配列を配列決定した:79G9軽鎖−#1734(配列ID番号244)および#1735(配列ID番号245);100C9および154G12軽鎖−#1736(配列ID番号246)および#1737(配列ID番号247);79G9、100C9および154G12重鎖−#1730(配列ID番号240)、#1731(配列ID番号241)、#1732(配列ID番号242)および#1733(配列ID番号243)。Beckman Coulter DTCSシークエンシング試薬を用いて配列決定を行った後、Beckman Coulter CEQ2000においてデータを取得し、解析した。
【0187】
これらの抗体に対する核酸配列を図15に提供し、ここで、これらの配列の太字領域は、CDRを強調しており、下線部分は、PCRによって付加されたリーダー配列を表しており、影がつけられた領域は、抗体可変ドメインを示している。図16は、これらの抗体のCDR領域およびFWR領域に対する核酸配列を提供している。
【実施例11】
【0188】
SEB誘導性のT細胞サイトカイン産生の抗SEB抗体媒介性の阻害の評価
ヒト末梢血単核球(PBMC)を用いて、上記抗SEB抗体がSEB誘導性のT細胞サイトカイン産生を阻害する能力を測定し、それらのインビトロにおけるEC50値を測定した。約1×10個のPBMCを、96ウェル平底組織培養プレート中、37℃、5%COにおいて培養した。4×濃度の抗SEB抗体79G9、154G12またはそれらの混合物をSEB(4×そのインビトロED50)とともに1時間インキュベートした。次いで、その混合物を上記PBMC(抗SEB抗体とSEBの両方に対する1×最終濃度)に加え、18〜22時間インキュベートした。サイトカインの産生が生じているか否かを判定するために、上清を、抗IFN−γおよび抗TNF−αを吸収させたELISAプレートに移し、ELISAキット(R&D System)を製造者が推奨する手順に従って使用してアッセイした。Prism4(GraphPad Software)を用いて抗SEB抗体のEC50の計算を行った。IFN−γおよびTNF−αのELISAの感度限界は、16pg/mLである。結果を表9に示す。
【0189】
【表9】

【実施例12】
【0190】
SEB関連トキシンに対するSEB特異的抗体79G9、100C9および154G12の反応性
抗体79G9、100C9および154G12のSEB特異性を測定するために、これらの抗体を、SEB関連ブドウ球菌エンテロトキシンのSEA、SED、SEC1、SEC2およびTSST−1;連鎖球菌性の発熱性外毒素SPE−A、SPE−B(各々、Toxin Technologiesから購入);および破傷風トキソイド(TT,Cylex Inc.から購入)に対する交差反応性について調べた。上記トキシンの各々を、コーティング緩衝液(50mM炭酸塩−炭酸水素塩,pH9.4(Sigma))中、0.5μg/mLに希釈し、4℃で一晩、ELISAプレート上に吸収させた。そのELISAプレートを、室温において2時間、アッセイ緩衝液(1%BSA(Sigma)および0.05%Tween 20(Bio−Rad)含有のPBS(CellGro))でブロッキングした。そのELISAプレートを洗浄緩衝液(0.05%Tween20含有のPBS)で1回洗浄した。精製抗体79G9、100C9および154G12;コントロールマウス抗TSST−1(Hycult);ならびにコントロールマウス抗TT(Abcam)(各々2.5μg/mLの濃度)を1ウェルあたり100μLでそのELISAプレートに移し、室温で1時間インキュベートした。続いて、プレートを4回洗浄した。抗体79G9、100C9および154G12については、結合緩衝液中、1:10,000希釈された、1ウェルあたり100μLの西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗ヒトIgG+M(H+L)(Jackson ImmunoResearch)を加えることによって抗体結合を測定し、一方、コントロール抗体を検出するためには、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗マウスIgG(H+L)を用いた。そのELISAプレートに加えたら、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化抗体を室温で1時間インキュベートした。プレートを4回洗浄し、そしてSureBlue基質(Kirkegaard & Perry Laboratories)を10分間加えた(100μL/ウェル)。1N硫酸(50μL/ウェル)を加えることによって反応を停止させ、吸光度を450nmで測定した。結果を図18に示す。
【0191】
抗体産生細胞の生物学的寄託:本明細書中に提供される詳細な説明および記載された例と一致して、本発明の抗体産生細胞の例をAmer.Type Cult.Coll.(10801 University Blvd.,Manassas,Virginia 20110−2209)に寄託した。抗体100C9および79G9を産生するハイブリドーマ細胞株を2007年1月3日に寄託し、それぞれATCCアクセッション番号PTA−8115およびPTA−8116が割り当てられた。さらに、抗体F10、F6、E12、C5および154G12を産生する細胞を、2007年12月19日に寄託し、それぞれATCCアクセッション番号________、________、________、________、および_______、が割り当てられている。
【0192】
本発明は、上に記載および例示された実施形態に限定されないが、添付の請求項の範囲内の変更および改変を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブドウ球菌エンテロトキシンBまたはその抗原結合フラグメントに特異的に結合する、単離されたヒト抗体。
【請求項2】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖CDR1は配列ID番号68のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR2は配列ID番号69のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR3は配列ID番号70のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項3】
請求項2記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号56のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号57のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号58のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項4】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖可変ドメインは、配列ID番号176のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項5】
請求項4記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号174のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項6】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖は、配列ID番号30のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項7】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号56のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号57のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号58のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項8】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号174のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項9】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖は、配列ID番号28のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項10】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖CDR1は配列ID番号130のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR2は配列ID番号131のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR3は配列ID番号132のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項11】
請求項10記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号104のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号105のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号106のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項12】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖可変ドメインは、配列ID番号204のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項13】
請求項12記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号200のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項14】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖は、配列ID番号232のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項15】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号104のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号105のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号106のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項16】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号200のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項17】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖は、配列ID番号186のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項18】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖CDR1は配列ID番号92のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR2は配列ID番号93のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR3は配列ID番号94のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項19】
請求項18記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号80のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号81のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号82のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項20】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖可変ドメインは、配列ID番号160のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項21】
請求項20記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインが、配列ID番号158のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項22】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖は、配列ID番号251のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項23】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号80のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号81のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号82のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項24】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号158のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項25】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖は、配列ID番号249のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項26】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖CDR1は配列ID番号144のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR2は配列ID番号146のアミノ酸配列を有するものであり、重鎖CDR3は配列ID番号148のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項27】
請求項26記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号136のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号138のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号140のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項28】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖可変ドメインは、配列ID番号230のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項29】
請求項28記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号228のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項30】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、重鎖は、配列ID番号216のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項31】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖CDR1は配列ID番号136のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR2は配列ID番号138のアミノ酸配列を有するものであり、軽鎖CDR3は配列ID番号140のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項32】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖可変ドメインは、配列ID番号228のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項33】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、軽鎖は、配列ID番号214のアミノ酸配列を有するものである。
【請求項34】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、前記抗体の親和性は、約3×10−8M未満である。
【請求項35】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、前記抗体の親和性は、約1×10−9M未満である。
【請求項36】
請求項1記載の抗体またはその抗原結合フラグメントにおいて、前記抗体の親和性は、約3×10−10M未満である。
【請求項37】
請求項1記載の抗体または抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチド。
【請求項38】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号62、配列ID番号63、および配列ID番号64の核酸配列を有するものである。
【請求項39】
請求項38記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号50、配列ID番号51、および配列ID番号52の核酸配列を有するものである。
【請求項40】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号175の核酸配列を有するものである。
【請求項41】
請求項40記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号173の核酸配列を有するものである。
【請求項42】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号29の核酸配列を有するものである。
【請求項43】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号50、配列ID番号51、および配列ID番号52の核酸配列を有するものである。
【請求項44】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号173の核酸配列を有するものである。
【請求項45】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号27の核酸配列を有するものである。
【請求項46】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号123、配列ID番号124、および配列ID番号125の核酸配列、または配列ID番号194、配列ID番号196、および配列ID番号198の核酸配列を有するものである。
【請求項47】
請求項46記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、さらに、
配列ID番号98、配列ID番号99、および配列ID番号100の核酸配列、または配列ID番号180、配列ID番号182および配列ID番号184の核酸配列を有するものである。
【請求項48】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号203または配列ID番号172の核酸配列を有するものである。
【請求項49】
請求項48記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、さらに、
配列ID番号199または配列ID番号171の核酸配列を有するものである。
【請求項50】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号231または配列ID番号190の核酸配列を有するものである。
【請求項51】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号98、配列ID番号99、および配列ID番号100の核酸配列、または配列ID番号180、配列ID番号182、および配列ID番号184の核酸配列を有するものである。
【請求項52】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号199または配列ID番号171の核酸配列を有するものである。
【請求項53】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号185または配列ID番号189の核酸配列を有するものである。
【請求項54】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号86、配列ID番号87、および配列ID番号88の核酸配列、または配列ID番号166、配列ID番号168、および配列ID番号170の核酸配列を有するものである。
【請求項55】
請求項54記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、さらに、
配列ID番号74、配列ID番号75、および配列ID番号76の核酸配列、または配列ID番号152、配列ID番号154および配列ID番号156の核酸配列を有するものである。
【請求項56】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号159または配列ID番号164の核酸配列を有するものである。
【請求項57】
請求項56記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、さらに、
配列ID番号157または配列ID番号150の核酸配列を有するものである。
【請求項58】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号250または配列ID番号162の核酸配列を有するものである。
【請求項59】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号74、配列ID番号75、および配列ID番号76の核酸配列、または配列ID番号152、配列ID番号154、および配列ID番号156の核酸配列を有するものである。
【請求項60】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号157または配列ID番号150の核酸配列を有するものである。
【請求項61】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号248または配列ID番号161の核酸配列を有するものである。
【請求項62】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号253、配列ID番号255、および配列ID番号257の核酸配列、または配列ID番号222、配列ID番号224、および配列ID番号226の核酸配列を有するものである。
【請求項63】
請求項62記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、さらに、
配列ID番号259、配列ID番号261、および配列ID番号263の核酸配列、または配列ID番号208、配列ID番号210、および配列ID番号212の核酸配列を有するものである。
【請求項64】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号229または配列ID番号192の核酸配列を有するものである。
【請求項65】
請求項64記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、さらに、
配列ID番号227または配列ID番号178の核酸配列を有するものである。
【請求項66】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号215または配列ID番号218の核酸配列を有するものである。
【請求項67】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号259、配列ID番号261、および配列ID番号263の核酸配列、または配列ID番号208、配列ID番号210、および配列ID番号212の核酸配列を有するものである。
【請求項68】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号227または配列ID番号178の核酸配列を有するものである。
【請求項69】
請求項37記載のポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドは、配列ID番号213または配列ID番号217の核酸配列を有するものである。
【請求項70】
請求項1記載の抗体または抗原結合フラグメントおよび薬学的に許容可能な担体を有する組成物。
【請求項71】
請求項37記載のポリヌクレオチド配列を有するベクター。
【請求項72】
請求項1記載の抗体または抗原結合フラグメントを発現する細胞。
【請求項73】
請求項72記載の細胞において、この細胞はハイブリドーマである。
【請求項74】
被験体においてブドウ球菌エンテロトキシンB媒介性疾患を処置または予防するための方法であって、薬学的に許容可能な担体とブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合する少なくとも1つの抗体またはその抗原結合フラグメントとを有する組成物を、ブドウ球菌エンテロトキシンB媒介性疾患を処置または予防するのに有効な量で前記被験体に投与する工程を有するものである、方法。
【請求項75】
請求項74記載の方法において、前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、ブドウ球菌エンテロトキシンBを中和するものである。
【請求項76】
請求項74記載の方法において、前記被験体は哺乳動物である。
【請求項77】
請求項74記載の方法において、前記哺乳動物はヒトである。
【請求項78】
請求項1記載の抗体または抗原結合物を作製する方法であって、前記抗体または抗原結合フラグメントを産生するのに適した条件下で宿主細胞を培養する工程と、この細胞培養物から前記抗体または抗原結合フラグメントを回収する工程とを有するものである、方法。
【請求項79】
ブドウ球菌エンテロトキシンBの中和が必要な被験体においてブドウ球菌エンテロトキシンBを中和するための方法であって、ブドウ球菌エンテロトキシンBに特異的に結合して、それを中和する少なくとも1つの抗体または抗原結合フラグメントを、ブドウ球菌エンテロトキシンBを中和するのに有効な量で前記被験体に投与する工程を有するものである、方法。
【請求項80】
請求項79記載の方法において、前記被験体は哺乳動物である。
【請求項81】
請求項80記載の方法において、前記哺乳動物はヒトである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【図13I】
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【図13J】
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【図13K】
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【図13L】
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【図13M】
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【図13N】
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【図13O】
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【図13P】
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【図13Q】
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【図13R】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図14G】
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【図14H】
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【図14I】
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【図14J】
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【図14K】
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【図14L】
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【図14M】
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【図14N】
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【図14O】
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【図14P】
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【図14Q】
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【図14R】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図16F】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−514459(P2010−514459A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544928(P2009−544928)
【出願日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/000104
【国際公開番号】WO2008/085878
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(506031948)モルフォテック、インク. (16)
【Fターム(参考)】