説明

ブレンステッド酸を用いた高度中和の超吸収ポリマー粒子の表面架橋方法

本発明は、比較的高度な中和度を有する超吸収性ポリマー粒子の表面架橋方法に関する。ブレンステッド酸は超吸収性ポリマー粒子の表面上に選択的に適用され、その結果超吸収性ポリマー粒子のコア内の比較的高度な中和を実質的に影響しないままで、超吸収性ポリマー表面における比較的多数のカルボン酸基のプロトン化を選択的に促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面架橋された超吸収性ポリマー(SAP)粒子を製造する方法に関する。この方法は高度の中和度を有するSAP粒子を使用し、さらにブレンステッド酸を適用する。本発明は、この方法によって製造されるSAP粒子を含む吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
超吸収性ポリマー(SAP)は当技術分野において周知である。SAPは一般に、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、および女性用ケア製品などの吸収性物品において、製品の吸収能力を増大させ、一方でそれらの全体容量を低下させる目的で適用する。SAPはその重量の何倍もの量に等しい水性流体を吸収、保持する機能を備えている。
【0003】
SAPの商業生産は1978年に日本で始まった。初期の超吸収体は、架橋型デンプングラフトポリアクリレートであった。SAPの商業的生産においては、部分的に中和されたポリアクリル酸が最終的に初期の超吸収体に取って代わり、SAPにおける主要なポリマーとなっている。
【0004】
SAPは小さい粒子の形状で利用されることが多い。SAPは一般に、部分的に中和し、軽度に架橋したポリマー網状組織から成り、このポリマー網状組織は親水性であり、水または生理食塩水などの水溶液に浸漬させると膨張する。ポリマー鎖間の架橋によって、SAPが水に溶解しないようにする。
【0005】
水溶液の吸収後、膨潤したSAP粒子は非常に柔らかくなり、簡単に変形する。変形により、SAP粒子間の空隙が封鎖され、これにより、液体に対する流動抵抗が劇的に増大する。これは一般に「ゲルブロッキング」と呼ばれている。ゲルブロッキング状態において、液体は拡散によってしか膨張したSAP粒子の間を通って移動することができず、これはSAP粒子間の隙間を流動するよりもはるかに遅い。
【0006】
ゲルブロッキングを低減するために一般的に適用される方法の1つは粒子をより硬くすることであり、それによって膨潤したSAP粒子が元の形状を保持し、従って粒子間に空隙を作り出すか、または維持することができる。硬さを増加させるためのよく知られた方法は、SAP粒子の表面に露出して酸基(一般的にはカルボニル基)を架橋することである。この方法は一般に表面架橋と呼ばれている。当技術分野では、多くの異なった表面架橋分子が知られ、それには(2官能性)アルコール、カーボネートジエステル、エポキシド、イソシアネート、アミン、およびオギザゾリンが挙げられる。一般に表面架橋は150℃以上の高温で実施する。
【0007】
一般的に使用される表面架橋剤は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名デナコール(Denacol)でナガセ(欧州)社、ドイツから入手可能)、のジエポキシ化合物を含む。表面架橋反応は中温度(140℃)で実施できる。
【0008】
上述した多くの表面架橋プロセスの欠点は、妥当な能率でおよび/または妥当な速度で表面架橋を達成するためにプロトン化酸性基の存在が必要であるということである。一方、高度中和されたSAPは、一般により少ない中和のSAPと比較してより低いコストで製造できるので、高度に中和されたSAPを使用することは利点である。しかし、中和されたSAPでは酸性基は脱プロトン化され、対応する塩(大抵は解離した)の形態である。
【0009】
従って、SAPのいかなる中和も表面架橋の必要性との釣り合いを慎重に保たなければならない。当技術分野において既知の表面架橋剤は、ポリマー鎖に含まれる遊離カルボン酸基とでのみ十分な速度反応し、中和された酸基との反応は非常に遅い/低効率である。従って、所定の酸基は表面架橋のためかまたは中和のためかのどちらかに適用され、両方に適用されないのが一般的である。当技術分野において既知の表面架橋剤は、カルボン酸基またはスルホン酸基のような酸基と好適に反応するが、カルボン酸塩または硫酸塩のような中和された酸基とは十分な速度で反応しない。従って、当技術分野で既知のSAPは、一般的に部分的にだけ中和され、例えば、約75モル%まで水酸化ナトリウムで中和される。
【0010】
SAPの製造における追加の重要な態様は、SAPに含まれる抽出可能ポリマーの量を低減する要求である(即ち、過剰の液体中で溶解するポリマー画分であり、これは、特にSAP粒子の収蔵可能量の減少によるSAPの性能の低下の要因になっている)。
【0011】
同様に、吸水剤の生産および表面架橋に酸を使用することは、当技術分野において既知である。しかし、高度な中和度を有する表面架橋SAP粒子に対して酸を選択的に使用する利点は、これまで確認されていない。同様に、当技術分野では抽出可能ポリマーの慎重な使用法に触れないでSAP粒子の表面架橋を改善することを教示することが一般的である。
【0012】
SAP粒子を製造するプロセスでは通常、遊離カルボキシル基の中和を初めに実施し、その後、表面架橋を行う。実際、中和工程は、モノマーを重合および架橋してSAPを形成する前に、プロセスの一番初めに行うことが多い。このようなプロセスは「プレ中和プロセス」と名づけられている。代わりに、SAPは重合の途中または重合後に中和することもできる(「ポスト中和」)。さらに、これらの代替形態の組み合わせも可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、高度な中和度を有するSAP粒子が使用でき、均質な表面架橋を有するSAP粒子を製造する方法を提供することである。
【0014】
本発明の更なる目的は、SAP粒子を表面架橋する経済的な方法を提供することである。
【0015】
あるいは、題名「紫外線およびブレンステッド酸を用いた超吸収性ポリマー粒子の表面架橋方法」(法定代理人ドケットNo.CM3008FQ)の共同出願に開示されたように、本発明の中に含まれる表面架橋方法に対して、紫外線を曝露することによっても表面架橋は同様に達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は超吸収性ポリマー粒子の表面架橋方法に関する。この方法は以下の工程を含む。
【0017】
a)表面およびコアを有する超吸収性ポリマー粒子を用意する工程と、
b)前記超吸収性ポリマー粒子の表面上に1つ以上のブレンステッド酸を適用する工程と、
c)少なくとも80モル%の中和度を有する前記超吸収性ポリマー粒子を表面架橋する工程と、
である。
【0018】
本発明に従った表面架橋は、前記超吸収性ポリマー粒子を100nm〜400nmの波長を有する紫外線に曝露しないで達成される。
【0019】
任意選択で、1つ以上の表面架橋分子を前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面の上に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
超吸収性ポリマー
本発明によるSAPは、高度に中和されたα,β−不飽和カルボン酸のホモポリマー、または高度に中和されたα,β−不飽和カルボン酸、およびそれと共重合可能なモノマーとのコポリマーを含むことが好ましい。
【0021】
SAP類は、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースなどの置換並びに非置換の、天然および合成ポリマー;ポリビニルアルコールおよびポリビニルエーテル類などの非イオン型、ポリビニルピリジン、ポリビニルモルフォリニオン、そしてN,N−ジメチルアミノエチルまたはN、N−ジエチルアミノプロピルアクリレート類およびメタクリレート類、ならびにそれらの各第四級塩などの陽イオン型を包含する、様々な化学的形態で入手可能である。典型的には、本明細書において有用なSAP類は、スルホン酸のような複数の陰イオン性官能基、およびより典型的にはカルボキシル基を有する。本明細書で使用するのに好適なポリマー類の例としては、重合可能な不飽和の酸含有モノマー類から調製されるものが挙げられる。従って、こうしたモノマー類には、少なくとも1つの炭素−炭素オレフィン性二重結合を含有するオレフィン性不飽和酸類および無水物類が包含される。さらに具体的には、このようなモノマー類はオレフィン性不飽和カルボン酸類および酸無水物類、オレフィン性不飽和スルホン酸類、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0022】
SAP類を調製する際、幾つかの酸性ではないモノマー類が、通常は微量で包含される可能性もある。こうした酸性ではないモノマー類としては、例えば、酸を含有するモノマー類の水溶性又は水分散性のエステル類、ならびにカルボン酸基またはスルホン酸基を全く含有しないモノマー類を挙げることができる。従って、任意の酸性ではないモノマー類には、次の種類の官能基、カルボン酸またはスルホン酸エステル類、ヒドロキシル基類、アミド基類、アミノ基類、ニトリル基類、第四級アンモニウム塩基類、アリール基類(例えば、スチレンモノマーに由来するようなフェニル基類)を含有するモノマー類を包含することができる。これらの酸性ではないモノマー類は、周知の材料であり、例えば米国特許第4,076,663号及び米国特許第4,062,817号にさらに詳細に記載されている。
【0023】
オレフィン性不飽和のカルボン酸およびカルボン酸無水物のモノマー類には、アクリル酸自体で代表されるアクリル酸類、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−ステリルアクリル酸(sterylacrylic acid)、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、およびマレイン酸無水物が挙げられる。
【0024】
オレフィン性不飽和スルホン酸モノマー類には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、およびスチレンスルホン酸などの脂肪族または芳香族のビニルスルホン酸類、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアクリルおよびメタクリルスルホン酸が挙げられる。
【0025】
本発明による好ましいSAP類は、カルボキシル基を含有する。これらのポリマーには、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー類、部分的に中和された加水分解デンプン−アクリロニトリエウグラフトコポリマー類、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類、部分中和されたデンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類、鹸化された酢酸ビニール−アクリル酸エステルコポリマー類、加水分解されたアクリロニトリルまたはアクリルアミドコポリマー類、前記したコポリマーのいずれかの僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリアクリル酸、部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー、部分的に中和されたポリメタクリル酸、および部分的に中和されたポリメタクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマーが含まれる。これらのポリマー類は、単独で、または2つ以上の異なるコポリマー類の混合物の形態で使用されることができ、混合物として使用されるときには、各々が部分的に中和される必要はないが、結果として生じるポリマーが部分的に中和されていなければならない。これらのポリマー材料の例は、米国特許第3,661,875号、米国特許第4,076,663号、米国特許第4,093,776号、米国特許第4,666,983号、および米国特許第4,734,478号に開示されている。
【0026】
本明細書の用途に最も好適な材料は、部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かに網状架橋したポリマー類、部分的に中和されたポリメタクリル酸の僅かに網状架橋したポリマー類、それらのコポリマー類、およびそれらのデンプン誘導体類である。最も好ましくは、SAPは部分的に中和され、僅かに編状架橋したポリアクリル酸(即ち、ポリ(アクリル酸ナトリウム/アクリル酸))である。本発明に使用されるSAPは、少なくとも80モル%〜98モル%、より好ましくは少なくとも85モル%〜98モル%、さらにより好ましくは少なくとも85モル%〜95モル%、およびさらにより好ましくは90モル%〜95モル%、中和される。網状架橋は、ポリマーを実質的に非水溶性にし、ヒドロゲルを形成する吸収性ポリマー類の吸収能力を決定するという一面もある。前記ポリマーを網状架橋するための方法及び典型的な網状架橋剤は、米国特許第4,076,663号にさらに詳細に記載されている。
【0027】
α,β−不飽和カルボン酸モノマーの重合の好適な方法は、水性溶液重合であり、それは当技術分野で公知である。α,β−不飽和カルボン酸モノマー類と、重合反応開始剤が含まれている水溶液は、重合反応させる。水溶液は、α,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な、さらなるモノマーを含んでもよい。少なくとも、α,β−不飽和カルボン酸は、モノマー類の重合前、重合中または重合後に、部分的に中和させなければならない。
【0028】
水溶液中のモノマーは標準的なフリーラジカル技術により、一般的には例えば紫外線(UV)活性化のような活性化のための光開始剤によって重合させる。あるいは、レドックス反応開始剤を使用してもよい。しかしながらこの場合、高い温度が必要になる。
【0029】
吸水性樹脂は、好ましくは、非水溶性にするために僅かに(lightly)架橋する。望ましい架橋構造は、選択した水溶性モノマーと、分子単位で少なくとも2つの重合可能二重結合を有する架橋剤との共重合により形成させてもよい。架橋剤は、水溶性ポリマーを架橋するのに効果的な量で含有させる。好ましい架橋剤の量は、所望の吸収能力の程度及び吸収された流体を保持するのに望ましい力、即ち、負荷下での所望の吸収性によって決まる。通常、架橋剤は、使用される100重量部のモノマー(α,β−不飽和カルボン酸モノマーおよび可能なコモノマーを含む)当たり、0.0005〜5重量部の範囲の量で使用される。100重量部につき5重量部を超える量の架橋剤を用いると、結果として生じるポリマー類の架橋密度は非常に高く、吸収能力が低下し、吸収された流体を保持する力が増大する。100重量部につき0.0005重量部未満の量で架橋剤を用いると、ポリマーの架橋密度は非常に低く、吸収すべき流体と接触すると、粘着性と水溶性が高くなり、特に負荷下では吸収性能が低下する。架橋剤は、典型的には水溶性である。
【0030】
架橋剤をモノマーと共重合させる代わりに、重合後に別個のプロセス工程にてポリマー鎖を架橋することも可能である。
【0031】
重合、架橋および部分的中和の後で、湿ったSAPを脱水(即ち、乾燥)し、乾燥SAPが得られる。脱水工程は、粘性を有するSAPを約1〜2時間、強制空気オーブン内で約120℃まで加熱するか、または粘性を有するSAPを約60℃で一晩中加熱することによって行うことができる。乾燥後のSAPの残留水分含量は、乾燥時間および温度に主として依存する。本発明によると、「乾燥SAP」は、残留水分含量が乾燥SAPの0.5重量%〜乾燥SAPの50重量%、好ましくは乾燥SAPの0.5重量%〜45重量%、より好ましくは0.5%〜30%、さらに好ましくは0.5%〜15%、および最も好ましくは0.5%〜5%であるSAPを指す。別に明確に述べない限り、以下において、用語「SAP粒子」は乾燥SAP粒子を指す。
【0032】
SAP類は多数の形状の粒子に変換され得る。「粒子」という用語は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、ならびにSAPの当業者に既知のその他の形状および形態のことを指す。例えば粒子は、粒径約10μm〜1000μm、好ましくは約100μm〜1000μmの顆粒またはビーズ状とすることができる。他の実施形態において、SAPは、繊維状、すなわち細長く針状のSAP粒子とすることができる。これらの実施形態において、SAP繊維は、約1mm未満、普通は500μm未満、好ましくは250μm未満から50μmまでの小さい寸法(すなわち、繊維の直径)を有する。繊維の長さは好ましくは約3mm〜約100mmである。本発明の利用にはより好ましいことではないが、繊維はまた、製織できる長いフィラメントの形状であることもできる。
【0033】
本発明のSAP粒子はコアと表面を有する。本発明によると、乾燥SAP粒子は、表面架橋プロセスを受ける、即ち、それらは本発明の方法によって、粒子のコアにおける架橋数が実質的に増加しない一方で、表面において架橋する。
【0034】
「表面」という用語は、粒子の外側に面した境界のことを指す。多孔質SAP粒子に関しては、内部露出面も表面とみなしてもよい。本発明に対し、SAP粒子の「表面」は乾燥SAPの容積の6%を外側に完全な連続した状態で面していることを指し、一方「コア」は94%容積が乾燥SAP粒子の内部領域を構成していることを指す。
【0035】
本発明の方法は、SAP粒子の表面架橋のために使用される。従って、SAP粒子に含まれるポリマー鎖は、分子単位内に少なくとも2つの重合可能な二重結合を含む当技術分野で既知の架橋剤で既に(コア)架橋している。
【0036】
本発明の異なるポリマー鎖の架橋は、異なるSAP粒子を互いに結合することを意図しない。従って、本発明の方法は、異なるSAP粒子間の感知できるほどの粒子間結合を導くのではなく、結果として、SAP粒子内部に粒子内に直接的共有結合のみをもたらす。従って、そのような粒子間の直接的共有結合が存在する場合、さらなる粒子間架橋材料を必要とするであろう。
【0037】
表面架橋SAPは当技術分野でよく知られている。原則的には、本発明に役立つ表面架橋方法は、当技術分野で既知の全ての表面架橋方法である。表面架橋SAP粒子において、SAP粒子の表面の架橋レベルは、SAP粒子のコアの架橋レベルよりもかなり高い。
【0038】
表面架橋分子
典型的には、表面架橋を達成するためには表面架橋剤がSAP粒子の表面に付けられる。一般的に適用され、本発明に使用される好適な表面架橋剤は、熱活性化可能な表面架橋剤である。用語「熱活性化可能な表面架橋剤」は、典型的には約150℃の高温にさらすことによってのみ反応する表面架橋剤を指す。従来技術において既知の熱活性化可能な表面架橋剤は、例えば、SAPのポリマー鎖間にさらなる架橋を構築することができる二官能剤又は多官能剤である。代表的な熱活性化可能な表面架橋剤には、例えば、2価または多価アルコール類、もしくはそれらの誘導体類が挙げられ、ここでの誘導体類は2価または多価アルコールを形成することが可能なものである。また、表面架橋分子の代表は、アルキレンカーボネート類、ケタール類、およびジ−またはポリグリシジルエーテル類である。さらに、ハロエポキシ化合物類、ポリアルデヒド類、ポリオール類、およびポリアミン類もまたよく知られた熱活性化可能な表面架橋剤である。架橋は、例えばカルボキシル基(ポリマーに含まれる)と水酸基(表面架橋剤に含まれる)との間のエステル化反応によって形成される。典型的には、ポリマー鎖のカルボキシル基の比較的大部分が重合工程前に中和されるので、一般には、当技術分野において既知のこの表面架橋プロセスのためには、ほんの僅かなカルボキシル基しか利用できない。例えば、70%中和させたポリマーでは、10個のカルボキシル基のうちたった3個しか共有表面架橋結合のために利用できない。
【0039】
本発明に使用される好適な表面架橋剤は、例えば、エチレングチコールジグリシジルエーテル(商品名デナコール(Denacol)でナガセ(欧州)社、ドイツ)から入手可能)のようなジエポキシ化合物である。
【0040】
本発明の方法に使用されるさらなる表面架橋剤は、例えば、ヨリミチ等により1997年3月11日に発行された米国特許第5,810,208号のコラム11に開示される。
【0041】
典型的には、表面架橋分子が本発明の方法に使用される。表面架橋分子がSAP粒子に添加される場合、SAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖の間で追加的な共有結合が形成される。これらの追加的共有結合は前記表面架橋分子とSAPの酸基との反応生成物から構成される。
【0042】
表面架橋分子を使用しない表面架橋
しかし、本発明の方法による表面架橋は、表面架橋分子を全く使用しなくとも達成できる。例えば、表面架橋は電子線を用いて達成できる。
【0043】
電磁または電子線照射によって、ラジカルがSAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖の中に形成できる。同じSAP粒子の表面に含まれる異なったポリマー鎖中のそのような2つのラジカルが結合して、これら2つの異なったポリマー鎖の間に共有結合を形成することができる。そのようなラジカル形成は、また、熱的または化学的なラジカル発生によっても達成できる。
【0044】
電子線処理手段によるSAPの表面架橋は、様々な材料ハンドリングシステムを備え、顕著な処理数量が可能な市販のアクセラレータを使用して行うことができる。典型的な直流アクセラレータは、電圧発生器、電子銃、加速チューブ、スキャンホーン、および制御システムからなる。このアクセラレータは直径約2.5cmの電子線を生成し、電子を光速付近まで励起する。電子線はスキャンホーンを通過し、そこでは磁石が電子線を約200Hzで前後にスキャンし幅1〜2mの電子のカーテンを生成する。標的材料は、コンベイヤー、カート、リール・ツ・リール設備、またはその他の特殊なハンドリング手段を使用してスキャンホーンの下を通過させる。SAPの架橋には150keV〜5.0MeVまでのエネルギーを用いた加速が使用できる。
【0045】
処理の経済性に関して、電子線は同一の正味の効果をもたらすために従来の熱化学的処理よりもより低いエネルギー消費を必要とするのが一般的である。
【0046】
中和
本発明の主要な利点の中和のステップを言及する。α,β−不飽和カルボン酸モノマーは重合ステップに先立って中和されることが多い(事前中和)。モノマーの酸基を中和するに有用な化合物は、一般的には、重合プロセスに有害な影響を与えないで酸基を十分に中和するものである。前記化合物としては、アルカリ金属の水酸化物類、炭酸及び重炭酸のアルカリ金属塩類が挙げられる。前記モノマーの中和に使用される材料は好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、もしくは炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。結果的に、ポリマーのα,β−不飽和カルボン酸に含まれるカルボキシル基は、少なくとも部分的に中和される。水酸化ナトリウムを使用する場合、中和によってアクリル酸ナトリウムが生じ、これは水中でマイナスに帯電したアクリル酸モノマーとプラスに帯電したナトリウムイオンとに解離する。架橋剤の表面はポリマーに含まれる(カルボン)酸と反応し、例えばアクリル酸ナトリウムのような中和された基とは非常にゆっくりと非効率的にしか反応しないけれども、中和の度合いは表面架橋に対する必要性との調和を保たねばならない。何故ならば両方のプロセスともにカルボキシル基を利用するからである。
【0047】
水溶液を吸収した後、最終的なSAP粒子が膨張状態にある場合、ナトリウムイオンはSAP粒子内を自由に移動することができる。おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品において、SAP粒子は典型的には尿を吸収する。蒸留水と比較して、尿には、少なくとも部分的に解離した形態で存在する塩が比較的多く含まれている。尿に含まれる解離した塩のために、液体はSAP粒子内に吸収されにくくなる。それは、解離した塩のイオンに起因する浸透圧に逆らって液体を吸収しなければならないからである。SAP粒子の内部にある自由に移動可能なナトリウムイオンは、粒子中への液体の吸収を強く促進する。周囲の液体中にある自由に移動可能なナトリウムイオンの量と比較してSAP粒子の内部にある高度に自由に移動可能なナトリウムイオンは内部浸透圧を増加させるからである。したがって、高度の中和はSAP粒子の液体吸収の能力および速度を増加させることができる。
【0048】
更に、高度の中和により、一般的に材料消費が低減され、したがってSAP粒子の全体的製造コストも低減される。ポリマーの中和に通常的に使用される水酸化ナトリウムは、今日のSAPの最も好適なポリマーであるアクリル酸と比較して一般的により安価である。したがって、中和度合いを増加させることは所定量のSAPに含まれる水酸化ナトリウムの量を増加させる。その結果、SAPを作製するためにより少ないアクリル酸が必要とされる。したがって、本発明の方法はSAP粒子の経済的で魅力的な方式を提供する。
【0049】
ブレンステッド酸
高度な中和度を有するSAP粒子を使用する表面架橋に対して、ブレンステッド酸は所定の時間内でより多くの表面架橋が形成できるように、表面架橋プロセスをかなり改善することができる。
【0050】
本発明の方法では、中和度80モル%〜98モル%、好ましくは85モル%〜98モル%、より好ましくは85%〜95モル%、および最も好ましくは90モル%〜95モル%のSAP粒子が表面架橋を受ける。
【0051】
SAP粒子のポリマーに含まれる酸基(典型的にはカルボキシル基(COOH))は、表面架橋の全体的反応速度および効率に寄与する。
【0052】
しかし、比較的高度の中和度を有するSAPに関して、大部分のカルボキル基は、それらは対応するカルボン酸塩の形になって(MはNaのような1価の金属カチオンである、COOM)、脱プロトン化されている(COO)。表面架橋の点から見た比較的高度の中和度を有するSAP粒子のこの欠点は、1つ以上のブレンステッド酸をSAP粒子の表面に添加することにより埋め合わせできることが見出された。それにより中和についての全体的な方向は悪影響を受けないことがさらに見出された。ブレンステッド酸はプロトン(H)を放つことができ、それによりSAP粒子表面のカルボン酸塩をプロトン化した形態(COOH)に変換できる。
【0053】
80モル%以上の高度の中和度を有するSAP粒子を1つ以上のブレンステッド酸を用いた処理を受けさせることによって、SAP粒子表面の低い程度の中和度を選択的に調節することができ、結果としてより効率的な反応をもたらされる。同時に、これらのSAP粒子は、SAP粒子のコア内および、従ってSAP粒子の主要部を形成する領域で比較的高度な中和度をまだ有している。このことは上記のような高い中和度の利点が原因で経済的に有利である。
【0054】
ブレンステッド酸に加えてルイス酸が、好ましくはAl3+がAl(SOの形で適用される、アルミニウムカチオンAl3+が、適用できる。
【0055】
ブレンステッド酸はプロトン(H)を放出できる有機または無機のいずれかの化合物である。本発明用の好適なブレンステッド酸は、塩酸、硫酸、燐酸のような鉱酸;酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸のような飽和有機カルボン酸;50g/モル〜500g/モルの分子量MWを有する低分子量ポリアクリル酸のようなオリゴマー有機酸類またはポリマー有機酸類、並びに飽和無機酸類である。本発明に使用される好適な飽和無機酸はほう酸である。本発明による最も好適なブレンステッド酸類は鉱酸類および飽和有機カルボン酸類であり、鉱酸類はカルボン酸類よりもさらにもっと好適である。
【0056】
本発明に使用される、別の特に好適なブレンステッド酸のグループには、ポリマー酸類、特に700g/モル〜5,000,000g/モルの分子量(MW)(w)を有するポリアクリル酸類が含まれる。これらの酸は、高分子量MW(w)および高い粘度が原因でSAP粒子の表面にゆっくりと浸透するだけであるので、特に好適である。ポリアクリル酸の使用により、表面架橋剤の粘度および表面張力の改変もまた可能になる(表面架橋分子が使用される場合)。また、ポリアクリル酸は、比較的安価であり、毒性が無く、当技術分野で知られる表面架橋方法に適切な温度で揮発性ではなく、および腐食性がない。
【0057】
ブレンステッド酸のpK値(解離指数)は、SAP繰り返し単位の共役酸のpK値と等しいか、または小であるべきであり、SAP粒子におけるポリマーとしてのポリ(メタ)アクリル酸の場合のpK値は典型的には4と5の間である。本発明の方法に適用されるブレンステッド酸は、好ましくは5未満の、より好ましくは4未満の、および最も好ましくは3未満のpK値を有する。例えば、ブレンステッド酸HClは−6のpK値を有する。
【0058】
しかし、pK値を別にして、照射期間のSAP粒子の粒子流動の挙動に対する酸の影響もブレンステッド酸の選択に影響を与えるかもしれない。一部のブレンステッド酸はSAP粒子の凝集をもたらすかも知れないし、一方他のものはSAP粒子の流動性に有益な効果を有することさえあるかも知れない(および流動性増進剤として作用するかも知れない)。したがって、適合するブレンステッド酸の選択は所定の状況に応じてなされる必要がある。
【0059】
本発明の方法に適用されるブレンステッド酸の量は、好ましくは、SAP粒子の重量の0.005重量%〜10重量%、更に好ましくは0.01重量%〜5.0重量%、および最も好ましくは0.1重量%〜3.0重量%である。同様に、ブレンステッド酸の量はまた、使用されるブレンステッド酸、および表面架橋分子に依存する。表面架橋分子に対するブレンステッド酸の重量比は、化合物の性質に応じて10:1〜1:10の範囲にある。
【0060】
原則としては、幾つかのブレンステッド酸の混合物も使用できる。しかし、このことは方法を全体的に複雑にするので好ましくはない。
【0061】
ブレンステッド酸は、水中で水溶液として、エマルションとして、または懸濁液として適用されるのが好ましく、表面架橋分子の適用の前に、好ましくは一緒に、または後に適用される(表面架橋分子が使用される場合)。水溶液中におけるブレンステッド酸の濃度は、1モル/L〜2モル/L(ブレンステッド酸のプロトンに関して)である。あるいは、ブレンステッド酸は表面架橋分子とは別個に適用されることもできる(表面架橋分子が使用される場合)。
【0062】
同様に、ブレンステッド酸はアルコール、例えばイソプロパノールに溶解または懸濁させて適用できる。水の代わりにアルコールを使用する利点は、アルコールはSAP粒子の中に相当な程度まで移行しないことである。したがって、ブレンステッド酸がコアに移行するのを回避する目的の浸透深さ制御が容易である。これにより表面架橋反応がSAP粒子の表面に実際上限定させることを確実にするのがより簡単になる。アルコールはSAP粒子の表面架橋に先立って(蒸発によって)除去できる。
【0063】
ブレンステッド酸がアルコールと水の混合物中で適用される場合、その混合物の浸透深さおよびそれによるブレンステッド酸の浸透深さは、アルコールと水の適切な比率を選択することにより入念に調節できる。
【0064】
水にあまりよく溶けないブレンステッド酸を選択して、水中にブレンステッド酸を懸濁させて適用することも望ましい場合がある。それにより、実際上ブレンステッド酸がSAP粒子の表面に留まり、水と一緒にコアの内部に移行しないことを確実にすることも可能である。
【0065】
同様に、ブレンステッド酸としてポリマー酸を使用することもまた、表面架橋をSAP粒子の表面に限定するのに役立つ。ポリマー酸分子は一般的に大き過ぎてSAP粒子のコア内部に実質上浸透できないからである。ブレンステッド酸としてのポリマー酸はさらに表面架橋がSAP粒子の表面にほぼ均一に分布する表面架橋を可能にする。ポリマー酸が表面架橋構造の全体の中に組み込まれるようになるからである。
【0066】
通常は、反応相手は表面架橋反応の歩留まりを向上させるために表面架橋の前に十分に混合させるべきであり、その結果残留する表面架橋分子の低減をもたらす。
【0067】
ブレンステッド酸は表面架橋分子の適用に先立ってSAP粒子上に適用できる(表面架橋分子が使用される場合)。ブレンステッド酸が水中で適用される場合、ブレンステッド酸がかなりの程度までコアの内部に移行しないことを確実にするために、表面架橋反応が起こる直前にブレンステッド酸を適用することが好ましい。好ましくは、ブレンステッド酸は表面架橋反応の開始の10分未満に、より好ましくは5分未満に、適用されるべきであり、最も好ましくは、特にブレンステッド酸が水中で適用される場合には、ブレンステッド酸の適用と表面架橋の開始の間の時間は1分未満にすべきである。
【0068】
当技術分野で広く知られているような流動性増進剤、例えば、デグッサ(Degussa)社から商業的に入手可能な親水性非晶質シリカ、が任意選択でSAP粒子に添加でき、例えばSAP粒子の水含量が比較的高い場合の凝集を回避するのに役立たせることができる。流動性増進剤は一般的にはSAP粒子の重量に対し0.1重量%からSAP粒子の重量に対して10重量%までの範囲で適用できる。
【0069】
ブレンステッド酸および表面架橋分子(使用されれば)の適用のため、および/または本発明によるSAP粒子の表面架橋のために、放射対称形状のまたは振動板を有した流動床反応器が使用できる。
【0070】
しかし、本発明の方法のためにブレンステッド酸および表面架橋分子(適用され得る場合)はSAP粒子の上に均質に付けられることを確実にすべきである。
【0071】
吸収性物品
本発明の方法によるSAP粒子は吸収体物品の吸収体コアに付けられるのが好ましい。本明細書で使用する時、吸収性物品とは、液体を吸収して収容する道具を指し、より具体的には、着用者の身体に接触させたり隣接させたりして、身体から排泄される様々な排出物を吸収して収容する道具を指す。吸収性物品としては、おむつ、成人用失禁ブリーフ、おむつホルダーおよびおむつライナー、生理用ナプキンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本発明の好ましい吸収性物品はおむつである。本明細書で使用する時、「おむつ」とは、一般に乳幼児および失禁者が胴体下部の周囲に着用する吸収性物品を指す。
【0073】
本発明に特に好適な吸収性物品は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、一般には前記トップシートとバックシート間に配置した吸収性コアを備えた外側カバーから典型的には構成される。吸収性コアには、一般に圧縮可能かつ快適で、着用者の皮膚に刺激を与えず、尿および他の体の排出物などの液体を吸収および保持が可能な吸収性材料を含有させてもよい。吸収性コアには、本発明のSAP粒子に加え、使い捨ておむつと他の吸収性物品で通常使用される、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなどの多種多様の液体吸収性材料を含有させてもよい。
【0074】
吸収性アセンブリとして使用するための代表的な吸収性構造については、1992年8月11日にヘロン(Herron)らに付与された米国特許第5,137,537号、名称「個別のポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収性構造(Absorbent Structure Containing Individualized, Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」、1992年9月15日にヤング(Young)らに付与された米国特許第5,147,345号、名称「失禁管理のための高効率吸収性物品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」、1994年8月30日にロウ(Roe)に付与された米国特許第5,342,338号、名称「低粘性の糞便物質のための使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article For Low-Viscosity Fecal Material)」、1993年11月9日にデマレ(DesMarais)らに付与された米国特許第5,260,345号、名称「水性体液のための吸収性フォーム材料および該材料を含有する吸収性物品(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」、1995年2月7日にダイアー(Dyer)らに付与された米国特許第5,387,207号、名称「水性体液のための薄いユニット状湿潤吸収性フォーム材料およびそれらの製造プロセス(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」、1995年3月14日にラボン(LaVon)らに付与された米国特許第5,397,316号、名称「拡張可能な吸収性材料で形成された、水性体液のためのスリット付き吸収性部材(Slitted Absorbent Members For Aqueous Body Fluids Formed Of Expandable Absorbent Materials)」、並びに米国特許第5,625,222号、名称「水性流体のための吸収性フォーム材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high In al.、1997年7月22日)に記載されている。
【0075】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈すべきではない。
【0076】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、この発明の要旨および範囲を逸脱せずに様々なその他の変更および修正が可能であることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0077】
本明細書にて値が規定されたそれぞれの寸法は、技術寸法であって、これは本発明の背景において、文字通りには解釈されるべきでない。故に、本明細書に規定される寸法と機能的に等価な寸法を有する全ての実施形態は、本発明の範囲で扱われることを意図し、例えば「40mm」の寸法は「約40mm」を意味すると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超吸収性ポリマー粒子を表面架橋する方法であって、
a)表面およびコアを有する超吸収性ポリマー粒子を用意する工程と、
b)前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面上に1つ以上のブレンステッド酸を適用する工程と、
c)前記超吸収性ポリマー粒子を表面架橋する工程であって、前記表面架橋が、前記超吸収性ポリマー粒子を100nm〜400nmの波長を有する紫外線に曝露することにより達成されるものではない、工程と
を含み、前記超吸収性ポリマー粒子が少なくとも80モル%の中和度を有する、方法。
【請求項2】
追加的に1つ以上の表面架橋分子が前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面上に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面架橋分子が熱活性化可能な表面架橋分子であり、前記表面架橋が、前記ブレンステッド酸を伴った前記超吸収性ポリマー粒子と、前記表面上に適用された前記表面架橋分子とを少なくとも80℃、好ましくは少なくとも110℃の温度に曝露することにより達成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱活性化可能な表面架橋分子が、2価アルコールもしくは多価アルコールまたはそれらの誘導体である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記熱活性化可能な表面架橋分子が、ジエポキシ化合物、例えばエチレングルコールジグリシジルエーテルである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記表面架橋が、前記表面上に前記ブレンステッド酸が適用された前記超吸収性ポリマー粒子を電磁波照射または電子線照射に曝露することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレンステッド酸が、鉱酸または飽和有機カルボン酸である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ブレンステッド酸が高分子有機酸である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ブレンステッド酸がポリアクリル酸である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって製造された超吸収性ポリマー粒子を含む、吸収性物品。

【公表番号】特表2009−506158(P2009−506158A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527576(P2008−527576)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052930
【国際公開番号】WO2007/023466
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】