説明

ブレーキバンド及びディスク・ブレーキ用のディスク

ディスク・ブレーキ用のディスク2のブレーキバンド1が、隙間5を形成するように互いに面して配置された第1のプレート3及び第2のプレート4と、第1のプレート3と第2のプレート4を接続する一群の接続スペーサ要素6、7とを有し、前記一群の接続スペーサ要素6、7が第1のタブ6を有し、第1のタブ6が、第1のプレート3を第2のプレート4に接続し、また弓形線8に従って延び、弓形線8が、第1の区域9と第2の区域10を形成し、前記第2の区域10が前記第1の区域9に対して円周方向でずれており、弓形線8がさらに、第1の区域と第2の区域を接合するための「S」字形の中間区域11を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排他的にではないが特に自動車産業における用途のためのブレーキバンド(制動環:braking band)及びベンチレーテッド・ディスク・ブレーキ用のディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、高性能車両に適したベンチレーテッド・タイプのブレーキバンドに関する。
【0003】
知られているように、上で特定したタイプのディスクは、2つの同軸部品又はプレートからなる。第1の部品又はプレートは、支持ベルに接続するのに適しており、支持ベルは、車両の車輪ハブに接続されるように意図されている。2つのプレートを備え、一般にブレーキバンドとして知られているディスクの残りの周辺部品は、ディスク・ブレーキ・キャリパと協働するように意図されており、キャリパは、車両に対して制動作用を及ぼすのに適しており、すなわち制動面として知られている2つのプレートの向かい合う表面に対してパッドを介して摩擦を及ぼすのに適している。
【0004】
また、ブレーキの作動中に、ブレーキ・キャリパのパッドとブレーキバンドの制動面の間の摩擦が多量の熱を発生することが知られており、この熱を除去する必要がある。
【0005】
実際、発生される熱により、多くの望ましくない現象が生じる。例えば、ブレーキバンドの変形、制動面での亀裂の発生、又はブレーキバンドを構成する材料の局所的な状態変化であり、これらはブレーキバンド自体の劣化をもたらす。
【0006】
特に、高い制動効率を有する高性能車両での用途では、除去すべきエネルギーが非常に高く、前述した制動中に発生する熱の除去の必要性がさらに大きくなる。
【0007】
冷却効率を高めるというこの要件は、ディスクの使用対象となる車両のサスペンションを改造する必要がないようにディスクのサイズを変えずに保つというさらなる要件と折り合いを付けなければならない。
【0008】
これらのブレーキバンドは、ベンチレーテッド・ディスクとして一般に知られているディスクにおいて用いられている。これらのベンチレーテッド・ディスクは、特に、互いに軸線方向に面する2つのプレートによって形成される隙間を画定するいわゆる通気チャネルの数及び構成に関して、時と共に進化し続けている。そのような通気チャネルは、2つのプレートを横方向で接続する接続要素、すなわち「ブレード」又は「タブ」と定義される要素によって内側に画定される。
【0009】
例えば、米国特許第5427212号から、モジュールが周期的に反復された湾曲壁からなるタブが知られており、モジュール自体は2つのタブからなり、一方のタブが他方よりも長い。
【0010】
例えば、米国特許第5526905号及び米国特許第5526905号から、モジュールが周期的に反復された直線壁からなるタブが知られており、モジュールは、2つの円周方向モジュールに構成された2つのタブからなり、一方のタブが他方のタブの内側にある。
【0011】
このタイプのタブの別の例は、米国特許第4712656号から知られている。
【0012】
米国特許第7100748号から、円周方向でモジュールが周期的に反復された湾曲壁からなるタブが知られており、タブの1つが半径方向に曲がってブレーキバンドから突出し、車両のハブに対する支持ディスクのベル(鐘状体)でのバンドの接続要素を形成する。
【0013】
国際公開2008/136032号から、モジュールが周期的に反復された湾曲壁からなるタブが知られており、モジュールは、2つの円周方向モジュールに構成された2つのタブからなり、一方のタブが他方のタブの内側にある。
【0014】
最後に、欧州特許第1352179号から、モジュールが周期的に反復された湾曲壁からなるタブが知られており、モジュールは、互いに半径方向で位置合わせされた3つの短いタブの横に並んだ長いタブからなる。
【0015】
ディスク・ブレーキ用のディスク及びブレーキバンドの前述の例は、効果的な冷却を保証することができない。効果的な冷却は、ディスク・ブレーキ用のディスクの質量及び重量が低く保たれることも同時に保証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5427212号
【特許文献2】米国特許第5526905号
【特許文献3】米国特許第4712656号
【特許文献4】米国特許第7100748号
【特許文献5】国際公開2008/136032号
【特許文献6】欧州特許第1352179号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の根底にある問題は、前述の要求を満たし、同時に従来技術に関する上記の欠点を回避するような構造的及び機能的特徴を有するブレーキバンド及びディスク・ブレーキ用のディスクを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そのような問題は、請求項1に記載のブレーキバンド、及び請求項14に記載のディスク・ブレーキ用のディスクによって解決される。
【0019】
本発明の全般的な実施例によれば、ディスク・ブレーキ用のディスクのブレーキバンドが、隙間を形成するように互いに面して配置された第1のプレートと第2のプレートを有する。一群の接続スペーサ要素が、第1のプレートを第2のプレートに接続する。前記一群は、ブレーキバンド自体と同軸の円周方向に沿って反復されるモジュール「M」を構成する。前記一群のスペーサ要素が第1のタブを有し、第1のタブは、第1のプレートを第2のプレートに接続し、また長手方向線に従って延び、長手方向線は、その長手方向全長に沿って一様に延びる第1の凹形状を有する第1の弓形区域と、その長手方向全長に関して一様に延びる第2の凹形状を有する第2の弓形区域とを形成し、前記第2の区域の前記第2の凹形状が、第1の区域の凹形状と同方向に向けられている。前記第2の区域は、前記第1の区域に対して円周方向にずらして提供される。第1のタブの前記長手方向延長線は、第1の区域と第2の区域を接合する中間区域を有する。前記中間区域は「S」字形である。
【0020】
さらなる実施例によれば、前記一群のスペーサ要素は第2のタブも有し、この第2のタブは、前記第1のタブの端部の一方から実質的に半径方向に続く第2の長手方向線に従って延びる。有利には、前記第2のタブは、第1のタブの前記端部に対して円周方向にずれている。好ましくは、第2のタブの前記第2の長手方向線は、その長手方向全長に沿って一様に延びる第3の凹形状を定義する弧を形成する。
【0021】
一実施例によれば、第1のタブの第1及び第2の凹形状と第2のタブの第3の凹形状はすべて同方向に向けられ、必ずしもそうである必要はないが、好ましくはブレーキバンドが回転する方向とは逆向きである。
【0022】
一実施例によれば、第1のタブの長手方向線の前記第1の区域が円弧である。
【0023】
一実施例によれば、第1のタブの長手方向線の前記第2の区域は、第1のタブの長手方向線の第1の区域の凹形状とは異なる凹形状を有する円弧である。
【0024】
一実施例によれば、前記第1のタブは、隙間から突き出ないように、ブレーキバンドの半径方向全長よりも短い区域にわたって半径方向に延びる。
【0025】
一実施例によれば、第1のタブの長手方向線の前記第2の区域が、第1のタブの長手方向線又は中央線に対して横方向に測定した第1のタブの厚さ以上の量だけ、長手方向線の第1の区域に対して円周方向にずれている。
【0026】
一実施例によれば、第1のタブは、ブレーキバンドの回転軸線と同軸である、隙間の半径方向幅内に位置する第1の円周から第2の円周まで延びている。
【0027】
一実施例によれば、前記第2のタブは、ブレーキバンドの回転軸線と同軸の第3の円周から第4の円周まで延び、第1のタブよりも半径方向内側に、すなわちバンドの回転軸線に向かって配置され、それによって前記第2のタブは、前記第1のタブに円周方向で重ならないように配置され、前記第1のタブと前記第2のタブの間に隙間又は円周方向チャネルを残している。
【0028】
一実施例によれば、前記第2のタブは円周に沿って延び、前記第2のタブの長さを越えたその円周の延長線は、ブレーキバンドの前記回転軸線とは逆向きに延びる前記第1のタブの長さの前記第2の区域に入る。
【0029】
一実施例によれば、ディスク・ブレーキ用のディスクが、前述したようなブレーキバンドを有している。
【0030】
本発明によるブレーキバンド及びディスク・ブレーキ用のディスクのさらなる特徴及び利点は、そのいくつかの好ましい例示的実施例の以下の説明から明らかになろう。説明は、添付図面を参照して、説明のために、限定せずに提示する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従って形成されたディスク・ブレーキ用のディスクであって、車両のハブに接続するためのベルと一部片として接続されるプレートを有するブレーキバンドを有するディスクの斜視図である。
【図2】本発明に従って形成された、ベルと着脱可能に接続されたブレーキバンドを有するディスク・ブレーキ用のディスクの斜視図である。
【図3】本発明に従って形成されたブレーキバンドの斜視図である。
【図4】本発明に従って形成され、向かい合う制動面が溝を有するブレーキバンドの斜視図である。
【図5】図4のブレーキバンドの回転軸線に対して横方向の中央面に沿った断面図である。
【図6】プレート間の隙間及びプレートを接続するためのタブの区域を示すように一部を断面図で示した、角度部分を伴う図4のブレーキバンドの前面図である。
【図7】図4のプレートの図6の線VII−VIIを通る断面図である。
【図8】図4のブレーキバンドの図6の線VIII−VIIIを通る部分断面図である。
【図9】図6の部分断面の拡大図である。
【図10】モジュールを構成するブレーキバンドのプレートの一群の接続及びスペーサ要素の拡大図である。
【図11】欧州特許第1352179号の従来技術に従って形成されたディスク・ブレーキ用のディスクの一部の前面断面図である。
【図12】欧州特許第1352179号の従来技術に従って形成された解決策と図4の解決策とを比較した、時間の関数として温度を示すグラフである。
【図13】本発明のさらなる実施例に従って形成されたブレーキバンドの一部の断面図である。
【図14】本発明のさらなる実施例に従って形成されたブレーキバンドの部分断面前面図であって、通気チャネル内に図13のものと同様のスペーサ要素があり、制動面の少なくとも一方又は両方が溝を有するブレーキバンドの部分断面前面図である。
【図15】本発明のさらなる実施例に従って形成されたブレーキバンドの一部の断面図である。
【図16】本発明のさらなる実施例に従って形成されたブレーキバンドの部分断面前面図であって、通気チャネル内に図15のものと同様のスペーサ要素があり、制動面の少なくとも一方又は両方が溝を有するブレーキバンドの部分断面前面図である。
【図17】本発明のさらなる実施例に従って形成されたブレーキバンドの一部の断面図である。
【図18】本発明のさらなる実施例に従って形成されたブレーキバンドの部分断面前面図であって、通気チャネル内に図17のものと同様のスペーサ要素があり、制動面の少なくとも一方又は両方が溝を有するブレーキバンドの部分断面前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面から、ディスク・ブレーキ用のディスク(全体を参照番号2で示す)のブレーキバンド1を見ることができる。
【0033】
一実施例によれば、ハブ及び車両の車輪と共にユニットとして回転軸線A−Aの周りで回転する(R)ように、ブレーキバンド1は、一部片として又は一体としてベル31に接続され、ベル31は、ベル31の円筒形本体33の端部に配置されたフランジ32を介して車両のサスペンションシステムのハブと関連付けられる。
【0034】
有利には、ブレーキバンド1は、第2のプレート4に面する第1のプレート3を備え、どちらのプレートもブレーキバンド1の軸線A−Aに同軸に配置される。
【0035】
有利には、プレート3、4の向かい合う表面40、41が、ブレーキバンドの内部に隙間5又は通気路を画定する。第1のプレート3と第2のプレート4は一体に接続され、一群の接続スペーサ要素6、7によって離隔される。
【0036】
また、前記プレート3、4は、ディスク・ブレーキ用のキャリパと協働するのに適した反対を向いた外側制動面43と44を画定し、キャリパは、逆向きの軸線方向作用によって、ディスク・ブレーキ用のディスク2の回転Rに反する制動面43、44での摩擦によって制動作用を及ぼす(図1)。
【0037】
一実施例によれば、ディスク・ブレーキ用のディスク2のブレーキバンド1は、そのプレート3でベル31に着脱可能に接続し、ベル31は例えば異なる材料からなり、しかし必ずしもそうである必要はない。
【0038】
有利には、一実施例によれば、ブレーキバンド1は、接続手段50と結合するのに適した突起49を有し、これらは例えば、制動作用によって定められる熱サイクル中のブレーキバンド1の半径方向膨張を許容するように形成される。
【0039】
一実施例によれば、ブレーキバンド1がベル31と一部片であるか、それともベル31と着脱可能に結合することができるかに関わらず、ブレーキバンド1は、その制動面43、44上に、制動面に通気するのに適した及び/又は両側のパッドの表面を仕上げるのに適した要素を有する。例えば、制動面に、制動面の半径方向高さB全体にわたって実質的に円周方向に分散させて穴60及び/又は61が形成される。
【0040】
例えば、プレート3、4に穴60、61が形成され、これらの穴60、61は、めくら穴でも、通気路又は隙間5を制動面43、44と連絡させる貫通穴でもよい(図2)。
【0041】
一実施例によれば、ブレーキバンド1は、軸線A−Aの周りで回転するのに適した軸対称の本体を有する。
【0042】
ブレーキバンドのディスク形状構成は、回転軸線A−Aに平行な軸線方向に加えて、回転軸線A−Aに対して横方向の半径方向r−r、及び半径方向に対して横方向の円周方向C−Cを定義する(図3)。
【0043】
一実施例によれば、ブレーキバンド1は、ベル31と着脱可能に関連付けるのに適しているときには突起49を有すると有利であり、この突起49は、回転軸線に向かって半径方向に突出し、接続手段50と関連付けるのに適しており、又は有利にはベル31の本体に提供されるシートに一体融合又は幾何的結合によって組み込むのに適している。
【0044】
好ましくは、ブレーキバンド1のプレート3、4は、外縁部C1から内縁部C2まで延在し、ブレーキバンド1の高さBを定義する。ブレーキバンドの前記高さBは、パッドによって覆われる制動面43、44の高さ(図面、特に図3に参照符号B’で示される)よりもわずかに大きい。
【0045】
一実施例によれば、制動面43、44、特にパッドによって覆うのに適したその部分は、パッドを仕上げるのに適した手段、及び/又は制動作用中に生成された摩擦材料の塵を排除するのに適した手段、及び/又は場合によっては制動面に溜まった水を排除するのに適した手段を有する。例えば、制動面43、44に溝70があり、これらの溝70は、好ましくは、パッドによって覆われる制動面43、44の高さB’全体をカバーする(図4)。
【0046】
図3及び図4から分かるように、プレート間の接続及びスペーシング要素6、7は、ブレーキバンド1の回転軸線A−Aの方向を向いた縁部23と、前記回転軸線A−Aとは逆方向を向いた縁部24とを有する。
【0047】
一実施例によれば、スペーサ要素6、7の前記内縁部23及び外縁部24は、静的及び動的にブレーキバンド1のディスク形状本体のバランスを取るように機械加工される。例えば、内縁部23の内面、すなわち回転軸線A−Aの方向を向いた表面は、機械的な切削によって平坦にされる。
【0048】
一実施例によれば、図4に参照番号24によって示される外面、すなわち回転軸線A−Aとは逆方向を向いた外縁部に形成された表面は、旋削及び/又はフライス削りによって、実質的に「V」字形に加工される(図7も参照のこと)。
【0049】
全般的な実施例によれば、ディスク・ブレーキ用のディスク2のブレーキバンド1は、第1のプレート3と第2のプレート4を備える。前記プレートは互いに面して配置され、隙間5を形成する。有利には、2つのプレートは、一群の接続及びスペーサ要素6、7によって一体に接続される。好ましくは、前記一群の接続及びスペーサ要素6、7はモジュールMを構成し、このモジュールMが、ブレーキバンド自体と同軸の円周方向C−Cで反復される(図5)。
【0050】
好ましくは、一群のスペーサ要素6、7は、第1のプレート3を第2のプレート4に接続する第1のタブ又はフィン6と、第1のプレート3を第2のプレート4に接続する第2のタブ又はフィン7とを備える。
【0051】
前記第1のタブ6は、長手方向線8に従って延在して第1の弓形区域9を形成し、この区域9は、その長手方向全長に一様に延びる凹形状を有する。前記長手方向線8は、第2の凹形状を有する第2の弓形区域10を有する(図10では、第1の凹形状は半径R1で示され、第2の凹形状は半径R2で示される。図6も参照することができる)。
【0052】
好ましくは、前記第2の弓形区域10は、第1の弓形区域9の第1の凹形状R1と同方向に延びる第2の凹形状R2を有する。
【0053】
有利には、前記第2の弓形区域10は、第1の弓形区域9に対して円周方向でずれている。
【0054】
さらに有利には、前記第1のタブ6の前記長手方向延在線8は、第1の弓形区域9を第2の弓形区域10に接合する中間区域11を備える。さらに特に有利には、前記中間区域11はS字形である。
【0055】
さらなる実施例によれば、第1のタブ6は、2つのプレート3と4を接続する2つの壁(それらの長手方向長さは図中に参照番号9及び10で示されている)を有する。これらの壁9と10は互いに円周方向でわずかにずれており、同方向を向いた凹形状、好ましくはブレーキバンドの回転Rとは逆方向を向いた凹形状を有する。すなわち、特定の実施例によれば、これは、2つのスプーンが互いに固定して接続され、且つプレート3と4の向かい合う内面に固定して接続されたようなものである。これらのスプーンは、円周方向で互いにわずかにずれており、同方向を向き、S字形の接合壁によって互いに接続されている。
【0056】
上述した実施例から、2つの弓形区域9、10が同方向を向いた凹形状R1、R2を有しており、(例えば図10又は図6に示される断面で見ることができる)長手方向延在線8は中間区域11を有し、中間区域11において2回の凹形状変化が生じ、第1の凹形状変化は、弓形区域9のR1から中間区域11につながり、第2の凹形状変化は、中間区域11から第2の弓形区域10につながることが分かる。すなわち、前記中間区域は二重の「S」字形状であり、ここで第2の「S」は、より鋭い第1の「S」に比べて短い。
【0057】
すなわち、一様な凹形状の第1の弓形区域9に続いて、中間区域11に接合するための区域があり、この区域は凹形状変化して終わり、それに続いて、逆向きの凹形状を有する中間区域11の第2の接合区域があり、この区域は凹形状変化して終わり、第1の弓形区域9の凹形状と合致する凹形状の第2の弓形区域10につながる。
【0058】
一実施例によれば、必ずしもそうである必要はないが、上述したことと組み合わせて、一群の接続及びスペーシング要素が、第1のタブ6に加えて第2のタブ7を備える。前記第2のタブ7は、第1のタブ6の一端22から実質的に半径方向に延びる第1のタブ6の連続部分であるかのように、長手方向線12に従って延在する。
【0059】
一実施例によれば、第1のタブ6は、外側の環状部分、すなわちディスクA−Aの軸線から離れた部分に構成され、第2のタブ7は、第1のタブから切り離されている場合でさえ、ブレーキバンド1の内側の環状部分に向かって実質的に半径方向に延びる連続部分として延在する。
【0060】
前記第2のタブ7は、それが面する第1のタブの端部22に対して円周方向でずれて延在する。
【0061】
有利には、好ましい一実施例によれば、前記第2のタブ7は、円周方向で第1のタブの端部22に対してずれているが、第1のタブ6の第2の弓形区域10と第1の弓形区域9との間に存在するずれとは逆側にずれており、これは、第2のタブ7を第1のタブの第1の弓形区域9と完全にではないがほぼ整列させる(「完全にではない」理由は、一実施例によれば整列は完全ではなく、また第1のタブと第2のタブの第1の区域の凹形状R1とR3が互いに異なるからである。図10参照)。
【0062】
有利には、第2のタブ7の前記第2の長手方向線12は、その長手方向全長に沿って一様に延びる第3の凹形状R3を定義する弧を形成する。
【0063】
一実施例によれば、この第3の凹形状R3も、第1のタブ7の凹形状R2及びR1と同方向を向く。
【0064】
特定の実施例によれば、図6から分かるように、回転軸線A−Aから横方向に延びる基準半径67から始めて、モジュールMを構成する第1のタブ6及び第2のタブ7の幾何形状が得られる。基準半径67に対して所定の角度AN1で、回転軸線A−Aから所定の距離「d1」に点P1が特定され、第1のタブ6の第1の弓形区域9の凹形状R1の曲率中心を定義する。同様に、曲率中心P1を軸線A−Aにつなぐ半径に対して所定の角度AN2で、回転軸線A−Aから所定の距離「d2」に曲率中心P2が定義され、第1のタブ6の第2の弓形区域10の凹形状R2を定義する。有利には、曲率中心P1を通る半径に対して所定の角度AN3で、回転軸線A−Aから所定の距離「d3」に曲率中心P3が定義され、これは、第2のタブ7の長手方向線12の凹形状R3を定める。
【0065】
有利には、全般的な実施例によれば、一群の接続及びスペーシング要素が、ブレーキバンドの第1のプレート3を第2のプレート4に接続する単一の第1のタブ6を備える。この第1のタブは、第1の区域9の全長に沿って一様に延びる所定の凹形状R1を有する第1の弓形区域9と、第2の区域10の全長に沿って一様に延びる第2の凹形状R2を有する第2の区域10とを有する。有利には、この第2の弓形区域10は、第1の弓形区域9に対して円周方向でずれている。好ましくは、第1の区域9と第2の弓形区域10を接合するための第3の中間区域11が提供され、これは実質的に「S」字形である。
【0066】
一実施例によれば、タブ6、7は、長手方向延在線8、12に対して横方向の所定サイズの厚さを有し、図中に参照符号TFで示される(図8)。
【0067】
一実施例によれば、前記タブ6、7は、プレート3、4へのそれらの接続点で接合スポークR4で接合され、接合スポークR4は、側面にレーキASが設けられた壁を有する。
【0068】
一実施例によれば、第1のタブ6の中間区域11は、曲率半径R5を有する第1の成形接合部分と、きつい曲率半径R6を有する第2の成形区域とを有し、それに続いて、曲率半径R2を有する第1のタブの弓形区域10に接合するようにさらなる曲率変化がある。
【0069】
一群の接続及びスペーシング要素6、7は、一実施例によれば、ブレーキバンドと同軸の円周方向に沿って反復されるモジュールMを構成する。前記モジュールは、ブレーキバンド1の隙間5内で均一に分散されて反復される。例えば、1つのモジュールと次のモジュールの間で、モジュール又は一群の接続及びスペーシング要素6、7のピッチSTを定義する所定の角度が成される。
【0070】
一実施例によれば、前記第1のタブ6が、所定のサイズR1の半径を有する円弧状に形作られた長手方向線8の前記第1の区域9を有する。
【0071】
さらなる実施例によれば、第1のタブ6の長手方向線8の前記第2の区域10は、所定の凹形状R2の円弧であって、第1のタブ6の長手方向線8の第1の区域9の凹形状とは異なるサイズの円弧である。
【0072】
一実施例によれば、前記第1のタブ6は、ブレーキバンドの半径方向全幅Bよりも短い区域にわたって半径方向に延在する。
【0073】
一実施例によれば、前記第1のタブ6は、長手方向線8の前記第2の区域10を有し、この第2の区域10は、第1のタブ6の長手方向延在線又は中央線に対して横方向で厚さを測定したときに第1のタブ6の厚さ以上の量、長手方向線8の第1の区域9に対して円周方向にずれている。
【0074】
一実施例によれば、前記第1のタブ6は、その長手方向延在線8の第1の区域9と第2の区域10を有し、これらの区域は、ディスク2の回転Rとは逆向きの凹形状R1、R2を有する。
【0075】
一実施例によれば、第1のタブ6は、第1の円周13から第2の円周14まで延在し、そのような円周は、ブレーキバンド1の回転軸線A−Aと同軸である。
【0076】
一実施例によれば、第2のタブ7は、第3の円周15から第4の円周16まで延在し、そのような円周15、16は、ブレーキバンドの回転軸線A−Aと同軸である。有利には、前記円周15、16は、第1のタブ6よりも半径方向内側に、すなわちブレーキバンド1の回転軸線に向けて設けられ、それにより前記第2のタブ7は前記第1のタブ6に円周方向で重ならず、前記第1のタブ6と前記第2のタブ7の間に隙間又は円周方向チャネル17を残し、この隙間17は、タブ6、7の一方の側を他方の側と流体連絡させることができる。
【0077】
一実施例によれば、前記第2のタブ7は、第1のタブ6に円周方向で重ならないように延在する。有利には、前記第2のタブ7は、半径方向で所定のサイズを有する距離又はチャネル又は円周方向隙間17を残す。有利には、第1のタブ6の端部22とそれに対面する第2のタブ7の端部23との間に、ブレーキバンド1の半径方向幅Bの10%〜20%の間で変えられるサイズの半径方向距離が存在する(図10)。
【0078】
一実施例によれば、前記第2のタブ7は、2つの互いに面する連続するモジュールに提供される2つの第1のタブ6の間の距離よりも短い所定の距離だけ、対面する第1のタブ6の端部22に対して円周方向でずれている。
【0079】
すなわち、第1のタブ6と第2のタブ7の対面する端部22と23の間の角度A6は、第1のタブ6の端部22と隣接するタブ6’の隣接する端部22’の間の角度A6’未満である(図5)。
【0080】
一実施例によれば、前記第2のタブ7は、ブレーキバンド1の回転の方向Rとは逆向きの凹形状R3を有する弓形長手方向線12に従って延在する。
【0081】
一実施例によれば、第1のタブ6の第1の長手方向線8の前記第1の区域9は、第1の円周の弧に沿って延在し、前記第1のタブ6を越えた第1の弧の延長線は、図10の参照番号18で示される点で、ブレーキバンド1の軸線A−Aに向かって延びる第2のタブ7の第2の長手方向線12の延長線に入る。
【0082】
さらなる実施例によれば、前記第2のタブ7は円周に沿って延在し、前記第2のタブ7の長さを越えたその延長線は、図10に参照番号19で示される点に入り、前記第1のタブ6の延長の前記第2の区域10は、ブレーキバンド1の前記回転軸線A−Aとは逆向きに延びる。
【0083】
好ましい実施例によれば、2つのプレート3、4を接続するためのタブはどれも、隙間5又は通気チャネルから突出しない。すなわち、ブレーキバンドとベルの接続は、上述したタブ6、7ではない他の手段によって行われる。
【0084】
ブレーキバンド、及び上述したようなブレーキバンドを備えるディスクにより、制動効率、制動中に発生する熱の除去、及び構造強度の均一性に関して高い性能を有する構成要素を得ることができ、変形及び亀裂の発生を防止する。
【0085】
上述したようなブレーキバンドを強度試験及び熱効率評価した。そこから、機械的強度を同じとすると、従来技術の解決策に比べて既知の解決策よりも5%小さいバンドの総重量が示された。
【0086】
特に、この結果は、以下のことによりさらに修正及び改良することができる。すなわち、第1のタブは、周縁部へのその配置、すなわちバンドの回転軸線に対して半径方向で離れた配置と、2つの区域が円周方向で互いにずれておりS字形部分で接合されているその構成とによって、熱交換出力を最適化するように形作られているが、任意選択で、タブ自体の長手方向長さに対して横方向のタブの厚さを減少させることができ、それと同時に、ブレーキバンドのプレートの内面の広い領域にわたって接続を分散させて保ち、熱応力に対する高くてより一様な耐性を保証する。
【0087】
耐性を同じとすると、この幾何学的な提案及び軽量化により、ディスク・ブレーキ用のディスクの動作温度をより低くすることができ、またより高い熱交換出力を保証することができることが分かっている。
【0088】
例えば、図11及び図12で見られるように、欧州特許第1352179号に記載される従来技術の解決策と本発明との温度曲線の比較を行った。図12から分かるように、スポーツカーで使用されるとき、制動サイクル後の最大温度が50℃減少し、温度過渡は同様に非常に小さく保たれていることが明確に示された。
【0089】
さらに、タブに関して提案された幾何形状は、ブレーキバンド内部の温度のより一様な分布を得ることができるようにし、さらに低い熱応力を保証して、制動面の外側でのプレートの変形を防止し、又はさらにブレーキバンドの本体内部に伝播する制動面の亀裂の発生を防止する。
【0090】
上述した解決策を実験室試験の対象とした。この試験から、上で明示した特徴を有するブレーキバンドが、同じ熱サイクルについて、従来技術において達した最大温度に比べて50℃〜80℃の低下を示すことが分かった。
【0091】
ブレーキバンドが達する最大温度の低下のこの利得はまた、上述したフィンによって隙間内に形成された幾何形状によって与えられる熱交換効率の改良にも起因する。
【0092】
一実施例によれば、半径方向r−rに対するタブ6、7の傾き、特により回転軸線A−Aの近くに配置されたタブ7の傾きが、ディスク2の回転中に、従来技術の解決策に比べて優勢であり大きい半径方向速度成分を有する空気流を生成し、ほぼ半径方向に流れる空気流を得ることができるようにしている。
【0093】
一実施例によれば、タブ6と7の間に円周チャネル17を設けることで、内側タブ7の端部23と外側タブ6の端部22の間の隙間5の領域が縮小され、外側タブ6の中央部分に対して前記空気流を向ける空気流の加速を生み出し、熱交換を改良し、空気流とディスクのフィン構成の間で交換される出力を最大にする。
【0094】
一実施例によれば、ディスク・ブレーキ用のディスク2のブレーキバンド1は、前述したものとは異なる形状の長手方向長さを有するタブを備える。前記一群のスペーサ要素6、7は、第1のタブ6を備え、この第1のタブ6は、第1のプレート3を第2のプレート4に接続し、第1の直線区域9と第2の直線区域10を形成する長手方向線8に従って延在する。前記第2の区域10は、前記第1の区域9に対して円周方向でずれている。第1のタブ6の前記長手方向延在線8は、第1の直線区域と第2の直線区域を接合するための「S」字形の中間区域11を備える。前記一群のスペーサ要素は第2のタブ7も備え、この第2のタブ7は、第2の長手方向線12に従って延在し、前記第1のタブ6の端部の一方から実質的に半径方向に延び、第1のタブ6の前記端部に対して円周方向でずれている。前記第2の長手方向線12は直線区域を成す。
【0095】
一実施例によれば、少なくとも1つの第1のタブ6は、円周方向で前記第2のタブ7に重なるように延在する前記第2の区域10を備える。
【0096】
一実施例によれば、異なる長手方向長さを有する又は異なる組での複数の第1のタブ6が提供され、いくつかのタブが他のタブよりも短い長手方向長さを有し、及び/又は前記第2のタブ7が、より短い長手方向長さを有する前記第1のタブ6の実質的に半径方向に延びる連続部分として構成される。
【0097】
一実施例によれば、前記第2のタブ7は、第1のタブ6よりも数が少ない複数のタブであり、例えば第1のタブ6の半数である。
【0098】
一実施例によれば、前記第2のタブは、それらの間に空いた空間を残す。
【0099】
一実施例によれば、前記第1のタブ6は、所定の長手方向長さの第3の区域30を備え、前記第3の区域30は、前記第2の区域10に対して円周方向でずれている。一実施例によれば、前記第2の区域10と前記第3の区域30を接合するための第2の中間区域31も存在し、前記中間区域31は「S」字形である。
【0100】
一実施例によれば、前記第1のタブ6は、第1のタブの前記第2の区域10が前記第1の区域9に対してずれているのとは逆方向に円周方向でずれた第3の区域30を備える。
【0101】
一実施例によれば、前記第2のタブ7は、異なる長手方向長さを有する複数の第2のタブ7であり、第2のタブ7よりも長手方向で短い少なくとも第2のタブ7があり、第2のタブ7よりも長手方向で長い少なくとも第2のタブがある。
【0102】
一実施例によれば、第2のタブ7は、第1のタブ6の前記端部に対して円周方向でずれた位置から始まる。
【0103】
一実施例によれば、第2のタブ7はすべて、第1のタブの第2の区域の長手方向長さと位置合わせされる。
【0104】
一実施例によれば、前記第2のタブ7は、第1のタブ及び/又は単一の第1のタブの長手方向長さを構成するために、第1のタブ6の半径方向内端部に接合される。
【0105】
一実施例によれば、前記長い第1のタブ6又は単一の第1のタブは、より短い長手方向長さの第1のタブと千鳥状に配置され、前記第2のタブはすべて第1のタブ6と接合及び一体化される。一実施例によれば、スペーサ要素はすべて第1のタブからなり、すなわちバンドの内径まで延びた第1のタブと、バンドの内径までは延びず、一実施例によればより長い第1のタブに千鳥配置されたより短い第1のタブとからなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)であって、隙間(5)を形成するように互いに面して配置された第1のプレート(3)及び第2のプレート(4)と、
前記第1のプレート(3)及び前記第2のプレート(4)を接続する一群の接続スペーサ要素(6、7)であって、ブレーキバンド自体と同軸の円周方向に沿って反復されるモジュール(M)を構成している前記一群の接続スペーサ要素(6、7)と、
第1のタブ(6)を有する前記一群のスペーサ要素(6、7)であって、前記第1のタブ(6)は、前記第1のプレート(3)を前記第2のプレート(4)に接続し、また長手方向線(8)に従って延び、前記長手方向線(8)が、その長手方向全長に沿って一様に延びる第1の凹形状(R1)を有する第1の弓形区域(9)と、その長手方向全長に沿って一様に延びる第2の凹形状(R2)を有する第2の弓形区域(10)とを形成し、前記第2の区域(10)の前記第2の凹形状(R2)が、前記第1の区域(9)の前記第1の凹形状(R1)と同方向に向けられ、前記第2の区域(10)が、前記第1の区域(9)に対して円周方向でずれており、前記第1のタブ(6)の前記長手方向延長線(8)が、前記第1の区域と前記第2の区域を接合するための「S」字形の中間区域(11)を有する前記一群のスペーサ要素(6、7)と、
第2のタブ(7)も有する前記一群のスペーサ要素であって、前記第2のタブ(7)は、前記第1のタブ(6)の端部の一方から実質的に半径方向に続く第2の長手方向線(12)に従って延び、前記第2の長手方向線(12)が、その長手方向全長に沿って一様に延びる第3の凹形状(R3)を定義する弧を成している前記一群のスペーサ要素と
を有するブレーキバンド(1)。
【請求項2】
前記第1のタブ(6)の前記長手方向線(8)の前記第1の区域(9)が円弧である請求項1に記載のバンド。
【請求項3】
前記第1のタブ(6)の前記長手方向線(8)の前記第2の区域(10)が、前記第1のタブ(6)の前記長手方向線(8)の前記第1の区域(9)の凹形状とは異なる凹形状を有する円弧である請求項1又は2に記載のバンド。
【請求項4】
前記第1のタブ(6)が、前記ブレーキバンドの半径方向全長よりも短い区域にわたって半径方向に延びている請求項1から3までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項5】
前記第1のタブ(6)の前記長手方向線(8)の前記第2の区域(10)が、前記第1のタブ(6)の長手方向線又は中央線に対して横方向に測定した前記第1のタブ(6)の厚さ以上の量だけ、前記長手方向線(8)の第1の区域(9)に対して円周方向にずれている請求項1から4までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項6】
前記第1のタブ(6)が、前記長手方向延長線(8)の前記第1の区域(9)と前記第2の区域(10)とを有し、前記区域(9、10)が、前記ディスクの回転方向(R)とは逆向きの凹形状(R1、R2)を有する請求項1から5までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項7】
前記第1のタブ(6)が、前記ブレーキバンド(1)の回転軸線(A−A)と同軸の第1の円周(13)から第2の円周(14)まで延びている請求項1から6までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項8】
前記第2のタブ(7)が、ブレーキバンドの回転軸線A−Aと同軸の第3の円周(15)から第4の円周(16)まで延び、前記第1のタブ(6)よりも半径方向内側に、すなわち前記バンドの回転軸線に向かって配置され、それによって前記第2のタブ(7)は、前記第1のタブ(6)に円周方向で重ならず、前記第1のタブ(6)と前記第2のタブ(7)の間に隙間又は円周方向チャネル(17)を残している請求項1から7までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項9】
前記第1のタブ(6)に円周方向で重ならないように延びる前記第2のタブ(7)が、前記第1のタブ(6)の端部(22)とそれに対面する前記第2のタブ(7)の端部(23)との間に、前記ブレーキバンドに関して半径方向で測定して前記ブレーキバンド(1)の半径方向幅(B)の10%〜20%の間で変えられるサイズの距離(24)を残している請求項1から8までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項10】
前記第2のタブ(7)が、円周方向で隣接する連続するモジュールの2つの第1のタブ(6)の間の距離よりも小さい量だけ、対面する前記第1のタブ(6)の端部(22)に対して円周方向でずれている請求項1から9までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項11】
前記第2のタブ(7)が、前記ブレーキバンド(1)の回転方向(R)とは逆向きの凹形状(R3)を有する弓形長手方向線(12)に従って延びている請求項1から10までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項12】
前記第1のタブ(6)の前記第1の長手方向線(8)の前記第1の区域(9)が、円周の第1の弧に沿って延び、前記第1のタブ(6)を越えた第1の弧の延長線が、前記ブレーキバンド(1)の軸線(A−A)に向かって延びる前記第2のタブ(7)の前記第2の長手方向線(12)の延長線に入る(18)請求項1から11までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項13】
前記第2のタブ(7)が円周に沿って延び、前記第2のタブ(7)の長さを越えた前記円周の延長線が、前記ブレーキバンド(1)の前記回転軸線(A−A)とは逆向きに延びる前記第1のタブ(6)の長さの前記第2の区域(19)に入る(19)請求項1から12までのいずれか一項に記載のブレーキバンド。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載のブレーキバンドを有するディスク・ブレーキ用のディスク。
【請求項15】
前記一群のスペーサ要素(6、7)が第1のタブ(6)を有し、前記第1のタブ(6)は、前記第1のプレート(3)を前記第2のプレート(4)に接続し、また長手方向線(8)に従って延びており、前記長手方向線(8)が、第1の直線区域(9)と第2の直線区域(10)とを形成し、前記第2の区域(10)が、前記第1の区域(9)に対して円周方向でずれており、前記第1のタブ(6)の前記長手方向延長線(8)が、前記第1の直線区域と前記第2の直線区域を接合するための「S」字形の中間区域(11)を有している請求項1から13までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項16】
前記一群のスペーサ要素が第2のタブ(7)も有し、前記第2のタブ(7)が、前記第1のタブ(6)の端部の一方から実質的に半径方向に続く第2の長手方向線(12)に従って延び、また前記第1のタブ(6)の前記端部に対して円周方向でずれており、前記第2の長手方向線(12)は、直線区域を形成している請求項1から14までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項17】
前記第1のタブ(6)が、円周方向で前記第2のタブ(7)に重なるように延びる前記第2の区域(10)を有している請求項1から13まで又は請求項15又は16のいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項18】
異なる長手方向長さを有する複数の第1のタブ(6)が存在し、いくつかの第1のタブ(6)が、他の第1のタブ(6)よりも短い長手方向長さを有し、及び/又は前記第2のタブ(7)が、より短い長手方向長さを有する前記第1のタブ(6)の実質的に半径方向に延びる連続部分として構成される請求項1から13まで又は請求項15から17までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項19】
前記第2のタブ(7)が、前記第1のタブ(6)よりも数が少ない複数のタブであり、例えば前記第1のタブ(6)の半数である請求項1から13まで又は請求項15から18までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項20】
前記第1のタブ(6)が、長手方向に延びる第3の区域(30)を有し、前記第3の区域(30)が前記第2の区域(10)に対して円周方向でずれており、また前記第2の区域(10)と前記第3の区域(30)とを接合するための第2の中間区域(31)を提供し、前記中間区域(31)が「S」字形である請求項1から13まで又は請求項15から19までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項21】
前記第1のタブ(6)が、前記第2の区域(10)が前記第1の区域(9)に対してずれているのとは逆の部分から円周方向にずれた第3の区域(30)を有している請求項1から13まで又は請求項15から20までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項22】
前記第2のタブ(7)は、異なる長手方向長さを有する複数の第2のタブ(7)であり、第2のタブ(7)よりも長手方向で短い少なくとも第2のタブ(7)があり、第2のタブ(7)よりも長手方向で長い少なくとも第2のタブがある請求項1から13まで又は請求項15から21までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項23】
前記第2のタブ(7)が、前記第1のタブ(6)の前記端部に対して円周方向でずれている請求項1から13まで又は請求項15から22までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項24】
前記第2のタブ(7)が、単一の第1のタブを構成するために前記第1のタブ(6)の半径方向内端部に接合されている請求項1から13まで又は請求項15から23までのいずれか一項に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。
【請求項25】
前記長い第1のタブ(6)が、より短い長手方向長さの第1のタブと千鳥状に配置され、前記第2のタブがすべて前記第1のタブ(6)と接合及び一体化されている請求項24に記載のディスク・ブレーキ用のディスク(2)のブレーキバンド(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2013−500450(P2013−500450A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522343(P2012−522343)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/IT2010/000340
【国際公開番号】WO2011/013160
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(511283848)フレニー ブレンボ ソシエテ ペル アチオニ (2)
【Fターム(参考)】