説明

ブレーキローターの検査方法、検査装置及びその加工方法

【課題】 ブレーキローターの検査方法/検査装置を提供する。
【解決手段】 ブレーキローター1にハブ2が取り付けられた状態で行われるブレーキローターの検査方法または検査装置であって、前記ブレーキローター1に前記ハブ2を所定のトルクで締結し、前記ブレーキローター1の前記ハブ2が取り付くハブ取付面1dと、このハブ取付面1dに接する前記ハブ2のフランジ部2bとの間に空気を供給し、前記ハブ取付面1dと前記フランジ部2bとの間から漏洩する空気量に基づいて隙間を検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキローターの検査方法、検査装置及びその加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のブレーキローターの検査方法として、ブレーキローターをハブに組み付けた状態でブレーキローターの摺動面の精度、いわゆる面触れを測定する方法がある(特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術では、ブレーキローターとハブとを組み付けた状態で、ブレーキロータの摺動面の加工を行い、面振れの精度を向上させている。
【特許文献1】特開2000−356233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ブレーキローターとハブとの間に異物が混入し、隙間が生じた状態で、摺動面の加工を実施する可能性がある。この場合には、加工後にブレーキローターとハブとを分解した時に異物が脱落し、異物の除去に伴って隙間がなくなり、再びハブを組み付ける際にブレーキローターの面振れ精度が悪化した状態になるという課題がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ブレーキローターとハブとの間に異物が混入し、隙間が存在することを検出するブレーキローターの検査方法、検査装置及びその加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のブレーキローターの検査方法及び検査装置は、ブレーキローターにハブが取り付けられた状態で行われるブレーキローターの検査方法または検査装置であって、前記ブレーキローターに前記ハブを所定のトルクで締結し、前記ブレーキローターの前記ハブが取り付くハブ取付面と、このハブ取付面に接する前記ハブのフランジ部との間に空気を供給し、前記ハブ取付面と前記フランジ部との間から漏洩する空気量に基づいて隙間を検出することを特徴とする。
【0007】
本発明のブレーキロータの加工方法は、ブレーキローターにハブが取り付けられた状態で行われるブレーキローターの加工方法であって、前記ブレーキローターに前記ハブを所定のトルクで締結し、前記ブレーキローターの前記ハブが取り付くハブ取付面と、このハブ取付面に接する前記ハブのフランジ部との間に空気を供給し、前記ハブ取付面と前記フランジ部との間から漏洩する空気量に基づいて隙間を検出した後、前記ブレーキローターの摺動面を切削加工することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ブレーキローターにハブが取り付けられた状態で、ハブ取付面と前記フランジ部との間から漏洩する空気量に基づいて隙間を検出する。このため、例えば、ブレーキローターの摺動面の切削加工の前に、ハブ取付面とフランジ部との間の隙間を空気量に基づいて検出する、つまり異物の存在を検出でき、隙間のないブレーキローターとハブの組み合わせのみが切削加工され、面振れ精度の不具合品が車両に組み付けられることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、ブレーキローター1及びハブ2の車両搭載状態の一例を示す構成図である。
【0010】
ブレーキローター1は、図示しない摩擦材との間で摩擦力を発生し、車両の制動力を生じる部材であり、ハブ2は、設置したハブボルト2cとホイールナット8とでブレーキローター1とホイール7とを締結する。ハブ2は、ハブベアリング3を介してナックル4に回転自在に支持される一方、ハブ2にドライブシャフトのスピンドル5が固定され、ドライブシャフトの駆動力がハブ2を介してホイール7に伝達される。
【0011】
帽子状のブレーキローター1は、ハブ2が取り付けられるハブ取付部1aと、図示しないブレーキキャリパ−の摩擦材が押圧されて制動力を生じる摺動面1bとからなる。ハブ2は、ドライブシャフトのスピンドル5が嵌合する円筒状の本体部2aと、この本体部2aから径方向に延出するフランジ部2bとから構成される。本体部2a内側の外径部にはハブベアリング3が圧入され、ハブ2はハブベアリング3を介してナックル4に回転自在に支持される。一方、ハブ2の内径部にはドライブシャフトのスピンドル5が嵌合され、ロックナット6により、スピンドル5とハブ2とハブベアリング3のインナレースとが一体的に締結される。
【0012】
ハブ2のフランジ部2bには、ハブボルト2cが所定の間隔で設置され、このハブボルト2cにブレーキローター1とホイ−ル7が挿入され、ホイールナット8により所定トルクで締結される。
【0013】
図2と図3は、本発明の第1の実施形態の構成を説明する図である。図2は、正常な(ブレーキローター1のハブ取付部1aとハブ2のフランジ部2bとの間に異物のない場合)ブレーキローター1の検査状態であり、図3は、異物が存在する場合のブレーキローター1の検査状態を示す。
【0014】
本実施形態のブレーキローター1の検査方法は、ブレーキローター1のハブ取付部1aのハブ2が取り付くハブ取付面1dと、このハブ取付面1dに接するハブ2のフランジ部2bの面2dとの間から空気が漏洩するか検出することで、ブレーキローター1とハブ2との間に異物等が存在するか、つまり隙間があるかどうかを検査する方法である。具体的には、図3に示すように、異物Xがブレーキローター1のハブ取付面1dとハブ2の面2dとの間に存在する場合には、このハブ取付面1dと面2dとの間に隙間が生じ、この隙間から空気が漏洩し、漏洩に伴う圧力の変化を検出することで異物Xの存在を検出することができる。
【0015】
図2において、ブレーキローター1のハブ取付部1aのハブ取付面1dに、ハブボルト2cが立設した面2dが接するように組み立てる。ハブ取付部1aにはハブ本体2aが貫通する孔1eが形成され、この孔1eの内径とハブ本体部2aとの外径との差である隙間が画成される。
【0016】
この状態から、ハブ取付部1aの外面1cから突出した全てのハブボルト2cにナット10が螺合する。ナット10は、車両にホイールを取り付けるホイールナット8の締結トルクと同じ所定トルクでブレーキローター1とハブ2とを締結する。この締結されたブレーキローター1とハブ2を平板上に設置し、ブレーキローター1の取付部1aの外面1cを覆うように、有蓋円筒状のキャップ11が外面1cの外縁部に設置される。
【0017】
キャップ11はアクチュエータ12により所定の圧力でブレーキローター1に押し付けられる。ブレーキローター1の外面1cに接するキャップ11の端部11aには、シール部材11bが設けられており、キャップ11の端部11aとブレーキローター1の外面1cとの間からの空気の漏洩を禁止する。なお、ハブ2の本体部2aに形成され、スピンドル5が挿入される貫通孔2eは、蓋13により閉止され、空気がこの貫通孔2eから漏洩することを禁止する。
【0018】
コンプレッサ14はキャップ11内に空気を供給するために備えられ、コンプレッサ14とキャップ11内とを接続する通路15には、キャップ11内へ導入される空気の圧力を調整する圧力制御弁16とキャップ11内の圧力を検出する圧力計17が設置される。
【0019】
コントローラ18には圧力計17の検出信号が入力され、アクチュエータ12、コンプレッサ14及び圧力制御弁16を制御する。
【0020】
次にブレーキローター1の検査方法に説明する。
【0021】
まず、図2に示すように、ブレーキローター1とハブ2とをナット10により所定の締結トルクで締結し、平板上にブレーキローター1の外面1cが上になるように設置する。この外面1cを覆うようにキャップ11を上から設置し、アクチュエータ12がキャップ11を下方向に所定荷重で押し付ける。これによりキャップ11内は密閉される。
【0022】
次に、コンプレッサ14を起動して、圧力制御弁16を開き、通路15を通じてキャップ11内に空気を導入する。キャップ内11に供給された空気は、ハブ取付部1aの孔1eの内径とハブ本体部2aとの外径との差である隙間を流通し、ブレーキローター1のハブ取付面1dとハブ2のフランジ部2bとの間にコンプレッサ14から供給された空気の圧力が作用する(図2のA部拡大図参照)。
【0023】
キャップ11内の圧力は、圧力計17により検出され、コントローラ18に送られる。キャップ11内の圧力が所定圧力に達した場合に、圧力制御弁16を閉じ、コンプレッサ14の運転を停止する。
【0024】
所定圧力に達した後、所定時間経過するまでのキャップ11内の圧力を検出し、所定時間経過時までに、キャップ11内の圧力がしきい値以下に低下した場合には、ブレーキローター1とハブ2との間に異物Xが存在し、この異物Xによる隙間から空気が漏洩していると判定する。キャップ内の圧力は異物が大きいほど圧力の低下が速く、予め実験等により図4に示すような圧力と異物の大きさとの関係を算出しておき、この関係からしきい値を設定する。
【0025】
本実施形態のブレーキロータ−1の検査は、ブレーキローター1とハブ2とが締結された状態で行われる、ブレーキローター1の摺動面1bを切削加工する工程の前工程で実施されることが望ましい。
【0026】
本実施形態では、ブレーキローター1とハブ2とをハブボルト2cに螺合するナットで締結した状態で、ブレーキローター1のハブ取付部1aのハブボルト2cが突出した外面1cを覆うキャップ11を設け、このキャップ11内を所定の圧力に加圧した後、キャップ内の圧力がしきい値以下となる場合には、ブレーキローター1のハブ取付面1dとハブ2のフランジ部2bとの間に異物が存在すると判定する。このため、ブレーキローター1とハブ2のフランジ部2bとの間の異物の存在による空気の漏洩をキャップ11内の圧力の変化で容易に判断することができる。
【0027】
また、ブレーキローター1のハブ取付部1aを覆うキャップ11を設けることで異物の検出が可能であり、ブレーキローター1やハブ2を異物検出のために変更する必要がない。
【0028】
本実施形態の検査工程をブレーキローター1の摺動面の面出しのための切削加工の工程前に実施することで、異物がある、言い換えると隙間がある不具合品の加工を後工程で行うことがなく、また不具合品が下流工程を経て車両に組み込まれることを防止することができる。
【0029】
図5は、第2の実施形態の構成を示し、この実施形態は、第1の実施形態で用いたキャップ11に代えて、空気が流通可能なナット20を用いることに特徴がある。図6に第2の実施形態で用いるナット20の詳細形状を示す。
【0030】
まず図6を用いてナット20の形状を説明する。このナット20の特徴は、ハブボルト2cと螺合するメネジ21aと平行に貫通孔21bを設け、空気が軸方向に流通可能な構成を備えたことである。ナット20は、メネジ部21と、メネジ部21に対してブレーキローター1側に位置した空気溜り22とからなり、メネジ部21にはハブボルト2cに螺合するメネジ21aと、このメネジ21aと平行に形成され、空気溜り22に開口する貫通孔21bが形成される。
【0031】
なお、ブレーキローター1のハブ取付部1aに形成されたハブボルト2cが貫通する孔1eの径は、ハブボルト2cの径より大きく形成されている。このため、ハブボルト2cの径とブレーキローター1の孔1eの径との差が間隙Sとなる。
【0032】
図5において、ハブボルト2cと螺合するナット20は、すべて図6に示した本実施形態のナット20を使用して締結する。各ナット20は、ソケット24に取り付けられ、ナットランナ23を用いてホイール7取付時のホイールナット8と同じ所定のトルクで締結される。ソケット24は、通路15に接続し、ソケット24内にコンプレッサ14からの空気が導入される。なお、コントローラ18等、記載しない他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0033】
次に本実施形態でのブレーキローター1の検査方法を説明する。
【0034】
ハブボルト2cに螺合する複数のナット20は、ナットランナ20を用いて所定のトルクで一時に締結され、ブレーキローター1とハブ2とを締め付ける。締結後、ソケット24がナット20に取り付いた状態で、コンプレッサ14を起動し、空気をソケット24を介してそれぞれのナット20内に供給する。コンプレッサ14から供給される空気は、ナット20の貫通孔20bを通過して空気溜り22に入る。空気は、さらに空気溜り22からハブボルト2cの径とブレーキローター1の孔1eの径の差に基づく間隙Sに入り込み、結果として、ブレーキローター1のハブ取付面1dとハブ2のフランジ部2bとの間にコンプレッサ17からの空気が作用する。
【0035】
このような状態で、各ナット20で供給された空気の圧力を圧力計17により検出し、コントローラ18に出力し、空気の供給圧力が所定圧力に達した場合に、コントローラ18は圧力制御弁16を閉止してコンプレッサ14を停止する。
【0036】
所定圧力に達した後、所定時間経過するまでのナット20内の圧力を検出し、所定時間経過時までに、ナット20内の圧力がしきい値以下に低下した場合には、ブレーキローター1のハブ取付面1dとハブ2の面2dとの間に隙間があり、つまりブレーキローター1とハブ2のフランジ部2bとの間に異物Xが存在すると判定できる。
【0037】
この実施形態では、空気が導入されるソケット24と空気が流通可能8なナット20を設けた。このため、コンプレッサ14からの空気が、ソケット24及びナット20を通じてブレーキローター1のハブ取付面1dとハブ2の面2dとの間に作用する。異物Xが存在する場合にはハブ取付面1dとハブ2の面2dとの間に隙間が生じるため、ソケット24内の圧力が低下し、この圧力の変化に基づいて異物Xの存在を判定することができる。
【0038】
第1の実施形態では、本実施形態と同様にナットランナ23を用いてナット10を締結するが、異物の検査のため、ナットランナ23及びソケット24を外してキャップ11を設置する必要が生じる。対して本実施形態では、ソケット24に空気が導入されるため、ソケット24及びナットランナ23を設置した状態で異物の検査を実施することができ、検査に必要な時間を短縮することができる。
【0039】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ブレーキローター1及びハブ2の車両搭載状態の一例を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態の構成を説明する図である。
【図3】同じく第1の実施形態の構成を説明する図である。
【図4】圧力と異物の大きさのと関係を示す図である。
【図5】第2の実施形態の構成を説明する図である。
【図6】第2の実施形態で使用するナットの詳細形状を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ブレーキローター
1a ハブ取付部
1b 摺動面
1c 外面
1d ハブ取付面
1e 孔
2 ハブ
2a 本体部
2b フランジ部
2c ハブボルト
2d 面
10 ナット
11 キャップ
11a 端部
11b シール部材
14 コンプレッサ
15 通路
16 圧力制御弁
17 圧力計
18 コントローラ
20 ナット
21 メネジ部
21a メネジ
21b 貫通孔
22 空気溜り
24 ソケット
S 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキローターにハブが取り付けられた状態で行われるブレーキローターの検査方法であって、
前記ブレーキローターに前記ハブを所定のトルクで締結し、
前記ブレーキローターの前記ハブが取り付くハブ取付面と、このハブ取付面に接する前記ハブのフランジ部との間に空気を供給し、
前記ハブ取付面と前記フランジ部との間から漏洩する空気量に基づいて隙間を検出することを特徴とするブレーキローターの検査方法。
【請求項2】
前記ハブにハブボルトを複数設け、前記ハブボルトが前記ブレーキローターを貫通した状態で、前記ハブボルトに螺合するナットを所定のトルクで締結し、
前記ナットが配置される前記ハブ取付面の背面を有蓋円筒状のキャップで覆い、
このキャップ内を前記ハブ取付面と前記フランジ部との間に空気を作用させるように密封し、
前記キャップ内の圧力が所定圧力に達するまでコンプレッサから空気を供給し、
前記空気の供給停止後の前記キャップ内の圧力を検出し、
前記検出した圧力としきい値とを比較して前記隙間を検出することを特徴とする請求項1に記載のブレーキローターの検査方法。
【請求項3】
前記ハブに前記ブレーキローターを貫通するハブボルトを複数設け、前記ハブボルトが前記ブレーキローターを貫通した状態で、前記ハブボルトに螺合するナットをナットランナのソケットを介して所定のトルクで締結し、
前記ソケット内の圧力が所定圧力に達するまで、前記ソケット内にコンプレッサから空気を供給し、
前記ナットに形成した貫通孔を通じて前記ハブ取付面と前記フランジ部との間に前記ソケット内の空気を作用させ、
前記空気の供給停止後の前記ソケット内の圧力を検出し、
前記検出した圧力としきい値とを比較して前記隙間を検出することを特徴とする請求項1に記載のブレーキローターの検査方法。
【請求項4】
前記所定のトルクは、車両にホイールを締結する際のホイールナットの締結トルクであることを特徴とする請求項2または3に記載のブレーキローターの検査方法。
【請求項5】
ブレーキローターへのハブの取り付け状態を検査するブレーキローターの検査装置であって、
前記ハブを前記ブレーキローターに所定のトルクで締結するナットと、
前記ブレーキローターの前記ハブが取り付くハブ取付面と、このハブ取付面に接する前記ハブのフランジ部との間に空気を供給するコンプレッサと、
前記ハブ取付面と前記フランジ部との間の隙間を検出する隙間検出手段とを備え、
前記隙間検出手段は、前記ハブ取付面と前記フランジ部との間から漏洩する空気量に基づいて前記隙間を検出することを特徴とするブレーキローターの検査装置。
【請求項6】
前記ハブに設けられ、前記ブレーキローターを貫通した状態で、前記ナットと所定のトルクで螺合する複数のハブボルトと、
前記ナットが配置された前記ハブ取付面の背面を覆う有蓋円筒状のキャップと、
このキャップ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備え、
前記隙間検出手段は、
前記キャップ内の圧力が所定圧力に達するまで前記コンプレッサを制御し、
前記キャップ内の空気を前記ハブ取付面と前記フランジ部との間に作用させ、
供給停止後の前記キャップ内の圧力を検出し、
前記検出した圧力としきい値とを比較して前記隙間を検出することを特徴とする請求項5に記載のブレーキローターの検査装置。
【請求項7】
前記ハブに設けられ、前記ブレーキローターを貫通する複数のハブボルトと、
前記ナットを所定のトルクで締結するとともに、前記コンプレッサからの空気が内部に供給されるナットランナのソケットとを備え、
前記ナットは、前記ソケット内の空気が流通する貫通孔を軸方向に備え、
前記隙間検出手段は、
前記ソケット内の圧力が所定圧力に達するまで、前記ソケット内に前記コンプレッサから空気を供給し、
前記ナットに形成した前記貫通孔を通じて前記ソケット内の空気を前記ハブ取付面と前記フランジ部との間に作用させ、
供給停止後の前記ソケット内の圧力を検出し、
前記検出した圧力としきい値とを比較して前記隙間を検出することを特徴とする請求項5に記載のブレーキローターの検査装置。
【請求項8】
前記所定のトルクは、車両にホイールを締結する際のホイールナットの締結トルクであることを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載のブレーキローターの検査装置。
【請求項9】
ブレーキローターにハブが取り付けられた状態で行われるブレーキローターの加工方法であって、
前記ブレーキローターに前記ハブを所定のトルクで締結し、
前記ブレーキローターの前記ハブが取り付くハブ取付面と、このハブ取付面に接する前記ハブのフランジ部との間に空気を供給し、
前記ハブ取付面と前記フランジ部との間から漏洩する空気量に基づいて隙間を検出した後、
前記ブレーキローターの摺動面を切削加工することを特徴とするブレーキローターの加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−337317(P2006−337317A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−165393(P2005−165393)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】