説明

ブレーキ制御装置

【課題】車両が駐車から発進する時に運転者の誤操作、たとえばギヤを入れ間違えて発信すれば不測の事態が起こりうる。
【解決手段】ブレーキ制御装置において、電動パーキングブレーキは、電動アクチュエータの駆動により車輪14に制動力を付与する。電動パーキングブレーキ制御部は、電動パーキングブレーキを制御する。周囲状態検出部は、車両10の周囲の状態を検出する。シフト位置検出部は、操作レバーの位置を検出する。障害物検出部は、シフト位置検出部が検出した操作レバーの位置から車両10の発進方向を特定し、特定した発進方向の障害物を検出する。回避判定部は、発進方向の障害物を車両10が回避可能かどうかを判定する。車両10が発進方向の障害物を回避不能な場合に、電動パーキングブレーキ制御部は、電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられた車輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両にはパーキングブレーキが搭載されている。従来からある最も単純なパーキングブレーキは、運転者がブレーキレバーを引くことによりワイヤを駆動して摩擦部材を動作させ、回転部材およびホイールに制動力を与える。また、スイッチ操作などによりモータを駆動し、ワイヤの巻き上げや巻き戻しをする電動パーキングブレーキ装置(EPB:Electric Parking Brake)も普及している。電動パーキングブレーキ装置は、運転者によるスイッチ操作などの操作で動作するが、車両状態を認識してパーキングブレーキの作動状態と解除状態とを自動制御により切り替えるものもある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、車両の周辺の環境状態を検出する手段、および車両の発進指示を検出する手段に基づいて、駐車ブレーキ用の制動力の発生を解除するか否かを決定する制動力制御手段を備える電動駐車ブレーキ装置が開示されている。また、特許文献2には、シフト位置センサ、および操舵角センサに基づいて予測された車両の進行軌跡と、検出された障害物の位置とに基づいて、車両と障害物との接触可能性を判断する接触予測部を備え、接触予測部は、接触可能性の判断結果に応じて接触可能性の高低で表示器の表示およびブザーによる警報音の周波数をそれぞれ変化させる車両用障害物検知装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−76427号公報
【特許文献2】特開2001−315602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電動パーキングブレーキを用いたブレーキ制御装置は種々提案されているが、車両のインテリジェント化や操作の簡略化、自動化が進む一方で、より高い安全性の追求も要求されている。車両が駐車状態から発進する時に運転者の不注意や誤操作で、たとえばギヤの前後を入れ間違えて車両を発進すれば不測の事態が起こりうる。そこで、運転者の不注意や誤操作による不測の事態にも十分に備えておくことが望ましい。
【0005】
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が駐車状態から発進する時に不測の事態を回避しうる安全性の高いブレーキ制御技術を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、電動アクチュエータの駆動により車輪に制動力を付与する電動パーキングブレーキと、電動パーキングブレーキを制御する電動パーキングブレーキ制御部と、車両の周囲の状態を検出する周囲状態検出部と、操作レバーの位置を検出するシフト位置検出部と、シフト位置検出部が検出した操作レバーの位置から車両の発進方向を特定し、特定した発進方向の障害物を検出する障害物検出部と、発進方向の障害物を車両が回避可能かどうかを判定する回避判定部と、を備える。車両が発進方向の障害物を回避不能な場合に、電動パーキングブレーキ制御部は、電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止する。この態様によると、たとえば操作レバーがパーキング位置からドライブ位置にシフトされても、前方に回避不能な障害物がある場合には、電動パーキングブレーキの作動状態を維持するため運転者の誤操作や不注意による不測の事態を回避できる。
【0007】
障害物検出部は、特定した発進方向の逆方向の障害物の有無を検出し、障害物検出部が発進方向の逆方向の障害物を検出した場合に、回避判定部は、発進方向と逆方向の障害物を車両が回避可能かどうかを判定してもよい。これにより、発進方向と逆向きの障害物を回避可能か判定できる。
【0008】
障害物検出部が発進方向の逆方向の障害物を検出しない場合、または回避判定部が発進方向の逆方向の障害物を車両が回避可能であることを判定した場合、操作レバーの位置を現在の位置から発進方向と逆向きとする位置にシフトするように運転者に指示する表示制御部をさらに備えてもよい。これにより、運転者に安全な発進方向を提示することができる。
【0009】
障害物検出部は、車両のイグニッションスイッチがオンされた後に操作レバーが操作されたときに、発進方向の障害物を検出してもよい。これにより、車両の発進前に障害物を検出できる。
【0010】
電動パーキングブレーキ制御部は、障害物検出部が発進方向の障害物を検出しない場合、電動パーキングブレーキの作動状態を解除してもよい。これにより、発進方向の安全を確認後に車両を発進可能な状態にすることができる。
【0011】
回避判定部は、障害物を回避可能な操舵角を算出する操舵角算出部を有してもよい。操舵角算出部で算出された操舵角を運転者に認識させる情報を提示する表示制御部を備えてもよい。障害物を回避可能な操舵角を運転者に認識させる情報を提示することで、運転者の操作をより安全にすることができる。
【0012】
電動パーキングブレーキ制御部は、運転者による操舵量が操舵角算出部で算出された操舵角を超えれば、電動パーキングブレーキの作動状態を解除してもよい。これにより、運転者によるステアリングの誤操作による不測の事態を回避できる。
【0013】
ブレーキ制御装置は、油圧により車輪に制動力を付与する油圧ブレーキと、油圧経路に配置された電磁弁を開閉制御してホイールシリンダに供給する油圧を制御する油圧ブレーキ電子制御部と、をさらに備えてもよい。油圧ブレーキ電子制御部は、障害物検出部が発進方向の障害物を回避不能であることを検出したにもかかわらず、車両の発進が検出された場合に、電動パーキングブレーキの制動力に加えて、油圧ブレーキにより車輪に制動力を付与してもよい。これにより、運転者によるシフト操作の不注意または誤認による不測の事態を回避できる。
【0014】
回避判定部は、車両が障害物を回避可能な車速を算出する回避車速算出部をさらに備えてもよい。油圧ブレーキ電子制御部は、車速が回避車速算出部で算出された車速を超える場合、油圧ブレーキにより車輪に制動力を付与してもよい。これにより、車両が駐車状態から発進する時に、運転者が回避可能な車速を誤ることによる不測の事態を回避できる。
【0015】
油圧ブレーキ電子制御部は、車両が発進して障害物を回避するまでの間に所定の車速を超えた場合に、油圧ブレーキにより車輪に制動力を付与してもよい。これにより、障害物を回避する場合に、運転者が車速を出し過ぎることによる不測の事態を回避できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のブレーキ制御装置によれば、車両が駐車状態から発進する時に不測の事態を回避しうる安全性の高いブレーキ制御を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるブレーキ制御装置を備える車両10の全体構成を示す図である。
【0018】
車両10は、車体12の右前に設けられた右前輪14a、車体12の左前に設けられた左前輪14b、車体12の右後ろに設けられた右後輪14c、および車体12の左後ろに設けられた左後輪14d(以下、総称する場合は「車輪14」という)を備える。なお、右前輪14aおよび左前輪14bを総称して「前輪14a、14b」と呼び、右後輪14cおよび左後輪14dを総称して「後輪14c、14d」と呼ぶ。各車輪14は、タイヤおよびホイールを含んで構成される。また、制動力を発生させるブレーキ装置20a、ブレーキ装置20b、ブレーキ装置20c、およびブレーキ装置20d(以下、総称する場合は「ブレーキ装置20」という)は、それぞれ右前輪14a、左前輪14b、右後輪14c、および左後輪14dに設けられる。
【0019】
車両10は、さらにECU(電子制御装置)100、ECU100に接続された油圧ブレーキアクチュエータ28、パーキングブレーキアクチュエータ30、センサ類32、イグニッションスイッチ34、およびディスプレイ36を備える。
【0020】
センサ類32は、各種の状態量を検出して検出結果をECU100に送信するセンサ類全般を含むものである。本実施の形態のセンサ類32は、操作レバーの位置を検出するシフト位置センサ、車両10の周辺の状態を検出する周囲状態検出センサ、車両10の車速を検出する車速センサ、運転者のハンドルの操舵角を検出する操舵角センサを含む。
【0021】
ブレーキ装置20は、制動力を発生させる任意の構成とすることができ、例えばディスクブレーキ装置やドラムブレーキ装置を利用することができる。ブレーキ装置20は、ディスクブレーキ装置またはドラムブレーキ装置として構成されてもよく、またディスクブレーキ装置とドラムブレーキ装置を組み合わせて構成されてもよい。各ブレーキ装置20は油圧ブレーキアクチュエータ28によって制御され、後輪14c、14dに搭載されるブレーキ装置20c、20dはパーキングブレーキアクチュエータ30によっても制御される。
【0022】
油圧ブレーキアクチュエータ28は、ECU100によって制御される油圧を利用して各ブレーキ装置20を作動させる。具体的には、油圧ブレーキアクチュエータ28は、油圧経路に配置された電磁弁を開閉制御してホイールシリンダに供給する油圧を制御することにより、車輪14に制動力を付与する。油圧ブレーキアクチュエータ28はディスクブレーキ装置として構成されるブレーキ装置20を作動してよい。
【0023】
電動アクチュエータとして機能するパーキングブレーキアクチュエータ30は、ECU100によって制御されるモータなどの駆動装置を有し、この駆動装置によって調整されるケーブルの牽引力を利用して後輪14c、14dに搭載されるブレーキ装置20c、20dを作動させる。パーキングブレーキアクチュエータ30は、ドラムブレーキ装置またはディスクブレーキ装置として構成されるブレーキ装置20を作動してよい。
【0024】
電動パーキングブレーキスイッチ18は、運転者等がパーキングブレーキの作動や解除を指示するスイッチ装置であり、運転者等によって操作可能な位置に配置され、運転者等によって入力されたパーキングブレーキのオン/オフに関する情報をECU100に供給する。
【0025】
イグニッションスイッチ34は、イグニッションのオンまたはオフを検出し、ECU100にイグニッションのオン/オフに関する情報を供給する。ディスプレイ36は、ECU100から供給されたデータを運転者に表示する。なお、ディスプレイ36に代えて、スピーカが設けられてもよい。イグニッションスイッチ34がオンされると、本実施の形態に係るECU100が起動する。
【0026】
ECU100は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、マイクロコンピュータによる演算を行う演算ユニット、各種の処理プログラムを記憶するROM、一時的にデータやプログラムを記憶してデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、データを記憶するハードディスク等の記憶装置、および各種信号の送受信を行うための入出力ポート等を有する。このECU100は、センサ類32、イグニッションスイッチ34、あるいは他の電子機器類などから送られてくるデータに基づいて、油圧ブレーキアクチュエータ28、パーキングブレーキアクチュエータ30、ディスプレイ36、あるいは図示しない他の車両機器類を制御する。本実施形態の車両10においてECU100は、パーキングブレーキアクチュエータ30と、油圧ブレーキアクチュエータ28と、ブレーキ装置20と、センサ類32と、イグニッションスイッチ34と、ディスプレイ36などと協働してブレーキ制御装置を構成する。
【0027】
図2は、本実施の形態にかかるブレーキ制御装置16が備える機能を示す機能ブロック図である。ECU100は、表示制御部40と、障害物検出部42と、操舵角算出部46および回避車速算出部48を含む回避判定部44と、油圧ブレーキ電子制御部50と、強制制動判定部52と、電動パーキングブレーキ制御部54と、操舵角比較判定部56とを備える。また、ECU100は、イグニッションスイッチ34、シフト位置センサ38、周囲状態センサ22、油圧ブレーキアクチュエータ28、電動パーキングブレーキスイッチ18、車速センサ24、パーキングブレーキアクチュエータ30、操舵角センサ26、およびディスプレイ36に接続される。
【0028】
電動パーキングブレーキ制御部54は、パーキングブレーキアクチュエータ30に制御信号を送信して、ブレーキ装置20c、20dを作動させ後輪14c、14dに電動パーキングブレーキによる制動力を付与する。電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキスイッチ18の指示に応じて電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態を解除する。
【0029】
また、本実施の形態において電動パーキングブレーキ制御部54は、障害物検出部42および操舵角比較判定部56の出力に応じて電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態を解除するように制御する機能をもつ。イグニッションスイッチ34がオンされたとき、車両10は駐車状態にあり、通常電動パーキングブレーキは作動状態にある。
【0030】
シフト位置検出部として機能するシフト位置センサ38は、運転者が操作する操作レバーの位置を検出する。すなわち、トランスミッションで選択されているギアを検出し、ドライブギヤやリバースギヤが選択されたことを検出する。
【0031】
周囲状態検出部として機能する周囲状態センサ22は、車両10の周囲状態を監視してECU100に伝える。周囲状態センサ22は、クリアランスソナー、カメラ装置、またはミリ波レーダを備えてよい。クリアランスソナーは、音波を使用したソナーを用いて検知結果をECU100に供給し、ECU100は車両10の周囲の状態を検出する。カメラ装置は、カメラの撮影画像をECU100に供給し、ECU100は車両10の周囲の状態を検出する。ミリ波レーダは、電波を利用して障害物の有無や走行路の有無を検出し、検出結果をECU100に供給する。ミリ波レーダは、例えば76(GHz)ミリ波帯レーダを使用して対象物からの反射波を測定し、対象物との相対距離や相対速度などを検出することができる。周囲状態センサ22は、対象物の位置、すなわち対象物の距離および方向が検出できる既存の技術を用いてよい。
【0032】
車速センサ24は、たとえば車輪14の回転数を検出する車輪速センサであってよく、車輪速センサの検出結果から車両速度を推定することができる。また、車速センサ24は、シャフトの回転数から車速を検出してよく、また、車速を検出できる他の既存の技術を用いてよい。操舵角センサ26は、運転者が操作するハンドルの操舵量を検出する。運転者の操舵量は、操舵角に換算できる。
【0033】
障害物検出部42は、シフト位置センサ38が検出した操作レバーの位置から車両10の発進方向を特定し、特定した発進方向の障害物を検出する。発進方向の障害物とは、運転者の操作により決定され、シフト位置センサ38が検出した操作レバーの位置から判断される車両10の発進方向の障害物をいい、たとえば運転者の操作によりドライブギヤが選択されれば、車両10の前方と左右前方の障害物が発進方向の障害物となる。
【0034】
また、障害物検出部42は、周囲状態センサ22から供給された情報から車両10の周囲にある障害物の大きさ、距離および方向を検出する。本実施の形態において障害物とは、車両10の周囲にあり、車両10から所定の距離内にある車両の発進を妨げるものをいう。すなわち、周囲状態センサ22において対象物を検知したとしても、その対象物が車両10から所定の距離より遠い位置にあれば、障害物検出部42はその対象物を障害物として検出しない。車両10からの距離は、ミリ波レーダの反射波の伝播時間や、カメラ装置の複数の撮像をステレオ法を用いて解析することで算出される。また、カメラ装置の撮像から対象物を認識する既知の技術を用いて、対象物の距離を導出してもよい。なお、障害物検出部42は、走行路の有無を検出してもよく、発進方向に走行可能な道がない場合、たとえば車両10の周囲に排水溝があれば、排水溝を障害物としてもよい。
【0035】
障害物検出部42は、車両10のイグニッションスイッチ34がオンされた後に最初に操作レバーが操作された時を契機として、障害物を検出する。車両10が駐車状態から発進する時、操作レバーの誤操作が生じやすく不測の事態が発生し易い。障害物検出部42は、周期的に車両10の発進方向の障害物の有無を検出してよい。障害物検出部42は、周期的に周囲の障害物を監視することで、車両10の周囲の障害物が無くなったことを検出できる。たとえば、イグニッションスイッチ34がオンされたときには障害物が検出されたが、その後運転者がその障害物をどかしたような場合、障害物検出部42は、周期的に周囲を監視することで、障害物がなくなったことを検出する。障害物検出部42は、検出した障害物の情報を回避判定部44に供給する。
【0036】
障害物検出部42は、発進方向に障害物を検出しなければ、電動パーキングブレーキの作動状態を解除してよい旨を電動パーキングブレーキ制御部54に通知する。また、障害物検出部42は、発進方向の障害物を検出すれば、電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止すべき旨を電動パーキングブレーキ制御部54に通知する。このとき、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止する。たとえば、寒冷地においては電動パーキングブレーキの凍結を回避するために、車を降りるとき、あえて電動パーキングブレーキを作動させないことがある。そのような場合にイグニッションスイッチ34がオンされたときは電動パーキングブレーキは作動していない。したがって、障害物検出部42が発進方向の障害物を検出すると、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキを作動状態に切り換える。これにより、発進方向に障害物があるにもかかわらず誤って発進するような不測の事態を回避することができる。
【0037】
障害物検出部42が発進前に周囲の障害物を検出することで、ブレーキ制御装置16は安全な制動制御を実現可能となる。障害物検出部42は、回避判定部44に障害物の大きさ、距離、および方向を通知する。回避判定部44は、発進方向の障害物を車両が回避可能かどうかを判定する。たとえば回避判定部44は、発進方向の障害物間のクリアランスを車両10が通り抜け可能かどうかを判定してよい。
【0038】
障害物を車両10が回避可能かどうかを判定する回避判定部44は、操舵角算出部46と回避車速算出部48とを含む。操舵角算出部46は、障害物の方向から、車両10を左右のどちらに操舵すべきかを算出してよい。さらに、操舵角算出部46は、障害物を回避可能な操舵角を算出してよい。具体的には、操舵角算出部46は、検出された障害物の方向と距離に基づき、障害物を回避可能なステアリングの操舵角を算出する。また、操舵角算出部46は、発進方向とは逆向きの障害物を回避可能なステアリングの操舵角を算出してもよい。操舵角算出部46は、算出した操舵角を操舵角比較判定部56に供給する。なお、たとえば2つの障害物の間を進行する場合、操舵角算出部46は、障害物を回避可能な操舵角の範囲を算出してよい。
【0039】
回避車速算出部48は、障害物を回避可能な操舵角に応じた、障害物を回避可能な回避車速を算出する。回避車速算出部48は、算出した回避車速を強制制動判定部52に供給する。なお、操舵角算出部46は回避車速算出部48を含んでもよく、その場合、操舵角算出部46は、回避車速を設定して操舵角を算出する。たとえば、操舵角算出部46は、回避車速は時速10キロ以下であると設定し、その設定のもとで障害物を回避可能な操舵角を算出してもよい。
【0040】
なお、回避判定部44が発進方向の障害物を回避可能と判定した場合であっても、障害物検出部42は、特定した発進方向の逆方向の障害物の有無を検出し、障害物検出部42が発進方向の逆方向の障害物を検出した場合に、回避判定部44は、発進方向と逆方向の障害物を車両が回避可能かどうかを判定してもよい。これにより、運転者に逆方向に進行する方がより安全であるかどうかを判定できる。回避判定部44は、発進方向の障害物を回避することの可否、障害物を回避可能なギヤ、算出された操舵角および算出された回避車速などの判定情報を表示制御部40に供給する。
【0041】
表示制御部40は、回避判定部44から供給された判定情報を運転者に認識させるように加工してディスプレイ36に表示させ、運転者に供給する。なお、ディスプレイ36の表示方法は、たとえばハンドルをどのくらい回転させるかを画像で表示し、運転者に操舵角を認識させるように表示してよい。また、表示制御部40は、運転者による操舵量、および電動パーキングブレーキの作動/解除を運転者に表示してもよい。たとえば、操舵角算出部46が算出した操舵角を表示するとともに、現在の運転者による操舵量を表示し、ディスプレイ36上で運転者による操舵量が操舵角算出部46で算出された操舵角を超えるかどうか表示してよい。また、車両10の前後方向に回避不能な障害物を検出した場合、表示制御部40は、障害物を移動させることを運転者に指示してよい。また、ディスプレイ36に現在のギヤ位置を点滅させて表示してよい。
【0042】
操舵角比較判定部56は、運転者の操舵量を検出する操舵角センサ26の検出結果が操舵角算出部46から供給された回避可能な操舵角を超えるかどうかを判定する。操舵角比較判定部56は、運転者による操舵量が回避可能な操舵角を超えれば、電動パーキングブレーキ制御部54に電動パーキングブレーキの作動状態を解除してよい旨を通知する。
【0043】
油圧ブレーキ電子制御部50は、油圧ブレーキアクチュエータ28に制御信号を送信して、各ブレーキ装置20で発生させる制動力を制御する。強制制動判定部52は、車輪14に油圧ブレーキの制動力を強制的に付与するかどうかを判定する。
【0044】
強制制動判定部52は、障害物検出部42が発進方向の障害物を車両10が回避不能であることを検出したにもかかわらず、車両の発進が検出された場合に、電動パーキングブレーキの制動力に加えて、油圧ブレーキにより車輪14に制動力を付与すると判定する。強制制動判定部52は、その判定結果を油圧ブレーキ電子制御部50に供給し、油圧ブレーキ電子制御部50は、油圧ブレーキアクチュエータ28に制御信号を送信して、車輪14に制動力を付与する。
【0045】
強制制動判定部52は、車速センサ24の検出結果に基づく車両10の車速が回避車速算出部48で算出された回避車速を超える場合、車輪14に油圧ブレーキの制動力を付与することを決定する。また、強制制動判定部52は、車両10が発進して障害物を回避するまでの間に所定の車速を超えた場合に、油圧ブレーキにより車輪14に制動力を付与させてもよい。なお、強制制動判定部52は、障害物を回避後は、当該機能を停止し、イグニッションスイッチ34が再びオンされるまで作動しない。また、強制制動判定部52は、車輪14に油圧ブレーキの制動力を付与する代わりに運転者に警報または音声で障害物を回避不能であることを通知してもよい。
【0046】
図3は、本実施の形態にかかるブレーキ制御装置を備えた車両64が駐車している状態から発進する状態を示す図である。以下、図3を参照して本実施の形態の作用について説明する。車両62および車両64は、道路70の端に排水溝60に沿って駐車している。車両64において、イグニッションスイッチ34がオンされると、ECU100が起動され、周囲状態センサ22が車両64の周囲の状態を検出する。そして、イグニッションスイッチ34がオンされた後に最初に操作レバーがパーキングギヤからドライブギヤにシフトされたときに、障害物検出部42は、発進方向が前方であることを特定し、前方および左右の障害物を検出する。障害物検出部42は、車両64から所定距離内にある前方の車両62と左前方の排水溝60を障害物として検出する。
【0047】
操作レバーが操作されて、障害物検出部42が発進方向に障害物である車両62および排水溝60を検出したため、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキを作動状態にし、または電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止する。回避判定部44は、発進方向の障害物を回避可能かどうか判定する。すなわち、回避判定部44は、車両62および排水溝60を車両64が回避可能かどうか判定する。まず回避判定部44は、左方向および前方には発進できないことを決定し、右方向に発進したときに車両62を回避できるか判定する。車両62と車両64の間に十分な間隔があれば、回避判定部44は矢印方向66に回避可能と判定する。回避判定部44は、車両62と車両64の間に十分な間隔がなく、車両64を右方向に最大に転舵した場合であっても車両62に衝突する場合には、発進方向の障害物を回避不能と判定する。
【0048】
回避判定部44が障害物を回避可能と判定した場合、表示制御部40は、回避可能な操舵角および回避車速を運転者に提示し、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキの作動状態を解除してもよい。障害物を回避可能な操舵角および回避車速を運転者に提示することで、運転者の誤操作を抑制できる。また、発進方向の障害物を回避可能か判定した後で電動パーキングブレーキの作動状態を解除することで、車両64が駐車から発進する時の運転者の誤認または不注意を抑制することができる。
【0049】
また、回避判定部44が障害物を回避可能と判定した場合、運転者による操舵量が回避可能な操舵角を超えたときに、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキの作動状態を解除してよい。回避可能な操舵角は、矢印方向66に進行する操舵角となる。発進方向の障害物を回避可能な操舵角まで操舵させた後に電動パーキングブレーキの作動状態を解除することで、車両64が駐車から発進する時の運転者の誤操作による不測の事態を避けることができる。
【0050】
また、回避判定部44は、発進方向の障害物を回避可能と判定した場合であっても、発進方向の逆向きの障害物を回避可能か判定し、発進方向の逆向きへの進行がより安全であれば、表示制御部40は、たとえば車両64の後方に進む方が安全であるとしてリバースギヤへの切替を薦めてもよい。これにより、運転者により安全な発進方向を提示することができる。
【0051】
一方、回避判定部44が発進方向の障害物を回避不能と判定した場合、障害物検出部42は、後方および左右後方の障害物を検出する。障害物検出部42は、車両64から所定距離内にある左後方の排水溝60を障害物と検出する。回避判定部44は、排水溝60により矢印方向68より右後方向にクリアランスがあり、矢印方向68より右後方向に回避可能と判定する。
【0052】
回避判定部44が障害物を回避可能と判定したならば、表示制御部40は回避可能な操舵角を運転者に提示し、運転者による操舵量が回避可能な操舵角を超えれば、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキの作動状態を解除する。このとき、障害物を回避可能な操舵角は矢印方向68に進行する操舵角となり、運転者が左方向に進行する方向に操舵しなければ、電動パーキングブレーキの作動状態が解除される。
【0053】
図4は、本実施の形態にかかるブレーキ制御装置16の車両10の発進前の処理例を示すフローチャートである。駐車している車両10は、操作レバーの位置がパーキングギヤにあり、一般に電動パーキングブレーキが作動している(S10)。イグニッションスイッチ34がオンされると(S12)、ECU100が作動し、周囲状態センサ22が作動する(S14)。運転者が操作レバーをパーキングギヤからシフトするかどうかをシフト位置センサ38により検出する(S16)。
【0054】
パーキングギヤからシフトされるまでシフト位置を監視し(S16のN)、ドライブギヤまたはリバースギヤにシフトされると(S16のY)、障害物検出部42は、ドライブギヤまたはリバースギヤから判断される車両10の発進方向に障害物が検出されるかどうかを判定する(S18)。車両10の発進方向に障害物が検出されない場合(S18のN)、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキの作動状態を解除する(S38)。なお、このときは回避車速を提示しない。
【0055】
車両10の発進方向に障害物が検出された場合(S18のY)、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止する。なお、車両の駐車時に電動パーキングブレーキが作動していない場合は、車両10の発進方向に障害物が検出されたときに(S18のY)、電動パーキングブレーキ制御部54は電動パーキングブレーキを作動状態にさせる。
【0056】
回避判定部44は、車両10の発進方向の障害物を回避可能かどうかを判定する(S20)。発進方向の障害物を回避可能な場合(S20のY)、表示制御部40は、操舵角算出部46により算出された回避可能な操舵角を運転者に提示し(S22)、操舵角比較判定部56は、運転者が操作する操舵量が回避可能な操舵角を超えるかどうかを判定する(S24)。運転者が操作する操舵量が回避可能な操舵角を超えなければ(S24のN)、電動パーキングブレーキは解除されない。運転者による操舵量が回避可能な操舵角を超える場合(S24のY)、電動パーキングブレーキ制御部54は、電動パーキングブレーキを解除し(S38)、表示制御部40は、運転者に回避車速を提示する(S40)。
【0057】
発進方向の障害物を回避不能な場合(S20のN)、障害物検出部42は、発進方向とは逆向きの障害物の有無を検出する(S26)。障害物検出部42が発進方向とは逆向きの障害物を検出しなければ(S26のN)、表示制御部40は運転者に発進方向とは逆向きのギヤにシフトすることを提示し(S34)、障害物検出部42は操作レバーの位置が逆向きのギヤにシフトされるかどうかを検出する(S36)。逆向きのギヤに変更されなければ(S36のN)、電動パーキングブレーキの作動状態は解除されない。逆向きのギヤにシフトされれば(S36のY)、電動パーキングブレーキの作動状態は解除される(S38)。このとき、回避車速は提示しない。
【0058】
障害物検出部42は発進方向とは逆向きの障害物を検出すれば(S26のY)、回避判定部44は発進方向とは逆向きの障害物を回避可能かどうかを判定する(S28)。発進方向とは逆向きの障害物を回避可能な場合(S28のY)、表示制御部40は車両の発進方向とは逆向きのギヤへの切替を運転者に提示し(S30)、障害物検出部42は逆向きのギヤに変更するかどうかを検出する(S32)。逆向きのギヤに変更されなければ(S32のN)、電動パーキングブレーキの作動状態が解除されることはなく、逆向きのギヤに変更されれば(S32のY)、表示制御部40は運転者に回避可能な操舵角を提示し(S22)、以下、上述の処理を行う。
【0059】
発進方向とは逆向きの障害物を回避不能な場合(S28のN)、表示制御部40は運転者に障害物を移動させることを提示する(S42)。なお、発進方向とは逆向きの障害物を回避不能な場合(S28のN)、表示制御部40は、障害物の移動の提示以外に、車両10を一度前後方向に移動させる旨を提示し、一時的に車両10の電動パーキングブレーキの作動状態を解除してよい。すなわち、回避判定部44は発進方向または逆方向に車両10が動くことができるかどうかを判定し、動くことが可能ならば、その旨を表示制御部40は提示し、電動パーキングブレーキの作動状態を解除してもよい。以下、車両10の発進方向に障害物が検出されるかどうかを判定する(S18)処理を再び行い、上述の処理を行う。以上より、車両10が駐車から発進する時に運転者の誤認または不注意による不測の事態を抑制することができる。
【0060】
本発明は上述の実施の形態や実施例に限定されるものではなく、各要素を適宜組み合わせたものも本発明の実施の形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を上述の実施の形態や実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられたものも本発明の範囲に含まれうる。
【0061】
強制制動判定部52は、車速センサ24に代えて運転者のアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサを用いてもよい。たとえば車両10が発進して障害物を回避するまでの間に、アクセルセンサの検出結果に基づき所定の踏み込み量を検出した場合に、強制制動判定部52は強制制動を行うとしてもよい。
【0062】
また、上述の実施の形態では後輪14c、14dのブレーキ装置20c、20dで発生させる制動力をパーキングブレーキとして利用する例について説明したが、他のブレーキ装置20で発生させる制動力をパーキングブレーキとして利用する場合にも本発明を応用することができる。例えば、前輪14a、14bのブレーキ装置20a、20bや、全車輪14のブレーキ装置20で発生させる制動力をパーキングブレーキとして利用することもできる。
【0063】
また、周囲状態センサ22として機能するカメラ装置は、車両周囲の撮像範囲に障害物があれば回避不能な障害物となる撮像範囲を保持してよい。このとき、回避車速は既に所定の車速に定められており、車両10の発進時に所定の車速を超える場合は、強制的に油圧ブレーキによる制動力を付与してもよい。
【0064】
また、ケーブルなどの牽引力を利用したパーキングブレーキに対してだけではなく、油圧などを利用したパーキングブレーキに対しても本発明を応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態にかかるブレーキ制御装置を備える車両の全体構成を示す図である。
【図2】本実施の形態にかかるブレーキ制御装置が備える機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかるブレーキ制御装置を備えた車両が駐車している状態から発進する状態を示す図である。
【図4】本実施の形態にかかるブレーキ制御装置の車両の発進前の処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10 車両、 12 車体、 14 車輪、 16 ブレーキ制御装置、 18 電動パーキングブレーキスイッチ、 20 ブレーキ装置、 22 周囲状態センサ、 24 車速センサ、 26 操舵角センサ、 28 油圧ブレーキアクチュエータ、 30 パーキングブレーキアクチュエータ、 32 センサ類、 34 イグニッションスイッチ、 36 ディスプレイ、 38 シフト位置センサ、 40 表示制御部、 42 障害物検出部、 44 回避判定部、 46 操舵角算出部、 48 回避車速算出部、 50 油圧ブレーキ電子制御部、 52 強制制動判定部、 54 電動パーキングブレーキ制御部、 56 操舵角比較判定部、 100 ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動アクチュエータの駆動により車輪に制動力を付与する電動パーキングブレーキと、
前記電動パーキングブレーキを制御する電動パーキングブレーキ制御部と、
車両の周囲の状態を検出する周囲状態検出部と、
操作レバーの位置を検出するシフト位置検出部と、
シフト位置検出部が検出した操作レバーの位置から車両の発進方向を特定し、特定した発進方向の障害物を検出する障害物検出部と、
発進方向の障害物を車両が回避可能かどうかを判定する回避判定部と、
を備え、
車両が発進方向の障害物を回避不能な場合に、前記電動パーキングブレーキ制御部は、前記電動パーキングブレーキを作動状態にし、または前記電動パーキングブレーキの作動状態の解除を禁止することを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項2】
前記障害物検出部は、特定した発進方向の逆方向の障害物の有無を検出し、
前記障害物検出部が発進方向の逆方向の障害物を検出した場合に、前記回避判定部は、発進方向と逆方向の障害物を車両が回避可能かどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
【請求項3】
前記障害物検出部が発進方向の逆方向の障害物を検出しない場合、または前記回避判定部が発進方向の逆方向の障害物を車両が回避可能であることを判定した場合、操作レバーの位置を現在の位置から発進方向と逆向きとする位置にシフトするように運転者に指示する表示制御部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ制御装置。
【請求項4】
前記障害物検出部は、車両のイグニッションスイッチがオンされた後に操作レバーが操作されたときに、発進方向の障害物を検出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項5】
前記電動パーキングブレーキ制御部は、前記障害物検出部が発進方向の障害物を検出しない場合、前記電動パーキングブレーキの作動状態を解除することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項6】
前記回避判定部は、障害物を回避可能な操舵角を算出する操舵角算出部を有し、
前記操舵角算出部で算出された操舵角を運転者に認識させる情報を提示する表示制御部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項7】
前記電動パーキングブレーキ制御部は、運転者による操舵量が前記操舵角算出部で算出された操舵角を超えれば、前記電動パーキングブレーキの作動状態を解除することを特徴とする請求項6に記載のブレーキ制御装置。
【請求項8】
油圧により車輪に制動力を付与する油圧ブレーキと、
油圧経路に配置された電磁弁を開閉制御してホイールシリンダに供給する油圧を制御する油圧ブレーキ電子制御部と、
をさらに備え、
前記油圧ブレーキ電子制御部は、前記障害物検出部が発進方向の障害物を回避不能であることを検出したにもかかわらず、車両の発進が検出された場合に、前記電動パーキングブレーキの制動力に加えて、前記油圧ブレーキにより車輪に制動力を付与することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
【請求項9】
前記回避判定部は、車両が障害物を回避可能な車速を算出する回避車速算出部をさらに備え、
前記油圧ブレーキ電子制御部は、車速が前記回避車速算出部で算出された車速を超える場合、前記油圧ブレーキにより車輪に制動力を付与することを特徴とする請求項8に記載のブレーキ制御装置。
【請求項10】
前記油圧ブレーキ電子制御部は、車両が発進して障害物を回避するまでの間に所定の車速を超えた場合に、前記油圧ブレーキにより車輪に制動力を付与することを特徴とする請求項8または9に記載のブレーキ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−274488(P2009−274488A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125281(P2008−125281)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】