説明

ブロック用装飾部材及びそれを用いたブロック構築物

【課題】ブロック構築物へ配設可能であり、かつ、施工性の良好なブロック用装飾部材を提供すること。
【解決手段】ブロック構築物10のコーナーブロック1,1間に配設されて固定されて用いられるアルミ製の枠体12と、コーナーブロック1の横目地2を利用して枠体12を固定するブロック固定用金具21と、枠体12が前記コーナーブロック1と接触した場合の浸食を防止する浸食防止緩衝部材19とを備えている。ブロック固定用金具21及び浸食防止緩衝部材19は、枠体12を構成する縦枠13に固定可能又は固定されている。ブロック固定用金具21は、上下方向に固定位置を調整できる位置調製機能24を有するとともに、浸食防止緩衝部材19は、ブロック固定用金具21が固定された状態でブロック固定用金具21による上下方向の位置調整ができるに十分な開口部20を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付施工性の良好なブロック用装飾部材及びそれを用いたブロック構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック塀などの構築物に対して、ブロック間にアルミ製の枠体を配設する技術が行われている。このようなアルミ製の枠体では、ブロック塀等の構築物に対して所望とする装飾を施したり、採光、通風を付与することができる。
【0003】
このような目的に用いられるアルミ製の枠体では、ブロック塀の横目地を利用して、横目地に相当する枠体の側枠の位置に、厚みが6mm〜8mm程度のアンカー(棒状の固定部材)を突出して固定させている。これにより、このアンカーがブロックの横目地に相当する位置に配設されるようにブロックの積み上げ作業を行うことにより、ブロック間の所望位置にアルミ製の枠体を配設させることができる。
【0004】
これに対して、枠体の側方に鉛直方向に延びる突条を形成させ、この突条を利用してモルタル施工する技術も提案されている(特許文献1、2)。このような突条を利用する方法では、枠体の側方とブロック間にモルタルを流し込んでブロックと枠体とを固定させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−328774号公報(段落0018)
【0006】
【特許文献2】特開2008−248641号公報(段落0025)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
横目地を利用してアンカーを固定する方法は、枠体の固定が確実であるという特徴を有する。しかしながら、ブロックの積み上げ作業は、職人が行う作業であり、積み上げ高さによっては、微妙な目地幅の相違が発生することが避けられない場合がある。
【0008】
すなわち、基本的なコンクリートブロックサイズは、390mm×190mmであり、施工時の標準の目地幅として10mmを足すことにより、400mm×200mmとなるように設計されている。このような目地幅に対して、6mm〜8mm程度の金属棒を差し込むことにより、標準10mmという所定の目地幅を正確に維持することが困難となる場合がある。目地幅を正確に標準の10mmに維持することを固執すると、取付作業に過大な手間が発生するという問題がある。コンクリートブロックや石組みができる職人の減少に伴い、現場での施工性の改良は課題である。
【0009】
このため、このようなアンカー部材を横目地に差し込んで固定する枠体では、枠体の上下方向に比較的大きな隙間を持たせたデザインとし、仮に枠体の施工が数ミリメートル単位で上限にずれたとしても、構築物全体の統一感を失うことがないように、枠体のデザインで対応している。
【0010】
その一方で、コンクリートブロックを積む場合、目地をどれだけきれいに、また強固にするかでコンクリートブロック塀などの強度も変化する。すなわち、標準10mmの目地モルタル幅を常に正確に配設することができれば、目地幅の均一性により、構築物全体の見栄えを維持することを可能とすると共に、ブロック構築物の適切な強度を維持することができる。
【0011】
横目地を利用してアンカー固定する方法では、どのような状況でも、目地の部分をきれいにまっすぐに施工することが容易であるということは、職人数が限られることになる状況では、重要な課題となりつつある。
【0012】
これに対し、鉛直方向に延びる突条を利用して枠体の側部にモルタルを流し込む方法では、枠体の取付固定に横目地を利用しないので、現場での施工性は良好となる。しかしながら、アルミ枠とモルタルとが直接接触することになり、アルミ枠が浸食されて、ブロック化粧面に「しみ」が出現するという別の課題がある。ブロック間へのアルミ製の枠体の配設は、装飾性、意匠性を高める目的で配設することが多いので、ブロック化粧面への「しみ」の出現は致命的な問題点である。
【0013】
このため、この突条を利用して枠体の側部にモルタルを流し込んで固定する方法では、、アルミ枠や突条のモルタルとの接触が予想される部位に対して、施工現場においてビニールテープを巻くなどの手法が採用されている。ビニールテープを施工現場で巻いた後にブロックの組立施工がなされることにより、モルタルによるアルミの浸食が防止されている。施工現場での作業が増大し改良が望まれる。
【0014】
そこで、本発明の目的は、ブロック構築物へ配設可能であり、かつ、施工性の良好なブロック用装飾部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ブロック構築物のコーナーブロック間に配設されて固定されて用いられるアルミ製の枠体と、前記コーナーブロックの横目地を利用して前記枠体を固定するブロック固定用金具と、前記枠体が前記コーナーブロックと接触した場合の浸食を防止する浸食防止緩衝部材とを備え、前記ブロック固定用金具及び前記浸食防止緩衝部材は、前記枠体を構成する縦枠に固定可能又は固定され、前記ブロック固定用金具は、上下方向に固定位置を調整できる位置調製機能を有するとともに、前記浸食防止緩衝部材は、前記ブロック固定用金具が固定された状態で該ブロック固定用金具による上下方向の位置調整ができるに十分な開口部を備えていることを特徴とするブロック用装飾部材である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のブロック用装飾部材によれば、縦枠の外表面にブロック固定用金具を備えているので、ブロックの横目地を利用して所定の間隔で離間して配設されるブロック間に確実に固定することができる。
【0017】
また、本発明のブロック用装飾部材によれば、縦枠の外表面に浸食防止緩衝部材を備えているので、縦枠がコーナーブロックや目地部分等のセメント製品と直接接触することが防止され、目地部分での「シミ」の出現がない。
【0018】
また、ブロック固定用金具は、上下方向に固定位置を調整できる位置調製機能を有するとともに、浸食防止緩衝部材は、固定用金具により上下方向の位置調整ができるに十分な開口部を備えているので、ブロック固定用金具を用いて横目地に枠体を固定する際に、高さ位置の微調整が可能である。
【0019】
これにより、枠体を横目地により固定することができるブロック用装飾部材であっても、施工性能を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るブロック用装飾部材の概要を説明する斜視図である。
【図2】図1の組立分解図である。
【図3】図1の水平方向で切断したときの断面図である。
【図4】本発明に係るブロック用装飾部材を用いたブロック構築物を施工する施工手順を説明する図である。
【図5】本発明に係るブロック用装飾部材を用いたブロック構築物を施工する施工手順を説明する図である。
【図6】本発明に係るブロック構築物の一例を説明する納まり図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図6は、本発明に係るブロック構築物の一例を説明する納まり図である。
【0023】
この図において、本発明に係るブロック用装飾部材11は、コーナーに位置するブロック1,1間に配設されてブロック構築物10としてのブロック塀を構成している。このブロック構築物10では、アルミ製の枠体12を構成する縦枠13の側方にブロック固定用金具21が固定されている。このブロック固定用金具21のアンカー部23がコーナーに位置するブロック1の横目地2に差し込まれて目地モルタルにより固定されている。また、枠体12を構成する下方の下面側横枠15にブロック固定用金具29が突出して固定されている。このブロック固定用金具29の先端部29aが下方に位置するブロック1に差し込まれて目地モルタルにより固定されている。
【0024】
この枠体12は、図1又は図2に示すように、両側面に配設される一対の縦枠13,13と、その上端部を横架する上面側横枠14と、下端部を横架する下面側横枠15とで、概略、正面視方形の枠体(ブロック用アルミ枠体)12を形成している。
【0025】
この枠体12の内側には、適宜の装飾パネル等の面材が予め固定又は着脱可能であるが、これらの面材については、図示を含めて省略されている。
【0026】
各縦枠13、13は、図3に示すように、縦枠13の外側(道路側)及び内側(家側)から延出されて一対の舌片17,17が突出されて形成されている。この舌片17,17は、上下方向に延びて凸条を形成し、この一対の舌片(凸条)17,17と縦枠外表面16とで上下方向に延びる凹部18が形成されている。
【0027】
両側に位置するそれぞれの凹部18、18には、図2の組立分解図で詳述するように、それぞれ浸食防止緩衝部材19としてのエキスパンションが取り付けられている。この浸食防止緩衝部材19とは、アルミ枠とコーナーブロック等のセメント製品とが直接触れることでアルミ枠が浸食されて「シミ」などの不具合が発生するのを防止する目的である。
【0028】
この浸食防止緩衝部材19には、ブロック固定用金具21を取り付けるための開口部20が、所定の位置に、所定の間隔で、且つ所定の大きさで設けられている。
【0029】
ここで、この開口部20の位置は、横目地2に相当する位置であり、また、所定の間隔とは、標準となるコンクリートブロックでは、20cm又は20cmの整数倍である。また、所定の大きさとは、後述するブロック固定用金具21を縦枠13に取り付けた場合の上下方向の位置調整が可能なように、上下方向に遊びを有する大きさを意味する。
【0030】
ここで、この実施例では、凹部18を設けて、この凹部18に嵌合させて浸食防止緩衝部材19を固定しているので、浸食防止緩衝部材19の枠体12への納まりがよい。
【0031】
また、浸食防止緩衝部材19として、凹部18の深さよりも厚い素材を選択しているので、凹部18を形成させるための舌片17の先端部(凸条先端)17aがモルタル等のセメント製品と接触しない構造となっている。
【0032】
ここで、この実施例では、浸食防止緩衝部材19は、舌片17の先端部(凸条先端)17aよりも5mm程度突出している。これにより、このような構造によれば、凹部18の窪みよりも厚みが厚い浸食防止緩衝部材19を用いることにより、アルミ製の枠体12とコーナーブロック1との接触を確実に防止できる。また、この凹部18の窪みの深さを浸食防止緩衝部材19の厚みよりも浅くすることにより、浸食防止緩衝部材19の納まり又は固定を確実とするとともに、長期間の使用の後にも、浸食防止緩衝部材19が枠体12から脱落するのを防止している。
【0033】
一実施例としての浸食防止緩衝部材19には、発泡ウレタンゴムなどのゴム素材が例示されるが、耐久性があり、かつ、浸食を防止できる素材であれば、これに限定されない。
【0034】
浸食防止緩衝部材19は、発泡性材料又はゴム素材であることが好ましい。発泡性の素材であれば、凹部18より突出させても、全体として軽量、かつ、安価に構成できる。また、ゴム素材であれば、浸食防止緩衝部材19の弾性力を利用して、コーナーブロックの端面と浸食防止緩衝部材19の外表面とを弾性的に密着させて施工できる。これにより、ブロック用装飾部材11をブロック間に装着させた場合の一体感が得られるため、施工後の見栄えを一層向上させることができる。
【0035】
このようなゴム素材としては、例示したポリウレタン系に加え、例えば、イソプレン系、クロロプレン系、ブタジエン系のゴム素材が例示される。いずれにしても、ゴム素材であり、かつ、発泡していれば、ゴム素材としての特徴と発泡素材としての特徴を兼ね備えるので最も好ましい。
【0036】
また、浸食防止緩衝部材19と枠体12との固定は、例えば、接着剤であるが、粘着剤であってもよい。
【0037】
本発明において、基本的には、浸食防止緩衝部材19と枠体12との固定が予めなされているのが、施工現場での手間を短縮できるので好ましいが、例えば、浸食防止緩衝部材19の裏面に離型紙を貼付したものも用いることができる。この場合、施工現場で離型紙を引きはがして枠体12(縦桟13)の所定位置に貼り合わせて使用する。この場合、離型紙が貼付された浸食防止緩衝部材19の所定位置には、所定の大きさの開口部20が予め設けられていることは重要である。これにより、施工現場での手間が大幅に軽減できる。
【0038】
つぎに、本発明においては、ブロック1の横目地2を利用して固定するためのブロック固定用金具21が縦枠外表面16に固定されている。
【0039】
ここで、このブロック固定用金具21は、図1,図2に示すように、縦枠13への固定部22と、固定部22から直角に延設された水平に延びるアンカー部23とを備えたL字型の厚み3〜5mm程度の錆びにくく、かつ、耐久性に優れた金属プレート材料(例えば、ステンレス製))である。金属プレート材料(板状材料)を用いることにより、棒状のアンカー部材よりも位置調整が容易となる。
【0040】
ここで、この実施例の金属プレートでは、厚みが2mmで、幅が30mmである。また、浸食防止緩衝部材19よりも突出する突出部の長さが35mmであるが、この幅及び長さは、適宜必要に応じて設定される。
【0041】
固定部22には、ネジ25により上下方向の位置調整が可能なように上下方向に延びる長孔24が開口されている。この長孔24の大きさは特に制限はないが、上下方向の位置調整が上下方向に各3mm程度(合計6mm程度)の範囲内で充分である。
【0042】
これにより、図1のA部(部分拡大図)に示すように、縦枠外表面16にブロック固定用金具21の取付位置を上下方向に各3mm程度以内の範囲内で位置調整が可能となる。
【0043】
また、この実施例では、下方に位置する下面横枠15の下方に浸食防止緩衝部材19が固定されている。
【0044】
また、この実施例では、水抜き孔28が上下方向に下面横枠15及び浸食防止緩衝部材19の双方を貫通して設けられている。
【0045】
さらに、この実施例では、枠体12の下方に位置するブロック等への構築物への固定するためのブロック固定用金具29が下面横枠15に固定されている。このブロック固定用金具29は、ブロック固定用金具21と同一の規格であってもよく、これによりプレート状の先端部29aは、浸食防止緩衝部材19より突出して下面横枠15が延びる方向に配設されている。
【0046】
ここで、枠体12の一例は、正面視幅が外寸で、約190mmであり、また、このようにして得られたブロック用装飾部材11の一例は、浸食防止緩衝部材19を含めた正面視幅が外寸で、約200mmであり、コーナーブロック1,1間の隙間幅である約200mmと同一寸法としている。これにより、この枠体12から突出した浸食防止緩衝部材19の厚みは5mm程度とされている。
【0047】
また、下面側横枠15の下方からブロック固定用金具21の中心位置までの長さは、例えば、395mmに設定され、浸食防止緩衝部材19の突出厚みは5mmとされている。
【0048】
つぎに、このようなブロック用装飾部材11をコーナーブロック1,1間に配設施工する工程について本発明により奏される作用効果とともに説明する。
【0049】
まず、ブロック用装飾部材11を配設すべき位置に相当して、幅200mmの間隔を開けて常法によりブロック1の段積み(例えば2段積みまで)を行う。
【0050】
枠体12を配設する位置の下方に位置するブロック1Aに目地モルタルの所定量を積み上げ、目地モルタル中に先端部29aを埋設しつつブロック用装飾部材11を配設する。
【0051】
ここで、ブロック用装飾部材11の正面視外寸がコーナーブロック1,1間の隙間幅と同一で設計されているが、ブロック用装飾部材11の両側方には、発泡性のゴム素材が配設されているので、コーナーブロック1,1間への配設が容易に行え、かつ、ブロック用装飾部材11は、コーナーブロック1,1間に極弱い弾性力を伴った摩擦抵抗により一時的に支持可能とされる。
【0052】
ついで、ブロック固定用金具21の位置の微調整を行い、ブロック固定用金具21の中心位置が標準10mmで施工した際の目地モルタル2の中心位置になるようにしてネジ25により確実に固定する。なお、図面および説明については、省略されているが、ネジ固定に際しては、平座がね、バネ座がね等のネジ固定に用いる適宜の補助部材が用いられる。
【0053】
ついで、目地モルタル2を常法により盛りながら、上段のブロック1を積み重ねて水平に延びるアンカー部23を横目地2の中に埋設させつつ固定させる。
【0054】
ブロック1及び枠体12に必要なマスキングテープ26を施した後、浸食防止緩衝部材19の表面および浸食防止緩衝部材19とコーナーブロック1との間をコーキング材27によりコーキングを施して処理する。マスキングテープ26は、コーキング処理後に取り除く。
【0055】
ここで、このコーキング材は、ブロック用装飾部材11の耐久性を高めたり、枠体12の周囲への水の侵入を防止することにより、枠体等の各部材の長期的な耐久性を維持するためのものである。このようなコーキング材としては、シリコン系、変成シリコン系、アクリル系、ウレタン系などが例示されるが、ブロック構築物全体の美観を損ねないものから選択される。
【0056】
以上のように構成すれば、ブロック1を多段に積み重ねても、ブロック固定用金具21の位置は、鉛直方向の位置が微調整可能である。これにより、本発明によれば、目地寸法を標準10mm程度に維持したいという職人の技量を施工性を損なうことなく、そのまま生かすことができる。
【0057】
また、本発明のブロック用装飾部材11によれば、ブロック1の横目地2を利用して固定するので、ブロック固定用金具21はブロック1,1間に確実に固定することができる。
【0058】
また、本発明のブロック用装飾部材11によれば、縦枠13の外表面16に浸食防止緩衝部材19を備えているので、縦枠13がコーナーに位置するブロック1や横目地2等のセメント製品と直接接触することが防止され、目地部分での「シミ」の出現がない。
【0059】
これにより、横目地2の幅を常に標準の10mmを目標に施工することができる。
【0060】
ここで、横目地2の幅は、構築物全体の統一感やブロックの強度に与える影響が大きく、本発明によれば、職人の技量によらず、常に美麗であり、強度保持が確保できるブロック構築物を得ることができる。
【0061】
また、高さ方向の微調整が可能ということで、ブロック用装飾部材11を構成するアルミ製の枠体12と、この下方に位置するブロック1Aとの距離(クリアランス)が5mm程度と微小間隔のデザインとしても、常に5mmのクリアランスを維持することもできる。
【0062】
これにより、ブロック構築物全体でのデザインを豊富とすることができる。
【0063】
また、ブロック固定用金具21は、上下方向に固定位置を調整できる調製機能を有するとともに、浸食防止緩衝部材19は、ブロック固定用金具21により上下方向の位置調整ができるに十分な開口部20を備えているので、ブロック固定用金具21を用いて横目地2に枠体12を固定する際に、高さ位置の微調整が可能である。
【0064】
これにより、枠体を横目地により固定することができるブロック用装飾部材であっても、施工性能を損なうことがない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上、本発明に係るブロック用装飾部材をコンクリートブロックを例示として説明したが、コンクリートブロックに限らず、レンガ積など、横目地を利用できる固定法であれば、どのようなブロックであってもよい。
【0066】
また、ブロック構築物の代表例はブロック塀であるが、塀に限定されずに建物等の構造物であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1:ブロック(コーナーブロック)
2:横目地
10:ブロック構築物
11:ブロック用装飾部材
12:枠体
13:縦枠
14:上面側横枠
15:下面側横枠
16:縦枠外表面
17:舌片(凸条)
17a:先端部(凸条先端)
18:凹部(脱落防止用凹部)
19:エキスパンション(浸食防止緩衝部材)
19a:外表面
20:開口部
21:ブロック固定用金具(コーナー用)
22:(枠体への)固定部
23:(水平に延びる)アンカー部
24:長孔(位置調整機能)
25:ネジ
26:マスキングテープ
27:コーキング材
28:水抜き孔
29:ブロック固定用金具(下面用)
29a:先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック構築物のコーナーブロック間に配設されて固定されて用いられるアルミ製の枠体と、
前記コーナーブロックの横目地を利用して前記枠体を固定するブロック固定用金具と、
前記枠体が前記コーナーブロックと接触した場合の浸食を防止する浸食防止緩衝部材とを備え、
前記ブロック固定用金具及び前記浸食防止緩衝部材は、前記枠体を構成する縦枠に固定可能又は固定され、
前記ブロック固定用金具は、上下方向に固定位置を調整できる位置調製機能を有するとともに、前記浸食防止緩衝部材は、前記ブロック固定用金具が固定された状態で該ブロック固定用金具による上下方向の位置調整ができるに十分な開口部を備えていることを特徴とするブロック用装飾部材。
【請求項2】
前記浸食防止緩衝部材は、発泡材料により形成された厚みのある素材であり、
前記縦枠の外表面には、前記浸食防止緩衝部材の一部を収納する凹部が形成され、
かつ、前記浸食防止緩衝部材の厚みは、前記凹部の深さよりも厚いことにより、該浸食防止緩衝部材の一部が前記凹部に収納されて固定された状態で、該浸食防止緩衝部材の一部は、前記縦枠よりも突出していることを特徴とする請求項1記載のブロック用装飾部材。
【請求項3】
前記浸食防止緩衝部材は、ゴム弾性を備えることを特徴とする請求項2記載のブロック用装飾部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のブロック用装飾部材をコーナーブロック間に固定したブロック構築物であって、
前記ブロック固定用金具は、ブロックの横目地を利用して固定され、
前記枠体と前記コーナーブロックとは前記浸食防止緩衝部材により直接接触することが防止されていることを特徴とするブロック構築物。
【請求項5】
前記浸食防止緩衝部材と前記コーナーブロックとの間又は前記浸食防止緩衝部材の露出面は、コーキング処理されていることを特徴とする請求項4記載のブロック構築物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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