説明

プッシュメッセージによって開始されるサービスのための装置および方法

本発明は、移動通信端末(102a)と、移動通信端末の方法と、ネットワークノード(106a)と、そして、移動クライアント端末(102a)にサービスを配信するためのベアラサービスに要求されるサービス品質に対してサービスプロバイダが影響を及ぼすことを可能にするネットワークノードの方法とに関するものであり、その場合、そのサービスはサービスプロバイダからのプッシュメッセージ(309)によって開始され、ベアラサービスの設定はプッシュメッセージの受信後にクライアント端末によって開始される(304)。本発明に従えば、プッシュメッセージ(309)は、クライアント端末(102a)に配信されるサービスコンテンツの表示だけでなく、サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用にサービスプロバイダが推奨するサービス品質パラメータの組も含んでいる。それによって、クライアント端末(102a)は、ベアラサービスの設定を要求するとき、サービスプロバイダの推奨を考慮に入れることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、同一出願人による同時係属の、2004年7月5日出願の発明の名称を「通信ネットワークにおけるサービス品質管理のためのバインディングメカニズム(Binding Mechanism for Quality of Service Management in a Communication Network)」という国際特許出願番号PCT/SE04/__と、2004年7月5日出願の発明の名称を「サービス品質パラメータをHTTPメッセージに供給するための方法と装置(Methods and Devices for Supplying Quality of Service Parameters in HTTP Messages)」という国際特許出願番号PCT/SE04/__と、2004年7月5日出願の発明の名称を「サービス品質を変更する方法および装置(Methods and Devices for Changing Quality of Service)」という国際特許出願番号PCT/SE04/__とに関係するものであり、それらの開示は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、移動通信システムにおける装置と方法に関するものであり、特に、パケットデータサービスに関する送信のサービス品質要求の制御に関するものである。
【背景技術】
【0003】
データビット形式でパケットベースの情報通信を行う通信ネットワークは、当業者にはよく知られている。移動通信の重要性が増すにつれ、無線接続によってデータを転送する需要が高まる。ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)は、無線通信ネットワーク上で動作するアプリケーションを運用者や製造者が提供できるようにする一組のプロトコルを定義する。WAPアーキテクチャを介して提供可能なサービスの一例にWAPプッシュがあるが、これはコンテンツを移動体機器にプッシュするサービスである。
【0004】
この“プッシュ(push)”技術は、クライアント/サーバモデルの中のサーバが、クライアントからの明確な要求がなくても、情報をクライアントに送信することを意味している。これは“プル(pull)”技術とは異なっている。プル技術は代表的な例で言えば、ワールドワイドウェブ(World Wide Web)を閲覧するのに用いられており、この場合、クライアントがサーバからのサービスや情報を要求し、サーバはクライアントに情報を送信することによって応答する。言い換えると、情報の“プル”トランザクションはクライアントから開始され、他方、“プッシュ”トランザクションはサーバが開始する。
【0005】
WAPプッシュ動作では、プッシュイニシエータ(PI)がプッシュコンテンツおよび配信命令をプッシュプロキシゲートウェイ(PPG)に送信し、PPGはその後、配信命令に従って、WAPクライアント、例えば、移動電話や何か他の種類のWAP機能を持つ端末にプッシュコンテンツを配信する。
【0006】
PIは、普通のウェブサーバ上で実行されるアプリケーションであってもよい。PIはプッシュアクセスプロトコル(PAP)を用いてPPGと通信し、他方、PPGはプッシュ・オーバ・ジ・エア(OTA)プロトコルを用いてプッシュコンテンツをクライアントに配信する。WAPプッシュの枠組みに関する詳細情報は、非特許文献1に見出すことができる。
【0007】
非特許文献1で説明されているとおり、プッシュコンテンツの配信には、多くの場合、クライアントがベアラを起動させる必要がある。このためクライアントは、PPGからのセッション開始要求(SIR)を聴取し、端末が適切だと考えるベアラサービスを起動してその後、所望のPPGに連絡を取ることによって応答するようなアプリケーションを備えている。SIRはコネクションレス・プッシュを用いてクライアントに送信されることが多く、例えば、1個のSMSの中に組み込まれる。
【0008】
WAPプッシュの枠組みにより、どんなMIMEメディアタイプでもPIとクライアントの間で配信ができる。既存のMIMEタイプでは未提供の機能を追加するため、いくつかの特定のメディアタイプも具体的に定義されている。そのような特定のメディアタイプの一例として、サービス表示(SI)メディアタイプがあるが、これは非同期の方法でクライアントに通知を送信する機能を提供する。その通知は、例えば、新着の電子メール、株価の変動やサッカーの試合のスコア、ニュースの見出し、広告、前払残高低下の注意等であってもよい。基本的なSIは、短いメッセージと、サービスを表示するUR(Uniform Resource Identifier)とを有する。そのメッセージはクライアントの適切なアプリケーションへと送信され、受信時にエンドユーザに提示される。ユーザは、URIが表示するサービスをすぐに開始するか、あるいは後で処理するようSIを延期するかの選択肢が与えられる。URIによって表示されるサービスの開始をユーザが選択すると、端末の中でそのサービスのために規定されている要件に従って、アプリケーションがベアラサービスの設定を開始する。
【0009】
プッシュ用に特に定義されているメディアタイプの別の例として、サービスローディング(SL)メディアタイプがある。SIと違って、SLはユーザの関与をまったく含まない。SLは、コンテンツが実行/提供されるべきか、あるいはキャッシュメモリの中に配置されるべきかというエンドユーザの確認や命令がなくても、クライアントによってロードされる何らかのコンテンツを指し示すURIを有している。クライアント端末のアプリケーションでSLを受信した後、受信側のアプリケーションはPIからクライアントにコンテンツを配信するためのベアラサービスの設定を開始する。SLについてのさらなる情報、およびSLがクライアント端末の他の動作とどのように調整されるかについてのさらなる情報は、非特許文献2に見出すことができる。
【非特許文献1】WAPプッシュアーキテクチャの概要(WAP Push Architectural Overview)、2001年7月3日版、WAPフォーラム(登録商標)、ウェブサイト<URL:http://www.wapforum.org>
【非特許文献2】サービスローディング(Service Loading)、2001年7月31日版、WAPフォーラム(登録商標)、ウェブサイト<URL:http://www.wapforum.org>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
SIとSLに共通する特徴は、PIがクライアントに配信することを望むサービスコンテンツのことをクライアントに知らせるため、サービス表示メッセージ(SI)またはサービスローディング(SL)のメッセージをクライアントに送信することによって第1のサービス開始を行うのはPI(即ち、クライアント/サーバモデルのサーバのこと)であるとしても、コンテンツ配信のためのベアラサービスの設定を開始するのはクライアントである点である。ベアラサービスの設定を要求するとき、クライアントはそのベアラサービスの特定のサービス品質(QoS)についても要求する。ベアラサービス用に要求されたQoSは、1組のQoSパラメータによって指定される。要求されたベアラQoSに対するアプリケーションレベルからのマッピングはクライアント端末で行われるが、これは端末ベンダの端末での符号化に依存する。従って、同じサービス表示メッセージ(SI)であっても、異なるベンダの端末に送信されると、ベアラQoSが異なるという結果になることもあり得る。さらにまた、クライアント端末が要求するQoSは、サービスを提供するPIの観点からすればサービスコンテンツ配信に適しているとは全く言えないこともあり得る。
【0011】
本発明の目的は、プッシュメッセージによって開始されるサービスのサービスプロバイダが、そのサービスプロバイダからのサービスコンテンツをクライアント移動体端末で受信するために設定されるベアラサービスのサービス品質パラメータの選択に影響を及ぼすことが可能な装置と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、請求項1および10に従う移動通信端末、請求項11および20に従う移動通信端末における方法、請求項21に従うネットワークノード、そして、請求項33に従うネットワークノードの方法によって達成される。
【0013】
本発明の基本的な考え方とは、サービスプロバイダがサービスを開始する契機となるプッシュメッセージ中のサービスコンテンツの表示だけでなく、1組の推奨サービス品質パラメータも転送することである。それによって、移動端末は、プッシュメッセージ受信時に、1組の推奨サービス品質パラメータを取り出すことができ、また、プッシュメッセージによって示されるサービスコンテンツを受信するためのベアラサービスを要求するときに、その1組の推奨サービス品質パラメータを考慮に入れることができる。本発明の基本的な考え方を実施するには、新たな修正された移動端末、新たな修正されたネットワークノード、並びに、それらの移動端末およびネットワークノードに新たな方法がそれぞれ必要であるが、それらはすべて、本発明の異なる態様によって提供される。
【0014】
本発明を第1の側面からみると、サービスプロバイダから少なくとも1個のパケットデータサービスを受信するためのアプリケーションを備えた移動通信端末が提供される。そのアプリケーションは、サービスプロバイダからプッシュされたサービス表示メッセージを受信するように構成されており、そのサービス表示メッセージは、サービスプロバイダが端末に配信するためのサービスコンテンツを有しているという情報を含んでいる。アプリケーションはさらに、サービスコンテンツ受信のためのベアラサービスの設定を開始するよう構成されている。移動通信端末はさらに、受信したサービス表示メッセージに含まれている1組の推奨サービス品質パラメータを取り出す処理手段を有している。この推奨サービス品質パラメータの組は、サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用に端末が要求することをサービスプロバイダが推奨している1組のサービス品質パラメータである。その処理手段はさらに、その推奨サービス品質パラメータの組に基づいて処理済サービス品質パラメータの組を決定し、サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用にその処理済サービス品質パラメータの組を要求するため、その推奨サービス品質パラメータの組を処理するように構成されている。
【0015】
第2の側面からみると、本発明はパケットデータサービスの組をサービスプロバイダからクライアント移動体端末に提供するネットワークにおけるネットワークノードを提供する。このネットワークノードは、第1のクライアント端末にプッシュ送信されるサービス表示メッセージを創成するためのメッセージ創成手段と、そのサービス表示メッセージを第1のクライアント端末にプッシュするためのインタフェースとを有している。メッセージ創成手段は、サービスプロバイダが第1のクライアント端末に配信するサービスコンテンツを有しているという情報と、サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用に第1のクライアント端末が要求することをサービスプロバイダが推奨する推奨サービス品質パラメータの組とを、サービス表示メッセージの中に含めるように構成されている。
【0016】
第3および第4の側面からみると、本発明は移動通信端末における方法とネットワークノードにおける方法とを提供する。
【0017】
本発明の利点は、移動端末が要求するサービス品質パラメータにサービスプロバイダが影響を及ぼすことが可能になることである。サービスプロバイダはサービスコンテンツの特徴を知っているため、サービスコンテンツ配信用の適切なサービス品質パラメータを移動端末よりうまく決定できる可能性があるので、これは有益である。また、サービスプロバイダが、高品質のサービスを提供するサービスプロバイダとしての自社のイメージと評判を維持するため、自社サービスの1つと関連して使用されるサービス品質パラメータに影響を及ぼすことを望むこともできる。もし端末があまりに低品質のサービスを要求するならば、たとえサービスの低品質の原因が端末の構造にあったとしても、サービスコンテンツのプロバイダに悪い印象を与えることがあるかもしれない。
【0018】
本発明のもう1つの利点は、同じサービスまたは同じタイプのサービスについて、異なる端末間でより均一な品質を実現できるようにすることである。本発明の好適な実施例に従う移動端末はベアラサービス用に推奨サービス品質パラメータの組を要求するよう構成されてもよいため、移動端末の符号化がベアラサービスのサービス品質に与える影響を弱めることができる。従来技術による解決策では、移動端末は通常、予め定義されたPDPコンテキストを要求するよう“ハードコーディングされている(hard coded)”。端末ベンダが違えば符号化も違うことがあり、これは、端末のベンダが違えば、端末に対するサービス品質が異なることにつながる。
【0019】
本発明のさらにもう1つの利点は、ベアラサービス用に要求されたサービス品質パラメータの柔軟な決定が可能となり得ることである。本発明によって、移動端末はたった1つまたはごく少数の予め定義されたベアラサービスのサービス品質パラメータを要求することに限定される必要がなくなる。
【0020】
本発明の実施例のさらなる利点や特徴は、図面に関連して下記の詳細説明を読むと明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明について、本発明の好適な実施例が示されている添付図面を参照しながら以下に詳しく説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施されることができ、この明細書の中に述べられた実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は、本開示が十分かつ完全であって当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように備えられたものである。なお、図面中、同じ番号は同じ要素に言及している。
【0022】
本発明は移動通信システムにおけるパケット交換サービスに適用可能であり、それらのサービスはプッシュメッセージによってサービスプロバイダから開始される。それらのサービスには、エンドユーザのクライアント移動体端末とアプリケーションサーバとの間のパケット交換通信が含まれる。移動通信システムには、クライアント移動体端末が属しているWCDMA、CDMA2000、無線LAN、GPRSネットワークのような無線ネットワークが含まれる。
【0023】
図1は、本発明が用いられる移動通信システムの一般的なネットワークアーキテクチャを図示する模式的なブロック図である。図1の移動体システム101は、サービスプロバイダのネットワークノード106と通信し、それによってサービスプロバイダが提供するサービスを受信するクライアント移動体端末102を有する。クライアント端末102とネットワークノード106との間の通信は、無線ネットワーク103、コアネットワーク104、そしてサービスネットワーク105を介して行われる。無線ネットワーク103は、例えば、UTRAN(UMTS地上無線アクセス網)或はCDMA2000ネットワークであってもよく、コアネットワーク104は、例えば、UMTSコアネットワークであってもよく、サービスネットワークは、例えば、インターネットやサービスプロバイダの専用IPネットワークであってもよい。サービスプロバイダのネットワークノード106は、例えば、アプリケーションサーバ、或はプッシュプロキシゲートウェイであってもよい。
【0024】
図2は、サービスプロバイダのネットワークノードからのプッシュメッセージによって開始される従来技術に従うサービスを模式的に図示した流れ図である。そのサービスは、例えば、クライアント移動体端末のユーザがW杯中のサッカーのゴールシーンを写した画像を予約できるようにするサービスであってもよい。サッカーの最新ゴールの画像が入手可能であるとき、サービスプロバイダはプッシュメッセージによって最新画像のことをユーザに知らせる。図2は、サービスプロバイダのネットワークノード106が、ステップ201で、プッシュメッセージ209をクライアント移動体端末102に送信することによってサービスを開始することを図示している。この例では、プッシュメッセージ209は、WAP PUSHおよびSMSを介してクライアント移動体端末に送信されるWAPプッシュサービスローディング(SL)メッセージであり、サービスコンテンツ、即ち、画像は、SLメッセージの中に含まれるURIによって示される。そのSLメッセージはクライアント移動体端末の適切なユーザエージェントまたはアプリケーション210に対して宛てられる。この場合、そのサービスはMMSベアラ上で配信される予定であると想定されるため、プッシュメッセージはMMSエージェントに宛てられる。クライアント移動体端末でSLメッセージが受信されると、SLメッセージは対象ユーザエージェント210に転送され、それから対象ユーザエージェント210がステップ202で起動し、その後、ステップ203で、予め構成されたPDPコンテキストをMMSベアラを用いて要求する。PDPコンテキストが設定されたという確認をクライアント移動体端末が受信すると、その端末は、ステップ204で、受信したURIによってサービスコンテンツを入手できる。
【0025】
図2の図解から明らかだが、サービスを開始するのはサービスプロバイダだが、サービスコンテンツ配信用のベアラサービスの設定を要求するのはクライアント端末102である。従って、PDPコンテキストパラメータと、それによってベアラのサービス品質(QoS)を要求するのは、クライアント移動体端末である。現在は、各ユーザエージェントまたはアプリケーションは、クライアント移動体端末の中に“ハードコーディングされた(hard coded)”選択されたQoSクラスで予め構成されたPDPコンテキストに結合される。
【0026】
UMTS(全球規模移動体通信システム)では、QoSはUMTSベアラサービスを規定する1組の属性によって定義されている。UMTSのQoS属性は以下のようである。即ち、
−トラヒッククラス
−最大ビットレート
−保証ビットレート
−配信順序
−最大SDUサイズ
−SDUフォーマット情報
−SDU誤り率
−未解決ビット誤り率
−誤ったSDUの配信
−転送遅延
−トラヒック処理優先順位
−割当/捕捉優先順位
−資源統計記述子
−シグナリング表示
である。
【0027】
これらの属性は、所定のUMTS QoSクラス、即ち、会話クラス、ストリーミングクラス、インタラクティブクラス、バックグラウンドクラスにマップすることができる。UMTS QoSについての詳細情報は、技術仕様書3GPP TS23.107 V6.1.0(2004−03)及び3GPP TS 23.207V6.2.0(2004−03)に見出すことができる。
【0028】
QoSクラスは、PDPコンテキスト管理を用いてネゴシエーションされ管理される。アプリケーションレベルのQoSの要件は、クライアント移動体端末の中のPDPコンテキストパラメータにマップされる。従来技術による解決策では、パケット交換アプリケーションが起動してネットワークに接続する時、一致する事前構成されたPDPコンテキストが起動されるように、PDPコンテキストの事前構成がクライアント端末で行われる。このPDPコンテキストは、そのアプリケーションの所望のQoS要件に合致すべき選択されたQoSクラスを有している。例えば、そのアプリケーションがWAPブラウザまたはMMSクライアントであるとすれば、起動されたPDPコンテキストのQoSクラスは通常、インタラクティブクラスである。
【0029】
従って、従来技術の解決策では、図2に図示した例の中でサービスコンテンツ配信のために設定されたベアラサービス用のQoSパラメータの選択は、端末ベンダのクライアント移動体端末の構成に依存する。サービスプロバイダはQoSパラメータの選択に影響を与えることはできない。多くの場合、特にサービスプロバイダの観点から、これは問題をはらんでいるが、サービスコンテンツの配信に適していないQoSでベアラサービスを設定する結果にでもなれば、ユーザの立場から見ても問題がある。サービスプロバイダは通常、提供するサービスが一定の最低限の品質で配信されることを保証できることに関心がある。サービス品質が悪いと、たとえ悪い品質の原因がネットワークオペレータや端末ベンダであった場合にも、サービスプロバイダの評判に傷がつく可能性がある。QoSが悪いと、サービスのユーザはいら立ち、品質が悪いと言ってサービスプロバイダを非難するであろう。あるサービスコンテンツを受信するとき、1つの端末を持つあるユーザに対して受け入れ難い悪いQoSがもたらされる一方で、別のベンダが提供している端末を持つ別のユーザに対しては、同じサービスコンテンツを受信するとき、満足できるQoSがもたらされるということも起こり得る。
【0030】
本発明によると、プッシュメッセージによって開始されるサービスのサービスコンテンツを配信するのに使われるベアラサービスのQoSパラメータの選択に、サービスプロバイダが影響を与えることができる。これは、クライアント移動体端末によって設定されるベアラサービス用としてサービスプロバイダが推奨する推奨QoSパラメータも含めるようにプッシュメッセージを修正することによって達成される。
【0031】
図3は、図2に図示したサービスに対応するけれども、本発明が適用されるサービスを模式的に図示する流れ図である。図3は、サービスプロバイダのネットワークノード106aが、ステップ301で、プッシュメッセージ309をクライアント移動体端末102aに送信することによってサービスを開始することを図示している。本発明によれば、プッシュメッセージ309は推奨QoSパラメータの組を有している。プッシュメッセージ309は、例えば、推奨QoSパラメータの組を追加することにより修正を施されたWAPプッシュサービスローディング(SL)メッセージであってもよい。プッシュメッセージ309がクライアント移動体端末で受信されると、プッシュメッセージ309は対象ユーザエージェント310に転送され、その後、対象ユーザエージェント310はステップ302で起動する。ユーザエージェント310或はクライアント移動体端末の中の支援ソフトウェアは処理手段311に提供され、その処理手段は、その後、ステップ303で、プッシュメッセージから推奨QoSパラメータの組を取り出して処理し、推奨QoSパラメータの組に対応するPDPコンテキストパラメータを決定する。その後、ステップ304で、ユーザエージェントは、ステップ303で決定されたPDPコンテキストパラメータを使ってPDPコンテキストを要求する。PDPコンテキストが設定されたという確認をクライアント移動体端末が受信した時、その端末はステップ305でサービスコンテンツを入手できる。
【0032】
図3に図示された手順によって、サービスプロバイダは、クライアント移動体端末内部の“ハードコーディングされた(hard coded)”QoSパラメータに依存する代わりに、ベアラサービスのQoSに影響を与えることができるようになる。図3の手順を実施するには、推奨QoSパラメータの組も含むようにプッシュメッセージを修正するためにプッシュメッセージの送り手側で、そして、修正されたプッシュメッセージを解釈するために端末側で、それぞれ修正が必要である。
【0033】
本発明に従う移動端末102aは、移動体端末に配信されるサービスコンテンツを表すプッシュメッセージ309の中の推奨QoSパラメータの組を取り出して処理するように適合されている。プッシュメッセージから推奨QoSパラメータの組を取り出し、取り出したパラメータの組を処理し、そして、取り出したパラメータの組に基づいてベアラサービス用のQoSを要求する処理手段311で従来技術による端末を補完することによって、そのような移動端末が実現できる。好適な実施例に従う処理手段311はプッシュメッセージ309が対象としたアプリケーション310のソフトウェアコード手段であろう。また、その処理手段は、アプリケーションの外側にあって、プッシュメッセージの受信時にアプリケーションが呼び出すような、支援ソフトウェア機能のソフトウェア手段であってもよい。一般的なコンピュータ言語を用いてそのようなソフトウェアコード手段がここで説明した機能を実行できるために、そのようなソフトウェアコード手段を実装する方法は当業者にはよく知られており、これ以上詳細には説明しない。
【0034】
本発明に従う移動端末102aの好適な実施例によれば、プッシュメッセージ309の中の推奨QoSパラメータの組を使ってサービスプロバイダが推奨するのと同じQoSを設定予定のベアラサービス用として要求するように、その移動体端末が構成されている。しかしながら、移動体端末が推奨QoSパラメータの組を処理し、若干異なるQoSをベアラサービス用に要求するよう決定することも可能である。端末ベンダは、例えば、サービスプロバイダが推奨する何らかの帯域幅に対しても常にあるマージンを加えるように移動体端末を実現するかもしれない。例えば、サービスプロバイダが64kb/sの保証ビットレートをベアラサービスに推奨していることを示すQoSパラメータをプッシュメッセージが有していると仮定しよう。移動体端末は、その後、プッシュメッセージ中のQoSパラメータを処理するとき、2kb/sのマージンを加えるように実現されてもよく、従って、移動体端末はベアラサービス用に66kb/sの保証ビットレートを要求することになる。本発明の考え方は、このように、移動体端末は自分のQoS要求をサービスプロバイダの推奨するQoSに基づいて行えるけれども、それに完全に制限されないようにすることである。
【0035】
プッシュメッセージ309は、サービスプロバイダからプッシュされたメッセージであって、移動体端末に配信するサービスコンテンツをサービスプロバイダが有しているという情報を含むことによってサービスを開始するものであれば、いかなるタイプであってもよい。本発明に従うプッシュメッセージ309は、推奨QoSパラメータの組も有している。そのプッシュメッセージは、例えば、推奨QoSパラメータの組を追加した形のQoS情報を備えたWAPプッシュサービス表示メッセージ或はWAPプッシュサービスローディングメッセージであってもよい。サービスプロバイダが端末に配信するサービスコンテンツを有しているという情報は、例えば、サービスコンテンツを示すURI(Uniform Resource Identifier:ユニフォーム・リソース・アイデンティファイア)であってもよい。
【0036】
プッシュメッセージ309は多様な技術を用いて移動体端末にプッシュされてもよい。一つの技術は、プッシュメッセージをSMSの中で配信することである。移動体端末が別のサービス用に確立された一次PDPコンテキストをすでに有しているならば、プッシュメッセージを一次PDPコンテキストにより端末102aに転送することも可能であるかもしれない。移動端末は、その後、プッシュメッセージ309によって示されたサービスコンテンツを配信するための二次PDPコンテキストを要求するであろう。
【0037】
時には、プッシュメッセージを受信したとき、サービスコンテンツを受信するためのベアラサービスを設定しない方が望ましい場合もある。これは、例えば、端末の電池残量が少ない場合や、その時ローミング中であるか外国に滞在中で、ユーザの加入条件が海外へのサービス配信をサポートしていない場合などが該当する。そのような場合、移動体端末102aは、プッシュメッセージ309に応答しないか、または、例えば、電池が充電されるか端末がローミングしていない状態になるかのいずれかになるまで提案されたサービスの受信を遅延させるかによって、その提案されたサービスを拒否するように構成されてもよい。
【0038】
ネットワーク側、即ち、プッシュメッセージ309を創成して送信する側では、本発明の異なる幾つかの実施例がありえる。さまざまなネットワークノードが、端末にプッシュされるメッセージの中に推奨QoSパラメータの組を含むように適合されてもよい。QoS情報は、例えば、アプリケーションサーバ、ポリシサーバ、或は、プッシュプロキシゲートウェイによって提供されてもよい。
【0039】
図4は、アプリケーションサーバ409がQoS情報をプッシュメッセージ309に挿入する状況の例を図示する模式的な流れ図である。この例では、プッシュメッセージは、端末102aに配信されるサービスコンテンツを提供するアプリケーションサーバ409で創成されるWAPプッシュメッセージである。この実施例に従えば、メッセージ309は、対象ユーザエージェント(UA)の表示、通常のWAPプッシュサービスローディング(SL)メッセージの情報、そして、推奨QoSパラメータの組を有している。プッシュメッセージ309は、ステップ401aでプッシュプロキシゲートウェイ410へと送信される。そのメッセージは、「今日のOMA/WAP標準」で定義されているPAP API(プッシュ・アクセス・プロトコル・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(Push Access Protocol Application Programming Interface))の修正バージョンを使って送信されてもよく、これについてはWAPフォーラム(登録商標)のウェブサイト(http://www.wapforum.org)で公開中の文書“プッシュ・アクセス・プロトコル(Push Access Protocol)、2001年4月29日版”を参照されたい。APIは、QoSパラメータの組をプッシュメッセージの中に包含するのをサポートするように修正される必要がある。メッセージを端末102aに転送する前に、プッシュプロキシゲートウェイは、ステップ402で、アプリケーションサーバ409がメッセージを端末に送信することを許可されていることを、ポリシサーバ411を使ってチェックする。ポリシサーバ411からの確認後、プッシュプロキシゲートウェイ410は、推奨QoSパラメータの組を含むメッセージ309を端末102aに転送する。この例では、転送はSMSを使って行われる。上述のとおり、端末102aはそれから、指定されたユーザエージェントを起動してメッセージを処理し、その後、そのユーザエージェントは、ステップ403aで、UTRANのRNC(無線ネットワーク制御局)を介して、UMTSコアネットワークのSGSN(サービングGPRSサポートノード)にPDPコンテキストを起動する要求を送信することによって、PDPコンテキストを起動するであろう。この要求は、プッシュメッセージ309で送信された推奨QoSパラメータの組を含んでいることが好ましい。当業者にはよく知られているように、PDPコンテキストの起動は、その後、SGSN413からGGSN(ゲートウェイGPRSサポートノード)412へのPDPコンテキスト創成要求、GGSNからSGSNへのPDPコンテキスト創成応答、そして、SGSNから端末へのPDPコンテキスト起動承認というように、ステップ403bからdへと続く。PDPコンテキストが設定されると、ステップ404で、端末はプッシュメッセージに指定されたサービスコンテンツをフェッチでき、ステップ405で、アプリケーションサーバ409はサービスコンテンツを端末に配信する。
【0040】
図5は、ポリシサーバ411がプッシュメッセージ309でQoS情報を提供する別の実施例の一例を図示する模式的な流れ図である。この場合、アプリケーションサーバ409は、ステップ501で、従来技術による解決策と同じ方法でWAPプッシュメッセージをプッシュプロキシゲートウェイ410に送信する。プッシュプロキシゲートウェイ410はそれから、ステップ502で、アプリケーションサーバがメッセージを端末に送信することが許可されていることを、ポリシサーバを使ってチェックする。ポリシサーバは、ステップ503で、端末に転送されるべき推奨QoSパラメータの組を応答のプッシュメッセージで送信する。プッシュプロキシゲートウェイ410はそれから、ステップ504で、QoS要件の組を添えてアプリケーションサーバから受信したメッセージを、SMSを使って端末102aに転送する。図5に図示する残りのステップ505a−d、506、及び507は、図4に図示して上記で説明したステップ404a−d、405、及び406と同じである。
【0041】
図6はプッシュプロキシゲートウェイ410がプッシュメッセージ309にQoS情報を提供して挿入する別の代替の実施例の一例を図示する模式的な流れ図である。この場合、アプリケーションサーバ409は、ステップ601で、従来技術による解決策と同じ方法でWAPプッシュメッセージをプッシュプロキシゲートウェイ410に送信する。プッシュプロキシゲートウェイ410はそれから、ステップ602で、アプリケーションサーバがメッセージを端末に送信することを許可されていることを、ポリシサーバ411を使ってチェックする。ポリシサーバからの確認後、プッシュプロキシゲートウェイは、ステップ603で、端末に送信されるべきQoSパラメータの組を決定し、その組をアプリケーションサーバから受信したプッシュメッセージの中に挿入する。このQoSパラメータが、例えば、サービスコンテンツのタイプと、サービスコンテンツを提供するアプリケーションと、端末が存在するネットワークとの内、少なくともいずれかに依存する規則の組に基づいて決定されるように、プッシュプロキシゲートウェイが実現されてもよい。プッシュプロキシゲートウェイ410はそれから、ステップ604で、創成されたプッシュメッセージをQoS要件の組と共に、SMSを使って端末102aに転送する。図6に図示した残りのステップ605a−d、606、及び607は、図4に図示して上記で説明したステップ404a−d、405、及び406と同じである。
【0042】
端末へとプッシュされるメッセージに推奨QoSパラメータを決定して挿入するように異なるネットワークノードが適合されることは、図4〜図6に図示した例から明らかである。図3に図示されたネットワークノード106aは、従って、例えば、アプリケーションサーバ409、ポリシサーバ411、或はプッシュプロキシゲートウェイ410を表している。推奨QoSパラメータをプッシュメッセージ309に挿入するため、ネットワークノードは好ましくは、推奨QoSパラメータの組を含むプッシュメッセージの創成をサポートするソフトウェアコード手段312とともに実装されるとよい。そのネットワークノードはまた、メッセージを端末102aにプッシュするためのインタフェース313を含む必要があるだろう。推奨QoSパラメータの決定に責任があるノードは、これを行うための手段314を備えている必要があるだろう。そのような手段は、例えば、ある特定の基準に基づいて推奨QoSパラメータを導出するための規則や公式を定義するソフトウェアコード手段であってもよい。推奨QoSパラメータが依存するそのような特定の基準とは、例えば、端末ユーザの加入条件のタイプ、端末に配信されるべきサービスコンテンツのタイプ、サービスを配信するアプリケーション、曜日、あるいは、ネットワーク負荷や端末の地理的位置といった何らかの関連ネットワーク情報であってもよい。
【0043】
QoSパラメータを決定するノードにもよるが、異なる基準を考慮することも可能である。例えば、サービスプロバイダがCNNであるとするならば、CNNは同社のサービスについて常に128kb/sの保証ビットレートで受信するようにネットワーク運用者と合意を結んでいるかもしれない。その場合、推奨QoSパラメータを決定するノードは、CNNがサービスコンテンツを配信しているときは、推奨QoSパラメータの1つは128kb/sの保証ビットレートとすることを決定するように構成されてもよい。もう一つの例は、推奨QoSパラメータが端末ユーザの加入条件に依存するときである。第1のユーザがあるネットワーク運用者との“ゴールド(第1級)の加入条件”を有しており、第2のユーザがそのネットワーク運用者との“シルバー(第2級)の加入条件”を有していると仮定しよう。その場合、もしプッシュメッセージが第1の端末に送信される予定であるならば128kb/sの保証ビットレートが推奨QoSパラメータであり、もしプッシュメッセージが第2のユーザに送信される予定であるならば64kb/sの保証ビットレートが推奨QoSパラメータであることが、例えば、ポリシサーバによって決定されてもよい。
【0044】
また、推奨QoSパラメータの組の決定にいくつかのネットワークノードが関与することもあり得る。アプリケーションサーバが、例えば、推奨QoSパラメータの第1の組を決定し、それをポリシサーバが端末ユーザの加入条件をチェックした後で修正してもよい。また、推奨QoSパラメータの決定は、いくつかのネットワークノード間のネゴシエーションに基づいて決定されてもよい。
【0045】
推奨QoSパラメータの組は1つのパラメータ値、或は、複数のパラメータを含むことがある。推奨QoSパラメータの組は、明確なパラメータ値の形、定義済のUMTS QoS属性についての推奨値の形、或はPDPコンテキストパラメータでもよい。また、推奨Qosパラメータの組は、そのためのQoSパラメータが事前に決定されている予め定義された推奨UMTS QoSクラスの表示とすることもできる。
【0046】
図7は、あるシナリオを図示する模式的な流れ図である。このシナリオでは、一次PDPコンテキスト701が存在し、プッシュメッセージ309が一次PDPコンテキストにより端末102aに転送される。一次PDPコンテキストにより、端末ユーザがインターネットを閲覧できるように設定されていてもよい。インターネット閲覧中、ステップ702で、ユーザは自分がMP3ファイルを聴取したいと思っていることを示唆することがあり、それに起因して、アプリケーションサーバ409が、ステップ703aで、二次PDPコンテキストの設定を開始するため、プッシュメッセージ309をプッシュプロキシゲートウェイ410に送信することがある。プッシュプロキシゲートウェイは、プッシュメッセージ309を端末102aに転送する前に、ステップ704でポリシチェックを開始してもよい。プッシュメッセージ309は、通常のIP接続を用いてGGSN412に転送され、一次PDPコンテキスト701によりGGSN412から端末102aに転送される。プッシュメッセージ309と端末102aの推奨QoSパラメータの組とを処理した後、ステップ705a−705dで、二次PDPコンテキストが設定される。サービスコンテンツが、その後ステップ706で、二次PDPコンテキストにより端末102aに配信され、それにより端末ユーザはMP3ファイルを聴取できるようになる。図7のプッシュメッセージ309の例示は、そのプッシュメッセージがTFT(トラフィック・フロー・テンプレート)を含んでいることを示している。TFTは、当業者にはよく知られているとおり、2つのPDPコンテキストのうちどちらでペイロードを送信すべきかを決定するメカニズムを提供するために送信される。
【0047】
本願では、推奨QoSパラメータの組は、サービスコンテンツ受信のためのベアラサービス用に端末が要求することをサービスプロバイダが推奨するQoSパラメータの組であることについて述べた。なお、この文言は、異なるネットワークノードが異なる基準に基づいて推奨QoSパラメータを決定する上記の複数の例をすべて包含することが意図されている。“サービスプロバイダ”という用語は、従って、広義に解釈されるべきであり、例えば、サービスコンテンツのプロバイダとネットワークベアラサービスを提供するネットワークオペレータとを両方包含すると解釈されるべきである。
【0048】
本発明により、サービスプロバイダからのプッシュメッセージの中に示されていたサービスコンテンツを配信するためのベアラサービス用に端末が要求するQoSにサービスプロバイダが影響を与えることが可能になることが、本発明の代表的な実施例から明らかである。本発明は推奨QoSパラメータの組をプッシュメッセージの中に含める可能性を提供しているのであるから、このことが可能である。
【0049】
図面と明細書において、本発明の代表的な好適な実施例を開示してきたが、特定の用語が採用されているとはいえ、それらは一般的な説明の意味でのみ用いられているのであって、限定を目的としているのではなく、本発明の範囲は添付した請求の範囲において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明が用いられる移動通信システムの一般的なネットワークアーキテクチャを図示する模式的なブロック図である。
【図2】アプリケーションサーバからのプッシュメッセージによって開始される従来技術に従うサービスを模式的に図示する流れ図である。
【図3】図2に図示するサービスに対応するが、本発明が適用されているサービスを模式的に図示する流れ図である。
【図4】本発明に従うネットワークノードの代表的な実施例と本発明に従う移動通信端末の代表的な実施例との機能を図示する模式的なシグナリング/流れ図である。
【図5】本発明に従うネットワークノードの別の代表的な実施例と本発明に従う移動通信端末の代表的な実施例との機能を図示する模式的なシグナリング/流れ図である。
【図6】本発明に従うネットワークノードのさらにもう1つの代表的な実施例と本発明に従う移動通信端末の代表的な実施例との機能を図示する模式的なシグナリング/流れ図である。
【図7】本発明に従うネットワークノードのさらに別の代表的な実施例と本発明に従う移動通信端末の代表的な実施例との機能を図示する模式的なシグナリング/流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスプロバイダ(106a)から少なくとも1個のパケットデータサービスを受信するための、前記サービスプロバイダからプッシュされたサービス表示メッセージ(309)を受信するように構成されたアプリケーション(310)を備えた移動体通信端末(102a)であって、
前記サービス表示メッセージは、前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツを有しているという情報を含み、前記アプリケーションはさらに前記サービスコンテンツ受信のためのベアラサービスの設定を開始するよう構成されており、
前記移動通信端末はさらに、
前記受信したサービス表示メッセージ(309)に含まれている、前記サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用に前記端末が要求することを前記サービスプロバイダが推奨しているサービス品質パラメータの組である推奨サービス品質パラメータの組を取り出し、
前記推奨サービス品質パラメータの組を処理して、前記推奨サービス品質パラメータの組に基づいて、処理済サービス品質パラメータの組を決定し、
前記サービスコンテンツを受信する前記ベアラサービス用に前記処理済サービス品質パラメータの組を要求する処理手段(311)を有していることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
前記処理済サービス品質パラメータの組は、前記推奨サービス品質パラメータの組に等しいことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末。
【請求項3】
前記ベアラサービスはパケットデータプロトコルコンテキストであることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体通信端末。
【請求項4】
前記プッシュされたサービス表示メッセージ(309)は、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービスローディングメッセージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項5】
前記プッシュされたサービス表示メッセージは、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービス表示メッセージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項6】
前記端末は、予め確立された第1のパケットデータプロトコルコンテキスト(701)により前記プッシュされたサービス表示メッセージを受信するよう構成され、
前記サービスコンテンツを受信するための前記ベアラサービスは、第2のパケットデータプロトコルコンテキストであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項7】
前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツをもっているという情報は、前記サービスコンテンツを示すユニフォーム・リソース・アイデンファイア(URI)を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項8】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、前もって定義されたUMTS QoSクラスに対する表示を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項9】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、少なくとも1つのUMTS QoS属性に対する推奨値を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の移動体通信端末。
【請求項10】
サービスプロバイダ(106a)から少なくとも1個のパケットデータサービスを受信するための、前記サービスプロバイダからプッシュされたサービス表示メッセージ(309)を受信するように構成されたアプリケーション(310)を備えた移動体通信端末(102a)であって、
前記サービス表示メッセージは、前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツを有しているという情報を含み、前記アプリケーション(310)はさらに前記サービスコンテンツ受信のためのベアラサービスの設定を開始するよう構成されており、
前記移動通信端末はさらに、
前記受信したサービス表示メッセージに含まれている推奨サービス品質パラメータの組を取り出し、
前記サービスコンテンツを受信する前記ベアラサービス用に前記推奨サービス品質パラメータの組を要求する処理手段(311)を有していることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項11】
サービスプロバイダ(106a)から少なくとも1個のパケットデータサービスを受信するためのアプリケーション(310)を備えた移動体通信端末(102a)における方法であって、前記方法は、
前記アプリケーションが、
前記サービスプロバイダからプッシュされた、前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツを有しているという情報を含むサービス表示メッセージ(309)を受信する工程(301)と、
前記受信したサービス表示メッセージに含まれている、前記サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用に前記端末が要求することを前記サービスプロバイダが推奨しているサービス品質パラメータの組である推奨サービス品質パラメータの組を取り出す工程(303)と、
前記推奨サービス品質パラメータの組を処理して、前記推奨サービス品質パラメータの組に基づいて、処理済サービス品質パラメータの組を決定する工程(303)と、
前記サービスコンテンツを受信するベアラサービスの設定を開始し、前記ベアラサービス用に前記処理済サービス品質パラメータの組を要求する工程(304)を有していることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記処理済サービス品質パラメータの組は、前記推奨サービス品質パラメータの組に等しいことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ベアラサービスはパケットデータプロトコルコンテキストであることを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記プッシュされたサービス表示メッセージ(309)は、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービスローディングメッセージであることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記プッシュされたサービス表示メッセージは、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービス表示メッセージであることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記プッシュされたサービス表示メッセージは、予め確立された第1のパケットデータプロトコルコンテキスト(701)により受信され、
前記サービスコンテンツを受信するための前記ベアラサービスは、第2のパケットデータプロトコルコンテキストであることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツをもっているという情報は、前記サービスコンテンツを示すユニフォーム・リソース・アイデンファイア(URI)を有していることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、前もって定義されたUMTS QoSクラスに対する表示を有していることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、少なくとも1つのUMTS QoS属性に対する推奨値を有していることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
サービスプロバイダ(106a)から少なくとも1個のパケットデータサービスを受信するためのアプリケーション(310)を備えた移動体通信端末(102a)における方法であって、前記方法は、
前記アプリケーションが、
前記サービスプロバイダからプッシュされた、前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツを有しているという情報を含むサービス表示メッセージ(309)を受信する工程(301)と、
前記受信したサービス表示メッセージに含まれている推奨サービス品質パラメータの組を取り出す工程(303)と、
前記サービスコンテンツを受信するベアラサービスの設定を開始し、前記ベアラサービス用に前記処理済サービス品質パラメータの組を要求する工程(304)を有していることを特徴とする方法。
【請求項21】
パケットデータサービスの組をサービスプロバイダからクライアント移動体端末に提供するネットワークにおけるネットワークノード(106a)であって、前記ネットワークノードは、
第1のクライアント端末(102a)にプッシュ送信されるサービス表示メッセージ(309)を創成するためのメッセージ創成手段(312)と、
前記サービス表示メッセージ(309)を前記第1のクライアント端末(102a)にプッシュするインタフェース(313)とを有し、
前記メッセージ創成手段(312)は、前記サービスプロバイダが前記第1のクライアント端末に配信するサービスコンテンツを有しているという情報と、前記サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用に前記第1のクライアント端末が要求することを前記サービスプロバイダが推奨する推奨サービス品質パラメータの組とを、前記サービス表示メッセージ(309)の中に含めるように構成されていることを特徴とするネットワークノード。
【請求項22】
前記ネットワークノードはさらに、前記サービスコンテンツのタイプと、前記端末のユーザの加入タイプと、前記ベアラサービスが設定される前記ネットワークについての情報と、前記サービスコンテンツのプロバイダとの内の少なくとも1つについての入力情報に基づいて、前記推奨サービス品質パラメータの組を決定するパラメータ決定手段(314)を有することを特徴とする請求項21に記載のネットワークノード。
【請求項23】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、パケットデータプロトコルコンテキストの推奨サービス品質パラメータの組であることを特徴とする請求項21又は22に記載のネットワークノード。
【請求項24】
前記サービス表示メッセージ(309)は、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービスローディングメッセージであることを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項25】
前記サービス表示メッセージは、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービス表示メッセージであることを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項26】
前記ネットワークノードは、予め確立された第1のパケットデータプロトコルコンテキスト(701)により、前記サービス表示メッセージを前記第1のクライアント端末(102a)にプッシュするよう構成され、
前記推奨サービス品質パラメータの組は、第2のパケットデータプロトコルコンテキストのためのパケットデータプロトコルコンテキストの推奨サービス品質パラメータの組であることを特徴とする請求項21乃至25のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項27】
前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツをもっているという情報は、前記サービスコンテンツを示すユニフォーム・リソース・アイデンファイア(URI)を有していることを特徴とする請求項21乃至26のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項28】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、前もって定義されたUMTS QoSクラスに対する表示を有していることを特徴とする請求項21乃至27のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項29】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、少なくとも1つのUMTS QoS属性に対する推奨値を有していることを特徴とする請求項21乃至28のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項30】
前記ネットワークノードは、前記サービスプロバイダのアプリケーションサーバ(409)であることを特徴とする請求項21乃至29のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項31】
前記ネットワークノードはポリシサーバ(411)であり、
前記ポリシサーバはさらに、前記サービスプロバイダが前記第1のクライアント端末(102a)に前記サービス表示メッセージをプッシュすることが許されていることをチェックするために構成されていることを特徴とする請求項21乃至29のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項32】
前記ネットワークノードはプッシュプロキシゲートウェイ(410)であり、
前記プッシュプロキシゲートウェイは、アプリケーションサーバ(409)から受信したサービスメッセージに基づいて前記サービス表示メッセージ(309)を創成するために構成されていることを特徴とする請求項21乃至29のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項33】
パケットデータサービスの組をサービスプロバイダからクライアント移動体端末に提供するネットワークのネットワークノード(106a)における方法であって、前記方法は、
第1のクライアント端末(102a)にプッシュ送信されるサービス表示メッセージ(309)を創成する工程と、
前記サービス表示メッセージ(309)を前記第1のクライアント端末(102a)にプッシュする工程とを有し、
前記サービス表示メッセージ(309)は、前記サービスプロバイダが前記第1のクライアント端末に配信するサービスコンテンツを有しているという情報と、前記サービスコンテンツを受信するためのベアラサービス用に前記第1のクライアント端末が要求することを前記サービスプロバイダが推奨する推奨サービス品質パラメータの組とを含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
前記方法はさらに、前記サービスコンテンツのタイプと、前記端末のユーザの加入タイプと、前記ベアラサービスが設定される前記ネットワークについての情報と、前記サービスコンテンツのプロバイダとの内の少なくとも1つについての入力情報に基づいて、前記推奨サービス品質パラメータの組を決定することを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、パケットデータプロトコルコンテキストの推奨サービス品質パラメータの組であることを特徴とする請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記サービス表示メッセージ(309)は、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービスローディングメッセージであることを特徴とする請求項33乃至35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記サービス表示メッセージは、前記推奨サービス品質パラメータの組を付加することにより修正されたWAPプッシュサービス表示メッセージであることを特徴とする請求項33乃至35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記サービス表示メッセージ(309)は、予め確立された第1のパケットデータプロトコルコンテキスト(701)により前記第1のクライアント端末(102a)にプッシュされ、
前記推奨サービス品質パラメータの組は、第2のパケットデータプロトコルコンテキストのためのパケットデータプロトコルコンテキストの推奨サービス品質パラメータの組であることを特徴とする請求項33乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記サービスプロバイダが前記端末に配信するためのサービスコンテンツをもっているという情報は、前記サービスコンテンツを示すユニフォーム・リソース・アイデンファイア(URI)を有していることを特徴とする請求項33乃至38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、前もって定義されたUMTS QoSクラスに対する表示を有していることを特徴とする請求項33乃至39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記推奨サービス品質パラメータの組は、少なくとも1つのUMTS QoS属性に対する推奨値を有していることを特徴とする請求項33乃至40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記方法はさらに、前記サービスプロバイダが、所定のポリシをチェックすることにより、前記第1のクライアント端末(102a)に前記サービス表示メッセージ(309)をプッシュすることが許されているかどうかをチェックすること含むことを特徴とする請求項33乃至41のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−505528(P2008−505528A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519145(P2007−519145)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001086
【国際公開番号】WO2006/004466
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】