説明

プッシュ式ノブ装置

【課題】従来に比べてプッシュ式ノブ装置を容易にインストルメントパネルから取り外すことができるプッシュ式ノブ装置の提供。
【解決手段】車両の内装部材であるインストルメントパネル31に着脱可能に取付けられるベゼル11と、ベゼル11に固定して取付けられるハウジング12と、ハウジング12に往復直線動可能に支持されるノブ13と、を有するプッシュ式ノブ装置10であって、ベゼル11は、ベゼル本体40と、ベゼル本体40から車両前方側に突出する係合部41と、を備えており、該係合部41をインストルメントパネル31に車両後方側から係合させることでインストルメントパネル31に取付けられる、プッシュ式ノブ装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用グローブボックス装置等に設けられるロック装置のロックを解除するために設けられるプッシュ式ノブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用グローブボックス装置には、図7に示すように、インストルメントパネル1に収容部1aが設けられておりドア2のみがインストルメントパネル1に対して回動して開くドアタイプと、図8に示すように、ボックス2自体がインストルメントパネル1に対して回動して開くビンタイプとがある。
一般的に、ドアタイプ(図7のタイプ)では、図9に示すように、ドア2にプッシュ式ノブ装置3を取付け、プッシュ式ノブ装置3とドア2のアッセンブリをインストルメントパネル1に取付ける構造になっている。また、ビンタイプ(図8のタイプ)では、図10に示すように、プッシュ式ノブ装置3をインストルメントパネル1の車両後方側面に配置した状態でインストルメントパネル1の車両前方側からビス締めすることにより、プッシュ式ノブ装置3を直接インストルメントパネル1に取付ける構造になっている。
【0003】
しかし、従来のプッシュ式ノブ装置にはつぎの問題点がある。
ドアタイプでは、プッシュ式ノブ装置3がドア2に取付けられているため、ドア2をインストルメントパネル1から取り外すことによって、プッシュ式ノブ装置3もインストルメントパネル1から取り外すことができる。そのため、プッシュ式ノブ装置3を容易にメンテナンスすることができ容易に新品等に交換することができる。
しかし、ビンタイプでは、プッシュ式ノブ装置3をインストルメントパネル1の車両後方側面に配置した状態でインストルメントパネル1の車両前方側からビス締めすることにより、プッシュ式ノブ装置3を直接インストルメントパネル1に取付けているため、インストルメントパネル1を車両から取り外さない限りプッシュ式ノブ装置3をインストルメントパネル1から取り外すことは困難である。そのため、ビンタイプではプッシュ式ノブ装置3をメンテナンスすることが困難であり新品等に交換することも困難である。プッシュ式ノブ装置3をインストルメントパネル1から容易に取り外すことができるようにプッシュ式ノブ装置3をインストルメントパネル1の車両後方側(車室内側)からビス締めすることも考えられるが、(a)ビスおよびビス取付け座が見えてしまい見栄えが悪くなる、(b)ビスが見えてしまうことで容易にプッシュ式ノブ装置3が外されてしまいボックス2内の収容物が盗まれてしまう、等の不具合が生じてしまう。
【特許文献1】特開2005−104192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来に比べてプッシュ式ノブ装置を容易にインストルメントパネルから取り外すことができるプッシュ式ノブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 車両の内装部材であるインストルメントパネルに着脱可能に取付けられるベゼルと、
前記ベゼルに固定して取付けられるハウジングと、
前記ハウジングに往復直線動可能に支持されるノブと、
を有するプッシュ式ノブ装置であって、
前記ベゼルは、ベゼル本体と、該ベゼル本体から車両前方側に突出する係合部と、を備えており、該係合部を前記インストルメントパネルに車両後方側から係合させることで前記インストルメントパネルに取付けられる、プッシュ式ノブ装置。
【発明の効果】
【0006】
上記(1)のプッシュ式ノブ装置によれば、係合部をインストルメントパネルに車両後方側から係合させることでベゼルがインストルメントパネルに取付けられるため、係合部をインストルメントパネルに車両後方側から係合させることでプッシュ式ノブ装置をインストルメントパネルに取付けることができる。そのため、インストルメントパネルを車両から取り外さなくても、係合部とインストルメントパネルとの係合を車両後方側から解除することで、プッシュ式ノブ装置をインストルメントパネルから取り外すことができる。したがって、従来に比べてプッシュ式ノブ装置を容易にインストルメントパネルから取り外すことができる。
また、係合部をインストルメントパネルに係合させることでプッシュ式ノブ装置をインストルメントパネルに取付けるため、プッシュ式ノブ装置をインストルメントパネルに取付けるためのビスとビス取付け座は不要である。そのため、ビスとビス取付け座が見えることはなく見栄え悪化を防止できる。
また、ビスとビス取付け座が見えることがないため、プッシュ式ノブ装置の外し方を知らない第三者にとってはプッシュ式ノブ装置の外し方がわからず、ビスとビス取付け座が見える場合に比べて、プッシュ式ノブ装置が外されてしまうことを抑制でき、ボックス内の収容物が盗まれてしまうことを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜図4は、本発明実施例1のプッシュ式ノブ装置を示しており、図5、図6は、本発明実施例2のプッシュ式ノブ装置を示している。ただし、図1は、本発明実施例2にも適用可能である。本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分には、本発明実施例1と実施例2にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分を説明する。
本発明実施例のプッシュ式ノブ装置(以下、単にノブ装置ともいう)10は、車両の内装部材であるインストルメントパネルの助手席側に配置される車両用グローブボックス装置に設けられるロック装置のロックを解除するために設けられていてもよく、車両用グローブボックス装置の上方に配置される車両用アッパボックス装置に設けられるロック装置のロックを解除するために設けられていてもよい。以下、本発明実施例および図示例では、プッシュ式ノブ装置10が車両用グローブボックス装置に設けられるロック装置のロックを解除するために設けられる場合を説明する。
【0008】
車両用グローブボックス装置は、インストルメントパネルに収容部が設けられておりドアのみがインストルメントパネルに対して回動して開くドアタイプであってもよく、ボックス自体がインストルメントパネルに対して回動して開くビンタイプであってもよい。
【0009】
本発明実施例のプッシュ式ノブ装置10が設けられるロック装置20を説明する。
ロック装置20は、図1に示すように、インストルメントパネル31に対して開閉動可能なグローブボックス32を、グローブボックス32が閉位置にあるときにインストルメントパネル31に対して閉位置にロックする装置である。グローブボックス32は、ロック装置20がアンロックされれば、下端部の回動軸芯周りに回転して開き、閉めるときは、下端部の回動軸芯周りに手でグローブボックス32を持ち上げる。閉めた状態でロック装置20をロックすれば、グローブボックス32は、閉状態を維持する。
【0010】
ロック装置20は、インストルメントパネル31とグローブボックス32の一方に設けられる一対の第1、第2のロッド20a,20bと、第1、第2のロッド20a,20bを互いに反対方向に同期させるギア(ただしリンクであってもよい)20cと、インストルメントパネル31とグローブボックス32の他方に設けられ第1、第2のロッド20a、20bが出入りするロック受け部20dと、を有する。なお、図1では、第1、第2のロッド20a、20bがグローブボックス32に設けられ、ロック受け部20dがインストルメントパネル31に設けられる場合を示す。
【0011】
第1、第2のロッド20a,20bは、グローブボックス32の左右方向両側部に対応させて配置される。第1、第2のロッド20a,20bがグローブボックス32の左右方向両側部に対応させて配置されるため、車両用グローブボックス装置の建付け性がよい。また、第1、第2のロッド20a,20bがグローブボックス32の左右両側部に対応させて配置されているため、左右片側だけでなく両側でロックでき、グローブボックス32の変形や作動不良が起こりにくくなっている。第1、第2のロッド20a,20bは、グローブボックス32の左右方向(車両左右方向)に延びている。第1、第2のロッド20a,20bは、グローブボックス32が閉状態にあるときのみ各先端部がロック受け部20dに出入りする。
【0012】
ロック受け部20dは、インストルメントパネル31に設けられる孔、または、凹部からなる。ロック受け部20dは、グローブボックス32の左右両側に設けられている。左右のロック受け部20dの一方は、第1のロッド20aの先端部を受け入れ可能とされており、左右のロック受け部20dの他方は、第2のロッド20bの先端部を受け入れ可能とされている。
【0013】
つぎに、本発明実施例のプッシュ式ノブ装置10を説明する。
ノブ装置10は、インストルメントパネル31とグローブボックス32のうちインストルメントパネル31側に取付けられている。ノブ装置10は、運転者の操作性向上のため、グローブボックス32の左右方向中央位置よりも運転席に近い位置に配置されている。
【0014】
ノブ装置10は、図2に示すように、インストルメントパネル31に着脱可能に取付けられるベゼル11と、ベゼルに固定して取付けられるハウジング12と、ハウジング12に往復直線動可能に支持されるノブ13と、を有する。ノブ装置10は、さらに、シャフト14と、クッション15と、スプリング16と、を有する。
【0015】
ベゼル11は、たとえば樹脂製である。ベゼル11は、インストルメントパネル31に直接固定して取付けられていてもよく、インストルメントパネル31に固定される部材に固定されていてもよい。すなわち、「ベゼル11がインストルメントパネル31に取付けられる」とは、ベゼル11がインストルメントパネル31に直接固定して取付けられる場合と、インストルメントパネル31に固定される部材に固定される場合との両方を含む意味である。
【0016】
ベゼル11は、ベゼル本体40と、ベゼル本体40から車両前方側に突出する係合部(取付け部、引っ掛け部)41と、を備える。
ベゼル本体40は、ハウジング12が取付けられるハウジング座40aを備える。
【0017】
係合部41は、ベゼル本体40と一体に形成されていてもよく、ベゼル本体40と別体に形成されてベゼル本体40に固定して取付けられていてもよい。係合部41は、(a)図3、図4に示すように、ベゼル本体40から車両前方に延びる第1の延び部41aと、第1の延び部41aの延び方向先端部から第1の延び部41aの延び方向と異なる方向に所定量延びる第2の延び部41bと、を備えるL字形の爪であってもよく(実施例1)、(b)図5、図6に示すように、ベゼル本体40から車両前方に延びる足部41cと、該足部41cの延び方向中間部に設けられる弾性変形爪41dと、を備える樹脂クリップであってもよい(実施例2)。
【0018】
ベゼル11は、係合部41をインストルメントパネル31に車両後方側(車室内側)から係合(着脱可能に取付け、引っ掛け)させることでインストルメントパネル31に取付けられる。そのため、ノブ装置10は、係合部41をインストルメントパネル31に車両後方側(車室内側)から係合(着脱可能に取付け、引っ掛け)させることでインストルメントパネル31に取付けられる。
【0019】
ハウジング12は、たとえば樹脂製である。ハウジング12は、ベゼル11に固定して取付けられる。ハウジング12のベゼル11への取付けは、ハウジング12をベゼル11のハウジング座40aに当接させた状態で、ベゼル11のハウジング12と反対側からビス12d締めすることで行われる。
ハウジング12は、図2に示すように、車両後方側端が開放端とされたボックス形状である。ハウジング12は、ガイドレール部12aと、爪受け部12bと、リブ部12cと、を備える。ガイドレール部12aと爪受け部12bとリブ部12cは、ハウジング12に一体に形成されていることが望ましい。
【0020】
ガイドレール部12aは、ハウジング12の奥行き方向(ハウジング12に対するノブ13の移動方向、車両前後方向)に直線状に延びている。ガイドレール部12aは、ハウジング12の一側壁のみに設けられていてもよく、対向二壁に設けられていてもよく、三側壁に設けられていてもよく、四側の全ての側壁に設けられていてもよい。
爪受け部12bは、ハウジング12の奥行き方向中間部の側壁に設けられており、ノブ13の爪部13bが引っ掛かり可能とされている。
リブ部12cは、ハウジング12の開放端面に設けられている。リブ部12cには、ノブ13の当接部13c(図4参照)が当接可能とされている。
【0021】
ノブ13は、たとえば樹脂製である。ノブ13は、ハウジング12の奥行き方向(車両前後方向)に往復直線動可能にハウジング12に支持されている。ノブ13は、ガイドレール部12aに沿って移動するレール部13a(図3参照)と、爪受け部12bに引っ掛かり可能な爪部13bと、リブ部12cに当接可能な当接部13cと、を備える。レール部13aと爪部13bと当接部13cは、ノブ13に一体に形成されていることが望ましい。
【0022】
レール部13aは、図3に示すように、ノブ13のハウジング12に対する移動方向と同じ方向に延びている。レール部13aは、ノブ13の、一側壁のみに設けられていてもよく、二側壁に設けられていてもよく、三側壁に設けられていてもよく、四側の全ての側壁に設けられていてもよい。レール部13aがガイドレール部12aに沿って移動することでノブ13がハウジング12に対して往復直線動する。
【0023】
爪部13bは、図2に示すように、ノブ13の、ハウジング12に対する移動方向の中間部の側壁に設けられている。爪部13bが爪受け部12bに引っ掛かることで、ノブ13がハウジング12から抜けること(外れること、脱落すること)を防止できる。
当接部13cは、図3に示すように、ノブ13をプッシュ操作した際にリブ部12cに当接する部分である。当接部13cがリブ部12cに当接することで、それ以上のノブ13のプッシュ操作を不能にしている(ノブ13のプッシュストロークを規制している)。
【0024】
シャフト14は、たとえば樹脂製である。シャフト14は、図2に示すように、ハウジング12にノブ13の移動方向と異なる方向(直交方向、車両左右方向)に往復直線動可能に支持されている。シャフト14は、ノブ13をプッシュ操作した際、シャフト14に設けられる傾斜面14aがノブ13に設けられる傾斜面13dと摺動接触して、ノブ13の移動方向と異なる方向にハウジング12から突出する方向に移動する。シャフト14がハウジング12から突出する方向に移動することで、第1、第2のロッド20a,20bのいずれか一方がシャフト14によって押されてロッド軸方向(車両左右方向)に移動する。第1、第2のロッド20a,20bのいずれか一方がシャフト14によって押されて移動すると、第1、第2のロッド20a,20bの他方がギア20cによって同期して第1、第2のロッド20a,20bの一方と反対方向に動く。
【0025】
クッション15は、シャフト14に固定して取付けられる。クッション15は、シャフト14の、第1、第2のロッド20a、20bの一方との当接面に取付けられる。クッション15は、シャフト14と第1、第2のロッド20a、20bの一方との当接打音を低減するために設けられる。
【0026】
スプリング16は、たとえばコイルスプリングからなる。スプリング16の一端はハウジング12に当てられており、スプリング16の他端はシャフト14に当てられている。スプリング16は、シャフト14をハウジング12に対してハウジング12内に引き込む方向に付勢している。
【0027】
つぎに、本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分の作用を説明する。
係合部41をインストルメントパネル31に車両後方側から係合させることでベゼル11がインストルメントパネル31に取付けられるため、係合部41をインストルメントパネル31に車両後方側から係合させることでプッシュ式ノブ装置10をインストルメントパネル31に取付けることができる。そのため、インストルメントパネル31を車両から取り外さなくても、係合部41とインストルメントパネル31との係合を車両後方側から解除することで、プッシュ式ノブ装置10をインストルメントパネル31から取り外すことができる。したがって、従来に比べてプッシュ式ノブ装置10を容易にインストルメントパネル31から取り外すことができる。
【0028】
係合部41をインストルメントパネル31に係合させることでプッシュ式ノブ装置10をインストルメントパネル31に取付けるため、プッシュ式ノブ装置10をインストルメントパネル31に取付けるために従来必要であったビスとビス取付け座は不要である。そのため、ビスとビス取付け座が見えることはなく見栄え悪化を防止できる。
また、ビスとビス取付け座が見えることがないため、プッシュ式ノブ装置10の外し方を知らない第三者にとってはプッシュ式ノブ装置10の外し方がわからず、ビスとビス取付け座が見える場合に比べて、プッシュ式ノブ装置10が外されてしまうことを抑制でき、ボックス32内の収容物が盗まれてしまうことを抑制できる。
【0029】
係合部41をインストルメントパネル31に車両後方側から係合させることでプッシュ式ノブ装置10をインストルメントパネル31に取付けることができるため、車両の組立ラインの作業者は、従来に比べて容易にノブ装置10をインストルメントパネル31に取付ける(組付ける)ことができる。
【0030】
ベゼル11をインストルメントパネル31に取付けているため、ハウジング12に該ハウジング12をインストルメントパネル31に取付けるための取付け座等は不要である。その結果、ハウジングに該ハウジングをインストルメントパネルに取付けるための取付け座等を要する場合に比べて、ハウジング12を小型化できる。その結果、ハウジング12を複数車型で共用できる。
【0031】
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕(図1〜図4)
本発明実施例1では、係合部41が、図3、図4に示すように、ベゼル本体40から車両前方に延びる第1の延び部41aと、第1の延び部41aの延び方向先端部から第1の延び部41aの延び方向と異なる方向(直交方向)に所定量延びる第2の延び部41bと、を備えるL字形の爪である場合を示している。
【0032】
係合部41は、走行振動でプッシュノブ装置10ががたついたりインストルメントパネル31から脱落することを防止するために、少なくとも2個設けられていることが望ましい(図示例では3個設けられている場合を示している)。
【0033】
係合部41がL字形の爪であるため、プッシュノブ装置10のインストルメントパネル31への取付けは、プッシュノブ装置10を車両後方側から車両前方に移動させて係合部41をインストルメントパネル31に設けた孔31aに挿入した後、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31に対して車両前後方向と異なる方向(車両左右方向または上下方向)に移動させて第2の延び部41bを孔31aの縁に引っ掛けることで行われる。
【0034】
本発明実施例1では、係合部41がL字形の爪であるため、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31に対して車両前後方向と異なる方向(車両左右方向または上下方向)に移動させた後、車両後方に移動させることで(引っ張ることで)、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31から取り外すことができる。したがって、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31から取り外すのに、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31に対して異なる2方向に移動させなければならず、車両後方に引っ張っただけで取り外すことができる場合に比べて、使用者の意思に反してプッシュノブ装置10がインストルメントパネル31から外れてしまうことを抑制できる。
【0035】
〔実施例2〕(図5、図6)
本発明実施例2では、係合部41が、図5、図6に示すように、ベゼル本体40から車両前方に延びる足部41cと、該足部41cの延び方向中間部(車両前後方向中間部)に設けられる弾性変形爪41dと、を備える樹脂クリップである場合を示している。
【0036】
係合部41は、走行振動でプッシュノブ装置10ががたついたりインストルメントパネル31から脱落することを防止するために、少なくとも2個設けられていることが望ましい(図示例では2個設けられている場合を示している)。弾性変形爪41dは、走行振動でプッシュノブ装置10ががたついたりインストルメントパネル31から脱落することを防止するために、足部41cに、足部延び方向(車両前後方向)の両端で接続されており、両持ち梁構造となっている。
【0037】
係合部41が足部41cと弾性変形爪41dを備える樹脂クリップであるため、プッシュノブ装置10のインストルメントパネル31への取付けは、プッシュノブ装置10を車両後方側から車両前方に移動させて係合部41をインストルメントパネル31に設けた孔31bに挿入し、弾性変形爪41dを弾性変形後復元させて孔31bの縁に引っ掛けることで行われる。
【0038】
本発明実施例2では、係合部41が足部41cと弾性変形爪41dを備える樹脂クリップであるため、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31に対して車両後方に移動させることで(引っ張ることで)、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31から取り外すことができる。したがって、プッシュノブ装置10をインストルメントパネル31に対して異なる2方向に移動させなければならない場合に比べて、使用者は容易にプッシュノブ装置10をインストルメントパネル31から取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明実施例1のプッシュ式ノブ装置が設けられるロック装置が車両用グローブボックス用ロック装置である場合の、車両用グローブボックス装置の透視正面図である。
【図2】本発明実施例1のプッシュ式ノブ装置の分解斜視図である。
【図3】本発明実施例1のプッシュ式ノブ装置の斜視図である。
【図4】本発明実施例1のプッシュ式ノブ装置の断面図である。
【図5】本発明実施例2のプッシュ式ノブ装置の斜視図である。
【図6】本発明実施例2のプッシュ式ノブ装置の断面図である。
【図7】ドアタイプの車両用グローブボックス装置の断面図である。
【図8】ビンタイプの車両用グローブボックス装置の断面図である。
【図9】従来のプッシュ式ノブ装置が設けられるロック装置がドアタイプの車両用グローブボックス装置に設けられるロック装置である場合の、車両用グローブボックス装置の断面図である。
【図10】従来のプッシュ式ノブ装置が設けられるロック装置がビンタイプの車両用グローブボックス装置に設けられるロック装置である場合の、車両用グローブボックス装置の断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 プッシュ式ノブ装置
11 ベゼル
12 ハウジング
12a ガイドレール部
12b 爪受け部
12c リブ部
13 ノブ
13a レール部
13b 爪部
13c 当接部
14 シャフト
15 クッション
16 スプリング
20 ロック装置
20a 第1のロッド
20b 第2のロッド
20c ギア
20d ロック受け部
31 インストルメントパネル
32 グローブボックス
40 ベゼル本体
40a ハウジング座
41 係合部
41a 第1の延び部
41b 第2の延び部
41c 足部
41d 弾性変形爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内装部材であるインストルメントパネルに着脱可能に取付けられるベゼルと、
前記ベゼルに固定して取付けられるハウジングと、
前記ハウジングに往復直線動可能に支持されるノブと、
を有するプッシュ式ノブ装置であって、
前記ベゼルは、ベゼル本体と、該ベゼル本体から車両前方側に突出する係合部と、を備えており、該係合部を前記インストルメントパネルに車両後方側から係合させることで前記インストルメントパネルに取付けられる、プッシュ式ノブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−273283(P2008−273283A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116447(P2007−116447)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
【Fターム(参考)】