説明

プラグイン車両

【課題】AC100Vを使用する場合の充電時間を短縮することができるプラグイン車両を提供する。
【解決手段】プラグイン車両100は、車両外部から第1の電力線を接続することが可能な第1接続部(充電ポート320)と、車両外部から第2の電力線を接続することが可能な第2接続部(サービスコンセント340)と、車両外部から第1の接続部および第2の接続部を経由した2系統の電力経路から同時に電力を受けて車載の蓄電装置(高圧電池10)に充電を行なうことが可能に構成された充電システム(充電器200および充電器370)とを備える。好ましくは、第2接続部は、車両から電力を供給することが可能なサービスコンセント340である。第2充電器は、双方向変換が可能に構成されたAC/DCコンバータ330を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラグイン車両に関し、特に電力線を接続する2つの接続部を有するプラグイン車両に関する。
【背景技術】
【0002】
野外での活動時や携帯機器への充電等のため、車両の中には電気機器に電力を供給可能なサービスコンセント(アウトレット)を備えたものがある。特開2009−225587号公報(特許文献1)には、車載ACコンセントを備えた電動車両であって、メインバッテリの電力と外部電源電力の双方を車載ACコンセントから出力可能に構成されたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−225587号公報
【特許文献2】特開2010−93891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などのプラグイン車両のバッテリに対する充電は、日本では200Vまたは100Vで充電されることが想定されている。一般家庭では200Vであればエアコンなど大電力機器への供給が想定されておりまだ良いが、100Vでは15A程度のブレーカーが設けられ供給電力に制限があり充電に時間がかかってしまう。
【0005】
しかし、充電時に必ずしも200Vの充電用のコンセントがあるとは限らない。たとえば、外出先で臨時的に充電をおこなったり、家庭で200Vのコンセントを設置する工事がされていなかったりする場合などでは、充電時間を短縮したいというニーズがある。
【0006】
この発明の目的は、充電時間が短縮されたプラグイン車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、要約すると、プラグイン車両であって、車両外部から第1の電力線を接続することが可能な第1接続部と、車両外部から第2の電力線を接続することが可能な第2接続部と、車両外部から第1接続部および第2接続部を経由した2系統の電力経路から同時に電力を受けて車載の蓄電装置に充電を行なうことが可能に構成された充電システムとを備える。
【0008】
好ましくは、充電システムは、第1接続部を経由して蓄電装置に充電を行なう第1充電器と、第2接続部を経由して蓄電装置に充電を行なう第2充電器とを含む。第2接続部は、車両から電力を供給することが可能なサービスコンセントである。第2充電器は、双方向変換が可能に構成されたAC/DCコンバータを含む。
【0009】
より好ましくは、AC/DCコンバータは、蓄電装置よりも電圧が低い補機電池とサービスコンセントとの間に接続される。第2充電器は、補機電池と蓄電装置との間に接続される双方向変換が可能に構成されたDC/DCコンバータをさらに含む。
【0010】
より好ましくは、AC/DCコンバータは、蓄電装置とサービスコンセントとの間に接続される。プラグイン車両は、蓄電装置と蓄電装置よりも電圧の低い補機電池との間に接続されるDC/DCコンバータをさらに備える。
【0011】
より好ましくは、第1充電器は、交流100Vと交流200Vの受電が可能に構成される。
【0012】
好ましくは、充電システムは、第1接続部を経由した第1の受電経路と第2接続部を経由した第2の受電経路から並列的に電力を受けて蓄電装置に充電を行なう充電器を含む。
【0013】
より好ましくは、充電器は、交流100Vと交流200Vの受電が可能に構成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、2系統の受電経路で同時に充電が行なえるので、充電設備側に制限が存在する場合などに充電時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態のプラグイン車両100の全体ブロック図である。
【図2】実施の形態1のプラグイン車両100の充電時における電力供給設備と車両との接続を説明するための図である。
【図3】臨時充電動作モードにおける電力の流れを示した図である。
【図4】実施の形態2のプラグイン車両100Aの構成を示す図である。
【図5】実施の形態3のプラグイン車両100Bの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態のプラグイン車両100の全体ブロック図である。
【0018】
図1を参照して、車両100は、高圧電池10と、システムメインリレー(System Main Relay)SMRDと、駆動装置であるインバータ120と、モータジェネレータ130と、制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)とも称する。)160とを備える。図示しないが、モータジェネレータ130は動力伝達ギヤを介して駆動輪を回転させる。
【0019】
高圧電池10は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。高圧電池10は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
【0020】
高圧電池10の正極端および負極端は、システムメインリレーSMRDに含まれるスイッチSW1およびSW2を介して負荷であるモータジェネレータ130を駆動するためのインバータ120に接続される。そして、高圧電池10は、車両100の駆動力を発生させるための電力をインバータ120に供給する。また、高圧電池10は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。高圧電池10の出力電圧は、たとえばDC200Vである。
【0021】
システムメインリレーSMRDに含まれるスイッチSW1,SW2は、高圧電池10とインバータ120とを結ぶ電力線PL1およびNL1上にそれぞれ設けられる。そして、システムメインリレーSMRDは、制御装置160からの制御信号に基づいて、高圧電池10とインバータ120との間での電力の供給と遮断とを切換える。
【0022】
モータジェネレータ130は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
【0023】
モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機や動力分割機構によって構成される動力伝達ギヤを介して駆動輪に伝達され、車両100を走行させる。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、インバータ120によって高圧電池10の充電電力に変換される。
【0024】
また、モータジェネレータ130の他にエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、このエンジンおよびモータジェネレータ130を協調的に動作させることによって、必要な車両駆動力が発生される。この場合、エンジンの回転による発電電力を用いて、高圧電池10を充電することも可能である。
【0025】
すなわち、本実施の形態における車両100は、車両駆動力発生用の電動機を搭載する車両を示すものであり、エンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車、エンジンを搭載しない電気自動車および燃料電池自動車などを含む。
【0026】
車両100は、さらに低電圧系(補機系)の構成として、双方向DC/DCコンバータ140と、補機電池150と、補機負荷170とを含む。
【0027】
双方向DC/DCコンバータ140は、第1方向として高圧電池10から補機負荷170および補機電池150に向かう方向に電力を送る。
【0028】
具体的には、双方向DC/DCコンバータ140は、電力線PL1およびNL1に接続され、制御装置160からの制御信号に基づいて、高圧電池10から供給される直流電圧を低圧系の電源電圧に電圧変換する。そして、双方向DC/DCコンバータ140は、補機負荷170および制御装置160に電源電圧を供給するとともに、補機電池150に充電電力を供給する。システムメインリレーSMRDが開放されて、双方向DC/DCコンバータ140が電圧変換動作を中止しているときには、補機電池150から補機負荷170および制御装置160に対して電力の供給が行なわれる。
【0029】
補機電池150は、代表的には鉛蓄電池によって構成される。補機電池150の出力電圧は、高圧電池10の出力電圧よりも低く、たとえば12V程度である。
【0030】
制御装置160は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への
制御信号の出力を行なうとともに、車両100および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0031】
制御装置160は、インバータ120および双方向DC/DCコンバータ140を駆動するための制御信号を生成して出力する。また、制御装置160は、システムメインリレーSMRDを制御するための制御信号を出力する。
【0032】
車両100は、さらに、外部電源300からの電力によって高圧電池10を充電するための構成として、充電ポート320から外部電源の電力を受けて高圧電池10の充電電圧(直流電圧)に変換する充電器200と、充電用のシステムメインリレーSMRCとを含む。充電用のシステムメインリレーSMRCは、スイッチSW3,SW4を含む。
【0033】
車両100は、さらに、外部へサービスコンセント340を経由して電力を出力するための構成として、補機電池150の電圧をAC100Vに変換する双方向AC/DCコンバータ330を含む。双方向AC/DCコンバータ330の出力電力は電力線ACL1,ACL2を経由してサービスコンセント340から出力される。サービスコンセント340には、AC負荷360のプラグ350が挿入される。
【0034】
外部電源300からの電力は、充電ポート320を介して車両100に伝達される。なお、充電ポート320は、充電ケーブルの充電コネクタ310が接続される車両に設けられたインレットと呼ばれるものであっても良い。また、充電ポート320は、先端にプラグが設けられた充電ケーブルであって車両側に設置されたコードリールから引き出されるものであっても良い。
【0035】
スイッチSW3,SW4は、それぞれ高圧電池10と充電器200とを結ぶ電力線PL2およびNL2を高圧電池10に接続する。そして、スイッチSW3,SW4は、制御装置160からの制御信号に基づいて、高圧電池10と充電器200との間での電力の供給と遮断とを切換える。
【0036】
充電器200は、電力線ACL1,ACL2を介して充電ポート320と接続される。また、充電器200は、電力線PL2およびNL2を介して高圧電池10と接続される。そして、充電器200は、制御装置160からの制御信号に基づいて、電力線ACL1,ACL2によって供給される外部電源300からの交流電力を高圧電池10が充電可能な直流電力に変換する。充電器200は、その変換した直流電力を電力線PL2およびNL2に出力する。充電器200は、入力電圧として、たとえばAC100VとAC200Vの2種類の電圧を受けることが可能に構成される。そして充電器200は入力電圧を自動的に検出して適切な電圧変換を行なうことにより高圧電池10を充電する。
【0037】
制御装置160は、図示しないがCPU、記憶装置および入出力バッファを含む。制御装置160は、外部充電時には、主として、充電器200と、充電用のシステムメインリレーSMRCとを制御する。制御装置160は、走行時には主として双方向DC/DCコンバータ140、インバータ120、双方向AC/DCコンバータ330およびシステムメインリレーSMRDを制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
【0038】
なお、図1では制御装置160は、外部充電時と車両走行時とに充電器200、双方向DC/DCコンバータ140、インバータ120、双方向AC/DCコンバータ330およびシステムメインリレーSMRD,SMRCを制御する例を示したが、他の構成とすることもできる。たとえば、外部充電時に起動して充電器200およびシステムメインリレーSMRCを制御する充電制御用のECUを設け、走行時に双方向DC/DCコンバータ140、インバータ120、双方向AC/DCコンバータ330およびシステムメインリレーSMRDを制御するECUとは別にしてもよい。
【0039】
車両100は、上記のような通常動作モードと以下説明する臨時充電動作モードとを切換えるための入出力切換スイッチ162をさらに含む。入出力切換スイッチ162は、サービスコンセント340を電力出力用から電力入力用に切換えるためのスイッチである。入出力切換スイッチ162はまた、双方向DC/DCコンバータ140と双方向AC/DCコンバータ330の電力を送る向きを切換えるためのスイッチでもある。
【0040】
臨時充電動作モードでは、サービスコンセント340は電力入力用となり、双方向AC/DCコンバータ330と双方向DC/DCコンバータ140とは、高圧電池10を充電するための充電器370を構成する。
【0041】
臨時充電動作モードは、たとえば、外出先で臨時的に充電をおこなったり、家庭で200Vのコンセントを設置する工事がされていなかったりする場合などに選択される。この場合、AC100Vを用いて充電が行なわれることが想定されるが、充電時間を短縮したいというニーズがある。
【0042】
図2は、実施の形態1のプラグイン車両100の充電時における電力供給設備と車両との接続を説明するための図である。
【0043】
図2を参照して、商用電源410がAC100Vである場合には、配電盤400にブレーカー401〜403が設けられ、過電流が流れるとブレーカー401〜403によって電路が遮断される。ブレーカー401〜403は規定電流(たとえば15A(アンペア),30Aなど)より大きい電流が流れると電路を遮断する。したがって、充電ポート320から車両に送電することができる電力は、ブレーカー401によって制限される。
【0044】
このような場合において、充電時間を短縮したい場合には、図1の入出力切換スイッチ162によって臨時充電動作モードを選択して、サービスコンセント340を入力用に切換えることができる。そして、ブレーカー403に接続されている家屋等のコンセントとサービスコンセント340を電力線で接続すればよい。
【0045】
臨時充電動作モードでは、サービスコンセント340は入力用となり、双方向AC/DCコンバータ330は、サービスコンセント340から与えられるAC100VをDC14〜12Vに変換して補機電池150と双方向DC/DCコンバータ140に向けて供給する。また臨時充電動作モードでは、双方向DC/DCコンバータ140は、双方向AC/DCコンバータ330からの電力(たとえばDC14V)を昇圧して(たとえばDC200V)高圧電池10を充電する。
【0046】
図3は、臨時充電動作モードにおける電力の流れを示した図である。
図3を参照して、充電ポート320を経由した第1の受電経路からの電力A1と、サービスコンセント340を経由した第2の受電経路からの電力A2とによって高圧電池10が充電される。
【0047】
以上説明したように、実施の形態1に示したプラグイン車両では、通常時は充電器200のみを使ってAC200Vで充電を行なう。そしてAC100Vを使用する外部充電の場合には、充電ポート320と車室内のサービスコンセント340との両方を商用電源に接続することにより、特別な充電設備(AC200Vの給電経路または車両充電専用ポートなど)を増設しなくても充電時間を短縮することができる。また、AC/DCコンバータ330によって外部充電中でも補機電池150にも外部から電力が供給されるので、補機電池150のバッテリ上がりを防止することができる。
【0048】
また、充電ポート320が何らかの理由によって故障または破損した場合でも、充電をすることが可能となる。
【0049】
なお、充電時間に余裕がある場合には、AC100Vを使用する場合でも充電器200のみを使用して充電を行なうことも可能である。
【0050】
[実施の形態2]
実施の形態1では、サービスコンセント340から入力された電力を双方向AC/DCコンバータ330でDC14V程度に変換した後に、双方向DC/DCコンバータ140で200V程度に昇圧して高圧電池10を充電した。しかし、双方向DC/DCコンバータ140を単方向のものとした場合であっても同様な臨時充電動作モードを実現することができる。
【0051】
図4は、実施の形態2のプラグイン車両100Aの構成を示す図である。
図4を参照して、プラグイン車両100Aは、図3に示したプラグイン車両100の構成において、双方向AC/DCコンバータ330に代えて双方向AC/DCコンバータ330Aを含み、双方向DC/DCコンバータ140に代えて単方向のDC/DCコンバータ140Aを含む。プラグイン車両100Aの他の構成については、プラグイン車両100と同様であるので、ここでは説明は繰返さない。
【0052】
双方向AC/DCコンバータ330Aは、サービスコンセント340と高圧電池10との間に設けられている。そして通常モードでは、高圧電池10の電圧(たとえばDC200V)を交流電圧(たとえばAC100V)に変換してサービスコンセント340に供給する。また、臨時充電動作モードでは、サービスコンセント340から供給された電力を直流に変換して高圧電池10に送電する。
【0053】
DC/DCコンバータ140Aは、補機電池150と高圧電池10との間に設けられている。DC/DCコンバータ140Aは、通常モードでは高圧電池10の電圧を降圧して補機電池150や補機負荷に供給する。臨時充電動作モードでもDC/DCコンバータ140Aは、通常モードと同様の動作を行なう。
【0054】
実施の形態2においては、実施の形態1のプラグイン車両と同様に、通常時は充電器200のみを使ってAC200Vで充電を行なう。そしてAC100Vを使用する外部充電の場合には、充電ポート320と車室内のサービスコンセント340との両方を商用電源に接続することにより、特別な充電設備(AC200Vの給電経路または車両充電専用ポートなど)を増設しなくても充電時間を短縮することができる。
【0055】
さらに、臨時充電動作モードにおいて、双方向AC/DCコンバータ330Aからの電力を直接に(DC/DC変換を介さずに)高圧電池10に供給するので、実施の形態1よりも充電効率を向上させることができる。
【0056】
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2では、AC/DCコンバータを双方向にし、サービスコンセント340を介する第2の充電経路からも受電を行なうことで充電時間を短縮することができた。しかし、必ずしもAC/DCコンバータを双方向にしないでも同様な時間短縮をすることが可能である。
【0057】
図5は、実施の形態3のプラグイン車両100Bの構成を示す図である。
図5を参照して、プラグイン車両100Bは、図3に示したプラグイン車両100の構成において、双方向AC/DCコンバータ330に代えて単方向のAC/DCコンバータ330Bを含み、双方向DC/DCコンバータ140に代えて単方向のDC/DCコンバータ140Bを含み、入出力を行なうサービスコンセント340に代えて出力専用のサービスコンセントを含む。
【0058】
プラグイン車両100Bは、さらに、図3に示したプラグイン車両100の構成において、充電器200に代えて充電器200Bを含み、充電ポート320に代えて、充電器200Bから2つに分岐した充電ポート320Bおよび充電サブポート321Bを含む。
【0059】
プラグイン車両100Aの他の構成については、プラグイン車両100と同様であるので、ここでは説明は繰返さない。
【0060】
サービスコンセント340B、AC/DCコンバータ330B、DC/DCコンバータ140Bは、実施の形態1の通常モードにおけるサービスコンセント340、AC/DCコンバータ330、DC/DCコンバータ140と同様な動作を行なう。
【0061】
充電器200Bは、AC100Vの受電経路2経路分の電力を同時に受けて高圧電池10を充電することが可能に構成されている。
【0062】
ブレーカー401から充電ポート320BにAC100Vを供給し、ブレーカー402から充電サブポート321BにAC100Vを供給すれば、実施の形態1および実施の形態2と同様な効果を奏することができる。ただし、充電ポート320Bおよび充電サブポート321Bに挿入される電力線が逆の極性となるとブレーカーが遮断されてしまうので、充電ポート320Bおよび充電サブポート321Bは同じ極性に電力線が接続されるようなコネクタ形状とする。
【0063】
最後に実施の形態1〜3について再び図面を参照して総括する。図1〜図3に示す実施の形態1のプラグイン車両100は、車両外部から第1の電力線を接続することが可能な第1接続部(充電ポート320)と、車両外部から第2の電力線を接続することが可能な第2接続部(サービスコンセント340)と、車両外部から第1の接続部および第2の接続部を経由した2系統の電力経路から同時に電力を受けて車載の蓄電装置(高圧電池10)に充電を行なうことが可能に構成された充電システム(充電器200および充電器370)とを備える。
【0064】
好ましくは、充電システムは、第1接続部を経由して蓄電装置に充電を行なう充電器200と、第2接続部を経由して蓄電装置に充電を行なう充電器370とを含む。第2接続部は、車両から電力を供給することが可能なサービスコンセント340である。充電器370は、双方向変換が可能に構成されたAC/DCコンバータ330を含む。
【0065】
より好ましくは、AC/DCコンバータは、蓄電装置よりも電圧が低い補機電池150とサービスコンセント340との間に接続される。充電器370は、補機電池150と蓄電装置(高圧電池10)との間に接続される双方向変換が可能に構成されたDC/DCコンバータ140をさらに含む。
【0066】
図4に示す実施の形態2のプラグイン車両100Aは、車両外部から第1の電力線を接続することが可能な第1接続部(充電ポート320)と、車両外部から第2の電力線を接続することが可能な第2接続部(サービスコンセント340)と、車両外部から第1の接続部および第2の接続部を経由した2系統の電力経路から同時に電力を受けて車載の蓄電装置(高圧電池10)に充電を行なうことが可能に構成された充電システム(充電器200およびAC/DCコンバータ330A)とを備える。
【0067】
より好ましくは、AC/DCコンバータ330Aは、蓄電装置とサービスコンセント340との間に接続される。プラグイン車両100Aは、蓄電装置と蓄電装置よりも電圧の低い補機電池150との間に接続されるDC/DCコンバータ140Aをさらに備える。
【0068】
より好ましくは、充電器200は、交流100Vと交流200Vの受電が可能に構成される。
【0069】
図5に示す実施の形態3のプラグイン車両100Bは、車両外部から第1の電力線を接続することが可能な第1接続部(充電ポート320B)と、車両外部から第2の電力線を接続することが可能な第2接続部(充電サブポート321B)と、車両外部から第1の接続部および第2の接続部を経由した2系統の電力経路から同時に電力を受けて車載の蓄電装置(高圧電池10)に充電を行なうことが可能に構成された充電システム(充電器200B)とを備える。
【0070】
好ましくは、充電システムは、第1接続部を経由した第1の受電経路と第2接続部を経由した第2の受電経路から並列的に電力を受けて蓄電装置に充電を行なう充電器200Bを含む。
【0071】
好ましくは、充電器200Bは、交流100Vと交流200Vの受電が可能に構成される。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
10 高圧電池、100 プラグイン車両、130 モータジェネレータ、120 インバータ、140,140A 双方向DC/DCコンバータ、140B DC/DCコンバータ、150 補機電池、160 制御装置、162 入出力切換スイッチ、170 補機負荷、200,200B,370 充電器、300 外部電源、310 充電コネクタ、320,320B 充電ポート、321B 充電サブポート、330,330A 双方向AC/DCコンバータ、330B AC/DCコンバータ、340,340B サービスコンセント、400 配電盤、401〜403 ブレーカー、410 商用電源、ACL1,ACL2,PL1,PL2 電力線、SMRC,SMRD システムメインリレー、SW1〜4 スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部から第1の電力線を接続することが可能な第1接続部と、
車両外部から第2の電力線を接続することが可能な第2接続部と、
車両外部から前記第1接続部および前記第2接続部を経由した2系統の電力経路から同時に電力を受けて車載の蓄電装置に充電を行なうことが可能に構成された充電システムとを備える、プラグイン車両。
【請求項2】
前記充電システムは、
前記第1接続部を経由して前記蓄電装置に充電を行なう第1充電器と、
前記第2接続部を経由して前記蓄電装置に充電を行なう第2充電器とを含み、
前記第2接続部は、車両から電力を供給することが可能なサービスコンセントであり、
前記第2充電器は、双方向変換が可能に構成されたAC/DCコンバータを含む、請求項1に記載のプラグイン車両。
【請求項3】
前記AC/DCコンバータは、前記蓄電装置よりも電圧が低い補機電池と前記サービスコンセントとの間に接続され、
前記第2充電器は、
前記補機電池と前記蓄電装置との間に接続される双方向変換が可能に構成されたDC/DCコンバータをさらに含む、請求項2に記載のプラグイン車両。
【請求項4】
前記AC/DCコンバータは、前記蓄電装置と前記サービスコンセントとの間に接続され、
前記プラグイン車両は、前記蓄電装置と前記蓄電装置よりも電圧の低い補機電池との間に接続されるDC/DCコンバータをさらに備える、請求項2に記載のプラグイン車両。
【請求項5】
前記第1充電器は、交流100Vと交流200Vの受電が可能に構成される、請求項2〜4のいずれか1項に記載のプラグイン車両。
【請求項6】
前記充電システムは、
前記第1接続部を経由した第1の受電経路と前記第2接続部を経由した第2の受電経路から並列的に電力を受けて前記蓄電装置に充電を行なう充電器を含む、請求項1に記載のプラグイン車両。
【請求項7】
前記充電器は、交流100Vと交流200Vの受電が可能に構成される、請求項6に記載のプラグイン車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17357(P2013−17357A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149986(P2011−149986)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】