説明

プラグコネクタ、ジャックコネクタ、及びコネクタ装置

【課題】 本発明はコネクタ装置に関し、小型のプラグコネクタ及びジャックコネクタに好適な誤挿入接続操作防止構造を実現することを目的とする。
【解決手段】 プラグコネクタ21とジャックコネクタ61とを有する。プラグコネクタ21は、本体部26のうちコンタクトの配列方向であるX1方向及びX2方向に延長した部位に第1、第2の穴31、32を有し、ここに、キー部材50が適宜打ち込まれる。ジャックコネクタ61は、板状突出し部71をコンタクトの配列方向であるX1方向及びX2方向に延長した部位に、第1、第2の突起部75,76を有する。第1、第2の突起部75,76は切除可能である。第1、第2の穴31、32の何れかをキー部材50で塞ぎ、第1、第2の突起部75,76の何れかを切除することによって、プラグコネクタ21は特定のジャックコネクタ61にだけ挿入接続され、キー部材50が第1又は第2の突起部に当って、これ以外のジャックコネクタへの挿入接続は阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラグコネクタ、ジャックコネクタ、及びコネクタ装置に係り、特に、外形が同じ形状のジャックコネクタが複数並んで配置してあり、上記ジャックコネクタに挿入接続される外形が同じ形状のプラグコネクタが夫々ケーブルの端に設けられて複数存在しており、特定のプラグコネクタが特定のジャックコネクタに挿入接続されるようになっているコネクタ装置に適用され、特定のプラグコネクタが誤って特定のジャックコネクタ以外のジャックコネクタに挿入接続されようとした場合に、接続できないように機能する誤挿入接続防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の内部において、或いは、電子機器の間において、ケーブルでもって信号の伝送路が形成される場合があり、しかも、信号伝送路が複数形成される場合がある。この場合に、信号伝送路は、ケーブルの端のプラグコネクタをプリント基板上に実装してあるジャックコネクタに挿入接続させることによって形成される。
【0003】
図1は誤挿入接続防止構造が必要な状況を示す。図1に示すように、プリント基板1上に同じ形状のジャックコネクタ2,3が並んで実装してあり、ケーブル10の端のプラグコネクタ11と、ケーブル12の端のプラグコネクタ13とがあり、プラグコネクタ11、13は同じ形状であり、ケーブル10、プラグコネクタ11、ジャックコネクタ2が第1の信号用であり、ケーブル12、プラグコネクタ13、ジャックコネクタ3が第2の信号用である場合を想定してみる。
【0004】
プラグコネクタ11はジャックコネクタ2に接続されるべきであり、プラグコネクタ13はジャックコネクタ3に接続されるべきである。プラグコネクタ11がジャックコネクタ2に接続されており、プラグコネクタ13がジャックコネクタ3に接続されていると、第1の信号は、ケーブル10、プラグコネクタ11、ジャックコネクタ2を通して伝送され、第2の信号は、ケーブル12、プラグコネクタ13、ジャックコネクタ3を通して伝送され、電子機器は正常に動作する。
【0005】
誤ってプラグコネクタ11がジャックコネクタ3に接続され、プラグコネクタ13がジャックコネクタ2に接続されると、第1の信号、第2の信号は正常に伝送されなくなって、電子機器は正常に動作しなくなってしまう。
【0006】
ここで、プラグコネクタ11、13は同じ形状であり、ジャックコネクタ2,3も同じ形状であるので、誤ってプラグコネクタ11がジャックコネクタ3に接続され、プラグコネクタ13がジャックコネクタ2に接続されることが起こり得る。
【0007】
そこで、プラグコネクタ11をジャックコネクタ3に接続する誤挿入接続操作、プラグコネクタ13をジャックコネクタ2に接続する誤挿入接続操作を防止する構造が必要となる。
【0008】
従来は、誤挿入接続操作を防止する構造は、プラグコネクタのシールドハウジングの一部を利用して、及びジャックコネクタのシールドハウジングの一部を利用して構成してあるのが一般的である。
【特許文献1】特開平11−126654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在、プラグコネクタ及びジャックコネクタの小型化が図られている。小型化されたプラグコネクタ及びジャックコネクタにおいては、シールドハウジングは金属板のプレス成形部品であり、厚さは薄い。よって誤挿入接続操作を防止する構造をシールドハウジングの一部を利用して構成しようとすると、機械的強度が不足したものとなってしまい、信頼性が低くなる。また、誤挿入接続操作を防止するための枠形状の別の部材を用意して、これをプラグコネクタ及びジャックコネクタに取り付けた構成とすると、外形サイズが大きくなってしまい、小型化に反してしまう。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、誤挿入接続操作を防止する構造を形成する部位を工夫して、小型化されたプラグコネクタ及びジャックコネクタに好適な誤挿入接続防止構造を備えたプラグコネクタ、ジャックコネクタ、及びコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記課題を解決するため、本発明は、プラグコネクタを、所定のジャックコネクタ以外のジャックコネクタに挿入接続されることを防止する誤挿入接続防止構造を、複数のプラグコンタクトを配列して保持するブロックのうちプラグコンタクトが配列してある方向に延長した部位に設けてなる構成とし、
ジャックコネクタを、所定のプラグコネクタ以外のプラグコネクタが挿入接続されることを防止する誤挿入接続防止構造を、複数のコンタクトを配列して保持するブロックのうちジャックコンタクトが配列してある方向に延長した部位に設けてなる構成としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、誤挿入接続防止構造をプラグコネクタ及びジャックコネクタの外形を大きくすることなく実現することが出来、小型化を図るプラグコネクタ及びジャックコネクタに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0014】
[コネクタ装置20]
図2及び図3は本発明の実施例1になるコネクタ装置20を示す。このコネクタ装置20は、データ毎に対をなす二本の電線を使用して伝送すべき+信号とこの+信号とは大きさが等しく逆向きの−信号とを同時に伝送する平衡伝送方式に適用される構造であり、且つ、伝送すべき信号の数が二つである場合に適用される構造であり、周辺機器のパソコンへの接続に使用されるUSB(Universal Serial Bus)コネクタと同程度の大きさである。
【0015】
コネクタ装置20は、図2(A),図3(A)に示すプラグコネクタ21と、図2(B),図3(B)に示すジャックコネクタ61とよりなる。X1−X2はコンタクトが配列してある方向、Z1−Z2は高さ方向、Y1−Y2は奥行き方向である。ジャックコネクタ61についての方向は、ジャックコネクタ61に接続された状態のプラグコネクタ21に対して付してある方向に一致させている。また、本明細書では、プラグコネクタとはその構造とは関係なく接続する側のコネクタをいい、ジャックコネクタとはその構造とは関係なく接続される側のコネクタをいう。
[プラグコネクタ21]
図2(A),図3(A)に示すように、プラグコネクタ21は、コンタクト用開口部29を有する雌型であり、プラグコンタクト組立体22が金属板のプレス成形部品であるシールドハウジング23によって覆われている構造であり、平衡伝送用ケーブル24の端に設けてある。平衡伝送用ケーブル24は、2本のペア電線を有する細いケーブルである。21XはX1−X2方向に延在する中心線、21ZはZ1−Z2方向に延在する中心線である。25は嵌合部であり、Y2端側に存在しており、ジャックコネクタ61に嵌合される部分である。
【0016】
嵌合部25は、Z2側であってX1−X2方向の両側に、面取り部25a,25bを有しており、中心線21Xに関して非対称形状である。ジャックコネクタ61も同じ形状となっており、プラグコネクタ21は上下反転さした姿勢ではジャックコネクタ61には挿入接続されないようになっている。
【0017】
プラグコンタクト組立体22は、図4(A)に示す電気絶縁性の合成樹脂製のプラグコンタクト群保持体26に、プラグコンタクト群を構成する2対の信号コンタクト41,42と3つのグランドコンタクト43,44,45とが、X1−X2方向上交互に並んで組み込まれており、更に、中継プリント基板46が組み込まれている構造である。
【0018】
プラグコンタクト群保持体26は、Y2側の本体部27と、本体部27の両側よりY1方向に延びている腕部28,29とを有する。
【0019】
本体部27は、特許請求の範囲の記載のブロックを構成し、後述するジャックコネクタ61のシールドハウジング23に対応する大きさであり、Y2側の面27aの中央に、ジャックコネクタ61の板状突出し部71に対応する大きさの長方形のコンタクト用開口部29が形成してある。本体部27に、X2側から、グランドコンタクト43、信号コンタクト41、グランドコンタクト44、信号コンタクト42、グランドコンタクト45の順で並んで保持されている。X1−X2方向がコンタクトの配列方向である。信号コンタクト及びグランドコンタクトの先端部は、Z1−Z2側から開口部29内に突き出している。
【0020】
31は第1の穴、32は第2の穴であり、本体部26のY2側の面26aのうち開口部29のX1−X2方向上両側の部位に、即ち、コンタクトの配列方向であるX1方向及びX2方向に延長した部位であって、中心線21Zからの距離が共にL1であって中心線21Zに関して対称である部位に、形成してある。第1、第2の穴31,32は、同じ形状であり、面26aに開口を有し、Y1方向が深さ方向である。コンタクトの配列方向の延長上の部位は本体部27の一部であり、ここに穴31,32を形成しても、プラグコネクタ21の外形サイズは大きくはならない。
【0021】
50はキー部材であり、第1、第2の穴31,32に対応する形状であり、バルジ部51を有する。キー部材50は、必要に応じて第1、第2の穴31,32内にY2側から打ち込まれてバルジ部52が潰されることによって固定され、第1、第2の穴31,32を塞ぐ。
【0022】
なお、開口部29と第1、第2の穴31,32との間にはスリット33,34が存在している。スリット33,34は後述するリブ77,78と嵌合する部分である。
【0023】
中継プリント基板46は、腕部28,29の内側の溝内に嵌合されて支持されており、信号コンタクト及びグランドコンタクトのY1端と接続してある。平衡伝送用ケーブル24はプリント基板46のY1端と接続してある。
【0024】
上記の第1、第2の穴31、32及びキー部材50が誤挿入接続防止構造を構成する。この誤挿入接続防止構造は、キー部材50を打ち込むことによって、プラグコネクタ21を使用するユーザ側で構築することが可能である。
[ジャックコネクタ61]
図2(B),図3(B)に示すように、ジャックコネクタ61は、板状突出し部71を有する雄型であり且つライトアングルタイプであり、ジャックコンタクト組立体62が金属板のプレス成形部品であるシールドハウジング63によって覆われている構造である。61XはX1−X2方向に延在する中心線、61ZはZ1−Z2方向に延在する中心線である。65は空間である嵌合凹部であり、プラグコネクタ21が嵌合される部分であり、Z2側であってX1−X2方向の両側に面取り部65a,65bを有し、プラグコネクタ21の嵌合部25に対応した形状である。
【0025】
ジャックコンタクト組立体62は、図4(B)に示す電気絶縁性の合成樹脂製のジャックコンタクト群保持体66に、ジャックコンタクト群を構成する2対の信号コンタクト81,82と3つのグランドコンタクト83,84,85とが、X1−X2方向上交互に並んで組み込まれている構造である。
【0026】
プラグコンタクト群保持体66は、Y1側の本体部67と、本体部67の両側よりY2方向に延びている腕部68,69とを有する。本体部67は、腕部68,69間の梁部70と、梁部70からY1側に板状に突き出している板状突出し部71とよりなる。板状突出し部71が特許請求の範囲の記載のブロックを構成する。腕部68,69には実装位置決めのためのピン72−1〜72−4がZ2方向に突き出て設けてある。
【0027】
本体部67に、X2側から、グランドコンタクト83、信号コンタクト81、グランドコンタクト84、信号コンタクト82、グランドコンタクト85の順で並んで保持されている。X1−X2方向がコンタクトの配列方向である。信号コンタクト及びグランドコンタクトの先端側の部分は、板状突出し部71の溝に嵌合してZ1面及びZ2面に露出している。
【0028】
75、76は第1、第2の突起部であり、板状突出し部71のX1−X2方向上両側の位置に、即ち、板状突出し部71をコンタクトの配列方向であるX1方向及びX2方向に延長した部位であって、中心線61Zからの距離が共に、上記第1、第2の穴31,32の距離と同じL1であって中心線61Zに関して対称である部位に、Y1−Y2方向に延在して形成してある。突起部75、76は、第1、第2の穴31,32に嵌合できる大きさであり、ジャックコネクタ61のサイズに合わせて矩形断面の面積が小さい形状であり、同じ形状である。コンタクトの配列方向の延長上の部位は、元々は空間である部分であり、突起部75、76はサイズが小さくて且つ元々は空間である嵌合凹部65である部分に配置してあり、突起部75、76を形成しても、ジャックコネクタ61の外形サイズは大きくはならない。
【0029】
また、突起部75、76はY2方向の外力に対しては十分な強度を有すると共に工具を使用して切除することが可能であるように形成してある。即ち、突起部75、76は、梁部70から突き出して形成されていると共に、Y1−Y2方向の全長に亘って板状突出し部71の端とリブ77,78でもって連結してある。よって、突起部75、76はその断面積が小さい形状であるけれども、その先端にY2方向に強い力が作用しても破壊しない十分な強度を有している。なお、工具を使用して突起部75、76をその根元の個所及びリブ77,78の個所で切断することによって、ジャックコンタクト群保持体66から切除することが可能である。
【0030】
上記の第1、第2の突起部75,76が誤挿入接続防止構造を構成する。この誤挿入接続防止構造は、第1、第2の突起部75,76のうちの一方を切除することによって、ジャックコネクタ61を使用するユーザ側で構築することが可能である。
【0031】
なお、図2(A)のプラグコネクタ21は、嵌合部25がジャックコネクタ61の嵌合凹部65内に挿入され、ジャックコネクタ61のコンタクトが配列してある板状突出し部71が開口部29内に相対的に嵌合し、信号コンタクト41,42、グランドコンタクト43,44,45が夫々信号コンタクト81,82、グランドコンタクト83,84,85に接続されて、ジャックコネクタ61と接続される。
[コネクタ装置20の使用状態]
プラグコネクタ21は、キー部材50が第1、第2の穴31,32に打ち込まれているか否かによって、図5(A)乃至(D)に示すように、四つの異なった態様となり得る。第1の態様(図5(A)):キー部材50が第1、第2の穴31,32のいずれにも打ち込まれていない。第2の態様(図5(B)):キー部材50が第1の穴31打ち込まれている。第3の態様(図5(C)):キー部材50が第2の穴32打ち込まれている。第4の態様(図5(D)):キー部材50が第1、第2の穴31,32のいずれにも打ち込まれている。
【0032】
ジャックコネクタ61は、突起部75、76が切除されているか否かによって、図5(E)乃至(H)に示すように、四つの異なった態様となり得る。第1の態様(図5(E)):突起部75、76が共に切除されている。第2の態様(図5(F)):突起部75が切除されており、突起部76が残っている。第3の態様(図5(G)):突起部76が切除されており、突起部75が残っている。第4の態様(図5(H)):突起部75、76が共に切除されていない。
【0033】
図5中、矢印はプラグコネクタ21がジャックコネクタ61に接続可能であることを示し、×印はキー部材50が突起部75、76に当って接続が拒否されること示す。
【0034】
突起部75、76を適宜切除して、図5(F)に示すジャックコネクタ61−1と、図5(G)に示すジャックコネクタ61−2とを用意し、図6に示すように、プリント基板1上の第1信号の経路の端にジャックコネクタ61−1を実装し、第2信号の経路の端にジャックコネクタ61−2を実装する。
【0035】
また、図6に示すように、第1信号が伝送されるケーブル24−1の端のプラグコネクタ21については、キー部材50を第1の穴31に打ち込んで、図5(B)に示すプラグコネクタ21−1とする。同じく図6に示すように、第2信号が伝送されるケーブル24−2の端のプラグコネクタ21については、キー部材50を第2の穴32に打ち込んで、図5(C)に示すプラグコネクタ21−2とする。
【0036】
プラグコネクタ21−1をジャックコネクタ61−1に挿入接続しようとすると、図7に示すように、キー部材50は妨害されずジャックコネクタ61−1内に侵入し、第2の突起部76が第2の穴32内に相対的に嵌合して、プラグコネクタ21−1はジャックコネクタ61−1に正常に接続される。
【0037】
なお、誤ってプラグコネクタ21−1をジャックコネクタ61−2に挿入接続しようとすると、図8に示すように、キー部材50が第1の突起部75に当り、それ以上の挿入は制限され、プラグコネクタ21−1をジャックコネクタ61−2に接続する誤挿入接続は防止される。プラグコネクタ21−1を強く押し込んでも第1の突起部75は破壊せず、誤挿入接続は確実に防止される。
【0038】
プラグコネクタ21−2をジャックコネクタ61−2に挿入接続しようとすると、図7に示すように、キー部材50は妨害されずジャックコネクタ60−2内に侵入し、第1の突起部75が第1の穴31内に相対的に嵌合して、プラグコネクタ21−2はジャックコネクタ60−2に正常に接続される。
【0039】
また、誤ってプラグコネクタ21−2をジャックコネクタ61−1に挿入接続しようとすると、図8に示すように、キー部材50が第2の突起部76に当り、それ以上の挿入は制限され、プラグコネクタ21−2をジャックコネクタ60−1に接続する誤挿入接続は防止される。プラグコネクタ21−2を強く押し込んでも第2の突起部76は破壊せず、誤挿入接続は確実に防止される。
【0040】
よって、図7に示すように、プラグコネクタ21−1は必ずジャックコネクタ61−1に接続され、プラグコネクタ21−2は必ずジャックコネクタ61−2に接続された状態となる。これによって、第1の信号は、ケーブル24−1、プラグコネクタ21−1、ジャックコネクタ60−1を通して伝送され、第2の信号は、ケーブル24−2、プラグコネクタ21−2、ジャックコネクタ60−2を通して伝送され、電子機器は正常に動作する。
[別の実施例]
次に本発明の別の実施例になるコネクタ装置について説明する。
【0041】
以下のコネクタ装置は穴及び突起部がZ方向の中心線に関して左右非対称である構成である。
【0042】
図9は本発明の実施例2になるコネクタ装置20Aを示す。コネクタ装置20Aは、同図(A)に示すプラグコネクタ21Aと同図(B)に示すジャックコネクタ61Aとよりなり、中心線から穴及び突起部までの距離が相違して左右非対称とされている。
【0043】
プラグコネクタ21Aは、中心線21Zから第1の穴31Aまでの距離がL1であり、中心線21Zから第2の穴32Aまでの距離がL2であり、L1≠L2であり、中心線21Zからの距離が相違している。
【0044】
ジャックコネクタ61Aは、プラグコネクタ21Aに対応して、中心線61Zから第1の突起部75Aまでの距離がL1であり、中心線61Zから第2の突起部76Aまでの距離がL2である。
【0045】
図10は本発明の実施例3になるコネクタ装置20Bを示す。コネクタ装置20Bは、同図(A)に示すプラグコネクタ21Bと同図(B)に示すジャックコネクタ61Bとよりなり、穴及び突起部の大きさが相違して左右非対称とされている。
【0046】
プラグコネクタ21Bは、第2の穴32Bが第1の穴31Bよりも大きい構成である。ジャックコネクタ61Bは、プラグコネクタ21Bに対応して、第2の突起部32Bが第1の突起部31Bよりも大きい構成である。
【0047】
図11は本発明の実施例4になるコネクタ装置20Cを示す。コネクタ装置20Cは、同図(A)に示すプラグコネクタ21Cと同図(B)に示すジャックコネクタ61Cとよりなり、穴及び突起部の数が相違して左右非対称とされている。
【0048】
プラグコネクタ21Cは、第1の穴31Cが一つであるのに対して、第1の穴32Cは二つである構成である。ジャックコネクタ61Cは、プラグコネクタ21Cに対応して、第1の突起部31Cが一つであるのに対して、第1の突起部32Cが二つである構成である。
【0049】
図9、図10、図11のコネクタ装置20A、20B、20Cは、図5に示すと同様に、プラグコネクタ21A、21B、21Cの片側の穴にキー部材50を打ち込んで埋め、ジャックコネクタ61A、61B、61Cの片側の突起部を切除して使用され、図8に示すと同様に、誤挿入接続が防止され、プラグコネクタ61A、61B、61Cは二つ並んでいるジャックコネクタのうちの所定のプラグコネクタにだけ挿入接続される。
【0050】
また、穴及び突起部が左右非対称であることによって、プラグコネクタ21A、21B、21Cが上下反転した姿勢で誤って挿入接続されることも防止される。
[変形例]
なお、図2(B)、図9(B)、図10(B)、図11(B)に示す雄型であるジャックコネクタ61、61A、61B、61CのY2側を変更して、ケーブルの端に設けて、プラグコネクタとし、図2(A)、図9(A)、図10(A)、図11(A)に示す雌型であるプラグコネクタ21、21A、21B、21CのY1側を変更して、プリント基板に実装できるようにして、ジャックコネクタとしてもよい。この場合には、プラグコネクタの誤挿入接続防止構造は、第1、第2の突起部が切除可能に設けられた構成となり、ジャックコネクタの誤挿入接続防止構造は、第1、第2の穴を有し、キー部材が打ち込まれた構成となる。
【0051】
また、上記の誤挿入接続防止構造は、平衡伝送路ではない通常の伝送路に使用される通常のプラグコネクタ及びジャックコネクタにも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】誤挿入接続防止構造が必要な状況を示す図である。
【図2】本発明の実施例1になるコネクタ装置をプラグコネクタとジャックコネクタとを対向させて示す斜視図である。
【図3】図1のコネクタ装置を構成するプラグコネクタとジャックコネクタの正面図である。
【図4】プラグコンタクト組立体とジャックコンタクト組立体とを対向させて且つ分解して示す斜視図である。
【図5】プラグコネクタ及びジャックコネクタの誤挿入接続防止構造の態様を示す図である。
【図6】コネクタ装置の使用状態を示す図である。
【図7】プラグコネクタがジャックコネクタに正常に接続された状態を示す図である。
【図8】プラグコネクタのジャックコネクタへの誤挿入接続が防止された状態を示す図である。
【図9】本発明の実施例2になるコネクタ装置をプラグコネクタとジャックコネクタとを対向させて示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例3になるコネクタ装置をプラグコネクタとジャックコネクタとを対向させて示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例4になるコネクタ装置をプラグコネクタとジャックコネクタとを対向させて示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
20、20A,20B,20C コネクタ装置
21、21A,21B,21C プラグコネクタ
22 プラグコンタクト組立体
23 シールドハウジング
24 平衡伝送用ケーブル
25 嵌合部
26 プラグコンタクト群保持体
27 本体部
29 コンタクト用開口部
31、31A,31B、31C 第1の穴
32、32A,32B、32C 第2の穴
33,34 スリット
41,42、81,82 信号コンタクト
43,44,45、83,84,85 グランドコンタクト
50 キー部材
61、61A,61B、61C ジャックコネクタ
62 ジャックコンタクト組立体
63 シールドハウジング
65 嵌合凹部
66 ジャックコンタクト群保持体
71 板状突出し部
75、75A,75B、75C 第1の突起部
76、76A,76B、76C 第2の突起部
77,78 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンタクトがブロックに配列して保持してあるプラグコンタクト組立体と、これを覆うハウジングとよりなり、ジャックコネクタに挿入接続されるプラグコネクタにおいて、
複数設けてあるジャックコネクタのうち所定のジャックコネクタ以外のジャックコネクタに挿入接続されることを防止する誤挿入接続防止構造を、上記ブロックのうち上記コンタクトが配列してある方向に延長した部位に設けてなる構成としたことを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプラグコネクタにおいて、
該誤挿入接続防止構造は、穴と該穴内に固定されて該穴を塞ぐキー部材とよりなる構成、或いは、切除可能に設けてある突起部よりなる構成としたことを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のプラグコネクタにおいて、
該突起部は、上記ブロックの端とリブでもってつながっている構成としたことを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のプラグコネクタにおいて、
上記穴又は上記突起部は、上記ブロックの中心に関して非対称に設けてある構成であることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうち何れか一項記載のプラグコネクタにおいて、
上記複数のコンタクトは、信号コンタクトとグランドコンタクトとが交互に並んでいる構成であり、平衡伝送方式に適用される構造であることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項6】
複数のコンタクトがブロックに配列して保持してあるジャックコンタクト組立体と、これを覆うハウジングとよりなり、プラグコネクタが挿入接続されるジャックコネクタにおいて、
複数設けてあるプラグコネクタのうち所定のプラグコネクタ以外のプラグコネクタが挿入接続されることを防止する誤挿入接続防止構造を、上記ブロックのうち上記コンタクトが配列してある方向に延長した部位に設けてなる構成としたことを特徴とするジャックコネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のジャックコネクタにおいて、
該誤挿入接続防止構造は、切除可能に設けてある突起部よりなる構成、或いは、穴と該穴内に固定されて該穴を塞ぐキー部材とよりなる構成としたことを特徴とするジャックコネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のジャックコネクタにおいて、
該突起部は、上記ブロックの端とリブでもってつながっている構成としたことを特徴とするジャックコネクタ。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のジャックコネクタにおいて、
該突起部又は該穴は、上記ブロックの中心に関して非対称に設けてある構成であることを特徴とするジャックコネクタ。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のうち何れか一項記載のジャックコネクタにおいて、
上記複数のコンタクトは、信号コンタクトとグランドコンタクトとが交互に並んでいる構成であり、平衡伝送方式に適用される構造であることを特徴とするジャックコネクタ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項5のうち何れか一項記載のプラグコネクタと、
請求項6乃至請求項10のうち何れか一項記載のジャックコネクタとよりなることを特徴とするコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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