説明

プラグロック構造

【課題】プラグロック構造において、セキュリティ性を向上させることにある。
【解決手段】給電プラグ10がインレット31へ挿入されて係止爪16が係止部21に係止されたとき、ロックピン55は係止爪16の係止部21と反対側に位置する。これにより、ロックピン55は、係止爪16における係止部21と反対側、すなわち、係止状態を解除する方向への動きを規制する。これにより、給電プラグ10をインレット31に挿し込むだけで、自動で給電プラグ10のインレット31からの抜出が規制されたロック状態とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラグロック構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは電気自動車の開発機運が非常に高くなってきている。電気自動車では、車両の動力源であるバッテリの電力残量が少なくなる度に、例えば家庭や電気スタンド等においてバッテリに充電を行わなくてはならないことから、電気自動車には様々な充電システムが設けられることになる(例えば、特許文献1参照)。例えば、家庭の商用電源に繋がる給電プラグを接続可能としたインレットを車両に設ける。そして、そのインレットに給電プラグを接続し、商用電源から車両に送電することで車両のバッテリに充電を行う。
【0003】
しかし、バッテリの充電には、ガソリン車のガソリン補給に比べて長い時間を要する。従って、給電プラグをインレットに接続して充電を開始した後、その状態で車両を長時間放置するケースが多くなる。このため、例えば、給電中の車両から給電プラグを取り外して別の車両のインレットに装着して盗電されたり、給電プラグ自体が盗まれたりすることも想定される。
【0004】
そこで、インレットに接続された給電プラグの不正な抜き出しを規制する給電プラグのロック構造が考えられている。例えば、給電プラグのロック構造として、図9に示すような構成が検討されている。給電プラグには、その内部から先端側に突出するロックアーム101が設けられている。ロックアーム101の先端には係止爪102が形成されている。給電プラグに設けられる操作部を操作することで、ロックアーム101とともに係止爪102を上側に変位させることができる。
【0005】
また、インレット104の上部には、係止爪102が係止される係止部105が形成されている。給電プラグは、インレット104に差し込まれると、係止爪102が係止部105に係止されることにより給電プラグのインレット104からの抜き出しが規制される。この状態において、操作部が操作されると、係止爪102が上側へ変位することにより係止部105による係止が解除され、給電プラグのインレット104からの抜き出しが可能となる。
【0006】
ロック構造106は、係止爪102を係止部105に係止された状態に保持する。ロック構造106はモータ107を備え、モータ107の出力軸の回転運動は、図示しない変換機構によりロックバー108の直線運動に変換される。モータ107の駆動に伴いロックバー108は、係止部105に係止された係止爪102の上側に位置することで給電プラグをロック状態とする。給電プラグのロック状態においては、その操作部が操作されても、係止爪102の上側への変位がロックバー108により規制されるので係止爪102は係止部105に係止された状態に保たれて、給電プラグのインレット104からの抜き出しが規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記ロック構造においては、所定の条件が成立したとき、車両側にて給電プラグがロック状態とされる。ここで、所定の条件とは、電子キーシステムを利用した構成においては、例えば、係止爪102が係止部105に係止されたこと、ユーザが携帯する電子キーと車両との通信を通じてユーザが車両周辺に存在する旨確認されたこと等である。
【0009】
しかし、給電プラグがインレット104に挿し込まれた後で、車両側にて上記所定の条件が成立したか否かの判断を行う必要があるため、給電プラグの挿し込みから給電プラグをロック状態とするまで一定時間を要していた。このようにロック状態となることが遅れることで給電プラグがインレットから不正に抜き出されるおそれがある。
【0010】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティ性を向上させたプラグロック構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、給電対象に固定されるインレットに給電プラグが挿し込まれた状態において、同給電プラグに設けられる係止爪が前記インレットに形成される係止部に係止されることにより前記給電プラグを抜け止め状態とする一方で、同給電プラグに設けられる操作部の操作に連動して前記係止爪が前記係止部と反対側に変位することを通じて前記係止爪の係止状態が解除されることにより前記給電プラグを引き抜き可能とするプラグ保持機構における前記操作部の操作を通じた前記係止爪の動作を規制するプラグロック構造において、特定方向へのみ弾性的に進退可能に、かつ前記給電プラグの前記インレットへの挿入に伴い変位する前記係止爪に係合可能に設けられたロックピンを備え、前記ロックピンは、前記係止爪との係合を通じて前記特定方向へ押し退けられるとともに、前記係止爪が前記係止部に係止されることをもって前記係止爪との係合状態が解除されることにより原位置へ弾性復帰して前記係止爪の前記係止部と反対側に位置することをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、給電プラグがインレットへ挿入されると、係止爪が係止部に係止される。このとき、ロックピンは係止爪の係止部と反対側に位置する。これにより、ロックピンは、係止爪の係止部と反対側、すなわち、係止状態が解除される方向への動きを規制する。具体的には、給電プラグの操作部が操作された場合、係止爪はロックピンをその進退方向である特定方向とは異なる方向へ押圧する。ここで、ロックピンは特定方向にのみ変位可能である。従って、係止爪から加わる力に対してロックピンは変位することなく、係止爪が係止部に係止された状態に保たれる。よって、給電プラグのインレットからの抜出が規制される。このように、給電プラグをインレットに挿し込むだけで、自動で給電プラグのインレットからの抜出が規制されたロック状態とすることができる。従って、プラグロック構造のセキュリティ性を向上させることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプラグロック構造において、前記ロックピンを前記係止爪側に突出可能に弾性保持するハウジングと、同ハウジングを変位させるアクチュエータと、を備え、同アクチュエータは前記ハウジングを介して前記ロックピンを、前記係止爪の前記係止部と反対側に位置することが可能とされる位置と、前記係止爪の前記係止部と反対側への変位を許容する位置との2位置間で変位させることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、アクチュエータを通じてハウジング及びロックピンの位置を変位させることにより給電プラグをロック状態からインレットからの抜出が許容されるアンロック状態に切り替えることができる。具体的には、ロック状態においては、ロックピンは係止爪の係止部と反対側に位置して係止爪の係止状態を解除する方向への変位を規制している。この状態において、アクチュエータは、ハウジングを介してロックピンを係止爪の係止状態を解除する方向への変位を許容する位置に変位させる。これにより、操作部を通じて係止爪の係止状態を解除することが可能となり、給電プラグをインレットから引き抜くことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のプラグロック構造において、前記ハウジングは前記係止部に係止された前記係止爪に対して前記給電対象側に設置され、前記ロックピンは前記インレットの軸方向に沿って進退することをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、ハウジングは係止部の給電対象側に位置している。従って、インレットの軸方向からみてハウジングを係止部と重なる位置に設けることができ、同方向からみてプラグロック構造をよりコンパクトに構成することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のプラグロック構造において、前記係止爪を外部から前記係止部側へ挿通させる係止孔が形成されるとともに、前記プラグロック構造を覆うケースを備え、前記アクチュエータは、前記ハウジングに対して前記給電対象側に設置されることをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、アクチュエータは、ハウジングに対して給電対象側、すなわち、給電プラグ側から離間した位置に設置される。このため、例えば、係止孔を介した工具等によるアクチュエータへの攻撃を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プラグロック構造において、セキュリティ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における充電システム及びハイブリッド式の車両の構成を示す構成図。
【図2】本実施形態におけるロック構造の分解斜視図。
【図3】本実施形態における給電プラグの挿入前のインレット及びロック構造の断面図。
【図4】本実施形態における給電プラグの挿入中のインレット及びロック構造の断面図。
【図5】本実施形態におけるロック状態のインレット及びロック構造の断面図。
【図6】本実施形態におけるアンロック状態のインレット及びロック構造の断面図。
【図7】他の実施形態におけるロック状態のロック構造の断面図。
【図8】他の実施形態におけるロック状態のロック構造の断面図。
【図9】従来のロック構造の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
図1に示されるように、ハイブリッド式の車両1には、駆動輪2の駆動源としてエンジンとモータとを組み合わせて使用するハイブリッドシステム3が備えられている。ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力のみを機械的に駆動輪2に伝えて走行するモードと、エンジンの動力で発電を行ってモータにより走行するモードと、エンジン及びモータの双方で駆動輪2を直接駆動するモードと、エンジンを使用せずにモータのみで走行するモードの各種モードを有している。
【0022】
ハイブリッドシステム3には、モータに電力を供給するバッテリ4が接続されている。バッテリ4は、エンジンの動力によって発電された電力が充電されるだけでなく、車両1の外部電源61からの電力が充電可能とされている。
【0023】
車両1には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアの施解錠を可能とする電子キーシステム70が搭載されている。電子キーシステム70は、車両1との間で相互に無線通信を行う電子キー80を備える。
【0024】
車両1には、電子キー80及び車両1のIDコードの照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)71が設けられている。照合ECU71は、固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ71aを備えている。照合ECU71には、車外LF(Low Frequency)発信機72と、車内LF発信機73と、UHF(Ultra High Frequency)受信機74とが接続されている。車外LF発信機72は、車両1の各ドアに埋設されて車外にLF帯の信号を発信する。車内LF発信機73は、車内床下等に埋設されて車内にLF帯の無線信号を発信する。UHF受信機74は、車内に埋設されてUHF帯の無線信号を受信する。
【0025】
一方、電子キー80には、通信制御部81が設けられている。通信制御部81は、固有のIDコードが記憶されたメモリ81aを備えている。通信制御部81には、LF帯の無線信号を受信するLF受信部82と、通信制御部81の指令に従いUHF帯の無線信号を発信するUHF発信部83とが接続されている。
【0026】
照合ECU71は、車外LF発信機72からLF帯のリクエスト信号Srqを間欠的に発信させることにより、車両1の周辺に車外通信エリアを形成する。車外通信エリアは、車両の周囲に亘り形成される。電子キー80は、車外通信エリアに進入すると、LF受信部82を介してリクエスト信号Srqを受信する。通信制御部81は、LF受信部82を介して受信したリクエスト信号Srqを認識すると、自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたUHF帯のIDコード信号Sidを、UHF発信部83を介して発信する。照合ECU71は、UHF受信機74を介してIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードとIDコード信号Sidに含まれるIDコードとのID照合(車外照合)を行う。照合ECU71は、車外照合が成立すると、図示しないドアロック装置による車両ドアの施解錠を許可又は実行する。
【0027】
照合ECU71は、車外照合が成立して車両ドアが解錠された後、ドアが開けられて運転者が乗車したことを認識すると、今度は車内LF発信機73からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成する。上記同様に電子キー80は、車内通信エリアに進入すると、IDコード信号Sidを送信する。照合ECU71は、UHF受信機74を介してIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードとIDコード信号Sidに含まれるIDコードとのID照合(車内照合)を行う。照合ECU71は、車内照合が成立すると、ハイブリッドシステム3の始動を許可する。
【0028】
図1に示すように、車両1に搭載されるバッテリ4は、プラグイン式の充電システム60によって充電される。充電システム60は、住宅や電気スタンド等の外部電源61に接続ケーブル12を介して接続される給電プラグ10を備えている。給電プラグ10は、車両1に接続可能とされている。外部電源61からは交流電力が給電プラグ10を介して車両1に供給される。接続ケーブル12には、充電を開始する際に操作される充電スイッチ62が設けられている。給電プラグ10が車両1に接続された状態において、充電スイッチ62がオン操作又はオフ操作されると、その旨の信号が給電プラグ10を介して車両1に出力される。
【0029】
車両1には、給電プラグ10の接続先としてインレット31が取り付けられている。インレット31は、給電プラグ10を挿し込むコネクタ部品であって、例えば車体の側面に設けられている。インレット31には、後述するロック構造41が設けられていて、同ロック構造41はインレット31に挿し込まれた給電プラグ10を自動でロック状態とする。ロック状態とは、インレット31からの給電プラグ10の抜き出しが規制された状態である。インレット31に給電プラグ10を挿し込むことにより、これらは電気的に接続される。インレット31から送り込まれた交流電力はコンバータ6によって直流電力に変換され、この直流電力がバッテリ4に供給される。これにより、バッテリ4が充電される。
【0030】
車両1には充電に関わる制御を行う充電ECU75が設けられている。充電ECU75は、図示しない車内LAN(Local Area Network)を介して照合ECU71との間で通信可能とされている。充電ECU75は、当該通信を通じて照合ECU71におけるID照合の成立結果を確認可能である。また、インレット31には、自身に給電プラグ10が挿し込まれたか否かを検出する検知センサ40が設けられている。充電ECU75は、検知センサ40の検出結果を通じて給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたことを認識できる。充電ECU75は、車外照合が成立した旨、並びに給電プラグ10がインレット31に挿し込まれた旨認識すると、充電可能状態となる。この状態において、充電ECU75は、充電スイッチ62がオン操作された旨の信号を給電プラグ10及びインレット31を介して受けるとコンバータ6の制御を通じてバッテリ4への給電を開始する。
【0031】
また、ロック構造41は、ソレノイド42を備える。充電ECU75は、ソレノイド42の通電状態を切り替える制御を行う。ソレノイド42が通電されると、給電プラグ10のロック状態が解除され、アンロック状態となる。アンロック状態においては、給電プラグ10をインレット31から抜き出すことができる。また、車両1におけるインレット31の近傍には、解除スイッチ76が設けられている。解除スイッチ76が操作されると、その旨の信号が充電ECU75に出力される。充電ECU75は、車外照合が成立した旨を確認した状態において、解除スイッチ76が操作された旨を認識すると、ソレノイド42に通電して給電プラグ10をアンロック状態に切り替える。これにより、給電プラグ10をインレット31から抜き出すことが可能となる。
【0032】
次に、給電プラグ10、インレット31及びロック構造41の具体的構成について図2及び図3を参照しつつ説明する。
<給電プラグ>
図3に示されるように、給電プラグ10の内部には、インレット31に挿入される円筒状の嵌着部14が形成されている。この嵌着部14は、給電プラグ10の先端から突出している。嵌着部14の内部には、給電プラグ10をインレット31に電気的に繋ぐ複数の接続端子(図示略)が設けられている。接続端子は、電力線を介して外部電源61に接続されてその送電経路となるパワー端子や、充電スイッチ62に信号線を介して接続されて、そこからの信号の通信経路となる制御端子を備える。なお、接続ケーブル12は、これら電力線及び信号線が絶縁体で被覆されてなる。
【0033】
また、図3に示すように、給電プラグ10の内部には、給電プラグ10の長手方向(左右方向)に延出するロックアーム18が設けられている。このロックアーム18は、その長手方向の略中央に位置する回動軸17を中心として回動可能である。ロックアーム18の先端部には係止爪16が形成されている。ロックアーム18の係止爪16と反対側の端部には、給電プラグ10の外部に露出する操作部19が形成されている。係止爪16には、その先端が下側に屈曲されてなる屈曲部16aが形成されている。
【0034】
ロックアーム18と給電プラグ10の内周面との間には付勢ばね15が設けられている。付勢ばね15は、給電プラグ10内における回動軸17及び係止爪16間に設けられている。従って、付勢ばね15は、ロックアーム18を、回動軸17を中心として右回りに付勢する。通常、係止爪16は付勢ばね15が伸長した状態における初期位置に保たれる。ロックアーム18と給電プラグ10の内周面との間には隙間があるので係止爪16は付勢ばね15の弾性力に抗して回動軸17を中心として左方向へ回転可能である。すなわち、操作部19が押圧操作されることで、係止爪16は付勢ばね15の弾性力に抗して回動軸17を中心として図3に示される初期位置から上側に変位し、操作力が解除されると付勢ばね15の弾性力により初期位置に戻る。
<インレット>
図3に示すように、インレット31には、筒状の挿込口33が形成されている。挿込口33は、給電プラグ10の嵌着部14が挿し込み可能に形成されている。挿込口33の内部には接続端子(図示略)が設けられている。接続端子は、コンバータ6に電力線を介して接続されて外部電源61からの送電経路となるパワー端子や、充電ECU75に信号線を介して接続されて充電スイッチ62からの信号の通信経路となる制御端子を備える。
【0035】
嵌着部14が挿込口33に挿し込まれたとき、嵌着部14の接続端子及び挿込口33の接続端子は電気的に接続された状態となる。すなわち、この状態においては、電力線を介して外部電源61からの電力がバッテリ4に供給可能となり、信号線を介して充電スイッチ62からの信号が充電ECU75に出力可能となる。
【0036】
図3に示すように、挿込口33の外周面には、直方状の係止部21が形成されている。係止部21は、挿込口33の基端側(図3右側)に向かうにつれて挿込口33の周面を基準とする高さが大きくなる傾斜面21aと、挿込口33の周面に略垂直をなす係止面21bとを有する。傾斜面21aは給電プラグ10側に、係止面21bは車両1側にそれぞれ形成されている。詳しくは、後述するが、給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたとき、係止爪16は係止部21に係止される。インレット31における係止部21の右側には係止爪16の接近を検出する検知センサ40が設けられている。検知センサ40は、係止爪16の接近に応じた信号を充電ECU75に出力する。充電ECU75は、検知センサ40の検出結果に基づき、係止爪16が係止部21に係止されているか否か、ひいては給電プラグ10がインレット31に挿し込まれた否かを認識することができる。なお、係止爪16及び係止部21等が給電プラグ10のインレット31からの引き抜きを規制するプラグ保持機構に相当する。
<ロック構造>
ロック構造41は、図3に示すように、インレット31の上部にそれと一体で形成されるケース35内に設けられている。ケース35における給電プラグ10側の側壁には、係止爪16が挿入される係止孔46が形成されている。
【0037】
ロック構造41は、前述したソレノイド42に加えて、ロックユニット50を備える。本例において、ソレノイド42は、吸引型のソレノイドが採用されている。ソレノイド42は、図2に示すように、その本体43から突出した棒状のプランジャ44を備える。プランジャ44の外周には、付勢ばね45が設けられている。プランジャ44の先端側の周面には、互いに反対側へ突出する2つの係止棒47が設けられている。付勢ばね45は、両係止棒47及び本体43の外面間に位置するとともに、自身の弾性力により両係止棒47を介してプランジャ44をその先端側に突出させた状態に保つ。ソレノイド42の本体43は、ケース35内においてインレット31の周面における最も車両側(図3の右側)に設置される。プランジャ44は、インレット31の軸方向に沿って給電プラグ10側に延出する。
【0038】
ソレノイド42が通電されていない状態においては、プランジャ44は、付勢ばね45の弾性力により突出した状態となる。ソレノイド42が通電されるとプランジャ44が付勢ばね45の弾性力に抗して本体43に引き込まれ、再び通電が解除されると付勢ばね45の弾性力によりプランジャ44は先端側に突出する。すなわち、ソレノイド42の通電が継続される期間においてのみ、プランジャ44が本体43に引き込まれた状態が維持される。
【0039】
ロックユニット50は、プランジャ44の進退運動に伴い変位する。すなわち、図2に示すように、ロックユニット50のハウジング51におけるプランジャ44の軸方向に延びる両側面には、同方向に延びる凸部58が形成されている。図3に破線で示すように、ケース35のロックユニット50を介して対向する2つの内面には、左右方向に延びる凹部35aが形成されている。図3においては、一方の凹部35aのみ図示されている。凹部35aには凸部58が摺動可能に嵌合する。これにより、ロックユニット50は、凹部35aに沿って左右方向に変位可能となる。
【0040】
また、図2に示すように、ハウジング51のソレノイド42側の外面には、一対の連結部52が上下方向に離間して設けられている。連結部52は、ハウジング51の外面からプランジャ44側に延びるとともにその先端が図3における紙面手前側に垂直に屈曲された略L字状に形成されている。連結部52は、プランジャ44の係止棒47に対応して設けられている。連結部52の屈曲された部分の先端面にはU字状の溝53が形成されている。溝53は、溝53の配設方向において連結部52を貫通する態様で形成されている。各溝53には係止棒47が嵌め込まれる。この状態においては、両連結部52間にプランジャ44が位置するとともに、係止棒47は連結部52によって保持される。プランジャ44の進退方向と、溝53の形成方向とは直交しているため、プランジャ44の変位により連結部52及び係止棒47の嵌合関係が解消されることない。従って、ロックユニット50は連結部52を介してプランジャ44に連動して変位する。
【0041】
図3に示すように、ハウジング51の内部には、ロックピン55が設けられ、同ロックピン55の先端部56はハウジング51の給電プラグ10側の面から突出する態様で設けられている。具体的には、ロックピン55は、ハウジング51の内部に位置する厚板状のベース部54を備える。このベース部54は、その各側面がハウジング51の内部における左右方向に延びる側面に接する形状でなる。すなわち、ベース部54は、ハウジング51の内面を左右方向へ摺動する。
【0042】
先端部56は、ベース部54の給電プラグ10側の面において、係止孔46側に延びる略直方状に形成されている。ハウジング51の給電プラグ10側の面には、先端部56をその軸方向に挿通可能とした貫通孔51aが形成されている。先端部56は、貫通孔51aに内側から挿入されている。ハウジング51の内部においてベース部54が左右方向に変位することで、先端部56はハウジング51からその先端側に突出又はハウジング51内に退避する。
【0043】
また、ベース部54の先端部56と反対側の面と、ハウジング51のソレノイド42側の内面との間には、コイル状のスプリング57が設けられている。このスプリング57は、ベース部54を介してロックピン55を給電プラグ10側に付勢する。ロックピン55の給電プラグ10側への変位はベース部54がハウジング51の貫通孔51aの周縁部に当接することにより規制される。
【0044】
また、先端部56におけるインレット31側の部分には、先端に向かうにつれて先端部56の上下方向における厚みが少なくなる態様で傾斜面56aが形成されている。この傾斜面56aは、係止爪16の背面(上面)の形状に沿って形成されている。
【0045】
次に、給電プラグ10をインレット31へ挿し込んだときのロック構造41の作用について図3〜図6を参照しつつ説明する。なお、給電プラグ10がインレット31に挿し込まれていない状態においてはソレノイド42に通電はされていない。
【0046】
図3に示すように、嵌着部14が挿込口33に接近するのに伴い係止爪16が係止孔46内に進入していく。そして、給電プラグ10の嵌着部14を挿込口33に挿入していくと、係止爪16の屈曲部16aは傾斜面21aを介して係止部21を登っていく。係止爪16が傾斜面21aを登るにつれてロックアーム18は付勢ばね15の付勢力に抗して回動軸17を中心として左方向へ回転する。
【0047】
図3に2点鎖線で示されるように、さらに、給電プラグ10が挿込口33に押し込まれて、屈曲部16aが係止部21の上面に位置したとき、屈曲部16aが先端部56の先端面に当接する。この先端部56に当接した状態からさらに給電プラグ10が押し込まれると、屈曲部16aは、図4に示すように、スプリング57の付勢力に抗してロックピン55とともに右側に変位する。このとき、ロックユニット50自体は変位することなく、ベース部54がハウジング51内を右側に変位することで先端部56はハウジング51内に引き込まれていく。
【0048】
さらに、給電プラグ10が押し込まれると、図5に示すように、屈曲部16aが係止部21の上面を経て係止面21bを超える。このとき、付勢ばね15の付勢力によりロックアーム18は右方向へ回転して係止爪16は下側に変位する。これにより、係止爪16の屈曲部16aは係止部21の係止面21bに係止される。この係止爪16の下側への変位に伴い、屈曲部16a及び先端部56の先端面間での当接状態が解消されて、先端部56がスプリング57の弾性力により給電プラグ10側に突出する。これにより、図5に示すように、屈曲部16aの背面が先端部56の傾斜面56aに接した状態となる。このとき、係止部21に係止される係止爪16は、先端部56により上側から押圧されている状態となる。この状態は、給電プラグ10のインレット31からの引き抜きが規制されたロック状態である。
【0049】
すなわち、このロック状態において、操作部19が押圧されると、係止爪16を介して先端部56に上側への力が加わる。ここで、先端部56は、ハウジング51内におけるベース部54を介して左右方向に変位可能であるものの、上下方向への変位はできない。従って、先端部56は、係止爪16の上側への変位を規制する。このため、操作部19を押し下げることができず、係止爪16の係止状態を解除することができない。このように、給電プラグ10をインレット31に挿し込むだけで、自動で給電プラグ10をロック状態とすることができる。従って、例えば給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたこと等を条件として給電プラグ10をロック状態とする場合に比べて、より迅速に給電プラグ10をロック状態とすることができ、セキュリティ性を向上させることができる。さらに、給電プラグ10をロック状態とする際にはソレノイド42に通電する必要がないため、例えば、電気系統の故障時においても確実に給電プラグ10をロック状態とすることができる。それに加えて、給電プラグ10のロックに係る消費電力の低減を図ることができる。
【0050】
前述のように、充電ECU75は、検知センサ40を通じて係止爪16が係止部21に係止されたことを認識可能である。ここで、係止爪16が係止部21に係止されたときには、給電プラグ10のインレット31への挿し込みがなされて給電プラグ10がロック状態となる。すなわち、充電ECU75は、検知センサ40を通じて給電プラグ10がロック状態となったことを認識できる。そして、充電ECU75は、給電プラグ10がロック状態となったことを認識したうえで、車外照合が成立した旨を認識すると充電可能状態となる。この充電可能状態において、充電ECU75は充電スイッチ62のオン操作がされた旨の信号を受けるとバッテリ4の充電を開始する。
【0051】
バッテリ4の充電が完了すると解除スイッチ76が操作される。充電ECU75は、車外照合が成立した旨を確認した状態において、解除スイッチ76が操作された旨を認識すると、ソレノイド42に通電する。ソレノイド42が通電されると、図6に示すように、プランジャ44を通じてロックユニット50が右側に引き込まれる。これにより、先端部56は、屈曲部16aの背面から離間していく。これに伴い、先端部56は、スプリング57の弾性力により徐々にハウジング51から突出した状態に戻っていく。やがて、ベース部54はハウジング51における貫通孔51aの周縁部に当接し、このときの先端部56が屈曲部16aの動作範囲から外れる位置までロックユニット50は右側に変位する。この状態が給電プラグ10のインレット31からの引き抜きを可能とするアンロック状態である。アンロック状態において、先端部56は、操作部19の操作に伴う係止爪16の上側への変位を阻害しない。換言すると、先端部56が係止爪16の変位を阻害しないように、プランジャ44の引き込み量やロックユニット50の設置位置が調整されている。アンロック状態において、操作部19が押圧されると、図6の2点鎖線で示すように、係止爪16は上側に変位するため、係止爪16の係止状態が解除される。この状態を保ちつつ、給電プラグ10を手前側に引っ張ることで給電プラグ10をインレット31から引き抜くことが可能となる。
【0052】
充電ECU75は、検知センサ40を通じて係止爪16の係止状態が解除されたときから一定時間経過後にソレノイド42への通電を停止する。この一定時間経過は、係止状態を解除するための操作部19の操作から給電プラグ10がインレット31から完全に引き抜かれるまでに要する時間に設定される。給電プラグ10の引き抜きにより、先の図3に示したように、プランジャ44は突出した状態に戻り、先端部56は係止部21の上部に位置する。
【0053】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)給電プラグ10がインレット31へ挿入されると、係止爪16が係止部21に係止される。このとき、ロックピン55は係止爪16の係止部21と反対側に位置する。これにより、ロックピン55は、係止爪16における係止部21と反対側、すなわち、係止状態を解除する方向への動きを規制する。具体的には、給電プラグ10の操作部19が操作された場合、係止爪16はロックピン55をその進退方向とは異なる方向へ押圧する。従って、ロックピン55は変位することなく、係止爪16が係止部21に係止された状態に保たれ、給電プラグ10のインレット31からの抜出が規制される。これにより、給電プラグ10をインレット31に挿し込むだけで、自動で給電プラグ10のインレット31からの抜出が規制されたロック状態とすることができる。給電プラグ10の挿入検知後に所定のロック動作を行う場合と異なり給電プラグ10の挿入完了と同時にロック状態とする。従って、給電プラグ10の装着後の僅かな時間での給電プラグ10の取り外し等が抑制される。また、車両側における電気系統故障時においても確実に給電プラグ10をロック状態とすることができる。従って、ロック構造41におけるセキュリティ性を向上させることができる。
【0054】
また、ロック状態とする際には、ソレノイド42に通電することはないため給電プラグ10のロックに係る消費電力の低減を図ることができる。
さらに、ロックユニット50のみで給電プラグ10をロック状態とすることができる。従って、ロック構造41をより簡易な構成とすることができる。
【0055】
(2)ソレノイド42を通じてハウジング51及びロックピン55の位置を変位させることにより給電プラグ10をロック状態からアンロック状態に切り替えることができる。具体的には、ロック状態においては、ハウジング51から突出したロックピン55は係止爪16の背面側に位置して係止爪16の係止状態を解除する方向への変位を規制している。この状態において、ソレノイド42は、ハウジング51を介してロックピン55を係止爪16の動作範囲から外れる位置、すなわち係止爪16の係止状態を解除する方向への変位を許容する位置に変位させる。これにより、係止爪16は係止部21と反対側に変位することが可能となり、給電プラグ10をインレット31から引き抜くことができる。
【0056】
(3)ロックユニット50は係止部21の車両1側に位置している。さらに、ソレノイド42はロックユニット50の車両1側に位置している。すなわち、インレット31の軸方向からみて係止部21と重なる位置にハウジング51及びソレノイド42が設けられている。このため、インレット31をその軸方向からみたとき、ロックユニット50及びそのケース35がインレット31の特定方向のサイズより大きくなることが抑制される。このような、インレット31の軸方向からみたときのロック構造41のコンパクト化は特に以下の観点から有益である。インレット31は、車両側部に凹状に形成される充電口内に設けられる。この充電口のサイズは予め決まっており、ロック構造41のために充電口自体のサイズを変更することは現実的でない。そこで、ロック構造41の各要素をインレット31の軸方向に配列することで、充電口のサイズに適したロック構造41を備えたインレット31を形成することができる。
【0057】
(4)ソレノイド42は、ハウジング51に対して車両1側、すなわち、車外側から離間した位置に設置される。このため、例えば、係止孔46を介して車外側から工具等によるソレノイド42への攻撃を抑制することができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、充電ECU75は、車外照合が成立した旨を確認した状態において、解除スイッチ76が操作された旨を認識したときから給電プラグ10がインレット31から引き抜かれるまでソレノイド42に通電していた。ここで、ソレノイド42に長時間に亘って通電し続けると発熱するおそれがある。そこで、充電ECU75は、タイマを備え、同タイマを通じて通電時間を計測する。充電ECU75は、この通電時間が一定時間を超えると、ソレノイド等の温度が低下するまで通電を停止してもよい。すなわち、一定時間はソレノイドの温度が低下したと予想される時間に設定される。一定時間経過後には、ソレノイド42に再び通電がなされる。
【0059】
・上記実施形態においては、電子キーシステムとして、電子キー80及び車両1間でリクエスト信号Srq及びIDコード信号Sidの授受を介して行われる、いわゆる操作フリーキーシステムを採用していた。しかし、電子キー80及び車両1間でのID照合が可能であれば、電子キー80から車両1に単方向にリクエスト信号が送信されるワイヤレスキーシステムを採用してもよい。さらに、電子キーシステムを省略してもよい。この場合、例えば、メカニカルキーによって車両ドアが施錠されたとき、給電プラグ10をロック状態とする。そして、メカニカルキーによって車両ドアが解錠されたとき、給電プラグ10をアンロック状態とする。すなわち、車両ドアの施解錠状態に応じて給電プラグ10のロック状態が切り替わる。本構成においては、例えば、インレット31の近傍に第1のモード及び第2のモード間でモードの切り替えが可能とされる新たなスイッチを設ける。当該スイッチは、例えば、プッシュ式のスイッチであって、操作毎に充電ECU75においてモードが切り替わる。充電ECU75は、第1のモードにあるとき、車両ドアの施解錠状態に連動して給電プラグ10のロック状態を切り替える。また、充電ECU75は、第2のモードにあるとき、給電プラグ10のロック状態を車両ドアの施解錠状態に連動させない。すなわち、ユーザは、車両ドアの施解錠状態のみを切り替えたいときには、当該スイッチを第2のモードとする。これにより、利便性が向上する。
【0060】
以上のような、車両ドアの施解錠状態に基づき給電プラグ10のロック状態を切り替える構成は、メカニカルキーを採用した場合に限らず、上記実施形態の電子キーシステム及びワイヤレスキーシステムにおいても採用することができる。
【0061】
・上記実施形態においては、検知センサ40は、近接センサであったが、係止爪16が係止部21に係止しているか否かを監視可能であれば、例えば押圧センサ等であってもよい。押圧センサは、係止爪16が係止部21に係止されたときに押圧される位置に設ける。
【0062】
・上記実施形態においては、ソレノイド42は吸引型のソレノイドが採用されていた。しかし、プランジャ44を進退運動させることができれば、吸引型に限らず、さらにソレノイドに限らない。例えば、自己保持型のソレノイドを採用してもよいし、モータを採用してもよい。モータを採用した場合には、その出力軸の回転運動をプランジャの直線運動に変換する変換機構を構成する必要がある。
【0063】
さらに、ソレノイド42等のアクチュエータを省略して構成してもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様にロックユニット50によって、給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたときには、給電プラグ10をロック状態とすることができる。ロック状態からアンロック状態への切り替えは例えば手動で行う。すなわち、ロックユニット50に連動する操作部をユーザが操作可能な位置に設け、その操作部が操作されることで、ロックユニット50を介して先端部56は係止状態にある係止爪16から離間して、給電プラグ10をアンロック状態とすることができる。なお、セキュリティ上、操作部は車内側に設けられることが好ましい。
【0064】
・上記実施形態においては、ソレノイド42は、給電プラグ10の挿抜方向においてロックユニット50の車両1側に設けられていた。しかし、ソレノイド42の位置はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、ロックユニット50に対してソレノイド42を挿抜方向に対して垂直方向に隣り合う位置に設けてもよい。本構成においては、給電プラグ10をロック状態とするまでは、上記実施形態と同様に作用する。給電プラグ10をアンロック状態とするとき、ロックユニット50を前記垂直方向、図7の右側に変位させる。これにより、ロックユニット50の先端部56が係止爪16に干渉しない位置まで右側に変位され、アンロック状態となる。
【0065】
・上記実施形態においては、ロックユニット50は係止状態にある係止爪16の車両1側に設けられていた。しかし、ロックユニット50の設置位置、すなわち、先端部56の進退方向はこれに限定されない。具体的には、図8に示すように、係止爪16の延出方向に対して垂直方向に先端部56が進退するようにロックユニット50を設けてもよい。この場合、係止爪16は、先端部56を左側に押し退けつつ、係止部21の上面を変位する。そして、係止爪16が係止部21に係止されたとき、先端部56は係止爪16の上部に突出する。この状態においては、係止爪16の上側への変位が規制され、給電プラグ10をロック状態とすることができる。本構成においては、ソレノイド42は、図8におけるロックユニット50の左側に設けてもよいし、同図におけるロックユニット50の紙面奥側に設けてもよい。ソレノイド42をロックユニット50の左側に設けた場合、同ソレノイド42はロックユニット50を左側に変位させ、アンロック状態とする。ソレノイド42をロックユニット50の紙面奥側に設けた場合、同ソレノイド42はロックユニット50を紙面奥側に変位させ、アンロック状態とする。
【0066】
・上記実施形態においては、給電対象はハイブリッド式の車両であったが、給電対象は電気自動車であってもよい。また、給電プラグ10を通じて給電が行われるものであれば、給電対象は車両に限定されない。
【0067】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項2〜4の何れか一項に記載のプラグロック構造において、前記アクチュエータは前記ハウジングに連結されるプランジャを備える吸引型ソレノイドであって、前記吸引型ソレノイドの非通電状態において前記プランジャは、自身を前記係止爪側に付勢する付勢手段の付勢力により突出することで、前記ロックピンは前記係止爪の前記係止部と反対側に位置し、通電状態においては前記プランジャを前記付勢手段の付勢力に抗して前記吸引型ソレノイドの本体側に変位させることで前記ハウジングを介して前記ロックピンを前記係止爪の前記係止部と反対側への変位を許容する位置まで変位させるプラグロック構造。
【0068】
同構成によれば、給電プラグのロック状態を解除するときにのみ、吸引型ソレノイドを通電すればよい。従って、給電プラグのロックに係る消費電力を低減することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…車両、2…駆動輪、3…ハイブリッドシステム、10…給電プラグ、16…係止爪、21…係止部、31…インレット、41…ロック構造、42…ソレノイド、44…プランジャ、50…ロックユニット、51…ハウジング、55…ロックピン、56…先端部、60…充電システム、70…電子キーシステム、71…照合ECU、75…充電ECU、80…電子キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電対象に固定されるインレットに給電プラグが挿し込まれた状態において、同給電プラグに設けられる係止爪が前記インレットに形成される係止部に係止されることにより前記給電プラグを抜け止め状態とする一方で、同給電プラグに設けられる操作部の操作に連動して前記係止爪が前記係止部と反対側に変位することを通じて前記係止爪の係止状態が解除されることにより前記給電プラグを引き抜き可能とするプラグ保持機構における前記操作部の操作を通じた前記係止爪の動作を規制するプラグロック構造において、
特定方向へのみ弾性的に進退可能に、かつ前記給電プラグの前記インレットへの挿入に伴い変位する前記係止爪に係合可能に設けられたロックピンを備え、
前記ロックピンは、前記係止爪との係合を通じて前記特定方向へ押し退けられるとともに、前記係止爪が前記係止部に係止されることをもって前記係止爪との係合状態が解除されることにより原位置へ弾性復帰して前記係止爪の前記係止部と反対側に位置するプラグロック構造。
【請求項2】
請求項1に記載のプラグロック構造において、
前記ロックピンを前記係止爪側に突出可能に弾性保持するハウジングと、
同ハウジングを変位させるアクチュエータと、を備え、
同アクチュエータは前記ハウジングを介して前記ロックピンを、前記係止爪の前記係止部と反対側に位置することが可能とされる位置と、前記係止爪の前記係止部と反対側への変位を許容する位置との2位置間で変位させるプラグロック構造。
【請求項3】
請求項2に記載のプラグロック構造において、
前記ハウジングは前記係止部に係止された前記係止爪に対して前記給電対象側に設置され、
前記ロックピンは前記インレットの軸方向に沿って進退するプラグロック構造。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のプラグロック構造において、
前記係止爪を外部から前記係止部側へ挿通させる係止孔が形成されるとともに、前記プラグロック構造を覆うケースを備え、
前記アクチュエータは、前記ハウジングに対して前記給電対象側に設置されるプラグロック構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−243342(P2011−243342A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112904(P2010−112904)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】