説明

プラグ

【課題】電気機器の安全性を確保する。
【解決手段】無線通信によりデータを送受信するIDタグ21を備えたプラグ20であって、IDタグ21は、当該プラグ20が挿入されたアウトレット10が送信した、当該プラグ20において発生した電気的異常に関する情報、当該プラグ20の挿入時間、当該プラグ20の通電時間、のうち少なくとも1つを記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、『コンセントに接続した電気機器の識別情報や消費電流値等の取得及びネットワーク接続と、移動体の位置情報やセンサ情報等の取得及びネットワーク接続を行うことができる、通信機能付き電源用プラグ及びコンセントを得る。』ことを目的とした技術として、『壁コンセントの埋込みケースやテーブルタップのケースに、電力線搬送通信を行うためのPLCモデムと、電気機器の識別情報や消費電流値等を取得するためプラグに内蔵したRFIDセンサと無線通信を行うためのリーダー/ライターを内蔵し、及び/又は移動体の位置情報やセンサ情報等を取得するため当該移動体に装着したRFIDセンサと無線通信を行うためのリーダー/ライターを内蔵する。』というものが提案されている(特許文献1)。
また、上記特許文献1では、プラグ3に電流センサ15を備え、異常電流を計測することが記載されている(図2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−245983号公報(要約、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、プラグ3に電流センサ15を設けて異常を検出している。しかし、既存のプラグは、全てに電流センサが備わっているわけではないため、電流センサを備えていないプラグに関しては、異常電流を検出して安全性を確保することはできない。
【0005】
また、異常が発生したプラグは即座に使用を中止して交換・修理等を行うことが望ましいが、上記特許文献1に記載の技術では、プラグに備えた電流センサ等により異常を検出するため、通電時まで異常発生の有無が分からない。
そのため、異常が発生したプラグを誤って再度使用してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電気機器の安全性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプラグは、無線通信によりデータを送受信するIDタグを備えたプラグであって、前記IDタグは、当該プラグが挿入されたアウトレットが送信した、当該プラグにおいて発生した電気的異常に関する情報、当該プラグの挿入時間、当該プラグの通電時間、のうち少なくとも1つを記録するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るプラグによれば、異常の発生したプラグおよびそのプラグを備える電気機器を誤って再度使用してしまう可能性を低減することができるので、電気機器の安全性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図2】実施の形態2に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図3】実施の形態3に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図4】実施の形態4に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図5】実施の形態5に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図6】実施の形態6に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図7】実施の形態7に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図8】実施の形態8に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図9】実施の形態9に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
【図10】実施の形態9に係るアウトレット10aおよび10bを家屋内に配設し、ホームネットワークを形成した例を示すものである。
【図11】実施の形態10に係るアウトレットアダプタ100の構成図である。
【図12】実施の形態11に係るプラグアダプタ300の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
アウトレット10は、電気機器30に電力を供給するためのプラグ挿入口としての役割を果たす。アウトレット10は、電流センサ11、検出手段12、ライタ13を備える。
プラグ20は、電気機器30に備えられたものであり、当該プラグ20をアウトレット10に挿入して電気機器30に電力を供給するためのものである。プラグ20は、IDタグ21を備える。
【0011】
電流センサ11は、アウトレット10にプラグ20が挿入され、電気機器30の電源スイッチがONになった(通電状態になった)際に流れる電流を検出する。検出値は、検出手段12に出力される。
検出手段12は、例えば電流センサ11の検出値が所定の閾値を超えた、等により通電時の電流に異常が発生したことを検出し、その旨をライタ13に通知する。
ライタ13は、検出手段12が異常発生を検出すると、無線通信により、プラグ20が備えるIDタグ21にその旨を書き込む。プラグ20がアウトレット10に挿入されている時のみ書込み可能であればよいので、通信可能距離は短距離で十分である。
【0012】
ライタ13がIDタグ21に書き込む内容としては、(1)検出電流値、(2)検出年月日、(3)異常電流の継続時間、(4)異常発生の有無を表すフラグ、などが考えられる。
【0013】
電流センサ11、検出手段12、ライタ13は、例えばアウトレット10のカバーの裏側など、ユーザがプラグ20を挿入する際に邪魔にならない箇所に配設することが望ましい。
【0014】
検出手段12は、その機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで実現することもできるし、アウトレット10内に配置可能な小型のマイコン等の演算装置上で実行するソフトウェアとして実現することもできる。
【0015】
IDタグ21は、無線通信によりライタ13からデータを受け取り、その内容を保持するものであり、例えばRFIDタグやICタグで構成することができる。
IDタグ21は、プラグ20の内部、もしくは外部カバーの表面など、プラグ20をアウトレット10に挿入した際に、ライタ13との無線通信が可能な距離に位置するように配設する。
【0016】
次に、本実施の形態1に係るアウトレット10とプラグ20の動作について説明する。
【0017】
(1)電気機器30の内部故障等により、電流センサ11が異常電流を検出すると、検出手段12が異常発生を検出し、その旨の情報がライタ13によってIDタグ21に書き込まれる。
【0018】
(2)ユーザは、プラグ20をアウトレット10から取り外して、電気機器30の使用を中止する。このとき、ユーザが即座に電気機器30の交換・修理等を行えばよいが、必ずしもこれらが行われるとは限らず、そのままの状態で放置される可能性がある。
内部故障は、電気機器30の外面からは容易には分からないため、電気機器30に内部故障が生じていることを知らない別のユーザ等が、電気機器30を誤って使用してしまう可能性がある。
【0019】
(3)しかし、異常が発生した旨は、既にIDタグ21に記録されているので、これを参照することが可能である。
例えば、IDタグ21に記録されている情報を、電気機器30もしくはその他の外部機器が備えているリーダで読み取らせることにより、電気機器30に異常が生じていることを、別のユーザが知ることができる。
【0020】
なお、電流センサ11により電気的異常の発生を検出することを説明したが、電圧センサにより異常を検出してもよいし、双方を併用してもよい。以下の実施の形態においても同様である。
【0021】
以上のように、本実施の形態1によれば、アウトレット10に電流センサ11を備えているので、プラグ20や電気機器30が電流センサを備えていなくても、電気的異常の発生を検出することが可能である。
また、プラグ20にIDタグ21を設け、電気的異常に関する情報をIDタグ21に書き込んでおくことにより、内部故障等のある電気機器30を誤って使用してしまうことを未然に防止できる。
これらの構成によって、電気機器30の使用に際する安全性を高める効果がある。
【0022】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図2において、アウトレット10は、実施の形態1の図1で説明した検出手段12に代えて、計数手段14を備える。その他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0023】
計数手段14は、その機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで実現することもできるし、アウトレット10内に配置可能な小型のマイコン等の演算装置上で実行するソフトウェアとして実現することもできる。
【0024】
計数手段14は、電流センサ11の検出値に基づき、以下の(1)〜(3)の少なくとも1つをカウントするものである。
【0025】
(1)プラグ20をアウトレット10に挿入している時間(挿入時間)をカウントする。
(2)アウトレット10〜電気機器30間の通電時間をカウントする。
(3)通電電力または通電電流を、所定のレベル毎に区分けし、各レベル毎に通電時間をカウントする。
【0026】
なお、計数手段14によるカウントの手法は、例えば以下の(1)〜(4)のいずれかを用いることができる。
【0027】
(1)マイコンの内部クロック等を用いてカウントする。
(2)供給される商用交流電源のサイクルをカウントする。
(3)内部時計の時刻を用いてカウントする。
(4)電波時計を内蔵しておき、現在時刻を逐次取得することによりカウントする。
【0028】
計数手段14のカウント結果は、ライタ13に出力される。ライタ13は、計数手段14のカウント結果をIDタグ21に書き込む。
これにより、IDタグ21には、上述の通電時間等の情報が蓄積されることになる。
【0029】
なお、上述の通電時間等の情報をIDタグ21に書き込む際に、通電回数や頻度、通電年月日、電流値、異常発生の有無を表すフラグなどの情報を併せて書き込んでおいてもよい。以下の実施の形態においても同様である。
【0030】
IDタグ21に記録されている上述の通電時間等の情報を、電気機器30もしくはその他の外部機器が備えているリーダで読み取らせることにより、積算通電時間等が得られるので、電気機器30やプラグ20の使用時間が分かる。
したがって、これらの経年劣化に基づく異常発生が生じる前に、部品交換や修理などの事前対応を取ることが可能になるので、電気機器30の使用に際する安全性を高める効果がある。
【0031】
なお、実施の形態1で説明した検出手段12と、本実施の形態2で説明した計数手段14とを併用し、それぞれの情報をIDタグ21に書き込んでおいてもよい。
【0032】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図3において、アウトレット10は、実施の形態2の図2で説明したライタ13に代えて、リーダ/ライタ15(図3では「R/W」と記載)を備える。その他の構成は図2と同様であるため、説明を省略する。
以下、本実施の形態3に係るアウトレット10の動作について説明する。
【0033】
(1)計数手段14は、電流センサ11の検出値に基づき、実施の形態2で説明した通電時間等をカウントし、その結果をリーダ/ライタ15に出力する。
(2)リーダ/ライタ15は、IDタグ21に既に記録されている、積算通電時間等の情報を読み取る。
(3)リーダ/ライタ15は、IDタグ21より読み取った積算通電時間等の情報に、計数手段14によるカウント結果を加算した結果をIDタグ21に上書きする。加算処理はリーダ/ライタ15が行ってもよいし、計数手段14に委譲してもよい。
【0034】
即ち、本実施の形態3において、IDタグ21は、実施の形態2のように通電時間等の情報を蓄積的に記録することに代えて、積算通電時間等のみを記録するので、記録容量を小さくすることができ、小型化や省電力化などに資する。
【0035】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図4において、アウトレット10は、実施の形態1の図1で説明した構成に加え、新たに警告手段16と判定手段18を備える。また、ライタ13に代えてリーダ/ライタ15を備える。その他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0036】
判定手段18は、その機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで実現することもできるし、アウトレット10内に配置可能な小型のマイコン等の演算装置上で実行するソフトウェアとして実現することもできる。
【0037】
警告手段16は、例えばLED(Light Emitting Diode)の点灯、音声警報、等の手段により警告を発するものである。
以下、本実施の形態4に係るアウトレット10の動作を説明する。
【0038】
(1)検出手段12の検出結果をIDタグ21に書き込むまでは、実施の形態1で説明した動作と同様である。
(2)ユーザが、異常発生に対する対処をしないまま、プラグ20を再度アウトレット10に挿入したものとする。
(3)リーダ/ライタ15は、IDタグ21に記録されている、検出手段12の検出結果を読み取る。IDタグ21には、プラグ20において発生した電気的異常に関する情報が記録されている。
(4)判定手段18は、リーダ/ライタ15がIDタグ21より読み取ったデータを受け取り、電気的異常の判定を行う。判定基準は、例えば「記録件数が所定値を超えていれば異常と判定する」など、適宜設定しておく。
(5)判定手段18は、異常発生と判定をする場合は、警告手段18に、警告を発するよう指示する。
(6)警告手段16は、判定手段18の指示に基づき、電気的異常に関する情報がIDタグ21に記録されている旨の警告を発する。
(7)ユーザは、警告手段16が発する警告により、プラグ20において電気的異常が発生した旨を知ることができる。
【0039】
即ち、実施の形態1においては、IDタグ21に記録された情報を、別途設けたリーダに読み取らせなければ電気的異常の発生を知ることができなかったが、本実施の形態4においては、プラグ20をアウトレット10に挿入するのみで、容易に電気的異常の発生を知ることができる。
したがって、故障した電気機器を誤使用してしまう可能性をさらに低減することができるので、安全性がさらに高まる。
【0040】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図5において、アウトレット10は、実施の形態1の図1で説明した構成に加え、新たに遮断手段17と判定手段18を備える。また、ライタ13に代えてリーダ/ライタ15を備える。その他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
遮断手段17は、例えば電力スイッチのような切替デバイス等の手段により、アウトレット10〜電気機器30間の電力供給を遮断するものである。
以下、本実施の形態5に係るアウトレット10の動作を説明する。
【0042】
(1)リーダ/ライタ15が、IDタグ21に記録されている電気的異常に関する情報を読み取り、判定手段18にて異常判定を行うまでは、実施の形態4と同様である。
(2)判定手段18は、異常発生と判定をする場合は、遮断手段17に、電力供給を遮断するよう指示する。
(3)遮断手段17は、判定手段18の指示に基づき、アウトレット10〜電気機器30間の電力供給を遮断する。
【0043】
即ち、実施の形態1においては、IDタグ21に記録された情報を、別途設けたリーダに読み取らせなければ電気的異常の発生を知ることができなかったが、本実施の形態5においては、電気的異常の発生したプラグ20をアウトレット10に挿入しても、電力が供給されない。
したがって、故障した電気機器をそのままの状態で使用してしまう可能性をさらに低減することができるので、安全性がさらに高まる。
【0044】
なお、実施の形態4で説明した警告手段16と、本実施の形態5で説明した遮断手段17とを併用してもよい。
【0045】
実施の形態6.
図6は、本発明の実施の形態6に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図6において、アウトレット10は、実施の形態3の図3で説明した構成に加え、新たに警告手段16と判定手段18を備える。その他の構成は図3と同様であるため、説明を省略する。
なお、警告手段16と判定手段18の構成は、実施の形態4で説明したものと同様である。
【0046】
本実施の形態6に係るアウトレット10によれば、実施の形態3の図3で説明した構成の下、実施の形態4と同様の効果を奏することができる。
【0047】
実施の形態7.
図7は、本発明の実施の形態7に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図7において、アウトレット10は、実施の形態3の図3で説明した構成に加え、新たに遮断手段17と判定手段18を備える。その他の構成は図3と同様であるため、説明を省略する。
なお、遮断手段17と判定手段18の構成は、実施の形態5で説明したものと同様である。
【0048】
本実施の形態7に係るアウトレット10によれば、実施の形態3の図3で説明した構成の下、実施の形態5と同様の効果を奏することができる。
なお、実施の形態6で説明した警告手段16と、本実施の形態7で説明した遮断手段17とを併用してもよい。
【0049】
実施の形態8.
図8は、本発明の実施の形態8に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図8において、アウトレット10は、実施の形態4の図4で説明した構成に加え、新たに初期化手段19を備える。その他の構成は図4と同様であるため、説明を省略する。
初期化手段19は、例えばユーザが押下可能なボタン等によって構成される。
以下、本実施の形態8に係るアウトレット10の動作を説明する。
【0050】
(1)ユーザは、警告手段16の警告により、電気機器30等に電気的異常が発生していることを知ると、部品の交換や修理等の処置を実施する。この処置によって、故障等は復旧するので、ユーザは電気機器30を通常通り使用することが可能となるはずである。
(2)ところが、IDタグ21には、電気的異常に関する情報が記録されたままである。
(3)したがって、ユーザがプラグ20をアウトレット10に挿入すると、実施の形態4で説明した動作に従い、依然として警告手段16が警告を発する。
【0051】
(4)そこで、ユーザは初期化手段19により、電気的異常に関する情報を初期化するように、アウトレット10に対して指示する。
(5)初期化手段19は、リーダ/ライタ15に対して、IDタグ21に記録されている電気的異常に関する情報を初期化するように指示を出す。
(6)リーダ/ライタ15は、IDタグ21に記録されている電気的異常に関する情報を初期化する。
【0052】
以上の動作により、警告手段16による警告は収まり、ユーザは電気機器30を通常通り使用することが可能となる。
【0053】
なお、「電気的異常に関する情報を初期化する」ことに関し、その具体的な処理内容は、判定手段18の異常判定基準に依拠する。例えば以下のような内容が考えられる。
【0054】
(1)件数を基準にしている場合
IDタグ21に記録されている電気的異常に関する情報の件数を基準にして異常判定を行っている場合には、リーダ/ライタ15は、IDタグ21に記録されている情報をクリアする。
これにより、判定手段18は、異常である旨の判定結果を出力しないようになる。
【0055】
(2)フラグの有無を基準にしている場合
電気的異常が発生した旨のフラグがIDタグ21に記録されているか否かにより異常判定を行っている場合には、リーダ/ライタ15は、IDタグ21に記録されているそのフラグをクリアする。
これにより、判定手段18は、異常である旨の判定結果を出力しないようになる。
【0056】
なお、本実施の形態8では、実施の形態4の図4で説明した構成に加えて初期化手段19を設けた旨を説明したが、実施の形態1〜7のいずれの構成の下においても、初期化手段19を設けることによる効果は同様である。
【0057】
実施の形態9.
図9は、本発明の実施の形態9に係るアウトレット10とプラグ20の構成図である。
図9において、アウトレット10は、実施の形態1の図1で説明した構成に加え、新たに送信手段40を備える。その他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
送信手段40は、無線通信、PLC(Power Line Communication)、その他の有線通信などにより、通信パケットを送信する機能を備える。
【0058】
送信手段40は、検出手段12の検出結果を受け取り、その内容を含む通信パケットを生成して、ネットワークに送信する。宛先等については、後述の図10で説明する。
【0059】
図10は、本実施の形態9に係るアウトレット10aおよび10bを家屋内に配設し、ホームネットワークを形成した例を示すものである。
図10において、ホームゲートウェイ50は、ホームネットワークとインターネット60を接続する機能を備える。アウトレット10aおよび10bは、ホームネットワークを介してホームゲートウェイ50に接続されている。
サービスセンター70は、故障連絡等を受け付けるサポートセンターであり、インターネット60を介してホームネットワークと接続されている。
サービスセンター70は、携帯電話網80を介して、携帯電話90宛に電子メールの送信が可能となっている。
【0060】
アウトレット10aおよび10bが備える送信手段40は、検出手段12の検出結果を受け取ると、その内容を含む通信パケットを生成し、ホームネットワークを介してホームゲートウェイ50宛てに送信する。
ホームゲートウェイ50は、そのパケットを受け取ると、あらかじめ定められた判定基準にしたがって異常判定を行う。判定基準は、例えば先の実施の形態で説明した判定手段18と同様にすればよい。
【0061】
ホームゲートウェイ50は、異常が発生したと判定した場合、その旨の警告を発して家屋内のユーザに対処を促す。警告を発する手段は、例えば先の実施の形態で説明した警告手段16と同様にすればよい。
【0062】
また、ホームゲートウェイ50は、異常が発生したと判定した場合、インターネット60を介してサービスセンター70にその旨の通信パケットを送信する。
サービスセンター70には、そのパケットを待ち受けているサーバ等が設置してあり、ホームゲートウェイ50が送信したパケットを受け取ると、サービスセンター70のオペレータ等に対処を促す警告等を発する。
さらには、携帯電話網80を介して、外出中の住人が所持する携帯電話90に警告電子メールを送信する、といった処置も可能である。
【0063】
本実施の形態9に係るアウトレット10は、実施の形態1の図1で説明した構成に加えて新たに送信手段40を備える旨を説明したが、その他の実施の形態で説明した構成に加えて送信手段40を備えるように構成してもよい。
例えば、リーダ/ライタ15がIDタグ21より読み取った情報を送信手段40がホームゲートウェイ50もしくはサービスセンター70に送信するように構成し、その内容に基づき異常判定を行うようにしてもよい。
さらには、図8で説明した初期化手段19が初期化指示を行った際に、その旨を記録したパケットを送信手段40がホームゲートウェイ50もしくはサービスセンター70に送信するように構成してもよい。
あるいは、図4〜図8で記載している判定手段18の判定結果を記録したパケットを、送信手段40がホームゲートウェイ50もしくはサービスセンター70に送信するように構成してもよい。ホームゲートウェイ50もしくはサービスセンター70は、その判定結果と、独自の判定結果とを比較し、総合的な異常判定をすることができる。
【0064】
また、本実施の形態9では、ホームネットワークにおける適用例を説明したが、対象はホームネットワークに限られるものではなく、任意のネットワークに適用することができる。通信方式は、適用対象のネットワークに合わせて設定すればよい。
【0065】
また、サービスセンター70を介することなく、ホームゲートウェイ50から携帯電話90に宛てて警告電子メールを送信するようにしてもよい。
【0066】
以上のように、本実施の形態9によれば、送信手段40は、検出した情報やIDタグ21より読み取った情報を、ホームゲートウェイ50もしくはサービスセンター70に送信するので、以下のような効果を奏する。
【0067】
(1)異常監視情報を、ホームゲートウェイ50またはサービスセンター70に集約することができるので、監視性が増し、安全対策を講じやすい。
(2)宅外のサービスセンター70から、安全措置を実施するよう促すことができる。
(3)住人が外出中、あるいは高齢者であっても、例えば遠方に住む家族や、本人の携帯電話に通知するなどにより、迅速な対応を促すことができる。
【0068】
実施の形態10.
以上の実施の形態1〜9で説明したアウトレット10は、電気的安全性を高める効果を奏するが、これらの構成を備えていない既設のアウトレットに関しては、本発明に係るアウトレット10に交換するための工事等を実施しなければならず、設置コストや手間がかかる。
そこで、本実施の形態10では、簡単な措置を施すのみで、本発明に係るアウトレット10の機能を既設のアウトレットに備えさせることのできるアウトレットアダプタについて説明する。
【0069】
図11は、本実施の形態10に係るアウトレットアダプタ100の構成図である。アウトレットアダプタ100は、既設のアウトレット200に装着し、本発明に係るアウトレットと同様の機能を既設のアウトレット200に備えさせるためのものである。
【0070】
アウトレットアダプタ100は、実施の形態1の図1で説明したアウトレット10と同様の構成を内部に備え、これらの構成を外部筐体等で覆い、さらに既設のアウトレット200に挿入するためのプラグ部110を備える。
アウトレットアダプタ100を既設のアウトレット200に装着することにより、既設のアウトレット200は、実施の形態1のアウトレット10と同様の効果を発揮することになる。
したがって、既設のアウトレット200を実施の形態1のアウトレット10に交換する工事等を行わなくとも、簡単にこれと同様の機能を発揮させることができるので、工事等のために電気工事士へ依頼する等の必要がなくなり、設置コストや手間の観点から有利である。
【0071】
なお、アウトレットアダプタ100の内部に備える構成を、実施の形態2〜9で説明したアウトレット10の構成と同様にしてもよい。
【0072】
実施の形態11.
実施の形態10では、本発明に係るアウトレット10の機能を既設のアウトレット200に備えさせることのできるアウトレットアダプタ100について説明した。
一方、電気機器が備えるプラグに電気的異常に関する情報を書き込むためには、プラグがIDタグを備えている必要がある。しかし、既存のプラグはIDタグを備えていないため、情報を書き込むことができない。
そこで、本発明の実施の形態11では、既存のプラグに装着して、電気的異常に関する情報を書き込むことができるようにするプラグアダプタについて説明する。
【0073】
図12は、本発明の実施の形態11に係るプラグアダプタ300の構成図である。
プラグアダプタ300は、既存のプラグ400を挿入する挿入口310と、アウトレット10に挿入するためのプラグ部320とを備える。また、実施の形態1〜9のプラグ20が備えるものと同様のIDタグ21を備える。
アウトレット10は、実施の形態1〜9で説明したいずれかの構成を備える。
【0074】
ユーザは、プラグアダプタ300を既存のプラグ400に装着し、さらにアウトレット10にプラグアダプタ300を挿入する。
これにより、アウトレット10のライタ13は、電気的異常に関する情報をIDタグ21に書き込むことができるので、実施の形態1〜9で説明したものと同様の効果を発揮することができる。
したがって、既存のプラグ400を、IDタグ21を備えるプラグに交換等する必要がないので、簡単な措置で本発明の効果を発揮することができる。
【0075】
なお、挿入口310に挿入したプラグ400が簡単に外れないようにロックする手段を設けてもよい。ロックの手段は、例えば挿入したプラグ400を捻って、プラグアダプタ300の内部でプラグ400を係止するように構成するなど、任意の手法を用いることができる。
【符号の説明】
【0076】
10 アウトレット、11 電流センサ、12 検出手段、13 ライタ、14 計数手段、15 リーダ/ライタ、16 警告手段、17 遮断手段、18 判定手段、19 初期化手段、20 プラグ、21 IDタグ、30 電気機器、40 送信手段、50 ホームゲートウェイ、60 インターネット、70 サービスセンター、80 携帯電話網、90 携帯電話、100 アウトレットアダプタ、110 プラグ部、200 既設のアウトレット、300 プラグアダプタ、310 挿入口、320 プラグ部、400 既存のプラグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信によりデータを送受信するIDタグを備えたプラグであって、
前記IDタグは、
当該プラグが挿入されたアウトレットが送信した、当該プラグにおいて発生した電気的異常に関する情報、当該プラグの挿入時間、当該プラグの通電時間、のうち少なくとも1つを記録する
ことを特徴とするプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−66021(P2011−66021A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−849(P2011−849)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【分割の表示】特願2007−114036(P2007−114036)の分割
【原出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】