説明

プラスチックフィルム及びその製造方法

【課題】 耐溶剤性、耐水性、耐傷性、ブロッキング性に優れるフィルムの製造方法、及びフィルムを提供する。
【解決手段】 プラスチックフィルム支持体の少なくとも片面に、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含む液を塗布し、165〜230℃の温度で乾燥して保護層を形成することを特徴とするフィルムの製造方法、及びそれを用いて製造されたフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルムに関するもので、特に、耐傷性に優れる保護層を有するフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子工業、印刷工業等の種々の工業分野で広く使用されているプラスチックフィルムは、その優れた電気的特性、機械的特性、耐薬品性、耐熱性、光学特性等から一般工業用、映画用、写真用、磁気記録用、包装用、蒸着用等の幅広い分野において用いられている。
しかしながら、プラスチックフィルムは、その表面平滑性から一般に摩擦係数が高く、機械的強度の割に表面が傷付きやすい特徴を持つ。また電気的特性から静電気を帯びやすく、付着したゴミが傷の原因に繋がり易い。
これらの問題に対して、プラスチックフイルム表面の耐傷性を向上させるために、耐傷性が高い塗工層を設ける技術(例えば、特許文献1、2参照。)、滑り性を持つ塗工層を設ける技術(例えば、特許文献3、4参照。)等が開示されている。
【0003】
帯電防止フィルムとしては、有機導電性化合物や無機金属酸化物を含んだ塗工層を設ける技術が古くから知られている。
一般に無機金属酸化物を導電剤として使用した方が湿度依存性が小さく、優れた帯電防止性を得ることができるが、耐傷性が低いという欠点については改善できない。これらの帯電防止性、耐傷性の双方を向上させることが、プラスチックフィルムの耐傷性を向上させる上で重要であり、これに対して帯電防止塗工層上にオーバーコート層を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特許文献5には、二軸延伸後のポリエステルフィルム上に帯電防止層を設け、その上に、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含む保護層を設けることで、ブロッキング性、耐溶剤性に優れた帯電防止フィルムを得る方法が開示されている。
しかしながら、水に暴落されるような使用状況(Wet時)においては、若干、保護層が溶け出すという問題が残っていた。従って、Wet現像処理が行われるハロゲン化銀感光材料のバック面保護層にポリビニルアルコールは使用できなかった。
また、特許文献6には、ハロゲン化銀感光材料のバック面に無機金属酸化物を含有した導電層上に、ポリオレフィン素材を使用することが報告されている。
しかしながら、ポリオレフィン素材は、優れた耐水性、耐傷性を示すものの、ハロゲン化銀感光材料のBc面保護層として使用した場合、感光層側の保護層に使用される主バインダーであるゼラチンとの帯電列の差に起因したスタチックの問題が発生しやすいという問題が残っていた。
【0004】
ポリビニルアルコールを使用した帯電防止フィルムとしては、帯電防止剤と部分ケン化ポリビニルアルコール樹脂を含む塗工液をポリエステルフィルム支持体にコーティングして、フィルムの帯電防止性能の低下、及びフィルムの白化を防止している方法が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかしながら、230℃という高温で乾燥しているものの、部分ケン化ポリビニルアルコールを使用しているため、最外層として耐傷性、特に、水に暴露されるような使用状況(Wet時)においては、塗膜の溶融に伴う傷が問題となることが予想される。また、延伸前に塗工層を設けるプリコーティング法を用いているため、塗布後の延伸工程における耳部回収が難しく、生産性の低下を引き起こしやすい。
【特許文献1】特開平10−97028号公報
【特許文献2】特開2001−310423号公報
【特許文献3】特開平11−194449号公報
【特許文献4】特開2000−194091号公報
【特許文献5】特開平7−330931号公報
【特許文献6】特開平8−36239号公報
【特許文献7】特開平5−116216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
耐溶剤性、耐水性、耐傷性、ブロッキング性に優れるフィルムの製造方法、及びフィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含む保護層を形成する際に、特定温度で乾燥を行うことにより、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
【0007】
<1> プラスチックフィルム支持体の少なくとも片面に、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含む液を塗布し、165〜230℃の温度で乾燥して保護層を形成することを特徴とするフィルムの製造方法。
<2> 前記プラスチックフィルム支持体の一方の面に前記保護層を形成し、他方の面に感光性ハロゲン化銀写真乳剤層を形成することを特徴とする上記<1>に記載のフィルムの製造方法。
【0008】
<3> 前記プラスチックフィルム支持体と前記保護層との間に、帯電防止層を形成することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のフィルムの製造方法。
<4> 前記ポリビニルアルコールが下記一般式(I)であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
【0009】
【化1】

【0010】
(一般式(I)中、Rは炭素数5〜30の飽和或いは不飽和の炭化水素基を表し、XはS又はOを表し、nはビニルアルコール基の重合度を表し、mは酢酸ビニル基の重合度を表す。)
【0011】
<5> 前記プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするフィルム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、耐溶剤性、耐水性、耐傷性、ブロッキング性に優れるフィルムの製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、耐溶剤性、耐水性、耐傷性、ブロッキング性に優れるフィルムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のフィルムの製造方法は、プラスチックフィルム支持体の少なくとも片面に、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含む液を塗布し、165〜230℃の温度で乾燥して保護層を形成することを特徴とする。
本発明のフィルムは、上記の高温加熱乾燥を有する製造方法により製造されるので、ポリビニルアルコールの結晶化が促進し、耐溶剤性に加え、優れた耐水性、Wet時の耐傷性、ブロッキング性を達成することができる。
【0014】
以下、本発明のフィルム及びその製造方法について詳細に説明するが、本発明はこれらの説明事項や例示化合物等に限定されるものではない。
【0015】
(保護層の形成)
本発明における保護層は、プラスチックフィルム支持体の少なくとも一方の面に保護層塗布液を塗布して設けられる。該保護層塗布液は、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含有する。
本発明で使用される前記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解することにより得られるものであり、ケン化度(JISK6726に従って求めた値)96モル%以上を満足するものである。
前記ポリビニルアルコールは、下記一般式(I)であることが好ましい。該ポリビニルアルコールを用いることにより、表面の疎水化が更に向上し、耐水性、耐傷性、ブロッキング性が更に改善することができる。
即ち、これは下記一般式(I)の末端Rに当たる疎水性基が、保護層塗布液を塗布したときに塗布膜表面に配向するため耐水性能が向上すると推測される。
【0016】
【化2】

【0017】
一般式(I)中、Rは炭素数5〜30の飽和或いは不飽和の炭化水素基を表す。中でも、炭素数7〜20が好ましく、10〜14が特に好ましい。飽和或いは不飽和の炭化水素基としては、アルキル基(例えば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシルヘプタデシル基が挙げられる。)、アリール基(炭素数6〜20が好ましく、炭素数10〜14が特に好ましく、例えば、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニルが挙げられる。)が挙げられる。
一般式(I)中、XはS又はOを表すが、Sが好ましい。一般式(I)中、nはビニルアルコール基の重合度を表し、mは酢酸ビニル基の重合度を表す。
また上記ポリビニルアルコールの重合度(n+m)は、100〜10000が好ましく、さらに200〜5000が好ましい。重合されたポリビニルアルコールの左末端は、通常水素が結合し、メチル基となっている。
前記一般式(I)で表されるポリビニルアルコールは、例えば、市販品(例えば、MP103(ケン化度98.5モル%、重合度300、クラレ(株)製、下記参照)の5%水溶液、MP102(ケン化度98.5モル%、重合度200、クラレ(株)製、下記参照)の5%水溶液)を用いることもできるし、また、公知の方法を用いて、ラジカル反応で、エーテル基、チオール基を導入することにより合成したものを用いることもでき、特に限定されるものではない。
ポリビニルアルコールの耐水性を向上させるために、公知の種々の架橋剤を併用しても良い。架橋剤の例としては、エポキシ化合物又は樹脂、メラミン樹脂、シランカップリング剤、各種金属化合物及び尿素樹脂等を挙げることができる。
【0018】
【化3】

【0019】
保護層塗布液の全固形分質量におけるポリビニルアルコールの含有量としては、特に限定されるものではないが、耐傷性の観点から、30質量%〜100質量%が好ましく、40質量%〜90質量%が更に好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。
【0020】
前記保護層塗布液は、溶媒に、前記添加剤のほかに、必要に応じて、界面活性剤、マット剤(有機微粒子、無機微粒子、或いはブレンド等)等を添加することができる。前記溶媒としては、水、有機溶媒等を用いることができる。
【0021】
前記保護層塗布液は、溶媒に前記ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを添加して調整することができる。
【0022】
前記保護層の形成は、前記保護層塗布液、例えば、前記ポリビニルアルコール(必要に応じて、界面活性剤、マット剤又は可塑剤、架橋剤を加える。)を含む液(例えば、水溶液、水分散液、懸濁液、及びエマルジョン)を、プラスチックフィルム支持体上に、或いは該支持体上にその他の層を形成した場合はその他の層上に、塗布し、165〜230℃で0.1〜10分間加熱乾燥することにより実施することができる。
該加熱乾燥温度としては、前記165〜230℃温度とする必要があるが、中でも、用いるポリビニルアルコールのガラス転移点(Tg)以上、かつ、融点以下であることが好ましく、170〜200℃がより好ましく、175〜195℃が特に好ましい。
前記加熱乾燥温度範囲とすることにより、ポリビニルアルコールの結晶化が良好に促進し、耐溶剤性に加え、優れた耐水性、Wet時の耐傷性、ブロッキング性を達成することができる。
前記加熱時間としては、前記乾燥温度に依存するが、一般的に0.1〜10分間であり、0.5〜5分間が生産性の向上の観点から好ましく、0.5〜2分間がより好ましい。
塗布としては、特に限定されず、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいはホッパーを使用するエクストルージョン法等の公知の塗布方法で行なうことができる。更に、米国特許第2761791号、第3508974号、第2941898号及び第3508947号及び「コーティング工学」(尾崎ら著、253頁、朝倉書店発行、1973)に記載されている方法を利用して二層以上の層(例、帯電防止層と保護層)を同時に塗布しても良い。
保護層の層厚としては、0.01〜10μmの範囲が好ましく、特に0.05〜2.0μmの範囲が好ましい。0.01μmより薄い場合は、保護膜としての耐傷性機能を有さない場合があり、10μmより厚い場合は、PVAの結晶化を促進する為の乾燥時間が長く必要となり生産性低下につながる場合がある。
【0023】
(帯電防止層の形成)
本発明のフィルムは、後述のプラスチック支持体を用いて製造するため、帯電防止層を形成することが好ましい。該帯電防止層を有することによりフィルム表面に塵やごみ等の付着を防止できる。
帯電防止層は、界面活性剤等の帯電防止剤とバインダーからなる層、導電性金属酸化物がバインダー中に分散した層、あるいは導電性ポリマーからなる層のいずれの層であっても良い。本発明では、低湿度下における帯電防止性が優れていることから、導電性金属酸化物がバインダー中に分散した層であることが好ましい。導電性金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23 、InO3、SiO2、MgO、BaO及びMoO3を挙げることができる。さらにこれらの複合酸化物も挙げることができる。金属酸化物としては、ZnO、TiO2、及びSnO2が好ましい。また、複合酸化物としては、ZnOに対してAlあるいはIn、TiO2に対してNbあるいはTa、及びSnO2に対してSb、Nbあるいはハロゲン元素などの異種元素を0.01〜30モル%(特に好ましくは0.1〜10モル%)含むものが好ましい。また、これらの導電性金属酸化物を表面に被覆したコアシェルタイプの粉末を使用しても良い。導電性金属酸化物の体積固有抵抗率は、10Ω・cm以上107Ω・cm以下、特に103Ω・cm以上105Ω・cm以下であることが好ましい。また、金属酸化物の結晶内に酸素欠陥を有するもの、あるいは金属酸化物に対して所謂ドナーとなる異種元素を少量含むものは、導電性が高くなるので好ましい。上記導電性金属酸化物の粒径は、0.5μm以下であることが好ましく、さらに0.2μm以下であることが好ましい。
【0024】
帯電防止層のバインダーとして使用することができる樹脂の例としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、コロイド状アルブミン及びカゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジアセチルセルロース及びトリアセチルセルロース等のセルロース化合物;寒天、アルギン酸ソーダ及びでんぷん誘導体等の糖誘導体;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸を含む共重合体及びポリアクリルアミド等の水溶性樹脂又はこれらの誘導体及びこれらの部分加水分解物;ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体、酢酸ビニル・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリオレフィン、オレフィン・酢酸ビニル共重合体等のビニル重合体あるいは共重合体;ロジン及びシェラック等の天然樹脂及びその誘導体;及びポリピロール等の有機半導体を挙げることができる。このような樹脂は、溶液状態、あるいはラテックス状態等、どのような形態で使用しても良い。
【0025】
上記帯電防止層の形成は、例えば、導電性金属酸化物と上記バインダーを含む塗布液あるいは懸濁液(必要に応じて水又は有機溶剤等を加えて)を後述のプラスチックフィルム支持体上に塗布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗布は、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいはホッパーを使用するエクストルージョン法等の公知の塗布方法で行なうことができる。更に、米国特許第2761791号、第3508974号、第2941898号及び第3508947号及び「コーティング工学」(尾崎ら著、253頁、朝倉書店発行、1973)に記載されている方法を利用して二層以上の層(例、帯電防止層と保護層)を同時に塗布しても良い。
【0026】
上記導電性金属酸化物を帯電防止剤として使用する場合、帯電防止層の透過率を大きくするためには、金属酸化物とバインダーの屈折率の差が大きくなることにより光散乱が大きくなることを防ぐため、両者の屈折率を同程度に調節することが好ましい。この調節は、金属酸化物の粒子径を調節することにより行なうことができる。上記バインダーの屈折率は、1.4〜1.6の範囲にあるので、導電性金属酸化物の粒子の直径は、0.5μm以下であることが好ましく、特に0.2μm以下であることが好ましい。0.2μm以下の金属酸化物を使用することにより、光散乱効率を10%以下にすることができる。
【0027】
上記帯電防止層の体積抵抗率は、101〜1010Ω・cm(好ましくは101〜109Ω・cm、さらに好ましくは101〜108Ω・cm)が一般的であり、このような抵抗は、層中の導電性金属酸化物の体積含有率を調節することにより及び帯電防止層の層厚を調節することにより得ることができる。
帯電防止層の層厚は、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜2.0μmの範囲が特に好ましい。
【0028】
(プラスチックフィルム支持体)
プラスチックフィルム支持体として使用できるプラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレンフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ニトロセルロース、セルローストリアセテート及びセルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、さらにポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン及びポリプロピレン等を挙げることができる。これらの中で、ポリエチレンフタレート、ポリカーボネート及びポリエチレンが好ましく、特にポリエチレンフタレートが好ましい。
プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたプラスチックフィルムであることが好ましく、機械的強度の観点から、二軸延伸されたプラスチックフィルムであることが好ましい。
プラスチックフィルムの厚さは、特に制限はないが、15〜500μmの範囲が一般的であり、50〜200μmのものが好ましく、特に40〜200μmののものが取り扱いやすさ、汎用性などの点から有利である。
また、プラスチックフィルム支持体は、透明でも良いし、染料、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していても良い。
またプラスチックフィルム支持体はコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理を施したものを使用してもよい。更に、紫外線吸収剤や熱線吸収剤を含んでいても良い。
【0029】
前記プラスチックフィルム支持体の表面に、特に、後述の感光層を強固に接着させるために、下記の表面処理が行われる。前記帯電防止層が形成される側の表面も、一般に同様な表面処理が行われる。
(1)薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸処理、などの表面活性処理したのち、直接写真乳剤(感光層形成用塗布液)を塗布して接着力を得る方法と、(2)一旦これらの表面処理した後、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方法との二法がある。
これらのうち(2)の方法がより有効であり広く行われている。これらの表面処理はいずれも、本来は疎水性であった支持体表面に、多少とも極性基を形成させること、表面の接着に対してマイナスの要因になる薄層を除去すること、表面の架橋密度を増加させ接着力を増加させるものと思われ、その結果として下塗層用溶液中に含有される成分の極性基との親和力が増加することや、接着表面の堅牢度が増加することに等により、下塗層と支持体表面との接着性が向上すると考えられる。
【0030】
また、下塗層の塗布の方法としては、第一層として支持体によく接着する層を設け、その上に第二層としてゼラチン層を塗布形成する所謂、重層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層を一層のみ塗布する単層法がある。
下塗層の形成方法として、例えば、高分子物質の第一下塗層とゼラチンの第二下塗層からなる二層の下塗層を水系で形成する方法を挙げることができる。
第一下塗層の高分子物質としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を初めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂グラフト化ゼラチン、ニトロセルロースなどを挙げることができる。第一下塗層とゼラチンの第二下塗層を形成には、一般にジクロロトリアジン誘導体、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物などの硬化剤が併用される。
【0031】
第一下塗層には、膨潤剤として、所望により、例えばフェノール、レゾルシン等を添加してもよく、その添加量は第一下塗層用塗布液1リットルあたり1〜10gである。第一下塗層には、親水性ポリマーを使用しても良く、例えばゼラチンの如き天然ポリマー、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルー無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−アクリルアミド共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、などの合成ポリマーを挙げることができる。さらにブロッキング防止剤としてマット剤(二酸化ケイ素、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン)や、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等を用いることも可能である。
【0032】
本発明に係る第一下塗層用塗布液は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により塗布することができる。下塗層上にさらに第二下塗層を設ける場合は、必要に応じて、米国特許第2761791号、同3508947号、同2941898号および同3526528号明細書、尾崎等著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)などに記載された方法により二層以上の層を同時に塗布することが出来る。
【0033】
本発明に係る第一下塗層および第一下塗層上に設けられる第二下塗層の塗布量としては、固体分として、プラスチックフィルム支持体の一平方メートルあたり0.01〜10gが好ましく、特に0.2〜3gであることが好ましい。本発明においては、特に限定されず、第一下塗層上に、第二下塗層としてゼラチンを主成分とする親水性コロイド層を設けることができる。
【0034】
第二下塗層に使用されるゼラチン以外の親水性ポリマーの例としては、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチンなどのアシル化ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸もしくはアミドなどをゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、カゼイン、アガロース、アルブミン、アルギン酸ソーダ、ポリサツカライド、寒天、でんぷん、グラフトでんぷん、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンアシル化合物、及びアクリル酸、メタクリル酸アクリルアミド、N−置換アクリルアミド及びN−置換メタクリルアミドなどの単独もしくは共重合体、あるいはそれらの部分加水分解物など合成もしくは天然の親水性高分子化合物を挙げることができる。これらのものは、単独もしくは混合して使用できる。
【0035】
上記の如き親水性ポリマーに、必要に応じて、公知の帯電防止剤、架橋剤、マット剤、ブロッキング防止剤等を加えることができる。
【0036】
本発明の製造方法により得られるフィルムは、プラスチックフィルム支持体の一方の面に前記保護層を形成し、他方の面に感光性ハロゲン化銀写真乳剤層(以下、「感光層」ともいう。)を形成する態様も好ましい。
【0037】
(感光性ハロゲン化銀写真乳剤層の形成)
図1は、前記感光性ハロゲン化銀写真乳剤層(感光層)を有するハロゲン化銀感光材料の一例を示す断面図である。
図1に示すハロゲン化銀感光材料は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、ポリエステルフィルム3の一方の面に前記帯電防止層塗布液を塗布し、乾燥する。その後、該帯電防止層2上に前記ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含有する保護層塗布液を塗布(例えば、バーコート法)して、保護層1を形成する。一方、前記ポリエステルフィルム3の他方の面には、前記プラスチックフィルム支持体の項に記載した高分子物質の第一下塗り層塗布液(例えば、易接着SBR含有)及び第二下塗り層塗布液(例えば、ゼラチン含有)からなる二層の下塗り層塗布液を塗布して、二層の下塗り層4、5を形成する。続いて、後述の感光性ハロゲン化銀乳剤を塗布して、感光層6を形成して、ハロゲン化銀感光材料を得る。
【0038】
前記感光層を形成する乳剤としては、公知のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる感光性ハロゲン化銀写真乳剤を挙げることができる。
感光層を形成する乳剤のバインダー(親水性有機保護コロイド)としては、例えば、ゼラチン、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチンなどのアシル化ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸もしくはアミド(アクリルアミド等)などをゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、カゼイン、アガロース、アルブミン、アルギン酸ソーダ、ポリサッカライト、寒天、てんぷら、グラフトでんぷん、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンアシル化物、及びこれらの部分加水分解物などの合成もしくは天然の親水性高分子化合物を挙げることができる。これらの材料は、単独もしくは混合して使用できる。
【0039】
前記感光層を形成する乳剤中のバインダーを上記の如き親水性高分子化合物とするものであれば、その中に何が添加されているかは本発明においては特に重要ではないが、これらの親水性バインダーには、通常、ハロゲン化銀あるいは拡散転写写真法で用いられる硫化銀等物理現像核、またジアゾ化合物などの感材をはじめ各種の添加剤、カプラー、乳化重合、ラテックスポリマーなどが添加される。
【0040】
上記感光層を形成する乳剤に用いられる種々の素材は、例えばハロゲン化銀粒子、化学増感剤、染料、ポリマーラテックス、界面活性剤、ゼラチン硬膜剤、カラーカプラー、退色防止剤、帯電防止剤、マット剤等に関しては特に制限はなく、例えばリサーチディスクロージャー(Research Disclosure)176巻22〜31頁(1978年12月)の記載を参考にすることが出来る。
【0041】
本発明は必ずしも必要ではないが、コロナ放電処理等の表面処理を、疎水性支持体だけでなく、高分子物質より成る下塗層上および/または第二下塗層上に行ってもよく、その場合処理後の層間の接着力が向上する。
【0042】
本発明の製造方法により得られたフィルムの表面抵抗率は、101〜1012Ω/□の範囲が一般的であり、106〜1012Ω/□の範囲が好ましく、さらに109〜1012Ω/□の範囲が好ましい。
本発明の製造方法により得られたフィルムの透明性を示すヘイズは、特に限定されることがないが、2%以下であることが好ましく、特に1.5%以下であることが好ましい。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を用いて本発明について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本発明において特に断らない限り、「部」、「%」は質量部、及び質量%を表す。
【0044】
[実施例1]
[帯電防止性プラスチックフィルムの作成]
(1)支持体の作成
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66のポリエチレングリコールテレフタレート(PET)を得た。
このPETをペレット化した後、110〜130℃1時間の結晶化工程、180℃3.5時間の脱水工程を経た後、溶融、T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作成した。
これを、周速の異なるロールを用い3.2倍に縦延伸、次いでテンターで3.3倍に横延伸を実施し、厚み120μmの支持体を得た。
【0045】
(2)帯電防止層の形成
上記で得られた支持体を100m/分の速度でハンドリングした状態で、支持体の両面に727J/m2の条件でコロナ放電処理を実施し、下記組成から成る塗布液Aをバーコート法により塗布した。塗布量は、約7.1ml/m2とし、乾燥は185℃1分間乾燥した。
【0046】
<帯電防止層用塗布液Aの組成>
・ポリアクリル樹脂 19部
(固形分濃度30%、ジュリマーET−410、高松油脂(株)製)
・酸化スズ−酸化アンチモン水分散物 91部
(固形分濃度17%、R533D、三菱マテリアル(株)製、平均2次粒子径0.1μm)
・カルボジイミド樹脂 4.5部
(固形分濃度40%、カルボジライトV02−L2、日清紡(株)製)
・ジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム 1.4部
(固形分濃度44.5%、サンデットBL、三洋化成(株)製)
・ポリオキシエチレン系界面活性剤 12.4部
(ナロアクティーHN−100(三洋化成(株)製)の5%水溶液)
・蒸留水 871.7部
【0047】
(2)保護層の形成、帯電防止性プラスチックフィルムの作成
次いで、上記塗工層(帯電防止層)上に、下記組成からなる塗布液Bをバーコート法により塗布して保護層を形成した。塗布量は約7.1ml/m2とし、乾燥条件は表1に記載の通りである。
このようにして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0048】
<保護層塗布液Bの組成>
・ポリビニルアルコール樹脂水溶液 300部
(PVA105(ケン化度98.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液)
・ポリオキシエチレン系界面活性剤 8部
(ナロアクティーHN−100(三洋化成(株)製)の5%水溶液)
・蒸留水 692部
【0049】
[実施例2]
実施例1において、保護層塗布液Bの代わりに、下記保護層塗布液Cを用いた以外は、実施例1と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0050】
<保護層塗布液Cの組成>
・ポリビニルアルコール樹脂水溶液 300部
(PVA105(ケン化度98.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液)
・ポリオキシエチレン系界面活性剤 8部
(ナロアクティーHN−100(三洋化成(株)製)の5%水溶液)
・コロイダルシリカ(固形分濃度20%、スノーテックスC、日産化学(株)性) 30部
・エポキシ樹脂 38部
(デコナールEX521(ナガセ化成(株)製)の4%水溶液)
・フッ素系界面活性剤(下記化合物(1)の0.1%水溶液) 59部
・蒸留水 692部
【0051】
【化4】

【0052】
[実施例3]
実施例2の<保護層塗布液Bの組成>において、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA105(ケン化度98.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液」を用いる代わりに、末端アルキル基変性ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「MP103(ケン化度98.5モル%、重合度300、クラレ(株)製)の5%水溶液」に変更した保護層塗布液Dを用いた以外は、実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0053】
[実施例4]
実施例2の<保護層塗布液Bの組成>において、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA105(ケン化度98.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液300部」を用いる代わりに、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA110(ケン化度98.5モル%、重合度1000、クラレ(株)製)の5%水溶液150部」、末端アルキル基変性ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「MP103(ケン化度98.5モル%、重合度300、クラレ(株)製)の5%水溶液150部」に変更した保護層塗布液Eを用いた以外は、実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
得られた耐溶剤性、耐傷性、ブロッキング性が良好なフィルムを用いて、図1に示すハロゲン化写真感光材料を作製して本発明のフィルムの性能を確認した。
【0054】
[実施例5、6]
実施例2の「保護層の形成」において、保護層乾燥温度175℃の代わりに、保護層乾燥時間をそれぞれ195℃、165℃に変更した以外は、実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0055】
[比較例1、2]
実施例2の「保護層の形成」において、保護層乾燥温度175℃の代わりに、保護層乾燥時間をそれぞれ155℃、135℃に変更した以外は、実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0056】
[比較例3]
実施例2の<保護層塗布液Bの組成>において、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA105(ケン化度98.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液300部」を用いる代わりに、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA205(ケン化度88モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液300部」に変更した保護層塗布液Fを用いた以外は、実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0057】
[比較例4]
実施例2の<保護層塗布液Bの組成>において、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA105(ケン化度98.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液300部」を用いる代わりに、ポリビニルアルコール樹脂水溶液として「PVA405(ケン化度81.5モル%、重合度500、クラレ(株)製)の5%水溶液300部」に変更した保護層塗布液Gを用いた以外は、実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0058】
上記で得られた帯電防止性プラスチックフィルムについて、以下の測定方法によってその特性を評価した。
(1)耐溶剤性
上記で得られた帯電防止性プラスチックフィルムの保護層表面を、アセトンを滲み込ませたガーゼで、10回(10往復)擦った後、その表面状態を目視観察し、下記のように評価した。
<評価基準>
AA:変化が見られなかった。
CC:保護層が剥離した。
【0059】
(2)耐傷性(Dry)
上記で得られた帯電防止性プラスチックフィルムを23℃65RH%下で3時間調湿したのち、保護層表面を研磨フィルム(ラッピングフィルム研磨剤RE−3、住友スリーエム(株))で、荷重67g/cm2下で擦った後、スライド投影機(color CABIN−III、キャビン工業(株))にセットし、投影される傷を目視観察し、下記のように評価した。
<評価基準>
AA:傷が見えない。
CC:傷が見える。
【0060】
(3)耐傷性(Wet)
上記で得られた帯電防止性プラスチックフィルムを25℃の蒸留水に1分間浸漬する。1分後に取り出し、紙ワイパー(キムワイプS−200、クレシア(株))で表面の水滴を充分拭き取る。
水滴を拭き取った直後に、保護層表面を研磨フィルム(ラッピングフィルム研磨剤RE−3、住友スリーエム(株))で、荷重67g/cm2下で擦った後、スライド投影機(color CABIN−III、キャビン工業(株))にセットし、投影される傷を目視観察し、下記のように評価した。
<評価基準>
AA:傷が見えない。
CC:傷が見える。
【0061】
(4)ブロッキング性
上記で得られた帯電防止性プラスチックフィルム二枚を、50℃、85RH%の環境下で24時間調湿した後、保護層同士が接触するように重ね合わせ、この積層体に200g/cm2の荷重を加えた状態で、50℃、85RH%の環境下で経時させる。
経時後に、二枚のフィルムを剥離して、保護層の状態を観察し、下記のように評価した。
<評価基準>
AA:変化が見られなかった。
CC:保護層が剥離した。
【0062】
(5)表面抵抗率
上記で得られた帯電防止性プラスチックフィルムの表面抵抗率を、25℃10RH%の雰囲気下で絶縁抵抗測定器(VE−30型;川口電気(株)製)を用いて測定した。
上記評価の結果を下記の表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
表1から明らかな通り、比較例2〜4は全試験項目において不良であった。また、乾燥温度のみが155℃と低かった比較例1のみは、耐溶剤性、耐傷性(Dry)は良好であったが、耐傷性(Wet)及びブロッキング性については不良であった。一方、実施例1〜6は、その全てにおいて、全試験項目で良好であったことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例4のフィルムを用いて形成したハロゲン化銀写真感光材料を示す断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 保護層(PVA含有)
2 帯電防止層
3 ポリエステルフィルム
4 第1下塗り層(易接着SBR含有)
5 第2下塗り層(ゼラチン含有)
6 画像形成層(感光性ハロゲン化銀乳剤層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルム支持体の少なくとも一方の面に、ケン化度96モル%以上のポリビニルアルコールを含む液を塗布し、165〜230℃の温度で乾燥して保護層を形成することを特徴とするフィルムの製造方法。
【請求項2】
前記プラスチックフィルム支持体の一方の面に前記保護層を形成し、他方の面に感光性ハロゲン化銀写真乳剤層を形成することを特徴とする請求項1に記載のフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記プラスチックフィルム支持体と前記保護層との間に、帯電防止層を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコールが下記一般式(I)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
【化1】

(一般式(I)中、Rは炭素数5〜30の飽和或いは不飽和の炭化水素基を表し、XはS又はOを表し、nはビニルアルコール基の重合度を表し、mは酢酸ビニル基の重合度を表す。)
【請求項5】
前記プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするフィルム。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−282874(P2006−282874A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105147(P2005−105147)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】