説明

プラスチックボトル及びその製造方法

【課題】加熱状態で充填された内容物が冷却されたときに生じる減圧による不正変形を防止できるプラスチックボトル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ブロー成形により形成され、口部3、肩部4、パネル面7が形成された胴部5、底部6を備える。パネル面7からボトル1外方に膨出して形成された膨出部8を備える状態で、内容物が加熱状態で充填され、キャッピングされた後、該内容物が冷却されたときに、膨出部8が外部からの機械的押し込み力により、不可逆にボトル内方に凹入せしめられて形成されている凹入部10を備える。凹入部10の形成により内容積が2〜15%の範囲で減少される。凹入部10は、少なくともボトル1軸線に対して相対向する1対のパネル面7,7に形成されている。凹入部10は、ボトル1を把持する際の指掛かり部となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックボトル及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックからなるプリフォームを二軸延伸ブロー成形してなるプラスチックボトルが知られている。前記プラスチックボトルは、機械的強度、透明性等に優れ、また、ガラス容器に比して割れにくく軽量であるので、種々の用途に用いられており、飲料充填用ボトルや食品調味料用ボトルとしても広く用いられている。
【0003】
前記プラスチックボトルを例えば緑茶、烏龍茶等の茶飲料や、果汁飲料等の飲料充填用ボトルとして用いる場合、前記茶飲料、果汁飲料等の内容物を80℃以上、例えば85℃前後の温度に加熱した状態で充填し、直ちにキャッピングすること(以下、ホットパック充填と略記する)が行われている。前記ホットパック充填では、前記内容物を前記温度に加熱した状態で充填するので、該内容物の熱により、ボトルやキャップ内面を殺菌することができる。
【0004】
ところで、前記ホットパック充填では、前記キャッピング後、内容物を常温(例えば25〜30℃)に冷却するが、このように冷却すると、前記内容物と、前記プラスチックボトル内部における該内容物の上方空間部分(以下、ヘッドスペースと略記する)とが収縮し、ボトル内部が減圧状態となるため、ボトルが外圧を受けて不正変形するという問題がある。前記問題は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトル(以下、ペットボトルと略記する)のような薄肉のプラスチックボトルの場合に特に著しい。
【0005】
前記問題を解決するために、ボトル胴部に複数の柱部(縦リブ)により相互に隔てられた複数のパネル面を設け、ボトル内部が減圧状態になったときには、該パネル面がボトル内方へ湾曲変形して、ボトルの内容積を減少させるようにしたプラスチックボトルが知られている(例えば特許文献1参照)。前記パネル面を設けたプラスチックボトルによれば、該パネル面がボトル内方へ湾曲変形して、ボトルの内容積を減少させることにより、前記減圧をある程度吸収することができる。
【0006】
しかしながら、前記プラスチックボトルでは、容量によっては前記パネル面の面積が制限されるために前記減圧を吸収できる量に限界があり、流通過程や販売過程において不測の外力が作用すると、前記不正変形が生じることがあるという不都合がある。また、前記プラスチックボトルでは、一旦開封するとボトル内部が常圧に戻るため、前記パネル面が原状に復帰し、ボトルを把持したときの力の入れ具合によってボトル内方にへこんだり、へこみが原状に復帰したりして、該プラスチックボトルの把持に不安定感が生じグリップ性が悪くなるという不都合もある。
【0007】
特に、大容量のプラスチックボトルでは、前記パネル面の面積を十分に大きくすることができるが、このようなパネル面をボトル内方へ湾曲変形自在とするためには、可撓性を付与しなければならず、該プラスチックボトルに内容物を充填したときに、該プラスチックボトルを把持しにくくなるという不都合がある。
【0008】
また、前記ホットパック充填後、内容物の冷却によりボトル内部が減圧状態になったときの不正変形の問題を解決するために、前記胴部の強度を増加したり、或いは耐熱性を高めることが考えられる。しかし、前記胴部の強度を増加するには、ボトルの目付量を増大する必要があり、コスト増が避けられない。また、耐熱性を高めるには、熱処理時間を伸ばす等のために生産性のある程度の低下が避けられない。
【特許文献1】特開2005−75408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる不都合を解消して、加熱状態で充填された内容物が冷却されたときに生じる減圧による不正変形を防止することができるプラスチックボトルを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の目的は、前記プラスチックボトルの製造方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明のプラスチックボトルは、ブロー成形により形成され、口部と、該口部に連なる肩部と、該肩部に連なりパネル面が形成された胴部と、該胴部に連なる底部とを備えるプラスチックボトルにおいて、前記パネル面からボトル外方に膨出して形成された膨出部を備える状態で、内容物が加熱状態で充填され、キャッピングされた後、該内容物が冷却されたときに、該膨出部が外部からの押し込み力により不可逆にボトル内方に凹入せしめられて形成されている凹入部を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のプラスチックボトルは、まず、前記パネル面からボトル外方に膨出して形成された前記膨出部を備える状態で、内容物が加熱状態で充填され、キャッピングされる。次いで、前記内容物が冷却されると、前記内容物とヘッドスペースとが収縮し、ボトル内部が減圧状態となるが、このときに前記膨出部に外部からの押し込み力を作用させ、該膨出部をボトル内方に凹入せしめて前記凹入部を形成する。この結果、前記プラスチックボトルの内容積が減少せしめられるので、前記減圧を吸収することができる。
【0013】
前記凹入部の形成は不可逆であり、該凹入部は前記押し込み力が解除されても、或いは前記内容物が充填されたプラスチックボトルが開封されても、前記膨出部の形状に復帰することがないので、前記胴部に強度を付与することができる。
【0014】
従って、本発明のプラスチックボトルによれば、加熱状態で充填された内容物が冷却されたときに生じる減圧を確実に吸収することができ、しかも目付量を増大させたり耐熱性を高めることなく、前記胴部に強度を付与して、該減圧による不正変形を防止することができる。
【0015】
また、本発明のプラスチックボトルによれば、前述のように前記胴部に強度が付与されているので、該胴部を安定に把持することができる。
【0016】
本発明のプラスチックボトルは、前記ブロー成形により前記パネル面に前記膨出部が形成されて、該膨出部を備える状態とされたものであってもよい。また、本発明のプラスチックボトルは、前記ブロー成形により前記パネル面からボトル内方に凹入する凹入部が形成された後、該凹入部に押し出し力またはボトル内部を加圧することによる押し出し力を作用させて、該凹入部をボトル外方に反転させることにより前記膨出部が形成されて、該膨出部を備える状態とされたものであってもよい。
【0017】
本発明のプラスチックボトルは、前記凹入部の形成により内容積が2〜15%の範囲で減少されることが好ましい。
【0018】
本発明のプラスチックボトルでは、前記凹入部の形成による内容積の減少が2%未満では、加熱状態で充填された内容物が冷却されたときに生じる減圧を吸収できないことがある。また、前記凹入部の形成による内容積の減少が15%を超えると、前記プラスチックボトル内部が正圧になり、該凹入部の形成が困難になる虞れがある。
【0019】
また、前記プラスチックボトルにおいて、前記凹入部は、少なくともボトル軸線に対して相対向する1対のパネル面に形成されていればよい。このようにすることにより、前記凹入部の形成による内容積の減少量を容易に調整することができる。
【0020】
また、前記プラスチックボトルにおいて、前記凹入部は、前記プラスチックボトルを把持する際の指掛かり部となることができ、該プラスチックボトルをより安定に把持することができる。
【0021】
前記プラスチックボトルは、ブロー成形により、口部と、該口部に連なる肩部と、該肩部に連なりパネル面が形成された胴部と、該胴部に接続して接地部を構成する底部とを備えると共に、該パネル面にボトル外方に膨出して形成された膨出部を備えるプラスチックボトルを形成する工程と、該プラスチックボトルに内容物を加熱状態で充填し、キャッピングした後、該内容物を冷却する工程と、該膨出部を外部からの押し込み力により不可逆にボトル内方に凹入せしめて凹入部を形成することにより、ボトルの内容積を低減する工程とを備える製造方法により製造することができる。
【0022】
また、前記プラスチックボトルは、ブロー成形により、口部と、該口部に連なる肩部と、該肩部に連なりパネル面が形成された胴部と、該胴部に接続して接地部を構成する底部とを備えると共に、該パネル面にボトル内方に凹入して形成された凹入部を備えるプラスチックボトルを形成する工程と、該凹入部を押し出し力またはボトル内部を加圧することによる押し出し力によりボトル外方に膨出せしめて該パネル面に該押し出し力を解除しても形状を保持する膨出部を形成する工程と、該パネル面に該膨出部が形成された該プラスチックボトルに内容物を加熱状態で充填し、キャッピングした後、該内容物を冷却する工程と、該膨出部を外部からの押し込み力により不可逆にボトル内方に凹入せしめて凹入部を形成することにより、ボトルの内容積を低減する工程とを備える製造方法により製造することもできる。
【0023】
前記ブロー成形により、前記パネル面にボトル内方に凹入して形成された凹入部を備えるプラスチックボトルを形成するときには、該凹入部は元々ボトル内方に凹入して形成されているため、凹入した状態の方がより安定な状態となっている。従って、該凹入部を一旦ボトル外方に膨出せしめて形成された膨出部を、前記内容物が前記範囲の温度に冷却されたときにボトル内方に凹入せしめて、再び凹入部を形成することにより、該凹入部をより安定で前記膨出部の形状に復帰しにくいものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の第1の態様に用いられるプラスチックボトルの正面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。また、図3は本実施形態の第2の態様に用いられるプラスチックボトルの正面図であり、図4は、本実施形態の第3の態様に用いられるプラスチックボトルの正面図である。
【0025】
図1に示すプラスチックボトル1は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォーム(図示せず)のブロー成形により形成されたペットボトルであり、外周側に雄ねじ部2を備える口部3と、口部3に連なる肩部4と、肩部4に連なる胴部5と、胴部5に連なる底部6とを備え、胴部5の横断面が図2に示すように略正方形状となっている角形ボトルである。
【0026】
ペットボトル1は、例えば、緑茶、烏龍茶等の茶飲料や、果汁飲料等のホットパック充填用に用いられるものであり、口部3は白化結晶化せしめられることにより、耐熱性が付与されている。
【0027】
また、胴部5の略正方形状の横断面の各頂点に当たる部分には、ペットボトル1の軸方向に延在する柱部(縦リブ)5aが配設されており、柱部5a,5a間にパネル面7が段差部7aを介して、柱部5aよりもペットボトル1の内方側に形成されている。柱部5a,5aにより相互に隔てられた各パネル面7は、ペットボトル1の外方に膨出して形成された半球状の膨出部8を1個ずつ備えており、膨出部8の周囲には円形のリブ9が形成されている。
【0028】
尚、底部6の中央部にはペットボトル1の内方に没入する凹部6aが形成されており、凹部6aの周囲を接地部6bとして、ペットボトル1を自立可能にしている。
【0029】
ペットボトル1は、内容物がホットパック充填された後、膨出部8に外力を作用させて図2に仮想線示する凹入部10を形成する用途等に供することができる。
【0030】
内容物がホットパック充填された後、膨出部8に外力を作用させて凹入部10を形成する場合には、まず、図1に示すように、各パネル面7に膨出部8が形成されている状態で、前記茶飲料、果汁飲料等の内容物が前述のように例えば87℃に加熱された状態で充填され、口部3の雄ねじ部2に図示しないプラスチックキャップが螺着されることによりキャッピングされる。
【0031】
次に、冷却工程で前記内容物が冷却されると、該内容物自体と、ヘッドスペースとが収縮し、ペットボトル1内に減圧が発生する。前記減圧が発生すると、ペットボトル1は外圧を受けて不正変形するおそれがある。
【0032】
そこで、ペットボトル1では、前記内容物の冷却後、膨出部8に外方から機械的押し込み力を作用させて、膨出部8をペットボトル1の内方に不可逆に凹入させ、図2に仮想線示する凹入部10を形成する。凹入部10を形成すると、ペットボトル1の内容積が減少するので、前記減圧を吸収することができる。この結果、ペットボトル1は、前記外圧による不正変形を防止することができる。
【0033】
このとき、凹入部10の形成によるペットボトル1の内容積の減少は、前記内容物とヘッドスペースとの収縮に見合う量とすることが好ましい。即ち、前記内容物とヘッドスペースとの収縮は、通常はペットボトル1の内容積の2〜15%の範囲であるので、凹入部10の形成によるペットボトル1の内容積の減少もまた、図1に示す状態のペットボトル1の内容積の2〜15%の範囲とすることが好ましい。
【0034】
また、凹入部10は、前記のように不可逆に形成されているので、前記機械的押し込み力を解除し、或いは前記プラスチックキャップを外してペットボトル1を開封しても、膨出部8の形状に復帰することはない。従って、凹入部10の形成により、胴部5に強度を付与して前記不正変形の防止に寄与することができ、しかも凹入部10を指掛かり部として利用することによりペットボトル1のグリップ性を改善してペットボトル1を安定して把持することができる。本実施形態のペットボトル1は、グリップ性が改善されるため、500ml以上のボトルに特に適している。
【0035】
ペットボトル1において、膨出部8は周囲に円形のリブ9を備えていなくてもよいが、円形のリブ9を備えることにより、膨出部8がペットボトル1の内方に凹入せしめられて凹入部10を形成したときに、凹入部10の膨出部8形状への復帰を阻害して、凹入部10の形成を確実に不可逆にすることができる。ペットボトル1では、リブ9は1つだけ設けられているが、凹入部10の膨出部8形状への復帰を阻害するために、複数のリブ9が設けられていてもよい。
【0036】
また、ペットボトル1では、パネル面7にペットボトル1の軸方向に延在する縦リブ、またはペットボトル1の周方向に延在する横リブが設けられていてもよい。前記縦リブまたは横リブを形成することにより、胴部5にさらに強度を付与することができる。
【0037】
また、図1に示すペットボトル1では、各パネル面7が膨出部8を1個ずつ備えているが、図3に示すように、各パネル面7は複数(図3では2個)の膨出部8を備えていてもよい。
【0038】
また、図1に示すペットボトル1では半球状の膨出部8を備えているが、膨出部8の形状は半球状に限定されるものではなく、平面形状としては円形状、楕円形状、長円形状、正方形状、長方形状、またはこれらを組み合わせた形状等であってもよく、断面形状としては円弧状、円弧の頂上を平らにした形状、台形状、長方形状、またはこれらを組み合わせた形状等であってもよい。また、膨出部8の表面には、放射状、クロスハッチ状、階段状等のリブまたは稜部が設けられていてもよい。
【0039】
このような膨出部8として、例えば、図4に示す膨出部8aを挙げることができる。図4に示す膨出部8aは、平面形状が円形状であり、断面形状が台形状であって、表面に放射状の8本の稜部を設けたものである。
【0040】
また、図1に示すペットボトル1は、胴部5の横断面が図2に示すように略正方形状となっているが、胴部5の横断面の形状は前記正方形状に限定されるものではなく、長方形状、或いは六角形状、八角形状等の多角形状であってもよく、さらに円形状、楕円形状であってもよい。膨出部8は、その平面形状、断面形状、その周囲のリブ形状などを適切に設定することにより、凹入部10の形成を確実に不可逆にする形状とすることができる。
【0041】
本実施形態では、各パネル面7に備えられている膨出部8を全てペットボトル1の内方に凹入させて凹入部10を形成するものとして説明しているが、凹入部10は少なくともペットボトル1の軸線に対して相対向する1対のパネル面7,7に形成されていればよく、このようにすることにより、凹入部10の形成による内容積の減少量を容易に調整することができる。また、ペットボトル1の軸線に対して相対向する1対のパネル面7,7に凹入部10,10を形成することにより、ペットボトル1を把持する際に、凹入部10,10を指掛かり部として利用することができ、好都合である。特に、胴部5の横断面形状が長方形状である場合には、長辺となる1対のパネル面7,7に凹入部10,10を形成することにより、ペットボトル1を把持しやすくなる。
【0042】
また、本実施形態では、膨出部8は、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォームのブロー成形により形成されるものとして説明している。しかし、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォームのブロー成形により、パネル面7に凹入部10を備えるペットボトル1を形成した後、凹入部10に機械的押し出し力またはボトル内部を加圧することによる押し出し力を作用させて、凹入部10をペットボトル1の外方に反転させ、ペットボトル1の外方に膨出する膨出部8を形成するようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、プラスチックボトル1がポリエチレンテレフタレート樹脂からなるペットボトル1であるものとして説明しているが、ボトルを構成するプラスチックはポリエチレンテレフタレート樹脂に限定されるものではなく、ホットパック充填用ボトルに用いられるプラスチックであればどのようなものであってもよい。
【0044】
さらに、本実施形態では、ペットボトル1に内容物がホットパック充填された後、膨出部8に外力を作用させて凹入部10を形成するものとして説明している。しかし、ペットボトル1は、内容物を充填しないうちに膨出部8に外力を作用させてペットボトル1の内方に不可逆に凹入させ、図2に仮想線示する凹入部10を形成した状態として、グリップ性が求められる用途等に用いることもできる。
【0045】
内容物を充填しないうちに凹入部10を形成する場合には、ペットボトル1は空である。従って、前記押し込み力は、ペットボトル1の外方からの機械的押し込み力のみであってもよいが、補助的にペットボトル1の内部を減圧することにより生じる吸引力を用いてもよい。凹入部10は、前記のように不可逆に形成されているので、前記機械的押し込み力または吸引力を解除しても、膨出部8の形状に復帰することはない。従って、凹入部10の形成により、胴部5に強度を付与することができる。
【0046】
内容物を充填しないうちに凹入部10を形成したペットボトル1は、凹入部10が形成された状態で、前記茶飲料、果汁飲料等の内容物を例えば常温でアセプティック充填して使用することができる。このとき、ペットボトル1は、凹入部10の形成により胴部5に強度が付与されているので、外圧による不正変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のプラスチックボトルの一態様を示す正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明のプラスチックボトルの他の態様を示す正面図。
【図4】本発明のプラスチックボトルの他の態様を示す正面図。
【符号の説明】
【0048】
1…プラスチックボトル、 3…口部、 4…肩部、 5…胴部、 6…底部、 7…パネル面、 8…膨出部、 10…凹入部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形により形成され、口部と、該口部に連なる肩部と、該肩部に連なりパネル面が形成された胴部と、該胴部に連なる底部とを備えるプラスチックボトルにおいて、
該パネル面からボトル外方に膨出して形成された膨出部を備える状態で、内容物が加熱状態で充填され、キャッピングされた後、該内容物が冷却されたときに、該膨出部が外部からの押し込み力により、不可逆にボトル内方に凹入せしめられて形成されている凹入部を備えることを特徴とするプラスチックボトル。
【請求項2】
前記凹入部の形成により内容積が2〜15%の範囲で減少されることを特徴とする請求項1記載のプラスチックボトル。
【請求項3】
前記凹入部は、少なくともボトル軸線に対して相対向する1対のパネル面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラスチックボトル。
【請求項4】
前記凹入部は、ボトルを把持する際の指掛かり部となることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のプラスチックボトル。
【請求項5】
ブロー成形により、口部と、該口部に連なる肩部と、該肩部に連なりパネル面が形成された胴部と、該胴部に接続して接地部を構成する底部とを備えると共に、該パネル面にボトル外方に膨出して形成された膨出部を備えるプラスチックボトルを形成する工程と、
該プラスチックボトルに内容物を加熱状態で充填し、キャッピングした後、該内容物を冷却する工程と、
該膨出部を外部からの押し込み力により不可逆にボトル内方に凹入せしめて凹入部を形成することにより、ボトルの内容積を低減する工程とを備えることを特徴とするプラスチックボトルの製造方法。
【請求項6】
ブロー成形により、口部と、該口部に連なる肩部と、該肩部に連なりパネル面が形成された胴部と、該胴部に接続して接地部を構成する底部とを備えると共に、該パネル面にボトル内方に凹入して形成された凹入部を備えるプラスチックボトルを形成する工程と、
該凹入部を機械的押し出し力またはボトル内部を加圧することによる押し出し力によりボトル外方に膨出せしめて該パネル面に該押し出し力を解除しても形状を保持する膨出部を形成する工程と、
該パネル面に該膨出部が形成された該プラスチックボトルに内容物を加熱状態で充填し、キャッピングした後、該内容物を冷却する工程と、
該膨出部を外部からの押し込み力により不可逆にボトル内方に凹入せしめて凹入部を形成することにより、ボトルの内容積を低減する工程とを備えることを特徴とするプラスチックボトルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−315738(P2006−315738A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142102(P2005−142102)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(505440295)北海製罐株式会社 (58)
【Fターム(参考)】