説明

プラスチック製キャップおよびその製造方法

【課題】キャップの蓋部分が不意に外れることがなく、またその接合強度が安定しており、かつ、手で蓋部分を容易に外すことができ、しかも製品形状の自由度が高い、医薬品用容器の使用に適したプラスチック製のキャップおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】医薬品用に適したキャップにおいて、キャップ本体と蓋部分2との橋架け部の一部分が、該キャップ本体と蓋部分との少なくとも一方に設けた溶着用穴13を通じた射出成形によって形成される合成プラスチックにより、キャップ本体と蓋部分とが溶着一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の開口部を確実に封止するために用いられるプラスチック製キャップに関する。さらに詳しくは、容器の口部分に設けられている開口部にゴム栓等の密封部材を嵌入して該開口部を封止することで形成される容器内の密封状態を、強固に保持させるために用いられるプラスチック製のキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装材として使用される容器には、その内容物を外部から保護し、内容物の変質を防ぐ機能が求められる。特に、医薬品や食品、化粧品等に用いられる容器は、内部に収容する医薬品等の品質確保の要請が強いことから、容器本体や、該容器の口部を密封する密封部材の材質は、医薬品等との相互作用を生じない材料で形成される必要がある。これに加えて、医薬品等を容器内に収容して密封部材で密封後、これを、流通・移動或いは長期間の保管等する場合において、その密封状態を確実に維持させる必要がある。特に、内容物が医薬品である場合には、密封部材によって形成した容器内における高い密封性を、より確実に維持させることが極めて重要になる。このような容器のうち、特に医薬品用容器としては、バイアル、カートリッジ、輸液ボトル、輸液バッグ等が知られており、医薬品の剤形や容量、投与方法等により使い分けがなされている。
【0003】
これらの容器は、通常、医薬品を収容した状態で、その口部が、例えば、ゴム栓や平板パッキンのような弾性の密封部材によって厳重に密封され、さらに、その状態が確実に維持されるように工夫されている。その方法は様々であり、例えば、バイアル容器等の口部にゴム栓を嵌入し、さらに、この状態でプラスチック製やアルミ製のキャップを被せて口部を覆うことで、嵌入したゴム栓の脱離を防ぎ、強く密封部材を固定する方法や、平板パッキンを内包するプラスチック製の栓体と呼ばれる口部封止部品を、輸液ボトル等の容器の口部に融着する方法等が知られている。
【0004】
また、容器の内容物である医薬品が注射剤である場合には、使用時に、容器の口部を開放することなく密封した状態で、ゴム栓等の密封部材を注射針で刺通し、内容物の医薬品を注射器内へと移して使用されている。また、その医薬品が輸液である場合には、密封部材を点滴用カテーテル等の接続された針で刺通して点滴が行われている。このため、これら医薬品容器用のキャップには、上記した様な使用が容易に行えるように、装着した際に密封部材の一部を露出させるための窓部が形成されている。そして、その窓部により露出する密封部材が、その医薬品の流通過程において汚染されることがないように、窓部(以下キャップ窓部と呼ぶ)が設けられているキャップを構成する上面を、保護フィルムや、プラスチック製やアルミニウム製の蓋で覆うことが一般的に行われている。
【0005】
従来、これらの蓋は、容器内の内容物を使用する直前まで、キャップ窓部に物理的に嵌合されている(不図示)か、図6に示したように、キャップ本体1の天板部分16(上面)に設けた突起12の上面121に接着剤をつけて、キャップ本体1と蓋2の下面とを接着するなどされて、キャップ本体と一体化されている。その他の結合方法としては、接着剤を使用することなく、該突起の上面121と蓋の下面を接触させた状態で超音波をかけて摩擦熱で融着させたり、キャップ本体の天板部分と蓋を一体成形したりしている(特許文献1)。しかし、物理的に嵌合されたキャップは不意に蓋が外れることがあり、また、超音波融着や接着剤等による接合では、その接合強度にばらつきが避けられず、さらに、接着剤による接着では接着剤に使用されている溶剤の医薬品への影響が懸念される。また、上記した一体成形する方法では比較的接合強度は安定するが、キャップ形状に制約があり、また金型の構造が複雑になるため、コスト高である等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−238998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、キャップの蓋部分が不意に外れることがなく、また、その接合強度が安定しており、且つ、使用時にはキャップの蓋部分をキャップ本体から手で容易に外すことができ、しかも、製品形状の自由度が高い、特に医薬品用容器の使用に適したキャップおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、[1]容器の口部分に設けられている開口部に密封部材を嵌入して該開口部を封止することで形成される、容器内の密封状態を強固に保持させるために用いられるプラスチック製のキャップであって、少なくとも、キャップ本体(1)と、該本体と橋架け部(3)を介して一体化されている蓋部分(2)とを有し、上記キャップ本体(1)は、上記開口部に取り付けた場合に、該容器の口部分を包囲できる形状の胴部(15)と、該胴部に連続して一体に設けられている天板(16)とを有してなり、上記蓋部分(2)は、上記キャップ本体(1)の天板(16)に対峙して設けられ、上記橋架け部(3)は、上記キャップ本体又は上記蓋部分の少なくとも一方に設けられている1以上の、直径が0.3〜3mmの貫通した溶着用穴(13)に充填された合成プラスチックによって形成されており、該橋架け部(3)によって、上記キャップ本体(1)と上記蓋部分(2)とが溶着一体化され、且つ、該橋架け部(3)を手で破壊することで蓋部分(2)をキャップ本体(1)から外すことができるように構成されていることを特徴とするプラスチック製キャップを提供する。
【0009】
また、本発明の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。[2]前記キャップ本体(1)の天板(16)の上面に、或いは該上面に対峙する前記蓋部分(2)の下面に、前記溶着用穴(13又は23)に連続する孔を有してなる突起(12又は22)が設けられている[1]に記載のプラスチック製キャップ。
[3]前記キャップ本体(1)の天板(16)の上面に、或いは該上面に対峙する前記蓋部分(2)の下面に、突起(12又は22)が設けられており、該突起に対峙する面の該突起に対峙する位置に溶着用穴(13又は23)が設けられている上記[1]に記載のプラスチック製キャップ、
[4]前記キャップ本体(1)の天板(16)の上面の、或いは該上面に対峙する前記蓋部分(2)の下面の、前記突起(12又は22)に対峙する位置に、該突起を固定するための凹部若しくは該突起の外周に嵌合する形状の固定部分が形成されている上記[2]又は[3]のいずれかに記載のプラスチック製キャップ、
[5]前記橋架け部(3)が、少なくとも3箇所乃至5箇所に設けられていることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のプラスチック製キャップ、
[6]前記キャップ本体(1)の胴部(15)の内壁面に、前記容器の口部分の外周に設けられた環状リップに係合するための突起又は爪状部(14)が設けられ、且つ、前記キャップ本体の天板の中央部に、開口した窓部(11)が設けられており、前記蓋部分(2)は、少なくとも該窓部を覆う形状を有してなる上記[1]乃至[5]のいずれかに記載のプラスチック製キャップを提供する。
【0010】
また、別の実施形態として、本発明は、
[7]容器の口部分に設けられている開口部に密封部材を嵌入して該開口部を封止することで形成される、容器内の密封状態を強固に保持させるために用いられる、キャップ本体(1)と、該本体と橋架け部(3)を介して一体化されている蓋部分(2)とを有するプラスチック製のキャップの製造方法において、容器の口部分を包囲できる形状の胴部(15)と、該胴部に連続して一体に設けられている天板(16)とを有してなる上記キャップ本体(1)に、該天板に対峙する位置に上記蓋部分を橋架け部を介して取り付ける際に、上記キャップ本体の天板又は上記蓋部分の少なくとも一方に設けられている1以上の、直径が0.3〜3mmの貫通した溶着用穴に合成プラスチックを充填させて固化させて橋架け部を形成し、上記キャップ本体と上記蓋部分とを該橋架け部によって溶着一体化して、形成した橋架け部を手で破壊することで蓋部分をキャップ本体から外すことができるようにすることを特徴とするプラスチック製キャップの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キャップの蓋部分が不意に外れることがなく、またその接合強度が安定しており、且つ、使用時にはキャップの蓋部分をキャップ本体から手で容易に外すことができ、しかも、製品形状の自由度が高い、特に医薬品用容器の使用に適したキャップが提供される。本発明によって提供されるプラスチック製キャップは、キャップ本体と、該本体と橋架け部を介して一体化されている蓋部分とを有し、該橋架け部は、キャップ本体又は上記蓋部分の少なくとも一方に設けられている貫通した直径が0.3〜3mmの溶着用穴に充填されて固化した合成プラスチックによって形成されている。このため、この溶着用穴に連続する孔部分でのみキャップ本体と蓋部分との溶着が生じることから、極めて安定した溶着強度でこれらを溶着することができる。また、キャップ本体と蓋部分との一体化が射出成形で簡易にでき、しかも溶着時の射出成形は、該溶着用穴の孔部分のみについて行えばよいため、キャップ本体や蓋部分の形状の自由度が高く、金型構造も単純にすることができ、また、溶着に使用するプラスチックの量も少量ですむという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一例のキャップ本体1を上方から見た斜視図。
【図2】本発明の一例の溶着用穴13の形成場所がそれぞれ異なる2種類のキャップの断面図。
【図3】本発明の別の一例の溶着用穴13に対応する形成場所と別形状のキャップ4種類の断面図。
【図4】本発明の一例の更に別のキャップ2種類の断面図。
【図5】本発明の図3−2のキャップをバイアル容器に固着した断面図。
【図6】従来のキャップの一例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、発明を実施するための最良の形態を示す図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。本発明のキャップ10は、図5に示すように、容器5の口部分に設けられている開口部51に、ゴム栓などの密封部材4を嵌入して該開口部を封止することで形成される、容器内の密封状態を、簡便に且つ強固に保持させるために用いられるプラスチック製のキャップである。図5は、本発明に係るキャップを用いて、バイアル容器(以下バイアルと略す)を密封した時の模式的な断面図の一例である。
【0014】
本発明に係るキャップ10は、医薬品や食品、化粧品等を保管する容器に用いられるが、該キャップを装着させることで高い密封性が保持されることから、特に医薬品の包装材料の一部として用いるのに好適である。例えば、クリーンルーム内でバイアル5内に医薬品を充填した後、密封部材であるゴム栓4をバイアル5の開口部に嵌入して容器内を密封状態にし、その後、ゴム栓4の上から本発明に係るキャップ10を被せれば、容器内の密封状態を強固に、安定して保持することができる。キャップ10をバイアル5に被せた場合、キャップ本体1の内壁に設けられている突起(不図示)又は爪部分14は、その可撓性により弾性変形してバイアルの環状リップ52を乗り越え、その後、元の形状に戻ることで、環状リップ52と係合して、通常の取り扱い(通常の力)では、到底取り外しができない状態でバイアル5に固定される。
【0015】
キャップ10の大きさは、適用されるバイアルの口部に応じてその寸法を適宜に決定する必要がある。通常、その直径は10〜50mm程度、高さは5〜50mm程度である。本発明のキャップ10は、少なくとも、キャップ本体1と、該本体1と橋架け部3を介して一体化されている蓋部分2とからなるが、その橋架け部3を特定の構造としたことを特徴とする。以下、各部材について、図2及び図5を参照して説明する。
【0016】
上記キャップ本体1は、開口部51に密封部材4を嵌入させた状態の容器5に取り付けられて使用されるが、その場合に、該容器5の口部分を包囲できる形状の胴部15と、該胴部15に連続して一体に設けられている天板16とを有してなる。上記胴部15は、容器5の開口部分51の外周に設けられた環状リップ52を包囲できる形状であれば、円筒筒状、四角筒状、六角筒状等、どのような形でもよい。また、その外壁に、指を掛けるための凹凸や、ゴム栓4の嵌入状態を外部から確認するための開口スリット等が設けられていてもよい。また、図2に示したように、上記キャップ本体1の胴部15の内壁面に、上記容器5の環状リップ52に係合するための突起又は爪状部14が設けられ、且つ、キャップ本体1の天板16の中央部に、開口した窓部11が設けられていることも好ましい形態である。この突起又は爪状部14は、環状リップ52に係合できればどのような形状でも構わないが、図2に示したような、キャップ本体1の胴部15の内壁面から5〜10mm程度の幅で、キャップの内側方向へかつ天板方向へ傾斜する爪状とすることが好ましい。このような形状とすれば、単なる突起の場合に比べて、キャップを容器に装着させた際に、キャップ本体1と環状リップ52との係合をより強固なものにできる。
【0017】
この時の爪は、キャップ本体1の内壁面との傾斜角θとしては20〜60度程度、より好ましくは30〜50度程度とするとよい。また、この爪状部分の先端における内壁面からの隔たりXは1〜5mm程度、より好ましくは2〜4mm程度である。このような範囲であれば、本発明に係るキャップを環状リップ52に係合させる場合に必要となる荷重も50〜80N程度と最適であり、また、キャップの係合も極めて強い力でなければ外れない十分なものとなるからである。特にガラス製バイアルのような表面が平滑で滑りやすく、また寸法精度のばらつきが大きい医薬品容器との組み合わせでは、この爪部分の形状や寸法がキャップの係合の面から非常に重要となる。そして、上記の条件を満足するものであれば、十分に適用可能である。
【0018】
本発明のキャップを医薬用容器に適用する場合には、キャップ本体1の天板16の中央部に、通常、開口した窓部11が設けられる。該窓部11を設けることで、図1等に示すとおり、天板16の中央部に密封部材の一部を露出させることができ、この部分に針を刺通すことで、容器内の医薬品の取り出しが可能になる。このため、窓部11は針を刺通することができる大きさの開口があれば、特に形状や大きさは制限されない。しかし、蓋部分2を取り外した後、針を刺通する前に、看護師等が、この密封部材4の露出面をアルコールを含ませた脱脂綿等で拭き消毒することが多いため、その外周に面取り部17が設けられており、かつ、窓部11の開口形状が図1に示したような円形であることが好ましい。これは、拭き消毒した場合に、拭き残りが生ずる可能性を極力減らすためである。
【0019】
本発明のキャップを構成する蓋部分2は、上記キャップ本体1の天板16に対峙して設けられる。該蓋部分2は、使用時に、所定の力によって手で取り外すことができるように構成されており、取り外すことで、天板16、さらには天板16に設けられている窓部11の開口から密封部材を露出させることができる。この蓋部分2の形状も特には制限されないが、天板16に開口した窓部11が設けられている場合には、該窓部11によって露出した状態になる密封部材4の汚染を防止するため、少なくとも該窓部11を十分に覆うことができる形状を有するものにするとよい。具体的には、針刺通時(使用時)まで密封部材4の露出面を保護するためのものであるため、窓部11の開口部分よりも大面積を有するもの、より好ましくは、キャップ本体1の天板16よりも大面積のものがよい。また、その形状がキャップ本体1の天板16と同一、相似もしくは類似の形状であると、キャップ本体1とのデザインの統一性が保たれ好ましい。さらに、図2に示したように、キャップ本体1の胴部15の上端19と嵌合するような形状とするとデザインの統一性に加え、キャップ本体1と蓋部分2との位置決め効果も得られ、この点でも好ましい。さらに、蓋部分2の取り外しを容易とするため、図2に示したように、蓋部分2の外周に指掛け部となる鍔24を設けることも効果的である。
【0020】
本発明のキャップを構成する橋架け部3は、上記キャップ本体1の天板16又は上記蓋部分2の少なくとも一方に設けられている1以上の、直径が0.3〜3mmの貫通した溶着用穴13に充填された合成プラスチック等によって形成される。該橋架け部3によって、上記キャップ本体1と上記蓋部分2とが溶着一体化され、かつ、該橋架け部3を手で破壊することで、蓋部分2をキャップ本体1から外すことができるように構成される。なお、本発明でいう橋架け部3とは、キャップ本体と蓋部分との結合に関与する部分をいい、溶着用穴13や、該穴に充填された合成プラスチックのみでなく、天板16や蓋部分2の溶着用穴13、23や、突起12、22、溶着用穴13に充填させた合成プラスチックが溶着することになる、蓋部分2や天板16の一部や凹部28、18、および、固定部分25等を含む部分を意味している。しかし、本発明の効果を奏するためには、上記に挙げた突起や凹部等は必ずしもなくてよく、図5等に示したように、橋架け部3として、溶着用穴13に充填された状態の合成プラスチックによって形成される、キャップ本体1と蓋部分2とを繋いで一体化している棒状部分があれば足りる。
【0021】
本発明のキャップが必須とする溶着用穴13は、上記キャップ本体1の天板16の上面に、或いは該上面に対峙する前記蓋部分2の下面に設けられていることが製造上好ましい。しかし、溶着用穴13はキャップ本体1と蓋部分2が対峙する部分であればどこにでも設けることができ、例えば、図2−2に示したように、胴部の上端19に側面方向に設けることもできる。該図に示したように、少し傾斜をつけた側面方向に設けることもできる。以下、天板16に貫通した溶着用穴13を設けた図2−1に示した形態を例にとって説明する。
【0022】
この溶着用穴13に充填された合成プラスチックの、蓋部2の下面との接触部分の溶着強度が、蓋部分2を取り外す際の必要荷重となる。例えば、図1に示した例では、溶着用穴13が4箇所にあるため、蓋部分2を一体化させた場合には橋架け部3が4箇所設けられることになる。したがって、該溶着強度の4倍以上の荷重をかければ、蓋を取り外すことができることとなる。この橋架け部3は必ずしも4箇所である必要はなく、1箇所以上設けられていればよいが、3箇所から5箇所くらい設けるのが好ましい。また、橋架け部3を複数設ける場合に必要となる溶着用穴13の間隔は、キャップ本体1の天板16を等間隔に分割する角度で配置されるのが好ましい。蓋部分を取り外す強度を均一化するためである。しかし、これらの数等は限定されない。また、溶着用穴の直径は、0.3〜3mm程度とするが、溶着する際に使用するプラスチックとキャップ本体や蓋部分に使用するプラスチックとの溶着強度、蓋部分を取り外す際の目標荷重によって適宜決定すればよい。成形等の都合からは0.5〜2mm程度、より好ましくは1〜1.5mmとなるように設計されるとよい。
【0023】
次に、上記溶着用穴13に連続する孔を有してなる突起12について説明する。図2−1に本発明の一例を示した。この例では、キャップ本体1の天板16の上面に、該天板16を貫通している溶着用穴13と、その溶着用穴13に連続する孔131が中心部分に形成された構造を有する、リング状の突起12とが設けられている。この突起12は、図1に示したような円筒(リング)状が好ましいが、これに限らず、三角筒状や四角筒状、六角筒状等の形状とすることもできる。また、図3−3に示したように、蓋部分2に、貫通した溶着用穴23を設けた場合には、蓋部分の下面上に上記したようなリング状の突起22を設けてもよい。さらに、図示はしていないが、キャップ本体1の天板16の上面に、或いは該上面に対峙する蓋部分2の下面に、溶着用穴13を形成していない突起を設け、該突起に対峙する面の該突起に対峙する位置に溶着用穴13を設けて、合成樹脂を用いて一体化するように構成することも可能である。
【0024】
この突起12の、例えば、天板16の上面からの高さは、適宜設計しうるが、0.3〜2mm程度、より好ましくは、0.5〜1.2mm程度とするとよい。この高さが低すぎると、後述する位置の固定作用がなくなり、あまり高すぎると、一体化した場合にキャップ本体1と蓋部分2との間の隙間が大きくなって、この隙間に異物が進入しやすくなるおそれがあるので好ましくない。突起12の直径は、溶着穴の径に従って決定されるが、1〜5mm程度が好ましく、より好ましくは1.5〜3mm程度である。径が小さすぎると突起の強度が弱くなり、径が大きすぎると看護師等が使用するとき等に邪魔になるので好ましくない。
【0025】
本発明のキャップは、上記で説明した突起に対峙する位置に、該突起を固定するための凹部若しくは該突起の外周に嵌合する形状の固定部分が形成されていてもよい。次に、図3−1〜3−4を参照して、凹部28又は18、および、固定部分25について説明する。凹部28又は18については、図3−1と図3−3に、固定部分25については、図3−2に、それぞれの例を示した。これらは、キャップ本体1の天板16の上面の、或いは該上面に対峙する蓋部分2の下面の、前記突起12又は22に対峙する位置に設けられる。上記凹部は、図3−1と図3−3に示したように、先に説明した突起12又は22と嵌合し得る窪み形状をしており、このような凹部を設けることによって、キャップを容器に装着させた際に、突起を所定の位置に確実に固定できるようになる。このため、キャップ本体1と蓋部分2を融着一体化させる際の位置決めが容易になる。上記の固定部分とは、図3−2に示したような、該突起12の外周に嵌合する形状の突状等を意味し、これを設けることで、上記凹部と同様に、突起を所定の位置に確実に固定できるようになるので、キャップ本体1と蓋部分2とを一体化させる場合の位置決めが、容易且つ確実にすることができる。
【0026】
例えば、図3−1を例に説明すると、凹部28は、突起12と対峙する位置に設けられ、この場合は、本体1の上面16と蓋部分2の下面が接地しないように、その窪み形状を、該窪みに、突起12の全部ではなく、その高さの約半分程度までを落とし込む(嵌め込む)ことができるようにする。この結果、突起12を該凹部28に落とし込むことで、蓋部分2を本体1の所望の位置に確実に固定することができる。また同様に、図3−2を例に説明すると、固定部分25は、突起12と対峙する位置に設けられて、嵌合させた場合に、固定部分25の内壁全周と、突起12の外周全周とが接触可能な形状をしており、嵌合させることで、蓋部分2は、本体1の所望の位置に確実に固定される。
【0027】
凹部28の内壁と、落とし込まれた部分の突起12の外周とは、少なくともそれらの一部が互いに接触すれば足り、蓋部分2の位置を固定することができるので、必ずしも全周にわたって接触する構造とする必要はない。同様に、固定部分25の内壁と突起12の外周との接触も、嵌合させた場合に、それらの一部が互いに接触すれば足りる。また、上記した、これら突起12と凹部28との接触部分、または突起12と固定部分25との接触部分が一部である場合には、複数の橋架け部における該接触部分が共同することで、より確実に、キャップ本体1と蓋部分2との位置を固定する形態となる。
【0028】
さらに別の態様として、図3−4に示したように、固定部分25により形成される突起を固定するための凹部251の深さよりも、突起12の高さを低くすることにより、凹部の内壁と突起12の天面との間にキャビティ(空隙)を形成し、該キャビティにも溶着用穴13を介して合成プラスチックを射出して充填させ、これによってキャップ本体1と蓋部分2とを溶着一体化することもできる。図3−4は、このような構成の固定部分25を有する一例である。この方法であれば、溶着用穴13の大きさによらず、溶着用穴13を介して射出された合成プラスチックが、本体1の天板16或いは蓋部分の下面に接触する部分を増やすことができる。この結果、溶着穴一つ当たりの取り外し荷重を大きくすることができるので、橋架け部分の数を減らすことができるという利点がある。
【0029】
次に、本発明を特徴づける橋架け部3の形状について、実施例を示す各図面を参照して説明する。図2−1に示した実施例では、キャップ本体1の天板16に、該天板を貫通した溶着用穴13と、該穴に連続する孔を有するリング状の突起12とが設けられている。このため、本体1の内壁側から溶着用穴13に溶融状態の合成プラスチックを充填させると、該プラスチックは、溶着用穴13を介して突起12に対峙する蓋部分2の平坦な下面に至り、この結果、該下面と突起12の上面の孔131との接触部分で合成プラスチックによる溶着がなされ、キャップ本体1と蓋部分2とが溶着一体化する。なお、図示した例では、胴部の上端19と、蓋部分2の内側側壁によって、キャップ本体1と蓋部分2とが位置決めされるようになっている。
【0030】
図2−2に示した実施例では、上記溶着用穴13を、胴部の上端19に少し上面側へ傾斜をつけた側面方向に形成した。この例では図示していないが、図2−1と同様に、この溶着用穴13と通じる側壁に形成される孔131の部分に、連続した孔を有する突起12が形成されていてもよい。
【0031】
図3−1に示した実施例では、図2−1で説明したと同様の突起12に対峙する、蓋部分2の平坦な下面に、該突起12を全周にわたって、またその高さの約半分を落とし込む窪みである凹部28が形成されている。それ以外は、図2−1で説明したと同じ構成を有するキャップである。本実施例では、図2−1の例と同様に、胴部の上端19と蓋部分2の内側側壁によって、キャップ本体1と蓋部分2とが位置決めされるが、さらに、前記したように、突起12の一部が凹部28に嵌合することで、本体1と蓋部分2の位置が固定されるため、これらの位置がより正確に、安定的に確保されることとなる。
【0032】
図3−2に示した実施例は、図2−1の例における突起12に対峙する蓋部分2の平坦な下面に、該突起12を全周にわたって覆うことができ、また、突起12と同じ高さを有するリング状の突状である固定部分25が形成されている以外は、図2−1と同じ構成を有するキャップである。本実施例も、凹部28を、リング状の突状である固定部分25により形成される突起固定凹部251に置き換えただけで、上記図3−1の例と作用効果は同一である。
【0033】
図3−3に示した実施例は、溶着用穴23と突起22とを蓋部分2の側に設け、それに対峙するキャップ本体1の天板16の部分に、凹部18を設けた例である。図3−1に示した実施例における嵌合する部分の構造を、キャップ本体1と蓋部分2とで入れ換えただけであるため、作用効果は上記図3−1の例と同一である。
【0034】
図3−4に示した実施例は、上記図3−2に示した実施例とほぼ同様の構成であるが、突起12の高さが固定部分25の半分しかないため、溶着用穴13に充填された合成プラスチック132が、突起固定凹部251の内面と突起12の上面との間に形成されたキャビティを満たす構造となっている。
【0035】
次に、本体1と蓋部分2とが橋架け部3によって溶着一体化された状態の本発明に係るキャップの製品例を、図4に基づいて説明する。図4−1に示した例は、キャップ本体1の内側に、密封部材4であるゴム栓を内包させた製品である。この形態のキャップは、装着させる容器の口部分に設けられている開口部への密封部材4の嵌入と、嵌入させた状態の密封部材4をキャップによって強固に固定させることを、一工程で行うことができるという利点を有する。また、図4−2に示した製品は、栓体と呼ばれる、主に輸液容器用に使用されるキャップに本発明の構成を適用した例である。この場合は、密封部材4として平板パッキングが用いられる。
図5は、本発明に係るキャップの一例を用いて、バイアル容器を密封した時の模式的な断面図である。
【0036】
次に、本発明のキャップを製造する方法について説明する。まず一例として、図3−2に示したキャップを例に、その製造方法を説明する。あらかじめ溶着用穴13を設けたキャップ本体1と、下面に固定部分25を設けた蓋部分2とを、それぞれを製造する金型で射出成形する。その後、成形したキャップ本体1と蓋部分2をそれぞれの金型から取り出し、橋架け部3の成形用の金型にこれらを組み合わせて投入し、型締め後、キャップ本体1側に設けた溶着用穴13に、合成プラスチックを射出成形する。射出されたプラスチックは、溶着用穴13を通り蓋部分2の下面に突き当たったところで停止し、溶着用穴13内に充填されたプラスチックが固化し、この結果、橋架け部3によりキャップ本体1と蓋部分2とが溶着一体化する。
【0037】
他の製造方法の例としては、キャップ本体1を成形し、あらかじめ別途成形しておいた蓋部分2を該キャップ本体1の金型にインサートしてこれらを組み合わせた後、型締めして溶着用穴13に二次射出を行ってこれらを一体化する方法もある。
【0038】
その他の製造方法の例としては、一つの金型にキャップ本体1と蓋部分2とを成形するキャビティを設けて、これらを一次射出でそれぞれ成形した後、金型をスライドさせてこれらを組み合わせた後、二次射出で溶着穴に合成プラスチックを射出成形し一体化する製造方法もある。
【0039】
本発明に係るキャップは、これらいずれの成形方法でも作成可能であるが、これらの成形方法に限定されるものではない。また、上記説明は射出成形を例に説明したが、本願発明が射出成形により生産されたものに限定されないのはいうまでもない。
【0040】
本発明のキャップは、上記したような種々の簡便な方法で製造することができ、また、その金型構造もキャップ本体1と蓋部分2を所定の位置で保持して、溶着用穴へ所定の圧力で合成プラスチックを射出できる構造であれば成形可能である。このため、製品形状の自由度が高いという利点もある。
【0041】
本発明のキャップに使用される材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等、汎用プラスチックを使用することができる。しかし、キャップの爪部分の機能性や嵌入した密封材を強固に保持する要請から、適度な柔軟性と硬度を有するポリプロピレンが好ましい。また、本発明のキャップは、容器とともに滅菌処理を施されることが想定されることから、121℃以上の耐熱性や耐放射線性を有するプラスチックであることが好ましい。このようなプラスチック材料は一般に市販されている。橋架け部(3)も、上記の汎用の熱可塑性プラスチックで製造できる。
【実施例】
【0042】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕
本発明で規定する構造を有するキャップ(図2−1の形状)であって、ポリプロピレン製(株式会社プライムポリマー製、商品名:プライムポリプロJ105G)キャップを10個作成した。より具体的には、キャップ本体1の外径が24mm、高さ14mm、溶着用穴13の直径が1mm、突起12の外径が2mm、同突起12のキャップ本体天面の表面からの高さが0.5mm、蓋部分2の外径が24mmの寸法を有するものである。また、キャップの橋架け部3は、図1に示したと同じく等間隔に4箇所設けた。
【0043】
〔実施例2〕
橋架け部3の突起12と当接する蓋部分2の受け部分側に、下記の形状の凹部28が設けられている(図3−1の形状)以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン製キャップを10個作成した。凹部28の形状は、その直径が2.2mm、蓋部分2の下面からの深さが0.2mmの円筒状である。
【0044】
〔実施例3〕
実施例2の蓋部分2の凹部28の代わりに、突起12の外周に当接して突起12との位置を固定する、下記の形状の固定部分25を形成した(図3−2の形状)以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン製キャップを10個作成した。固定部分の形状は、その内径を2.2mm、外径を3.4mm、蓋部分2の下面からの高さを0.5mmとしたリング状(円筒状)とした。
【0045】
〔比較例1〕
溶着用穴13を設けずに、図6に示したようにその部分を中実の円柱状の突起12とし、さらにキャップ本体1と蓋部分との接合を接着剤でしたこと以外は実施例1と同じ構造、寸法のポリプロピレン製キャップを10個作成した。具体的には、キャップ本体1と蓋部分2との接合を、突起12の蓋部分との接触面121に接着剤(東亞合成株式会社製、商品名:アロンアルファ)を塗布してこれらを一体化した。
【0046】
〔比較例2〕
比較例1と同様の形状であって、キャップ本体1と蓋部分2との接合を、突起12の蓋部分2との接触面121の超音波融着(装置名:精電舎電子工業株式会社製、SONOPET Σ1200)によって一体化したキャップを10個作成した。融着の条件を以下の表1にまとめた。
【0047】

【0048】
〔蓋部分取り外し試験〕
株式会社大協精工製CZバイアル(製品名:Vial 10A20−2)の口部分の開口部に、同社製バイアル用ゴム栓(型名:V10−75−2)を嵌入し、さらに、この状態のバイアルの口部に実施例1乃至3および比較例1および2のキャップを打栓機によって打栓し、それぞれ固着した。この状態の各バイアルを、島津製作所製オートグラフ(型名:AG−5kNIS MS形 500Nロードセル)に固定冶具を用いて固定し、キャップの鍔に引張り試験用冶具を係合して、引張り試験用冶具を100mm/minの速度で上昇させて、キャップ本体から蓋部分を取り外すのに必要な荷重(N)を測定した。試験数は、それぞれ10とした。
測定結果を表2に示した。この結果、取り外し荷重は、比較例1及び2のキャップに比べて、実施例1乃至3のキャップではバラツキが少なく、いずれも標準偏差が小さく、安定していることが確認された。
【0049】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、キャップの蓋部分が不意に外れることがなく、極めて安定した接合強度でキャップ本体と蓋部分とを溶着一体化させることができ、しかも使用時にはキャップの蓋部分をキャップ本体から手で容易に外すことができ、また、溶着時の射出成形も溶着穴部分のみであるため、キャップ本体や蓋部分の形状の自由度が高く、金型構造も単純ですみ、溶着に使用するプラスチックの量も少量ですむ、特に医薬品用キャップとして有用なプラスチック製キャップが提供される。
【符号の説明】
【0051】
1:キャップ本体
2:蓋部分
3:橋架け部分
4:密封部材
5:容器
10:キャップ
11:窓部
12、22:突起
121:突起の上面
13、23:溶着用穴
131、231:孔
132:合成プラスチック
14:突起又は爪部分
15:胴部
16:天板
17:面取り部
18、28:凹部
19:胴部の上端
24:鍔
25:固定リング
251:突起固定凹部
51:開口部
52:環状リップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口部分に設けられている開口部に密封部材を嵌入して該開口部を封止することで形成される、容器内の密封状態を強固に保持させるために用いられるプラスチック製のキャップであって、
少なくとも、キャップ本体(1)と、該本体と橋架け部(3)を介して一体化されている蓋部分(2)とを有し、
上記キャップ本体(1)は、上記開口部に取り付けた場合に、該容器の口部分を包囲できる形状の胴部(15)と、該胴部に連続して一体に設けられている天板(16)とを有してなり、
上記蓋部分(2)は、上記キャップ本体(1)の天板(16)に対峙して設けられ、
上記橋架け部(3)は、上記キャップ本体又は上記蓋部分の少なくとも一方に設けられている1以上の、直径が0.3〜3mmの貫通した溶着用穴(13)に充填された合成プラスチックによって形成されており、該橋架け部(3)によって、上記キャップ本体(1)と上記蓋部分(2)とが溶着一体化され、且つ、該橋架け部(3)を手で破壊することで蓋部分(2)をキャップ本体(1)から外すことができるように構成されていることを特徴とするプラスチック製キャップ。
【請求項2】
前記キャップ本体(1)の天板(16)の上面に、或いは該上面に対峙する前記蓋部分(2)の下面に、前記溶着用穴(13又は23)に連続する孔を有してなる突起(12又は22)が設けられている請求項1に記載のプラスチック製キャップ。
【請求項3】
前記キャップ本体(1)の天板(16)の上面に、或いは該上面に対峙する前記蓋部分(2)の下面に、突起(12又は22)が設けられており、該突起に対峙する面の該突起に対峙する位置に溶着用穴(13又は23)が設けられている請求項1に記載のプラスチック製キャップ。
【請求項4】
前記キャップ本体(1)の天板(16)の上面の、或いは該上面に対峙する前記蓋部分(2)の下面の、前記突起(12又は22)に対峙する位置に、該突起を固定するための凹部若しくは該突起の外周に嵌合する形状の固定部分が形成されている請求項2又は3に記載のプラスチック製キャップ。
【請求項5】
前記橋架け部(3)が、少なくとも3箇所乃至5箇所に設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラスチック製キャップ。
【請求項6】
前記キャップ本体(1)の胴部(15)の内壁面に、前記容器の口部分の外周に設けられた環状リップに係合するための突起又は爪状部(14)が設けられ、且つ、前記キャップ本体の天板の中央部に、開口した窓部(11)が設けられており、前記蓋部分(2)は、少なくとも該窓部を覆う形状を有してなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチック製キャップ。
【請求項7】
容器の口部分に設けられている開口部に密封部材を嵌入して該開口部を封止することで形成される、容器内の密封状態を強固に保持させるために用いられる、キャップ本体(1)と、該本体と橋架け部(3)を介して一体化されている蓋部分(2)とを有するプラスチック製のキャップの製造方法において、
容器の口部分を包囲できる形状の胴部(15)と、該胴部に連続して一体に設けられている天板(16)とを有してなる上記キャップ本体(1)に、該天板に対峙する位置に上記蓋部分を橋架け部を介して取り付ける際に、
上記キャップ本体の天板又は上記蓋部分の少なくとも一方に設けられている1以上の、直径が0.3〜3mmの貫通した溶着用穴(13)に合成プラスチックを充填させて固化させて橋架け部を形成し、上記キャップ本体と上記蓋部分とを該橋架け部によって溶着一体化して、形成した橋架け部を手で破壊することで蓋部分をキャップ本体から外すことができるようにすることを特徴とするプラスチック製キャップの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate

【図3−3】
image rotate

【図3−4】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−106763(P2012−106763A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256654(P2010−256654)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000149000)株式会社大協精工 (31)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】