説明

プラズマディスプレイパネル

【課題】高速駆動及び均等な駆動信号電圧の供給が可能なプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】少なくとも3つ以上の領域に区分され、各領域に位置するアドレス電極がグループに区分されて、各電極グループは、別のデータ駆動部により駆動信号を供給されるようになるので、アドレス期間の間、高速駆動が可能になり、電極での電圧降下を補償でき、相対的に放電期間を延長できるため、表示品質を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、特に、高速駆動及び均等な駆動信号電圧の供給が可能なプラズマディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネルとは、隔壁が形成された背面基板と、これと対向する前面基板との間に放電セルが形成され、各放電セル内部の不活性ガスが高周波電圧により放電される時発生する真空紫外線が、蛍光体を発光させることによって、画像を具現する装置のことである。
【0003】
図1は、通常のプラズマディスプレイパネルの電極配置を示す図であり、これを参照して、従来の発明について説明する。
【0004】
図1において、スキャン電極ライン(Y1乃至Yn)とサステイン電極ライン(Z1乃至Zn)とは、互いに並列して形成され、アドレス電極ライン(データ電極ラインと同一、X1乃至Xn)は、前記スキャン/サステイン電極ラインと交差するように形成される。この時、放電セル1は、前記電極が交差する地点ごとに形成される。
【0005】
スキャン電極ライン(Y1乃至Yn)を介して、アドレス期間の間、スキャンパルスが供給されて、放電セル1がライン単位でスキャンされ、サステイン期間の間、サステインパルスが供給されて、放電セル1で放電が維持される。
【0006】
サステイン電極ライン(Z1乃至Zn)を介して、サステイン期間の間、共通的にサステインパルスが供給されるので、前記スキャン電極ライン(Y1乃至Yn)と共に放電セル1で放電が維持される。
【0007】
アドレス電極ライン(X1乃至Xn)を介して、アドレス期間の間、前記スキャンパルスと同期されるデータパルスがライン単位で供給されるので、放電が維持される放電セル1が選択される。
【0008】
前記スキャン/サステイン/アドレス電極ライン(Y/Z/X)は、駆動パルスを供給する駆動部と接続されるが、通常、このような駆動部は、パネルの背面に位置する印刷回路基板(図示せず)に設置され、前記駆動部からフレキシブルプリントケーブル(Flexible Print Cable;以下、「FPC」と記す)または、フラットフレキシブルケーブル(Flat Flexible Cable;以下、「FFC」と記す)などによりパネルの一方に形成された電極のパッド部と接続される。
【0009】
図2は、プラズマディスプレイパネルのスキャン方式を示した図であって、図2Aは、シングルスキャン方式を、図2Bは、デュアルスキャン方式を例示した図である。
【0010】
図2Aのようなシングルスキャン方式では、スキャン電極の最初ラインから最後のラインまで、順次にスキャンパルスを印加して、電極ラインを選択すると共に、前記スキャンパルスと同期されたデータパルスをアドレス電極に印加して、選択されたラインの放電セル1の中で、放電させるセルを選択する。
【0011】
すなわち、パネル7の左側上段からスキャンを始めるとすれば、スキャン駆動部3により、第1スキャン電極ラインから順次にスキャンパルスが供給され、データ駆動部2からデータパルスが供給されて、第1放電セルライン6の放電セルにデータが供給される。
【0012】
次に、アドレス電極ライン(X1乃至Xn)に供給されたデータパルスと第2スキャン電極ライン(Y2)に供給されたスキャンパルスとにより、第2放電セルライン上の放電セルにデータが供給される。
【0013】
このような方法により、アドレス期間の間、第1放電セルラインから第N放電セルラインまで、順次にラインが選択され、選択されたラインにデータが供給されることがシングルスキャン方式である。
【0014】
これに対し、デュアルスキャン方式とは、図2Bのように、パネルの中央部を基に通常2分割して、スキャンを行う方式のことである。まず、第1スキャンラインY1から第n/2スキャンラインYn/2は、第1データ駆動部4から順次に供給されるスキャンパルスに同期されるデータパルスを供給されて、スキャンが行われ、第(n+1)/2スキャンラインY(n/2+1)から第nスキャンラインYnまでは、第2データ駆動部5から順次に供給されるスキャンパルスに同期される信号を供給されて、スキャンが行われる。
【0015】
すなわち、デュアルスキャン方式は、スキャン駆動部3により、アドレス期間の間に2分割されたパネルの上半部と下半部とが同時にスキャンされるので、同じ解像度のシングルスキャン方式に比べて、アドレス期間を略1/2に短縮させることができ、相対的にサステイン期間を延長して、表示品質を向上させ得るという長所がある。
【0016】
一方、パネル7に形成された電極ラインX,Y,Zは、高い抵抗値を有するので、大画面パネルを駆動する場合、各駆動部(2乃至5)と近い領域内の放電セルには、相対的に高電圧駆動信号が供給され、駆動部2と遠方の放電セルには、電圧降下によって相対的に低電圧駆動信号が供給される。
【0017】
すなわち、従来のシングルスキャン方式では、パネル内の全ての放電セルに均一な駆動信号(駆動電圧)が供給されることができなかったし、これによって、パネル領域別に画質が均一でないという問題点があった。
【0018】
これを解決するために、図2Bのように、デュアルスキャン方式を使用しているが、50インチ以上の大画面パネルの登場により、上記シングルスキャンでの問題点がそのまま露出している。デュアルスキャン方式において、データ駆動部4、5がパネル7の上段と下段とにそれぞれ位置しても、パネルの大きさが大きくなれば、各駆動部と距離が遠い中央部では、電圧降下が発生して、駆動信号の大きさが変わるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、データパルス及びスキャンパルスが印加されるアドレス期間の間、高速でスキャニングが可能なように、アドレス電極を少なくとも3つ以上の電極グループに分割して駆動するプラズマディスプレイパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を達成するため、本発明は、前面基板に形成された少なくとも1つ以上のスキャン電極及びサステイン電極と、前記前面基板に対向する背面基板に、前記スキャン電極及びサステイン電極と交差する方向に形成された少なくとも1つ以上のアドレス電極と、前記前面基板と背面基板との間に形成されて、放電空間を区画する隔壁とを含み、前記アドレス電極は、少なくとも3つ以上の電極グループに分割されて駆動されることを特徴とする。
【0021】
前記アドレス電極は、パネルの表示領域の上部と下部との間の領域が、順次に3個の領域に区分されて、各領域に属する第1乃至第3電極グループにグループ化され、各電極グループに駆動信号を印加する第1乃至第3データ駆動部と接続される。
【0022】
この時、前記第1乃至第3電極グループのそれぞれの信号ラインは、前記第1乃至第3データ駆動部とパッド部を介して接続されるが、特に、前記第2電極グループの信号ラインは、コンタクト電極を介して前記パッド部と接続される。
【0023】
前記コンタクト電極は、前記第1及び第3電極グループの下部の背面基板上に形成され、絶縁層が前記コンタクト電極を覆うように形成されて、前記第1及び第3電極と絶縁される。
【0024】
この時、前記第1乃至第3電極グループには、駆動信号が同時に印加されるので、アドレス電極をスキャニングする時間が短縮でき、同じ方法で4個以上の電極グループに分割し駆動可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明のプラズマディスプレイパネルは、複数の駆動部と分割されたパネルとにより、アドレス期間の間、同時に複数のラインにスキャンが可能になり、高速駆動が可能になって、各放電セルに割り当てられる放電期間が、シングルまたはデュアルスキャン方式が採用される従来より延長されることができるので、表示品質が向上され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る少なくとも3個以上のデータ駆動部により駆動信号が印加されるプラズマディスプレイパネルの実施形態を説明する。
【0027】
但し、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、本明細書に記載された実施形態に限定されるものではなく、複数の実施形態が存在できることは言うまでもない。
【0028】
以下、図3乃至図8を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0029】
図3は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルを示した図である。
【0030】
図3に示しているように、本発明に係るプラズマディスプレイパネル14上のアドレス電極(X11乃至X3n)は、少なくとも3個のグループに区分されて、各電極グループが、別のデータ駆動部10,11,12により駆動される。
【0031】
さらに詳細に、パネルの上部に位置するアドレス電極(X11乃至X1n)は、第1電極グループ14aに区分され、前記第1電極グループは、第1データ駆動部10により駆動信号が供給される。また、パネルの中央部に位置するアドレス電極(X21乃至X2n)は、第2電極グループ14bに区分され、前記第2電極グループは、第2データ駆動部11により駆動信号が供給され、パネルの下部に位置するアドレス電極(X31乃至X3n)は、第3電極グループ14cに区分され、第3データ駆動部12により駆動信号が供給される。
【0032】
また、スキャンパルス及びサステインパルスを供給するためのスキャン及びサステイン駆動部13が備えられる。
【0033】
このように、本発明のパネル14は、3個の領域に分割されて、各領域のアドレス電極は、第1乃至第3電極グループ14a,14b,14cに区分される。このようなアドレス電極Xは、背面基板に形成され、スキャン電極Y及びサステイン電極Zは、アドレス電極と交差するように、前面基板に形成される。
【0034】
第1電極グループ14aに属するアドレス電極(X11乃至X1n)は、パネル14の上部領域に位置し、第1乃至第m/3スキャン電極(Y1乃至Ym/3)及び第1乃至第m/3との放電により、放電セルを選択する。
【0035】
また、第2電極グループ14bに属するアドレス電極(X21乃至X2n)は、パネル14の中央部領域に位置し、第m/3+1乃至第2m/3スキャン電極Ym/3+1乃至Y2m/3との放電により、放電セルを選択する。
【0036】
同様に、第3電極グループ14cに属するアドレス電極(X31乃至X3n)は、パネル14の下部領域に位置し、2m/3+1乃至第mスキャン電極Y2m/3+1乃至Ymとの放電により、放電セルを選択する。
【0037】
そして、第1データ駆動部10は、第1電極グループに属するアドレス電極(X11乃至X1n)に、第2データ駆動部11は、第2電極グループに属するアドレス電極(X21乃至X2n)に、第3データ駆動部12は、第3電極グループに属するアドレス電極(X31乃至X3n)にデータパルスを供給する。
【0038】
スキャン及びサステイン駆動部13は、複数個のスキャン電極Y及びサステイン電極Zにスキャンパルス及びサステインパルスを供給する。この時、前記スキャン及びサステイン駆動部13は、リセット期間、アドレス期間、そしてサステイン期間の間、駆動パルスを供給するスキャン駆動部とサステイン駆動部とから構成される。
【0039】
このように構成される本発明は、第1乃至第3データ駆動部(10乃至12)により、3個の電極グループに分割されたアドレス電極に駆動信号が供給されるので、アドレス期間が、従来に比べて1/3程度の水準に短縮されることはもちろん、信号伝達距離が短縮されて、電圧降下による従来の問題点が改善される。そして、アドレス期間の間、3つの放電セルラインにスキャンパルスが供給されるので、高速駆動が可能になる。
【0040】
図4は、図3のA部分を拡大して示した図であって、これを参照して、各データ駆動部とアドレス電極との接続構造を説明すれば、次の通りである。
【0041】
前記パネル14は、放電により画像が表示される表示領域21と、該表示領域の周辺に形成されて、実際画像が外部に表示されない非表示領域22とに、その領域が区分されることができるが、前記非表示領域には、各駆動部の信号ライン17が接続されるパッド19と、前記パッドと複数個の電極X,Y,Zとを接続するためのリンク18とが形成される。
【0042】
特に、第1電極グループ14a及び第3電極グループ14cの下部の背面基板上には、第2電極グループ14bに属するアドレス電極(X21〜)に駆動信号を提供するためのコンタクト電極が形成され、前記コンタクト電極20は、第2データ駆動部11と接続される。
【0043】
このような前記第1及び第3電極グループ14a,14cに属するアドレス電極の下部層に形成されるコンタクト電極20及び電極の構造に関し、図5を参照して説明する。
【0044】
図5は、パネルの上部及び下部領域に形成される放電セルをさらに詳細に示した図である。
【0045】
図5に示しているように、前面基板40上にスキャン電極Y及びサステイン電極Zが形成され、背面基板48上には、第1及び第3電極グループ14a,14cに属するアドレス電極X1,X3及びコンタクト電極20を備える。
【0046】
前記スキャン電極Yとサステイン電極Zとは、透明電極42Y,42Zと、前記透明電極42Y,42Zの線幅より小さな線幅を有する金属バス電極43Y,43Zを含む。
【0047】
前記透明電極42Y,42Zは、インジウムチンオキサイド(Indium Tin Oxide;ITO)、インジウムジンクオキサイド(Indium Zinc Oxide;IZO)、または、インジウムチンジンクオキサイド(Indium Tin Zinc Oxide;ITZO)等の金属を含み、金属バス電極43Y,43Zは、通常、クロム(Cr)などの金属を含み、抵抗が高い前記透明電極42Y,42Zによる電圧降下を減少させる役割を果たす。
【0048】
また、前記前面基板40には、前記スキャン電極Yとサステイン電極Zとを覆うように、上部誘電体層44が積層され、プラズマ放電の際に発生したスパッタリングによる上部誘電体層44の損傷を防止する保護膜46が積層される。この時、前記保護膜46としては、酸化マグネシウム(MgO)が利用される。
【0049】
背面基板48上には、コンタクト電極20が形成され、このコンタクト電極を覆うように、絶縁体層58が形成される。すなわち、前記絶縁体層58は、上部に形成される誘電体層52及びアドレス電極X1と前記コンタクト電極20とを絶縁する。また、前記コンタクト電極20は、第2電極グループ14bに属するアドレス電極X2と接続される。
【0050】
前記絶縁体層58上には、アドレス電極X1,X3、下部誘電体層52及び隔壁54が形成され、下部誘電体層52と隔壁54との表面には、蛍光体層56が塗布される。そして、前記アドレス電極X1,X3は、スキャン電極Y及びサステイン電極Zと交差する方向に形成される。
【0051】
前記隔壁54は、前面/背面基板40、48と共に放電空間を形成し、ガス放電により生成された紫外線及び可視光線が、この隣接した放電セルに漏れることを防止する。
【0052】
前記放電空間には、ガス放電のためのHe,Ne,Ar,Xe,Krなどの不活性ガス、これらが組み合わせられた放電ガス(または混合ガス)、または放電により紫外線を発生させ得るエキシマ(Excimer)ガスが充填される。
【0053】
前記蛍光体層56は、プラズマ放電の際に発生した紫外線により励起されて、赤色(R)、緑色(G)または青色(B)のうち、いずれかの可視光線を発生する。
【0054】
図6は、パネルの中央部領域に形成される放電セルの構造を示した図であって、このような放電セル24は、誘電体層52の下部に形成されるコンタクト電極20と絶縁体層58とがないため、図6と同様な構成を有する。
【0055】
第2電極グループ14bに属するアドレス電極X2が形成される放電セルは、コンタクト電極20と絶縁体層58とがない点を除いては、図5の放電セルと同様な構成を有するので、これと重複する詳細な説明は省略するものとする。
【0056】
図7は、本発明のパネルを製造するための工程を簡略に示した図であって、図7A乃至図7Cに示した工程を含んで製造可能である。
【0057】
まず、図7Aのように、第1及び第3電極グループ14a,14cが形成されるパネルの上部及び下部領域にコンタクト電極20が形成されると共に、パネルの中央部領域に第2電極グループ14bに属するアドレス電極X2が形成される。
【0058】
前記コンタクト電極20と第2電極グループに属するアドレス電極X2とが形成されれば、図7Bのように、再びパネルの上部及び下部領域に、前記コンタクト電極20を覆うように絶縁体層58が形成され、該絶縁体層上に再び第1及び第3電極グループ14a,14cに属するアドレス電極X1,X3が形成される。すなわち、第2電極グループに属するアドレス電極X2と第1及び第3電極グループに属するアドレス電極X2とは、互いに異なる層に形成される。
【0059】
前記第1及び第3電極グループに属するアドレス電極X1,X3が形成されれば、図7Cのように、全てのアドレス電極(X1乃至X3)を覆うように、下部誘電体層52が積層される。
【0060】
前記下部誘電体層52が形成されれば、この下部誘電体層52上に隔壁54及び蛍光体層56が順次形成される。
【0061】
図8は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの他の実施形態を簡略に示した図であって、図3と比較すると、パネルの領域が少なくとも4個以上に区分され、各領域に形成されたアドレス電極は、各々第1乃至第4電極グループに区分されて、第1乃至第4データ駆動部により駆動される点に特徴がある。
【0062】
図8に示しているように、本発明の他の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルは、第1乃至第4データ駆動部(60乃至63)、スキャン及びサステイン駆動部64、4個の領域に区分されたパネル(70aないし70d)、各領域別に区分されたアドレス電極(X11乃至X4m)、スキャン電極Y、サステイン電極Z、及びコンタクト電極65a,65bを備える。
【0063】
図8の他の実施形態は、パネル70を少なくとも4個以上の領域70a,70b,70c,70dに区分し、それぞれの領域70a,70b,70c,70dに位置するアドレス電極(X11乃至X4m)を、再び第1乃至第4電極グループX11〜X1m,X21〜X2m,X31〜X3m,X41〜X4mに区分する。
【0064】
また、前記第1乃至第4電極グループX11〜X1m,X21〜X2m,X31〜X3m,X41〜X4mのそれぞれに駆動信号を供給する第1乃至第4データ駆動部(61乃至63)を備える。
【0065】
また、パネル70の中央部領域に形成される第2及び第3電極グループに属するアドレス電極X21〜X2m,X31〜X3mと第2及び第3データ駆動部61,62を接続するための第1コンタクト電極65a及び第2コンタクト電極65bが、第1及び第4電極グループに属するアドレス電極X11〜X1m,X41〜X4mの下部背面基板上に形成される。
【0066】
このように、図8に示した実施形態は、第1乃至第4データ駆動部(60乃至63)により4個の電極グループに分割されたアドレス電極に駆動信号が供給されるので、アドレス期間が従来に比べて1/4程度の水準に短縮されることはもちろん、信号伝達距離が短縮されて、電圧降下による従来問題点が改善される。そして、アドレス期間の間、4個の放電セルラインにスキャンパルスが供給されるので、高速駆動が可能になる。
【0067】
また、図8に示した実施形態は、本発明の技術的思想により多様な変更が可能であることを示す一例であって、以外の各部構成及び動作は、図3乃至図7の実施形態で説明した構成及び工程と同じ方式の構成を有するので、これに関する詳細な説明は省略するものとする。この他にも、パネル70の領域を区分する数及び電極グループの数は、パネルの大きさに応じて変更が可能であることに注意しなければならない。
【0068】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルでは、コンタクト電極を介して、アドレス電極に駆動信号を印加するデータ駆動部において、前記コンタクト電極の電圧降下を考慮した駆動電圧を供給するので、パネルに形成された電極による電圧降下の問題を補完できるようになる。
【0069】
このように、本発明は、パネルを領域別に区分し、各領域上に位置するアドレス電極をグループ別に区分して、各グループに対応するデータ駆動部を各々配置することを特徴とする。
【0070】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、パネルの中央部領域に形成されたアドレス電極に駆動信号を供給するために、隣接した領域の下部を通過するコンタクト電極を別に形成することに特徴がある。
【0071】
これに伴い、本発明のプラズマディスプレイパネルは、複数の駆動部と分割されたパネルとにより、アドレス期間の間、同時に複数ラインにスキャンが可能になり、高速駆動が可能になって、各放電セルに割り当てられる放電期間が、シングルまたはデュアルスキャン方式が採用される従来より延長されることができるので、表示品質が向上され得る。
【0072】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】通常のプラズマディスプレイパネルの電極配置を示した図である。
【図2A】プラズマディスプレイパネルの駆動方法を示した図である。
【図2B】プラズマディスプレイパネルの駆動方法を示した図である。
【図3】本発明に係るプラズマディスプレイパネルを示した図である。
【図4】図3のA部分を拡大して示した図である。
【図5】第1及び第3電極グループが形成された放電セルを示した図である。
【図6】第2電極グループが形成された放電セルを示した図である。
【図7A】図3のパネルを製造するための工程を簡略に示した図である。
【図7B】図3のパネルを製造するための工程を簡略に示した図である。
【図7C】図3のパネルを製造するための工程を簡略に示した図である。
【図8】本発明に係るプラズマディスプレイパネルの他の実施形態を簡略に示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面基板に形成された少なくとも1つ以上のスキャン電極及びサステイン電極と、
前記前面基板に対向する背面基板に、前記スキャン電極及びサステイン電極と交差する方向に形成された少なくとも1つ以上のアドレス電極と、
前記前面基板と背面基板との間に形成されて、放電空間を区画する隔壁と
を含み、
前記アドレス電極は、少なくとも3つ以上の電極グループに分割されて駆動されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記アドレス電極は、パネルの表示領域の上部と下部との間が、3個領域に区分され、各領域に属するアドレス電極が、第1乃至第3電極グループに区分されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第1乃至第3電極グループのそれぞれに駆動信号を印加する第1乃至第3データ駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第1乃至第3データ駆動部は、それぞれの電極グループに同時に駆動信号を印加することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
第1乃至第3電極グループのそれぞれの信号ラインは、前記第1乃至第3データ駆動部とパッド部を介して接続されることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第2電極グループの信号ラインは、前記パッド部とコンタクト電極を介して接続されることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記コンタクト電極は、前記第1及び第3電極グループの下部の背面基板上に形成されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記第1及び第3電極グループの下部の背面基板上には、前記第1及び第3電極グループに属するアドレス電極と前記コンタクト電極とが絶縁するように、絶縁層が形成されることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前面基板に形成されたスキャン電極及びサステイン電極と交差する方向に形成されるアドレス電極が、第1乃至第3電極グループに区分され、
前記第2電極グループは、前記前面基板と対向する背面基板上に形成され、
前記第1及び第3電極グループは、前記背面基板に形成された絶縁層上に形成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1及び第3電極グループが形成された背面基板上には、コンタクト電極が形成され、
前記絶縁層は、前記コンタクト電極と前記第1及び第3電極グループに属するアドレス電極とを絶縁させることを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記コンタクト電極は、前記第2電極グループの信号ラインと接続されることを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記第1乃至第3電極グループは、パネルの表示領域の上/下部または下/上部を順次に3個領域に区分して、アドレス電極をグループ化したことを特徴とする請求項11に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前面基板に形成されたスキャン電極及びサステイン電極と、
前記前面基板に対向する背面基板に、前記スキャン電極及びサステイン電極と交差する方向に形成されたアドレス電極と、
前記背面基板上に形成されて放電空間を区画する隔壁と
を含み、
前記アドレス電極は、第1乃至第4電極グループに分割されて駆動されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記第1乃至第4電極グループに属するアドレス電極は、実質的に画像が表示されるパネルの表示領域内に形成されたことを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記第1乃至第4電極グループは、前記表示領域の上/下部または下/上部を順次に4個領域に区分して、アドレス電極をグループ化したことを特徴とする請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記第1乃至第4電極グループは、それぞれ第1乃至第4データ駆動部から駆動信号を受けるように接続されることを特徴とする請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記第1及び第4電極グループの下部の背面基板上には、コンタクト電極I形成され、該コンタクト電極と前記第1及び第4電極グループに属するアドレス電極とを絶縁させる絶縁層が形成されることを特徴とする請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
前記コンタクト電極は、前記第2及び第3電極グループの信号ラインと接続されることを特徴とする請求項17に記載のプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−195465(P2006−195465A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3806(P2006−3806)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(590001669)エルジー電子株式会社 (296)
【Fターム(参考)】