説明

プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法

【課題】初期化期間を設けることなく放電不良の発生を抑制し、画質の低下を防止する。
【解決手段】第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、第2方向に延びる複数のデータ電極と、表示電極対とデータ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素とを含むプラズマディスプレイパネル10と、制御部100とを備える。複数のサブフィールドは、初期化期間を含まず、書込み期間を含む。特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、維持期間を書込み期間の後に含む。特定サブフィールドは、維持期間を含まないか、又は維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、他のサブフィールドより低い輝度重みを有する。制御部は、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないように、駆動部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流面放電型のプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と言う)は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数備え、放電セル内でガス放電により発生させた紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
【0003】
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち初期化期間、書込み期間、維持期間及び消去期間を有するサブフィールドを複数用いて1つのフィールドを構成し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。各サブフィールドの初期化期間には初期化動作、書込み期間には書込み動作、維持期間には維持動作、消去期間には消去動作が行われる。
【0004】
初期化動作は、全ての放電セルにおいて初期化放電を発生し、続く書込み動作が好適に行われるように放電セル内の電荷を活性化させる動作である。書込み動作は、表示する画像に応じて放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する動作である。維持動作は、表示電極対に交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させる動作である。消去動作は、書込み放電を発生した放電セルで選択的に消去放電を発生して壁電荷の履歴を消去し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極に形成する動作である。
【0005】
維持期間における維持動作では、サブフィールド毎に予め決められた輝度重みに応じた数の維持パルスにより維持パルス数だけ維持放電を繰り返し発生させて放電セルを発光させており、これによって階調表示を行っている。従来、維持放電による最小の輝度重みよりさらに低い輝度重みを有するサブフィールドを備えることで、低階調表示を向上させたプラズマディスプレイ装置が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1では、維持パルスを印加しないことにより、選択的に書込み放電を発生した放電セルの発光光量を低下させることで、低階調表示を向上させている。
【0006】
一方、階調表示に関係しない発光を極力減らし、サブフィールド法において最も低い階調である黒を表示する際の輝度を下げて、コントラストを向上させることが求められている。そのためには、全ての放電セルにおいて初期化放電を発生する初期化期間を設けないようにすればよい。しかしながら、初期化期間を設けない場合には、放電セル内の電荷を活性化させる効果がなくなるため、書込み放電が好適に行われずに、放電不良が発生する可能性が高くなる。
【0007】
放電セル内の電荷を活性化させる効果は、書込み放電や維持放電の発光によっても得られるが、黒を表示している放電セルでは書込み放電や維持放電の発光が起こらない。したがって、単に初期化期間を設けないだけでは、黒を長く表示している放電セルほど、放電不良発生の可能性が高くなる。このように、初期化期間を設けない場合には、放電不良の発生を抑制することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−107495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
放電不良発生を抑制するためには、例えば上記特許文献1に記載のような、維持放電による最小の輝度重みよりさらに低い輝度重みを有するサブフィールドを備えることが考えられる。このような輝度重みが低いサブフィールドを備えることにより、放電セルの発光確率を高めることができる。放電セルの発光確率が高くなると、その発光により放電セル内の電荷を活性化させる効果を得ることができ、その結果、放電不良の発生を抑制することが可能となる。
【0010】
しかしながら、発明者らの実験によると、例えば上記特許文献1に記載のように、維持パルスを印加しないことにより、選択的に書込み放電を発生した放電セルの発光光量を低下させた場合には、隣接する画素が同時に点灯すると目立つ輝点が発生し、画質が低下することが明らかとなった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するもので、初期化期間を設けることなく放電不良の発生を抑制し、しかも画質の低下を防止することができるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一局面に係るプラズマディスプレイ装置は、入力された映像信号に基づく映像を表示するプラズマディスプレイ装置であって、それぞれ第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数のデータ電極と、前記表示電極対と前記データ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素と、を含むプラズマディスプレイパネルと、1フィールド期間に含まれる複数のサブフィールドごとに輝度重みがそれぞれ異なるように、前記走査電極、前記維持電極及び前記データ電極のうち少なくとも1つの電極に駆動電圧を印加する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記複数のサブフィールドは、いずれも、前記走査電極と前記データ電極及び前記維持電極との間に駆動電圧を印加して前記放電セル内の電荷を活性化させるための初期化放電を発生させる初期化期間を含まず、所定の書込み期間を含み、前記複数のサブフィールドのうち特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、いずれも、所定の維持期間を前記書込み期間の後に含み、前記駆動部は、前記書込み期間において、前記走査電極に走査パルスを印加するとともに前記データ電極に書込みパルスを印加して前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させ、前記駆動部は、前記維持期間において、前記走査電極および前記維持電極に前記輝度重みに応じた維持パルスを交互に印加して、前記書込み期間において選択された放電セルで維持放電を発生させ、前記特定サブフィールドは、前記維持期間を含まないか、又は前記駆動部により前記維持パルスが印加されずに前記維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、前記維持期間を含む前記他のサブフィールドより低い前記輝度重みを有し、前記プラズマディスプレイパネルは、第1画素と、前記第1方向において前記第1画素に隣接する第2画素と、前記第2方向において前記第1画素に隣接する第3画素と、を含み、前記第1画素は、第1放電セルを含み、前記第2画素は、前記第1方向において前記第1放電セルに隣接する第2放電セルを含み、前記第3画素は、前記第2方向において前記第1放電セルに隣接する第3放電セルを含み、前記制御部は、前記特定サブフィールドにおいて、前記第1放電セルと前記第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、前記第1放電セルと前記第3放電セルとが同時に点灯しないように、前記駆動部を制御する。
【0013】
この構成によれば、プラズマディスプレイパネルは、それぞれ第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、第1方向に交差する第2方向に延びる複数のデータ電極と、表示電極対とデータ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素と、を含む。駆動部は、1フィールド期間に含まれる複数のサブフィールドごとに輝度重みがそれぞれ異なるように、走査電極、維持電極及びデータ電極のうち少なくとも1つの電極に駆動電圧を印加する。制御部は、駆動部を制御する。複数のサブフィールドは、いずれも、走査電極とデータ電極及び維持電極との間に駆動電圧を印加して放電セル内の電荷を活性化させるための初期化放電を発生させる初期化期間を含まず、所定の書込み期間を含む。したがって、コントラストを向上することができる。
【0014】
複数のサブフィールドのうち特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、いずれも、所定の維持期間を書込み期間の後に含む。駆動部は、書込み期間において、走査電極に走査パルスを印加するとともにデータ電極に書込みパルスを印加して放電セルで選択的に書込み放電を発生させる。駆動部は、維持期間において、走査電極および維持電極に輝度重みに応じた維持パルスを交互に印加して、書込み期間において選択された放電セルで維持放電を発生させる。特定サブフィールドは、維持期間を含まないか、又は駆動部により維持パルスが印加されずに維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、維持期間を含む他のサブフィールドより低い輝度重みを有する。したがって、維持放電が発生する維持期間を含むサブフィールドのみを備える場合に比べて、放電セルの発光確率を高めることができる。放電セルの発光確率が高くなると、黒を長く表示する放電セルが低減されるため、放電不良の発生を抑制することができる。
【0015】
プラズマディスプレイパネルは、第1画素と、第1方向において第1画素に隣接する第2画素と、第2方向において第1画素に隣接する第3画素と、を含む。第1画素は、第1放電セルを含む。第2画素は、第1方向において第1放電セルに隣接する第2放電セルを含む。第3画素は、第2方向において第1放電セルに隣接する第3放電セルを含む。制御部は、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないように、駆動部を制御する。したがって、目立つ輝点が発生するのを防止することができ、その結果、画質の低下を防止することができる。
【0016】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記プラズマディスプレイパネルに含まれる前記画素は、前記第1方向及び前記第2方向にマトリクス状に配列され、前記制御部は、前記映像信号に対して誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部と、前記誤差拡散処理部による前記誤差拡散処理後に、前記特定サブフィールドにおいて、前記マトリクス状に配列された前記画素から選択された補正対象画素の前記映像信号をゼロに補正して前記補正対象画素を消灯させる間引き処理を行う間引き処理部と、を含み、前記間引き処理部は、前記間引き処理として、前記マトリクス状に配列された前記画素から市松状に選択された画素を前記補正対象画素とする第1間引き処理と、前記マトリクス状に配列された前記画素のうち、前記第1方向に配列された画素列が前記第2方向に1列おきに選択された選択画素列に含まれる画素を前記補正対象画素とする第2間引き処理と、のいずれかを行うことが好ましい。
【0017】
この構成によれば、プラズマディスプレイパネルに含まれる画素は、第1方向及び第2方向にマトリクス状に配列されている。制御部は、誤差拡散処理部と、間引き処理部と、を含む。誤差拡散処理部は、映像信号に対して誤差拡散処理を行う。間引き処理部は、誤差拡散処理部による誤差拡散処理後に、特定サブフィールドにおいて、マトリクス状に配列された画素から選択された補正対象画素の映像信号をゼロに補正して補正対象画素を消灯させる間引き処理を行う。間引き処理部は、間引き処理として、マトリクス状に配列された画素から市松状に選択された画素を補正対象画素とする第1間引き処理と、マトリクス状に配列された画素のうち、第1方向に配列された画素列が第2方向に1列おきに選択された選択画素列に含まれる画素を補正対象画素とする第2間引き処理と、のいずれかを行う。
【0018】
マトリクス状に配列された画素から市松状に選択された画素を補正対象画素とする第1間引き処理が行われると、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯せず、かつ、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しない。また、マトリクス状に配列された画素のうち、第1方向に配列された画素列が第2方向に1列おきに選択された選択画素列に含まれる画素を補正対象画素とする第2間引き処理が行われると、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しない。したがって、目立つ輝点が発生するのを防止することができ、その結果、画質の低下を防止することができる。
【0019】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記制御部は、前記映像信号のレベルを所定幅だけ増大補正して前記誤差拡散処理部に出力する階調補正部をさらに含み、前記誤差拡散処理部は、前記階調補正部により増大補正された前記映像信号に対して前記誤差拡散処理を行うことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、制御部は、映像信号のレベルを所定幅だけ増大補正して誤差拡散処理部に出力する階調補正部をさらに含む。誤差拡散処理部は、階調補正部により増大補正された映像信号に対して誤差拡散処理を行う。ここで、誤差拡散処理後に、間引き処理部により、補正対象画素の映像信号をゼロに補正して補正対象画素を消灯させる間引き処理が行われると、映像の輝度が低下する。しかし、この構成では、階調補正部により映像信号のレベルを所定幅だけ増大補正し、誤差拡散処理部は、階調補正部により増大補正された映像信号に対して誤差拡散処理を行う。したがって、誤差拡散処理後に、間引き処理部により間引き処理が行われたときに生じる映像の輝度低下を抑制することができる。
【0021】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記第1方向に配列され、前記第1画素及び前記第2画素を含む画素からなる画素列を第1画素列とし、前記第1方向に配列され、前記第3画素を含む画素からなる画素列を第2画素列とし、前記誤差拡散処理部は、前記誤差拡散処理後において、前記第2方向に互いに隣接し、前記第1画素列の画素と前記第2画素列の画素とからなる一対の前記画素が、同時に点灯又は消灯となるように、前記誤差拡散処理を行うことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第1方向に配列され、第1画素及び第2画素を含む画素からなる画素列を第1画素列とし、第1方向に配列され、第3画素を含む画素からなる画素列を第2画素列とする。誤差拡散処理部は、誤差拡散処理後において、第2方向に互いに隣接し、第1画素列の画素と第2画素列の画素とからなる一対の画素が、同時に点灯又は消灯となるように、誤差拡散処理を行う。したがって、誤差拡散処理後において、第1画素列の点灯画素数は第2画素列の点灯画素数に等しくなっている。そして、間引き処理部が、誤差拡散処理後に第1間引き処理を行うと、第1画素列の点灯画素及び第2画素列の点灯画素の半分が消灯するため、第1画素列及び第2画素列の合計の点灯画素数は、第1間引き処理の前に比べて、半分になる。また、間引き処理部が、誤差拡散処理後に第2間引き処理を行うと、第1画素列及び第2画素列の一方の点灯画素が全て消灯するため、第1画素列及び第2画素列の合計の点灯画素数は、第1間引き処理と同様に、第2間引き処理の前に比べて、半分になる。このように、第1間引き処理及び第2間引き処理のいずれを行っても、間引き処理の前に比べて、第1画素列及び第2画素列における点灯画素数は、半分になる。したがって、間引き処理を行った後で、点灯画素数が多く残り過ぎて、画像が本来の明るさより明るくなり過ぎたり、点灯画素数が少なくなり過ぎて、画像が本来の明るさより暗くなり過ぎることがないという利点がある。
【0023】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記間引き処理部は、前記特定サブフィールドにおける前記各画素の階調が予め設定された特定階調以上か否かを判定する第1判定部を含み、前記間引き処理部は、前記階調が前記特定階調以上と前記第1判定部により判定された前記画素については、前記第1間引き処理及び前記第2間引き処理のいずれも行わないことが好ましい。
【0024】
この構成によれば、間引き処理部は、特定サブフィールドにおける各画素の階調が予め設定された特定階調以上か否かを判定する第1判定部を含む。間引き処理部は、階調が特定階調以上と第1判定部により判定された画素については、第1間引き処理及び第2間引き処理のいずれも行わない。階調が特定階調以上の画素は、特定サブフィールドにおいて間引き処理を行った場合と行わない場合とで、その輝度の変化が目立たない。また、階調が特定階調以上の画素は、特定サブフィールドにおける輝点が目立たない。したがって、階調が特定階調以上の画素については、間引き処理を行わなくても画質が低下することはない。
【0025】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記映像信号の平均階調を算出し、算出した前記平均階調が予め設定された閾値以上か否かを判定する第2判定部をさらに備え、前記間引き処理部は、前記平均階調が前記閾値以上と前記第2判定部により判定されると前記第1間引き処理を行い、前記平均階調が前記閾値未満と前記第2判定部により判定されると前記第2間引き処理を行うことが好ましい。
【0026】
この構成によれば、映像信号の平均階調を算出し、算出した平均階調が予め設定された閾値以上か否かを判定する第2判定部をさらに備える。間引き処理部は、平均階調が閾値以上と第2判定部により判定されると第1間引き処理を行い、平均階調が閾値未満と第2判定部により判定されると第2間引き処理を行う。
【0027】
したがって、第1間引き処理では、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないように、駆動部を制御する。その結果、画質の低下をより抑えることができる。この場合、平均階調が閾値以上であるため、放電セルの発光確率が高いことから、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯せず、かつ、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しなくても、放電不良発生が増大することはない。
【0028】
一方、第2間引き処理では、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないように、駆動部を制御する。この場合、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯することはあり得る。したがって、黒を表示する放電セルが低減されることから、放電セル内の電荷を活性化する効果を得やすくなる。
【0029】
上記のプラズマディスプレイ装置において、1または複数の画素が点灯しない状態の継続時間を計時し、計時した前記継続時間が予め設定された設定時間を超えるか否かを判定する第3判定部をさらに備え、前記間引き処理部は、前記継続時間が前記設定時間を超えると前記第3判定部により判定されると前記第2間引き処理を行い、前記継続時間が前記設定時間以下と前記第3判定部により判定されると前記第1間引き処理を行うことが好ましい。
【0030】
この構成によれば、1または複数の画素が点灯しない状態の継続時間を計時し、計時した継続時間が予め設定された設定時間を超えるか否かを判定する第3判定部をさらに備える。間引き処理部は、継続時間が設定時間を超えると第3判定部により判定されると第2間引き処理を行い、継続時間が設定時間以下と第3判定部により判定されると第1間引き処理を行う。点灯しない状態の継続時間が設定時間を超えると、放電不良が発生しやすくなっていると考えられる。第2間引き処理を行うことにより、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないようにして輝点の発生を防止する一方、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯することはあり得る。したがって、第1間引き処理に比べて、黒を表示する放電セルが低減されることから、放電セル内の電荷を活性化する効果を得やすくなる。一方、点灯しない状態の継続時間が設定時間以下であれば、放電不良が発生しにくいと考えられる。したがって、第1間引き処理を行うことにより、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯せず、かつ、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないことから、画質の低下をより抑えることができる。
【0031】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記第1画素は、前記第1方向又は前記第2方向において前記第1放電セルに隣接する第4放電セルを含み、前記制御部は、前記特定サブフィールドにおいて、前記第1放電セルと前記第4放電セルとが同時に点灯しないように、前記駆動部を制御することが好ましい。
【0032】
この構成によれば、第1画素は、第1方向又は第2方向において第1放電セルに隣接する第4放電セルを含む。制御部は、特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第4放電セルとが同時に点灯しないように、駆動部を制御する。第1方向又は第2方向において第1放電セルに隣接する第4放電セルと第1放電セルとが同時に点灯しないようにすることによって、輝点の発生を確実に防止することができる。
【0033】
上記のプラズマディスプレイ装置において、前記第1画素は、それぞれ予め定められ互いに異なる設定色に対応し、前記第1放電セルを含むN(Nは2以上の整数)個の放電セルを有し、前記第3画素は、それぞれ前記設定色に対応し、前記第3放電セルを含むN個の放電セルを有し、前記第1放電セルと前記第3放電セルとは、同一色に対応することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、第1画素は、それぞれ予め定められ互いに異なる設定色に対応し、第1放電セルを含むN(Nは2以上の整数)個の放電セルを有する。第3画素は、それぞれ設定色に対応し、第3放電セルを含むN個の放電セルを有する。第1放電セルと第3放電セルとは、同一色に対応する。したがって、第2方向に隣接し同一色に対応する第1放電セルと第3放電セルによる輝点の発生を防止することができる。
【0035】
本発明の他の局面に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、それぞれ第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数のデータ電極と、前記表示電極対と前記データ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素と、を含むプラズマディスプレイパネルを駆動するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記プラズマディスプレイパネルは、第1画素と、前記第1方向において前記第1画素に隣接する第2画素と、前記第2方向において前記第1画素に隣接する第3画素と、を含み、前記第1画素は、第1放電セルを含み、前記第2画素は、前記第1方向において前記第1放電セルに隣接する第2放電セルを含み、前記第3画素は、前記第2方向において前記第1放電セルに隣接する第3放電セルを含み、1フィールド期間に含まれる複数のサブフィールドごとに輝度重みがそれぞれ異なるように、前記走査電極、前記維持電極及び前記データ電極のうち少なくとも1つの電極に駆動部により駆動電圧を印加し、前記複数のサブフィールドは、いずれも、前記走査電極と前記データ電極及び前記維持電極との間に駆動電圧を印加して前記放電セル内の電荷を活性化させるための初期化放電を発生させる初期化期間を含まず、所定の書込み期間を含むように構成し、前記複数のサブフィールドのうち特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、いずれも、所定の維持期間を前記書込み期間の後に含むように構成し、前記駆動部により、前記書込み期間において、前記走査電極に走査パルスを印加するとともに前記データ電極に書込みパルスを印加して前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させ、前記駆動部により、前記維持期間において、前記走査電極および前記維持電極に前記輝度重みに応じた維持パルスを交互に印加して、前記書込み期間において選択された放電セルで維持放電を発生させ、前記特定サブフィールドは、前記維持期間を含まないか、又は前記駆動部により前記維持パルスが印加されずに前記維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、前記維持期間を含む前記他のサブフィールドより低い前記輝度重みを有するように構成し、前記特定サブフィールドにおいて、前記第1放電セルと前記第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、前記第1放電セルと前記第3放電セルとが同時に点灯しないように、前記駆動部を制御する。
【0036】
この構成によれば、プラズマディスプレイパネルは、それぞれ第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、第1方向に交差する第2方向に延びる複数のデータ電極と、表示電極対とデータ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素と、を含む。また、プラズマディスプレイパネルは、第1画素と、第1方向において第1画素に隣接する第2画素と、第2方向において第1画素に隣接する第3画素と、を含む。第1画素は、第1放電セルを含む。第2画素は、第1方向において第1放電セルに隣接する第2放電セルを含む。第3画素は、第2方向において第1放電セルに隣接する第3放電セルを含む。
【0037】
そして、この構成によれば、1フィールド期間に含まれる複数のサブフィールドごとに輝度重みがそれぞれ異なるように、走査電極、維持電極及びデータ電極のうち少なくとも1つの電極に駆動部により駆動電圧を印加する。複数のサブフィールドは、いずれも、走査電極とデータ電極及び維持電極との間に駆動電圧を印加して放電セル内の電荷を活性化させるための初期化放電を発生させる初期化期間を含まず、所定の書込み期間を含むように構成する。したがって、コントラストを向上することができる。
【0038】
複数のサブフィールドのうち特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、いずれも、所定の維持期間を書込み期間の後に含むように構成する。駆動部により、書込み期間において、走査電極に走査パルスを印加するとともにデータ電極に書込みパルスを印加して放電セルで選択的に書込み放電を発生させる。駆動部により、維持期間において、走査電極および維持電極に輝度重みに応じた維持パルスを交互に印加して、書込み期間において選択された放電セルで維持放電を発生させる。特定サブフィールドは、維持期間を含まないか、又は駆動部により維持パルスが印加されずに維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、維持期間を含む他のサブフィールドより低い輝度重みを有するように構成する。したがって、維持放電が発生する維持期間を含むサブフィールドのみを備える場合に比べて、放電セルの発光確率を高めることができる。放電セルの発光確率が高くなると、黒を長く表示する放電セルが低減されるため、放電不良の発生を抑制することができる。
【0039】
特定サブフィールドにおいて、第1放電セルと第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、第1放電セルと第3放電セルとが同時に点灯しないように、駆動部を制御する。したがって、目立つ輝点が発生するのを防止することができ、その結果、画質の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、初期化期間を設けることなく放電不良の発生を抑制し、しかも画質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いられるパネルの電極配列及び駆動部を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いられるパネルの分解斜視図である。
【図4】本実施形態におけるパネルの駆動を説明する模式図である。
【図5】輝度重みの発光確率を説明する模式図である。
【図6】図1に示される信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図7】第1サブフィールド階調補正部の機能を説明する模式図である。
【図8】縦長誤差拡散処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示される縦長誤差拡散処理部の動作を説明するための図である。
【図10】図8に示される縦長誤差拡散処理部の動作を説明するための図である。
【図11】図8に示される縦長誤差拡散処理部の動作を説明するための図である。
【図12】図8に示される縦長誤差拡散処理部の動作を説明するための図である。
【図13】図8に示される縦長誤差拡散処理部の動作を説明するための図である。
【図14】第1サブフィールド間引き部の構成を示すブロック図である。
【図15】第1間引き処理を説明する模式図である。
【図16】第2間引き処理を説明する模式図である。
【図17】本実施形態による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。
【図18】比較例による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。
【図19】比較例による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。
【図20】比較例による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。
【図21】比較例による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。
【図22】比較例による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。
【図23】間引き処理の別の形態を概略的に示す模式図である。
【図24】間引き処理の別の形態を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の電気的構成を示すブロック図である。図2は、本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いられるパネル10の電極配列及び駆動部を示す図である。図3は、本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイ装置に用いられるパネル10の分解斜視図である。
【0044】
図3に示されるように、ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。保護層26は、放電を発生しやすくするために、電子放出性能の高い材料である酸化マグネシウムを用いて形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。赤の蛍光体としては、例えば(Y,Gd)BO3:Euを、緑の蛍光体としては、例えばZn2SiO4:Mnを、青の蛍光体としては、例えばBaMgAl10O17:Euをそれぞれ主成分とする蛍光体を用いている。
【0045】
これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することによりパネル10に画像が表示される。なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
【0046】
図2に示されるように、パネル10には、行方向(第1方向)に延びるn本の走査電極SC1〜走査電極SCnを含む走査電極22およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUnを含む維持電極23が配列され、列方向(第2方向)に延びるm本のデータ電極D1〜データ電極Dmを含むデータ電極32が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiからなる表示電極対と、1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが、交差した部分に放電セルが形成される。放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。図2には、赤色、緑色および青色の光を発光する放電セルDCr,DCg,DCbからなる画素Pxが示されている。
【0047】
図1に示されるように、本実施形態のプラズマディスプレイ装置は、信号処理部100、駆動信号生成部110、データ書込駆動部120、維持駆動部130、消去駆動部140、黒時間判定部150、階調判定部160を備える。信号処理部100は、入力される同期信号Ssync及び画像信号Ri,Gi,BiからサブフィールドデータRsf2,Gsf2,Bsf2を生成して、同期信号Ssyncとともに、駆動信号生成部110に出力する。信号処理部100は後に詳述される。
【0048】
駆動信号生成部110は、信号処理部100から入力される同期信号Ssync及びサブフィールドデータRsf2,Gsf2,Bsf2から、書込みデータ及び各駆動部120〜140を動作させる同期信号を生成する。データ書込駆動部120は、書込み期間において、駆動信号生成部110からの書込みデータ及び同期信号に基づき、走査電極22に走査パルスを印加するとともにデータ電極32に書込みパルスを印加して、発光させるべき放電セルDCで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する書込み動作を行う。維持駆動部130は、駆動信号生成部110からの同期信号に基づき、維持期間において、サブフィールド毎に予め決められた輝度重みに応じた数の維持パルスを走査電極22及び維持電極23からなる表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルDCで維持放電を発生させて発光させる維持動作を行う。消去駆動部140は、駆動信号生成部110からの同期信号に基づき、消去期間において、走査電極22及び維持電極23からなる表示電極対24に電圧を印加して、直前の書込み期間において書込み放電を発生した放電セルDCのみで選択的に消去放電を発生し、書込み放電またはそれに続く維持放電で形成された壁電荷の履歴を消去し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する消去動作を行う。黒時間判定部150は、1画素又は複数の画素について、消灯が継続している時間をカウントし、消灯継続時間が予め設定された設定時間を超えるか否かを判定する。階調判定部160は、入力される映像信号の平均階調を算出し、算出した平均階調が予め設定された閾値以上か否かを判定する。本実施形態において、データ書込駆動部120、維持駆動部130および消去駆動部140は、駆動部の一例に対応し、黒時間判定部150は、第3判定部の一例に対応し、階調判定部160は、第2判定部の一例に対応する。
【0049】
図4は、本実施形態におけるパネル10の駆動を説明する模式図である。プラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって、映像をパネル10に表示する。
【0050】
駆動信号生成部110により生成されるサブフィールドの構成は、図4に示されるように、例えば、1フィールドを第1サブフィールドSF1、・・・、第8サブフィールドSF8の8個のサブフィールドに分割し、各サブフィールドはそれぞれ、例えばp、1、2、4、8、16、32、64の輝度重みを持つ。但し、p<1である。図4に示されるように、いずれのサブフィールドでも、初期化期間は設けられていない。また、先頭の第1サブフィールドSF1では維持期間が設けられておらず、それ以降の第2〜第8サブフィールドSF2〜SF8では維持期間が設けられている。なお、本発明は、上記のサブフィールド数、輝度重み等のサブフィールド構成に限定されるものではない。
【0051】
図5は、輝度重みpの発光確率を説明する模式図である。図5を用いて、輝度重みpが説明される。
【0052】
図5におけるレベルL1は、図4に示される駆動における第2サブフィールドSF2が持つ輝度重み1の明るさに相当する。つまり、入力信号のレベルがレベルL1以上のときに、輝度重み1を持つ第2サブフィールドSF2の発光確率が100%となり、入力信号のレベルがレベルL1より低くなると、そのレベルに応じて発光確率も低くなる。
【0053】
一方、図5におけるレベルL0は、図4に示される駆動における第1サブフィールドSF1が持つ最小の輝度重みpの明るさに相当する。つまり、入力信号のレベルがレベルL0以上のときに、輝度重みpを持つ第1サブフィールドSF1の発光確率が100%となり、入力信号のレベルがレベルL0より低くなると、そのレベルに応じて発光確率も低くなる。図5から、輝度重みp(p<1)を持つ第1サブフィールドSF1の方が、輝度重み1を持つ第2サブフィールドSF2よりも、発光確率が高いことが分かる。
【0054】
サブフィールドに初期化期間を設けない場合には、上述のように、書込み放電において放電不良が発生する可能性が高くなる。しかし、図4に示される駆動では、輝度重みp(p<1)を持つ第1サブフィールドSF1を備えることにより、各放電セルの発光確率が上昇する。放電セルが発光すると、その発光により放電セルの電荷が活性化されることから、各放電セルの発光確率が上昇することにより、初期化期間を設けなくても放電不良の発生を防止することが可能になる。
【0055】
第1サブフィールドSF1では、上述のように、維持期間が設けられていない。第1サブフィールドSF1では、維持パルスによる維持放電ではなくて、書込み期間における書込み放電によって、輝度重みpの発光を実現している。輝度重みpを持つ第1サブフィールドSF1では、輝度重みpが小さいため映像に対する輝度としての寄与は殆どない。しかしながら、発明者らの観察によると、上述のように、第1サブフィールドSF1において輝度重みpの発光が隣接する画素で同時に行われると、目立つ輝点が発生し、画質が低下することが明らかとなった。
【0056】
そこで、この実施形態では、輝度重みp(p<1)を持つ第1サブフィールドSF1を備えることにより放電不良発生を防止しつつ、信号処理部100により第1サブフィールドSF1において隣接する画素が同時に点灯しないようにして、輝点の発生を抑制している。本実施形態において、第1サブフィールドSF1は、特定サブフィールドの一例に対応する。
【0057】
図6は、図1に示される信号処理部100の構成を示すブロック図である。信号処理部100は、図6に示されるように、第1サブフィールド(SF)階調補正部210、縦長誤差拡散処理部220、サブフィールド変換部240、第1サブフィールド(SF)間引き部250を備える。第1サブフィールド階調補正部210は、入力される画像信号Ri,Gi,Biに対して補正を行って補正信号Rc,Gc,Bcを生成し、生成した補正信号Rc,Gc,Bcを同期信号Ssyncとともに縦長誤差拡散処理部220に出力する。縦長誤差拡散処理部220は、入力される補正信号Rc,Gc,Bcに基づき、縦方向に点灯又は消灯が連続するように縦長の誤差拡散処理を行い、処理後の拡散信号Rdf,Gdf,Bdfをサブフィールド変換部240に出力する。サブフィールド変換部240は、入力される拡散信号Rdf,Gdf,Bdfからサブフィールドデータに変換する公知の変換処理を行い、変換処理後のサブフィールドデータRsf1,Gsf1,Bsf1を第1サブフィールド間引き部250に出力する。第1サブフィールド間引き部250は、第1サブフィールドSF1のサブフィールドデータRsf1,Gsf1,Bsf1に対し、50%の間引き処理を行い、間引き処理後のサブフィールドデータRsf2,Gsf2,Bsf2を駆動信号生成部110に出力する。本実施形態において、第1サブフィールド階調補正部210は、階調補正部の一例に対応し、縦長誤差拡散処理部220は、誤差拡散処理部の一例に対応し、第1サブフィールド間引き部250は、間引き処理部の一例に対応する。以下、図面を参照して、第1サブフィールド階調補正部210、縦長誤差拡散処理部220及び第1サブフィールド間引き部250が詳述される。
【0058】
図7は、第1サブフィールド階調補正部210の機能を説明する模式図である。図7において、レベルL3は、第1サブフィールドSF1(輝度重みp)が50%点灯する入力信号のレベルであり、レベルL4は、第1サブフィールドSF1(輝度重みp)が100%点灯する入力信号のレベルである。また、図7に破線で示される輝度曲線P1は、入力信号に対して補正しない状態を示す。
【0059】
第1サブフィールド階調補正部210は、補正なしを表す輝度曲線P1に対して、輝度曲線P2で示されるように、入力信号レベルが増大するように補正する。具体的には、第1サブフィールド階調補正部210は、無補正状態では第1サブフィールドSF1が50%点灯する信号レベルを、100%点灯するように、50%分だけ、かさ上げする補正を行う。また、第1サブフィールドSF1が0%から50%点灯する信号レベルでは、第1サブフィールド階調補正部210は、
出力信号レベル=入力信号レベル×2
とする補正を行う。また、入力信号のレベルが、第1サブフィールドSF1が50%以上点灯するレベルでは、第1サブフィールド階調補正部210は、元の入力信号レベルに第1サブフィールドSF1が50%点灯する分だけかさ上げする補正を行う。
【0060】
この第1サブフィールド階調補正部210の増大補正によって、第1サブフィールド間引き部250が、第1サブフィールドSF1に対して、50%の間引き処理を行うと、元の「補正無し」の輝度曲線P1に一致することとなる。
【0061】
図7に示される輝度曲線P3は、比較例として、第1サブフィールド階調補正部210による補正を行うことなく、第1サブフィールド間引き部250により50%の間引き処理を行ったときの輝度に相当する出力信号レベルを示す。
【0062】
図8は、縦長誤差拡散処理部220の構成を示すブロック図である。縦長誤差拡散処理部220による処理は、R,G,B信号それぞれについて行われるが、説明の便宜上、図8には、R信号についての構成のみが示されている。
【0063】
入力された補正信号Rcは、整数部と小数部に振り分けられる。小数部は加算器221に送られ、整数部は加算器225に送られる。加算器221は、T遅延バッファ223とライン遅延バッファ224とからそれぞれ入力される、拡散された誤差と、補正信号Rcの小数部とを加算する。加算器221の加算結果において、整数に繰り上がった場合は、繰り上がった整数部と小数部とに振り分けられ、整数部は加算器225に送られ、小数部は小数振り分け部222に送られる。小数振り分け部222は、誤差拡散の方向として予め設定された比率で、小数をT遅延バッファ223とライン遅延バッファ224とに振り分ける。T遅延バッファ223は、例えばフリップフロップからなり、入力データを1画素分だけ遅延して加算器221に出力する。ライン遅延バッファ224は、例えばSRAMからなり、入力データを1ライン分だけ遅延して加算器221に出力する。つまり、T遅延バッファ223により誤差が右隣の画素に伝播され、ライン遅延バッファ224により誤差が真下の画素に伝播される。
【0064】
加算器225は、誤差拡散処理の結果である整数部をライン遅延バッファ226及び排他的論理和処理部227に出力する。ライン遅延バッファ226は、例えばSRAMからなり、入力データを1ライン分だけ遅延して排他的論理和処理部227に出力する。排他的論理和処理部227は、入力される2ライン分のデータ、つまり現在の注目画素のデータと、注目画素の1ライン上の画素のデータ(1ライン過去のデータ)とについて、第1サブフィールドSF1に対応する1ビット目のデータの差分を誤差として振り分ける。排他的論理和処理部227は、振り分けた誤差をライン遅延バッファ228に出力し、振り分けた誤差の残りをライン遅延バッファ229に出力する。ライン遅延バッファ228は、例えばSRAMからなり、入力データを1ライン分だけ遅延して加算器221に出力する。ライン遅延バッファ229は、例えばSRAMからなり、入力データを1ライン分だけ遅延して出力ラインセレクタ230に出力する。出力ラインセレクタ230は、入力されるデータを順に、誤差拡散処理結果の拡散信号Rdf,Gdf,Bdfとして、サブフィールド変換部240に送る。
【0065】
図9乃至図13は、図8に示される縦長誤差拡散処理部220の動作を説明するための図である。なお、図9乃至図13では、説明の簡単化のために、全ての入力データ=0.5とし、誤差を100%真下方向に伝播させるようにしている。つまり、小数振り分け部222は、入力された小数を全てライン遅延バッファ224に出力する。
【0066】
最初に、縦長誤差拡散処理部220による誤差拡散処理の概要が説明される。この誤差拡散処理では、通常の誤差拡散処理に続いて、整数部の1ビット目(第1サブフィールドSF1に相当)を2ライン単位で共通にする処理が行われる。すなわち、通常の誤差拡散処理は、加算器221,225、小数振り分け部222、T遅延バッファ223及びライン遅延バッファ224により行われる。この通常の誤差拡散処理の結果をライン遅延バッファ226により1ライン遅延させて、排他的論理和処理部227により2ライン分の誤差拡散処理の結果を比較する。両者の1ビット目が異なれば、誤差として下のラインに送る。そして、ライン遅延バッファ229により、1ラインずつ誤差拡散処理の結果を出力する。
【0067】
次に、図9を用いて、第1ラインLN1のデータが入力されたときの動作が説明される。第1ラインLN1の入力データ=0.5が入力されると、整数部=0と小数部=0.5とに振り分けられる。小数部=0.5は加算器221に送られ、加算器221で0が加算されて、誤差加算結果=0.5が得られる。その結果、整数部の繰り上がり=0と、小数部=0.5とに振り分けられ、小数部=0.5が小数振り分け部222に送られる。小数振り分け部222は、上述のように、100%をライン遅延バッファ224に振り分けるため、T遅延誤差=0となり、ライン遅延誤差=0.5となる。一方、加算器221の加算結果である整数部の繰り上がり=0であるため、加算器225の加算結果による誤差拡散処理結果としての出力=0となる。
【0068】
次に、図10を用いて、第2ラインLN2のデータが入力されたときの動作が説明される。第2ラインLN2の入力データ=0.5が入力されると、整数部=0と小数部=0.5とに振り分けられる。小数部=0.5は加算器221に送られる。ここで、加算器221には、ライン遅延バッファ224から、上のライン、つまり第1ラインLN1のライン遅延誤差=0.5(図9参照)が入力される。また、加算器221には、T遅延バッファ223から、左隣の画素からのT遅延誤差=0(図9参照)が入力される。よって、加算器221による誤差加算結果=1.0が得られる。その結果、整数部の繰り上がり=1と、小数部=0とに振り分けられ、小数部=0が小数振り分け部222に送られる。その結果、小数振り分け部222の出力は、T遅延誤差=0、ライン遅延誤差=0となる。
【0069】
一方、加算器221の加算結果による整数部の繰り上がり=1であるため、加算器225の加算結果による誤差拡散処理結果としての出力=1となり、これが第2ラインLN1の出力=1として、排他的論理和処理部227に送られる。同時に、ライン遅延バッファ226から、1ライン分遅延された第1ラインLN1の出力=0(図9参照)が、排他的論理和処理部227に送られる。第1ラインLN1の出力と第2ラインLN2の出力との差分=1であるので、排他的論理和処理部227からライン遅延バッファ228に、第1サブフィールドSF1の差分=1が送られる。一方、排他的論理和処理部227から、第1ラインLN1の出力=0が出力ラインセレクタ230に送られるとともに、第2ラインLN2の出力=0がライン遅延バッファ229に送られる。その結果、出力ラインセレクタ230から第1ラインLN1の出力=0が出力される。
【0070】
次に、図11を用いて、第3ラインLN3のデータが入力されたときの動作が説明される。第3ラインLN3の入力データ=0.5が入力されると、整数部=0と小数部=0.5とに振り分けられる。小数部=0.5は加算器221に送られる。ここで、加算器221には、ライン遅延バッファ224から、上のライン、つまり第2ラインLN2のライン遅延誤差=0(図10参照)が入力される。また、加算器221には、T遅延バッファ223から、左隣の画素からのT遅延誤差=0(図10参照)が入力される。さらに、加算器221には、ライン遅延バッファ228から、第1サブフィールドSF1の差分=1(図10参照)が入力される。よって、加算器221による誤差加算結果=1.5が得られる。その結果、整数部の繰り上がり=1と、小数部=0.5とに振り分けられ、小数部=0.5が小数振り分け部222に送られる。その結果、小数振り分け部222の出力は、T遅延誤差=0、ライン遅延誤差=0.5となる。
【0071】
一方、加算器221の加算結果による整数部の繰り上がり=1であるため、加算器225の加算結果による誤差拡散処理結果としての出力=1となり、ライン遅延バッファ226に送られる。一方、ライン遅延バッファ229から、1ライン分遅延された第2ラインLN2の出力=0(図10参照)が、出力ラインセレクタ230に送られる。その結果、出力ラインセレクタ230から第2ラインLN2の出力=0が出力される。
【0072】
次に、図12を用いて、第4ラインLN4のデータが入力されたときの動作が説明される。第4ラインLN4の入力データ=0.5が入力されると、整数部=0と小数部=0.5とに振り分けられる。小数部=0.5は加算器221に送られる。ここで、加算器221には、ライン遅延バッファ224から、上のライン、つまり第3ラインLN3のライン遅延誤差=0.5(図11参照)が入力される。また、加算器221には、T遅延バッファ223から、左隣の画素からのT遅延誤差=0(図11参照)が入力される。よって、加算器221による誤差加算結果=1.0が得られる。その結果、整数部の繰り上がり=1と、小数部=0とに振り分けられ、小数部=0が小数振り分け部222に送られる。その結果、小数振り分け部222の出力は、T遅延誤差=0、ライン遅延誤差=0となる。
【0073】
一方、加算器221の加算結果による整数部の繰り上がり=1であるため、加算器225の加算結果による誤差拡散処理結果としての出力=1となり、これが第4ラインLN4の出力=1として、排他的論理和処理部227に送られる。同時に、ライン遅延バッファ226から、1ライン分遅延された第3ラインLN3の出力=1(図11参照)が、排他的論理和処理部227に送られる。第3ラインLN1の出力と第2ラインLN2の出力との差分=0であるので、排他的論理和処理部227からライン遅延バッファ228に、第1サブフィールドSF1の差分=0が送られる。一方、排他的論理和処理部227から、第3ラインLN3の出力=1が出力ラインセレクタ230に送られるとともに、第4ラインLN4の出力=1がライン遅延バッファ229に送られる。その結果、出力ラインセレクタ230から第3ラインLN3の出力=1が出力される。
【0074】
次に、図13を用いて、第5ラインLN5のデータが入力されたときの動作が説明される。第5ラインLN5の入力データ=0.5が入力されると、整数部=0と小数部=0.5とに振り分けられる。小数部=0.5は加算器221に送られる。ここで、加算器221には、ライン遅延バッファ224、T遅延バッファ223、及びライン遅延バッファ228から入力される誤差はいずれも誤差=0であるので、加算器221による誤差加算結果=0.5が得られる。その結果、整数部の繰り上がり=0と、小数部=0.5とに振り分けられ、小数部=0.5が小数振り分け部222に送られる。その結果、小数振り分け部222の出力は、T遅延誤差=0、ライン遅延誤差=0.5となる。
【0075】
一方、加算器221の加算結果による整数部の繰り上がり=0であるため、加算器225の加算結果による誤差拡散処理結果としての出力=0となり、ライン遅延バッファ226に送られる。一方、ライン遅延バッファ229から、1ライン分遅延された第4ラインLN4の出力=1(図12参照)が、出力ラインセレクタ230に送られる。その結果、出力ラインセレクタ230から第4ラインLN4の出力=1が出力される。
【0076】
以上の処理によって、通常の誤差拡散処理では、小数の階調0.5が整数の階調0,1,0,1,0,1,0,1,・・・のハーフトーンで出力されていたものが、縦長粒子となって、0,0,1,1,0,0,1,1,・・・と出力される。つまり、列方向(第2方向)の画素が2個ずつ同時に点灯または消灯となる。
【0077】
図14は、第1サブフィールド間引き部250の構成を示すブロック図である。図15は、市松状の間引き処理を説明する模式図である。図15(a)は入力画像の一例を示し、図15(b)は縦長誤差拡散処理部220による誤差拡散処理結果を示し、図15(c)は市松状の間引き処理による処理結果を示し、図15(d)は市松状に選択された補正対象画素を示す。図16は、インターレース状の間引き処理を説明する模式図である。図16(a)は入力画像の一例を示し、図16(b)は縦長誤差拡散処理部220による誤差拡散処理結果を示し、図16(c)はインターレース状の間引き処理による処理結果を示し、図16(d)はインターレース状に選択された補正対象画素を示す。図15及び図16では、例えば入力画像信号がR信号とされ、R画素の点灯状態が示されているが、G,B画素についても同様である。図14ないし図16を用いて、第1サブフィールド間引き部250による間引き処理が説明される。
【0078】
第1サブフィールド間引き部250は、座標カウンタ251、マスク信号発生部252、信号変換部253、マスク判定部254、第1サブフィールド(SF)マスク部255を備える。座標カウンタ251は、同期信号Ssyncに基づき、画素の座標をカウントする。信号変換部253は、サブフィールドデータRsf1,Gsf1,Bsf1を元の拡散信号Rdf,Gdf,Bdfに戻す変換処理を行い、処理結果の拡散信号Rdf,Gdf,Bdfをマスク信号発生部252及びマスク判定部254に出力する。
【0079】
マスク信号発生部252は、座標カウンタ251からのカウント値に基づき、補正対象画素の信号レベルをゼロに補正するマスク信号を発生し、マスク判定部254に出力する。マスク信号発生部252は、図15(d)に示されるように、マトリクス状に配列された画素から市松状に選択された画素を補正対象画素とする第1マスク信号を発生する。また、マスク信号発生部252は、図16(d)に示されるように、マトリクス状に配列された画素のうち、インターレース状に選択された画素列、つまり、行方向(第1方向)に配列された画素列が列方向(第2方向)に1列おきに選択された選択画素列Pc11,Pc12を補正対象画素とする第2マスク信号を発生する。
【0080】
マスク判定部254は、信号変換部253からの拡散信号Rdf,Gdf,Bdfのレベルに基づき、間引き処理を行うか行わないかを判定し、間引き処理を行うと判定したときは、マスク信号発生部252から送られるマスク信号を第1サブフィールドマスク部255に送る。例えば、マスク判定部254は、拡散信号Rdf,Gdf,Bdfのレベルが特定階調以上の場合には間引き処理を行わないと判定する。特定階調は、例えば、第1サブフィールドSF1を間引くことによる輝度変化が無視できる階調を言う。例えば、特定階調は、第1サブフィールドSF1だけでなく、輝度重みが一つ上の第2サブフィールドSF2及び輝度重みが二つ上の第3サブフィールドSF3が全点灯する階調を言う。間引き処理を行わない場合には、第1サブフィールド階調補正部210により輝度が50%上昇し、縦長誤差拡散処理部220により隣接する2画素が同時に点灯する箇所が存在している。しかし、第1〜第3サブフィールドSF1,SF2,SF3が全点灯する階調以上の階調では、輝点が目立たないため、間引き処理を行わなくても、画質が低下することはない。
【0081】
また、マスク判定部254は、例えば、消灯継続時間が予め設定された設定時間を超えると黒時間判定部150により判定されたときは、補正対象画素をインターレース状に選択された画素とする第2間引き処理を行うと判定する。これによって、消灯継続時間が長いため放電不良の発生確率が高くなるが、市松状の間引き処理に比べて、行方向(第1方向)に隣接する画素について放電不良の発生を抑制することができる。また、マスク判定部254は、例えば、消灯継続時間が予め設定された設定時間以下と黒時間判定部150により判定されたときは、補正対象画素を市松状に選択された画素とする第1間引き処理を行うと判定する。これによって、行方向(第1方向)に隣接する画素、及び、列方向(第2方向)に隣接する画素が、同時に点灯しないため、第2間引き処理に比べて、画質を向上することができる。
【0082】
また、マスク判定部254は、例えば、映像信号の平均階調が予め設定された閾値以上と階調判定部160により判定されたときは、補正対象画素を市松状に選択された画素とする第1間引き処理を行うと判定する。映像信号の平均階調が閾値以上であるため、各画素の点灯確率が高いことから、市松状の間引き処理を行うことにより、放電不良の発生が増大することなく、画質を向上することができる。また、マスク判定部254は、例えば、映像信号の平均階調が予め設定された閾値未満と階調判定部160により判定されたときは、補正対象画素をインターレース状に選択された画素とする第2間引き処理を行うと判定する。映像信号の平均階調が閾値未満であるため、各画素の点灯確率が低いが、インターレース状の間引き処理を行うことにより、放電不良の発生を抑制することができる。
【0083】
また、マスク判定部254は、第1間引き処理を行うと判定したときは、補正対象画素を市松状に選択された画素とする第1マスク信号を第1サブフィールドマスク部255に出力し、第2間引き処理を行うと判定したときは、インターレース状に選択された画素列を補正対象画素とする第2マスク信号を第1サブフィールドマスク部255に出力する。
【0084】
第1サブフィールドマスク部255は、マスク判定部254から送られるマスク信号を用いて、入力されるサブフィールドデータRsf1,Gsf1,Bsf1のうち第1サブフィールドSF1のデータに対して間引き処理を行って、サブフィールドデータRsf2,Gsf2,Bsf2を生成し、駆動信号生成部110(図1)に出力する。
【0085】
例えば図15(a)に示される入力画像に対して、縦長誤差拡散処理部220による誤差拡散処理が行われると、図15(b)に示される処理結果が得られる。図15(b)には、赤色サブ画素Pr1と、赤色サブ画素Pr1に行方向(第1方向)に隣接する赤色サブ画素Pr2と、赤色サブ画素Pr1に列方向(第2方向)に隣接する赤色サブ画素Pr3と、行方向に配列された画素列Pc1、Pc2と、が示されている。図15(b)に示されるように、列方向に互いに隣接し、画素列Pc1の画素と画素列Pc2の画素とからなる一対の画素が、同時に点灯又は消灯となっている。例えば、赤色サブ画素Pr1と赤色サブ画素Pr3とが同時に点灯となっている。図15(b)に示される状態で、図15(d)に示される市松状のマスク信号により、第1サブフィールドSF1の各画素の映像信号がマスクされると、各画素が図15(c)に示されるような状態とされる。なお、赤色サブ画素は、赤色の光を発光する放電セルDCr(図2)に対応する。
【0086】
例えば図16(a)に示される入力画像に対して、縦長誤差拡散処理部220による誤差拡散処理が行われると、図15(b)と同様に、図16(b)に示される処理結果が得られる。図16(b)に示される状態で、図16(d)に示されるインターレース状のマスク信号により、第1サブフィールドSF1の各画素の映像信号がマスクされると、各画素が図16(c)に示される状態とされる。本実施形態において、マスク判定部254は、第1判定部の一例に対応する。また、赤色サブ画素Pr1を含む画素が第1画素の一例に対応し、赤色サブ画素Pr2を含む画素が第2画素の一例に対応し、赤色サブ画素Pr3を含む画素が第3画素の一例に対応し、画素列Pc1が第1画素列に対応し、画素列Pc2が第2画素列に対応する。
【0087】
図17は、本実施形態による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。図18乃至図22は、比較例による各画素の点灯状態を模式的に示す図である。図17ないし図22では、例えばR画素の点灯状態が示されている。図17ないし図22を用いて、本実施形態の効果が説明される。
【0088】
図19は、サブフィールドに初期化期間を設けず、かつ、輝度重みpのサブフィールド(つまり本実施形態の第1サブフィールドSF1)を含まず、輝度重み1以上のサブフィールド(例えば本実施形態の第2〜第8サブフィールドSF2〜SF8)のみを含む場合において、通常の誤差拡散処理を行った場合を模式的に示している。図19(a)は入力画像を示す。図19(b)は、図19(a)に示される入力画像に対して誤差拡散処理を行った状態を示す。図19(b)の下段に、各画素の信号レベルがハッチングの濃淡により模式的に示されている。図19(c)は、画面における点灯状態を示す。図19(c)の下段に、各画素の点灯状態がハッチングの濃淡により模式的に示されている。図19(b)と図19(c)とを比較して分かるように、初期化期間が設けられていないため、放電不良が発生して、各画素が点灯しにくくなっている。
【0089】
図20は、サブフィールドに初期化期間を設けず、かつ、輝度重みpのサブフィールド(つまり本実施形態の第1サブフィールドSF1)を含む場合において、通常の誤差拡散処理を行った場合を模式的に示している。図20(a)は入力画像を示す。図20(b)は、図20(a)に示される入力画像に対して誤差拡散処理を行った状態を示す。図20(b)の下段に、各画素の信号レベルがハッチングの濃淡により模式的に示されている。図20(c)は、画面における点灯状態を示す。図20(c)の下段に、各画素の点灯状態がハッチングの濃淡により模式的に示されている。図20(c)でも放電不良は発生しているものの、輝度重みpのサブフィールドにより各画素の点灯確率が上昇しているため、図19(c)に比べて減少している。一方、隣接画素と連続して点灯している箇所に輝点が発生しているため、輝度重みpのサブフィールドにおいて階調性が低下している。
【0090】
図21及び図22は、特定サブフィールドのライン数を間引き、間引いた分だけ維持期間を延ばすことで輝度を保つようにした例を示す。図21(a)は、誤差拡散処理を行った後の各画素の点灯状態の一例を示す。図21(a)の状態において、1/2ラインの間引き処理として奇数ラインを消灯すると、図21(b)に示される状態になる。図21(b)では、1/2ラインの間引き処理によって、明るさが図21(a)の状態に比べて1/2未満と非常に暗くなっている。この間引き処理の後で、間引かれなかったサブフィールドの維持期間を2倍にすると、図21(c)に示される状態となる。図21(b)の間引き処理の時点で画面が暗くなりすぎているため、図21(c)では、点灯している画素の維持期間を2倍にしても、画面全体は暗い状態のままとなっている。
【0091】
一方、図21(a)に示される状態に対して、1/2ラインの間引き処理として偶数ラインを消灯すると、図21(d)に示される状態になる。図21(d)では、1/2の間引き処理を行っても、明るさが図21(a)の状態に比べて1/2を超えており、1/2まで暗くなっていない。この間引き処理の後で、間引かれなかったサブフィールドの維持期間を2倍にすると、図21(e)に示される状態となる。図21(d)の間引き処理の時点で画面が明るいため、図21(e)では、点灯している画素の維持期間を2倍にすると、画面全体が明るすぎる状態となる。
【0092】
図22(a)は、誤差拡散処理を行った後の各画素の点灯状態の別の例を示す。図22(a)の状態において、1/2ラインの間引き処理として奇数ラインを消灯すると、図22(b)に示されるように、画面全体が消灯して非常に暗くなっている。このため、間引かれなかったサブフィールドの維持期間を2倍にしても、図22(c)に示されるように、画面全体は暗い状態のままとなっている。一方、図22(a)に示される状態に対して、1/2ラインの間引き処理として偶数ラインを消灯すると、図22(d)に示されるように、図22(a)と変わっていない。この間引き処理の後で、間引かれなかったサブフィールドの維持期間を2倍にすると、図22(e)に示されるように、画面全体が明るすぎる状態となる。このように、図21及び図22の例では、階調性が低下している。
【0093】
図18は、本実施形態のサブフィールド構成において、通常の誤差拡散処理を行った場合を模式的に示す。図18(a)は、入力された画像信号を示しており、各画素の信号レベルがp/4(つまり第1サブフィールドSF1の輝度重みpの1/4)の画像信号を示す。図18(a)に示される画像信号が入力されたときに、通常の誤差拡散処理を行うと、図18(b)に示されるように、第1サブフィールドSF1の画素が1/4の比率(図18(b)では4個)で点灯する。
【0094】
図17を参照して、本実施形態が説明される。図17(a)は、入力された画像信号を示し、図18(a)と同様に、各画素の信号レベルがp/4(つまり第1サブフィールドSF1の輝度重みpの1/4)の画像信号を示す。図17(a)に示される画像信号が入力されたとき、まず、図6及び図7に関連して説明されたように、第1サブフィールド階調補正部210は、信号レベルがp/2に増大するように画像信号を補正する。図17(b)では、ハッチングの濃淡により図17(a)に対する信号レベルの増大が模式的に示されている。
【0095】
次いで、図6及び図8乃至図13に関連して説明されたように、縦長誤差拡散処理部220は、第1サブフィールドSF1の各画素が、列方向に配列される画素が、行方向の2ラインごとに連続して点灯又は消灯となるように、縦長の誤差拡散処理が行われる。その結果、図17(c)に示されるように、第1サブフィールドSF1の各画素の点灯又は消灯は、列方向に2個ずつ連続している。また、この誤差拡散処理によって、第1サブフィールドSF1の画素が1/2の比率(図17(b)では8個)で点灯する。
【0096】
次いで、図6及び図14乃至図16に関連して説明されたように、第1サブフィールド間引き部250は、第1サブフィールドSF1の各画素を市松状又はインターレース状に消灯させる間引き処理を行う。図17(d)では、インターレース状の間引き処理が行われている。この間引き処理の結果、図17(d)に示されるように、第1サブフィールドSF1の画素が1/4の比率(図17(d)では4個)で点灯する。これによって、図17(d)においても、図18(d)と同じ結果が得られている。
【0097】
以上説明されたように、本実施形態では、後段で第1サブフィールドSF1のデータが1/2に間引かれることを前提として、第1サブフィールド階調補正部210は、間引かれるサブフィールド(つまり第1サブフィールドSF1)の輝度の1/2に相当する信号レベルを予め加算する。また、誤差拡散処理を行う際は、縦長誤差拡散処理部220は、後段で間引きが行われたときに必ず1/2の輝度になるように、列方向に配列される画素が、行方向の2ラインごとに連続して点灯又は消灯となるように、ハーフトーン化を行う。さらに、第1サブフィールド間引き部250は、インターレース状又は市松状に間引き処理を行う。インターレース状又は市松状の間引き処理によって、常に2画素中の1画素が間引かれるので、輝度が必ず1/2になる(つまり入力信号のレベルに戻る)ことを保証できる。また、インターレース状又は市松状の間引き処理によって、輝点の発生を防止することができる。その結果、画質の低下を抑制することができる。
【0098】
また、本実施形態では、輝度重みp(p<1)の第1サブフィールドSF1を備えているため、各画素の点灯確率を上昇させることができる。その結果、初期化期間を設けることなく、放電不良の発生を抑制することができる。
【0099】
なお、上記実施形態では、図1及び図6等を用いて説明されたように、信号処理部100は、R,G,B信号ごとに信号処理を行っている。これによって、第1サブフィールドSF1において、隣接する画素が同時に点灯しないようにしている。すなわち、上記実施形態では、補正対象画素を市松状に選択された画素とする第1間引き処理を行うことにより、行方向に隣接する同一色の放電セル、及び、列方向に隣接する同一色の放電セルが同時に点灯するのを防止している。また、上記実施形態では、補正対象画素をインターレース状に選択された画素とする第2間引き処理を行うことにより、列方向に隣接する同一色の放電セルが同時に点灯するのを防止している。しかし、本発明の間引き処理は、これに限られない。
【0100】
図23、図24は、間引き処理の別の形態を概略的に示す模式図である。図23、図24は、マトリクス状に配列された画素及び画素に含まれる放電セルを示す。図23、図24では、マスクする放電セルが黒で示され、マスクしない放電セルが白で示されている。
【0101】
図23に示される例では、R,G,B信号ごとに、行方向(第1方向)に隣接する同一色の放電セルが1つおきにマスクされて同時に点灯するのを防止している。例えば画素Px1の赤色放電セルDCr1がマスクされ、行方向に隣接する画素Px2の赤色放電セルDCr2がマスクされていない。また、例えば画素Px1の緑色放電セルDCg1がマスクされず、行方向に隣接する画素Px2の緑色放電セルDCg2がマスクされている。また、例えば画素Px1の青色放電セルDCb1がマスクされず、行方向に隣接する画素Px2の青色放電セルDCb2がマスクされている。
【0102】
図24(a)に示される例では、行方向(第1方向)に隣接する放電セル、及び、列方向(第2方向)に隣接する放電セルが、同時に点灯するのを防止している。すなわち、隣接する画素間に加えて、同一画素内においても、隣接する放電セルが同時に点灯するのを防止している。例えば、画素Px1の赤色放電セルDCr1がマスクされ、行方向に隣接する緑色放電セルDCg1がマスクされず、さらに行方向に隣接する青色放電セルDCb1がマスクされ、さらに行方向に隣接する画素Px2の赤色放電セルDCr2がマスクされていない。また、画素Px1に列方向に隣接する画素Px3において、赤色放電セルDCr3がマスクされず、緑色放電セルDCg3がマスクされ、青色放電セルDCb3がマスクされていない。図24(a)に示される形態において、画素Px1が第1画素の一例に対応し、画素Px1に行方向に隣接する画素Px2が第2画素の一例に対応し、画素Px1に列方向に隣接する画素Px3が第3画素の一例に対応する。また、画素Px1の青色放電セルDCb1が第1放電セルの一例に対応し、青色放電セルDCb1に行方向に隣接する赤色放電セルDCr2が第2放電セルの一例に対応し、青色放電セルDCb1に列方向に隣接する青色放電セルDCb3が第3放電セルの一例に対応する。また、画素Px1の青色放電セルDCb1に隣接する画素Px1の緑色放電セルDCg1が第4放電セルの一例に対応する。
【0103】
図24(b)に示される例では、行方向(第1方向)に隣接する放電セルが、同時に点灯するのを防止している。また、図24(c)に示される例では、列方向(第2方向)に隣接する放電セルが、同時に点灯するのを防止している。
【0104】
また、上記実施形態では、黒時間判定部150を備えているが、黒時間判定部150は必須の構成ではない。代替的に、黒時間判定部150を設けなくてもよい。同様に、上記実施形態では、階調判定部160を備えているが、階調判定部160は必須の構成ではない。代替的に、階調判定部160を設けなくてもよい。また、上記実施形態では、マスク判定部254を備え、マスク処理を行うか否かを判定しているが、代替的に、マスク判定部254を設けずに、第1間引き処理又は第2間引き処理のいずれかを常に行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、初期化期間を設けることなく放電不良の発生を抑制し、しかも画質の低下を防止することができるので、プラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法として有用である。
【符号の説明】
【0106】
10 パネル
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
32 データ電極
110 駆動信号生成部
120 データ書込駆動部
130 維持駆動部
140 消去駆動部
150 黒時間判定部
160 階調判定部
210 第1サブフィールド階調補正部
220 縦長誤差拡散処理部
250 第1サブフィールド間引き部
DC 放電セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像信号に基づく映像を表示するプラズマディスプレイ装置であって、
それぞれ第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数のデータ電極と、前記表示電極対と前記データ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素と、を含むプラズマディスプレイパネルと、
1フィールド期間に含まれる複数のサブフィールドごとに輝度重みがそれぞれ異なるように、前記走査電極、前記維持電極及び前記データ電極のうち少なくとも1つの電極に駆動電圧を印加する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記複数のサブフィールドは、いずれも、前記走査電極と前記データ電極及び前記維持電極との間に駆動電圧を印加して前記放電セル内の電荷を活性化させるための初期化放電を発生させる初期化期間を含まず、所定の書込み期間を含み、
前記複数のサブフィールドのうち特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、いずれも、所定の維持期間を前記書込み期間の後に含み、
前記駆動部は、前記書込み期間において、前記走査電極に走査パルスを印加するとともに前記データ電極に書込みパルスを印加して前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させ、
前記駆動部は、前記維持期間において、前記走査電極および前記維持電極に前記輝度重みに応じた維持パルスを交互に印加して、前記書込み期間において選択された放電セルで維持放電を発生させ、
前記特定サブフィールドは、前記維持期間を含まないか、又は前記駆動部により前記維持パルスが印加されずに前記維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、前記維持期間を含む前記他のサブフィールドより低い前記輝度重みを有し、
前記プラズマディスプレイパネルは、第1画素と、前記第1方向において前記第1画素に隣接する第2画素と、前記第2方向において前記第1画素に隣接する第3画素と、を含み、
前記第1画素は、第1放電セルを含み、
前記第2画素は、前記第1方向において前記第1放電セルに隣接する第2放電セルを含み、
前記第3画素は、前記第2方向において前記第1放電セルに隣接する第3放電セルを含み、
前記制御部は、前記特定サブフィールドにおいて、前記第1放電セルと前記第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、前記第1放電セルと前記第3放電セルとが同時に点灯しないように、前記駆動部を制御することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記プラズマディスプレイパネルに含まれる前記画素は、前記第1方向及び前記第2方向にマトリクス状に配列され、
前記制御部は、
前記映像信号に対して誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部と、
前記誤差拡散処理部による前記誤差拡散処理後に、前記特定サブフィールドにおいて、前記マトリクス状に配列された前記画素から選択された補正対象画素の前記映像信号をゼロに補正して前記補正対象画素を消灯させる間引き処理を行う間引き処理部と、
を含み、
前記間引き処理部は、前記間引き処理として、前記マトリクス状に配列された前記画素から市松状に選択された画素を前記補正対象画素とする第1間引き処理と、前記マトリクス状に配列された前記画素のうち、前記第1方向に配列された画素列が前記第2方向に1列おきに選択された選択画素列に含まれる画素を前記補正対象画素とする第2間引き処理と、のいずれかを行うことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記映像信号のレベルを所定幅だけ増大補正して前記誤差拡散処理部に出力する階調補正部をさらに含み、
前記誤差拡散処理部は、前記階調補正部により増大補正された前記映像信号に対して前記誤差拡散処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1方向に配列され、前記第1画素及び前記第2画素を含む画素からなる画素列を第1画素列とし、
前記第1方向に配列され、前記第3画素を含む画素からなる画素列を第2画素列とし、
前記誤差拡散処理部は、前記誤差拡散処理後において、前記第2方向に互いに隣接し、前記第1画素列の画素と前記第2画素列の画素とからなる一対の前記画素が、同時に点灯又は消灯となるように、前記誤差拡散処理を行うことを特徴とする請求項2または3に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記間引き処理部は、前記特定サブフィールドにおける前記各画素の階調が予め設定された特定階調以上か否かを判定する第1判定部を含み、
前記間引き処理部は、前記階調が前記特定階調以上と前記第1判定部により判定された前記画素については、前記第1間引き処理及び前記第2間引き処理のいずれも行わないことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
前記映像信号の平均階調を算出し、算出した前記平均階調が予め設定された閾値以上か否かを判定する第2判定部をさらに備え、
前記間引き処理部は、前記平均階調が前記閾値以上と前記第2判定部により判定されると前記第1間引き処理を行い、前記平均階調が前記閾値未満と前記第2判定部により判定されると前記第2間引き処理を行うことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
1または複数の画素が点灯しない状態の継続時間を計時し、計時した前記継続時間が予め設定された設定時間を超えるか否かを判定する第3判定部をさらに備え、
前記間引き処理部は、前記継続時間が前記設定時間を超えると前記第3判定部により判定されると前記第2間引き処理を行い、前記継続時間が前記設定時間以下と前記第3判定部により判定されると前記第1間引き処理を行うことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1画素は、前記第1方向又は前記第2方向において前記第1放電セルに隣接する第4放電セルを含み、
前記制御部は、前記特定サブフィールドにおいて、前記第1放電セルと前記第4放電セルとが同時に点灯しないように、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1画素は、それぞれ予め定められ互いに異なる設定色に対応し、前記第1放電セルを含むN(Nは2以上の整数)個の放電セルを有し、
前記第3画素は、それぞれ前記設定色に対応し、前記第3放電セルを含むN個の放電セルを有し、
前記第1放電セルと前記第3放電セルとは、同一色に対応することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
それぞれ第1方向に延びる走査電極及び維持電極からなる複数の表示電極対と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数のデータ電極と、前記表示電極対と前記データ電極とが交差する部分に形成された放電セルを有する画素と、を含むプラズマディスプレイパネルを駆動するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記プラズマディスプレイパネルは、第1画素と、前記第1方向において前記第1画素に隣接する第2画素と、前記第2方向において前記第1画素に隣接する第3画素と、を含み、前記第1画素は、第1放電セルを含み、前記第2画素は、前記第1方向において前記第1放電セルに隣接する第2放電セルを含み、前記第3画素は、前記第2方向において前記第1放電セルに隣接する第3放電セルを含み、
1フィールド期間に含まれる複数のサブフィールドごとに輝度重みがそれぞれ異なるように、前記走査電極、前記維持電極及び前記データ電極のうち少なくとも1つの電極に駆動部により駆動電圧を印加し、
前記複数のサブフィールドは、いずれも、前記走査電極と前記データ電極及び前記維持電極との間に駆動電圧を印加して前記放電セル内の電荷を活性化させるための初期化放電を発生させる初期化期間を含まず、所定の書込み期間を含むように構成し、
前記複数のサブフィールドのうち特定サブフィールド以外の他のサブフィールドは、いずれも、所定の維持期間を前記書込み期間の後に含むように構成し、
前記駆動部により、前記書込み期間において、前記走査電極に走査パルスを印加するとともに前記データ電極に書込みパルスを印加して前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させ、
前記駆動部により、前記維持期間において、前記走査電極および前記維持電極に前記輝度重みに応じた維持パルスを交互に印加して、前記書込み期間において選択された放電セルで維持放電を発生させ、
前記特定サブフィールドは、前記維持期間を含まないか、又は前記駆動部により前記維持パルスが印加されずに前記維持放電が発生しない維持期間を含むことにより、前記維持期間を含む前記他のサブフィールドより低い前記輝度重みを有するように構成し、
前記特定サブフィールドにおいて、前記第1放電セルと前記第2放電セルとが同時に点灯しないように、及び/又は、前記第1放電セルと前記第3放電セルとが同時に点灯しないように、前記駆動部を制御することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−242593(P2012−242593A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112380(P2011−112380)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】