説明

プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法

【課題】エネルギーを回収する回路の部品の数を減らすことができるプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るプラズマディスプレイ装置は、第1電極及び第2電極を含むプラズマディスプレイパネル100と、第1電圧及び第2電圧、又は第2電圧を供給するエネルギー貯蔵部110と、アドレス期間において、エネルギー貯蔵部110の第1電圧又は第2電圧に該当するエネルギーを第1電極を介して供給又は回収する第1電極駆動部120と、サステイン期間において、エネルギー貯蔵部110の第2電圧に該当するエネルギーを第2電極を介して供給又は回収する第2電極駆動部130とを含み、第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下、PDPとする)駆動装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
プラズマディスプレイパネルは、前面パネルと後面パネルとの間に形成された隔壁が放電セルをなすものであって、放電セル内には、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)又はネオン及びヘリウムの混合気体(Ne+He)と少量のキセノンを含有する放電ガスとが充填されている。放電セルは、画像を表示するための複数のピクセルをなすものである。例えば、赤色(Red、R)、緑色(Green、G)、青色(Blue、B)の放電セルが集まって、1つのピクセルをなすものである。
【0003】
プラズマディスプレイパネルにおいては、高周波電圧により放電される際に放電ガスが真空紫外線(Vacuum Ultra violet rays)を発生し、隔壁の間に形成された蛍光体を発光させることにより、映像が具現される。
【0004】
プラズマディスプレイパネルには、放電を発生させるための駆動電圧が供給され、このような駆動電圧により、リセット期間においてリセット放電、アドレス期間においてアドレス放電、サステイン期間においてサステイン放電などの放電が発生することによって、映像が表示される。
【0005】
プラズマディスプレイ装置は、エネルギー効率を上げるために、アドレス電極及びサステイン電極に供給されるエネルギーを回収する。アドレス電極及びサステイン電極を介してエネルギーを回収する回路がそれぞれ存在する場合、回路の部品の数が増加するという問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、エネルギーを回収する回路の部品の数を減らすことができるプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成すべく、本発明に係るプラズマディスプレイ装置は、第1電極及び第2電極を備えるプラズマディスプレイパネルと、第1電圧及び第2電圧、又は第2電圧を供給するエネルギー貯蔵部と、アドレス期間において、前記エネルギー貯蔵部の第1電圧又は前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第1電極を介して供給又は回収する第1電極駆動部と、サステイン期間において、前記エネルギー貯蔵部の前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第2電極を介して供給又は回収する第2電極駆動部とを含み、前記第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さいことを特徴とする。
【0008】
さらに、前記エネルギー貯蔵部は、キャパシタを含み、前記キャパシタは、前記第2電圧を供給することが好ましい。
【0009】
また、前記エネルギー貯蔵部は、複数のキャパシタを含み、前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、前記第2電圧を供給し、前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電圧を供給することが好ましい。
【0010】
ここで、前記エネルギー貯蔵部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、第3キャパシタと、を備え、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは、互いに直列接続され、前記第3キャパシタは、前記第1キャパシタ及び第2キャパシタに並列接続され、前記第1電極駆動部は、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとの共通端に接続されることが好ましい。
【0011】
また、前記エネルギー貯蔵部は、複数のキャパシタを含み、前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、前記第2電圧を供給し、前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電圧を供給し、前記第1電極駆動部は、前記第1電圧に該当するエネルギーを前記第1電極を介して供給又は回収し、前記第1電極に前記第2電圧を供給することが好ましい。
【0012】
また、前記第2電極は、スキャン電極又はサステイン電極のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0013】
上記の目的を達成すべく、本発明に係る他のプラズマディスプレイ装置は、第1電極及び第2電極を含むプラズマディスプレイパネルと、第1電圧及び第2電圧、又は第2電圧を供給するエネルギー貯蔵部と、アドレス期間において、前記エネルギー貯蔵部の第1電圧又は前記第2電圧に該当するエネルギーをインダクタと前記第1電極を介して供給又は回収する第1電極駆動部と、サステイン期間において、前記エネルギー貯蔵部の前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第2電極を介して供給又は回収する第2電極駆動部とを含み、前記第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さいことを特徴とする。
【0014】
さらに、前記第1電極駆動部は、第1スイッチとデータドライバを含み、前記第1スイッチは、前記エネルギー貯蔵部及び前記インダクタの間に接続されて、ターンオン時に前記エネルギーの供給経路及び回収経路を形成し、前記データドライバは、前記インダクタに接続されて、前記第1電極を介して前記第1電圧又は前記第2電圧に該当するエネルギーを供給又は回収することが好ましい。
【0015】
また、前記エネルギー貯蔵部は、前記第1電極駆動部を介して供給又は回収された前記エネルギーに該当する前記第2電圧を供給するキャパシタを含み、前記第1電極駆動部は、第1スイッチとデータドライバを備え、前記第1スイッチは、前記キャパシタ及び前記インダクタの間に接続されて、ターンオン時に前記エネルギーの供給経路及び回収経路を形成し、前記データドライバは、前記インダクタに接続されて、前記第1電極を介して前記エネルギーを供給又は回収することが好ましい。
【0016】
また、前記エネルギー貯蔵部は、複数のキャパシタを含み、前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、前記第2電圧を供給し、前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電圧を供給し、前記第1電極駆動部は、第1スイッチとデータドライバを含み、前記第1スイッチは、前記残りのキャパシタ及び前記インダクタの間に接続されて、ターンオン時に前記エネルギーの供給経路及び回収経路を形成し、前記データドライバは、前記インダクタに接続されて、前記第1電極を介して前記第1電圧に該当する前記エネルギーを供給又は回収することが好ましい。
【0017】
さらに、前記第1電極駆動部は、第2スイッチをさらに含み、前記第2スイッチは、外部電圧源から供給されたデータ電圧を前記データドライバを介して前記第1電極に供給することが好ましい。
【0018】
また、前記第1電極駆動部は、第2スイッチをさらに含み、前記第2スイッチは、前記少なくとも1つのキャパシタから供給された前記第2電圧を前記データドライバを介して前記第1電極に供給することが好ましい。
【0019】
また、前記エネルギー貯蔵部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、第3キャパシタと、を含み、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは、互いに直列接続され、前記第3キャパシタは、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタに並列接続され、前記第1電極駆動部は、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとの共通端に接続されることが好ましい。
【0020】
また、前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電極駆動部に接続する第1キャパシタと、前記第1キャパシタに接続する第2キャパシタとを含み、前記第2キャパシタのキャパシタンスは、前記第1キャパシタのキャパシタンスより大きいことが好ましい。
【0021】
上記の目的を達成すべく、本発明に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法は、エネルギー貯蔵部と、第1電極と、第2電極と、を備えるプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、アドレス期間において、前記エネルギー貯蔵部によって供給された第1電圧又は第2電圧に該当するエネルギーを前記第1電極を介して供給又は回収するステップと、サステイン期間において、前記エネルギー貯蔵部によって供給される前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第2電極に供給又は回収するステップとを含み、前記第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さいことを特徴とする。
【0022】
さらに、前記アドレス期間において、前記第2電圧に該当する前記エネルギーを前記第1電極に供給するステップと、前記第1電極に定電圧を供給するステップと、前記第1電極から前記第2電圧に該当する前記エネルギーを前記エネルギー貯蔵部に回収するステップと、前記第1電極にグランドレベルの電圧を供給するステップと、を含むことが好ましい。
【0023】
また、前記アドレス期間において、前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記第1電極に供給するステップと、前記第1電極に定電圧を供給するステップと、前記第1電極から前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記エネルギー貯蔵部に回収するステップと、前記第1電極にグランドレベルの電圧を供給するステップと、を含むことが好ましい。
【0024】
また、前記アドレス期間において、前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記第1電極に供給するステップと、前記第1電極に前記第2電圧を供給するステップと、前記第1電極から前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記エネルギー貯蔵部に回収するステップと、前記第1電極にグランドレベルの電圧を供給するステップと、を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、エネルギーを回収するための回路の部品の数を減らすことによって、エネルギー効率を上げることができ、かつ、製造費用を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル100、エネルギー貯蔵部110、第1電極駆動部120及び第2電極駆動部130を含む。
【0028】
プラズマディスプレイパネル100は、第1電極及び第2電極を備える。図1において、第1電極は、アドレス電極X1〜Xmであり得、第2電極は、スキャン電極Y1〜Yn又はサステイン電極Z1〜Znのうちの少なくとも1つであり得る。アドレス電極X1〜Xmは、スキャン電極Y1〜Yn及びサステイン電極Z1〜Znに交差する。アドレス電極X1〜Xmと、スキャン電極Y1〜Yn及びサステイン電極Zが交差する領域が1つの放電セルDCに該当する。
【0029】
エネルギー貯蔵部110は、第1電圧V1及び第2電圧V2、又は第2電圧V2を供給する。第1電圧V1のレベルは、第2電圧V2のレベルより小さい。
【0030】
実施の形態において、エネルギー貯蔵部110がアドレス期間においてアドレス電極X1〜Xmに第2電圧V2を供給し、サステイン期間においてスキャン電極Y1〜Yn及びサステイン電極Z1〜Znに第2電圧V2を供給する場合、データ電圧のレベルとサステインパルスの最高電圧のレベルの1/2は、実質的に第2電圧V2のレベルと同じであってもよい。データ電圧は、データパルスの最高電圧である。
【0031】
また、エネルギー貯蔵部110がアドレス期間において第1電圧V1をアドレス電極X1〜Xmに供給し、サステイン期間において第2電圧V2をスキャン電極Y1〜Yn及びサステイン電極Z1〜Znに供給する場合、データパルスの最高電圧のレベルは、サステインパルスの最高電圧のレベルより小さくてもよい。
【0032】
アドレス期間のデータパルスは、光を放出する放電セルを選択するためのものである。サステイン期間のサステインパルスは、選択された放電セルから光が放出されるようにする。
【0033】
第1電極駆動部120は、アドレス期間においてエネルギー貯蔵部110の第1電圧V1又は第2電圧V2に該当するエネルギーをアドレス電極X1〜Xmなどの第1電極を介して供給又は回収する。
【0034】
第2電極駆動部130は、サステイン期間においてエネルギー貯蔵部110の第2電圧V2に該当するエネルギーをスキャン電極Y1〜Yn又はサステイン電極Z1〜Znなどの第2電極を介して供給又は回収する。実施の形態において、第2電極駆動部130は、スキャン電極Y1〜Ynを駆動するスキャン電極駆動部130Yとサステイン電極Zを駆動するサステイン電極駆動部130Zとを含む。
【0035】
図2に示すように、エネルギー貯蔵部110は、キャパシタCaを含み、キャパシタCaは、第2電圧V2を供給する。第2電圧V2のレベルは、サステイン電圧Vsレベルの1/2に該当する。
【0036】
第1電極駆動部120は、アドレス期間においてエネルギー貯蔵部110の第2電圧V2に該当するエネルギーをインダクタLXとアドレス電極Xを介して供給又は回収する。第1電極駆動部120は、第1スイッチSX1、第2スイッチSX2、データドライバDDを含む。第1スイッチSX1は、エネルギー貯蔵部110及びインダクタLXの間に接続されて、ターンオン時にエネルギーの供給経路及び回収経路を形成する。第2スイッチSX2は、外部電圧源(図示せず)から供給されたデータ電圧Vccを第1電極Xに供給する。データドライバDDは、インダクタLXに接続されて、第1電極Xを介して第2電圧V2に該当するエネルギーを供給又は回収する。
【0037】
第1スイッチSX1とデータドライバDDのトップスイッチSTがターンオンすると、エネルギー貯蔵部110の第2電圧V2に該当するエネルギーが第1スイッチSX1、インダクタLX及びトップスイッチSTを介して第1電極Xに供給される。これにより、第1電極Xの電圧は、第2電圧V2の2倍まで次第に上昇する。
【0038】
第2スイッチSX2とトップスイッチSTがターンオンし、第1スイッチSX1とボトムスイッチSBがターンオフすると、外部電圧源のデータ電圧Vccが第1電極Xに供給される。
【0039】
第1スイッチSX1とデータドライバDDのトップスイッチSTがターンオンすると、第2電圧V2に該当するエネルギーが第1電極X、トップスイッチST、インダクタLX及び第1スイッチSX1を介してエネルギー貯蔵部110のキャパシタCaに回収される。
【0040】
データドライバDDのボトムスイッチSBがターンオンし、第1スイッチSX1、第2スイッチSX2及びトップスイッチSTがターンオフすると、グランドレベルの電圧が第1電極Xに供給される。
【0041】
スキャン電極駆動部130Yとサステイン電極駆動部130Zのそれぞれは、サステイン期間においてサステインパルスを交互に第2電極(Y及びZ)に供給する。スキャン電極駆動部130Yがサステインパルスを供給するとき、サステイン電極駆動部130ZのスイッチS8は、ターンオン状態を維持し、サステイン電極駆動部130Zがサステインパルスを供給するとき、スキャン電極駆動部130YのスイッチS4は、ターンオン状態を維持する。
【0042】
第1ダイオードD1〜第12ダイオードD12は、カソード端からアノード端へ流れる電流を遮断する。
【0043】
スキャン電極駆動部130Yは、スイッチS1、スイッチS2、スイッチS3、スイッチS4の順にターンオンして、スキャン電極Yにサステインパルスを供給する。スキャン電極駆動部130Yの1つのスイッチがターンオンすると、スキャン電極駆動部130Yの残りのスイッチはターンオフする。
【0044】
サステイン電極駆動部130Zは、スイッチS5、スイッチS6、スイッチS7、スイッチS8の順にターンオンして、サステイン電極Zにサステインパルスを供給する。サステイン電極駆動部130Zの1つのスイッチがターンオンすると、サステイン電極駆動部130Zの残りのスイッチはターンオフする。
【0045】
スキャン電極駆動部130Y及びサステイン電極駆動部130ZのインダクタLY、LZは、スイッチS1、スイッチS3、スイッチS5又はスイッチS7のうちの1つがターンオンする時に共振を形成する。これにより、エネルギー貯蔵部110のキャパシタCaは、第2電圧V2に該当するエネルギーを第2電極Yを介して供給又は回収し、サステイン電極駆動部130ZのキャパシタCZは、第2電圧V2に該当するエネルギーを第2電極Zを介して供給又は回収する。
【0046】
図2のスキャン電極駆動部130Yと第1電極駆動部120は、エネルギー貯蔵部110のキャパシタCaを共に使用するので、エネルギー効率を上げることができ、かつ、部品の数を減らすことができる。
【0047】
図3に示すように、本発明の実施の形態に係る他のプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル100、エネルギー貯蔵部110、第1電極駆動部120及び第2電極駆動部130(スキャン電極駆動部130Y及びサステイン電極駆動部130Z)を含む。
【0048】
エネルギー貯蔵部110は、複数のキャパシタを備え、複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、第2電圧V2を供給し、少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、第1電圧V1を供給する。
【0049】
例えば、エネルギー貯蔵部110は、第1キャパシタCb、第2キャパシタCc及び第3キャパシタCaを備える。第1キャパシタCb及び第2キャパシタCcは、互いに直列接続され、第3キャパシタCaは、第1キャパシタCb及び第2キャパシタCcに並列接続される。また、第1電極駆動部120は、第1キャパシタCbと第2キャパシタCcの共通端に接続される。第3キャパシタCaは、第2電圧V2を供給する。第1キャパシタCb及び第2キャパシタCcは、第1電圧V1を供給する。すなわち、第1キャパシタCb及び第2キャパシタCcは、第3キャパシタCaに形成された第2電圧V2を分圧することで、第1電圧V1を形成する。したがって、第1電圧V1のレベルは、第2電圧V2のレベルより小さい。
【0050】
また、第2キャパシタCcのキャパシタンスは、第1キャパシタCbのキャパシタンスより大きくてもよい。例えば、サステイン電圧Vsが180Vであり、データ電圧Vccが80Vであるとき、第1キャパシタCbの一方の端Tの電圧は90Vであり、第2キャパシタCcの共通端CTの電圧は40Vである。したがって、一方の端Tと共通端CTとの間の電圧は50Vであるから、第2キャパシタCcのキャパシタンスは、第1キャパシタCbのキャパシタンスより大きくすることができる。
【0051】
図3の第1電極駆動部120の構成は、図2の第1電極駆動部120の構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0052】
第1スイッチSX1とデータドライバDDのトップスイッチSTがターンオンすると、第1キャパシタCb及び第2キャパシタCcによって形成された第1電圧V1に該当するエネルギーが、第1スイッチSX1、インダクタLX及びトップスイッチSTを介して第1電極Xに供給される。これにより、第1電極Xの電圧は、第1電圧V1の2倍まで次第に上昇する。
【0053】
第2スイッチSX2とトップスイッチSTがターンオンし、第1スイッチSX1とボトムスイッチSBがターンオフすると、外部電圧源から供給されたデータ電圧VccがデータドライバDDを介して第1電極Xに供給される。
【0054】
第1スイッチSX1とデータドライバDDのトップスイッチSTがターンオンし、第2スイッチSX2とボトムスイッチSBがターンオフすると、第1電圧V1に該当するエネルギーが第1電極X、トップスイッチST、インダクタLX及び第1スイッチSX1を介してエネルギー貯蔵部110の第2キャパシタCcに回収される。
【0055】
データドライバDDのボトムスイッチSBがターンオンし、第1スイッチSX1、第2スイッチSX2及びトップスイッチSTがターンオフすると、グランドレベルの電圧が第1電極Xに供給される。
【0056】
スキャン電極駆動部130Yとサステイン電極駆動部130Zのそれぞれの動作は、図2の回路と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0057】
図3の回路も、第1電極駆動部120と第2電極駆動部130がエネルギー貯蔵部110を共に使用するので、エネルギー効率を上げることができ、かつ、部品の数を減らすことができる。
【0058】
図4に示すように、本発明の実施の形態に係る他のプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル100、エネルギー貯蔵部110、第1電極駆動部120及び第2電極駆動部130(スキャン電極駆動部130Y及びサステイン電極駆動部130Z)を含む。
【0059】
プラズマディスプレイパネル100及び第2電極駆動部130の構成は、図2及び図3の回路と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0060】
図4のエネルギー貯蔵部110は、複数のキャパシタを備え、複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、第2電圧V2を供給し、少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、第1電圧V1を供給する。第1電極駆動部120は、第1電圧V1に該当するエネルギーを第1電極Xを介して供給又は回収し、第1電極Xに第2電圧V2を供給する。
【0061】
第1電極駆動部120は、第1スイッチSX1、第2スイッチSX2、データドライバDDを含む。第1スイッチSX1は、上記残りのキャパシタ及びインダクタLXの間に接続されて、ターンオン時にエネルギーの供給経路及び回収経路を形成する。データドライバDDは、インダクタLXに接続されて、第1電極Xを介して第1電圧V1に該当するエネルギーを供給又は回収する。第2スイッチSX2は、少なくとも1つのキャパシタから供給された第2電圧V2をデータドライバDDを介して第1電極Xに供給する。
【0062】
例えば、エネルギー貯蔵部110は、第1キャパシタCb、第2キャパシタCc及び第3キャパシタCaを含む。第1キャパシタCb、第2キャパシタCc及び第3キャパシタCaの接続は、図3の接続関係と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
第1キャパシタとCbと第2キャパシタCcの共通端CTは、第1スイッチSX1に接続され、第2スイッチSX2は、第1キャパシタCbの一方の端Tに接続する。
【0064】
したがって、上記の図3の回路では、第1電極Xの電圧が第1電圧V1の2倍まで次第に上昇した後、外部電圧源からデータ電圧Vccが第1電極Xに供給されが、これとは異なり、図4の回路では、エネルギー貯蔵部110の第3キャパシタCaから供給された第2電圧V2が第1電極Xに供給される。
【0065】
これにより、図4のスキャン電極駆動部130Yと第1電極駆動部120は、エネルギー貯蔵部110を共に使用するので、エネルギー効率を上げることができ、かつ、部品の数を減らすことができる。
【0066】
図1〜図4の実施の形態では、スキャン電極駆動部130Yと第1電極駆動部120がエネルギー貯蔵部110を共に使用しているが、サステイン電極駆動部130Zと第1電極駆動部120がエネルギー貯蔵部110を共に使用することもできる。
【0067】
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置を示したものである。
【図2】図1のエネルギー貯蔵部、第1電極駆動部及び第2電極駆動部の回路の一例を示したものである。
【図3】図1のエネルギー貯蔵部、第1電極駆動部及び第2電極駆動部の回路の他の一例を示したものである。
【図4】図1のエネルギー貯蔵部、第1電極駆動部及び第2電極駆動部の回路の他の一例を示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極及び第2電極を備えるプラズマディスプレイパネルと、
第1電圧及び第2電圧、又は第2電圧を供給するエネルギー貯蔵部と、
アドレス期間において、前記エネルギー貯蔵部の前記第1電圧又は前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第1電極を介して供給又は回収する第1電極駆動部と、
サステイン期間において、前記エネルギー貯蔵部の前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第2電極を介して供給又は回収する第2電極駆動部と
を含み、、
前記第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さいことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵部は、キャパシタを含み、
前記キャパシタは、前記第2電圧を供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵部は、複数のキャパシタを含み、
前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、前記第2電圧を供給し、
前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電圧を供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記エネルギー貯蔵部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、第3キャパシタと、を含み、
前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは、互いに直列接続され、前記第3キャパシタは、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタに並列接続され、
前記第1電極駆動部は、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとの共通端に接続されることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵部は、複数のキャパシタを含み、
前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、前記第2電圧を供給し、前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電圧を供給し、
前記第1電極駆動部は、前記第1電圧に該当するエネルギーを前記第1電極を介して供給又は回収し、前記第1電極に前記第2電圧を供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第2電極は、スキャン電極又はサステイン電極のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
第1電極及び第2電極を含むプラズマディスプレイパネルと、
第1電圧及び第2電圧、又は第2電圧を供給するエネルギー貯蔵部と、
アドレス期間において、前記エネルギー貯蔵部の第1電圧又は前記第2電圧に該当するエネルギーをインダクタと前記第1電極を介して供給又は回収する第1電極駆動部と、
サステイン期間において、前記エネルギー貯蔵部の前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第2電極を介して供給又は回収する第2電極駆動部と
を含み、
前記第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さいことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1電極駆動部は、第1スイッチとデータドライバを含み、
前記第1スイッチは、前記エネルギー貯蔵部及び前記インダクタの間に接続されて、ターンオン時に前記エネルギーの供給経路及び回収経路を形成し、
前記データドライバは、前記インダクタに接続されて、前記第1電極を介して前記第1電圧又は前記第2電圧に該当するエネルギーを供給又は回収することを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
前記エネルギー貯蔵部は、
前記第1電極駆動部を介して供給又は回収された前記エネルギーに該当する前記第2電圧を供給するキャパシタを含み、
前記第1電極駆動部は、第1スイッチとデータドライバを備え、
前記第1スイッチは、前記キャパシタ及び前記インダクタの間に接続されて、ターンオン時に前記エネルギーの供給経路及び回収経路を形成し、
前記データドライバは、前記インダクタに接続されて、前記第1電極を介して前記エネルギーを供給又は回収することを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵部は、複数のキャパシタを含み、
前記複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、前記第2電圧を供給し、前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電圧を供給し、
前記第1電極駆動部は、第1スイッチとデータドライバを備え、
前記第1スイッチは、前記残りのキャパシタ及び前記インダクタの間に接続されて、ターンオン時に前記エネルギーの供給経路及び回収経路を形成し、
前記データドライバは、前記インダクタに接続されて、前記第1電極を介して前記第1電圧に該当する前記エネルギーを供給又は回収することを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1電極駆動部は、第2スイッチをさらに含み、
前記第2スイッチは、外部電圧源から供給されたデータ電圧を前記データドライバを介して前記第1電極に供給することを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項12】
前記第1電極駆動部は、第2スイッチをさらに含み、
前記第2スイッチは、前記少なくとも1つのキャパシタから供給された前記第2電圧を前記データドライバを介して前記第1電極に供給することを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、第3キャパシタと、を含み、
前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは、互いに直列接続され、前記第3キャパシタは、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタに並列接続され、
前記第1電極駆動部は、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとの共通端に接続されることを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのキャパシタを除いた残りのキャパシタは、前記第1電極駆動部に接続する第1キャパシタと、前記第1キャパシタに接続する第2キャパシタとを含み、
前記第2キャパシタのキャパシタンスは、前記第1キャパシタのキャパシタンスより大きいことを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項15】
エネルギー貯蔵部と、第1電極と、第2電極と、を備えるプラズマディスプレイ装置の駆動方法において、
アドレス期間において、前記エネルギー貯蔵部によって供給される第1電圧又は第2電圧に該当するエネルギーを前記第1電極を介して供給又は回収するステップと、
サステイン期間において、前記エネルギー貯蔵部によって供給される前記第2電圧に該当するエネルギーを前記第2電極に供給又は回収するステップと
を含み、
前記第1電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより小さいことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項16】
前記アドレス期間において、
前記第2電圧に該当する前記エネルギーを前記第1電極に供給するステップと、
前記第1電極に定電圧を供給するステップと、
前記第1電極から前記第2電圧に該当する前記エネルギーを前記エネルギー貯蔵部に回収するステップと、
前記第1電極にグランドレベルの電圧を供給するステップと、
を含む請求項15に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項17】
前記アドレス期間において、
前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記第1電極に供給するステップと、
前記第1電極に定電圧を供給するステップと、
前記第1電極から前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記エネルギー貯蔵部に回収するステップと、
前記第1電極にグランドレベルの電圧を供給するステップと、
を含む請求項15に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項18】
前記アドレス期間において、
前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記第1電極に供給するステップと、
前記第1電極に前記第2電圧を供給するステップと、
前記第1電極から前記第1電圧に該当する前記エネルギーを前記エネルギー貯蔵部に回収するステップと、
前記第1電極にグランドレベルの電圧を供給するステップと、
を含む請求項15に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−213076(P2007−213076A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28461(P2007−28461)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】