説明

プラズマ分析装置及びプラズマ分析方法

【課題】高マトリクス溶液試料をプラズマ化する前に希釈するのに適した新規の装置及び方法を提供する。
【解決手段】スプレーチャンバ20から延出し、プラズマトーチ30に連結される輸送管70の途中に追加のガスG2による気流が提供される。霧化された分析試料は、輸送管70を通過して、スプレーチャンバ20内に導入されたガスG1によってスプレーチャンバ20からプラズマトーチへ向けて移動するが、移動方向に対して交差する追加のガスG2の気流の存在によって、移動が妨害される。その際、霧を構成する液粒は、相互に結合し、比較的大きな径の粒となり、輸送管70の途中の壁面に液滴を形成する。これによって、プラズマトーチ30に達する試料の量を再現性良く制御して減らすことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを利用して元素の定量分析を行うプラズマ分析装置又はプラズマ分析方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマを用いた分析手法で、主に無機元素を分析する化学分析手法が、従来知られている。当該手法によれば、アルゴン等のガスを用いてプラズマトーチにプラズマを生成し、当該プラズマ内に被分析試料を送り入れる。一つの手法では、プラズマ内で生じる発光の分析を行い、他の手法では、生成されたプラズマからイオンを取り出し、そのイオンの質量分析を行う。これらの手法は、それぞれ、プラズマ発光分析法、及びプラズマ質量分析法として広く利用されている。プラズマ発生のためのエネルギー源としては、例えば、高周波の電磁場が利用される。
【0003】
プラズマ質量分析法による分析装置として、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)が知られている。当該装置では、先ず前段の部分で、多くの場合に液体である分析試料を霧状にし、プラズマ内に投入する。後段の部分では、プラズマの一部をイオンビームの形で取り出し、取り出したイオンを質量電荷比によって分離して、これを検出し、その出力から元素を同定する。
【0004】
さらに詳述すれば、当該装置の前段部分は、液体試料を取り出す試料準備手段、及び準備された液体試料を霧化するスプレーチャンバを含む。試料準備手段は、試料容器から液体試料を吸い上げる吸引配管を含み、必要とされる場合には、吸引配管の一部に送液手段を備える。一つの応用によれば、組み合わせられた複数の送液手段を制御することによって、液体試料と他の溶液とを所定割合で混合することができ、したがって、溶液の濃度を変更することもできる。典型的には、送液手段として、ペリスタルティックポンプが使用される(特許文献1)。
【0005】
スプレーチャンバは、霧吹きの原理によって、所定流量のガスを用いて液体試料を小径の液粒の形態に変えるネブライザを含む。ネブライザによって発生した多数の液粒は、スプレーチャンバ内の空間を通過する際に分級される。すなわち、液粒のうち、比較的大きな粒径のものは、スプレーチャンバ内に残って内面に付着し、下方に流れて排液となる。一方、比較的粒径の小さい液粒は、スプレーチャンバ内に導入されるガスと共に、霧又はエアロゾルの態様でスプレーチャンバから排出される。なお、スプレーチャンバ内に導入されるガスは、ネブライザでの霧吹きに用いたガス、及び必要に応じてスプレーチャンバの別の位置で導入されるガスを含む。
【0006】
スプレーチャンバから排出される分析試料の液粒は、輸送管を介してプラズマトーチへと導かれる。プラズマトーチには、予めアルゴン等のガスによるプラズマが作られており、分析試料の液粒は、当該プラズマ内に投入され、イオン化される。分析試料の液粒がプラズマトーチ内へ投入される前に、輸送管の途中でシースガスが導入されることもある。シースガスは、輸送管内部の液粒の流れを円滑化するためのものである。シースガスの導入には、通常、2重構造の管が用いられる(特許文献2)。
【特許文献1】特開平11−6788号公報
【特許文献2】特開平6―102249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種の装置で、分析を容易に行うことが期待される試料の一つに、高マトリクス溶液試料がある。高マトリクス試料とは、被測定元素以外に高濃度の金属塩他の水溶性物質を含む試料をいう。高マトリクス試料を分析する手法として、例えば、上述したように、試料溶液を液体状態で他の溶液又は溶媒と混合し、マトリクス元素の濃度を低くすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、かかる手法によれば、溶液の処理に際して、他の元素が混じる虞があり、微量元素の分析には好ましくない。また、かかる溶液混合の処理のため、追加の装置が必要になり、分析動作に要する全体の時間が長くなってしまう。そこで、マトリクス元素を高濃度で含む溶液をそのまま装置に投入して分析を行えることが好ましい。
【0009】
高マトリクス試料を分析試料として使用した場合の主要な問題点は、上述したところの装置の後段に位置するイオンビームを取り出し又は制御する各要素を汚染し、分析に悪影響を及ぼす点である。具体的には、以下の点が問題点として挙げられる。
【0010】
第1に、装置の後段部分には、プラズマに面してイオンビームを通過させるためのオリフィスを備えたインタフェース要素(サンプリングコーン及びスキマーコーン)が設けられているが、高マトリクス試料を、濃度を下げることなくプラズマ化した場合には、マトリクス元素がインタフェース要素に付着して、オリフィスを閉塞させてしまうことがある。そのような場合には、イオンがインタフェースを通過できず、分析ができない。また、閉塞まではいかなくとも、付着したマトリクス元素がオリフィスの開口径を小さくしてしまい、感度が非常に小さいために分析を行うことができなくなってしまう虞もある。
【0011】
第2に、装置の後段部分に入ったマトリクス元素は、インタフェース及びそれ以外の要素に付着して、真空室内を汚染する、各要素に付着したマトリクス元素は、当該分析に続く次の分析の際にノイズとなり得る。そこで、高マトリクス試料の分析測定後には、装置内部を洗浄する必要が生じる。結果として、装置の分解、洗浄、組立のメンテナンス作業の手間を生じ、余計な時間が必要になる。
【0012】
第3に、特に高いマトリクス濃度の試料の場合には、マトリクス元素は、プラズマトーチにも付着する。すなわち、マトリクス元素は、プラズマトーチのプラズマ生成側の端の位置で内管を閉塞するように析出する。これによってプラズマ内に導入される試料が過度に少なくなり分析ができなくなることがある。また、次の分析を行う前に、プラズマトーチの交換又は洗浄を行う必要が生じる。
【0013】
そこで、試料を溶液として取り出した後でプラズマ化する前に、高マトリクス試料のマトリクス濃度を効果的に低くすることができれば、上述の問題は解決される。すなわち、本発明の第1の目的は、溶液である高マトリクス試料のマトリクス濃度をプラズマ化する前に効果的に下げるための新規の希釈手段を備えた装置及びその動作方法を提供することにある。
【0014】
本発明の第2の目的は、上述の場合に、高マトリクス試料のマトリクス濃度を低下させる程度、すなわち希釈の程度を再現性良く制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では、スプレーチャンバから延出してプラズマトーチへと連結される輸送管の途中位置で、追加のガスによる気流が提供される。スプレーチャンバで霧化された分析試料は、上述したように、スプレーチャンバ内に導入されたガスによって、輸送管内をプラズマトーチへと移動するよう運ばれるが、分析試料の移動方向に対して交差する方向に流れる追加のガスによる気流によって、その移動が妨害される。妨害を受けた際、霧を構成する液粒は、相互に結合して比較的大きな径の粒となって輸送管の途中の壁面上に液滴を形成する。結果として、プラズマトーチへ到達する分析試料を含む液粒が減らされ、プラズマトーチでプラズマ化されるマトリクス元素他の元素の量が減らされる。
【0016】
すなわち、本発明は、導入される第1のガスの少なくとも一部を用いた噴霧によって分析試料である溶液を霧化するスプレーチャンバと、霧化された分析試料を第1のガスと共に輸送する輸送管と、輸送管に連結されて当該輸送管を通して輸送された分析試料をプラズマ内へ導入するプラズマトーチとを備えたプラズマ生成手段を含むプラズマ分析装置であって、特に、第1のガスとは無反応の第2のガス(すなわち、追加のガス)を、輸送管の長さ方向の途中位置で輸送管内面の一側面から対向面に向かう気流を生じるようにして導入し、当該気流の存在によって霧化された分析試料の一部を途中位置で液滴に変え、プラズマトーチに到達する分析試料の全量を減らすようにしたプラズマ分析装置を提供する。
【0017】
さらに、本発明は、液体である分析試料を試料容器から吸い上げる工程と、吸い上げた分析試料を、スプレーチャンバに導入される第1のガスの少なくとも一部を用いて噴霧し、スプレーチャンバ内に霧化した分析試料を生成する工程と、霧化された分析試料を第1のガスとともに輸送してプラズマトーチへと導く工程と、プラズマトーチで霧化された分析試料をプラズマ状態にする工程と、プラズマの発光又はプラズマから取り出したイオンを検出して、元素の同定を行う工程とを含むプラズマ分析方法であって、特に、霧化された分析試料をプラズマトーチへと導く工程が、第1のガスとは無反応の第2のガス、すなわち追加のガスを、輸送管の長さ方向の途中位置で輸送管内面の一側面から対向面に向かう気流を生じるようにして導入し、該気流の存在により霧化された分析試料の一部を途中位置で液滴に変えて輸送管の内面に付着させ、プラズマトーチに到達する分析試料の全量を減らす工程を含むようにしたプラズマ分析方法を提供する。
【0018】
スプレーチャンバの後段で導入される追加のガスは、スプレーチャンバ内に導入されるガスと同種のガスとしても良く、例えば、両者は、共にアルゴンガスとされる。他の場合には、第1のガスをアルゴンガスとし、第2のガスを酸素ガスとしても良い。追加のガスの導入流量を制御することで、再現性の良い動作を保証できる。追加のガスは、小径の管である小管部から導入され、噴流又はジェットを構成し得る。この場合、追加のガスが導入されるときの流速は、スプレーチャンバから排出され輸送管内を移動するガスの流速の少なくとも50倍を超え、条件によっては、100倍を超えるように設定され得る。小管部は、輸送管と一体に形成しても良いし、単独の部品としても良い。いずれの場合も、比較的大径の管の先端に小管部を連結することにより、小管部内での追加のガスの流速を高めることができる。
【0019】
輸送管は、スプレーチャンバから高さ方向を上方に向けて延びる立上り部分を備え、追加のガスを導入する小管部は、当該立上り部分に連結されるように構成することができる。このとき、液滴は、重力によって立上り部分からスプレーチャンバ内へと戻るように輸送管内面を流れて移動する。
【0020】
この場合、追加のガスを導入する位置からスプレーチャンバまでの輸送管の内面の少なくとも一部に、液滴が留まらない性質の表面部分を設けることができる。当該表面部分は、親水性又は撥水性(疎水性)を高めるよう処理された部分を含み得る。例えば、当該表面部分は、親水性を高めるべくすりガラス状に加工された内面から構成しても良く、或いは、親水性又は撥水性を高めるべく内面を被覆したコーティング膜から構成しても良い。また、他の場合には、当該表面部分を含む部品が輸送管の一部を構成するようにしても良い。
【0021】
立上り部分には、液滴がスプレーチャンバに戻されることを補助するよう適時動作する洗浄手段を設けても良い。例えば、当該洗浄手段は、立上り部分の途中位置からスプレーチャンバに向けて流される液体流又は気体流を提供する手段とすることができる。
【0022】
立上り部分は、スプレーチャンバから鉛直方向に延びるものでなく、傾斜するものであって良いが、液滴の移動を円滑に行わせるため、水平面から45度以上の角度を成すようにするのが好ましい。
【0023】
一方、小管部は、追加のガスの導入方向が輸送管内を霧化された分析試料が輸送される向きに対して直角又は鈍角を成すような向きで、輸送管に連結され得る。また、当該小管部は、輸送管とは別体の管状部材から構成されても良い。
【0024】
プラズマ分析装置は、追加のガスの流量を制御するための制御装置を有し得る。当該制御装置は、合わせて、スプレーチャンバ内に導入されるガスの流量を制御し得る。すなわち、この場合、制御装置は、スプレーチャンバ内に導入されるガス及び追加のガスの総流量及び両者の比を制御することができる。
【発明の効果】
【0025】
輸送管を横断するように流れる追加のガス(すなわち、第2のガス)の導入によって、霧化された分析試料の一部を輸送管の途中で液滴に変え、これによってプラズマトーチへ到達する分析試料を含む液粒の量を効果的に減らすことができるので、分析試料が高マトリクス試料であった場合も、他の特別な希釈の手段を必要とすることなく、連続して分析作業を行うことができる。また、追加のガスの導入量を制御することで、希釈の程度、すなわち、生成される液滴の量を制御することができ、それによって、再現性の良い分析が可能となる。
【0026】
さらに、本発明では、追加のガスを輸送管を横断するようにして、好ましくは、噴流の態様で導入するために、比較的少量のガス導入でも分析試料を効果的に液滴に変更することができる。換言すれば、スプレーチャンバに導入されるガス及び追加のガスの総流量が決められている場合に、前者のガスの流量を過度に減らす必要がない。このことは、分析試料の噴霧を行う際に使用されるネブライザの種類の選択の自由度を高め、また、ネブライザの安定動作を保証することができる点で利点となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明のプラズマ分析装置、及びプラズマ分析方法の最良となる実施形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施形態となる誘導結合プラズマ質量分析装置の構成のうち、プラズマを生成するべく前段に設けられたプラズマ生成手段を主として示す概略構成図である。プラズマ生成手段は、試料溶液41を噴霧して分級することにより霧化するスプレーチャンバ20、及びスプレーチャンバ20から輸送される霧化された試料をプラズマ内に取り入れるプラズマトーチ30を有する。スプレーチャンバ20とプラズマトーチ30とは、霧化された試料を輸送するための輸送管70を介して連結されている。
【0029】
プラズマ生成手段の直後には、質量分析部の一部を構成するインタフェース50が配置される。インタフェース50は、サンプリングコーン51及びスキマーコーン52を含み、生成されたプラズマからイオンビームを取り出す役割を担う。取り出されイオンビームは、図示しない分離手段によって質量電荷比に基づいて分離され、さらに後段にある検出手段によって検出される。
【0030】
一方、プラズマ生成手段の前段、すなわち、スプレーチャンバ20の前段には、試料容器40が接続される。試料容器40内には、典型的には、液体である分析試料41が入れられる。分析試料41として、種々のマトリクス濃度の溶液が用意される。図1中には、単一の容器のみが示されるが、連続分析、又は溶液の混合を行うために、複数の試料容器40を用意することができる。
【0031】
試料容器40には、試料吸上げ手段42が結合される。試料容器40中の分析試料41は、当該試料吸上げ手段42によって、スプレーチャンバ20へと導かれる。試料吸上げ手段42は、ガラス管、樹脂製チューブ、内部に溶融シリカのコーティングを含むか又は含まない金属配管等から構成される。樹脂製チューブに関して、チューブを構成する樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、ピーク樹脂(登録商標「PEEK」)等が用いられる。応用によっては、送液のためにペリスタルティックポンプが用意され得る。ペリスタルティックポンプは、試料吸上げ手段42の一部を構成する樹脂製のチューブ部分に設置される。
【0032】
試料容器40から導かれた試料は、スプレーチャンバ本体21に結合されたネブライザ60の試料入口61に入れられる。ネブライザ60では、さらに、試料の流れと通常平行となる気流を成すガスG1が、ガス導入口62より導入される。ガスG1は、アルゴンガス等の不活性なガスとされる。図示されるように、ネブライザ60先端では、これらのガスG1及び液体試料が近接した位置からスプレーチャンバ本体21内へと排出されることになる。このとき、霧吹きの原理によって、試料の噴霧作用が生じ、液体試料は液粒の形態に変えられる。
【0033】
噴霧された液体試料は、種々の径の液粒を構成する。これらのうち、比較的大径の重い液粒は、スプレーチャンバ本体21内面に付着し、当該内面に沿って重力により下方に移動し、ドレイン22より排出される。比較的小径の軽い液粒は、チャンバ空間23内をガス流に運ばれて周回するように運ばれ、その一部が輸送管70へと導かれる。図1中では、スプレーチャンバ20内に導入されるガスG1は、ネブライザ60のみに提供されるように示されるが、それに加えて、ネブライザ60を介さずに直接スプレーチャンバ本体21内に導入されるガスG1を含むこともできる。なお、図1中では、スプレーチャンバは、スコット型(ダブルパスタイプ)のものとして示しているが、本発明は、サイクロン型等の他の型のスプレーチャンバであっても適用可能である。スプレーチャンバに導入されるガスG1の流量は、後述の追加のガスG2の流量とともに、ガス流量制御装置90によって制御され得る。
【0034】
さらに、図1に示されるように、輸送管70は、略L字形状とされ、スプレーチャンバ20から上方に向けて延びる立上り部分71、及びプラズマトーチ30に向けて水平方向に延びる水平部分72を有する。図1の例では、図中の角度αは、略90度とされ、立上り部分は、略鉛直方向に延びる。霧化された試料は、輸送管70内を流れるガス流によって運ばれ、立上り部分71及び水平部分72を通過してプラズマトーチ30へと導かれる。立上がり部分71及び水平部分72の内径は、必ずしも同じである必要はない。また、図中では、輸送管70は、スプレーチャンバ20、及び後述するプラズマトーチ30の内管32と連続して示されるが、典型的には別体のものとして用意され、それらと結合されて使用される。本実施形態では、誘導結合プラズマ質量分析装置を示して本発明を説明するため、水平成分72を示しているが、本発明は、プラズマ分光分析装置で採用されるような直立のプラズマトーチにも適用され得る。
【0035】
プラズマトーチ30は、内管32、外管33、最外管34を含む三重管の構成を有する。内管32は、試料の導入のためのものであり、内管32及び外管33は、それぞれプラズマガス及び補助ガスを供給するためのものである。プラズマトーチ30には、まずプラズマガス、補助ガスが流され、その状態で図示しない高周波電源に接続されたコイル31により、高周波の電磁場が提供される。これにより、プラズマトーチ30上にプラズマ(破線P参照)を生ぜしめることができる。
【0036】
霧化された分析試料は、プラズマの発生後に、内管32を通してプラズマ内に導入される。これにより、試料を構成する元素は、プラズマ中でイオンの形態となる。分析試料構成元素のイオンを含むプラズマの一部は、前述のように、インタフェース50を介して、図示しない後段の質量分析部へと導かれる。
【0037】
本発明の主たる特徴は、図1中に破線部Aとして示されるところの、輸送管70の構成及びその作用にある。第1の特徴は、小径の小管部80が、輸送管70の途中位置で交差する方向に向けて結合され、当該小管部80からガスG2が所定の流速で導入される点にある。これにより、輸送管70中をプラズマトーチ30へと向かうところの霧化された分析試料の一部が比較的大径の液滴へと変化し、輸送管70の内面に付着することとなり、結果としてプラズマトーチ30に到達する分析試料の量を意図して減らすことができる。
【0038】
第2の特徴は、当該小管部80の結合位置が、立上り部分71の途中位置であることである。これにより、輸送管70の立上り部分の内面に付着した液滴は、重力の働きによって、下方へと流れ、スプレーチャンバ20内へと戻される。
【0039】
図2は、本発明の特徴となる、小管部から導入されるガスの作用を模式的に示した概略図である。これらの特徴的な構成及び作用について、図2を参照して、さらに詳述する。図2に示されるように、小管部80を介して追加のガスG2が導入される。小管部80の径は、立上り部分71における輸送管70の径に比較して十分小さく設定される。例えば、立上り部分71における輸送管70の径を5.5ミリメートルとしたときに、小管部80の径を、0.3ミリメートル乃至0.5ミリメートルとすることができる。
【0040】
小管部80の径が比較的小さいため、小管部80から輸送管71に流れ込むガス流F2は、比較的速い流速を有し、輸送管70を交差するように流れる。多くの場合、ガス流れF2は、ガスジェット又は噴流を形成する。この結果、輸送管70の立上り部分71をガス流F1によって上昇するように流れる霧化された試料の一部は、特に対向する側の内面78に向けて集められる傾向を生じる。内面78付近では、液粒間の距離が小さくなって一部の液粒同士が結合し、より大きな径の液粒へと成長し、内面78上に比較的大径の液滴45を生じる。かかる現象により、霧化された試料の液粒の一部は、輸送管70の途中でトラップされ、小管部80の位置を通過して上方へと向かう試料の量が減らされることとなる。
【0041】
さらに、図示し或いは上述したように、かかる小管部80は、ほぼ鉛直方向に延びる輸送管70の立上り部分71に設けられている。上述の過程で生じた液滴45は、内面78に沿って、重力の作用によって下方、すなわち、スプレーチャンバ20へと戻る方向に流れることになる(矢印B参照)。立上り部分71の内部空間の断面は、径が比較的小さく(5乃至6ミリメートル程度)、液滴45が立上り部分71内に多量に滞留すると、十分な分析感度が得られず、或いは管の閉塞により分析ができなくなるおそれがある。上述した重力による液滴の除去作用により、かかる弊害が防止される。
【0042】
この場合、液滴45が、よりスムーズに下方へ移動できるように、輸送管70の立上り部分71の内面78の少なくとも一部に、親水性又は撥水性の高い表面部分73を設けることが好ましい。
【0043】
当該表面部分73は、具体的には、親水性を高めるよう、すりガラス状に加工された内面とすることができる。また、他の場合には、当該表面部分73は、親水性又は疎水性を高めるよう、内面78上に設けられたコーティング膜を含むようにすることができる。さらに、他の場合には、当該表面部分は、輸送管70の少なくとも長さの一部を構成する部品を用い、その内側面が親水性又は撥水性の高い材料から構成されるようにしても良い。図1及び図2では、表面部分73は、小管部80に対向する側の内面にのみ表されているが、液滴が付着し、下方に向けて流れる際に流路の一部となるあらゆる側面について、親水性又は撥水性の高い表面部分73を設けることができる。
【0044】
図3は、小管部の構成例を示す概略断面図である。図3(a)の例では、小管部80aは輸送管70と一体に形成され、又は別体にして輸送管70に結合される。図示されるように、この例では、小管部80aは、比較的大径の大管部81に連続して形成される。かかる構成を採ることによって、小管部80a内を流れる流速の速いガス流を比較的簡易な手法で実現することができる。
【0045】
図3(b)の例では、小管部80bは、輸送管70とは別体の部品とされ、輸送管70に設けられた開口部82内に配置されている。小管部80bの先端は、実線で示されるように、輸送管70の内面にそろった位置で終端され得るが、破線84で示すように、輸送管70内部まで入り込むよう(例えば、直径の1/4乃至1/2の寸法まで)にすることもできる。小管部80bは、開口部82内で、リング部品等のシール部材83によって密封された状態で支持される。かかる構成によって、小管部80bを構成する部品の製造、並びに組立のための取扱いが容易になる。
【0046】
図3(c)の例では、小管部80cは、輸送管70に対して直交する向きでなく、所定の角度で傾斜するように設置される。輸送管70内での霧化された試料の流れを妨害し、効果的に液滴を生成するためには、角度βは、鋭角となる(すなわち、小管部80cは、追加のガスG2の導入向きが、輸送管70内を霧化された分析試料が輸送される向きに対して鈍角の角度を成すような向きで輸送管70に結合される)のが好ましい。
【0047】
なお、図3(a)乃至(c)の各例は、互いに独立したものではなく、互いに組み合わせた構成として実現可能である。例えば、図3(a)のように、大径部81の先に延びる小管部80aを図3(b)における小管部80bとして、シール部材83によって保持することも可能である。
【0048】
図4は、輸送管の変形例を示す図である。図4に示す輸送管170は、プラズマトーチに向けて水平に延びる水平部分172に対して、立上り部分171が、鉛直方向でなく、傾斜した方向に延びる。上述の例と同じ原理で生成した液滴は、重力により、傾斜する内面に沿って下方に移動する(矢印B’参照)。上述したところの親水性又は撥水性の高い表面部分173は、少なくとも重力が作用したときに液滴の流れる流路となる内面の全面に形成され得る。図中の角度α’は、表面部分173の性質等を考慮して選択されるべきであるが、好ましくは、135度よりも小さい角度として(すなわち、立上り部分が、水平面から45度以上の角度を成すよう)決定され得る。
【0049】
図5は、輸送管のうち、立上り部分についての更なる変形例を示す図である。図1との対比で、同様に作用する要素については、参照番号に200を付して、説明を省略する。本例の特徴は、立上り部分271の途中に段部275が設けられる点である。すなわち、本例では、立上り部分271は、上部に位置する比較的小径の上管部274、その下端に外側に広がるよう設けられる段部275、段部275に連続して下方に傾斜して延びる傾斜部276、及び比較的大径にしてスプレーチャンバ220に連続する下管部277を有する。
【0050】
図示されるように、段部275、傾斜部276、及び下管部277は、立上り部分271内に小チャンバ279を構成する。小管部280は、傾斜部276付近で、この小チャンバ279に結合される。小管部280から導入されたガスG2による気流は、小チャンバ279を交差するように移動する。段部275を設けたことにより、気流に吹かれた液滴が上管部274に移動することが防止され、結果として生成された液滴は、下方に向けて移動することとなる。
【0051】
この例でも、上述の例と同様に、液滴は、この輸送管内チャンバ279の内面、すなわち、傾斜部276又は下管部277の内面に沿って生成され、その後、それらの内面に沿って下方に移動することになる。したがって、かかる流路に沿って、親水性又は撥水性の高い表面部分273を設けることが好ましい。
【0052】
図6は、液滴が滞留しないことを保証するために、洗浄手段を設けた変形例を説明する図である。図1との対比で、同様に作用する要素については、参照番号に300を付して、説明を省略する。洗浄手段は、参照番号391で示される。図中のCFは、洗浄に用いられるガス又は液体等の流体を示す。
【0053】
洗浄手段391は、所定の試料の分析が終了した後等の所定のタイミングで、管内を洗浄するためのガス流又は液体流を、立上り部分371内に供給する。立上り部分371の内面に付着していた液滴は、洗浄されてスプレーチャンバ320を介してドレイン322から排出される。これによって、立上り部分371の内面の親水性又は撥水性の高い状態が維持され、その後の分析中にも液滴は効果的に流れ落ちることができる。
【0054】
図7は、本発明による装置又は方法の作用効果を説明するグラフである。比較のため2種類の実験データが示される。図中で、D1は、比較的流量の速い追加ガスによる希釈作用、D2は、比較的流量の遅い追加ガスによる希釈作用を示す。より具体的には、D1は、追加のガスの流速が早くなるよう、小管部の径を小さく採った場合(本実験例では、0.3ミリメートル)を示しており、D2は、追加のガスの流速が比較的遅くなるよう、小管部の径を大きく採った場合(本実験例では、2ミリメートル)を示している。グラフは、スプレーチャンバ20内に導入されるガスG1(第1のガス)と追加ガスG2(第2のガス)との総流量を1.05リットル / 分として、両者の比を変更した種々の条件で感度を測定した結果を示している。
【0055】
ところで、本願に先立って、本願出願人は、追加のガスの流速とは無関係に、スプレーチャンバに導入されるガス(本願ではG1にあたる)、及びスプレーチャンバの後段に導入される追加のガス(本願ではG2にあたる)を制御できる装置を用いて、ガスの総流量を一定の値にしつつ総流量中に占める追加のガスの割合を制御することにより、感度の減少分を再現性良く制御できることを見出している。感度が減少するのは、スプレーチャンバに導入されるガスの流量を減らすことによってスプレーチャンバから送出される試料が減るためである。かかる技術は、上述の高マトリクス試料を被分析試料とした場合の希釈に極めて有効である。すなわち、高マトリクス試料の分析に際しては、スプレーチャンバに導入されるガスの流量を減らし、かつ追加のガスの流量を多くすることによって、単位時間当たりにプラズマトーチに達するガスの量は不変のまま試料の量のみを減らすことができ、これによって、高マトリクス試料の希釈が可能となり、上述の弊害を防止することができる。本願出願人は、当該発明について、2006年8月11日付で、特願2006−219520号として特許出願を行っている。
【0056】
本発明は、かかる発明のさらなる改良手法として適用され得る。すなわち、本発明によれば、上述の出願に係る発明で導入するところの追加ガスについて、その流速を高めて導入することで、より効果的に試料を希釈することができる。本発明では、上述したところの改良したガス導入手法を用いることで、試料の一部を液滴に変えて排液の一部となるようにし、プラズマトーチに達する試料の量をさらに効果的に減らしている。
【0057】
図7のグラフから理解されるように、D1及びD2の両方の場合に、追加ガスの流量を増やすと感度が減少する。本実験の結果、D1の場合は、比較的多量の液滴が形成され、D2の場合は、比較的少量の液滴の形成が見られた。すなわち、D1、D2の場合共に、液滴の形成による希釈作用を生じている。
【0058】
しかしながら、両者の効果には差があり、D1の場合は、D2の場合と比べて、追加ガスの流量が少量であった場合でも、感度を十分に下げることができる。すなわち、本発明のガス流をさらに十分に速くする手法を採用することによって、感度減少のために必要とされる追加ガスの流量は少なくて済む。このことは、分析試料の噴霧を行う際に使用されるネブライザの種類の選択の自由度を高め、また、ネブライザの安定動作を保証することができる点で実用上の利点となる。
【0059】
前者に関して、例えば、バビントン型のネブライザは、コンセントリック型のネブライザに比して、比較的狭いガス流量範囲で使用され、低流量では使用ができない。したがって、感度を減らすための追加のガスG2の流量を、D1の場合のように少量にすることができれば、スプレーチャンバ内に導入されるガスG1の流量は比較的多く維持することができ、当該バビントン型ネブライザの安定動作を保証することができる。
【0060】
また、図7のグラフ中で、D2の場合には、追加ガスの流量が0.1から0.2リットル / 分となるあたりで、感度に落ち込みが見られるが、これは、少なくともその付近での流量範囲で、追加ガスの流速が十分には速くないことに起因するものと解される。すなわち、本発明の効果を得るには、D2よりもD1の条件が適している。より具体的には、追加のガスが所定の流量の場合に、輸送管内に導入されるときの流速を、当該所定の流量の第1のガスが輸送管内を通過する流速の少なくとも10倍、好ましくは50倍乃至100倍を超えるように、小管部及び輸送管の断面積他の寸法形状を選択することが好ましい。全流量範囲で十分な流速を得た場合には、D1で示される場合のように、感度は、追加のガスの流量の増加に対して単調減少の傾向を生じ得る。
【0061】
以上のように、本発明の好適実施形態となる装置及び方法について、詳細に説明したが、これはあくまでも例示的なものであり、本発明を制限するものでなく、当業者によって、さらに、様々な変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態となる誘導結合プラズマ質量分析装置の構成のうち、プラズマを生成するべく前段に設けられるプラズマ生成手段を主として表す概略構成図である。
【図2】小管部から導入されるガスの作用を示す概略図である。
【図3】小管部の構成例を示す概略断面図である。
【図4】輸送管の変形例を示す図である。
【図5】立上り部分の更なる変形例を示す図である。
【図6】洗浄手段を設けた変形例を説明する図である。
【図7】本発明の装置又は方法による作用効果を表すグラフである。
【符号の説明】
【0063】
10 誘導結合プラズマ質量分析装置
20 スプレーチャンバ
30 プラズマトーチ
40 試料容器
50 インタフェース
60 ネブライザ
70 輸送管
80 小管部
90 制御装置
G1 第1のガス
G2 第2のガス(追加のガス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入される第1のガスの少なくとも一部を用いた噴霧によって分析試料である溶液を霧化するスプレーチャンバと、霧化された前記分析試料を前記第1のガスと共に輸送する輸送管と、該輸送管に連結されて該輸送管を通して輸送された前記分析試料をプラズマ内へ導入するプラズマトーチとを備えたプラズマ生成手段を含むプラズマ分析装置において、
前記輸送管の長さ方向の途中位置で、前記第1のガスと無反応である第2のガスを、前記輸送管内面の一側面から対向面に向かう気流を生じるようにして導入し、該気流の存在により霧化された前記分析試料の一部を途中位置で液滴に変えて前記輸送管の内面に付着させ、前記プラズマトーチに到達する前記分析試料の全量を減らすようにしたことを特徴とするプラズマ分析装置。
【請求項2】
前記第2のガスは、前記輸送管内への噴流を成すように導入されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ分析装置。
【請求項3】
前記第2のガスが前記輸送管内に導入されるときの流速は、前記第1のガスが前記輸送管内を通過する流速の少なくとも50倍を超えるように設定されることを特徴とする、請求項2に記載のプラズマ分析装置。
【請求項4】
前記第1のガスと前記第2のガスは、同成分のガスであることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ分析装置。
【請求項5】
前記輸送管は、前記スプレーチャンバから上方に向いて延びる立上り部分を備え、前記第2のガスは、前記立上り部分に連結された小管部から導入され、前記液滴は、前記立上り部分内の前記内面に付着し、重力によって前記内面に沿って前記スプレーチャンバ内へと戻る方向に移動するよう構成されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ分析装置。
【請求項6】
前記第2のガスの導入位置から前記スプレーチャンバまでの前記輸送管の前記内面の少なくとも一部に、親水性又は撥水性の高い表面部分が設けられることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ分析装置。
【請求項7】
前記表面部分は、親水性を高めるよう、すりガラス状に加工された部分を含むことを特徴とする、請求項6に記載のプラズマ分析装置。
【請求項8】
前記表面部分は、親水性又は疎水性を高めるよう、前記内面上に設けられたコーティング膜を含むことを特徴とする、請求項6に記載のプラズマ分析装置。
【請求項9】
前記表面部分は、前記輸送管の少なくとも長さの一部を構成するとともに内側面が親水性又は撥水性の高い材料から構成される部品によって提供されることを特徴とする、請求項6に記載のプラズマ分析装置。
【請求項10】
前記立上り部分は、前記液滴が前記スプレーチャンバ内へと戻る方向に移動することを補助するよう適時動作する洗浄手段を備えることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ分析装置。
【請求項11】
前記洗浄手段は、前記立上り部分の途中位置から前記スプレーチャンバに向けて流される液体流又は気体流を提供することを特徴とする、請求項10に記載のプラズマ分析装置。
【請求項12】
前記立上り部分は、水平面から45度以上の角度を成すことを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ分析装置。
【請求項13】
前記小管部は、前記第2のガスの導入向きが、前記輸送管内を霧化された前記分析試料が輸送される向きに対して直角又は鈍角の角度を成すような向きとなるよう、前記輸送管に連結されることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ分析装置。
【請求項14】
前記小管部は、前記輸送管とは別体の管状部材から構成されることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマ分析装置。
【請求項15】
前記第2のガスの流量を制御する制御装置を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ分析装置。
【請求項16】
前記制御装置は、前記第1のガス及び前記第2のガスの総流量と両者の比とを合わせて制御することを特徴とする、請求項15に記載のプラズマ分析装置。
【請求項17】
液体である分析試料を試料容器から吸い上げる工程と、吸い上げた分析試料を、スプレーチャンバに導入される第1のガスの少なくとも一部を用いて噴霧し、前記スプレーチャンバ内に霧化した分析試料を生成する工程と、前記霧化された分析試料を前記第1のガスとともに輸送してプラズマトーチへと導く工程と、前記プラズマトーチで前記霧化された分析試料をプラズマ状態にする工程と、プラズマの発光又はプラズマから取り出したイオンを検出して、元素の同定を行う工程とを有するプラズマ分析方法において、
前記霧化された分析試料を前記プラズマトーチへと導く工程は、前記第1のガスとは無反応の第2のガスを、前記輸送管の長さ方向の途中位置で前記輸送管内面の一側面から対向面に向かう気流を生じるようにして導入し、該気流の存在により霧化された前記分析試料の一部を途中位置で液滴に変えて前記輸送管の内面に付着させ、前記プラズマトーチに到達する前記分析試料の全量を減らす工程を含むことを特徴とするプラズマ分析方法。
【請求項18】
前記第1のガスと前記第2のガスは、同成分のガスであることを特徴とする、請求項17に記載のプラズマ分析方法。
【請求項19】
前記霧化された分析試料をプラズマトーチへと導く工程は、さらに、生成された前記液滴を重力によって前記スプレーチャンバへと移動させる工程を含むことを特徴とする、請求項17に記載のプラズマ分析方法。
【請求項20】
前記霧化された分析試料をプラズマトーチへと導く工程は、前記輸送管の少なくとも一部を気流又は水流を用いて適時洗浄する工程を含むことを特徴とする、請求項19に記載のプラズマ分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−275372(P2008−275372A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116986(P2007−116986)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】