説明

プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機

本発明は、プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置に関する。これは、メインハウジングと、材料前進用スクリューと、スクリュー駆動機構と、押出材料を投入するための供給口と、押出吐出口とを有するスクリュー押出機を含む。また、細長い、上方へ偏向された(非水平)プランジャハウジング、例えばシリンダと、プランジャとを有するプランジャ式フィーダも含む。プランジャをプランジャハウジング内部で上下動させるためにプランジャ駆動機構がプランジャに連結され、プランジャハウジングの上端にはスクリュー押出機の供給口に連結される供給出口が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、押出機への供給速度を精度良く制御するために重力充填方式のプランジャ式フィーダを利用する単軸スクリュー押出機および多軸スクリュー押出機、特に二軸スクリュー押出機に関する。いくつかの好適な実施形態においては、本発明の装置は医薬品などの小規模製品のバッチ調製用であり、本発明の装置のマイクロプランジャを用いて非常に正確な供給速度および製品密度が達成される。
【背景技術】
【0002】
以下の特許は各種押出機を代表するものである。
【0003】
シュンク(Schunk)らの米国特許第7,229,205B2号には、押出機スクリューを収容するための回転可能に支持されたブッシュと、中空軸を含み、ブッシュおよび収容された押出機スクリューが通過できる大きさの内径によって規定されるロータとを含むプラスチック射出機を動作させるための駆動ユニットが記載されている。これにより、ロータは、一定の回転係合で、当該受入部材に取り外し可能に連結される。
【0004】
シャド(Schad)の米国特許第7,168,944B2号には、典型的な射出成形機での使用のために提供され、押出機スクリューと押出工程中に蓄圧器に連続的に充圧する油圧モータとの両方を単一の電気モータが駆動するエネルギー効率の良い駆動システムが記載されている。射出サイクル中、蓄圧器内の充圧力は、押出機スクリューをストロークさせて溶融体を金型キャビティに射出するのに向けられる。別の実施形態は、同様の構成を射出成形機の型締機構に利用するものであり、蓄圧器内の充圧力は、射出サイクル中、金型を閉じたまま保持するのに向けられる。
【0005】
アンダーソン(Anderson)らの米国特許第6,481,043B2号には、ノズル端で終わる集塵室(dust bowl)を有する手持ち型真空掃除機用の回転ブラシ取付具が記載されており、当該取付具は、異物を取付具内へ移動させるように作用する機械力を提供し、異物は取付具から取付具が着脱可能に取り付けられた手持ち型真空掃除機の集塵室のノズル端へ吸い込まれる。
【0006】
高橋の米国特許第6,168,417B1号には、射出装置と可塑化装置とを並設したプリプラ式射出装置を縦に設置した竪型成形機が記載されている。これら射出装置および可塑化装置の先端部は連絡管により連通され、可塑化装置で可塑化した樹脂を連絡管を通して射出装置へ移送する。射出装置と可塑化装置とは、型締装置の上部に立設したそれぞれ一対の支柱によって個々に支持される。射出装置は、両側にアーム部材を有し、アーム部材の上面には、ばね部材が載置してある。ばね部材を介してアーム部材上に可塑化装置を保持し、可塑化装置の支柱をアーム部材とばね部材とに挿通している。
【0007】
クラウス(Klaus)の米国特許第6,086,353号には、2段階全電動射出ユニットが記載されている。より具体的には、射出ユニットにおいて、送りスクリューが好ましくは可塑化のためにのみ使用され、可塑化された材料の射出はボールネジ機構のような電動リニアアクチュエータを有する別個のアキュムレータにより達成される。アキュムレータのプランジャは螺旋フライトを有するように形状づけられ、プランジャとボールネジとの間に位置する1方向クラッチにより回転できる。
【0008】
クラウス(Klaus)の米国特許第5,863,567号には、2段階全電動射出ユニットが記載されている。より具体的には、射出ユニットにおいて、送りスクリューが好ましくは可塑化のためにのみ使用され、可塑化された材料の射出はボールネジ機構のような電動リニアアクチュエータを有する別個のアキュムレータにより達成される。アキュムレータは、ピストンの直径に対するピストンのストロークの比が好ましくは10:15の範囲となるように構成される。好適な実施形態においては、スクリューの回転およびアキュムレータの動作用に別個のモータが設けられる。システムが1つのモータと1方向クラッチとで駆動される別の実施形態が開示されている。
【0009】
ルスコーニ(Rusconi)らの米国特許第5,454,995号には、多数個取りプレフォーム金型のような大容量の金型を稼働し、高品質の溶融体の大量供給を必要とする射出成形機におけるサイクル時間の短縮に関する発明の方法が記載されている。具体的には、この発明は、プラスチック材料の金型への射出動作を交互に行う2つの溶融体アキュムレータに供給するために継続的に可塑化を行う押出機を用いることを提案している。これを達成するために、押出機の先端の回転弁を制御してポットを充填し、ボールチェック弁を設けて流れ方向を制御するとともにシステムのある特定部分の圧力を制限している。各ショットポットの間かつノズルの手前に配置されたシャトル弁が減圧を容易にしている。
【0010】
バンクス(Banks)の米国特許第5,281,384号には、押出機を高い回転数で稼働させて成形材料のショットを可塑化する工程と、押出機を低い回転数で稼働させて当該ショットをアキュムレータ手段へ移送する工程と、金型キャビティに当該ショットを射出する工程とを含む改良された射出成形方法が記載されている。
【0011】
クダート(Kudert)らの米国特許第4,512,730号には、マルチ共射出ノズルマルチポリマー射出成形機においてランナーブロックとポリマーの流れごとに別個の後方入口を有するマルチポリマー共射出ノズルと共に用いられる装置であって、ランナーブロックから複数の別個のポリマー流を受け入れ、それらの方向を変えて当該装置の前方端から軸方向に流出させノズルの後方入口に流入させるための装置が記載されている。この装置は、外周に半径方向に切り込まれた、それぞれがポリマー流を受け入れるための流入口を有している。また、流入口とそれぞれ連通し、装置中心軸に向かって切り込まれた内向き部分と当該内向き部分と連通し軸方向前方へ延びて装置前方端における出口孔で終わる軸方向部分とを有する供給路を有している。出口孔は、別個のポリマー流を互いに離隔してノズルの後方入口へと供給するために間隔をおいて配置されている。好適な実施形態においては、各流入口は、供給スロートと連通しており、当該供給スロートはそれぞれ半径方向に切り込まれて装置の周囲の一部のまわりに延び、軸方向供給路と連通する終端部を有している。また、段付き構造を有しているのが望ましい受入チャンバが、前方端に軸方向に切り込まれ、共射出ノズルを受け入れるようになっている。ほとんどの出口孔は、60°円弧分ずつ互いに半径方向に離間されている。ポリマー流を互いに分離させておくために、好ましくは複数の環状溝を含む分離手段が装置外周の各流入口間に切り込まれ、伸張性のピストンリングが嵌め込まれる。
【0012】
先行技術にもかかわらず、本発明が先行技術によって教示されることも自明となることもない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置に関する。これは、メインハウジングと、材料前進用スクリューと、スクリュー駆動機構と、押出材料を投入するための供給口と、押出吐出口とを有するスクリュー押出機を含む。また、細長い、上方に偏向されたプランジャハウジングと、プランジャハウジング内に設けられたプランジャと、プランジャをプランジャハウジング内部で上下動させるためにプランジャに連結されたプランジャ駆動機構と、プランジャハウジングの上端の供給出口とを有し、当該供給出口はスクリュー押出機の供給口に連結されるプランジャ式フィーダも含む。使用者は、プランジャをプランジャハウジング内の下方に配置し得、ハウジングに押出材料を重力充填し得、スクリュー駆動機構でスクリュー押出機を動作させ得、材料をプランジャハウジングからスクリュー押出機内へと制御された速度で移動させてスクリュー押出機から押し出すためにプランジャを上方に前進させるためにプランジャ駆動機構を動作させ得る。
【0014】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えたギヤモータと、可変速度制御手段とを含む。
【0015】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、スクリュー押出機が、少なくとも1つの加熱素子と、加熱素子制御手段とを更に含む。本装置は、押出工程中に加熱を利用するものであってもよく、加熱せずに冷間押出を行うものであってもよい。
【0016】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、スクリュー押出機が水平スクリュー押出機であり、プランジャ式フィーダが非水平プランジャ式フィーダである。いくつかの最も好適な実施形態においては、スクリュー押出機が水平スクリュー押出機であり、プランジャ式フィーダが垂直プランジャ式フィーダである。
【0017】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた直流ギヤモータと、直流モータ制御部とを含む。あるいは、空気圧式駆動機構、油圧式駆動機構、機械的駆動機構などのような非電気的駆動機構を本発明の範囲を超えることなく用い得る。
【0018】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた交流ギヤモータと、交流モータ制御部とを含む。
【0019】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態において、本装置は、プランジャ式フィーダの検査または較正のためにスクリュー押出機をバイパスしながらプランジャ式フィーダを動作させることを可能にするために、プランジャ式フィーダバイパスを含む。
【0020】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ式フィーダがマイクロプランジャ式フィーダであり、プランジャの行程を10インチ未満に制限する止めを含む。
【0021】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態において、本装置は、ステンレス鋼、ニッケル系合金、不活性プラスチックおよびこれらの組み合わせからなる群から選択された許容可能な非反応性材料からなる、押出材料に接触する部品を含む。
【0022】
本発明の材料押出装置のいくつかの異なる好適な実施形態において、材料押出装置は、プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む。多軸スクリュー押出機は、メインハウジングと、材料前進用多軸スクリューと、二軸スクリュー駆動機構と、押出材料を投入するための供給口と、押出吐出口とを有する。プランジャ式フィーダは、細長い、上方に偏向されたプランジャハウジングと、プランジャハウジング内に設けられたプランジャと、プランジャをプランジャハウジング内部で上下動させるためにプランジャに連結されたプランジャ駆動機構と、プランジャハウジングの上端の供給出口とを有し、当該供給出口は多軸スクリュー押出機の供給口に連結される。使用者は、プランジャをプランジャハウジング内の下方に配置し得、ハウジングに押出材料を重力充填し得、スクリュー駆動機構で多軸スクリュー押出機を動作させ得、材料をプランジャハウジングから多軸スクリュー押出機内へと制御された速度で移動させて多軸スクリュー押出機から押し出すためにプランジャを上方に前進させるためにプランジャ駆動機構を動作させ得る。
【0023】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えたギヤモータと、可変速度制御手段とを含む。
【0024】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、多軸スクリュー押出機が、少なくとも1つの加熱素子と、加熱素子制御手段とをさらに含む。本装置は、押出工程中に加熱を利用するものであってもよく、加熱せずに冷間押出を行うものであってもよい。
【0025】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、多軸スクリュー押出機が水平多軸スクリュー押出機であり、プランジャ式フィーダが非水平プランジャ式フィーダである。
【0026】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、多軸スクリュー押出機が水平多軸スクリュー押出機であり、プランジャ式フィーダが垂直プランジャ式フィーダである。
【0027】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた直流ギヤモータと、直流モータ制御部とを含む。あるいは、上記のように、空気圧式駆動機構、油圧式駆動機構、機械的駆動機構などのような非電気的駆動機構を本発明の範囲を超えることなく用い得る。
【0028】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた交流ギヤモータと、交流モータ制御部とを含む。
【0029】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態において、本装置は、プランジャ式フィーダの検査または較正のために多軸スクリュー押出機をバイパスしながらプランジャ式フィーダを動作させることを可能にするために、プランジャ式フィーダバイパスを含む。
【0030】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態においては、プランジャ式フィーダがマイクロプランジャ式フィーダであり、プランジャの行程を10インチ未満に制限する止めを含む。
【0031】
プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置のいくつかの好適な実施形態において、本装置は、ステンレス鋼、ニッケル系合金、不活性プラスチックおよびこれらの組み合わせからなる群から選択された許容可能な非反応性材料からなる、押出材料に接触する部品を含む。
【0032】
本発明のさらなる特徴、利点および実施形態は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲を考慮することによって示されるかまたは明らかになり得る。また、上記の発明の概要および以下の詳細な説明はいずれも例示であり、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定することなくさらなる説明を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
添付の図面は、本発明をさらに理解できるようにするために含まれ、本明細書の一部に組み入れられて本明細書の一部を構成するものであって、本発明の好適な実施形態を図示しており、以下の詳細な説明と共に本発明の原理を明らかにする役割を果たす。図面において、
図1は、プランジャ式フィーダを備えた多軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置の一実施形態の側面図であり、
図2は、図1に示すプランジャ式フィーダを備えた二軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置の実施形態の正面図であり、
図3は、図1および図2に示すプランジャ式フィーダを備えた二軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置の実施形態の上面図であり、
図4は、プランジャ式フィーダを備えた単軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置の一実施形態の側面図であり、
図5は、図4に示すプランジャ式フィーダを備えた単軸スクリュー押出機を含む本発明の材料押出装置の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、図面を詳細に参照しながら本発明の様々な実施形態を示す。図面において、共通の参照符号はいくつかの図において対応している部分を指している。
【0035】
図1は、プランジャ式フィーダ3を備えた二軸スクリュー押出機1を含む本発明の材料押出装置の一実施形態の側面図である。図2は、図1に示す本発明の材料押出装置の実施形態の正面図であり、図3は、図1および図2に示す本発明の材料押出装置の実施形態の上面図である。ここではこれら3つの図についてまとめて説明し、すべての参照符号がすべての図に表示されているわけではない。
【0036】
これら3つの図1〜図3において、スクリュー押出機1は、材料前進用二軸スクリュー7および15を回転可能に内蔵したメインハウジング5を有する。加熱手段と加熱制御装置とを含んでいてもよい、従来の動作制御装置を備えた従来の二軸スクリュー駆動機構9が設けられている。供給口11が、メインハウジング5の下面に配置されており、押出材料を投入し、当該材料を加熱の有無にかかわらず押出吐出口13を介して押し出すために、プランジャ式フィーダ3を密封構成で受け入れるようになっている。この吐出口は、開放出口、ダイならびに/またはペレタイザー、粉砕機、切断機、品質管理モニタ、選別機、計数器および包装・ラベル貼り装置などの後続の加工ユニットへの連結部であり得る。
【0037】
プランジャ式フィーダ3は、細長い、上方へ偏向されたプランジャハウジング21と、プランジャハウジング21内に設けられたプランジャ23とを有する。プランジャ23をプランジャハウジング21内部で上下動させるために、プランジャ駆動機構がプランジャ23に連結されている。プランジャハウジング21の上端に供給出口31が配置され、図示するように二軸スクリュー押出機供給口11に連結されている。プランジャ駆動機構は、キャビネット27に収納されたタイミングベルト33を備えた交流または直流ギヤモータ29である。また、モータ29をオンオフしたり、その回転速度を変えたりするために、制御手段35がモータ29に接続されている。プランジャ式フィーダ3は、スクリュー押出機1に対して摺動式に着脱可能であり、それぞれ個々にクリーニングおよび手入れを行い得るとともに、プランジャ式フィーダ3に重力供給方式により材料を装填し得るようになっている。
【0038】
この本発明の装置を操作するには、使用者が、プランジャ23をプランジャハウジング内の下方に、すなわち最下位置に配置し得、その後、流動性のあるプラスチック、医薬品、食品または化学製品などの押出材料(粉末、顆粒、破砕性材料、スラリーなど)をプランジャハウジング21に重力充填し得る。次に、使用者は、スクリュー駆動機構9でスクリュー押出機1を始動させた後、材料をプランジャハウジング21からスクリュー押出機1内へと制御された速度で移動させてスクリュー押出機1から押出吐出口13を介して押し出すためにプランジャ23を上方へ前進させるために、プランジャ駆動機構を動作させる。
【0039】
図4は、プランジャ式フィーダ103を備えた単軸スクリュー押出機101を含む本発明の材料押出装置の一実施形態の側面図である。図5は、図4に示す本発明の材料押出装置の実施形態の上面図である。ここでこれら2つの図についてまとめて説明するが、すべての参照符号が両方の図に表示されているわけではない。
【0040】
図4および図5において、スクリュー押出機101は、材料前進用単軸スクリュー107を回転可能に内蔵したメインハウジング105を有する。従来の動作制御装置を備えた従来のスクリュー駆動機構109が下流端に設けられており、これは、加熱手段と加熱制御装置とを含んでいる。供給口111が、メインハウジング105の下面に配置され、押出材料を投入し、当該材料を加熱または溶融の有無にかかわらず押出吐出口113を介して押し出すためにプランジャ式フィーダ103に連結している。
【0041】
プランジャ式フィーダ103は、細長い、上方へ偏向されたプランジャハウジング121と、プランジャハウジング121内に設けられたプランジャ123とを有する。先行する図面に関連して開示したのと同様に、プランジャ123をプランジャハウジング121内部で上下動させるために、キャビネット127に収納されたプランジャ駆動機構がプランジャ123に連結されている。プランジャハウジング121の上端に供給出口131が配置され、図示するように二軸スクリュー押出機供給口111に連結される。プランジャ駆動機構は、タイミングベルト133を備えた交流または直流ギヤモータ129である。また、モータ129をオンオフしたり、その回転速度を変えるために、制御手段135がモータ129に接続されている。
【0042】
この本発明の装置は、単軸スクリュー押出機であり、それほど厳格でない混練および密度要件に用いられることを除いては、前述の本発明の装置と同様に操作される。以下に本発明の装置の実施例を挙げる。
【0043】
<実施例1および実施例2−二軸スクリュー小規模バッチおよび単軸スクリュー小規模バッチ>
図4および図5に従って本発明の装置を構成する。これは、押出機へ供給される単位時間当たりの材料の精密な量をバッチ方式で計量するように設計されたマイクロプランジャフィーダ(Micro Plunger Feeder)を含む。供給速度の点では、これは、従来のドロップフィーダでは達成できない非常に低い速度(0.4グラム/分までも)が可能である。同一の動作原理を、はるかに大型の用途で非自由流動性材料を確実に押出機に導入するために適用し得る。このプランジャ式フィーダは、単軸スクリュー押出機(図3および図4)または二軸スクリュー押出機(図1、図2、図3)のいずれかに接続させることができる。
【0044】
各タイプつまり単軸または二軸の好適な実施形態に関する一般仕様は以下の通りである。
【0045】
チューブ容量:100cc
最小速度設定値:0.4g/分
最大速度設定値:9.53g/分
駆動力:直流発電機
可変速制御で1/45馬力
ギヤモータ最大回転数:4.5
プランジャ最大力(上向き):7,000ニュートン
プランジャ総行程:150mm
チューブ内径:30mm
接触構成材料:300系ステンレス鋼およびデルリン(Delrin)(ポリエチレン不活性プラスチック)
機構:フィーダは、垂直な円筒形チューブ内部に密嵌するデルリン製ピストンを利用した小型のラムプランジャである。シリンダチューブ(メインプランジャ式フィーダハウジング)は、円筒形であるが、本発明の範囲を超えることなく任意の断面形状を有し得、正方形および長方形の構成もまた好適である。供給材料は、ピストンがその行程の最下位置にあるときに、チューブ内部、デルリン製ピストン上方に装填される。ピストンは、直流ギヤモータによってタイミングベルトを介して駆動される台形パワースクリューによって押し上げられる。タイミングベルトは2:1の二次減速を提供する。押出機への材料の押し込みによるスラスト荷重は、パワースクリュー機構におけるスラスト軸受によって吸収される。直流モータ制御部を用いることにより直流ギヤモータの速度を変化させ得る。充填された(押し出される)材料の量は、例えば立方センチメートル単位で刻まれた、ユニット前面の等分目盛によって判断し得る。プランジャ式フィーダシャーシ全体が水平な直線スライドベース上に装着されるため、チューブへの材料の再充填またはクリーニングのために押出機バレル(メインハウジング)下から簡便に引き出し得る。フィーダシャーシ全体は、移動および輸送に軽量であるようにアルミニウム製であり、そのため、より大掛かりな保守が必要な場合は作業台上に容易に持ち上げ得る。プランジャ式フィーダは、バッチサイクル方式で動作させる。つまり、円筒形チューブは材料貯蔵器として機能し、この材料が押出工程によって使い果たされると、チューブを再充填する間停止させなければならない。チューブ容量は100ccであり、典型的な供給速度での一回分の押し出しには約15〜20分かかる。但し、非常に遅い供給速度ではより長くかかり得る。
【0046】
通常の操作は以下のような手順による。
【0047】
1)直線スライドベースを用いて押出機下からフィーダを引き出す。
2)一般的な漏斗を用いてプランジャチューブに材料を充填する(なお、材料は、チューブ内で「ゆるい」ままにしておいてもよく、専用に設けられたデルリン製用具で圧縮してもよい)。
3)フィーダを押出機バレル下の「実行」位置へと摺動させる。
4)押出機スクリューを設定速度で回転開始させる。
5)プランジャ式フィーダ直流制御部をグラム/分単位の設定供給速度で始動させる。
6)フィーダ上の等分目盛が材料がすべて使い果たされたことを示すまでかまたはフィーダ直流駆動装置が上部リミットスイッチとの接触により停止するまで、押出工程を実行する。
7)押出機駆動装置を停止させる。
8)プランジャ位置を最下位置まで引っ込める。
9)この時点で、ピストンとチューブとをクリーニングのために取り外してもよく、同一材料のサンプルをもっと所望する場合はチューブをただ再充填し、工程を再開してもよい。
【0048】
直流発電機の速度が可変であり、供給速度の制御を可能にしている。直流駆動装置内部には電流制限設定が設けられ、この設定は、押出機スクリューが十分な速さで供給口から材料を運び去ることができない場合にピストンが過大な力を加えるのを防止するために調節し得る。制御システムには引込み機能が組み込まれているため、ピストンは、上限または行程に達した後、最大速度で元の最下位置へと引っ込められ得る。台形パワースクリューのオーバートラベルを防止するため、上部リミットスイッチおよび下部リミットスイッチが設けられている。リミットスイッチに接触すると、直流制御部が自動的にギヤモータを停止させる。直流駆動装置は押出機スクリュー駆動装置に連動しているため、プランジャ式フィーダはスクリューの回転中しか押出機への材料の計量供給ができない(過剰材料の詰まりを防止するため)。システムの稼働中に押出機スクリュー駆動装置が何らかの理由で停止すると、プランジャ式フィーダも自動的に停止する。押出機スクリューを回転させずにオフラインでフィーダの較正を行い得るように、バイパススイッチおよびバイパスも設けられている。より大型のユニットでは交流可変速モータ/駆動装置が用いられる。本発明の装置の機能に影響を及ぼすことなく変更し得る主な構成要素を挙げると、異なる内径のチューブおよびピストン、異なるチューブ容量(cc)、異なるピストン行程長、異なるギヤモータ減速比、異なるギヤモータ馬力、交流または直流ギヤモータであっても同様に作用し、異なるタイミングベルト比、台形パワースクリュー以外の異なる作動機構であっても同様に作用し、押出機バレルの直下以外の異なる装着位置であっても同様に作用し、プランジャ式フィーダは、二軸スクリュー押出機のような多軸スクリュー押出機、単軸スクリュー押出機、または供給装置およびそれが接続される一種の連続ミキサ/加工装置を必要とする種々の型の成形機と共に用いられた場合に同様の機能を果たし得る。本発明は、限定されるわけではないが医薬品添加物と医薬品有効成分の混練を含む、プラスチックおよび製薬産業に関する多種多様な製品の小バッチサンプルの加工に利用される。本装置は食品タイプの製品にも使用され得る。押出機への導入後、供給、溶融、混練、揮発分の脱気、ダイを通じた吸込み/排出などの種々のユニット動作が行われる。生成物はダイによって賦形される。ダイからの排出後、押出物は、典型的には、空冷、水冷およびまたはロール冷却もしくはコンベヤ冷却される。その後、押出物は用途に基づいて切断されたり、巻かれたり、サイズを小さくされたりする。場合によっては、当該工程は熱溶融押出ではなく冷間押出工程であり、その場合には溶融は起こらない。
【0049】
本明細書において添付の図面を参照しながら本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、本発明はそれらの特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲において定められる本発明の範囲または精神から逸脱することなく種々の変更および修正を成し得る。
【符号の説明】
【0050】
1 スクリュー押出機
11 供給口
13 押出吐出口
15 二軸スクリュー
21 プランジャハウジング
23 プランジャ
27 キャビネット
29 ギヤモータ
3 プランジャ式フィーダ
31 供給出口
33 タイミングベルト
5 メインハウジング
7 二軸スクリュー
9 二軸スクリュー駆動機構
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、
a)メインハウジングと、材料前進用スクリューと、スクリュー駆動機構と、押出材料を投入するための供給口と、押出吐出口とを有するスクリュー押出機と、
b)細長い、上方へ偏向されたプランジャハウジングと、前記プランジャハウジング内に設けられたプランジャと、前記プランジャを前記プランジャハウジング内部で上下動させるために前記プランジャに連結されたプランジャ駆動機構と、前記プランジャハウジングの上端の供給出口とを有し、前記供給出口は前記スクリュー押出機の供給口に連結されるプランジャ式フィーダとを含み、
使用者が、前記プランジャを前記プランジャハウジング内の下方に配置し得、前記ハウジングに押出材料を重力充填し得、前記スクリュー駆動機構で前記スクリュー押出機を動作させ得、前記材料を前記プランジャハウジングから前記スクリュー押出機内へと制御された速度で移動させて前記スクリュー押出機から押し出すために前記プランジャを上方へ前進させるために前記プランジャ駆動機構を動作させ得る材料押出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えたギヤモータと、可変速度制御手段とを含む材料押出装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記スクリュー押出機が、少なくとも1つの加熱素子と、加熱素子制御手段とをさらに含む材料押出装置。
【請求項4】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記スクリュー押出機が水平スクリュー押出機であり、前記プランジャ式フィーダが非水平プランジャ式フィーダである材料押出装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記スクリュー押出機が水平スクリュー押出機であり、前記プランジャ式フィーダが垂直プランジャ式フィーダである材料押出装置。
【請求項6】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた直流ギヤモータと、直流モータ制御部とを含む材料押出装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた交流ギヤモータと、交流モータ制御部とを含む材料押出装置。
【請求項8】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ式フィーダの検査または較正のために前記スクリュー押出機をバイパスしながら前記プランジャ式フィーダを動作させることを可能にするために、プランジャ式フィーダバイパスを含む材料押出装置。
【請求項9】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ式フィーダがマイクロプランジャ式フィーダであり、前記プランジャ式フィーダが前記プランジャの行程を10インチ未満に制限する止めを含む材料押出装置。
【請求項10】
請求項1に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、ステンレス鋼、ニッケル系合金、不活性プラスチックおよびこれらの組み合わせからなる群から選択された許容可能な非反応性材料からなる、押出材料に接触する部品を含む材料押出装置。
【請求項11】
プランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、
a)メインハウジングと、材料前進用多軸スクリューと、多軸スクリュー駆動機構と、押出材料を投入するための供給口と、押出吐出口とを有する多軸スクリュー押出機と、
b)細長い、上方へ偏向されたプランジャハウジングと、前記プランジャハウジング内に設けられたプランジャと、前記プランジャを前記プランジャハウジング内部で上下動させるために前記プランジャに連結されたプランジャ駆動機構と、前記プランジャハウジングの上端の供給出口とを有し、前記供給出口は前記多軸スクリュー押出機の供給口に連結されるプランジャ式フィーダとを含み、
使用者が、前記プランジャを前記プランジャハウジング内の下方に配置し得、前記ハウジングに押出材料を重力充填し得、前記スクリュー駆動機構で前記多軸スクリュー押出機を動作させ得、前記材料を前記プランジャハウジングから前記多軸スクリュー押出機内へと制御された速度で移動させて前記多軸スクリュー押出機から押し出すために前記プランジャを上方へ前進させるために前記プランジャ駆動機構を動作させ得る材料押出装置。
【請求項12】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えたギヤモータと、可変速度制御手段とを含む材料押出装置。
【請求項13】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記多軸スクリュー押出機が、少なくとも1つの加熱素子と、加熱素子制御手段とをさらに含む材料押出装置。
【請求項14】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記多軸スクリュー押出機が水平多軸スクリュー押出機であり、前記プランジャ式フィーダが非水平プランジャ式フィーダである材料押出装置。
【請求項15】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記多軸スクリュー押出機が水平多軸スクリュー押出機であり、前記プランジャ式フィーダが垂直プランジャ式フィーダである材料押出装置。
【請求項16】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた直流ギヤモータと、直流モータ制御部とを含む材料押出装置。
【請求項17】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ駆動機構が、パワースクリューと、タイミングベルトを備えた交流ギヤモータと、交流モータ制御部とを含む材料押出装置。
【請求項18】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ式フィーダの検査または較正のために前記多軸スクリュー押出機をバイパスしながら前記プランジャ式フィーダを動作させることを可能にするために、プランジャ式フィーダバイパスを含む材料押出装置。
【請求項19】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、前記プランジャ式フィーダがマイクロプランジャ式フィーダであり、前記プランジャ式フィーダが前記プランジャの行程を10インチ未満に制限する止めを含む材料押出装置。
【請求項20】
請求項11に記載のプランジャ式フィーダを備えたスクリュー押出機を含む材料押出装置であって、ステンレス鋼、ニッケル系合金、不活性プラスチックおよびこれらの組み合わせからなる群から選択された許容可能な非反応性材料からなる、押出材料に接触する部品を含む材料押出装置。

【公表番号】特表2011−502818(P2011−502818A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532492(P2010−532492)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009359
【国際公開番号】WO2009/059760
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(505311940)ライストリッツ アクチェンゲゼルシャフト (3)
【Fターム(参考)】