説明

プリンタ、その制御方法及びプログラム

【課題】コストの上昇や用紙の無駄が発生を避けながら、印画済みの用紙への再印画によるインクシートの貼り付きを防止できるようにする。
【解決手段】複数のインク部分801〜804が搬送方向に順に配置されたインクシート205を二面分用いて、二画面を隣接させて印画する連続印刷モードを実行可能なプリンタであって、当該プリンタの電源投入時に、残留用紙検出処理として、用紙212を搬送し、用紙検出センサ113により用紙212の先端が検出されるまでの先端検出搬送量kを求める。そして、その先端検出搬送量kが、第1の閾値(l−α)以下であれば、一画面目の印画途中であったと判別して用紙212の排出量を決定し、第2の閾値(l+α)以上であれば、二画面目の印画途中であったと判別して用紙の排出量212を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のインク部分が搬送方向に順に配置されたインクシートを用いて、連続印刷モードを実行可能なプリンタ、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話等で撮像された画像データを印刷可能なプリンタが数多く製品化されている。この種のプリンタで採用されている印刷方式の一例として熱転写方式が挙げられる。熱転写方式のプリンタ(以下、熱転写プリンタと呼ぶ)では、サーマルヘッドの主走査方向に配列された複数個の発熱体を画像データに応じて選択的に発熱駆動する。そして、この熱によりインクシートのインクを溶融して、表面にインクの受容層を有する用紙に転写することにより、一主走査分の画像の印刷を行う。この場合に、用紙を副走査方向に搬送させながら一主走査分毎に画像の印刷を行っていき、所定サイズの画像の印刷を行う。
【0003】
熱転写プリンタのうち、昇華型の熱転写プリンタは、インクシートのインクを固体から気体に昇華させて用紙に付着させて印刷する。このような熱転写プリンタは、サーマルヘッドに加える熱量と駆動回数とを制御して1画素の濃度を変化させることができる。したがって、滑らかで階調性豊かな画像を表現することができ、写真の印刷に多く使用されている。
【0004】
図9に示すインクシートでは、その基材上の長手方向に画像を形成するイエロー(Y)801、マゼンタ(M)802、シアン(C)803の各色のインク部分(昇華性染料)が順に面順次で配置されている。そして最後に、用紙に転写された画像形成層を保護するための熱溶融インク部分であるオーバーコート(OP)部分804が配置されている。また、各色のインク部分801、802、803の間、及び、シアン(C)803とOP部分804との間には、頭出し位置検出用のマーカ805が配置されている。
【0005】
図10は、このインクシートを用いた画像の印刷例を説明する図である。このようなインクシートを使用して一つの画像を形成する場合、Y/M/C/OPのインク部分801〜804を一組として用紙へ画像の熱転写処理がなされる。したがって、このインクシートを収容するインクシートカートリッジには、Y/M/C/OPのインク部分801〜804からなるインクシートの組が、印刷可能な枚数分だけ繰り返し配置されている。通常、Y/M/C/OPのインク部分801〜804からなるシートの長さは、印刷対象の用紙の長手方向のサイズを印刷できる長さに設定されている。
【0006】
特許文献1に示されているように、用紙として連続紙を用いる熱転写プリンタでは、通常の画像に加えて、図10に示すような、Y/M/C/OPのインク部分801〜804を二面分使用したパノラマ(ワイド)サイズの画像910も印刷することができる。ここで、矢線Aが印刷時の用紙搬送方向、矢線Bがバックフィード(印刷開始位置までの用紙戻し)時の用紙搬送方向を示す。図10において、パノラマ画像910の右画面(第一画面)911は、一番目の面のインクシートのY色801、M色802、C色803、OP部分804の昇華型或いは熱溶融型のインクを用紙に転写して形成される。同様に、パノラマ画像910の左画面(第二画面)912は、二番目の面のインクシートのY色801、M色802、C色803、OP部分804の昇華型或いは熱溶融型のインクを用紙に転写して形成される。
【0007】
熱転写プリンタでは、例えばOP部分等の熱溶融インクが印画済みの用紙の上に誤って再印画されてしまった場合、インクシートが用紙に貼り付いてしまい、用紙やインクシートのジャムを起こしてしまうという問題がある。このような問題は、印刷中に停電や強制終了等が起こり、電源の供給が途絶えてしまい、再起動後に印刷途中の用紙の上から再印刷を行ってしまう場合等に発生する。
【0008】
このような問題の発生を防止するために、起動直後等に印刷が行われる前にプリンタエンジン内の残留用紙の点検を行い、残留用紙が検出された場合には、残留用紙を排出する等の処理が行われる。また、用紙として連続紙を用いる熱転写プリンタでは、インクシートのサイズの検出をインクシートカートリッジ等で行うことで、特定の副走査方向長さだけ用紙をカットし、排出する等の処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−082610号公報
【特許文献2】特開2006−315215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
パノラマサイズ印刷モードを実行可能な熱転写プリンタでは、残留用紙の処理を行うためには、残留用紙がインクシートの何面を用いて印画されているものであるか判別する必要がある。判別方法の一つとして、一画面分の印画を終える毎に印画状態をROMに記録させる方法がある。ところが、停電や強制終了等により状態記録に失敗した場合、印画状態の書き込みが失敗するだけでなく、起動情報等が含まれるROMのデータが壊れるおそれがあり、プリンタの故障に直結する。
【0011】
印画済みの領域に再印画することによるインクシートの用紙への貼り付きを確実に防止するためには、プリンタで印画可能な最大長さだけ用紙をカットして排紙すればよい。しかしながら、この場合、未印画の用紙もカットしてしまう可能性があり、用紙の無駄が問題となる。
【0012】
特許文献2には、熱エネルギーにより変色する感熱シート材を非印画領域に貼り付けた印画紙及び感熱シートの変色を検知するセンサにより、印画済みの用紙に再印画することを避けるという内容が記載されている。ところが、印画紙に感熱シート材を貼り付けることにより、印画紙のコストが上昇するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、コストの上昇や用紙の無駄が発生を避けながら、印画済みの用紙への再印画によるインクシートの貼り付きを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のプリンタは、複数のインク部分が搬送方向に順に配置されたインクシートを複数面分用いて、複数画面を隣接させて印画する連続印刷モードを実行可能なプリンタであって、用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙の先端を検出する用紙検出手段と、前記インクシートを搬送するインクシート搬送手段と、前記インクシートの各インク部分の頭出し位置を検出するマーカ検出手段と、当該プリンタの電源投入時に、前記用紙搬送手段により前記用紙を搬送し、前記用紙検出手段により前記用紙の先端が検出されるまでの先端検出搬送量を求めて、その先端検出搬送量に基づいて前記用紙の排出量を決定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、専用のセンサや用紙の加工を必要とすることなく、印画の際に使用する用紙及びインクシートの検出手段を用いて残留用紙中の印画済みの用紙長さを推定することが可能である。したがって、コストを上昇させることなく再印画によるインクシートの貼り付きを防ぐとともに、用紙の無駄が少なく残留用紙の処理が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタのプリンタエンジンの構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタの電源投入時の手順を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタの操作部の例を示す外観図である。
【図5】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによる印刷処理の手順を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによるパノラマ印刷モードでの各工程における用紙の先端位置を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによる残留用紙検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【図8】閾値であるn[step]について説明するための図である。
【図9】熱転写プリンタ用のインクシートを説明する図である。
【図10】インクシートを用いたパノラマ画像の印刷例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタの機能構成を示すブロック図である。101は熱転写プリンタ全体を制御するメインコントローラ、110はROM、111はRAMである。メインコントローラ101は、ROM110に記憶された制御プログラムに従ってプリンタの制御及び各種プログラムに従った演算処理を行う。これには画像データの加工処理を施し、印刷に必要な画像データを生成してRAM111に保存する等の処理も含まれる。RAM111は、画像データの一時保存、画像のリサイズ処理といった各種制御用プログラムのワーク領域としても使用される。また、ROM110は、各種制御用プログラムや調整値といった各種パラメータを保存している。
【0018】
102は用紙搬送モータドライバ、103は用紙搬送モータであり、メインコントローラ101の制御下、用紙搬送モータドライバ102が用紙搬送モータ103を駆動する。用紙搬送モータ103は、回転機構を介して後述する給紙ローラ202、グリップローラ203、排紙ローラ207等に結合されており、これらのローラを駆動させることにより用紙212を搬送する。
【0019】
104はインクシート搬送モータドライバ、105はインクシート搬送モータであり、メインコントローラ101の制御下、インクシート搬送モータドライバ104がインクシート搬送モータ105を駆動する。インクシート搬送モータ105は、回転機構を介して後述するインクシート巻取り側のロールボビン208を駆動させ、インクシート205の巻取りを行う。
【0020】
106はサーマルヘッド昇降モータドライバ、107はサーマルヘッド209の昇降を行うサーマルヘッド昇降モータである。メインコントローラ101の制御下、サーマルヘッド昇降モータドライバ106がサーマルヘッド昇降モータ107の回転を制御することで、サーマルヘッド209を印画位置と退避位置との間で動作させる。
【0021】
108はカッタ駆動モータドライバ、109はカッタ211駆動するカッタモータである。メインコントローラ101の制御下、カッタ駆動モータドライバ108がカッタモータ109を制御することで、用紙212の切断を行う。
【0022】
113は用紙検出センサであり、サーマルヘッド209に対向して設けられるプラテンローラ204とグリップローラ203の間に配され、印刷開始時にカートリッジから引き出された用紙212の先端がグリップローラ203の後方を通過したことを検出する。114はインクシートのマーカ検出センサであり、インクシート205のY/M/C/OPのインク部分801〜804の間に塗布されたマーカ805を検出する(図9を参照)。112はカートリッジ検出センサであり、カートリッジの装填状態、及び複数存在するカートリッジの種類の判別を行う。この判別結果に基づき、ROM110に記憶された制御プログラムに従って、カートリッジに応じた印刷処理が行われる。
【0023】
115は操作部である。116はIC読み書き部である。120Y、120M、120Cはイメージメモリであり、画像データ入力部119により入力された印刷対象の画像データをメインコントローラにより印刷用データに変換したデータを記録しておく。画像データからイエロー、マゼンタ、シアンの各色の印刷用データが生成され、それぞれ、120Y、120M、120Cに記録される。122はサーマルヘッド駆動回路であり、サーマルヘッド209を駆動させるための回路である。121は、サーマルヘッド駆動回路122の駆動を制御するためのコントローラであり、イメージメモリ120Y、120M、120Cに記録されている印刷用データに基づいて、サーマルヘッドを駆動させて画像を印刷するための制御を行う。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタのプリンタエンジンの構成を示す概略図である。ロール状に巻回されたロール用紙201から給紙ローラ202の回転によって用紙(記録媒体)212が引き出され、ステッピングモータにより回転が制御されるグリップローラ203まで用紙212の先端が送られる。このグリップローラ203の対向側に用紙212を挟み込む形でピンチローラ206が配置されており、グリップローラ203の回転により、用紙212は用紙検出センサ113まで搬送される。用紙検出センサ113としてはフォトリフレクタ等が用いられ、用紙検出センサ113により、用紙212の先端が検出された後は、オープンループで用紙212の搬送位置制御を行う。
【0025】
グリップローラ203の更なる回転により、用紙212はプラテンローラ204、排紙ローラ207へと搬送される。プラテンローラ204の対向側にはサーマルヘッド209が配置され、このサーマルヘッド209と用紙212の間をインクシート205が通過する。
【0026】
このインクシート205は、図9を参照して説明したように、イエロー(Y)801、マゼンタ(M)802、シアン(C)803の各色のインク部分(昇華性染料)と、熱溶融インク部分であるオーバーコート(OP)部分804とが搬送方向に順に配置されたものである。そして、これら面順次に配列された昇華型インク部分と熱溶融インク部分とからなる各組が周期的に配置されている。また、各昇華型インク部分の間、及び、昇華型インク部分と熱溶融インク部分との間には、頭出し位置検出用のマーカ805が配置されており、マーカ805の検出はマーカ検出センサ114によって行われる。マーカ検出センサ114としてはフォトリフレクタ等が用いられ、各色の印画前若しくは印画後にマーカ検出センサ114によるインクシート205の頭出しが行われる。
【0027】
インクシート205は、インクシート供給側のロールボビン210から供給され、サーマルヘッド209と用紙212との間を通って、モータの回転駆動により巻取り制御されるインクシート巻取り側のロールボビン208へ巻き取られる。サーマルヘッド209は、少なくとも用紙212の幅(主走査方向)に相当する分、複数の発熱体を配列したライン型のサーマルヘッドで、用紙212はこのサーマルヘッド209に直交するA方向(副走査方向)に搬送されて画像が転写(記録)される。
【0028】
用紙212に画像を転写する際には、サーマルヘッド209とプラテンローラ204が圧着状態となり、インクシート205がサーマルヘッド209の発熱体と用紙212に接する状態となる。この状態で、メインコントローラ101によってサーマルヘッド209の発熱体が画像データに応じて発熱駆動される。この発熱体の発熱駆動により、昇華したインクシート205の昇華性染料がプラテンローラ204により圧接されている用紙212の受容層へ転写されて定着することにより画像が形成される。
【0029】
こうしてY/M/Cの各色のインク部分801〜803の転写が終了した後、OP部分804がサーマルヘッド209の発熱体の熱で溶融されて、転写済みの用紙のカラー画像の表面をコーティングする保護層を形成する。こうして1枚のカラー画像の印刷が終了すると、用紙はB方向に搬送され、カッタ211により所望のサイズに切断され、排紙ローラ207の回転により印刷済みの用紙212がプリンタ外部へと排紙される。
【0030】
次に、図3及び図4を用いて、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタにおいて、電源が投入されてから印刷が開始されるまでの動作を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタの電源投入時の手順を説明するフローチャートである。また、図4は、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタの操作部115の例を示す外観図である。
【0031】
図4に示すように、操作部115には、プリンタの電源のオン/オフを行う電源ボタン401、おたのしみボタン402、メニューボタン403が配置されている。また、GUI(Graphical User Interface)画面の表示を行う液晶画面404が配置されている。また、十字キー/SETボタン405、印刷の実行/中止を指示する印刷/中止ボタン406、パンボタン407、ズームボタン408、表示ボタン409、編集ボタン410が配置されている。
【0032】
図3に示すように、先ずステップS1で、ユーザによる電源ボタン401の押下により電源が投入された後、ステップS2で、カートリッジ検出センサ112により、カートリッジの有無の判別が行われる。ステップS2においてカートリッジが検出されなかった場合、ステップS3で、ユーザにカートリッジの挿入を促すメッセージが液晶画面404に表示される。
【0033】
ステップS2においてカートリッジが検出された場合、ステップS4で、用紙検出センサ113により、プリンタエンジン内のカートリッジ外部における用紙(プリンタエンジン内残留用紙)の有無の判別が行われる。ステップS4において残留用紙が検出された場合、ステップS5の残留用紙検出処理へと移行する。この残留用紙検出処理の詳細については後述する。
【0034】
ステップS4において残留用紙が検出されなかった場合(ステップS5の残留用紙検出処理が適切に完了してステップS4に戻った場合も含む)、ステップS6の印刷画像設定作業へと移行する。ステップS6では、メモリカード等に保存された画像データが読み出されて、その画像が液晶画面404に表示される。その状態で十字キー/SETボタン405を使用して、ユーザは、印刷したい画像の選択及び印刷設定を行うことができる。また、編集ボタン410で画像データのトリミング編集画面へ遷移したり、ズームボタン408或いはパンボタン407を押下して画像のトリミングサイズを決定したりすることもできる。また、表示ボタン409で、指定した画像データのファイル名やサイズといった情報表示することもできる。更に、おたのしみボタン402を押下することにより、カレンダの作成、マルチレイアウト作成(複数の画像データを並べてレイアウトする)、パノラマ画像の作成といった編集機能の選択画面へ遷移できる。
【0035】
このようにしてステップS6の印刷画像設定作業で印刷する画像の選択と各種印刷設定が終了した後、ステップS7で、ユーザにより印刷/中止ボタン406が押下されることで、熱転写プリンタによる印刷処理が開始される。
【0036】
次に、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによる印刷処理(記録制御処理)を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによる印刷処理の手順を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、本実施形態に係るプリンタが実行可能な連続印刷モードであるパノラマサイズ印刷モードでの処理を示す。パノラマ印刷モードでは、上述した図10に示すように、インクシート205を二面分用いて一面分の画像の2倍の長さをもつパノラマ画像を印刷する。また、図6は、パノラマ印刷モードでの各工程における用紙の先端位置を示した図である。
【0037】
先ずステップS8で、インクシート巻取り側のロールボビン208を巻取ってY色のインク部分801の頭出しを行う。ここではマーカ検出センサ114により、Y色のインク部分801のマーカ805(Y色のインク部分801のマーカのみ2重線として識別可能にしている)を検出するまでインクシート205を巻き取る。そして、ステップS9で、給紙ローラ202を回転駆動することにより、ロール用紙201から用紙212を引き出して、グリップローラ203へと搬送する。ステップS10以降の用紙212の搬送は、ステッピングモータ(不図示)により駆動制御されるグリップローラ203の回転により行われる。
【0038】
次に、ステップS11で、グリップローラ203の回転により搬送された用紙212の先端を用紙検出センサ113により検出する。そして、ステップS12で、パノラマ画像の一画面目の印画開始位置601まで予め定められたステップ数だけ用紙212を搬送する(図6の状態a)。用紙212の印画開始位置601への搬送が完了すると、インクシート205の頭出し中及び用紙の搬送中は待避していていたサーマルヘッド209を、用紙212とインクシート205を挟み込む形でプラテンローラ204に圧着する。
【0039】
次に、ステップS13で、メインコントローラ101がメモリカード等の画像データを読出して処理することにより印刷データを生成して、RAM111に記憶する。このようにしてRAM111に記憶された印刷データを読み出してサーマルヘッド209のドライバコントローラ121へ転送し、ヘッド制御信号によりサーマルヘッド209の発熱体を発熱駆動する。これにより印刷データに応じてインクシート205が熱されることにより、接している用紙212へと染料が昇華・定着し、1ライン分の画像が印刷(転写)される。グリップローラ203の回転により用紙が搬送されながら、所定のライン分の印刷が行われることで、Y色の画像の印刷を実施する(図6の状態b)。なお、このステップS13では、グリップローラ203を画像のサイズに相当するステップ数だけ回転させることにより、用紙212が図2の矢印A方向に搬送されることになる。
【0040】
このようにしてY色の画像の印刷が終了すると、ステップS14に進み、サーマルヘッド209を待避位置に移動して、用紙212とインクシート205を自由に移動可能にする。そして、ステップS8と同様にして、インクシート巻取り側のロールボビン208を巻取りながら、マーカ検出センサ114により、M色のインク部分802のマーカ805を検出して、M色のインク部分802の頭出しを行う。そして、ステップS15に進み、グリップローラ203を印刷時とは逆方向に回転駆動して用紙212の一画面目の印画開始位置601がサーマルヘッド209の発熱体の位置と一致するまで用紙212を矢印B方向に搬送する(図6の状態c)。
【0041】
次に、ステップS16で、Y色で印刷した画像部分に重なるように、ステップS13と同様にして、M色のインク部分802でM色の画像の印刷を実施する。以下、同様にステップS17〜ステップS22の手順に従って、C色及びOP部分もY色で印刷した画像部分に重なるように印刷を行う。
【0042】
一画面目の画像のOP部分804の転写終了後、ステップS23に進み、サーマルヘッド209を待避位置に移動して用紙212及びインクシート205を自由に移動可能にする。そして、グリップローラ203を回転させ、パノラマ画像の二画面目の印画開始位置602まで用紙212を矢印B方向に搬送する(図6の状態d)。そして、ステップS24では、インクシート巻取り側のロールボビン208を巻取りながら、マーカ検出センサ114により、二面目のY色のインク部分801のマーカ805を検出して、Y色のインク部分801の頭出しを行う。
【0043】
次に、ステップS25で、ステップS13と同様にしてY色の画像の印刷を実施する。このとき、図6に示すように、二画面目の印刷終了位置(図6の状態e)は一画面目の印画開始位置601と同一の位置となる。
【0044】
次に、ステップS26で、サーマルヘッド209を待避位置に移動して、グリップローラ203を印刷時とは逆方向に回転駆動して用紙212の二画面目の印画開始位置602まで用紙212を矢印B方向に搬送する(図6の状態f)。そして、ステップS27で、インクシート巻取り側のロールボビン208を巻取りながら、マーカ検出センサ114により、二面目のM色のインク部分802のマーカ805を検出して、M色のインク部分802の頭出しを行う。
【0045】
次に、ステップS28で、Y色で印刷した二画面目の画像部分に重なるように、ステップS25と同様にして、M色のインク部分802でM色の画像の印刷を実施する。以下、同様にステップS29〜ステップS34の手順に従って、C色及びOP層もY色で印刷した画像部分に重なるように印刷を行う。
【0046】
以上説明した処理により、パノラマ画像の二画面目の画像が形成され、用紙212上にインクシート二面分の長さを持つパノラマ画像が印刷される。
【0047】
このようにしてパノラマ画像の印刷が終了すると、ステップS35に進み、サーマルヘッド209を待避位置に移動させ、グリップローラ203を印刷時と逆方向に回転駆動する(図2の矢印B)。そして、用紙212の切断位置がカッタ211の位置に到達するまで用紙212をB方向に搬送し(図6の状態g)、ステップS36で、カッタ211により用紙212の切断処理を行う。その後、ステップS37に進み、ステップS36において切断した用紙を排紙ローラ207で挟み込み、モータの駆動力により排紙方向へと搬送して、印刷済みの用紙212をプリンタ外部へと排紙する。
【0048】
最後にステップS38で、残った用紙212がグリップローラ203及び給紙ローラ202の回転駆動により巻き戻される(図6の状態h)。以上の処理により、パノラマ画像の印刷が終了する。なお、パノラマ画像ではない通常の画像を印刷する際は、ステップS8〜ステップS22まではパノラマ画像の場合と同様の処理を行った後に、ステップS35へと進み、ステップS35以降はパノラマ画像と同様の処理を行う。
【0049】
以下、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによる残留用紙検出処理(図3のステップS5)を説明する。図7は、本発明の実施形態に係る熱転写プリンタによる残留用紙検出処理の手順を説明するフローチャートである。図6に示すように、一画面目の印刷時の用紙先端位置は一画面目の印画開始位置601若しくはそれより上流にあり、二画面目の印刷時の用紙先端位置は一画面目の印画開始位置601若しくはそれより下流にあることがわかる。このことを踏まえ、先ずステップS501で、メインコントローラ101の指令により、グリップローラ203を回転駆動させ、エンジン内の用紙212を用紙検出センサ113の位置まで巻き戻す。このときの駆動開始から巻き戻し完了までのステッピングモータの駆動ステップ数が先端検出搬送量としてメインコントローラ101によりカウントされる。これを例えばk[step]とする。カウントされた値はRAM111に一時的に記憶される。このとき、インクシート205の搬送は行われない構成となっている。
【0050】
次に、メインコントローラ101で、上記k[step]とROM110に記憶されているl[step]及びα[step]との比較が行われる。ここで、l[step]は、図6に示すパノラマ画像の一画面目の印画開始位置601まで用紙を巻き戻すために必要なステッピングモータの駆動ステップ数に相当する。換言すれば、l[step]は、一画面目の印画時に最も用紙検出センサ113から離れる位置から用紙検出センサ113の位置まで用紙を巻き戻すために必要なステッピングモータの駆動ステップ数に相当する。また、α[step]は、ステッピングモータによる送り精度の誤差等を想定した若干のステップ数を示す。
【0051】
具体的には、先ずステップS502で、k[step]と、第1の閾値としての(l−α)[step]との比較が行われる。k[step]≦(l−α)[step]の場合(先端検出搬送量kが第1の閾値以下の場合)、残留用紙が一画面目の印画途中によるものであると判別され、ステップS503へと進む。ステップS503では、グリップローラ203が回転駆動され、用紙212がROM110に記憶されている排出量X1[step]だけB方向に搬送される。ここで、排出量X1[step]とは、パノラマ画像の一画面目の印刷領域の終端位置がカッタ211による切断位置となるまで、用紙212をB方向に搬送するために必要なステッピングモータの駆動ステップ数のことである。即ち、ステップS503では、用紙検出センサ113からカッタ211までの距離に、パノラマ画像の一画面目の副走査方向の長さを加えた距離だけ用紙212をB方向に搬送する。
【0052】
一方、k[step]>(l−α)[step]の場合、残留用紙が一画面目の印画途中によるものであると判別できないため、ステップS504へと進む。ステップS504では、k[step]と、第2の閾値としての(l+α)[step]との比較が行われる。k[step]≧(l+α)[step]の場合(先端検出搬送量kが第2の閾値以上の場合)、残留用紙が二画面目の印画途中によるものであると判別され、ステップS505へと進む。ステップS505では、グリップローラ203が回転駆動され、用紙212が排出量X2[step]だけB方向に搬送される。ここで、排出量X2[step]とは、パノラマ画像の二画面目の印刷領域の終端位置がカッタ211による切断位置となるまで、用紙212をB方向に搬送するために必要なステッピングモータの駆動ステップ数のことである。即ち、ステップS505では、用紙検出センサ113からカッタ211までの距離に、パノラマ画像の副走査方向の長さを加えた距離だけ用紙212をB方向に搬送する。
【0053】
一方、k[step]<(l+α)[step]の場合、残留用紙が一画面目の印画途中によるものであるとも二画面目の印画途中によるものであるとも判別できないため、ステップS506へと進む。
【0054】
(l−α)[step]<k[step]<(l+α)[step]である場合は、図6に示す一画面目印画開始位置601の前後、即ち一画面目のいずれかのインク部分801〜804による印画開始時、若しくは、二画面目のいずれかのインク部分801〜804による印画終了時に限られる。ステップS506以降では、印画開始時と印画終了時でインクシート205の頭出し位置までの頭出し位置検出搬送量に大きな差があることを利用して判別を行う。即ち、残留用紙が一画面目の印画途中によるものであれば、印画開始時であるため、次の頭出し位置までは比較的長いものとなる。それに対して、残留用紙が二画面目の印画途中によるものであれば、印画終了時であるため、次の頭出し位置までは比較的短いものとなる。
【0055】
具体的には、先ずステップS506で、メインコントローラ101の指令により、インクシート巻取り側のロールボビン208を巻取って、マーカ検出センサ114によるマーカ805の検出を行う。このときの駆動開始からマーカ検出までのステッピングモータの駆動ステップ数が頭出し位置検出搬送量としてメインコントローラ101によりカウントされる。これを例えばm[step]とする。カウントされた値はRAM111に一時的に記憶される。
【0056】
次に、ステップS507で、メインコントローラ101で、上記m[step]とROM110に記憶されている第3の閾値としてのn[step]との比較が行われる。ここで、n[step]とは、正常な印画終了後にインクシート205を次の色のマーカ805まで搬送するときのステップ数より大きく、インクシート205を一つのインク部分の分だけ搬送するとき(マーカ805から次の色のマーカ805まで搬送するとき)のステップ数より小さい値のステップ数である。
【0057】
m[step]≦n[step]の場合(頭出し位置検出搬送量mが第3の閾値以下の場合)、ステップS508へと進む。この場合、残留用紙は二画面目の印画途中によるものであると判別されるため、ステップS503と同様にグリップローラ203が回転駆動され、用紙212が排出量X2[step]だけB方向に搬送される。
【0058】
一方、m[step]>n[step]の場合(頭出し位置検出搬送量mが第3の閾値よりも大きい場合)、ステップS509へと進む。この場合、残留用紙は一画面目の印画途中によるものであると判別されるため、ステップS505と同様にグリップローラ203が回転駆動され、用紙212が排出量X1[step]だけB方向に搬送される。
【0059】
ここで、図8を参照して、閾値であるn[step]について詳細に説明する。図中、Xはインクシート205を一つのインク部分の分だけ搬送するとき(マーカ805から次の色のマーカ805まで搬送するとき)のステップ数である。また、Yは正常な印画終了後にインクシート205を次の色のマーカ805まで搬送するときのステップ数である。ステップ507においては、用紙212の停止位置が、一画面目の画像の印画開始位置であるか、二画面目の印画終了位置である状態である。したがって、次のマーカ805まで搬送したステップ数mがYよりも小さい場合(範囲Bあたりで印画途中となった場合)は、二画面目の印画終了状態であるはずであり、用紙を排出量X2[step]だけ送って二画面分の用紙を切断する。また、mがXに近い値の場合(範囲Aあたりで印画途中となった場合)は、一画面目の画像の印画開始状態であるはずであり、用紙を排出量X1[step]だけ送って二画面分の用紙を切断する。
【0060】
閾値n[step]をどのような値に設定するかについては、領域Aから領域Bの間のいずれかの地点から次のマーカまで搬送する場合のステップ数であればどのような値でもよい。即ち、nはY以上X以下の値と説明したが、細かく言うと、
Y<Y+β<n<X−ω<X
となる。βは搬送誤差のためのステップ数、ωはマーカ805から印画開始位置まで搬送するときのステップ数や搬送誤差のためのステップ数を含んだ値である。また、複数の用紙サイズにより印刷が可能なプリンタの場合は、用紙サイズによって、Yの値は変わったりするので、nの値は用紙サイズに影響されない値にするとよい。つまり、複数の用紙サイズの中で、印画終了後のインクシート205を次の色のマーカ805まで搬送するときのステップ数が一番大きくなる用紙サイズのステップ数よりもnの値が大きくなるように設定する。
【0061】
ステップS503、ステップS505、ステップS508、ステップS509のいずれか完了した後、ステップS510へと進む。ステップS510では、カッタ211により用紙212が切断され、排紙ローラ207の回転により印刷済みの用紙212がプリンタ外部へと排紙される。最後に、ステップS511で、残った用紙212がグリップローラ203及び給紙ローラ202の回転駆動により巻き戻される。
【0062】
以上の処理により、残留用紙検出処理が終了する。この残留用紙検出処理により、用紙の無駄を抑えた上で、次回印刷時に印画済みの用紙の上から再印画することを防ぐことが可能となる。
【0063】
本実施形態における残留用紙検出処理では、用紙搬送量で判別できなかった場合に、インクシート205のマーカ805検出までの搬送量により残留用紙の判別を行ったが、それに限定されるものではない。例えば所定量であるn[step]だけインクシート205を搬送した場合のマーカ検出センサ114による検出の成否を判定するようにしてもよい。即ち、n[step]だけインクシート205を搬送する中で、マーカ検出センサ114によりマーカ805が検出された場合は、用紙212を排出量X2[step]だけB方向に搬送する。一方、マーカ805が検出されなかった場合は、用紙212を排出量X1[step]だけB方向に搬送を行う。以降の処理については上記の実施形態と同様でよい。
【0064】
また、本実施形態では、印刷方向と用紙巻き戻し方向が同一の方向(図2の矢印A)である場合について記載したが、印刷方向は用紙引き出し方向であっても問題は無い。但し、この場合、インクシート205の頭出しは、一画面目の場合では用紙の先端が印画開始位置にあり、二画面目の場合では用紙の先端が印画終了位置にある状態で行われるのが望ましい。
【0065】
また、本実施形態では、カッタ211の位置がサーマルヘッド209よりも下流にあるため、通常印刷の際に、印刷後のカット前の用紙先端位置が印刷開始時の用紙先端位置よりも下流となる。この場合に限り、上述した残留用紙検出処理では正確な残留用紙の処理が困難となるが、一枚の印刷の中でこのような状態にある時間は少ないため、残留用紙検出処理で用紙の無駄が発生する確率は低い。
【0066】
上記の問題を解決するための一例としては、カッタ211がサーマルヘッド209よりも上流にあり、残留用紙検出処理の際には、グリップローラが独立駆動される構成となっている場合等が挙げられる。このような構成では、カットされた後の印刷物は巻き戻されず、残りのロール紙のみが巻き戻されるため、如何なる状況でも適切な残留用紙検出処理が可能となる。
【0067】
本発明は、パノラマサイズに限定されるものではなく、複数の画像が互いに隣接するように印刷する場合にも適応される。例えば、副走査方向が長手方向である2L用紙に主走査方向が長手方向であるL判インクを二面分使用して、二画面を隣接させて印刷する場合等にも適応可能である。
【0068】
なお、実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0069】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0070】
101:メインコントローラ、102:用紙搬送モータドライバ、103:用紙搬送モータ、104:インクシート搬送モータドライバ、105:インクシート搬送モータ、106:サーマルヘッド昇降モータドライバ、107:サーマルヘッド昇降モータ、108:カッタ駆動モータドライバ、109:カッタモータ、110:ROM、111:RAM、112:カートリッジ検出センサ、113:用紙検出センサ、114:マーカ検出センサ115:操作部、116:IC読み書き部、120Y、120M、120C:イメージメモリ、121:ドライバコントローラ、122:サーマルヘッド駆動回路、205:インクシート、212:用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインク部分が搬送方向に順に配置されたインクシートを複数面分用いて、複数画面を隣接させて印画する連続印刷モードを実行可能なプリンタであって、
用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙の先端を検出する用紙検出手段と、
前記インクシートを搬送するインクシート搬送手段と、
前記インクシートの各インク部分の頭出し位置を検出するマーカ検出手段と、
当該プリンタの電源投入時に、前記用紙搬送手段により前記用紙を搬送し、前記用紙検出手段により前記用紙の先端が検出されるまでの先端検出搬送量を求めて、その先端検出搬送量に基づいて前記用紙の排出量を決定する制御手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記用紙を切断する切断手段を更に備え、
前記制御手段により決定された排出量に基づいて、前記用紙搬送手段により用紙を搬送させて前記切断手段により前記用紙を切断することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記先端検出搬送量が所定の範囲にある場合、前記インクシート搬送手段により前記インクシートを搬送し、前記頭出し位置検出手段により頭出し位置が検出されるまでの頭出し位置検出搬送量を求めて、その頭出し位置検出搬送量に基づいて前記用紙の排出量を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載にプリンタ。
【請求項4】
前記制御手段は、前記用紙の先端が検出されるまでの搬送量が所定の範囲にある場合、前記インクシート搬送手段により前記インクシートを所定量だけ搬送し、前記頭出し位置検出手段による頭出し位置の検出の成否を判定して、その判定の結果に基づいて前記用紙の排出量を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載にプリンタ。
【請求項5】
前記連続印刷モードは、前記インクシートを二面分用いて、二画面を隣接させて印画するモードであり、
前記制御手段は、前記先端検出搬送量を第1の閾値及び前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値と比較して、前記第1の閾値以下であれば、一画面目の印画途中であったと判別して前記用紙の排出量を決定し、前記第2の閾値以上であれば、二画面目の印画途中であったと判別して前記用紙の排出量を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記制御手段は、前記先端検出搬送量が前記第1の閾値より大きく、かつ、前記第2の閾値より小さい場合、前記インクシート搬送手段により前記インクシートを搬送し、前記頭出し位置検出手段により頭出し位置が検出されるまでの頭出し位置検出搬送量を求めて、その頭出し位置検出搬送量を第3の閾値と比較して、前記第3の閾値よりも大きければ、一画面目の印画途中であったと判別して前記用紙の排出量を決定し、前記第3の閾値以下であれば、二画面目の印画途中であったと判別して前記用紙の排出量を決定することを特徴とする請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記制御手段は、前記先端検出搬送量が前記第1の閾値より大きく、かつ、前記第2の閾値より小さい場合、前記インクシート搬送手段により前記インクシートを所定量だけ搬送し、前記頭出し位置検出手段による頭出し位置の検出の成否を判定して、頭出し位置が検出されなければ、一画面目の印画途中であったと判別して前記用紙の排出量を決定し、頭出し位置が検出されれば、二画面目の印画途中であったと判別して前記用紙の排出量を決定することを特徴とする請求項5に記載のプリンタ。
【請求項8】
複数のインク部分が搬送方向に順に配置されたインクシートを複数面分用いて、複数画面を隣接させて印画する連続印刷モードを実行可能であり、
用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙の先端を検出する用紙検出手段と、
前記インクシートを搬送するインクシート搬送手段と、
前記インクシートの各インク部分の頭出し位置を検出する頭出し位置検出手段とを備えたプリンタの制御方法であって、
前記プリンタの電源投入時に、前記用紙搬送手段により前記用紙を搬送し、前記用紙検出手段により前記用紙の先端が検出されるまでの先端検出搬送量を求めて、その先端検出搬送量に基づいて前記用紙の排出量を決定するステップを有することを特徴とするプリンタの制御方法。
【請求項9】
複数のインク部分が搬送方向に順に配置されたインクシートを複数面分用いて、複数画面を隣接させて印画する連続印刷モードを実行可能であり、
用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙の先端を検出する用紙検出手段と、
前記インクシートを搬送するインクシート搬送手段と、
前記インクシートの各インク部分の頭出し位置を検出する頭出し位置検出手段とを備えたプリンタを制御するためのプログラムであって、
前記プリンタの電源投入時に、前記用紙搬送手段により前記用紙を搬送し、前記用紙検出手段により前記用紙の先端が検出されるまでの先端検出搬送量を求めて、その先端検出搬送量に基づいて前記用紙の排出量を決定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−30385(P2012−30385A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169511(P2010−169511)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】