プリント基板のメッキ層形成方法
【課題】スルーホールピッチが狭くスルーホール体積が大きいSIP製品群において、回路パターン部分とスルーホール部分の充填される銅メッキ層のメッキ厚さの偏差を減少させる。
【解決手段】CCL(COPPER CLAD LAMINATION)10にスルーホールを加工する段階と、スルーホールにシードメッキ層20を形成する段階と、CCL10とシードメッキ層20上にレジスト40を塗布する段階と、シードメッキ層20上にレジスト40を露光及び現像させる段階と、シードメッキ層20上に一次メッキ層50を形成する段階と、一次メッキ層50上に銅メッキ層60を形成する段階と、一次メッキ層50上に残存しているレジスト40とシードメッキ層20を除去して回路パターン61を形成する段階と、を含む。
【解決手段】CCL(COPPER CLAD LAMINATION)10にスルーホールを加工する段階と、スルーホールにシードメッキ層20を形成する段階と、CCL10とシードメッキ層20上にレジスト40を塗布する段階と、シードメッキ層20上にレジスト40を露光及び現像させる段階と、シードメッキ層20上に一次メッキ層50を形成する段階と、一次メッキ層50上に銅メッキ層60を形成する段階と、一次メッキ層50上に残存しているレジスト40とシードメッキ層20を除去して回路パターン61を形成する段階と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板のメッキ層形成方法に関し、より詳細には、基板の回路パターン部分とスルーホール部分に均一な厚さの銅メッキ層を形成するようにするプリント基板のメッキ層形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化及び多機能化に伴ってプリント基板にも多様な機能が要求されている。特に、SIP(System in package)の場合、優れた熱的、電気的特性が要求されている。このような熱的、電気的特性を強化するために、既存のマイクロビアホールに加工されたホールをスルーホール(through hole)に変更しようとする試みが増えている。しかし、SIP用スルーホールの充填メッキは、狭いピッチと広いホールサイズなどの制約を受けるためメッキに限界があり、特に、広いスルーホールを充填するためには高電流密度のメッキを要するため、回路パターン部分とスルーホール部分のメッキ厚さの偏差が大きくなり、メッキ厚さの均一性を満たすことができないという問題点が発生する。
【0003】
従来のSIP用スルーホールのメッキ方法について添付の図1a〜図1fに基づき詳細に説明すると、以下のとおりである。
【0004】
図1a〜図1fは、従来のSIP用スルーホールのメッキ法を図示した図面である。
【0005】
銅箔積層板(COPPER CLAD LAMINATION、以下「CCL」とする)10に、機械的方法(CNC法、レーザ加工法など)を用いて回路の層間接続のためのスルーホールを設け(図1b)、CCL10上に無電解または電解メッキ法を用いて銅箔からなるシードメッキ層20を形成する(図1c)。前記シードメッキ層20上にレジスト40を積層し、前記レジスト40を露光及び現象(図1d)した後、電解メッキ法を用いて銅メッキ層60を形成する(図1e)。この場合、銅メッキ層60が形成される際に、前記銅メッキ層60がスルーホール11部分で高い電流密度で形成され、スルーホール11のピッチが狭いため、回路パターン61部分の銅メッキ層60及び前記スルーホール11部分の銅メッキ層60が均一に形成されない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2003−0080413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来提起されている上記の問題点を解決するために導き出されたものであって、プリント基板を製作する際に一次メッキと二次メッキを順に行ってメッキ厚さの差を解消し、より安定したメッキを行うことができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記目的は、CCL(COPPER CLAD LAMINATION)にスルーホールを加工する段階と、前記スルーホールにシードメッキ層を形成する段階と、前記CCLと前記シードメッキ層上にレジストを塗布する段階と、前記シードメッキ層上に前記レジストを露光及び現像する段階と、前記シードメッキ層上に一次メッキ層を形成する段階と、前記一次メッキ層上に銅メッキ層を形成する段階と、前記一次メッキ層上に残存しているレジストとシードメッキ層を除去してパターンを形成する段階と、を含むプリント基板のメッキ層形成方法を提供することにより達成される。
【0009】
前記スルーホールは、機械的方法と化学的方法により形成することができる。
【0010】
前記機械的方法としては、ドリル、レーザ加工を用いることができ、化学的方法としては、エッチングを用いることができる。
【0011】
前記一次メッキ層は、3〜5μmの厚さで形成することができる。
【0012】
前記一次メッキ層は、0.5A/dm2〜1.0A/dm2以下の電流密度を有する低電流によりメッキすることができる。
【0013】
前記銅メッキ層は、前記一次メッキ層上に20〜25μmの厚さで形成することができる。
【0014】
前記銅メッキ層は、1.5A/dm2〜2.0A/dm2以上の電流密度を有する高電流によりメッキすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプリント基板のメッキ層形成方法は、一次メッキと二次メッキを行うことにより、スルーホールピッチが狭く、スルーホール体積が大きいSIP製品群において、回路パターン部分とスルーホール部分に充填される銅メッキ層のメッキ厚さの偏差を減少させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1b】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1c】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1d】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1e】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1f】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図2a】ビアホールとスルーホールの銅メッキ層の比較図である。
【図2b】ビアホールとスルーホールの銅メッキ層の比較図である。
【図3a】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3b】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3c】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3d】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3e】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3f】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3g】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図4】従来のメッキ方法と本発明のメッキ方法の比較グラフである。
【図5】従来のメッキ方法による銅メッキ層と本発明のメッキ方法による銅メッキ層の比較拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によるプリント基板のメッキ層形成方法に対する技術的構成を含む作用効果に関する事項は、本発明の好ましい実施形態が図示された図面に基づき、以下の詳細な説明により明確に理解されるであろう。
【0018】
しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態で具現することができる。本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝達するために提供される。
【0019】
図2a、図2bを参照して説明すると、図2aのように、CCL10内にビアホール12を形成した場合、前記ビアホール12の上面と下面の直径の差により、前記ビアホール12の下面に樹脂の残渣が存するため信頼性が劣る。一方、図2bのように、前記CCL10内にスルーホール11を形成した場合には、前記スルーホール11の内側面に樹脂の残渣の存するという問題点が発生しない。そのため、前記CCL10内にスルーホール11が形成された構造が、電子機器の小型化及び多機能化に伴ってプリント基板に適用されている。
【0020】
図3a〜図3gを参照して本発明の実施形態によるプリント基板のメッキ層形成方法について詳細に説明する。
【0021】
本発明の実施形態によるプリント基板のメッキ層形成方法は、CCL(COPPER CLAD LAMINATION)10にスルーホール11を形成加工する段階と、前記CCL10と前記スルーホール11にシードメッキ層20を形成する段階と、前記シードメッキ層20上にレジスト40を塗布する段階と、前記レジスト40を露光及び現像する段階と、前記シードメッキ層20上に一次メッキ層50を形成する段階と、前記一次メッキ層50上に銅メッキ層60を形成する段階と、前記一次メッキ層50に残存しているレジスト40と前記シードメッキ層20を除去する段階と、を含んでなる。
【0022】
ここで、前記CCL(COPPER CLAD LAMINATION、以下「CCL」とする)10は、2〜3μmの銅箔層を有することができ、前記銅箔層の素材は、エポキシ(Epoxy or Modified Epoxy)、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyelene terepthalate;PET)、シアン酸エステル(Cyanide Ester)などからなることができる。
【0023】
前記CCL10にスルーホール11を形成する方法としては、機械的な加工方法であるドリルとレーザなどを用いることができ、また化学的エッチング方法でもスルーホール11を形成することができるが、本発明はこれに限定されず、様々な方法によりスルーホール11を形成することができる(図3a)。
【0024】
前記CCL10と前記スルーホール11にシードメッキ層20を形成する方法としては、無電解及び電解メッキ法を用いることができるが、本発明はこれに限定されず、様々な方法によりシードメッキ層20を形成することができる。
【0025】
前記シードメッキ層20上にレジスト40を塗布する段階において、前記レジストは様々な種類のものが使用され得るが、最も一般的に使用されているドライフィルムが前記シードメッキ層20上に塗布される(図3b)。
【0026】
前記シードメッキ層20上に、前記レジスト40が塗布された状態で回路パターン61を形成するためには、マスク(Mask)30を用いて前記レジスト40を露光(Exposure)する。前記露光(Exposure)は、サブトラクティブ(Subtractive)法とは反対に、前記回路パターン61が形成される部分は光に露出させずに、その他の部分を光に露出させることで、この光に露出させた部分が硬化(polymerization)する(図3c)。
【0027】
現象(Development)工程においては、光に露出させた前記レジスト40の部分が現像液(炭酸ナトリウム)により溶解され除去される(図3d)。
【0028】
前記シードメッキ層20上に一次メッキ層50を形成する段階において、シードメッキ層20が形成されたCCL10に、0.5A/dm2〜1.0A/dm2の電流密度を有する低電流を印加することにより、3〜5μmの厚さを有する一次メッキ層50を形成する。この一次メッキ層50を形成することにより、前記回路パターン61部分と前記スルーホール11部分の銅メッキ層60の厚さの差を減少させることができる(図3e)。
【0029】
前記一次メッキ層50上に銅メッキ層60を形成する段階において、前記低電流が印加されて3〜5μmの一次メッキ層50が形成されたCCL10に、1.5A/dm2〜2.0A/dm2の電流密度を有する高電流を印加することにより、25μmの厚さを有する前記銅メッキ層60を形成する(図3f)。
【0030】
前記スルーホール11内には、低電流により一次メッキ層50が確保されたため、前記回路パターン61に比べ、前記スルーホール11内の銅メッキ層60の充填速度が速いので、スルーホール11周りの領域のメッキが既存工法に比べて相対的に低く形成され、回路パターン61部とスルーホール11の銅メッキ層60の段差が減少する。
【0031】
前記一次メッキ層50に残存しているレジスト40とシードメッキ層20を除去する段階においては、前記レジスト40は水酸化ナトリウム溶液を用いて除去される。
【0032】
前記一次メッキ層50に残存しているレジスト40と前記シード層20は、エッチング液を用いて除去され、エッチング液としては、塩化銅溶液や塩化鉄溶液、または硫酸や硫酸過酸化水素の薬品が主に用いられる(図3g)。
【0033】
図4及び図5は、従来のメッキ方法と本発明のメッキ方法を比較したものである。
【0034】
図4は、従来のメッキ方法と本発明のメッキ方法を比較したグラフである。
【0035】
図4は、前記回路パターン61の銅メッキ層60と、前記スルーホール11の銅メッキ層60の段差が最大10μm以下である場合の銅メッキ層60の厚さを示したもので、従来のメッキ方法の場合、銅メッキ層60の平均厚さが40μm程度であったが、本発明のメッキ方法の場合には平均34μm程度の銅メッキ層60を形成することができる。これによれば、メッキ厚さを約5μm程度減少させた場合にも前記銅メッキ層60を形成することができる。
【0036】
図5は、従来のメッキ法による銅メッキ層と本発明のメッキ法による銅メッキ層の比較拡大図である。
【0037】
前記従来のメッキ方法によると、前記銅メッキ層60を形成する際、前記スルーホール11周りの領域において銅メッキ層60が高くメッキされ、このような現象は、ピッチの狭いスルーホール11で、高密度電流を印加することで銅メッキ層60を形成する場合に、より深刻化する。
一方、本発明のメッキ法の場合、前記スルーホール11周りの領域において前記銅メッキ層60が高く形成されないことを確認することができる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態に基づき本発明のプリント基板のメッキ層形成方法について説明したが、本発明の思想を外れない範囲内で修正、変更及び様々な変形の実施形態が可能であるということは当技術分野の通常の知識を有する者には明白である。
【符号の説明】
【0039】
10 CCL
11 スルーホール
12 ビアホール
20 シードメッキ層
30 マスク
40 レジスト
50 一次メッキ層
60 銅メッキ層
61 回路パターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板のメッキ層形成方法に関し、より詳細には、基板の回路パターン部分とスルーホール部分に均一な厚さの銅メッキ層を形成するようにするプリント基板のメッキ層形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化及び多機能化に伴ってプリント基板にも多様な機能が要求されている。特に、SIP(System in package)の場合、優れた熱的、電気的特性が要求されている。このような熱的、電気的特性を強化するために、既存のマイクロビアホールに加工されたホールをスルーホール(through hole)に変更しようとする試みが増えている。しかし、SIP用スルーホールの充填メッキは、狭いピッチと広いホールサイズなどの制約を受けるためメッキに限界があり、特に、広いスルーホールを充填するためには高電流密度のメッキを要するため、回路パターン部分とスルーホール部分のメッキ厚さの偏差が大きくなり、メッキ厚さの均一性を満たすことができないという問題点が発生する。
【0003】
従来のSIP用スルーホールのメッキ方法について添付の図1a〜図1fに基づき詳細に説明すると、以下のとおりである。
【0004】
図1a〜図1fは、従来のSIP用スルーホールのメッキ法を図示した図面である。
【0005】
銅箔積層板(COPPER CLAD LAMINATION、以下「CCL」とする)10に、機械的方法(CNC法、レーザ加工法など)を用いて回路の層間接続のためのスルーホールを設け(図1b)、CCL10上に無電解または電解メッキ法を用いて銅箔からなるシードメッキ層20を形成する(図1c)。前記シードメッキ層20上にレジスト40を積層し、前記レジスト40を露光及び現象(図1d)した後、電解メッキ法を用いて銅メッキ層60を形成する(図1e)。この場合、銅メッキ層60が形成される際に、前記銅メッキ層60がスルーホール11部分で高い電流密度で形成され、スルーホール11のピッチが狭いため、回路パターン61部分の銅メッキ層60及び前記スルーホール11部分の銅メッキ層60が均一に形成されない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2003−0080413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来提起されている上記の問題点を解決するために導き出されたものであって、プリント基板を製作する際に一次メッキと二次メッキを順に行ってメッキ厚さの差を解消し、より安定したメッキを行うことができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記目的は、CCL(COPPER CLAD LAMINATION)にスルーホールを加工する段階と、前記スルーホールにシードメッキ層を形成する段階と、前記CCLと前記シードメッキ層上にレジストを塗布する段階と、前記シードメッキ層上に前記レジストを露光及び現像する段階と、前記シードメッキ層上に一次メッキ層を形成する段階と、前記一次メッキ層上に銅メッキ層を形成する段階と、前記一次メッキ層上に残存しているレジストとシードメッキ層を除去してパターンを形成する段階と、を含むプリント基板のメッキ層形成方法を提供することにより達成される。
【0009】
前記スルーホールは、機械的方法と化学的方法により形成することができる。
【0010】
前記機械的方法としては、ドリル、レーザ加工を用いることができ、化学的方法としては、エッチングを用いることができる。
【0011】
前記一次メッキ層は、3〜5μmの厚さで形成することができる。
【0012】
前記一次メッキ層は、0.5A/dm2〜1.0A/dm2以下の電流密度を有する低電流によりメッキすることができる。
【0013】
前記銅メッキ層は、前記一次メッキ層上に20〜25μmの厚さで形成することができる。
【0014】
前記銅メッキ層は、1.5A/dm2〜2.0A/dm2以上の電流密度を有する高電流によりメッキすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプリント基板のメッキ層形成方法は、一次メッキと二次メッキを行うことにより、スルーホールピッチが狭く、スルーホール体積が大きいSIP製品群において、回路パターン部分とスルーホール部分に充填される銅メッキ層のメッキ厚さの偏差を減少させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1b】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1c】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1d】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1e】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図1f】従来のスルーホールを具備したCCLのメッキ方法で形成したプリント基板を図示した図面である。
【図2a】ビアホールとスルーホールの銅メッキ層の比較図である。
【図2b】ビアホールとスルーホールの銅メッキ層の比較図である。
【図3a】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3b】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3c】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3d】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3e】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3f】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図3g】本発明のスルーホールを備えた銅メッキ層を形成する工程を図示した流れ図である。
【図4】従来のメッキ方法と本発明のメッキ方法の比較グラフである。
【図5】従来のメッキ方法による銅メッキ層と本発明のメッキ方法による銅メッキ層の比較拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によるプリント基板のメッキ層形成方法に対する技術的構成を含む作用効果に関する事項は、本発明の好ましい実施形態が図示された図面に基づき、以下の詳細な説明により明確に理解されるであろう。
【0018】
しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態で具現することができる。本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝達するために提供される。
【0019】
図2a、図2bを参照して説明すると、図2aのように、CCL10内にビアホール12を形成した場合、前記ビアホール12の上面と下面の直径の差により、前記ビアホール12の下面に樹脂の残渣が存するため信頼性が劣る。一方、図2bのように、前記CCL10内にスルーホール11を形成した場合には、前記スルーホール11の内側面に樹脂の残渣の存するという問題点が発生しない。そのため、前記CCL10内にスルーホール11が形成された構造が、電子機器の小型化及び多機能化に伴ってプリント基板に適用されている。
【0020】
図3a〜図3gを参照して本発明の実施形態によるプリント基板のメッキ層形成方法について詳細に説明する。
【0021】
本発明の実施形態によるプリント基板のメッキ層形成方法は、CCL(COPPER CLAD LAMINATION)10にスルーホール11を形成加工する段階と、前記CCL10と前記スルーホール11にシードメッキ層20を形成する段階と、前記シードメッキ層20上にレジスト40を塗布する段階と、前記レジスト40を露光及び現像する段階と、前記シードメッキ層20上に一次メッキ層50を形成する段階と、前記一次メッキ層50上に銅メッキ層60を形成する段階と、前記一次メッキ層50に残存しているレジスト40と前記シードメッキ層20を除去する段階と、を含んでなる。
【0022】
ここで、前記CCL(COPPER CLAD LAMINATION、以下「CCL」とする)10は、2〜3μmの銅箔層を有することができ、前記銅箔層の素材は、エポキシ(Epoxy or Modified Epoxy)、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyelene terepthalate;PET)、シアン酸エステル(Cyanide Ester)などからなることができる。
【0023】
前記CCL10にスルーホール11を形成する方法としては、機械的な加工方法であるドリルとレーザなどを用いることができ、また化学的エッチング方法でもスルーホール11を形成することができるが、本発明はこれに限定されず、様々な方法によりスルーホール11を形成することができる(図3a)。
【0024】
前記CCL10と前記スルーホール11にシードメッキ層20を形成する方法としては、無電解及び電解メッキ法を用いることができるが、本発明はこれに限定されず、様々な方法によりシードメッキ層20を形成することができる。
【0025】
前記シードメッキ層20上にレジスト40を塗布する段階において、前記レジストは様々な種類のものが使用され得るが、最も一般的に使用されているドライフィルムが前記シードメッキ層20上に塗布される(図3b)。
【0026】
前記シードメッキ層20上に、前記レジスト40が塗布された状態で回路パターン61を形成するためには、マスク(Mask)30を用いて前記レジスト40を露光(Exposure)する。前記露光(Exposure)は、サブトラクティブ(Subtractive)法とは反対に、前記回路パターン61が形成される部分は光に露出させずに、その他の部分を光に露出させることで、この光に露出させた部分が硬化(polymerization)する(図3c)。
【0027】
現象(Development)工程においては、光に露出させた前記レジスト40の部分が現像液(炭酸ナトリウム)により溶解され除去される(図3d)。
【0028】
前記シードメッキ層20上に一次メッキ層50を形成する段階において、シードメッキ層20が形成されたCCL10に、0.5A/dm2〜1.0A/dm2の電流密度を有する低電流を印加することにより、3〜5μmの厚さを有する一次メッキ層50を形成する。この一次メッキ層50を形成することにより、前記回路パターン61部分と前記スルーホール11部分の銅メッキ層60の厚さの差を減少させることができる(図3e)。
【0029】
前記一次メッキ層50上に銅メッキ層60を形成する段階において、前記低電流が印加されて3〜5μmの一次メッキ層50が形成されたCCL10に、1.5A/dm2〜2.0A/dm2の電流密度を有する高電流を印加することにより、25μmの厚さを有する前記銅メッキ層60を形成する(図3f)。
【0030】
前記スルーホール11内には、低電流により一次メッキ層50が確保されたため、前記回路パターン61に比べ、前記スルーホール11内の銅メッキ層60の充填速度が速いので、スルーホール11周りの領域のメッキが既存工法に比べて相対的に低く形成され、回路パターン61部とスルーホール11の銅メッキ層60の段差が減少する。
【0031】
前記一次メッキ層50に残存しているレジスト40とシードメッキ層20を除去する段階においては、前記レジスト40は水酸化ナトリウム溶液を用いて除去される。
【0032】
前記一次メッキ層50に残存しているレジスト40と前記シード層20は、エッチング液を用いて除去され、エッチング液としては、塩化銅溶液や塩化鉄溶液、または硫酸や硫酸過酸化水素の薬品が主に用いられる(図3g)。
【0033】
図4及び図5は、従来のメッキ方法と本発明のメッキ方法を比較したものである。
【0034】
図4は、従来のメッキ方法と本発明のメッキ方法を比較したグラフである。
【0035】
図4は、前記回路パターン61の銅メッキ層60と、前記スルーホール11の銅メッキ層60の段差が最大10μm以下である場合の銅メッキ層60の厚さを示したもので、従来のメッキ方法の場合、銅メッキ層60の平均厚さが40μm程度であったが、本発明のメッキ方法の場合には平均34μm程度の銅メッキ層60を形成することができる。これによれば、メッキ厚さを約5μm程度減少させた場合にも前記銅メッキ層60を形成することができる。
【0036】
図5は、従来のメッキ法による銅メッキ層と本発明のメッキ法による銅メッキ層の比較拡大図である。
【0037】
前記従来のメッキ方法によると、前記銅メッキ層60を形成する際、前記スルーホール11周りの領域において銅メッキ層60が高くメッキされ、このような現象は、ピッチの狭いスルーホール11で、高密度電流を印加することで銅メッキ層60を形成する場合に、より深刻化する。
一方、本発明のメッキ法の場合、前記スルーホール11周りの領域において前記銅メッキ層60が高く形成されないことを確認することができる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態に基づき本発明のプリント基板のメッキ層形成方法について説明したが、本発明の思想を外れない範囲内で修正、変更及び様々な変形の実施形態が可能であるということは当技術分野の通常の知識を有する者には明白である。
【符号の説明】
【0039】
10 CCL
11 スルーホール
12 ビアホール
20 シードメッキ層
30 マスク
40 レジスト
50 一次メッキ層
60 銅メッキ層
61 回路パターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CCL(COPPER CLAD LAMINATION)にスルーホールを形成加工する段階と、
前記スルーホールにシードメッキ層を形成する段階と、
前記CCLと前記シードメッキ層上にレジストを塗布し、前記レジストを露光及び現像する段階と、
前記シードメッキ層上に一次メッキ層を形成する段階と、
前記一次メッキ層上に銅メッキ層を形成する段階と、
前記一次メッキ層上に残存しているレジストとシードメッキ層を除去してパターンを形成する段階と、を含むプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項2】
前記スルーホールは、機械的方法と化学的方法により形成される請求項1に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項3】
前記機械的方法としては、ドリル及びレーザ加工法を用いることができ、前記化学的方法としては、エッチング法を用いることができる請求項2に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項4】
前記一次メッキ層は、3〜5μmの厚さで形成される請求項1に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項5】
また、前記一次メッキ層は、0.5A/dm2〜1.0A/dm2以下の電流密度を有する低電流によりメッキされる請求項4に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項6】
前記銅メッキ層は、前記一次メッキ層上に20〜25μmの厚さで形成される請求項1に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項7】
前記銅メッキ層は、1.5A/dm2〜2.0A/dm2以上の電流密度を有する高電流によりメッキされる請求項6に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項1】
CCL(COPPER CLAD LAMINATION)にスルーホールを形成加工する段階と、
前記スルーホールにシードメッキ層を形成する段階と、
前記CCLと前記シードメッキ層上にレジストを塗布し、前記レジストを露光及び現像する段階と、
前記シードメッキ層上に一次メッキ層を形成する段階と、
前記一次メッキ層上に銅メッキ層を形成する段階と、
前記一次メッキ層上に残存しているレジストとシードメッキ層を除去してパターンを形成する段階と、を含むプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項2】
前記スルーホールは、機械的方法と化学的方法により形成される請求項1に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項3】
前記機械的方法としては、ドリル及びレーザ加工法を用いることができ、前記化学的方法としては、エッチング法を用いることができる請求項2に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項4】
前記一次メッキ層は、3〜5μmの厚さで形成される請求項1に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項5】
また、前記一次メッキ層は、0.5A/dm2〜1.0A/dm2以下の電流密度を有する低電流によりメッキされる請求項4に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項6】
前記銅メッキ層は、前記一次メッキ層上に20〜25μmの厚さで形成される請求項1に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【請求項7】
前記銅メッキ層は、1.5A/dm2〜2.0A/dm2以上の電流密度を有する高電流によりメッキされる請求項6に記載のプリント基板のメッキ層形成方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4】
【図5】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−60121(P2012−60121A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192424(P2011−192424)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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