説明

プリント方法およびプリント装置

【課題】 プリント装置の検査において、プリントに適さない不適領域が含まれるシートを用いた場合にも、不適領域の影響を受けずに正しく検査を行う。
【解決手段】 シート供給部から供給されるシートに複数の画像を順次プリントするとともに、画像を読み取ってプリントヘッドの状態等を検査する。供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知し、不適領域が検知されたら画像のプリントを中断してシートをカットする。カットされたシートのうち上流側のシートをシート供給部に送り戻す。その後、再びシートを供給してプリントと検査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリントヘッドを用いてシートに複数の画像をプリントする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ラボプリント等の大量のプリントにはロール状の連続シートが用いられる。ロール状の連続シートを製造する際には、製造上の歩留まり改善の観点から、必要長さに満たない複数の連続シートの端部同士をスプライシングテープ等の固定材(以下テープという)で結合し、必要長さを有するロールとすることがある。このロール状の連続シートは、テープで結合されたスプライス(繋ぎ部)を1箇所以上且つランダムな位置に有する。
【0003】
特許文献1に開示される装置では、光学センサを用いてテープを検出することでスプライスの位置を検知し、スプライスを含む領域をプリント不可領域として設定しプリントを行わないよう制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−239715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大量のプリントを行うプリント装置は定期的なメンテナンスが必要である。そこで通常のプリントモードとは別にメンテナンスモードを設けることが好ましい。メンテナンスモードでは、通常の画像とは異なる特定パターンからなる検査画像をシートにプリントし、スキャナでパターンを読み取って解析することでプリントの状態を検査することがある。
【0006】
スプライスは画像プリントには適さない領域(本明細書では不適領域と呼ぶ)である。検査画像をシートにプリントする際に、スプライスの上に検査画像が形成されると、パターン読み取りが不良となって正確に検査を行うことができなくなる可能性がある。特許文献1に記載の装置では、検査画像をプリントして検査することについてはなんら考慮されていない。
【0007】
本発明は上述の課題の認識にもとづいてなされたものである。本発明の目的は、プリント装置の検査において、プリントに適さない不適領域が含まれるシートを用いた場合にも、不適領域の影響を受けずに正しく検査を行うことができる手法の提供である。本発明の別の目的は、プリントに適さない不適領域が含まれるシートを用いた場合にも、不適領域の影響を受けずに正しくプリントを行うことができる手法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプリント方法の一つの形態は、シート供給部から供給されるシートに複数の画像を順次プリントする第1ステップと、前記第1ステップでプリントした前記画像を読み取って検査する第2ステップと、供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する第3ステップと、前記第3ステップで前記不適領域が検知されたら、前記画像のプリントを中断してシートをカットし、カットされたシートのうち上流側のシートを前記シート供給部に送り戻す第4ステップと、前記第4ステップの後、再びシートを供給して、前記第1ステップおよび前記第2ステップを実行する第5ステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの形態によれば、プリント装置の検査において、プリントに適さない不適領域が含まれるシートを用いた場合にも、不適領域の影響を受けずに正しく検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】プリント装置の内部構成を示す概略図
【図2】制御部のブロック図
【図3】プリントスケジュールの概念を示す図
【図4】ヘッドメンテナンスプリント中に不適領域を検出した場合の処理シーケンスを示すフローチャート
【図5】別の実施形態の処理シーケンスを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、インクジェット方式を用いたプリント装置の実施形態を説明する。本例のプリント装置は、長尺で連続したシート(搬送方向において繰り返しのプリント単位(1ページあるいは単位画像という)の長さよりも長い連続シート)を使用し、片面プリントおよび両面プリントの両方に対応した高速ラインプリンタである。例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適している。なお、本明細書では、1つのプリント単位(1ページ)の領域内に複数の小さな画像や文字や空白が混在していたとしても、当該領域内に含まれるものをまとめて1つの単位画像という。つまり、単位画像とは、連続したシートに複数のページを順次プリントする場合の1つのプリント単位(1ページ)を意味する。なお、単位画像といわずに単に画像という場合もある。プリントする画像サイズに応じて単位画像の長さは異なる。例えばL版サイズの写真ではシート搬送方向の長さは135mm、A4サイズではシート搬送方向の長さは297mmとなる。本発明はプリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置、各種デバイスの製造装置など、インクを用いて乾燥が必要なプリント装置に広く適用可能である。
【0012】
図1はプリント装置の内部構成を示す断面の概略図である。本実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれたシートを用いて、シートの第1面と第1面の背面側の第2面に両面プリントすることが可能となっている。プリント装置内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12、制御部13の各ユニットを備える。排出部12はソータ部11を含んで排出処理を行なうユニットを指す。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。なお、シート供給から排出までのシート搬送経路の任意の位置において、シート供給部1に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。
【0013】
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを保持して供給するためのユニットである。シート供給部1は、2つのロールR1、R2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。また、連続したシートであれば、ロール状に巻かれたものに限らない。例えば、単位長さごとのミシン目が付与された連続したシートがミシン目ごとに折り返されて積層され、シート供給部1に収納されるものでもよい。
【0014】
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させて通過させることでデカール力を作用させてカールを軽減させる。
【0015】
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。斜行矯正部3では、搬送されるシートにループが形成される。斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。斜行矯正部3では、搬送されるシートにループが形成される。
【0016】
プリント部4は、搬送されるシートに対して上方からプリントヘッド14によりシート上にプリント処理を行なって画像を形成するシート処理部である。つまり、プリント部4はシートに所定の処理を行なう処理部である。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッドを有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応した7つのプリントヘッドを有する。なお、色数およびプリントヘッドの数は7つには限定はされない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
【0017】
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像をスキャナによって光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査して画像が正しくプリントされたかを判定するためのユニットである。スキャナはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有する。
【0018】
カッタ部6は、プリント後のシートを所定長さに切断する機械的なカッタ20を備えたユニットである。カッタ部6はさらに、シート上に記録されているカットマークを光学的に検出するカットマークセンサとシートを次ステップに送り出すための複数の搬送ローラも備えている。
【0019】
情報記録部7は、切断されたシートの非プリント領域にプリントのシリアル番号や日付などのプリント情報(固有の情報)を記録するユニットである。記録はインクジェット方式、熱転写方式などで文字やコードをプリントすることで行なわれる。
【0020】
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるためのユニットである。乾燥部8の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。
【0021】
以上のシート供給部1から乾燥部8までのシート搬送経路を第1経路と称する。第1経路はプリント部4から乾燥部8までの間にUターンする形状を有し、カッタ部6はUターンの形状の途中に位置している。
【0022】
反転部9は両面プリントを行う際に表面プリントが終了した連続シートを一時的に巻き取って表裏反転させるためのユニットである。反転部9は、乾燥部8を通過したシートを再びプリント部4に供給するための、乾燥部8からデカール部2を経てプリント部4に到る経路(ループパス)(第2経路と称する)の途中に設けられている。反転部9はシートを巻き取るための回転する巻取回転体(ドラム)を備えている。表面のプリントが済んで切断されていない連続シートは巻取回転体に一時的に巻き取られる。巻き取りが終わったら、巻取回転体が逆回転して巻き取り済みシートは巻き取りのときとは逆順に送り出されてデカール部2に供給され、プリント部4に送られる。このシートは表裏反転しているのでプリント部4で裏面にプリントを行うことができる。シート供給部1を第1のシート供給部とすると、反転部9は第2のシート供給部とみなすことができる。両面プリントのより具体的な動作については後述する。
【0023】
排出搬送部10は、カッタ部6で切断され乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。排出搬送部10は、反転部9が設けられた第2経路とは異なる経路(第3経路と称する)に設けられている。第1経路を搬送されてきたシートを第2経路と第3経路のいずれか一方に選択的に導くために、経路の分岐位置(「排出分岐位置」と呼ぶ。)には可動フラッパを有する経路切替機構が設けられている。
【0024】
ソータ部11を含む排出部12は、シート供給部1の側部で且つ第3経路の末端に設けられている。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に仕分けるためのユニットである。仕分けられたシートは排出部12が有する複数のトレイに排出される。このように、第3経路はシート供給部1の下方を通過して、シート供給部1を挟んでプリント部4や乾燥部8とは逆側にシートを排出するレイアウトとなっている。
【0025】
以上のように、シート供給部1から乾燥部8までが第1経路に順に設けられている。乾燥部8の先は第2経路と第3経路に分岐され、第2経路は途中に反転部9が設けられ反転部9の先は第1経路に合流する。第3経路の末端には排出部12が設けられている。
【0026】
デカール部2と斜行矯正部3の間には、表面センサ17(検知部)が設けられている。表面センサ17は画像プリントに適さないシートの不適領域を光学的に検知するためのセンサである。表面センサ17は、プリント部4よりも上流側において、シート供給部(シート供給部1または反転部9)から供給されるシートの不適領域を、プリントされる側の面から光学的に検知する。
【0027】
不適領域の代表は上述したシートの継ぎ部であるスプライスである。使用する連続シートは、テープや糊で結合されたスプライス(繋ぎ部)を1箇所以上且つランダムな位置に有する場合がある。表面センサ17は例えば反射型フォトセンサであり、シートとスプライス(テープ)の表面反射率の差異、あるいはスプライスのテープの段差エッジを、反射光の受光光量の変化から捉える。なお、表面センサ17を透過型フォトセンサとしてもよく、シートとスプライスとの透過率の差異を捉えてスプライスを検出することができる。
【0028】
なお、スプライスの他にも、画像プリントに適さない不適領域があり得る。例えば、シート製造時に連続シート上に部分的に付与された画像プリントには許容できないような、傷、折れ目、破れ、大きなゴミ、汚れ(水性、油性)が挙げられる。本明細書ではこれらを総称して「連続シート上の汚れ」という。不適領域のさらに別の例として、連続シートに予め意図的にマーキングされている記号やマークなどのマーキング部分が挙げられる。これらの不適領域の上に画像をプリントするとプリント品質が著しく劣化して不良品となる。
【0029】
制御部13は、プリント装置全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、記憶装置、各種制御部を備えたコントローラ、外部インターフェース、および操作者が入出力を行なう操作部15を有する。プリント装置の動作は、コントローラまたはコントローラに外部インターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等のホスト装置16からの指令に基づいて制御される。
【0030】
図2は制御部13の概念を示すブロック図である。制御部13に含まれるコントローラ(破線で囲んだ範囲)は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、画像処理部207、エンジン制御部208、個別ユニット制御部209から構成される。CPU201(中央演算処理部)はプリント装置の各ユニットの動作を統合的に制御する。ROM202はCPU201が実行するためのプログラムやプリント装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203はCPU201のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204(ハードディスク)はCPU201が実行するためのプログラム、プリントデータ、プリント装置の各種動作に必要な設定情報を記憶読出することが可能である。操作部15は操作者との入出力インターフェースであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。
【0031】
高速なデータ処理が要求されるユニットについては専用の処理部が設けられている。画像処理部207は、プリント装置で扱うプリントデータの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像データに対し解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られたプリントデータは、RAM203またはHDD204に格納される。エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに基づいてプリントデータに応じてプリント部4のプリントヘッド14の駆動制御を行なう。エンジン制御部208は更にプリント装置内の各部の搬送機構の制御も行なう。個別ユニット制御部209は、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12の各ユニットを個別に制御するためのサブコントローラである。CPU201による指令に基づいて個別ユニット制御部209によりそれぞれのユニットの動作が制御される。外部インターフェース205は、コントローラをホスト装置16に接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/FまたはネットワークI/Fである。以上の構成要素はシステムバス210によって接続されている。
【0032】
ホスト装置16は、プリント装置にプリントを行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置16は、汎用または専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。ホスト装置16がコンピュータの場合は、コンピュータに含まれる記憶装置にOS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、プリント装置用のプリンタドライバがインストールされる。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【0033】
次に、プリント時の基本動作について説明する。プリントは、片面プリントモードと両面プリントモードとでは動作が異なるので、それぞれについて説明する。
【0034】
片面プリントモードでは、シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面(第1面)のプリントがなされる。長尺の連続シートに対して、搬送方向における所定の単位長さの画像(単位画像)を順次プリントして複数の画像を並べて形成していく。ここで、ある画像と次の画像の間には余白領域を設けて、余白領域にはプリント部4でカットマークを記録する。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6においてカッタ20で単位画像ごとに切断される。切断されたカットシートは、必要に応じて情報記録部7でシートの裏面にプリント情報が記録される。そして、カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。一方、最後の単位画像の切断でプリント部4の側に残されたシートはシート供給部1に送り戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。このように、片面プリントにおいては、シートは第1経路と第3経路を通過して処理され、第2経路は通過しない。
【0035】
両面プリントでは、表面(第1面)プリントシーケンスに次いで裏面(第2面)プリントシーケンスを実行する。最初の表面プリントシーケンスでは、シート供給部1から検査部5までの各ユニットでの動作は上述の片面プリントの動作と同じである。カッタ部6では切断動作は行わずに、連続シートのまま乾燥部8に搬送される。乾燥部8での表面のインク乾燥の後、排出搬送部10の側の経路(第3経路)ではなく、反転部9の側の経路(第2経路)にシートが導かれる。第2経路においてシートは、順方向(図面では反時計回り方向)に回転する反転部9の巻取回転体に巻き取られていく。プリント部4において、予定された表面のプリントが全て終了すると、カッタ部6にて連続シートのプリント領域の後端が切断される。切断位置を基準に、搬送方向下流側(プリントされた側)の連続シートは乾燥部8を経て反転部9でシート後端(切断位置)まで全て巻き取られる。一方、この巻取りと同時に、切断位置よりも搬送方向上流側(プリント部4の側)に残された連続シートは、シート先端(切断位置)がデカール部2に残らないように、シート供給部1に巻き戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。この巻き戻し(バックフィード)によって、以下の裏面プリントシーケンスで再び供給されるシートとの衝突が避けられる。
【0036】
上述の表面プリントシーケンスの後に、裏面プリントシーケンスに切り替わる。反転部9の巻取回転体が巻き取り時とは逆方向(図面では時計回り方向)に回転する。巻き取られたシートの端部(巻き取り時のシート後端は、送り出し時にはシート先端になる)は、図の破線の経路に沿ってデカール部2に送り込まれる。デカール部2では巻取回転体で付与されたカールの矯正がなされる。つまり、デカール部2は第1経路においてシート供給部1とプリント部4の間、ならびに第2経路において反転部9とプリント部4の間に設けられて、いずれの経路においてもデカールの働きをする共通のユニットとなっている。シートの表裏が反転したシートは、斜行矯正部3を経て、プリント部4に送られて、シートの裏面に単位画像とカットマークのプリントが行なわれる。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において予め設定されている所定の単位長さ毎に切断される。カットシートは両面にプリントされているので、情報記録部7での記録はなされない。カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。このように、両面プリントにおいて、シートは第1経路、第2経路、第1経路、第3経路の順に通過して処理される。
【0037】
以上は通常のプリントモードにおける動作の説明である。本実施形態のプリント装置はさらにメンテナンスモードを持っている。メンテナンスモードでは、通常の画像とは異なる特定パターンからなる検査画像を連続シートに順次プリントし、スキャナでパターンを読み取って解析することでプリント装置の状態を検査する。
【0038】
プリント装置のメンテナンスには種々あるが、一つの例はカラーシェーディング補正である。カラーシェーディング補正では、カラー画像の色調整のために数万色の色パターンからなる検査画像をプリントし、検査部のスキャナで読み取って正しい色として出力されているかを検査する。色ずれが生じている場合には各色のインク付与量を調整することで色ずれを解消する。メンテナンスの別の例は、プリントヘッドの不吐出検査である。不吐出検査のためにプリントした検査画像をスキャナで読みとってノズルの吐出不良がないかを検査する。吐出不良がある場合にはプリントヘッドからシートに対して予備吐出してヘッドメンテナンスを行う。
【0039】
以下、メンテナンスモードにおいて、メンテナンス用の検査画像をプリントしている最中に不適領域を検出した場合の処理について説明する。メンテナンスモードは、通常の画像プリントスケジュールの途中に組み込まれる場合や、通常の画像プリントとは独立したモードしてメンテナンス処理を実行する場合がある。
【0040】
図3は、通常の画像プリントの冒頭にメンテナンスモードが組み込まれた例における、プリントスケジュールの概念を示す図である。図3(a)は初期のプリントスケジュールの画像の並びを示し、画像1から順にシート上に並べてプリントされていく。画像と画像の間の狭い余白にはシート切断位置を示すカットマーク等が形成される。この例では、画像1から画像7までが色調整のための検査画像である。複数の検査画像が連続してプリントされる領域をメンテナンス領域と呼ぶ。これに続く画像8以降は最終的なプリント結果物としてプリントされる通常画像である。通常画像が連続してプリントされる領域を通常プリント領域と呼ぶ。
【0041】
もし、メンテナンス領域内に不適領域が存在すると、不適領域の上では正しくプリントがなされないので、検査部で読み取った結果は本来のものとは異なって、正確な検査を行うことができない。図3(a)の例では、画像5の領域に不適領域Aがかかっている。そのため、画像5の検査画像を用いた検査を正確に行うことができなくなる。
【0042】
そこで本実施形態では、不適領域Aを避けて検査画像がプリントされるように、プリントスケジュールを変更するものである。プリントスケジュールとは、検査画像(画像1〜画像7)を決められた順序および間隔でプリントするための情報である。図3(b)の例では、画像5をプリントすべき領域に不適画像Aが存在するので、これを避けて、画像4以降を全体的に不適画像Aの後ろにずらし、その間は空白としている。ここでは、不適領域Aを含んで3画像分の領域を空白としている。この理由は、画像4、画像5、画像6は相対的な距離に意味があり、ひとまとまりの画像として扱わないといけない特異的なパターンを有しているからである。もし、画像4と画像5、あるいは画像5と画像6の間に空白が挿入されると検査目的を果たせなくなる。そこで、画像4〜画像6のかたまりを不適領域Aの後ろに持ってくるために、3画像分の空白を挿入している。
【0043】
同様に、通常プリント領域に不適領域が存在すると、通常画像は不適領域の上では正しくプリントがなされなくなる。図3(a)の例では、画像11の領域に不適領域Bがかかっている。これを避けるために、不適領域Bを避けて通常画像がプリントされるように、プリントスケジュールを変更する。図3(b)の例では、画像9をプリントすべき領域に不適画像Bが存在するので、これを避けて、画像9以降を全体的に不適画像Bの後ろにずらしている。上述したように、検査画像では隣り合う画像の間に空白を挿入することができない場合があるが、通常画像は画像1つ1つが画像として完結し独立しているので、任意の位置で空白を挿入することが可能である。
【0044】
こうして再設定された図3(b)のプリントスケジュールに従って、シート供給部1から供給されるシートにプリントヘッドにより複数の画像を順次プリントしていく。このように、メンテナンス領域で不適領域が検知されたら、検査画像の種類に応じて、複数の検査画像に含まれる第1画像と第2画像を不適領域の前後に分けてプリントするか、前記第1画像と前記第2画像を不適領域の後に続けてプリントするかを設定する。これにより、シートの任意の位置に不適領域が存在しても、同じシートを用いて検査を継続するので、正しくプリントヘッドの状態を検査することができる。
【0045】
また、これ以外の別の方法も採用することができる。例えば、メンテナンス領域で不適領域が検知されたら、検査画像のプリントを中断してシートをカットし、カットされたシートのうち下流側のシートは排出し且つ上流側のシートは前記シート供給部に送り戻す。そして、シート供給部から再びシートを供給して再び検査を行う。これにより、シートの任意の位置に不適領域が存在しても、別のシートを用いて検査を継続するので、正しくプリントヘッドの状態を検査することができる。
【0046】
図4のフローチャートを用いて、メンテナンスモードにおける具体的な処理シーケンスを説明する。以下説明するシーケンスは、図3の画像1から画像7の検査画像のプリントを行うメンテナンスモードの際に実行される。
【0047】
ステップS1101では、初期のプリントスケジュールをメモリ上に作成する。ステップS1102では、シート供給部1からプリント部4にシートを供給する。ステップS1103では、プリント中に表面センサ17でシートの不適領域が検知されたか(Yes)否か(No)を判断する。表面センサ17はプリント部4のプリント位置よりも搬送経路の上流にあるので、プリントしている画像よりも後にプリントされる領域に不適領域が存在するかをプリントに先立って知ることができる。判断がYesの場合はステップS1107に移行し、判断がNoの場合はステップS1104に移行する。
【0048】
ステップS1103において、供給されるシートの不適領域が検知位置(表面センサ17の直下)を通過すると、表面センサ17の信号レベルが変化して、不適領域が通過したことが検知される。
【0049】
ステップS1104では、作成したプリントスケジュールに従って、供給されたシートに検査画像および保守パターンを決められた順序で順次プリントする。ステップS1105では、プリントされた検査画像を検査部5で読み取って、画像データを解析することでプリントヘッドの状態を検査する。
【0050】
ステップS1106では、検査画像のプリントスケジュールのプリントおよび検査がすべて終了したか(Yes)否か(No)を判断する。判断がYesの場合はシーケンスを終了する。判断がNoの場合はステップS1103に戻って処理を繰り返す。
【0051】
一方、ステップ1107では、プリント装置が同じシートを継続して検査画像のプリントに使うモードに設定されているか(YES)否か(NO)を判断する。同じシートを継続して検査画像のプリントに使うモードを第1モード、そうでない場合を第2モードと呼ぶ。判断がYesの場合は第1モードの処理のためにステップS1108に移行し、判断がNoの場合は第2モードの処理のためにステップS1111に移行する。
【0052】
第1モードにおいて、ステップS1108では、不適領域が存在する位置にプリントされる予定であった検査画像(第2画像と呼ぶ)が、不適領域を避けるために場所をずらしてプリントしても検査を行うことができるかを判断する。例えば、第2画像の一つ前に形成される検査画像(第1画像と呼ぶ)に含まれるパターンと第2画像に含まれるパターンとの相対的な距離に意味があるような場合には、第1画像と第2画像との間に不適領域を挿入して距離が広がると検査目的を果たせなくなる。このように、ステップS1108では、第1画像に対して第2画像の位置関係を変えて分離することができるか(YES)否か(NO)を判断する。判断YESの場合はステップS1109に移行し、判断がNoの場合はステップS1110に移行する。
【0053】
ステップ1109では、不適領域を避けてその前後に検査画像(第1画像と第2画像)を本来の間隔よりも分離してプリントするように、プリントスケジュールを設定し直す。プリントスケジュールの設定し直しをリスケジュールと呼ぶ。リスケジュールは、第2画像よりも以降の検査画像の並びを、不適領域を避けてそれよりも後ろにずらしてプリントするように設定し直す。第1画像までは既存のプリントスケジュールは変えない。ステップS1109の後は、ステップS1103に戻って処理を繰り返す。
【0054】
ステップ1110では、不適領域を避けて不適領域の後ろ(上流側)に、分離できない複数の検査画像(第1画像と第2画像)を連続してプリントするようにリスケジュールする。不適領域の後ろに第1画像と第2画像以降をまとめてプリントするようにリスケジュールする。もし、すべての検査画像が互いに分離できない場合には、すでにプリント済みの検査画像があったとしても、改めてすべての検査画像を不適領域の後ろにプリントすることになる。ステップS1110の後は、ステップS1103に戻って処理を繰り返す。
【0055】
このように、第1モードでは、不適領域が検知されたら、検査画像の種類に応じて、複数の検査画像に含まれる第1画像と第2画像を不適領域の前後に分けてプリントするか、前記第1画像と前記第2画像を不適領域の後に続けてプリントするかを設定する。第1モードでは、シートの任意の位置に不適領域が存在しても、同じシートを用いて検査を継続するので、正しくプリントヘッドの状態を検査することができる。
【0056】
ステップS1117において、プリント装置が第2モードに設定されていると判断された場合は、第2モードの処理を行う。第2モードでは、すでに使用済みのシートは捨てて、新しいシートに対してすべての検査画像をプリントし直して検査を行う。
【0057】
第2モードにおいて、ステップS1111では、現在の検査画像のプリント動作を中断する。既存のプリントスケジュールは一旦クリアする。
【0058】
ステップS1112では、シートを所定の位置まで送って、カッタ部6でシートをカットする。所定の位置とは、最後にプリントした検査画像よりも後ろ(上流側)の位置が、カッタ部6のカッタに来る位置である。ステップS1113では、カットで2つに分離された下流側のシートはプリント部から排出するとともに、上流側のシートはシート供給部1に送り戻す。なお、プリントの最後にシートをカットした後、上流側のシートをシート供給部1に送り戻す際に、シート全部に送り戻さずに一部を送り戻して経路に一部のシートを残しておいて、次の処理に移行するようにしてもよい。この場合は、次に処理におけるステップS1102でのシート供給の時間が短縮される。
【0059】
また、ステップS1112において、不適領域よりも下流でシートをカットするようにカット位置を設定するようにしてもよい。この場合は、S1113でシート供給部1に送り戻したシートを再び使用する際には、シート先端からある距離離れた位置に不適領域が現れる。したがって、次の処理におけるステップS1102では、不適領域がプリント位置を通過するまでシートを空送りして、そこから検査画像のプリントを開始するようにすれば、不適領域の影響を受けずに検査を行うことができる。ステップS1113の後は、ステップS1101に戻って同様の処理を再び行う。この場合は、新しいシートに対して新たに検査画像をプリントし直すことになる。
【0060】
このように、第2モードでは、不適領域が検知されたら、検査画像のプリントを中断してシートをカットし、カットされたシートのうち下流側のシートは排出し且つ上流側のシートは前記シート供給部に送り戻す。そして、シート供給部から再びシートを供給して再び検査を行うものである。第2モードでは、シートの任意の位置に不適領域が存在しても、別のシートを用いて検査を継続するので、正しくプリントヘッドの状態を検査することができる。
【0061】
以上、本実施形態によれば、検査画像をプリントしているときに不適領域が検知されたら、不適領域を避けて検査を継続するので、不適領域の影響を受けずに正しく検査を行うことができる。
【0062】
別の実施形態について説明する。本実施形態では、検査に先立って、使用が見込まれる長さのシートに不適領域が無いことを予め確認するものである。これにより、検査中には不適領域の検知を不要とするものである。
【0063】
図5はこの処理のシーケンスを示すフローチャートである。ステップS1201では、初期のプリントスケジュールをメモリ上に作成する。ステップS1202では、シート供給部1から、少なくとも、プリントスケジュールに含まれる複数の検査画像のプリントに必要な所定長さに渡ってシートを供給する。
【0064】
ステップS1203では、供給されるシートの不適領域が表面センサ17で検知されたか(Yes)否か(No)を判断する。判断がYesの場合はステップS1206に移行し、判断がNOの場合はステップS1204に移行する。
【0065】
ステップS1204では、ステップS1203で前記所定長さに渡って検査したシートを、カッタ部6でカットすることなくそのままシート供給部1に送り戻す。
【0066】
ステップS1205では、送り戻したシートと同じロールのシートを再びシート供給部1からプリント部4に向けて供給する。なお、ステップS1204において、プリントの最後にシートをカットした後、上流側のシートをシート供給部1に送り戻す際に、シート全部に送り戻さずに一部を送り戻して経路に一部のシートを残しておいて、次の処理に移行するようにしてもよい。この場合は、ステップS1205でシートを供給するのに要する時間が短縮される。
【0067】
ステップS1209では、プリントスケジュールに従って、供給されたシートに検査画像および保守パターンを決められた順序で順次プリントする。ステップS1210では、プリントされた検査画像を検査部5で読み取って、画像データを解析することでプリントヘッドの状態を検査する。
【0068】
ステップS1211では、検査画像のプリントスケジュールのプリントおよび検査がすべて終了したか(Yes)否か(No)を判断する。判断がYesの場合はシーケンスを終了する。判断がNoの場合はステップS1209に戻って処理を繰り返す。
【0069】
一方、ステップS1203の判断で不適領域が検知された場合には、ステップ1206に移行して不適領域を排除するための処理を行う。ステップS1206では、シートを所定の位置まで送って、カッタ部6でシートをカットする。所定の位置とは、最後にプリントした検査画像よりも後ろ(上流側)の位置が、カッタ部6のカッタに来る位置である。カットで2つに分離された下流側のシートはプリント部から排出するとともに、上流側のシートはシート供給部1に送り戻す。
【0070】
ステップS1207では、不適領域が検知されたら別のロールに切り替えるモードにプリント装置が設定されているか(YES)否か(NO)を判断する。判断がYesの場合はステップS1208に移行し、判断がNOの場合はステップS1205に移行する。
【0071】
なお、ステップS1206において、プリントの最後にシートをカットした後、上流側のシートをシート供給部1に送り戻す際に、シート全部に送り戻さずに一部を送り戻して経路に一部のシートを残しておいて、次の処理に移行するようにしてもよい。この場合は、ステップS1205でシートを供給するのに要する時間が短縮される。
【0072】
ステップS1208では、別のロールから新しいシートを供給する。例えば、使用中のシートがロールR1のシートであれば、再び供給するのはロールR2のシートとする。ス
ステップS1208の後、ステップS1202に戻って同じ処理を繰り返す。
【0073】
このように、検査に使用する範囲ではシートに不適領域が無いことが予め確認されているので、検査画像プリントと画像読取検査を繰り返す際には不適領域の検知は行わない。検査中には不適領域が現れることはないので、シートの無駄な消費が少ないというメリットがある。
【0074】
以上、メンテナンスモードのおける検査画像のプリントで不適領域が検知された場合の処理を主眼に説明してきた。本発明はこれに限定されず、通常画像のプリント(図3の通常プリント)の際に不適領域が検知された場合についても同様の処理を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 シート供給部
4 プリント部
6 カッタ部
8 乾燥部
9 反転部
13 制御部
14 プリントヘッド
17 表面センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート供給部から供給されるシートに複数の画像を順次プリントする第1ステップと、
前記第1ステップでプリントした前記画像を読み取って検査する第2ステップと、
供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する第3ステップと、
前記第3ステップで前記不適領域が検知されたら、前記画像のプリントを中断してシートをカットし、カットされたシートのうち上流側のシートを前記シート供給部に送り戻す第4ステップと、
前記第4ステップの後、再びシートを供給して、前記第1ステップおよび前記第2ステップを実行する第5ステップと、
を有することを特徴とするプリント方法。
【請求項2】
前記第4ステップでは、前記不適領域よりも上流の位置でシートをカットすることを特徴とする、請求項1記載のプリント方法。
【請求項3】
前記第5ステップでは、前記第4ステップで送り戻したシートと同じシートを供給することを特徴とする、請求項2記載のプリント方法。
【請求項4】
前記第4ステップでは前記不適領域よりも下流の位置でシートをカットし、前記第5ステップでは前記第4ステップで送り戻したシートと同じシートを供給し且つ前記不適領域よりも上流の位置から前記画像をプリントすることを特徴とする、請求項1記載のプリント方法。
【請求項5】
前記第5ステップでは、前記第4ステップで送り戻したシートとは異なるシートを供給することを特徴とする、請求項1記載のプリント方法。
【請求項6】
前記第3ステップで前記不適領域が検知されたら、前記複数の画像に含まれる第1画像と第2画像を不適領域の前後に分けてプリントするか、前記第1画像と前記第2画像を前記不適領域の後に続けてプリントするかを設定する第6ステップをさらに有し、
前記第4ステップを実行するモードと前記第6ステップを実行するモードを選択することが可能であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のプリント方法。
【請求項7】
供給されるシートに複数の画像を順次プリントする第1ステップと、
前記第1ステップでプリントした前記画像を読み取って検査する第2ステップと、
供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する第3ステップと、
前記第3ステップで前記不適領域が検知されたら、前記複数の画像に含まれる第1画像と第2画像を前記不適領域の前後に分けてプリントするか、前記第1画像と前記第2画像を前記不適領域の後に続けてプリントするかを設定する第4ステップと、
を有することを特徴とするプリント方法。
【請求項8】
シート供給部から少なくとも複数の画像のプリントに必要な長さに渡ってシートを供給する第1ステップと、
前記第1ステップで供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する第2ステップと、
前記第2ステップで検査したシートを前記シート供給部に送り戻す第3ステップと、
前記第2ステップで前記不適領域が検知されなかった場合に、前記第3ステップで送り戻したシートを前記シート供給部から再び供給して、シートに複数の画像を順次プリントし且つプリントした前記画像を読み取って検査する第4ステップと、
を有することを特徴とするプリント方法。
【請求項9】
前記第2ステップで前記不適領域が検知された場合に、前記第3ステップで送り戻したシートを前記シート供給部から再び供給して、前記不適領域よりも上流の位置からシートに複数の画像を順次プリントし、且つプリントした前記画像を読み取って検査する第5ステップをさらに有することを特徴とする、請求項8記載のプリント方法。
【請求項10】
前記第2ステップで前記不適領域が検知された場合に、前記第3ステップで送り戻したシートとは異なるシートを前記シート供給部から供給して、シートに複数の画像を順次プリントし、且つプリントした前記画像を読み取って検査する第5ステップをさらに有することを特徴とする、請求項8記載のプリント方法。
【請求項11】
前記不適領域は、シートのスプライス、シートの汚れ部分、またはシートに予めマーキングされているマーキング部分であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のプリント方法。
【請求項12】
シートを供給するシート供給手段と、
供給されるシートに複数の画像を順次プリントするためのプリント手段と、
供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する検知手段と、
前記検知手段で前記不適領域が検知されたら、前記画像のプリントを中断してシートをカットし、カットされたシートのうち上流側のシートを前記シート供給手段に送り戻し、その後、再び前記プリント手段でプリントを行うよう制御する制御手段と
を有することを特徴とするプリント装置。
【請求項13】
シートを供給するシート供給手段と、
供給されるシートに複数の画像を順次プリントするためのプリント手段と、
供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する検知手段と、
前記検知手段で前記不適領域が検知されたら、前記画像の種類に応じて、前記複数の画像に含まれる第1画像と第2画像を前記不適領域の前後に分けてプリントするか、前記第1画像と前記第2画像を前記不適領域の後に続けてプリントするかを設定するよう制御する制御手段と
を有することを特徴とするプリント装置。
【請求項14】
シートを供給するシート供給手段と、
供給されるシートに画像をプリントするプリント手段と、
供給されるシートのプリントに適さない不適領域を検知する検知手段と、
前記検知手段で前記不適領域を検知しながら、前記シート供給手段から少なくとも複数の画像のプリントに必要な長さに渡ってシートを供給した後、検査したシートを前記シート供給手段に送り戻すよう制御し、且つ、
前記検知手段で前記不適領域が検知されなかったことを確認したら、前記送り戻したシートを前記シート供給部から再び供給し、前記プリント手段で複数の画像を順次プリントするよう制御する制御手段と
を有することを特徴とするプリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−162032(P2012−162032A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25253(P2011−25253)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】